特許第6453485号(P6453485)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6453485アラビノース及びエチレンカーボネートを使用したケラチン繊維の整形
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6453485
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】アラビノース及びエチレンカーボネートを使用したケラチン繊維の整形
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/60 20060101AFI20190107BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20190107BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20190107BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20190107BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20190107BHJP
   A61Q 5/04 20060101ALI20190107BHJP
   A45D 7/02 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
   A61K8/60
   A61K8/49
   A61K8/35
   A61K8/02
   A61Q1/10
   A61Q5/04
   A45D7/02 Z
【請求項の数】19
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-550099(P2017-550099)
(86)(22)【出願日】2015年12月15日
(65)【公表番号】特表2018-500392(P2018-500392A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】US2015065670
(87)【国際公開番号】WO2016100256
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2017年6月14日
(31)【優先権主張番号】62/094,296
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ランディ パーネル ワシントン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス フロール
(72)【発明者】
【氏名】ジェイミー アンヘル リード
(72)【発明者】
【氏名】アンバー ジョイ イヤリー
(72)【発明者】
【氏名】アラン デイビッド ウィレー
【審査官】 駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−523413(JP,A)
【文献】 特表2013−514264(JP,A)
【文献】 特表2004−502711(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0048018(US,A1)
【文献】 特開2005−343902(JP,A)
【文献】 特表平11−505273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維を整形するための方法であって、
(a)架橋性組成物を提供する工程であって、前記架橋性組成物が、
・エチレンカーボネート、
・アラビノース、
・ヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒、及び
・化粧用として許容可能なキャリア、を含み、
前記架橋性組成物が、750nm以下の波長を有する電磁放射線に30分以上曝露されていない、工程と、
(b)前記架橋性組成物をケラチン繊維に塗布する工程と、
(c)前記架橋性組成物を300nm〜750nmの波長を有する電磁放射線に曝露する一方、80℃〜180℃の温度で器具を用いて前記ケラチン繊維を機械的に整形する工程と、を含み、
前記アラビノース及び前記エチレンカーボネートが、7:4〜9:4の重量比を有する、方法。
【請求項2】
前記アラビノース及び前記エチレンカーボネートが、2:1の重量比を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ケラチン繊維を整形するための方法であって、
(a)架橋性組成物を提供する工程であって、前記架橋性組成物が、
・エチレンカーボネート、
・アラビノース、
・ヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒、及び
・化粧用として許容可能なキャリア、を含み、
前記架橋性組成物が、750nm以下の波長を有する電磁放射線に30分以上曝露されていない、工程と、
(b)前記架橋性組成物をケラチン繊維に塗布する工程と、
(c)前記架橋性組成物を300nm〜750nmの波長を有する電磁放射線に曝露する一方、80℃〜180℃の温度で器具を用いて前記ケラチン繊維を機械的に整形する工程と、を含み、
前記アラビノース及び前記エチレンカーボネートが、3:12〜5:12の重量比を有する、方法。
【請求項4】
前記アラビノース及び前記エチレンカーボネートが、1:3の重量比を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ケラチン繊維の前記機械的な整形が、ケラチン繊維を真直化することか、又はケラチン繊維をカールさせることである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記器具が、発光ダイオードを備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記光触媒が、300nm〜750nmの波長を有する入射放射線による励起によって光励起状態に活性化され得て、前記器具が、300nm〜750nmの波長を有する放射線を放出する、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ヒドロキシ置換芳香族化合物が、8−ヒドロキシキノリンである、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物が、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒドの誘導体、ホルマリン、及び加熱するとホルムアルデヒドを生成する任意の化合物を実質的に含まない、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法がすすぎ工程を含まない、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記架橋性組成物が、前記架橋性組成物の重量に対して、0.1%〜20%のアラビノースを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記架橋性組成物が、前記架橋性組成物の重量に対して、2%〜13%のアラビノースを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記架橋性組成物が、前記架橋性組成物の重量に対して、9%〜11%のアラビノースを含む、請求項1、2及び512のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記架橋性組成物が、前記架橋性組成物の重量に対して、4%〜6%のアラビノースを含む、請求項3〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記架橋性組成物が、前記架橋性組成物の重量に対して、2%〜18%のエチレンカーボネートを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記架橋性組成物が、前記架橋性組成物の重量に対して、4%〜6%のエチレンカーボネートを含む、請求項1、2、5〜13及び15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記架橋性組成物が、前記架橋性組成物の重量に対して、14%〜16%のエチレンカーボネートを含む、請求項3〜12、14及び15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記架橋性組成物が、1,2−ビス(2−マレイミドエトキシ)エタンを更に含む、請求項1〜1のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
ケラチン繊維を整形するための架橋性組成物であって、
(a)エチレンカーボネート、
(b)アラビノース、
(c)ヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒、及び
(d)化粧用として許容可能なキャリア、を含み、
前記架橋性組成物が、750nm以下の波長を有する電磁放射線に30分以上曝露されておらず、
前記アラビノース及び前記エチレンカーボネートが、2:1又は1:3のアラビノース:エチレンカーボネートの重量比を有する、架橋性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
エチレンカーボネート、アラビノース、及び光触媒を含む架橋性組成物を提供する工程と、架橋性組成物を毛髪に塗布する工程と、架橋性組成物を電磁放射線に曝露する工程と、を含む、ケラチン繊維を整形するための方法。
【背景技術】
【0002】
消費者は、毛髪を傷めることなく、毎日のスタイリング及びコンディショニングのニーズを満たす製品を常に求めている。ブロー乾燥及びフラットアイロンなどの様々な処理及び装置の認識される影響、場合によっては実際の影響は、急性的及び慢性的な髪質に有害作用を及ぼし得る。
【0003】
パーマネント法、つまり、縮毛矯正は、通常、高pH溶液(又は高pHを生み出す成分の組み合わせ)を含む組成物を毛髪に塗布する工程と、長期間付着したままにしておく工程と、次いで中和組成物を塗布する工程と、を含む。縮毛矯正は、毛髪を永久的に直毛化するために主にアフリカ系の人々によって使用される処理である。この処理は、1工程型の水酸化ナトリウム(苛性アルカリ溶液)又は2工程型(例えば、炭酸グアニジン及び水酸化カルシウム)のいずれかに依存して、非常に高いpH(pH12〜14)を達成する。
【0004】
チオグリコール酸(TGA)及び過酸化水素などの酸化還元化学を使用して、半永久的な利益が達成され得る。この場合、TGAとの反応によってジスルフィド結合が切断されるため、カールした毛髪は直毛に変わる。過酸化水素を使用した酸化工程中に、より真直なスタイルが固定される。
【0005】
非パーマネント方法は、通常、フラットアイロン又は加熱素子による毛髪の加熱工程を含む。毛髪の内部繊維の化学修飾と共にかかる装置を使用する方法により、長期間、例えば数か月にわたる効果を得ることができる。ブラジリアンケラチン処理(BKT)では、シャンプー処理によって数か月持続する真直な髪型を達成することができる。BKTにおける主な活性物質はホルムアルデヒドである。最も有効な処理(主に美容院で使用される)は、高温(通常、232℃(450°F))でホルムアルデヒドを使用することに依存する。ブラジリアンブローアウトなど高濃度ホルムアルデヒドを含む製品を使用して処理された毛髪は、半永久的な直毛をもたらす。時間が経つにつれて、シャンプーの後に、毛髪はカールした形状に戻る。
【0006】
既知の直毛化法にはいずれにも欠点がある。パーマネント法は、通常、時間がかかり、毛髪を傷めることがある。加えて、かかる方法は柔軟性が乏しく、髪型を変更する必要性及び/又は希望が生じた場合には、再び毛髪に「パーマネント」ウェーブを施す必要があり、これは、時間を要し、毛髪を更に傷める。
【0007】
塗布中に皮膚炎になる高い可能性と併せて、縮毛矯正は、毛髪中の自然のジスルフィド結合を切断することにより毛髪を永久的に変化させる傾向を有する。これは、毛髪をより脆弱な状態にしておくことになり、更に切れ毛が生じやすくする。過剰処理も毛髪の傷み及び皮膚炎を増加させ得る。酸化還元化学を使用する消費者製品は半永久的な利益を達成するが、毛髪の過剰処理及び強烈な硫黄臭は、還元化学に基づく技法の懸念事項である。
【0008】
US National Toxicology Programによると、ホルムアルデヒドは、ヒトに対して発癌性であることが既知である。したがって、発癌性物質を含まない配合物を使用して半永久的なスタイルを提供することが最優先である。ホルムアルデヒドの安全性に対する懸念、並びに縮毛矯正及び還元化学の損傷作用を考慮すると、ジスルフィド結合を切断せず、長持ちする真直化の安全な代替法に対する必要性が存在する。
【0009】
