特許第6453587号(P6453587)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東海理化電機製作所の特許一覧

<>
  • 特許6453587-電子キーシステム 図000002
  • 特許6453587-電子キーシステム 図000003
  • 特許6453587-電子キーシステム 図000004
  • 特許6453587-電子キーシステム 図000005
  • 特許6453587-電子キーシステム 図000006
  • 特許6453587-電子キーシステム 図000007
  • 特許6453587-電子キーシステム 図000008
  • 特許6453587-電子キーシステム 図000009
  • 特許6453587-電子キーシステム 図000010
  • 特許6453587-電子キーシステム 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6453587
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】電子キーシステム
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20190107BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20190107BHJP
   B60L 50/40 20190101ALI20190107BHJP
   B60L 50/50 20190101ALI20190107BHJP
   B60L 53/00 20190101ALI20190107BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20190107BHJP
   B60L 58/00 20190101ALI20190107BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20190107BHJP
   H02J 50/00 20160101ALI20190107BHJP
【FI】
   E05B49/00 K
   B60R25/24
   B60L11/18 C
   H02J50/12
   H02J50/00
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-172356(P2014-172356)
(22)【出願日】2014年8月27日
(65)【公開番号】特開2016-47983(P2016-47983A)
(43)【公開日】2016年4月7日
【審査請求日】2017年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】池田 陽
(72)【発明者】
【氏名】土井 陽介
(72)【発明者】
【氏名】江川 哲也
【審査官】 小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−161235(JP,A)
【文献】 特開2008−196228(JP,A)
【文献】 特開2013−231281(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/086048(WO,A1)
【文献】 特開2014−155399(JP,A)
【文献】 特開2012−251374(JP,A)
【文献】 特開2010−007457(JP,A)
【文献】 米国特許第05207304(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 − 85/28
B60L 11/18
B60R 25/24
H02J 50/00 − 50/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子キーと当該電子キーに対応する自車両との間で無線通信によるID照合が成立したことを条件に前記自車両の車載装置の制御を許可する電子キーシステムにおいて、
前記電子キーは、ID照合の前又はID照合中に、受信した信号が前記自車両から送信された信号であるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって、前記電子キーが受信した信号が前記自車両から送信された信号であると判定した際に、前記自車両に非接触給電を行う給電装置及び前記自車両の周囲の他車両に非接触給電を行う給電装置の少なくとも一方に対して、給電を一時的に停止させる停止信号を送信する送信部と、を備える
ことを特徴とする電子キーシステム。
【請求項2】
