(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の複数の実施形態について、図面を参照して説明する。各図は、各実施形態に係る容器キャップの概略構成を示すものである。以下では、容器キャップが装着される容器としてペットボトル等のボトル容器を例に挙げて説明する。
【0021】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る容器キャップ1の一例を示す図であり、(A)は上面、(B)は正面、(C)は下面、(D)は側面を示す。
図2は、容器キャップ1の内部構成の一例を示す断面図であり、(A)は排出口24が閉じた状態、(B)は排出口24が開いた状態を示す。
図3は、容器キャップ1の内部構成の一例を示す断面斜視図であり、(A)は排出口24が閉じた状態、(B)は排出口24が開いた状態を示す。
図2及び
図3は、
図1(A)のA−A断面を示している。
【0022】
容器キャップ1は、本体部10、格納部20、及び一対のレバー30を備える。容器キャップ1の素材には、例えば、可撓性あるいは弾性を有するポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂を使用できる。
【0023】
本体部10は、上面が閉じた円筒状に形成されている。本体部10の内側面には、容器の口部(図示せず)の外周に形成された雄ねじと螺合する雌ねじ15が形成されている。
【0024】
格納部20は、円筒状に形成されており、本体部10の上側壁11を貫通するように、上側壁11の中央部に設けられている。すなわち、格納部20の上部は、本体部10の上面から突出しており、格納部20の下部は、本体部10の内部に配置されている。格納部20の上面は、着脱可能な蓋21により開閉可能になっている。格納部20の上面は、開閉できないように閉じられていてもよい。格納部20の内部は、仕切り壁22によって対称な2つの部屋23に分けられている。格納部20の底部には、各部屋23に連通する一対の排出口24が形成されている。
【0025】
一対のレバー30は、棒状に形成されており、本体部10の上側壁11を貫通するように、上側壁11の格納部20よりも外側に設けられている。左右のレバー30は、本体部10の中心を介して線対称な関係にある。
【0026】
レバー30の上端部は、本体部10の上方に延出しており、ユーザーが指で本体部10の外側方向から押圧することができる。
【0027】
レバー30の中央部は、本体部10の上側壁11に支持されている。レバー30の中央部は、
図2に示す奥行方向の軸P回りにレバー30が回転できるように、上側壁11に接続されている。レバー30の中央部と上側壁11の接続方法は、限定されないが、例えば、軸受けと回転軸により接続してもよいし、レバー30の中央部と上側壁11の接続部分をその周囲よりも薄肉に形成することにより接続してもよい。このような構成により、レバー30は、その下端部が格納部20の底部に近付く又は遠ざかるように動作可能である。
【0028】
レバー30の下端部は、本体部10の内部に延出しており、排出口24の近傍まで延びている。レバー30の下端部は、その内側面が排出口24と向い合うように配置されている。その内側面には、排出口24に挿入されて嵌合する凸部31が形成されている。
【0029】
また、レバー30の下端部の外側には、外側方向に突出した当接部32が形成されている。後に詳述するが、当接部32は、容器の口部の内側面に当接することにより、レバー30の下端部が外側方向へ移動するのを制限する機能を有する。
【0030】
ここで、レバー30は、例えば樹脂の一体成形などにより、閉じた状態(凸部31が排出口24に嵌合した状態)を初期姿勢として、閉じる方向に付勢されるように上側壁11に支持されている。
【0031】
上側壁11の下面には、格納部20及び一対のレバー30を囲むように、円筒状の内周壁18が立設されている。内周壁18の外径は、容器の口部の内径と同じかやや小さく構成されている。内周壁18は、容器キャップ1が容器の口部に締められた状態で、口部内に挿入される。これにより、容器B内の添加物(液体など)が外へ漏れ出すのを防ぐことができる。なお、当接部32は、内周壁18よりも下方に位置する。