上記のいずれの方法も、毛髪を深刻に傷めるか又は発癌性活性物質を使用することなく、少なくとも1回のシャンプー処理後に保持され得るかつ/又は復元し得る髪型を達成することができない。ユーザーが毎回シャンプー後に毛髪を再整形する必要がなく、しばらく時間が経過してから髪型を変える機会を依然として有するように、少なくとも5回のシャンプー処理を経ても持続する髪型を達成し、かつ上記のようなパーマネント技法などの刺激の強い又は不快な毛髪処理を使用する必要がない方法を提供することに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、ジスルフィド結合を破壊しない活性物質(還元剤)、又は発癌性がないと考えられる活性物質を使用して、髪型を達成し、半永久的に保持し、かつ/又は復元するための方法を提供する必要性が存在する。また、シャンプー処理に対する耐性を呈する髪型を得る方法を提供する必要性も存在する。具体的には、少なくとも1回のシャンプー処理後、具体的には5回のシャンプー処理後、より具体的には10回のシャンプー処理後に髪型を保持し、かつ/又は復元する方法を提供する必要性が存在する。加えて、毛髪を傷めずに髪型を達成し、保持し、かつ/又は復元する方法を提供する必要性が存在する。また、より経済的な半永久的直毛化処理又は縮毛矯正処理を提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ケラチン繊維を整形するための方法であって、(a)架橋性組成物を提供する工程であって、架橋性組成物が、(i)エチレンカーボネート、(ii)アラビノース、(iii)ヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒、(iv)化粧用として許容可能なキャリア、を含み、架橋性組成物が、750nm以下の波長を有する電磁放射線に30分以上曝露されていない、工程と;(c)架橋性組成物をケラチン繊維に塗布する工程と;(d)架橋性組成物を300nm〜750nmの波長を有する電磁放射線に曝露する一方、80℃〜180℃の温度で器具を用いてケラチン繊維を機械的に整形する工程と、を含む方法を本明細書に記載する。
【0012】
また、ケラチン繊維を整形するための架橋性組成物であって、(a)エチレンカーボネート、(b)アラビノース、(c)ヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒、及び(d)化粧用として許容可能なキャリアを含み、この架橋性組成物は、750nm以下の波長を有する電磁放射線に30分以上曝露されておらず、アラビノース及びエチレンカーボネートは、約2:1又は約1:3のアラビノース:エチレンカーボネートの重量比を有する、架橋性組成物も、本明細書に記載する。
【0013】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、本開示を通読することで当業者には明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の全ての態様の全ての実施形態を含む本文書において、別途具体的に記載されない限り、以下の定義が適用される。全ての割合(%)は、総組成物の重量による。全ての比率は、重量比である。「部」、例えば、1部のX及び3部のYの混合物への言及は、重量による比率である。「QS」又は「QSP」は、100%又は100gに対する十分な量を意味する。+/−は、標準偏差を示す。全ての範囲は、包括的かつ組み合わせ可能である。有効桁の数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。全ての数量は、「約」という単語によって修飾されるものと理解される。全ての測定は、25℃及び周囲条件で実施されるものと理解され、「周囲条件」とは、1気圧(atm)の圧力、及び50%の相対湿度を意味する。「相対湿度」は、同じ温度及び圧力における飽和水分レベルと比較した、空気の水分含量の比率(パーセントとして記載される)を指す。相対湿度は、湿度計、具体的には、VWR(登録商標)Internationalからのプローブ湿度計で測定することができる。本明細書において、「min」は、「分」又は「分(複数)」を意味し;「mol」はモルを意味し;「ナノメートル」は、「nm」と略され;数の後の「g」は、「グラム」を意味する。全ての重量は、それらが列記される成分に関連する際、活性成分のレベルに基づき、商業的に入手可能な材料に含まれ得るキャリア又は副生成物を含まない。本明細書において、「含む(comprising)」は、他の工程及び他の成分を追加することができることを意味する。「含む(comprising)」は、「〜からなる(consisting of)」及び「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」という用語を包含する。本発明の組成物、配合物、方法、使用、キット、及びプロセスは、本明細書で説明される本発明の要素及び制約、並びに本明細書で説明される追加若しくは任意の成分、構成要素、工程、又は制約のいずれをも含み、それらからなり、本質的にそれらからなることができる。本明細書で説明される実施形態及び態様は、不相容性が記載されない限り、明白に組み合わせて例示されていないにもかかわらず、他の実施形態及び/又は態様の要素、特性、又は構成要素を含むか、又はこれらと組み合わせ可能であり得る。「少なくとも1つの実施形態において」とは、本発明の1つ以上の実施形態、任意選択で全ての実施形態、又はその大部分の実施形態がその後説明される特性を有することを意味する。量の範囲が記載される場合、これらは組成物中の当該成分の総量であるか、成分定義の範囲に2種以上が当てはまる場合、組成物中の、その定義に適合する全ての成分の総量であると理解されるべきである。例えば、組成物が約1%〜約5%の脂肪アルコールを含む場合、2%のステアリルアルコール及び1%のセチルアルコールを含む組成物は範囲内に収まる。
【0015】
「分子量」又は「M.Wt.」又は「MW」及び文法的な同等物は、数平均分子量を意味する。
【0016】
「粘度」は、DIN 53019に準拠して12.9秒-1の剪断速度で、冷却/加熱容器及びセンサーシステムを備えるHAAKE回転粘度計VT 550を使用して、25℃で測定される。
【0017】
「水溶性」とは、水に十分溶解可能であり、25℃の水にその材料の0.1%の重量濃度で裸眼に対して清澄な溶液を形成する任意の材料を指す。用語「非水溶性」は、「水溶性」ではない任意の材料を指す。
【0018】
「実質的に含まない(substantially free from又はsubstantially free of)」とは、組成物又は配合物の総重量で、約1%未満、又は0.8%未満、又は0.5%未満、又は0.3%未満、又は約0%を意味する。
【0019】
「ケラチン繊維」とは、ケラチンから構成される繊維状物質を意味する。「毛髪」とは、頭髪、顔の毛、まつ毛、及び体毛を含む、哺乳類ケラチン繊維を意味する。それは、依然として生体に付着しているこのような毛髪、並びに、毛髪見本、及び人形/マネキン上の毛髪などの、生体から除去された毛髪も含む。少なくとも1つの実施形態において、「毛髪」はヒトの毛髪を意味する。「毛幹」又は「毛髪繊維」は、1本1本の髪の毛を意味し、用語「毛髪」と互換的に使用され得る。
【0020】
「化粧用として許容可能な」とは、説明される組成物、配合物、又は構成要素が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応性などを伴わずに、ヒトのケラチン組織と接触させて使用するために好適であることを意味する。本明細書で説明され、ケラチン組織に直接適用されるという用途を有する全ての組成物及び配合物は、化粧用として許容可能であるものに制限される。
【0021】
「誘導体」としては、所与の化合物のアミド、エーテル、エステル、アミノ、カルボキシル、アセチル、酸、塩及び/又はアルコールの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施形態において、「その誘導体」とは、アミド、エーテル、エステル、アミノ、カルボキシル、アセチル、酸、塩、及びアルコールの誘導体を意味する。
【0022】
「モノマー」は、反応開始剤の存在下での重合、又は、例えば、重縮合、重付加、アニオン性若しくはカチオン性重合といった巨大分子を作る任意の好適な反応を行うことが可能な分離性の重合されていない化学部分を意味する。「単位」とは、すでに重合された、すなわち、ポリマーの部分であるモノマーを意味する。
【0023】
「ポリマー」とは、2つ以上のモノマーの重合から形成される化学物質を意味する。「ポリマー」という用語は、モノマーの重合によって作製される全ての物質、同様に天然ポリマーも含むものとする。1種のモノマーのみから作製されるポリマーは、ホモポリマーと呼ばれる。本明細書において、ポリマーは、少なくとも2つのモノマーを含む。2種以上の異なる種類のモノマーから作製されるポリマーは、コポリマーと呼ばれる。異なるモノマーの分布は、ランダム、交互、又はブロック状(すなわち、ブロックコポリマー)であることができる。本明細書で使用される「ポリマー」という用語は、ホモポリマー及びコポリマーを含む、任意の種類のポリマーを包含する。
【0024】
「キット」とは、複数の構成要素を含むパッケージを意味する。「キット」は、「パーツのキット(kit-of-parts)」を指し得る。キットの例は、例えば、第1の組成物、及び別個にパッケージ化された第2の組成物、並びに任意選択の適用説明書である。
【0025】
説明
ケラチン繊維を整形するための方法を本明細書に記載する。本方法により、半永久的な髪型、すなわち長持ちする髪型、及び半永久的なまつ毛の整形の達成が可能となる。この半永久的な髪型は、少なくとも1回のシャンプー処理後、具体的には5回のシャンプー処理後、より具体的には10回のシャンプー処理後に保持される。髪型がより長持ちすることに加えて、この方法は、毛髪の凝集を阻止し、かつ/又はシャンプー後の毛髪の絡まり及び手触りを改善する。加えて、本発明者らは、本方法が、形状の耐水性及び耐湿性を向上し、スタイリングの容易さを向上し、及び/又はシャンプー後の形状の取り扱いやすさを向上することを見い出した。
【0026】
理論に束縛されるものではないが、上記の利益は、実行される工程、その順序、並びに活性剤を含む、使用される特定の構成要素によるものであると考えられる。選択された活性剤は、ケラチン繊維の毛幹に拡散し、ケラチンポリペプチド内のアミノ基と反応し、ケラチンタンパク質構造のこれらの官能基を架橋し、ケラチン繊維構造の生来の復元力を克服するのに十分な架橋をもたらすと考えられる。この結果、例えば、長持ちする髪型又は長持ちするまつ毛の形状などのケラチン繊維の長持ちする整形がもたらされる。
【0027】
本発明の異なる態様の詳細は、後述する。
【0028】
架橋性組成物
架橋性組成物は、第1及び第2の活性剤を含む。活性剤は、ケラチンと反応し、ケラチン内に架橋をもたらすのに有用であり、第1活性剤はアラビノースであり、第2活性剤はエチレンカーボネートである。
【0029】
アラビノースなどの糖は、天然由来であり、合成化合物と比較して消費者に好まれるため、有用である。これは、認識されている健康上の理由及び感作しないという理由だけではなく、持続可能性及び環境上の理由のためであり、糖は、通常、自然にかつ迅速に分解され、特別な処分法を必要としないためである。更に、糖はまた、調達が簡単であり、比較的安価である。
【0030】
理論に束縛されるものではないが、第2架橋剤は、ケラチンと反応し、ケラチン内に更なる架橋をもたらすのに有用であり得る。毛髪は、官能基−COOH、OH、及びNH2、及びSHを有するケラチンのポリペプチドを含む。様々な活性剤が各官能基と優先的に反応できる。例えば、アラビノースはアミノ基と優先的に反応し、エチレンカーボネートは−COOHと優先的に反応する。
【0031】
第2活性剤は、25℃において液体である。25℃において液体である第2活性剤は、25℃において固体である第2活性剤と比較して、改善された毛髪の感触をもたらすという利点を有する。
【0032】
アラビノース及びエチレンカーボネートは、約7:4〜約9:4、あるいは約2:1、あるいは約3:12〜約5:12、あるいは約1:3、あるいは約1:12〜約3:12、及びあるいは約1:6のアラビノース:エチレンの重量比で架橋性組成物内に存在する。架橋性組成物は、架橋性組成物の重量に対して、約0.1%〜約40%、又は約0.5%〜約20%、又は約1%〜約15%、又は約7%〜約20%、又は約8%〜約19%、又は約10%〜約18%のアラビノース及び結合したエチレンカーボネートを含んでもよい。一実施形態において、エチレンカーボネート及びアラビノースは、少なくとも1:2のエチレンカーボネート:アラビノースの重量比で架橋性組成物内に存在する。
【0033】
一実施形態において、架橋性組成物は、約7%〜約20%、又は約8%〜約19%、又は約10%〜約18%のアラビノース:エチレンカーボネートを含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、架橋性組成物の重量に対して、約12%〜約18%のアラビノース:エチレンカーボネートを含む。
【0034】
一実施形態において、架橋性組成物は、架橋性組成物の重量に対して、約0.1%〜約20%、あるいは約2%〜約13%、あるいは約4%〜約6%、あるいは約9%〜約11%、あるいは約1.5%〜約3.5%のアラビノースを含んでもよい。