前記電子キーは、前記停止信号を前記自車両に送信する前記送信部として第1送信部を備え、
前記自車両は、前記電子キーの前記第1送信部から前記停止信号を受信した際に、前記停止信号を、前記自車両に給電を行う給電装置及び前記自車両の周囲の他車両に給電を行う給電装置の少なくとも一方に対して送信する前記送信部として第2送信部を備える
請求項に記載の電子キーシステム。
【請求項3】
前記送信部は、前記自車両に給電を行う給電装置の赤外線受信部及び他車両に給電を行う給電装置の赤外線受信部のうち少なくとも一方に対して、赤外線信号である前記停止信号を送信する赤外線送信部である
請求項1又は2に記載の電子キーシステム。
【請求項4】
前記送信部は、前記自車両に給電を行う給電装置及び他車両に給電を行う給電装置のうち少なくとも一方に対して、UHF帯の前記停止信号を送信する
請求項1〜のいずれか1項に記載の電子キーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触給電が行われる車両と電子キーとの間における無線通信によってID照合を行う電子キーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子キーと車両との間で無線通信によりID照合を行って車載装置を作動させる電子キーシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の電子キーシステムでは、ID照合の際に、車両に搭載された送信アンテナから、例えばLF(Low Frequency)帯の電波であるリクエスト信号を送信する。
【0003】
電子キーは、車両からリクエスト信号を受信すると、自身のメモリに記憶されたキーIDを、例えばUHF(Ultra High Frequency)帯の電波信号として車両に送信する。
【0004】
車両の照合ECUは、電子キーから送信されたキーID信号を受信アンテナで受信すると、このキーID信号を基にID照合を行う。照合ECUによるID照合が成立すると、例えば車両のドアの施解錠やエンジンの始動等が許可又は実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−262915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近では、大容量の二次電池を搭載した車両に対し、接点による接続を不要として電力を伝送する、いわゆる非接触式の給電装置が提案されている。この給電装置は、車両の受電部に対して接点を介さずに電力を伝送するため、ノイズの発生源となることがある。このノイズによって、電子キーシステムの通信が妨げられる可能性がある。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、非接触給電を行う給電装置から発生するノイズによる通信不成立を防止することができる電子キーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する電子キーシステムは、電子キーと当該電子キーに対応する自車両との間で無線通信によるID照合が成立したことを条件に自車両の車載装置の制御を許可する電子キーシステムにおいて、ID照合の前又はID照合中に、自車両に非接触給電を行う給電装置及び自車両の周囲の他車両に非接触給電を行う給電装置の少なくとも一方に対して、給電を一時的に停止させる停止信号を送信することを要旨とする。
【0009】
同構成によれば、ID照合の前又はID照合中に、給電装置に停止信号が送信されるので、停止信号に基づいて給電装置による給電が一時的に停止している間にID照合を行うことができる。このため、給電装置からのノイズによる通信不成立を防止することができる。
【0010】
上記電子キーシステムについて、前記自車両の動力源を始動させるための始動操作を検出する始動操作検出部によって、当該始動操作が検出された際に、前記停止信号を送信することが好ましい。
【0011】
同構成によれば、始動操作が行われたことをトリガとして停止信号を送信するので、動力源を始動させるためのID照合が、給電装置のノイズによって不成立となることを防止することができる。
【0012】
上記電子キーシステムについて、前記自車両又は前記電子キーは、受信した信号の強度を検出する信号強度検出部を備え、予め設定された閾値を超える信号を前記信号強度検出部が受信した際に、前記停止信号を送信することが好ましい。
【0013】
給電装置から発生するノイズは、一般的な通信ノイズよりも信号強度が大きい。同構成によれば、受信信号の信号強度が閾値を超える場合に停止信号が送信されるので、給電装置から発生するノイズにより通信の不成立の可能性が高いと想定される場合に限り、停止信号を送信し、周囲の給電装置による給電を一時的に停止させることができる。