【0032】
図2(A)及び
図3(A)の状態では、凸部31が排出口24に嵌合している。この状態でユーザーは、一対のレバー30の上端部を外側から摘んで内側方向に押圧する。すると、
図3(A)及び
図3(B)に示すように、軸P回りの回転により各レバー30の下端部が外側方向へ移動する。これにより、凸部31の排出口24に対する嵌合が解除され、排出口24が開く。
【0033】
次に、容器キャップ1の動作を、容器キャップ1を容器から外す手順に沿って時系列に説明する。
【0034】
図4は、容器キャップ1の動作の一例を説明する断面図であり、(A)は容器キャップ1が締められかつ排出口24が閉じた状態、(B)は容器キャップ1が緩められた状態、(C)は容器キャップ1がさらに緩められ排出口24が開いた状態を示す。
図4は、
図1(A)のA−A断面を示している。また、
図4は、容器Bの口部の断面(ハッチング省略)を示している。
【0035】
(A):最初に、容器キャップ1が容器Bの口部に対して締められている。本実施形態では、一対のレバー30により対応する排出口24が閉じられた状態で、一対の当接部32の外側端部間の寸法は、容器Bの口部の内径と一致するように構成されている。従って、(A)の状態では、一対の当接部32の外側端部は、容器Bの口部の内側面に当接しており、ユーザーが一対のレバー30の上端部を外側から摘んで内側方向に押圧しても、レバー30を動かすことができない。また、この状態では、排出口24は閉じているため、添加物(例えば液体。図中のドットのハッチング部分)が格納部20内から排出されるのが防がれている。
【0036】
(B):次に、ユーザーが本体部10を摘んで左に回転させて緩め始めると、容器キャップ1の上昇(図中の白抜きの矢印)に伴って、当接部32も上昇する。当接部32の外側端部が容器Bの口部の上端面を超えるまでは、その外側端面が口部の内周面に当接しており、当接部32の口部の内周面に対する当接が維持される。
【0037】
(C):その後、さらに容器キャップ1が上昇し、当接部32の外側端部が容器Bの口部の上端面を超え、当接が解除される。この状態で、ユーザーが一対のレバー30の上端部を外側から摘んで内側方向に押圧すると、レバー30の先端部が外側方向に移動して排出口24が開く。排出口24が開くと、添加物が格納部20の部屋23から排出口24を介して容器B内へ排出される。ユーザーがレバー30から指を放した場合、レバー30はその復元力により上述した初期姿勢に戻り、排出口24が閉じられる。なお、ユーザーは、片方のレバー30のみを押圧してもよい。この場合は、片方の部屋23から添加物が排出される。
【0038】
以上、本発明の第1実施形態について説明した。本実施形態の容器キャップ1によれば、容器内に添加物を添加するかどうかをユーザーが選択することができる。また、2つの部屋23のうち片方の部屋23の添加物のみを添加することをユーザーが選択することもできる。また、ユーザーはレバーを放すことにより排出口を閉じて添加物の添加を止めることもできる。
【0039】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る容器キャップ1Aは、本体部10の内部構成が第1実施形態と異なる。以下、第2実施形態の構成要素のうち第1実施形態の構成要素と共通するものについては同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
【0040】
図5は、第2実施形態に係る容器キャップ1Aの一例を示す図であり、(A)は上面、(B)は正面、(C)は下面、(D)は側面を示す。
図6は、容器キャップ1Aの内部構成の一例を示す断面図であり、(A)は扉部25Aが閉じた状態、(B)は扉部25Aが開いた状態を示す。
図7は、容器キャップ1Aの内部構成の一例を示す断面斜視図であり、(A)は扉部25Aが閉じた状態、(B)は扉部25Aが開いた状態を示す。
図6及び
図7は、
図5(A)のB−B断面を示している。
【0041】
容器キャップ1Aは、第1実施形態の格納部20及びレバー30と部分的に相違する格納部20A及びレバー30Aを備える。
【0042】