【0035】
一実施形態において、架橋性組成物は、架橋性組成物の重量に対して、約0.1%〜約20%、あるいは約2%〜約18%、あるいは約4%〜約6%のアラビノース、及びあるいは約14%〜約16%のアラビノースを含んでもよい。
【0036】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は化粧用として許容可能なキャリアを含む。少なくとも1つの実施形態において、化粧用として許容可能なキャリアは、毛髪への塗布に好適な架橋性組成物に活性剤を配合するために好適な任意のキャリアである。少なくとも1つの実施形態において、化粧用として許容可能なキャリアは、水性媒体又は水性アルコール媒体のいずれかから選択される。少なくとも1つの実施形態において、キャリアが水性アルコールキャリアである場合、このキャリアは水及びアルコールを含む。少なくとも1つの実施形態において、アルコールはエタノール、イソプロパノール、プロパノール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、キャリアが水性キャリアである場合、このキャリアは本質的に水からなり、実質的にアルコールを含まない。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、安全かつ有効な量の化粧用として許容可能なキャリアを含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.1%〜約99%、又は約1%〜約98%、又は約10%〜約97%、又は約30%〜約95%の水を含む。
【0037】
架橋性組成物は、ヒドロキシ置換芳香族化合物を含む光触媒を含む。光触媒は、電磁放射線、具体的には光線に曝露されると減少する(又は増加する)pKa(又はpKb)値を有する酸若しくは塩基(又はこれらの複合体)である。光酸は、例えば、Domcke and Sobolewski(2003),Unraveling the Molecular Mechanisms of Photoacidity,302,p.1693及びKowalewska(2005),Photoacid catalyzed sol−gel process,J.Mater.Chem.15,p.4997に記載されており、これらはいずれも参照することにより本明細書に組み込まれる。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、周辺光、太陽光、白色光、蛍光灯、LED光、レーザー光、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、可視光、近若しくは遠紫外光、又は近若しくは遠赤外光、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、光触媒は、約300nm〜約750nmの波長の入射放射線による励起によって光励起状態に活性化され、この器具は、約300nm〜約750nmの波長の放射線を放出する。
【0038】
少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、キノリン化合物又はナフトール化合物である。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物はフルオレセイン又はその誘導体である。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物はハロゲン置換フルオレセインである。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物はブロモ置換フルオレセイン又はヨード置換フルオレセインである。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、ジヨードフルオレセイン、4,5,6,7−テトラクロロ−2’,4’,5’,7’−テトラヨードフルオレセイン(ローズベンガル)、2,4,5,7−テトラヨードフルオレセインの塩(エリスロシン)、エオシンY、エオシンB、4,5−ジブロモフルオレセイン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物はヒドロキシフラボン又はその誘導体である。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物はジヒドロキシフラボン、又はトリヒドロキシフラボン、又はテトラヒドロキシフラボン、又はこれらの混合物である。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、3−ヒドロキシフラボン、7−ヒドロキシフラボン、5,7−ヒドロキシフラボン、4’,5,7−トリヒドロキシフラボン、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−4H−クロメン−4−オン(ケルシチン)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、ヒドロキシルトリアリールメタン、例えば、FD&C緑色3号である。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物はアントシアニジン又はアントシアニンである。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、シアニジン(2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)クロメニリウム−3,5,7−トリオール)、マルビジン、ペラルゴニジン(palargonidin)、又はエルダーベリー、ブルーベリー、クランベリー、ビルベリー、赤キャベツ、ソルガム、ブラックベリー、クロフサスグリ(black current)、チェリーレッドラズベリー、クロミキイチゴなどアントシアニン含有抽出物、及びこれらの混合物である。
【0039】
一実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、8−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリンスルフェート、8−キノリノール−1−オキシド、5−ヒドロキシキノリン、6−ヒドロキシキノリン、7−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−7−スルホ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−7−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−フルオロ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−7−ブロノ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5−スルホン酸−8−ヒドロキシキノリン、7−スルホン酸−8−ヒドロキシキノリン、5−スルホン酸−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5−チオシアノ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−アザインドール、7−シアノ−2−ナフトール、8−シアノ−2−ナフトール、5−シアノ−2−ナフトール、1−ヒドロキシ−3,6,8−ピレントリスルホン酸、トランス−3−ヒドロキシスチルベン、2−ヒドロキシメチルフェノール、ペラルゴニジン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、8−キノリノール−1−オキシド、8−ヒドロキシキノリン、7−シアノ−2−ナフトール、8−シアノ−2−ナフトール、5−シアノ−2−ナフトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、8−キノリノール−1−オキシド、8−ヒドロキシキノリン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は8−ヒドロキシキノリンである。8−ヒドロキシキノリンは、低pH溶液中にて光酸触媒として、又は高pH溶液中にて光塩基触媒として作用し得る。8−ヒドロキシキノリンはCAS番号148−24−3を有し、Sigma−Aldrichから入手可能である。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は多環式である。8−ヒドロキシキノリンは容易に入手可能であるという利点を有し、毛髪染剤組成物など化粧品組成物で使用するために特徴付けられている。
【0040】
一実施形態において、架橋性組成物は、ヒドロキシ置換芳香族化合物である、約10ppm〜約500ppmの光触媒を含む。光触媒の濃度は、例えば、光触媒の化学構造、反応媒体、反応タイプ、及び基材など種々の要因にある程度依存してよい。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約20ppm〜約500ppm、又は約30ppm〜約450ppm、又は約30ppm〜約400ppm、又は約50ppm〜約350ppm、又は約70ppm〜約330ppm、又は約80ppm〜約310ppm、又は約90ppm〜約300ppm、又は約100ppm〜約290ppm、又は約260ppmまで、又は約250ppmまで、又は約240ppmまで、又は約220ppmまで、又は約210ppmまで、又は約200ppmまでのヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒を含む。注釈:1ppm=100万分の1=1×10-4%=0.0001%、及び10ppm=1×10-3%=0.001%、及び100ppm=1×10-2%=0.01%。
【0041】
架橋性組成物は、750nm以下の波長を有する電磁放射線に30分以上曝露されていない。光触媒が特定の波長範囲内の電磁放射線に曝露されると、パッケージ壁内の化合物を含めて周囲分子が存在する場合には、周囲分子と反応するため、架橋性組成物の曝露は、光触媒の有効性を考慮すると重大である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、750nm以下の波長を有する電磁放射線が架橋性組成物と接触できない容器に入れられる。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、750nm以下、又は約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線、又は可視光、又はUV光に、20分以上、又は10分以上、又は2分以上曝露されていない。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は不透明な容器に入れられる。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、褐色又は茶色の容器に入れられる。
【0042】
架橋性組成物中には他の成分が存在してよい。一実施形態において、架橋性組成物は抗酸化剤を含む。抗酸化剤は、架橋性組成物に、より長期間の安定性をもたらすことを考慮すると有用である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は安全かつ有効な量の抗酸化剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.001%〜約5%、又は約0.5%〜約1.0%の抗酸化剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、抗酸化剤は、アスコルビン酸(ビタミンC)、脂肪酸のアスコルビルエステル、アスコルビン酸誘導体(例えば、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム、ソルビン酸アスコルビル)、トコフェロール(ビタミンE)、トコフェロールソルベート、トコフェロールアセテート、トコフェロールの他のエステル、ブチル化ヒドロキシ安息香酸及びその塩、過酸化水素、過ホウ酸塩、チオグリコレート、過硫酸塩を含む過酸化物、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(商標名Trolox(商標)で市販されている)、没食子酸及びそのアルキルエステル、特に没食子酸プロピル、尿酸並びにその塩及びアルキルエステル、フェルラ酸並びにその塩及びエステル、ソルビン酸及びその塩、リポ酸、アミン(例えば、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、アミノグアニジン)、スルフヒドリル化合物(例えば、グルタチオン)、ジヒドロキシフマル酸及びその塩、リシンピドレート、アルギニンピロレート、ノルジヒドログアヤレト酸、バイオフラボノイド、クルクミン、リジン、1−メチオニン、プロリン、スーパーオキシドジスムターゼ、シリマリン、茶抽出物、ブドウ果皮及び/又はブドウ種子の抽出物、メラニン、ローズマリー抽出物、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、抗酸化剤はトコフェロールソルベート又はトコフェロールのエステルである。例えば、局所用組成物における、本発明に適用可能なトコフェロールソルベートの使用は、1989年7月11日、Donald L.Bissett、Rodney D.Bush及びRanjit Chatterjeeに付与された米国特許第4,847,071号に記載されている。少なくとも1つの実施形態において、抗酸化剤は安息香酸ナトリウムである。少なくとも1つの実施形態において、抗酸化剤はアスコルビン酸である。アスコルビン酸は、配合物の酸化安定性を向上させるという利益を有する。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、安全かつ有効な量のフェルラ酸を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.001%〜約5%、又は約0.5%〜約1.0%のフェルラ酸を含む。