【0014】
上記電子キーシステムについて、前記電子キーに対する予め設定されたキー操作を検出するキー操作検出部によって、当該キー操作が検出された際に、前記停止信号を送信することが好ましい。
【0015】
同構成によれば、電子キーがキー操作されたことをトリガとして、停止信号が送信される。このため、給電の停止が不要な場面での停止信号の送信を抑制することができる。
上記電子キーシステムについて、前記電子キーは、受信した信号が前記自車両から送信された信号であるか否かを判定する判定部を備え、前記判定部によって、前記電子キーが受信した信号が前記自車両から送信された信号であると判定した際に、前記停止信号を送信することが好ましい。
【0016】
同構成によれば、自車両から送信された信号が電子キーによって受信されたことをトリガとして、停止信号が送信されるので、電子キーが、自車両を中心とする信号送信範囲外にあるときには、停止信号が送信されない。このため、電子キーが自車両に近い範囲にある場合のみ停止信号が送信されるので、給電の停止が不要な場面での停止信号の送信を抑制することができる。
【0017】
上記電子キーシステムについて、前記電子キーは、前記停止信号を前記自車両に送信し、前記電子キーから前記停止信号を受信した前記自車両は、前記停止信号を、前記自車両に給電を行う給電装置及び前記自車両の周囲の他車両に給電を行う給電装置の少なくとも一方に対して送信することが好ましい。
【0018】
同構成によれば、電子キーから送信された停止信号が自車両を介して給電装置に送信される。このため、自車両が停止信号を受信さえすれば、給電装置に対して予め設定された位置にある自車両から停止信号が送信されることで、給電装置に停止信号を確実に受信させることができる。
【0019】
上記電子キーシステムについて、前記自車両又は前記電子キーが、前記自車両に給電を行う給電装置の赤外線受信部及び他車両に給電を行う給電装置の赤外線受信部のうち少なくとも一方に対して、赤外線信号である前記停止信号を送信する赤外線送信部を備えることが好ましい。
【0020】
給電装置から放射されるノイズは、LF帯又はそれに近い周波数を有する電波である。同構成によれば、LF帯又はそれに近い周波数を有する電波と干渉しない赤外線信号である停止信号が送信されるので、停止信号に対して給電装置から発生するノイズが影響せず、ノイズが停止信号の受信を妨げることを抑制できる。
【0021】
上記電子キーシステムについて、前記自車両又は前記電子キーが、前記自車両に給電を行う給電装置及び他車両に給電を行う給電装置のうち少なくとも一方に対して、UHF帯の前記停止信号を送信する送信部を備えることが好ましい。
【0022】
給電装置から放射されるノイズは、LF帯又はそれに近い周波数を有する電波である。同構成によれば、LF帯又はそれに近い周波数を有する電波と干渉しないUHF帯の停止信号が送信されるので、停止信号に対して給電装置から発生するノイズが影響せず、ノイズが停止信号の受信を妨げることを抑制できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、給電装置から発生するノイズによる通信不成立を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】電子キーシステムの第1の実施形態の概略構成を示すブロック図。
図2】第1の実施形態における給電装置への停止信号の送信態様を示す模式図。
図3】第1の実施形態における電子キー、車両及び給電装置の通信動作を示すシーケンスチャート。
図4】電子キーシステムの第2の実施形態の概略構成を示すブロック図。
図5】第2の実施形態における給電装置への停止信号の送信態様を示す模式図。
図6】第2の実施形態における電子キー、車両及び給電装置の通信動作を示すシーケンスチャート。
図7】変形例における給電装置への停止信号の送信態様を示す模式図。
図8】変形例における給電装置への停止信号の送信態様を示す模式図。
図9】変形例における給電装置への停止信号の送信態様を示す模式図。
図10】変形例における給電装置への停止信号の送信態様を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施形態)
以下、図1図3を参照して、電子キーシステムの第1の実施形態について説明する。
図1に示されるように、車両側の電子キーシステムが搭載された車両20は、動力源としてのエンジン25及びモータ43と、モータ43の電力源である二次電池42とを備えたハイブリッド車両である。二次電池42の充電は、バッテリECU(Electric Control Unit)41によって制御される。