格納部20Aの底部には、各部屋23に連通する一対の排出口24Aに対応した一対の扉部25Aが設けられている。扉部25Aは、排出口24Aを開閉可能に底部の中央部に軸支されている。
【0043】
レバー30Aの下端部は、その内側面に、扉部25Aの下面から係止する係止部33Aが形成されている。
【0044】
ここで、扉部25Aは、例えば樹脂の一体成形などにより、開いた状態(例えば扉部25Aの先端部が下方垂直に向いた状態)を初期姿勢として形成され、閉じた状態ではその軸が撓んでおり開く方向に付勢される。従って、閉じた状態では、扉部25Aの下面は、係止部33Aによって開く方向へ動かないように係止されている。
【0045】
図6(A)及び
図7(A)の状態では、係止部33Aが扉部25Aを係止している。この状態でユーザーは、一対のレバー30Aの上端部を外側から摘んで内側方向に押圧する。すると、
図6(B)及び
図7(B)に示すように、軸P回りの回転により各レバー30Aの下端部が外側方向へ移動する。これにより、係止部33Aの扉部25Aに対する係止が解除され、扉部25Aが開き、排出口24Aが開放される。
【0046】
次に、容器キャップ1Aの動作を、容器キャップ1Aを容器から外す手順に沿って時系列に説明する。
【0047】
図8は、容器キャップ1Aの動作の一例を説明する断面図であり、(A)は容器キャップ1Aが締められかつ扉部25Aが閉じた状態、(B)は容器キャップ1Aが緩められた状態、(C)は容器キャップ1Aがさらに緩められ扉部25Aが開いた状態を示す。
図8は、
図5(A)のA−A断面を示している。また、
図8は、容器Bの口部の断面を示している。
【0048】
(A):最初に、容器キャップ1Aが容器Bの口部に対して締められている。本実施形態では、一対のレバー30Aにより対応する扉部25Aが係止された状態(排出口24Aが閉じられた状態)で、一対の当接部32の外側端部間の寸法は、容器の口部の内径と一致するように構成されている。従って、(A)の状態では、一対の当接部32の外側端部は、容器Bの口部の内側面に当接しており、ユーザーが一対のレバー30Aの上端部を外側から摘んで内側方向に押圧しても、レバー30Aを動かすことができない。また、この状態では、排出口24Aは閉じているため、添加物(例えば液体)が格納部20A内から排出されるのが防がれている。
【0049】
(B):次に、ユーザーが本体部10を摘んで左に回転させて緩め始めると、容器キャップ1Aの上昇(図中の白抜きの矢印)に伴って、当接部32も上昇する。当接部32の外側端部が容器の口部の上端面を超えるまでは、その外側端面が口部の内周面に当接しており、当接部32の口部の内周面に対する当接が維持される。
【0050】
(C):その後、さらに容器キャップ1Aが上昇し、当接部32の外側端部が容器の口部の上端面を超え、当接が解除される。この状態で、ユーザーが一対のレバー30Aの上端部を外側から摘んで内側方向に押圧すると、レバー30Aの先端部が外側方向に移動して扉部25Aに対する係止が解除され、扉部25Aが開くとともに排出口24Aが開く。排出口24Aが開くと、添加物が格納部20Aの部屋23から排出される。なお、ユーザーは、片方のレバー30Aのみを押圧してもよい。この場合は、片方の部屋23から添加物が排出される。
【0051】
以上、本発明の第2実施形態について説明した。本実施形態の容器キャップ1Aによれば、第1実施形態と同様の効果を得られる。ただし、ユーザーはレバーを放しても排出口を閉じて添加物の添加を止めることはできない。
【0052】
[第3実施形態]
第3実施形態に係る容器キャップ1Bは、アタッチメント部材としての補助キャップ4とセットで用いられるものである。以下、第3実施形態の構成要素のうち第1実施形態の構成要素と共通するものについては同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
【0053】
図9は、第3実施形態に係る容器キャップ1Bの一例を示す図である。
図9は、容器キャップ1Bの正面を示す。
【0054】
容器キャップ1Bの本体部10の外周面には、後述する補助キャップ4の内周面に形成された雌ねじ41と螺合する雄ねじ12Bが形成されている。その他の部分は、第1実施形態と同様である。
【0055】