【0043】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、キレート化合物又はキレート剤を含む。本明細書で使用するとき、「キレート化合物」又は「キレート剤」は、金属イオンが容易に化学反応に関与したり、化学反応に触媒作用を及ぼしたりできないように、錯体を形成することによって系から金属イオンを除去できる活性剤を意味する。キレート剤を含めることは、前述の通り酸化促進状況及び顔料沈着を生じさせる局所的な鉄負荷を減少させるために、過剰な落屑又は肌のきめの変化に寄与し得るUV放射線及び皮膚の損傷を引き起こし得る他の環境要因に対する保護を提供するのに特に有用である。架橋性組成物に、より長期間の安定性をもたらすことを考慮すると、キレート剤は有用である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、安全かつ有効な量のキレート化合物又はキレート剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はキレート剤を含み、このキレート剤は、N−ヒドロキシスクシンイミド、EDTA、NTA、デフェロキサミン、ヒドロキサム酸及びその塩、フィチン酸、フィチン酸塩、グルコン酸及びその塩、トランスフェリン(transferrine)、ラクトフェリン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、安全かつ有効な量のキレート剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、この架橋性組成物は、約0.001%〜約10%、又は約0.01%〜約5%、又は約0.1%〜約5%、又は約0.5%〜約1.0%のキレート剤を含む。本明細書において有用な、例示的なキレート化合物は、1996年1月30日、Bissett et al.に付与された米国特許第5,487,884号;1995年10月31日に公開された、Bush et al.,国際公開第91/16035号;及び1995年10月31日公開された、Bush et al.,国際公開第91/16034号に開示されている。少なくとも1つの実施形態において、キレート剤は、N−ヒドロキシスクシンイミドデフェロキサミン、ラクトフェリン、ヒドロキサム酸、グルコン酸、フィチン酸、これらの誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0044】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は毛髪への塗布に好適な形態である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、エマルション、溶液、又は分散液の形態である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、界面活性剤を含む。界面活性剤は、エマルションを提供するのに有用であり得る。少なくとも1つの実施形態において、エマルションの形態である場合、当該エマルションは、油中水型エマルション、水中油型エマルション、又は多相エマルションであってもよい。エマルションは、毛髪に塗布するための、容易に塗布できる組成物を消費者に提供するという利益を有し、審美的利点を有する。架橋性組成物は、洗い流さない(leave-in)組成物又は洗い落とし(rinse-off)組成物であってもよい。架橋性組成物は、シャンプー、ヘアコンディショニング組成物、ヘアスタイリング組成物、又はこれらの組み合わせから選択される形態であってもよい。ヘアスタイリング組成物である場合、当該組成物は、ゲル組成物、任意選択で機械的スプレー装置及び/又は少なくとも1つの噴霧剤を使用して分注するスプレーゲル組成物、任意選択で好適な機械的操作のスプレー装置を使用して分注する非エアゾールのヘアスプレー、任意選択で発泡用装置を使用して分注する発泡性組成物、ヘアワックス組成物、ヘアローション組成物、ヘアクリーム組成物、又はこれらの組み合わせであってもよい。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、マスカラ組成物である。
【0045】
架橋性組成物は、ヘアスタイリングポリマー、コンディショニング剤、ヘアクレンジング剤、又はこれらの混合物から選択される、少なくとも1種類の美容用毛髪処理剤を更に含んでいてよい。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは、非イオン性ヘアスタイリングポリマー、アニオン性ヘアスタイリングポリマー、双性イオン性及び/若しくは両性のヘアスタイリングポリマー、カチオン性ヘアスタイリングポリマー、又はこれらの混合物からなる群から選択される。好適なヘアスタイリングポリマーは、CTFA International Cosmetics Ingredient Dictionary and Handbook,「Hair Fixatives」,12th edition(2008)に見い出すことができる。例えば、好適なヘアスタイリングポリマーは、参照することにより本明細書に組み込まれる、2008年2月11日出願の欧州特許出願公開第08151246.9号の12頁5行目〜19頁1行目に開示されているような物質である。
【0046】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、重量で、約0.01%〜約10%、又は約0.1%〜約8%、又は約0.1%〜約5%のヘアスタイリングポリマーを含む。
【0047】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、非イオン性ヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、非イオン性ヘアスタイリングポリマーは、天然又は合成ポリマーである。少なくとも1つの実施形態において、非イオン性ヘアスタイリングポリマーは、ビニルピロリドン;ビニルカプロラクタム;ビニルエステル;ビニルアルコール;酢酸ビニル;(メタ)アクリルアミド、及び/若しくはその誘導体;(メタ)アクリル酸、その塩、及び/若しくはその誘導体;プロピレン及び/若しくはエチレングリコール酸;クロトン酸;又はこれらの混合物から選択される少なくとも1種類のモノマー重合から得られるポリマーである。例えば、このようなポリマーは、商標名Luviskol(登録商標)又はLuviset Clear(登録商標)で入手できる。
【0048】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はアニオン性ヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、アニオン性ヘアスタイリングポリマーは、アクリル酸/アルキルアクリレート/Nアルキルアクリルアミドターポリマー;酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー;C1〜C5−アルキルアクリレート/(メタ)アクリル酸コポリマー;ポリスチレンスルホン酸ナトリウム;酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルアルカノエートコポリマー;酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニルコポリマー;アミノメチルプロパノールアクリレートコポリマー;ビニルピロリドン/(メタ)アクリル系コポリマー;メチルビニルエーテル/マレイン酸モノアルキルエステルコポリマー;アリルメタクリレート/(メタ)アクリレートコポリマーのアミノメチルプロパノール塩;エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマー;酢酸ビニル/マレイン酸モノn−ブチル/アクリル酸イソボニルコポリマー;オクチルアクリルアミド/(メタ)アクリル酸コポリマー;ジグリコール、シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸及びスルホイソフタル酸のポリエステル;並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0049】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、双性イオン性又は両性のヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、双性イオン性又は両性ヘアスタイリングポリマーは、アルキルアクリルアミド/メタクリル酸アルキルアミノアルキル/(メタ)アクリル酸コポリマー;第四級アミン基を有する少なくとも1つの第1のモノマータイプ、及び酸性基を有する少なくとも1つの第2のモノマータイプから形成されるコポリマー;アクリル酸及びメタクリル酸から選択される少なくとも1つのモノマーと、脂肪アルコールアクリレートの、アルキルアミンオキシドメタクリレートの、コポリマー;メタクリロイルエチルベタイン/メタクリル酸及び/若しくはエステルコポリマー;ポリクアテルニウム−47;ポリクアテルニウム−43;第四級クロトンベタイン若しくは第四級クロトンベタインエステルから調製可能なオリゴマー若しくはポリマー;又はこれらの混合物から選択される。
【0050】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、カチオン性ヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、第四級窒素基が、ポリマー鎖中か又は1つ以上のカチオン性モノマー上の置換基としてのいずれかで存在する、ホモポリマー又はコポリマーからなる群から選択される。アンモニウム基を含有するモノマーは、非カチオン性モノマーと共重合してよい。好適なカチオン性モノマーは、不飽和のフリーラジカル重合可能な化合物であってもよく、少なくとも1つのカチオン性基、具体的には、例えばトリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム、ジアルキルジアリルアンモニウムなどのアンモニウム置換ビニルモノマー、及び、ピリジニウム、イミダゾリウム、又は四級ピロリドン、例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、又はアルキルビニルピロリドン塩などの環状カチオン性窒素含有基を有する四級ビニルアンモニウムモノマーを有する。これらのモノマーのアルキル基は、好ましくは、例えば、C1〜C7−アルキル基、特に好ましくはC1〜C3−アルキル基などの低級アルキル基である。好適な非カチオン性モノマーは、(メタ)アクリルアミド、その誘導体;アクリレート、その誘導体;ビニルカプロラクトン、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、ビニルエステル、ビニルアルコール、プロピレングリコール又はエチレングリコールから選択されてもよい。例えば、好適なカチオン性ヘアスタイリングポリマーは、商標名Gafquat 755 N、Gafquat 734、Gafquat HS 100、Luviquat HM 550、Merquat Plus 3300、Gaffix VC 713、Aquaflex SF 40で入手可能である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、天然ポリマー由来のカチオン性ヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、天然ポリマー由来のカチオン性ヘアスタイリングポリマーは、セルロース、デンプン、及び/若しくはグアーなどのカチオン性誘導体の多糖類;キトサン、その塩、及び/若しくはその誘導体;又はこれらの混合物からなる群から選択される天然ポリマー由来である。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、ポリクアテルニウム−4、ポリクアテルニウム−10、ポリクアテルニウム−24、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、キトソニウムピロリドンカルボキシレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0051】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、コンディショニング剤又はヘアコンディショニング剤を含む。架橋性組成物は、任意の好適な従来のヘアコンディショニング剤を含んでよい。本明細書の「ヘアコンディショニング剤」という用語は、毛髪に光沢を与え、毛髪をより扱いやすくし、毛髪の手触りを改善し、櫛通りを改善し、かつ/又は毛髪のボリュームを増すような、毛髪への化粧効果を有する、任意の化粧用として許容可能な化合物を意味する。好適なヘアコンディショニング剤は、CTFA International Cosmetics Ingredient Dictionary and Handbook,「Hair conditioning agents」,12th edition(2008)に見い出すことができる。少なくとも1つの実施形態において、ヘアコンディショニング剤は、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、シリコーン化合物、有機油性コンディショニング剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。例えば、好適なヘアコンディショニング剤は、参照することにより本明細書に組み込まれる、2008年2月11日出願の欧州特許出願公開第08151246.9号の19頁3行目〜27頁33行目に開示されているような物質である。