【0026】
車両20は、給電装置50から伝送された電力を非接触式で受電する受電部40を備える。受電部40は、例えば磁気共鳴式の受電部であり、コイルを有する共振回路等を備える。受電部40は、コイルに流れる電流を直流に変換して二次電池42に供給し、二次電池42を充電する。なお、給電装置50によって二次電池42を充電する際は、ユーザは、給電装置50に対して設定された所定の領域に車両20を駐車する。
【0027】
給電装置50は、電源に接続された送電部52を備える。送電部52は、例えば磁気共鳴式の伝送方法によって車両20に受電部40に電力を伝送する。即ち、送電部52及び受電部40は、同じ共振周波数を有するコイルを備える。送電部52のコイルに高周波の電流が供給されることにより、受電部40の共振回路に磁場の振動が伝わる。これにより、送電部52から、受電部40に電力を供給することができる。
【0028】
また、給電装置50は、給電制御部51を備える。給電制御部51は、送電部52のコイルへの通電等を制御する。さらに、給電装置50は、赤外線信号を受信する赤外線受信部53及び通信部54を備える。赤外線受信部53は、受信した赤外線信号を復調し、復調結果を給電制御部51に出力する。また、通信部54は、隣接する給電装置50との間で通信ケーブル56を介して通信を行う。
【0029】
次に、電子キーシステムについて説明する。電子キーシステムは、車両20に設けられた車両側キーシステム21と、電子キー10とを備える。車両側キーシステム21は、電子キー10との間で狭域無線通信を行う。なお、以降は、電子キーシステムによるID照合を「スマート照合」と記し、その照合で行われる通信を「スマート通信」と記す。
【0030】
電子キー10は、キー制御部11と、電波の受信を行う受信アンテナ12と、電波の送信を行う送信アンテナ13とを備える。キー制御部11のメモリ11aには、車両20に対応する電子キー10の固有IDとして電子キーID11bが記憶されている。受信アンテナ12は、例えばLF(Low Frequency)帯の電波を受信可能である。送信アンテナ13は、受信アンテナ12が受信可能な周波数帯よりも高い周波数帯の電波を送信可能であり、例えばUHF(Ultra High Frequency)帯の電波を送信する。
【0031】
また、電子キー10は、車両20のドアの施錠及び解錠等を行うためのキー操作部19aと、キー操作部19aの操作を検出するキー操作検出部19を備える。キー操作検出部19は、キー操作部19aの操作を検出して、キー制御部11に操作検出信号を出力する。
【0032】
次に車両側キーシステム21の構成について説明する。
車両側キーシステム21は、照合ECU22と、車外送信機26、車内送信機27及び車両受信機28を備えている。照合ECU22のメモリ22aには、この車両20に対応する電子キー10の識別子である電子キーID22bが記憶されている。この電子キーID22bは、電子キー10に記憶された電子キーID11bと同じIDを示す。
【0033】
車外送信機26は、スマート照合の通信において、車外に電波を送信する。車内送信機27は、スマート照合の通信において、車内に電波を送信する。車外送信機26及び車内送信機27は、例えばLF帯の電波を送信可能である。車両受信機28は、電子キー10から送信される電波を受信する。車両受信機28は、例えばUHF帯の電波を受信可能である。車外送信機26、車内送信機27及び車両受信機28は、照合ECU22に電気的に接続されている。
【0034】
また、車両側キーシステム21は、赤外線送信部23を備えている。この赤外線送信部23は、照合ECU22の制御によって、例えばパルス位相変調した赤外線信号を、給電装置50の赤外線受信部53に対して送信する。
【0035】
この車両側キーシステム21は、車外送信機26によって車外に形成されたLF電波の通信エリアに対し、電子キー10が進入したタイミングで車外スマート通信を行う。具体的には、通信エリアに進入した電子キー10は、車外送信機26から送信されたウェイク信号を受信すると、電子キー10が起動してアック信号を返信する。そして、電子キー10と車両側キーシステム21との間で、車両コード照合、チャレンジレスポンス認証、電子キー照合等といった各種照合を行う。照合ECU22は、これらの照合が全て成立すると、車外スマート照合が成立したと判断し、車両ドアの施解錠を許可又は実行する。また、車内においても、車内送信機27及び電子キー10との間で、同様の車内スマート通信が行われることによって照合が成立すると、エンジン25の始動を許可する。
【0036】