図10は、補助キャップ4の一例を示す図であり、(A)は上面、(B)は正面、(C)は下面、(D)は
図10(A)のC−C断面を示す。
【0056】
補助キャップ4の本体部40は、円筒状に形成されている。本体部40の内側面の下側には、容器キャップ1Bの雄ねじ12Bに螺合する雌ねじ41が形成されている。また、本体部40の内側面の上側には、一対の凸部42が形成されている。
図10の例では、凸部42は、内周面から徐々に隆起する曲面状に形成されている。
【0057】
本実施形態では、一対の凸部42は、補助キャップ4を容器キャップ1Bに最後まで締めた状態で、一対のレバー30の上端部の外側面と相対するように、本体部40の内周面に配置されている。つまり、補助キャップ4を緩めた状態では、一対の凸部42は、一対のレバー30の上端部の外側面と相対しない。
【0058】
次に、補助キャップ4及び容器キャップ1Bの動作を、補助キャップ4を容器キャップ1Bに装着してから容器キャップ1Bを容器から外すまでの手順に沿って時系列に説明する。
【0059】
図11は、容器キャップ1B及び補助キャップ4の動作の一例を説明する図であり、(A)は補助キャップ4が緩められた状態、(B)は補助キャップ4が最後まで締められた状態を示す。
図11は、容器キャップ1B及び補助キャップ4の上面を示している。なお、容器キャップ1Bは、容器Bの口部に締められているものとする。
【0060】
(A):補助キャップ4は、容器キャップ1Bに対して締められておらず、単に容器キャップ1Bに対して被せてある。この状態では、凸部42とレバー30の上端部の位置が一致しておらず、レバー30の上端部は内側方向に押圧されていない。ユーザーが補助キャップ4を摘んで右に回転させると、補助キャップ4の下降に伴って、凸部42も下降する。
【0061】
(B):ユーザーが補助キャップ4を容器キャップ1Bに最後まで締めると、凸部42とレバー30の上端部の位置が一致する。この状態では、レバー30の上端部は内側方向に押圧される。ここで、当接部32の外側端部は、容器Bの口部の内側面に当接しているため、レバー30の中央部から上端部にかけた部位は、内側方向に撓んで屈曲する。当接部32には、外側方向へのモーメントが加わる。
【0062】
その後、ユーザーが補助キャップ4と共に容器キャップ1Bを把持し、左に回転させて緩め始めると、容器キャップ1Bの上昇に伴って、当接部32も上昇する。当接部32の外側端部が容器Bの口部の上端面を超えるまでは、その外側端面が口部の内周面に押し付けられて当接しており、当接部32の口部の内周面に対する当接が維持される。
【0063】
さらに容器キャップ1Bが上昇し、当接部32の外側端部が容器Bの口部の上端面を超え、当接が解除される。このとき、上述(B)で一対のレバー30の下端部には外側方向へのモーメントが加わっているため、レバー30の先端部が外側方向に移動して排出口24が開く。排出口24が開くと、添加物が格納部20の部屋23から排出される。
【0064】
以上、本発明の第3実施形態について説明した。本実施形態の容器キャップ1B及び補助キャップ4によれば、ユーザーはこれらのキャップを回す操作だけで添加物を排出させることができる。
【0065】
上述の第3実施形態では、補助キャップ4を緩める方向と容器キャップ1Bを緩める方向とを一致させている(共に左回り)。しかしながら、補助キャップ4を緩める方向と容器キャップ1Bを緩める方向とを逆にしてもよい。例えば、補助キャップ4を左回りで容器キャップ1Bに締めるように構成する。このようにすれば、ユーザーは、補助キャップ4を左回りで容器キャップ1Bに最後まで締め、引き続き補助キャップ4を左回しすることで、容器キャップ1Bを緩めることができる。
【0066】
図12は、第3実施形態に係る容器キャップ1B及び補助キャップ4の変形例を説明する図である。(A)は補助キャップ4が緩められた状態、(B)は補助キャップ4が最後まで締められた状態を示す。
【0067】
凸部42の先端部には、溝や穴などの凹状の第1の係合部45が形成されている。レバー30の上端部の外側面には、突起などの凸状の第2の係合部35が形成されている。第1の係合部45と第2の係合部35は、凸部42とレバー30が相対する位置で、互いに係合する。これにより、ユーザーは、視覚あるいは触覚によってレバー30を最も多く押圧できる位置を認識し、補助キャップ4の回転を止めることができる。もちろん、第1の係合部45を凸状に形成し、第2の係合部35を凹状に形成してもよい。