【0052】
少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤はカチオン性界面活性剤である。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性界面活性剤は、アミノ又は第四級アンモニウム部分を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.05%〜約3.5%、又は約0.1%〜約3.0%、又は約0.5%〜約2.5%、又は約1.0%〜約2.0%のカチオン性界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性界面活性剤は、以下の式IIに従う。
【0053】
【化1】
式中、R71、R72、R73、及びR74の少なくとも1つは、炭素原子数8〜30の脂肪族基;芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基;又は7〜22個の炭素原子を有するアルキルアリール基;から選択され;残りのR71、R72、R73、及びR74は、1〜22個の炭素原子からなる脂肪族基;及び最大22個の炭素原子を有する、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、又はアルキルアリール基からなる群から独立して選択され、Xは、ハロゲン基、アセテート基、シトレート基、ラクテート基、グリコレート基、ホスフェート基、ニトレート基、スルホネート基、スルフェート基、アルキルスルフェート基、アルキルスルホネート基、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性界面活性剤は、式IIに従い(上記を参照)、式中、R71、R72、R73、及びR74のうちの少なくとも1つは、16〜24個の炭素原子を有する脂肪族基であり、残りのR71、R72、R73、及びR74は、1〜4個の炭素原子を有する脂肪族基からなる群から独立して選択され、Xは、クロリド又はスルフェートからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性界面活性剤は、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、硫酸メチル又は硫酸エチル;ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、硫酸メチル又は硫酸エチル;及びこれらの混合物からなる群から選択される。長鎖のアルキル基は、短鎖のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、湿った毛髪及び乾いた毛髪に対して、改善された滑らかさと柔らかい手触りを提供すると考えられる。このようなカチオン性界面活性剤はまた、短鎖のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、頭皮の炎症を軽減することができると考えられる。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性界面活性剤は、ジアルキル(14〜18個の炭素)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタロウアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジ−水素添加タロウアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択されるジ−長鎖アルキル四級化アンモニウム塩である。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性界面活性剤は、約12〜約22個の炭素のアルキル基を有する第三級アミドアミンである。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウム塩、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩、ステアリルアミドプロピルジメチルアミン、(ジ)エステルクアット、クアテルニウム8、14、15、18、22、24、26、27、30、33、37、53、60、61、72、78、80、81、82、83、84、及び/若しくは91、又はこれらの混合物からなる群から選択される。
【0054】
少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は非イオン性界面活性剤である。好適な非イオン性界面活性剤は、8未満のHLB値を有する界面活性剤であってもよい。好適な非イオン性界面活性剤は、グリセリルエステル、糖エステル、アルキルポリグルコシドエーテル、オレイル−又はイソステアリルポリグルコシド、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、又はこれらの混合物から選択されてもよい。
【0055】
少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は、シリコーン化合物である。少なくとも1つの実施形態において、シリコーン化合物は、揮発性若しくは非揮発性、及び/又は可溶性若しくは不溶性シリコーンである。例えば、好適なシリコーンコンディショニング剤は、商標名SF 1075 methyl phenyl fluid(Electric company);DC200 Fluid、DC244、DC245、DC345、Dow 5−7113、DC556 Cosmetic Grade Fluid、DC1248(Dow Corning)で入手可能である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、(a)アミノシラン、(b)ポリシロキサン、及び所望により、(c)ポリエーテルの反応生成物であるコンディショニング剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、(a)アミノシラン、(b)ポリシロキサン、及び(c)ポリエーテルの反応生成物であるコンディショニング剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はコンディショニング剤を含み、このコンディショニング剤は、エポキシアミノシランコポリマー、及びポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、(a)アミノシラン、(b)ポリシロキサン、及び(c)ポリエーテル、並びに所望により、(d)アミンの反応生成物であるコンディショニング剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、ポリシロキサンは、エポキシでエンキャップされたポリシロキサンである。少なくとも1つの実施形態において、ポリシロキサンは、少なくとも2個のオキシラン基又はオキセタン基を含む。少なくとも1つの実施形態において、ポリシロキサンは、約10〜約450個のケイ素原子、又は約40〜約400個のケイ素原子、約75〜約350個のケイ素原子、約150〜約250個のケイ素原子を含む。少なくとも1つの実施形態において、ポリシロキサンは、エポキシでエンキャップされたポリシロキサンである。少なくとも1つの実施形態において、ポリエーテルは、CH2(O)CHCH2O(CH2(CH3)CH2O)nCH2CH(O)CH2(式中、nは1〜10の整数)という平均構造を有する。少なくとも1つの実施形態において、アミンは、1〜10個の炭素原子、又は2〜5個の炭素原子を含む。少なくとも1つの実施形態において、アミンは、少なくとも1個のアルキル基で置換されたアルキルアミンである。少なくとも1つの実施形態において、アミンは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、エタノールアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ヘキシルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、アニリンアミノプロピルトリメチルシラン、アミノプロピルトリエチルシラン、アミノモルホリン、アミノプロピルジエチルアミンベンジルアミン、ナフチルアミン(napthylamine)3−アミノ−9−エチルカルバゾール、1−アミノヘプタフロロヘキサン、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロ−1−オクタンアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、アミンは、メチルエチルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジエタノールアミン、ジベンジルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、ピロリジンフタルイミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は、エポキシアミノシランコポリマーである。少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は、(a)アミノシラン、(b)ポリシロキサンであって、約10〜約450個のケイ素原子、又は約40〜約400個のケイ素原子を含むポリシロキサン、及び(c)ポリエーテル、並びに(d)アミンであって、少なくとも1つのアルキル基で置換されたアルキルアミンであるアミン、の反応生成物であるコンディショニング剤である。エポキシアミノシランコポリマーは、欧州特許第2214633B1号(出願日は2008年10月30日であり、この特許は参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載されており、Momentive(商標)Performance Materials Inc.(Columbus,Ohio,USA)から入手可能である。エポキシアミノシランコポリマーは、優れた耐久性という利益を有する。このような例示のエポキシアミノシラン(expoxyaminosilane)コポリマーは、以下の通り合成され得る:アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(40.77g)、平均構造CH2(O)CHCH2OCH2CH2Si(CH32O[Si(CH32O]50Si(CH32CH2CH2CH2OCH2CH(O)CH2を有するエポキシでエンキャップされたポリシロキサン(171.40g)及び平均構造CH2(O)CHCH2O(CH2(CH3)CH2O)7CH2CH(O)CH2を有するエポキシでエンキャップされたポリエーテル(37.83g)、並びにイソプロパノール(425.68g)を500mLのフラスコ内で結合させる。材料を還流させ、オーバーヘッド撹拌器を使用して撹拌する。還流は、滴定による判定で、全てのエポキシ基が消費されるまで、15.5時間継続した。材料をロータリーエバポレーターに移し、70℃、532Pa(4トル)で2時間揮散させて、イソプロパノールを除去する。別の例示のエポキシアミノシランコポリマーは、以下の通り合成され得る:アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(14.27g)、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン(7.05g)、平均構造CH2(O)CHCH2OCH2CH2CH2Si(CH32O[Si(CH32O]200Si(CH32CH2CH2CH2OCH2CH(O)CH2を有するエポキシでエンキャップされたポリシロキサン(447.87g)及び平均構造CH2(O)CHCH2O(CH2CH2O)14CH2CH(O)CH2を有するエポキシでエンキャップされたポリエーテル(30.81g)、並びにイソプロパノール(500g)を2000mLのフラスコ内で結合させる。材料を還流させ、オーバーヘッド撹拌器を使用して撹拌する。還流は、滴定による判定で、全てのエポキシ基が消費されるまで、24時間継続した。材料をロータリーエバポレーターに移し、70℃、532Pa(4トル)で2時間揮散させて、イソプロパノールを除去する。