また車両20は、車両側キーシステム21の他に、イモビライザーシステムを備えている。このイモビライザーシステムは、電子キー10の電池残量がなくても車両20との無線によるID照合を可能とする。イモビライザーシステムの通信は、例えば、通信距離が数cm〜数十cmのRFID(Radio Frequency IDentification)等の近距離無線通信である。なお、以降は、イモビライザーシステムの通信を「イモビライザー通信」と記し、その通信によるID照合を「イモビライザー照合」と記す。
【0037】
イモビライザーシステムは、車両20に設けられた通信アンテナ32と、電子キー10に設けられた通信アンテナ14とを備えている。車両20の通信アンテナ32は、エンジン25を始動させるためのスタートスイッチ30の外周に設けられたコイル等である。
【0038】
これらの通信アンテナ14,32は、近距離無線の電波を送受信可能なアンテナである。また、電子キー10のキー制御部11には、トランスポンダID11cが記憶されている。さらに、車両20の照合ECU22のメモリ22aには、電子キー10のトランスポンダID11cに対応するトランスポンダID22cが記憶されている。
【0039】
電子キー10の電池残量が使用可能なレベル未満となったとき、スマート通信を実行することができないため、イモビライザー通信が行われる。電子キー10を車両20の通信アンテナ32にかざすと、例えば負荷変調の通信により、電子キー10のトランスポンダID11cが車両20に送信される。照合ECU22は、電子キーのトランスポンダID11cと自身に登録されたトランスポンダID22cとを比較し、これらが一致すれば、スタートスイッチ30による車両電源の切り替え等を許可する。
【0040】
また、車両20は、ボディECU35と、ハイブリッドECU36とを備えている。照合ECU22、ボディECU35、及びハイブリッドECU36は、車内の通信線29を介して接続され、例えばCAN(Controller Area Network)や、LIN(Local Interconnect Network)等の規格に基づき通信を行う。
【0041】
ボディECU35は、照合ECU22による照合結果に基づき、車両20のドアロック機構37の施錠及び解錠を切り替える。車両20のドアには、ドアの解錠を行うためのドアボタン38が備えられている。ボディECU35及びドアロック機構37は、車載装置に相当する。
【0042】
ハイブリッドECU36は、照合ECU22による照合結果に基づき、車両20のエンジン25を始動させる。ハイブリッドECU36は、エンジン25及びモータ43の動力配分を算出するとともに、その動力配分に基づいてエンジン25及びモータ43を駆動する。ハイブリッドECU36及びエンジン25は、車載装置に相当する。
【0043】
車両20のスタートスイッチ30は、例えばプッシュ操作等のエンジンを始動させるための操作を検出する操作検出部31を備えている。操作検出部31は、例えばマイクロスイッチ等のスイッチや、磁気センサや光学センサ等のセンサである。操作検出部31が、スタートスイッチ30に対する操作を検出すると、操作検出信号を照合ECU22に出力する。ここで、スタートスイッチ30の操作検出部31に対する操作を始動操作とする。
【0044】
照合ECU22は、操作検出部31から入力する操作検出信号を基に、車両20の電源状態を判定し、電源状態を切り替える。車両20の電源状態は、例えばIGオフ、ACCオン、IGオン、エンジンスタートのいずれかの状態に切り替えられる。
【0045】
ところで、給電装置50から車両20に電力を伝送する際、互いに離間した送電部52及び受電部40の間で高周波電力が伝送されること等により、給電装置50からノイズが発生する。このノイズの周波数帯は、車外送信機26から送信されるLF帯と同じ又はそれに近い周波数帯である。また、給電装置50から発生するノイズの周波数帯は、イモビライザーシステムの通信アンテナ14,32間の近距離無線通信の周波数帯と同じ又はそれに近い周波数帯である。従って、給電装置50から電力が伝送されている間は、給電装置50から発生するノイズによって、ノイズに近い周波数帯の信号が干渉し、電子キーシステムのLF帯を用いた通信、及び通信アンテナ14,32間のイモビライザー通信が妨げられることがある。
【0046】
次に、図2を参照して、給電装置50によって車両20が給電される態様について説明する。ここでは、電子キー10を用いたID照合が行われる対象の車両20を、自車両20aとし、それ以外の車両を他車両101とする。また、給電装置50のうち、自車両20aに給電を行うものを給電装置50aとして、自車両20a以外に給電を行うものを給電装置50bとする。
【0047】