【0068】
図13は、第3実施形態に係る容器キャップ1B及び補助キャップ4の他の変形例を説明する図である。
図13(A)は、本変形例に係る補助キャップ4Cの断面を示す。
図13(B)は、本変形例に係る容器キャップ1Cの正面を示す。
【0069】
容器キャップ1Cは、本体部10の外周面に、雄ねじ12Bに替えて、リング状の凸部13を有する。また、補助キャップ4Cは、本体部40の内周面に、雌ねじ41に替えて、リング状の溝部43を有する。容器キャップ1Cと補助キャップ4Cは、第3実施形態のようにねじ構造により螺合させるのではなく、互いに回転可能にとなるように凸部13と溝部43の係合構造により装着される。このような構成の場合は、補助キャップ4Cを回転させても、容器キャップ1Cに対して上下動作しない。もちろん、容器キャップ1Cに溝部を形成し、補助キャップ4Cに凸部を形成してもよい。
【0070】
さらに、本変形例では、補助キャップ4Cは、1つの凸部42を有するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザーは、2つのレバー30のいずれかを選択して押圧することができる。
【0071】
図14は、容器キャップ1C及び補助キャップ4Cの変形例を説明する図である。
【0072】
補助キャップ4Cは、その内周面に、第1の係止部材44を備える。第1の係止部材44は、溝部43よりも上方で、凸部42と対向する位置に配置されている。第1の係止部材44は、補助キャップ4Cの径方向の寸法が凸部42よりも短く、レバー30と接触しないように構成されている。
【0073】
容器キャップ1Cは、上側壁11の上面に、一対の第2の係止部材14を備える。一対の第2の係止部材14は、容器キャップ1Cに装着された補助キャップ4Cの第1の係止部材44と同じ高さに、各レバー30の近傍に配置されている。補助キャップ4Cをある方向へ回転させた場合に、一方の第2の係止部材14と第1の係止部材44とが向い合って当接し、補助キャップ4Cを反対方向へ回転させた場合に、他方の第2の係止部材14と第1の係止部材44とが向い合って当接するように構成されている。
【0074】
図15は、容器キャップ1C及び補助キャップ4Cの動作の一例を説明する図である。
【0075】
図15(A)は、凸部42がいずれのレバー30も押圧していないニュートラルな状態を示している。この状態では、第1の係止部材44は、回転角において、一対の第2の係止部材14の間に位置する。
【0076】
図15(B)は、補助キャップ4Cを(A)の状態から左に約90度回転させた状態を示している。補助キャップ4Cを左に回転させると、第1の係止部材44は、右側の第2の係止部材14に近付き、凸部42は、左側のレバー30に近付く。その後、第1の係止部材44が右側の第2の係止部材14に当接することにより、補助キャップ4Cの左回転が制限され停止する。このとき、凸部42は、左側のレバー30を押圧した状態である。
【0077】
(B)の状態から右側のレバー30を押圧する場合、補助キャップ4Cを右に約180度回転させればよい。第1の係止部材44が左側の第2の係止部材14に当接することにより、補助キャップ4Cの右回転が制限され停止する。このとき、凸部42は、右側のレバー30を押圧した状態である。
【0078】
第1の係止部材44及び第2の係止部材14の配置、形状、及び数は、補助キャップ4Cの回転を制限できれば、上述した構成例に限られない。
【0079】
なお、第3実施形態及びその変形例の特徴は、第1実施形態に限らず第2実施形態にも同様に適用できる。
【0080】
[第4実施形態]
図16は、第4実施形態に係る容器キャップ5の一例を示す図であり、(A)は上面、(B)は正面、(C)は下面、(D)は側面を示す。
図17は、容器キャップ5の内部構成の一例を示す断面図であり、(A)は扉部75が閉じた状態、(B)は扉部75が開いた状態を示す。
図18は、容器キャップ5の内部構成の一例を示す断面斜視図であり、(A)は扉部75が閉じた状態、(B)は扉部75が開いた状態を示す。