【0056】
一実施形態において、コンディショニング剤は、エポキシアミノシランコポリマー、及びポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。ポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーは、参照することにより本明細書に組み込まれる、2008年12月10日出願の欧州特許第2074986B1号に記載されている。少なくとも1つの実施形態において、ポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーは、コポリマーの主鎖に少なくとも1個のポリシロキサン配列(又はブロック)と、少なくとも1個のポリ尿素配列(ブロック)を含む。少なくとも1つの実施形態において、コポリマー中に存在するポリシロキサンの量は、ポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーの総重量に対して90重量%を超える。少なくとも1つの実施形態において、ポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーはポリウレタンを含まない。非限定例としては、コポリマーは非イオン性ポリシロキサン/ポリ尿素コポリマーであってもよく、つまり、イオン化基又はイオン化可能な基を含まない。コポリマーの例としては、非限定的に、INCI名ポリ尿素ジメチコーンを有するジメチルポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーが挙げられてよい。かかるジメチルポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーは、例えば、α,ω−アミノシリコーンとジイソシアネートとの共重合により得ることができる。これらの特性に相当するポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーは、例えば、WackerによってWacker−Belsil(登録商標)UD 60、Wacker−Belsil(登録商標)UD 80、Wacker−Belsil(登録商標)DU 140、及びWacker−Belsil(登録商標)UD 200と称して販売される製品である。少なくとも1つの実施形態において、ポリシロキサン/ポリ尿素コポリマーは非イオン性である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.05〜約20%、例えば0.1〜15%、又は0.5〜10%のポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は、アミノアルキル基を含み、かつポリジメチルシロキサン中少なくとも0.1meq/gのアミン価を有する、ポリジメチルシロキサン誘導体である。このようなポリジメチルシロキサン誘導体は、例えば、メトキシ末端、若しくはヒドロキシ末端、又はこれらの混合物であり得る。ポリジメチルシロキサン誘導体は、例えば、Wacker−Belsil(登録商標)ADM 1370で市販されている、メトキシ末端及びヒドロキシ末端のポリ[3−((2−アミノエチル)アミノ)プロピル]メチル(ジメチル)シロキサンの混合物であり得る。
【0057】
少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は有機油性コンディショニング剤である。少なくとも1つの実施形態において、有機油性コンディショニング剤は非揮発性、非水溶性、油性、又は脂肪性である。有機油性コンディショニング剤は、炭化水素油及び脂肪エステルから選択されてよい。少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は脂肪アルコールである。少なくとも1つの実施形態において、脂肪アルコールは、非揮発性の低融点脂肪アルコールである。少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は脂肪アルコールであり、この脂肪アルコールは、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミトレイルアルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0058】
架橋性組成物は、少なくとも1つの直接毛髪染料を更に含んでいてもよい。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.01%〜約15%、又は約0.1%〜約10%、又は約0.5%〜約8%の直接毛髪染料を含む。
【0059】
架橋性組成物は、少なくとも1種類の粘度調整剤を更に含んでよい。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.01%〜約20%、又は約0.05%〜約10%、又は約0.1%〜約5%の粘度調整剤を含む。
【0060】
架橋性組成物は、少なくとも1種の乳化剤及び/又は界面活性剤を更に含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、乳化剤及び/又は界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの混合物から選択される。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.01%〜約20%、又は約0.05%〜約10%、又は約0.1%〜約5%の乳化剤及び/又は界面活性剤を含む。
【0061】
架橋性組成物は、少なくとも1種の顔料を更に含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、顔料は、天然顔料、合成顔料、又はこれらの混合物から選択される。顔料は、有機顔料、無機顔料、又はこれらの混合物から選択されてもよい。顔料は、着色顔料、真珠光沢顔料、又はこれらの混合物から選択されてもよい。当該架橋性組成物は、未溶解形態で製品本体中に存在する、架橋性組成物の総重量に対して約0.01%〜10%、又は約1%〜約2%の顔料を含んでもよい。架橋性組成物は、無機、ニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン(phthalocianine)、C.I.名を有するものなどの水溶性成分を含む、植物の色、天然の色などの顔料物質を含んでもよい。
【0062】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、少なくとも1つの粒子状物質を含む。少なくとも1つの実施形態において、粒子状物質は、シリカ、シリケート、アルミネート、クレイアース(clay earth)、雲母、不溶性の塩、特に不溶性の無機金属塩、金属酸化物、ミネラル、不溶性のポリマー粒子、又はこれらの混合物から選択される。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.01%〜約10%、又は約0.05%〜約5%の少なくとも1種類の粒子状物質を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はクレイなどの粒子状物質を実質的に含まない。
【0063】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は少なくとも1種類の防腐剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、重量で、約0.01%〜約5%、又は約0.05%〜約1%の防腐剤を含み得る。
【0064】
種々の追加的な任意成分が本発明の架橋性組成物に組み込まれてもよい。これらの追加的な成分の非限定例は、防腐剤、抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、溶媒、芳香剤及び香料、充填剤、スクリーニング剤、臭気吸収剤、着色物質、脂質小胞、洗浄用界面活性剤、増稠剤及び懸濁剤、粘度調整剤、光沢助剤、UVフィルター及び日焼け止め剤、フリーラジカル対策剤、ポリビニルアルコール、pH調整剤、塩、着色剤、ポリマー可塑化剤、直接染料、又はこれらの混合物から選択されてもよい。架橋性組成物は、約0%から、又は約0.1%〜約5%の抗菌剤を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、グリシン、L−メチオニン、L−アルギニン、ビオチン、クレアチン、及びこれらの混合物からからなる群から選択される有機酸を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は抗ふけ剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は亜鉛ピリチオンを含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はパンテノールを含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はワックス化合物を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、蜜蝋を含む。
【0065】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、25℃で測定したとき、約0.1mPa・s〜約1,000,000mPa・s、又は約1mPa・s〜約80,000mPa・s、又は約5mPa・s〜約3,500mPa・sの粘度を有する。粘度は、DIN 53019(MV−DIN、SV−DIN)に準拠して、12.9秒-1の剪断速度で、冷却/加熱容器及びセンサーシステムを備えるHAAKE回転粘度計VT 550を使用して測定される。
【0066】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒドの誘導体、メチレングリコール、ホルマリン、及び加熱時にホルムアルデヒドを生成する任意の化合物を実質的に含まない。「加熱する」とは、化合物の温度を25℃超に上昇させることを意味する。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、0%のホルムアルデヒドを含む。少なくとも1つの実施形態において、ホルムアルデヒドの誘導体は1,3,5−トリオキサン及びパラホルムアルデヒドである。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、ホルムアルデヒド、1,3,5−トリオキサン、パラホルムアルデヒド、メチレングリコール、ホルマリンを実質的に含まない。ホルムアルデヒドは、安全性プロフィールを考慮すると好ましくない。ホルマリンはホルムアルデヒドの誘導体であるため、ホルマリンは有益ではない。ホルムアルデヒドは複数の形態で存在する。水中では、ホルムアルデヒドは水和して、メチレングリコールを形成する。ホルムアルデヒドの水中の飽和溶液(約40%のホルムアルデヒド)はホルマリンとして一般に知られている。メタノール及び/又はメチレンジオールは、ホルマリン中で安定剤として使用でき、したがって有益ではない。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は第四級アンモニウム化合物及び/又は界面活性剤を実質的に含まない。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、セラミド化合物、α−ヒドロキシ酸、チオグリコール酸塩及び/又はチオ乳酸塩化合物、重硫酸塩化合物、クレイ、還元剤を実質的に含まない。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、セラミド化合物、α−ヒドロキシ酸、チオグリコール酸塩及び/又はチオ乳酸塩化合物、重硫酸塩化合物を実質的に含まない。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は炭酸塩化合物を実質的に含まない。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、セラミド化合物、α−ヒドロキシ酸、チオグリコール酸塩又はチオ乳酸塩化合物、重硫酸塩化合物、クレイ、ホルムアルデヒド、1,3,5−トリオキサン、パラホルムアルデヒド、メチレングリコール、第四級アンモニウム化合物、界面活性剤を実質的に含まない。