図2に示すように、給電によるノイズは、自車両20aに給電を行う給電装置50aだけでなく、自車両20aの周囲の他車両101に給電を行う給電装置50bからも発生する。このため、少なくとも車内におけるスマート照合又はイモビライザー照合を成立させるためには、それらの給電装置50(50a,50b)の給電を一時的に停止させることが好ましい。
【0048】
このため、車内におけるスマートID照合又はイモビライザー照合が行われる場合には、自車両20aの照合ECU22は、給電装置50(50a,50b)の給電を一時的に停止させるための停止信号Ss1を赤外線送信部23から送信する。赤外線送信部23から送信された赤外線信号は、自車両20aの給電装置50aの赤外線受信部53に受信される。赤外線信号であれば、給電装置50a,50bから発生するノイズの周波数と重複することがないので、給電装置50a,50bによって給電が実行されていても、給電装置50aの赤外線受信部53によって停止信号Ss1を受信することができる。
【0049】
例えば、給電装置50a,50bの赤外線受信部53は、地面等よりも鉛直方向上方に配設されたスタンド55に設けられている。このスタンド55は、非接触式による給電を開始するための操作が行われるものであり、給電対象の車両が駐車される位置である給電エリアZの近傍に設けられている。また図2中、下方の給電エリアZに示すように、給電エリアZには、送電部52が設けられている。また、図2に例示するように、複数の給電装置50が隣設されている場合には、給電装置50は、通信ケーブル56を介して互いに通信可能に接続されている。
【0050】
給電装置50aの赤外線受信部53が停止信号Ss1を受信した場合には、給電制御部51は、通信部54によって、自身の近傍にある給電装置50に対して給電を一時的に停止するための停止指令Ss10を、通信ケーブル56を介して送信する。このため、赤外線信号による停止信号Ss1を受信した給電装置50aだけでなく、その周囲の給電装置50bによる給電を一時的に停止させることができる。
【0051】
次に図3を参照して、電子キーシステム及び給電装置50a,50bの通信動作について説明する。
図3に示されるように、照合ECU22は、操作検出部31を通じて、始動操作を検出すると(ステップS1)、赤外線送信部23から停止信号Ss1を当該自車両20aに対応する給電装置50aに送信する(ステップS2)。
【0052】
給電装置50aの給電制御部51は、赤外線受信部53によって停止信号Ss1が受信されると、例えば隣接する給電装置50bに対して通信ケーブル56を介して停止指令Ss10を送信する(ステップS3)。車内におけるスマート照合、及びイモビライザー照合を妨げるおそれがある給電装置50は、複数の給電装置50の位置関係等から予め判断できる。このため、各給電装置50には、停止指令Ss10の送信先となる給電装置50が予め登録されている。又は、送信元の給電装置50の識別子が付与された停止指令Ss10を、不特定多数の給電装置50に送信してもよい。この場合には、給電制御部51は、停止指令Ss10を受け入れる給電装置50の識別子を受信したことに基づいて給電を一時的に停止する。
【0053】
停止指令Ss10を送信した給電制御部51(給電装置50a)は、自身の給電が実行されている場合には給電を一時停止する(ステップS4)。また、通信ケーブル56を介して停止指令Ss10を受信した給電装置50bは、給電中の場合には、給電を一時的に停止する(ステップS5)。
【0054】
給電装置50a,50bからの給電が停止されている間、照合ECU22は、電子キー10との間で、車内におけるスマート照合、又はイモビライザー照合(イモビ照合)を実行する(ステップS6)。
【0055】
このように車両20の始動操作が行われたとき、給電装置50a,50bによる給電が実行されているか否かに関わらず、車両側キーシステム21から赤外線信号による停止信号Ss1が送信される。このため、給電装置50a,50bによる給電が実行されている場合には、給電が停止され、給電が実行されていない場合には、その状態が維持される。従って、給電が一時的に停止している間にスマート照合又はイモビライザー照合を行うことができるので、ノイズによってそれらの照合が不成立となることを防ぐことができる。
【0056】