図17及び
図18は、
図16(A)のD−D断面を示している。
【0081】
容器キャップ5は、本体部50、及び一対のレバー60を備える。
【0082】
本体部50は、上面が閉じた円筒状に形成されている。後に詳述するが、本体部50の外周壁51の内側上部には、格納部70が形成されており、内側下部には容器Bの口部外周に形成された雄ねじと螺合する雌ねじ55が形成されている。
【0083】
本体部50の上面は、昇降壁52と接続壁53(これらを上側壁と呼んでもよい)とから構成されている。昇降壁52は、本体部50の上面の中央部に配置されている。接続壁53は、昇降壁52を外周壁51の内周面に接続するために環状に形成されている。ここで、接続壁53は、昇降壁52よりも薄肉に形成されており、その可撓性あるいは弾性によって昇降壁52を昇降動作できるように支持している。
【0084】
一対のレバー60は、本体部50の上面に設けられている。左右のレバー60は、本体部50の中心を介して線対称な関係にある。
【0085】
レバー60は、板状の第1部材61及び第2部材62により構成されている。第1部材61は、第2部材62よりも外側に配置されている。第1部材61の下端部は、外周壁51の上面に接続されている。一方、第2部材62の下端部は、昇降壁52の上面に接続されている。そして、第1部材61の上端部と第2部材62の上端部は、本体部50の上方で三角形を成すように互いに接続されている。レバー60は、正面視した場合に、例えば猫耳のように見え、本体部50は、例えば猫の顔のように見える。
【0086】
上記のようなレバー60の構成により、第1部材61の上端部が本体部50の中心方向に移動した場合、第1部材61の下端部を支点として第1部材61及び第2部材62の上端部が回転し、第2部材62の下端部が昇降壁52を下方に押し下げることができる。
【0087】
ここで、レバー60は、例えば樹脂の一体成形などにより、内側に移動した状態(昇降壁52が下降した状態、
図17(B))を初期姿勢として形成され、外側に開いた状態(昇降壁52が上昇した状態、
図17(A))では、内側に移動する方向に付勢される。
【0088】
格納部70の内部は、1つの部屋となっている。格納部70の底部71は、環状のフランジ部72と、フランジ部72の内側の円筒状の筒部73とから構成されている。
【0089】
フランジ部72は、外周壁51の内面から中央に向かって下方に斜めに延設されている。筒部73は、フランジ部72の内側端面に接続されており、下方に垂直に延設されている。筒部73の外径は、容器Bの口部の内径と同じかやや小さく構成されている。筒部73は、容器キャップ5が容器Bの口部に締められた状態で、口部内に挿入される。これにより、容器B内の添加物が外へ漏れ出すのを防ぐことができる。
【0090】
筒部73の底部には、格納部70の部屋に連通する排出口に対応する扉部75(可動部ともいう)が設けられている。扉部75は、筒部73の底部とは接続されておらず、上下方向に延びるロッド部74によって昇降壁52と接続されている(すなわち、昇降壁52から吊り下げられている)。
【0091】
また、扉部75の上面には、一対の係止部76が設けられている。係止部76は、上下方向に延びる棒状に形成されており、その先端部が外側に突出しており、これによりフランジ部72の上面に係止する。後に詳述するが、係止部76は、扉部75が下降するのを制限する機能を有する。
【0092】
上記のような格納部70の構成により、昇降壁52が下方向に移動した場合、これに伴って扉部75も下方に移動する。
【0093】
ここで、接続壁53は、例えば一体成形などにより、昇降壁52が下降した状態(扉部75が下降して排出口が開いた状態)を初期姿勢として形成され、昇降壁52が上昇した状態では、昇降壁52を下降させる方向に付勢する。扉部75が閉じた状態では、係止部76によってフランジ部72の上面に係止されており、簡単に開かないように構成されている。
【0094】
なお、上述の説明では、レバー60及び接続壁53の両方が、昇降壁52を下降させるように復元力を有するが、いずれか一方のみが当該復元力を有するように構成してもよい。
【0095】
本実施形態では、容器キャップ5を装着する容器Bは、一般的なペットボトルと相違する特徴を有している。