【0067】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、pH約6〜pH約11のpHを有する。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、pH約6.5〜pH約10.75、又はpH約7.0〜pH約10.5、又はpH約7.5〜pH約10.25、又はpH約8.0〜pH約10.0のpHを有する。毛髪への浸透を考慮すると、塩基性のpHが糖類に有用である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は緩衝剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、緩衝剤は、リン酸緩衝液である。少なくとも1つの実施形態において、緩衝剤はホウ酸緩衝液又は炭酸緩衝液である。少なくとも1つの実施形態において、緩衝剤は、グリシン/水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム/水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウム/水酸化ナトリウム、塩化アンモニウム/アンモニアからなる群から選択される。緩衝剤は、架橋性組成物の安定性を補助するpHの制御という利点を有する。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、アルカリ化剤及び/又はpH値調整剤を含む。架橋性組成物はプロトン化剤を更に含んでよい。プロトン化剤は、一塩基酸若しくは多塩基酸で、水溶性若しくは非水溶性の酸、及び/又は有機酸若しくは無機酸であってよい。少なくとも1つの実施形態において、プロトン化剤は、ギ酸、酢酸、硫酸、塩酸、クエン酸、及びこれらの混合物から選択される。少なくとも1つの実施形態において、プロトン化剤はクエン酸である。クエン酸は、レモンからの天然由来であるため、有用である。
【0068】
方法
(a)架橋性組成物を提供する工程と、(b)架橋性組成物をケラチン繊維に塗布する工程と、約80℃〜約180℃の温度で器具を用いてケラチン繊維を機械的に整形する工程と、約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線にこの組成物を曝露する工程と、を含む方法もまた、本明細書に記載する。
【0069】
一実施形態において、本方法は、工程(a)と工程(b)との間にすすぎ工程を含まない。組成物を電磁放射線に曝露する前に、ケラチン繊維から活性剤及び光触媒が洗い流された場合、本発明の有効性に役立たない。少なくとも1つの実施形態において、ケラチン繊維の機械的整形は、ヒトの頭髪又はヒトのまつげなどのケラチン繊維を真直化すること、及びヒトの頭髪又はヒトのまつげなどのケラチン繊維をカールさせることからなる群から選択される。
【0070】
本方法は、(b)架橋性組成物をケラチン繊維に塗布する工程を含む。架橋性組成物の実施形態及び説明に関する更なる詳細は、上述されている。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、時間Xの間ケラチン繊維に残存し、時間Xは約2分〜約60分、又は約5分〜約30分である。
【0071】
本方法は、ケラチン繊維を機械的に整形するための器具又は装置を使用する。少なくとも1つの実施形態において、この器具は、加熱素子を備える直毛化器具である。少なくとも1つの実施形態において、この器具は、加熱要素を備える毛髪カール用器具である。少なくとも1つの実施形態において、この器具は、加熱素子と、毛髪を電磁放射線に曝露するための電磁放射線源と、を備える直毛化器具である。少なくとも1つの実施形態において、この装置は、毛髪をとかすか又はブラッシングする手段であり、架橋性組成物は、ランプなどの独立した電磁放射線源を使用して、約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線に曝露される。少なくとも1つの実施形態において、この器具は発光ダイオードを備える。
【0072】
架橋性組成物は、約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線に曝露される。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、約310nmから、又は約320nmから、又は約330nmから、又は約340nmから、又は約350nmから、又は約360nmから、又は約370nmから、又は約380nmから、又は約390nmから、又は約400nmから、又は約410nmから、約740nmまで、又は約730nmまで、又は約720nmまで、又は約710nmまで、又は約700nmまで、又は約690nmまで、又は約680nmまで、又は約670nmまで、又は約650nmまで、又は約640nmまでの波長を有する。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、380nm〜約550nmの波長を有する。
【0073】
単位面積当たりのワット数単位での電磁放射線の強さである放射照度は、m2当たりのワット数、つまりW/m2という単位を有する。したがって、放射照度は、電磁放射線の強度の測定値である。光度は、照度の単位であるルクス(lx)でも測定できる。1lx=約1.5×10-7W/cm2(555nmにて)である。平均的な実験室空間又はオフィス空間は、約200lx〜約1000lxの光度、すなわち、約2.9×10-5W/cm2〜約1.4×10-4W/cm2の放射照度を有するであろう(555nmにて)。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、少なくとも約1×10-3W/cm2、又は少なくとも約5×10-3W/cm2、又は少なくとも約1×10-2W/cm2、又は少なくとも約5×10-2W/cm2、又は少なくとも約1×10-1W/cm2、又は少なくとも約5×10-1W/cm2の放射照度を有する。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、少なくとも約1000lx、又は少なくとも約2000lx、又は少なくとも約3000lx、又は少なくとも約4000lx、又は少なくとも約5000lx、又は少なくとも約6000lx、又は少なくとも約7000lx、又は少なくとも約8000lx、又は少なくとも約9000lx、又は少なくとも約10000lx、又は少なくとも約20000lx、又は少なくとも約30000lx、又は少なくとも約40000lx、又は少なくとも約50000lx、又は少なくとも約60000lx、又は少なくとも約70000lx、又は少なくとも約80000lxの照度を有する。
【0074】
少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、周辺光、太陽光、白色光、蛍光灯、LED光、レーザー光、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、可視光、近若しくは遠紫外光、又は近若しくは遠赤外光、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は光線である。少なくとも1つの実施形態において、好適な光線は、基材表面を照射可能な任意の供給源から提供されてよい。少なくとも1つの実施形態において、光線は、周辺太陽光、白色光、蛍光灯からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、光線は、ランプ及び携帯型又は電池式の光線などの従来の供給源により提供される。特定の装置が、本明細書に記載の架橋組成物及び方法で用いるために開発又は適合されてよい。少なくとも1つの実施形態において、この器具は、LEDを組み込むように構成されているヘアブラシである。少なくとも1つの実施形態において、光線はレーザー光である。レーザーは、例えば、正確な照準をもたらすために使用されてよい少なくとも1つの実施形態において、器具は、ハイブリッド型の熱及び光線を提供する直毛化アイロンである。
【0075】
少なくとも1つの実施形態において、工程(a)を実行し、次に続いて工程(b)を実行する。工程(b)は、架橋性組成物をケラチン繊維に塗布することと、器具又は装置を使用してケラチン繊維を機械的に整形することと、約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線にこの組成物を曝露することと、を含む。少なくとも1つの実施形態において、工程(b)は、(i)架橋性組成物をケラチン繊維に塗布することと、次に続いて、(ii)器具を用いてケラチン繊維を機械的に整形することと、約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線にこの組成物を曝露することと、を含む。少なくとも1つの実施形態において、工程(b)は、(i)架橋性組成物をケラチン繊維に塗布することと、次に続いて、(ii)器具を用いてケラチン繊維を機械的に整形することと、約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線にこの組成物を曝露することと、を含む。少なくとも1つの実施形態において、工程(b)は、(i)架橋性組成物をケラチン繊維に塗布することと、(ii)繊維を乾燥させることと、次に続いて、(iii)器具を用いてケラチン繊維を機械的に整形することであって、器具の温度は約50℃〜約250℃、又は約80℃〜約180℃である、整形することと、次に約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線にこの組成物を曝露することと、を含む。
【0076】
少なくとも1つの実施形態において、(b)は繊維を乾燥させることを含む。一実施形態において、毛髪乾燥はブロードライヤーによって実行される。一実施形態において、毛髪乾燥は、約1分〜約45分、又は約2分〜20分、又は約5分〜15分の持続時間で実行される。一般に、毛髪乾燥後に、繊維は依然として湿気を帯びているが、納得できるような、例えば頭髪の75%の毛髪繊維分離を有する必要がある。毛髪中の一部の残留水分は許容範囲である。
【0077】
少なくとも1つの実施形態において、(b)は、フード装置によって実行される毛髪繊維の乾燥を含む。一実施形態において、毛髪乾燥は、タオルで毛髪を拭くこと、及び/又は手で毛髪を押さえることによって実行される。
【0078】
ヘアドライヤー又はブロードライヤーの装置と頭部との間の距離は、典型的には、約10cm程度に近い。ブロードライヤーは、毛髪をとかすか又はそうでなければ処理するためのある種の取り付け器具を介して、熱風を送る。ブロードライヤーは、典型的には、毛髪に対して(例えば20又は30又は40センチメートル)の距離で使用され、櫛又はブラシを用いて使用されることが多い。一実施形態において、毛髪乾燥は、ブロードライヤーにより約50℃〜約100℃の温度で実行される。一実施形態において、毛髪乾燥は、ブロードライヤーにより130℃までの温度で実行される。一実施形態において、毛髪乾燥(b)は、直毛化を補助するためにブラッシングを伴い、ブロードライヤーを用いて実行される。
【0079】
少なくとも1つの実施形態において、(b)は、約80℃〜約180℃の温度の器具の昇温を含む。少なくとも1つの実施形態において、(b)は、約50℃〜約250℃の温度の器具の昇温を含む。少なくとも1つの実施形態において、(b)は、約50℃から、又は60℃から、又は70℃から、又は80℃から、約220℃まで、又は約200℃まで、又は約180℃まで、又は約170℃まで、又は約160℃まで、又は約150℃まで、又は約140℃まで、又は約130℃までの温度の器具の昇温を含む。
【0080】
少なくとも1つの代替の実施形態において、架橋性組成物は、ケラチン繊維に塗布する前に提供されるより、むしろケラチン繊維上に形成される。例えば、活性剤及び化粧用として許容可能なキャリアを含む架橋性配合物は、ケラチン繊維に塗布され、次に続いて、光触媒を含む光触媒配合物がケラチン繊維に塗布される。
【0081】
一実施形態において、ケラチン繊維の整形方法は、
(a)架橋性組成物を提供する工程であって、架橋性組成物が、
・第1活性剤であって、アラビノースである第1活性剤と、
・第2活性剤であって、エチレンカーボネートである第2活性剤と、
・ヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒と、
・化粧用として許容可能なキャリアと、を含み、
第1活性剤及び第2活性剤は、1:3又は2:1の重量比で存在し、架橋性組成物は、約750nm以下の波長を有する電磁放射線に30分以上曝露されていない、工程と;
(b)架橋性組成物をケラチン繊維に塗布する工程と、繊維を乾燥させる工程と、器具を用いてケラチン繊維を機械的に整形する工程と、約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線にこの組成物を曝露する工程と、を含む。