【0096】
図19は、容器Bの口部の構成例を示す図である。
図19(A)〜(C)の上図は、容器Bの口部の上面を示しており(口部の外周に形成された雄ねじやフランジは省略)、
図19(A)〜(C)の下図は、容器Bの口部の断面を示している(ハッチング省略)。
【0097】
図19(A)の例では、容器Bの口部の内周面には、内周面に沿って、内側に突出するフランジ部80が形成されている。このフランジ部80の上面は、容器キャップ5が容器Bの口部に最後まで締められた状態で、扉部75の底面の周縁部と当接する。フランジ部80は、例えば容器Bに一体成形で設けることができる。
【0098】
もちろん、フランジ部80の形状は、
図19(A)に限られない。
図19(B)の例では、フランジ部80の一部が除去されており、4つのフランジ部81が形成されている。
図19(C)の例では、フランジ部80の一部が除去されており、8つのフランジ部82が形成されている。フランジ部を複数個に分割して設けることにより、個々のフランジ部の間には隙間が形成される。これにより、格納部70の部屋から排出された添加物が下方へ移動し易くなる。
【0099】
次に、容器キャップ5の動作を、容器キャップ5を容器から外す手順に沿って時系列に説明する。
【0100】
図20は、容器キャップ5の動作の一例を説明する断面図であり、(A)は容器キャップ5が締められかつ扉部75が閉じた状態、(B)は容器キャップ5が緩められた状態、(C)は容器キャップ5がさらに緩められ扉部75が開いた状態、(D)は容器キャップ5がさらに緩められ扉部75がさらに開いた状態を示す。
図20は、
図16(A)のD−D断面を示している。また、
図20は、容器Bの口部の断面を示している。
図20では、容器Bは、
図19(A)で示したフランジ部80を備える。
【0101】
(A):最初に、扉部75が閉められた状態の容器キャップ5が容器Bの口部に対して締められている。この状態では、扉部75は、係止部76によってフランジ部72に係止されている。また、扉部75の底面は、フランジ部80に当接している。従って、ユーザーが一対のレバー60の上端部を外側から摘んで内側方向に押圧しても、扉部75の下降が制限されており、レバー60を動かすことができない。また、扉部75は閉じているため、添加物が格納部70内から排出されるのが防がれている。
【0102】
(B):次に、ユーザーが本体部50を摘んで左に回転させて緩め始めると、容器キャップ5の上昇(図中の白抜き矢印)に伴って、扉部75の底面も上昇し、フランジ部80に対する当接が解除される。この状態では、扉部75は、係止部76によってフランジ部72に係止されており、扉部75の下降は制限されている。
【0103】
(C):ユーザーが一対のレバー60の上端部を外側から摘んで内側方向に押圧すると、昇降壁52と共に扉部75が下降し始め、係止部76が内側に撓んで曲がることによりフランジ部72の内側に入り、係止が解除される。昇降壁52が下降するように付勢されているため、ユーザーは、少ない力でレバー60を摘まんで扉部75を開くことができる。排出口が開くと、添加物が格納部70の部屋から排出される。なお、ユーザーがレバー60を放しても、レバー60及び接続壁53の付勢により、扉部75は閉じられない。
【0104】
(D):その後、ユーザーが、さらに容器キャップ1を緩め、レバー60の上端部をさらに強く摘むと、扉部75がさらに下降して排出口が大きく開く。
【0105】
以上、本発明の第4実施形態について説明した。本実施形態の容器キャップ5によれば、容器内に添加物を添加するかどうかをユーザーが選択することができる。
【0106】
図21は、本体部50の上面の変形例を説明する断面図である。昇降壁52と接続壁53は、連結部材54で接続されてもよい。連結部材54は、環状に形成されており、下方に湾曲している。連結部材54は、昇降壁52が下降するほど湾曲し、昇降壁52を上昇させる方向により強く付勢するように、板ばねのように機能する。あるいは、連結部材54は、昇降壁52が上昇するほど湾曲し、昇降壁52を下降させる方向により強く付勢するように、板ばねのように機能する。
【0107】
図22は、筒部73の底部の変形例を説明する断面図である。筒部73に対して扉部75を閉じた状態で、これら接触箇所(図中の矢印)は、垂直方向に延びた後、内側に曲がるように形成されている。この接触箇所は、筒部73の底部を下側から観た場合に、円状の線となって現れる。このように接触箇所を曲げることにより、容器B内の添加物が筒部73内に進入しにくくすることができる。さらに、円形あるいは環状のシール材90(例えば、テープ)で、円状の接触箇所をシールするようにしてもよい。このようにすれば、容器内の液体及び気体の筒部73内への進入を防ぐことができる。
【0108】
扉部75の係止構造は、
図17で示したようにフランジ部72の上面で係止するものに限られない。
図23は、係止部の変形例を説明する図である。扉部75の上面には、
図17に示す一対の係止部76に替えて、一対の係止部76Aが設けられている。係止部76Aは、係止部76よりも短い棒状あるいはブロック状に形成されており、溝が形成されている。一方、筒部73の内側面には、一対の係止部76Aと対応する位置に、突起状の係止部77Aが設けられている。係止部76Aの溝と係止部77Aの突起は、向い合って嵌合するように形成されている。
【0109】
図23(A)に示すように、扉部75が閉められた状態では、扉部75は、係止部76Aが係止部77Aと嵌合することによって、筒部73に係止されている。
図23(B)に示すように、ユーザーが一対のレバー60を摘んで内側方向に押圧すると、係止部76Aが内側に撓んで曲がることにより係止部77Aを乗り越え、係止が解除される。
【0110】
なお、第4実施形態では、レバー60及び接続壁53が、昇降壁52を下降させるように復元力を有するが、昇降壁52を上昇させる復元力を有するように構成してもよい。このようにすれば、ユーザーがレバー60から手を放すと、排出口が自動的に閉じられる。
【0111】
また、第4実施形態においても、レバー60を内側に押圧する部材、及び昇降壁52を下方に押圧する部材の少なくとも一方を備える補助キャップのようなアタッチメント部材を用意してもよい。当該アタッチメント部材を容器キャップ5に装着した状態で、容器キャップ5を左に回転させて緩め始めると、アタッチメント部材による押圧力により、レバー60及び昇降壁52の少なくとも一方が押圧され、扉部75が下降する。このようにすれば、排出口が自動的に開かれる。
【0112】
さらに他の変形例としては、上述の第1実施形態では、格納部20内は2つの部屋に区切られているが、部屋は1つでもよいし3つ以上に区切られていてもよい。レバー及び排出口等の構成要素は、各部屋に対応して設けられればよい。第2〜3実施形態についても同様である。
【0113】
本発明は、上記の実施形態(及び変形例)に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能であり、それらの態様を含むものである。ある実施形態の一部の構成要素を、他の実施形態に加えたり、他の実施形態の一部の構成要素と置換したりしてもよい。ある実施形態の構成要素のうち、一部の構成要素を省略することもできる。
【0114】
また、容器キャップの各構成要素の配置、寸法、形状等の構成は、本発明の目的を達成できれば、上記に説明あるいは図示した例に限られない。また例えば、「垂直」などの構成要素の関係や形状を表す言葉を用いているが、言葉どおりの厳密な意味に限られず、その意味と実質的に同一な場合(すなわち、本発明の効果を発揮できる場合)も含むことができる。
【0115】
本発明は、いわゆるペットボトルに限らず、様々な材質や形状の容器に適用できる。また、容器の内容物は、飲料に限らず調味料や食品や薬品であってもよいし、液体に限らず粒状物や固形物であってもよい。また、添加物は、飲料に限らず調味料や食品や薬品であってもよいし、固形物や液体に限らず、粒状物などであってもよい。
【解決手段】容器キャップは、上面が閉じた筒状の本体部と、前記本体部の上側壁を貫通するように設けられ、その底部が前記本体部の内部に配置された、添加物を格納する格納部と、前記本体部の上側壁を貫通するように設けられ、その下端部が前記格納部の底部に近付く又は遠ざかるように可動するレバーと、を備え、前記格納部の底部の少なくとも一部は、前記レバーの下端部が接することにより閉じ、離れることにより開放される。