【0082】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は粘度調整剤と、コンディショニング剤と、を更に含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、pH約8〜pH約11のpHを有する。
【0083】
一実施形態において、ケラチン繊維の整形方法は、(a)固体組成物を提供する工程であって、この固体組成物は、第1及び第2の活性剤であって、第1活性剤はアラビノースであり、第2活性剤はエチレンカーボネートであり、1:3又は2:1の重量比である活性剤と、ヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒と、を含む、工程と;次にこの固体組成物を化粧用として許容可能なキャリアと混合して架橋性組成物を形成する工程と、を含む。この架橋性組成物は本明細書に記載される。第2態様は、固体組成物が、750nm以下の波長を有する電磁放射線に30分以上曝露されていないことが必要条件ではないという利点を有する。これは、固体形態において、光触媒は、750nm以下の波長を有する電磁放射線に曝露された場合、例えば、容器パッケージのような所望しない物質と反応し得ないからである。固体組成物は、25℃において固体である。
【0084】
一実施形態において、架橋性組成物は、ケラチン繊維の整形に使用されてもよい。架橋性組成物は、本明細書に広範囲にわたり記載されており、これらの特性は、第3態様と十分に適合し、かつ組み合わせ可能である。少なくとも1つの実施形態において、その使用はケラチン繊維を真直化するためである。少なくとも1つの実施形態において、その使用はケラチン繊維を機械的に整形するためである。少なくとも1つの実施形態において、ケラチン繊維の機械的整形は、ヒトの頭髪又はヒトのまつげなどのケラチン繊維を真直化すること、及びヒトの頭髪又はヒトのまつげなどのケラチン繊維をカールさせることからなる群から選択される。
【0085】
一実施形態において、キットは、第1及び第2の活性剤を含む架橋性配合物を含み、第1活性剤はアラビノースであり、第2活性剤はエチレンカーボネートであり、アラビノース:エチレンカーボネートの重量比は1:3又は2:1である。活性剤は、本明細書に広範囲にわたり記載されており、これらの特徴は、第4態様と十分に適合し、かつ組み合わせ可能である。少なくとも1つの実施形態では、架橋性配合物は化粧用として許容可能なキャリアを含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性配合物は液体形態である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性配合物は、約0.1%〜約99%、又は約1%〜約98%、又は約10%〜約97%、又は約30%〜約95%の水を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性配合物は、コンディショニング剤を含む。コンディショニング剤は、本明細書に広範囲にわたり記載されており、これらの特徴は、第5態様と十分に適合し、かつ組み合わせ可能である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性配合物は約pH6〜約pH10のpHを有する。少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は、エポキシアミノシランコポリマー、及びポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、架橋性配合物は、重量で、約0.01%〜約10%、又は約0.1%〜約8%、又は約0.1%〜約5%のヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性配合物は固体である。
【0086】
このキットは、光触媒を含む光触媒配合物を含み、この光触媒はヒドロキシ置換芳香族化合物である。光触媒は、本明細書に広範囲にわたり記載されており、これらの特徴は、第5態様と十分に適合し、かつ組み合わせ可能である。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は多環式である。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、8−キノリノール−1−オキシド、8−ヒドロキシキノリン、エオシンY、4,5−ジブロモフルオレセイン及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、光触媒配合物は固体形態である。
【0087】
少なくとも1つの実施形態において、このキットは、ケラチン繊維を機械的に整形するための器具を含む。少なくとも1つの実施形態において、この器具は、LEDを組み込むように構成されているヘアブラシである。少なくとも1つの実施形態において、この器具は、ハイブリッド型の熱及び光線を提供する直毛化アイロンである。
【0088】
一実施形態において、架橋性組成物は第1、第2、及び第3の架橋剤を含む。第1架橋剤はアラビノースであってもよく、第2架橋剤はエチレンカーボネートであってもよく、第3架橋剤は1,2−ビス(2−マレイミドエトキシ)エタン(CAS#115597−84−7)であってもよい。他の態様に関する全ての説明は、同様にこの態様に好適であり、かつこの態様と組み合わせ可能である。
【0089】
一実施形態において、光触媒は、スルホン化ピレン化合物、オニウム塩、ジアゾメタン誘導体、ビススルホン誘導体、ジスルフノ誘導体、スルホン酸ニトロベンジル誘導体、スルホン酸エステル誘導体、N−ヒドロキシイミドのスルホン酸エステル、グリオキシム誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。特定の実施形態において、光触媒は、8−ヒドロキシ−1,3,6−ピレントリスルホン酸三ナトリウム塩(D&C Green 8)である。代替態様の少なくとも1つの実施形態において、光触媒は光塩基である。光塩基触媒としては、例えば、マラカイトグリーンなどのトリチルアルコールの誘導体を挙げることができる。光塩基触媒としては、例えば、9−ヒドロキシ−10−メチル−9−フェニル−9,10−ジヒドロアクリジンなどのアクリジン誘導体も挙げることができる。光塩基触媒としては、光活性カルバメート含有化合物も挙げることができる。
【実施例】
【0090】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明及び実証する。本発明にはその範囲から逸脱することなく多くの変形形態が可能であることから、これらの実施例はあくまで例示を目的として与えられるものであり、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0091】
【表1】
符号:1=安息香酸ナトリウム;2=Rohm and Haas製のAcusol 823;疎水変性アルカリ可溶性アクリル酸ポリマーエマルション(HASE);3=Momentive(商標)Performance Materials Inc.(Columbus,Ohio,USA)から入手可能な、欧州特許第2214633B1号(2008年10月30日出願)に記載のエポキシアミノシランコポリマー;4=pH10の緩衝液は、VWRなどの供給元から入手可能な標準的なpH較正緩衝液であり、別の方法としては、水を使用してpHを変更してもよい。架橋性組成物Eは固形形態である;*=脱イオン水中で混合した後の重量%。
【0092】
架橋性組成物A〜Dは、典型的には、約pH8〜10である。
【0093】
データ
本発明の架橋性組成物に関して、直毛化の有効性の試験を行う。立ち上がりの低い、自然にカールした毛髪のヘアピースを使用する。これらのヘアピースをPantene洗浄シャンプーでシャンプーし、毛髪を、最終結果に影響を及ぼし得る残留物のない確実に清潔な状態にする。次に、このヘアピースをすすぐ。ヘアピースを絞ることにより、毛髪から過剰な水分を除去する。暗室で前処理した架橋性組成物で、ヘアピースを処理する。架橋性組成物は、以下を含む:表1に列挙される活性剤;100ppmの4,5−ジブロモフルオレセイン;100ppmのエオシンY;pH10に緩衝したQSPの水。これらの成分をスピナープレート上で30分間混合する。架橋性組成物は、架橋性組成物に確実に光が届かないように、褐色瓶又は絶縁テープで覆った瓶に保存する。毛髪1g当たり0.5gの架橋性組成物を使用する。架橋性組成物を、30分間、毛髪に付着したままにする。その後、毛髪をブロー乾燥し、ブラッシングし、次にハイブリッド型の光線及び熱を放射する真直化アイロン(121℃[250°F]及び380nmのUV光放射)を用いて、8パス、機械的に真直化する。
【0094】
次にヘアピースを撮像する。次に、耐久性をシミュレーションするために、ヘアピースに1回の洗浄−乾燥サイクルを施す。1回の洗浄−乾燥サイクルは、Hairtritionシャンプー(Zotosからのスルフェートを含まないHairtrition Color Protectシャンプー)を使用してシャンプーすることと、すすぐことと、次にホットボックス内で乾燥させることと、を含む。いったん乾燥させ、ヘアピースを再度撮像する。次にヘアピースに更に4回の洗浄−乾燥サイクルを施す。いったん乾燥させ、ヘアピースを再度撮像する。専門評価者は、ヘアピースの画像に0〜10等級のスコアを与える。この等級は標準等級であり、4〜5個のカールの節を有するカールした毛髪はスコア0で、非常に真直な毛髪は10である。このようにして、ヘアピースを通常状態の毛髪と比較する。
【0095】
専門評価者を採用することにより、評価者は毛髪の構成を真直からカール状態まで一貫した方法で測定/等級付けするように訓練されているため、信頼性が確保される。本方法により得られた数値データを平均し、SAS Instituteから入手可能なJMP統計ソフトウェアを使用して、90%信頼水準で統計解析を実行する。同じ有意性分類の文字を含まない処理は、有意に異なる。例えば、10%のアラビノース+10%のエチレンカーボネートの処理と、5%のアラビノース+10%のエチレンカーボネートの処理は、有意性分類に関して文字「C」を含み、互いに有意に異なるとは考えられない。
【0096】
【表2】
【0097】
表1に見られるように、2:1及び1:3のアラビノース:エチレンカーボネートの比を有する組成物(有意性分類A及びAB)は、5回の洗浄後に最も高い真直化有効性を有しており、他の処理と有意に異なる。
【0098】
ケラチン繊維と同様にまつ毛に関して、以下の手順を実行する:使用したまつ毛は、棒状のものに接着して、人工的に整形し、まつ毛に見えるように乾燥させた、頭髪から作製された人工まつ毛である。まつ毛は湾曲した形状である。最初に、まつ毛を洗浄シャンプーで洗浄して、清潔にし、残留物を除去する。まつ毛を、10%のアラビノース、5%のエチレンカーボネート、100ppmの4,5−ジブロモフルオレセイン、100ppmのエオシンY、pH10に緩衝したQSPの水からなる架橋性組成物に浸漬する。まつ毛を、架橋性組成物に終夜浸す。その後、例えば、ピンセットでまつ毛を真直化するか、又はカールさせることにより、まつ毛を整形する。次に、まつ毛を光線(可視光)に90秒間、曝露する。架橋剤処理を受けたまつ毛に関して、整形利益が見られ得る。
【0099】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に制限されると理解されるべきでない。それよりむしろ、別途指定されない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0100】
相互参照されるか若しくは関連する任意の特許又は特許公開を含めた、本明細書で引用される全ての文書は、明示的に除外又は別途限定されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文書の引用も、それが本明細書で開示若しくは特許請求される任意の文書に対する先行技術であること、又は、それが単独で若しくは任意の他の参照との任意の組み合わせで、任意のそのような実施形態を教示、提案、若しくは開示することを認めるものではない。更に、本文書中の用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれる文書中の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中のその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。
【0101】
特定の実施形態が本明細書で図示及び説明されたが、特許請求される主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正がなされ得ることを理解されたい。更に、特許請求される主題の様々な態様が本明細書で説明されたが、このような態様は組み合わせて利用される必要はない。したがって、添付される特許請求の範囲は、特許請求される主題の範囲内に属する全てのこのような変更及び修正を網羅することが意図される。