また、給電を一時停止させる必要がある給電装置50bを対象に停止指令を送信するので、ノイズを発生させても自車両20aでのスマート照合又はイモビライザー照合に対して影響を及ぼさない給電装置50の給電までも一時的に停止させてしまうことを抑制できる。さらに、給電装置50a,50bの給電を一時的に停止する時間は、少なくとも始動操作が行われてから、スマート照合又はイモビライザー照合が成立するまでの時間であればよい。このため、例えばドアボタン38が操作されたことをトリガとして停止信号Ss1を送信する場合に比べ、ドアの解錠のための時間が不要なので、給電が停止される時間を短くすることができる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態にかかる電子キーシステムによれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)車内におけるスマート照合又はイモビライザー照合の前に、給電装置50a,50bに停止信号Ss1が送信されるので、停止信号Ss1に基づいて給電装置50a,50bによる給電が一時的に停止している間にそれらの照合を行うことができる。このため、給電装置50a,50bから発生するノイズによる通信不成立を防止することができる。
【0058】
(2)始動操作が行われたことをトリガとして停止信号Ss1を送信するので、エンジン25を始動させるためのスマート照合又はイモビライザー照合が、給電装置50a,50bのノイズによって不成立となることを防止することができる。
【0059】
(3)車両側キーシステム21から赤外線信号の停止信号Ss1が送信されるので、停止信号Ss1に対して給電装置50a,50bから発生するノイズが影響せず、ノイズが停止信号Ss1の受信を妨げることを抑制できる。
【0060】
(第2の実施形態)
次に、図4図6を参照して、電子キーシステムの第2の実施形態を、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、本実施形態にかかる電子キーシステムも、その基本的な構成は第1の実施形態と同等であり、図面においても第1の実施形態と実質的に同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、重複する説明は割愛する。
【0061】
図4に示すように、電子キー10は、信号強度検出部に相当するRSSI(Received Signal Strength Indicator)16を有するLF受信部15と、UHF送信部17とを備えている。LF受信部15は、受信アンテナ12を介してLF帯の信号を受信する。また、UHF送信部17は、送信アンテナ13を介してUHF帯の信号を送信する。
【0062】
RSSI16は、受信した無線信号の強度を検出し、その検出値をキー制御部11に出力する。キー制御部11は、RSSI16から入力した信号強度のパターンを判定する。例えば、予め設定された規定値以上である場合には「1」を設定し、受信した無線信号の強度が規定値未満である場合には「0」として、「1」及び「0」の組み合わせのパターンを生成する。
【0063】
キー制御部11は、「1」及び「0」の組み合わせを予め登録したパターンと比較する。キー制御部11は、RSSI16から入力した受信信号強度パターンが正しく、且つID照合が成立している場合に、ドアの施解錠やエンジン25の始動を許可する。
【0064】
また、キー制御部11は、RSSI16から入力した信号強度が、規定値よりも大きい閾値を超える場合には、給電装置50から発生するノイズを受信したと判断する。閾値は、スマート照合時に車両20から出力される無線信号の強度よりも大きい値に設定されている。
【0065】
また、車両側キーシステム21は、停止指令送信機60を備える。停止指令送信機60は、例えば、UHF帯の停止指令Ss3を無線信号で送信する送信機である。
給電装置50は、停止指令Ss3を受信する受信機61を備える。この受信機61は、例えばUHF帯の停止信号Ss2を受信する受信機である。
【0066】
図5に示すように、電子キー10は、信号強度が閾値を超える信号を受信したことをトリガとして、UHF送信部17からUHF帯の停止信号Ss2を、電子キー10に対応する自車両20aに送信する。この停止信号Ss2を受信した自車両20aは、停止指令送信機60から、自身に対応する給電装置50aに停止指令Ss3を送信する。
【0067】
停止指令Ss3を受信した給電装置50aは、給電が行われている場合には、給電を一時的に停止する。また、その給電装置50aは、通信ケーブル56を介して、自車両20aの周囲の給電装置50bに対して停止指令Ss10を送信する。このとき、第1の実施形態と同様に、自車両20aを中心とする所定の範囲内の給電装置50に対して停止指令Ss10が送信される。自車両20aの給電装置50から停止指令Ss10を受信した給電装置50は、給電が行われている場合には、給電を一時的に停止する。
【0068】
次に、図6を参照して、電子キーシステム及び給電装置50a,50bの通信動作について説明する。
電子キー10は、閾値を超える信号強度を検出すると(ステップS11)、起動する。そして、電子キー10は、UHF送信部17からUHF帯の停止信号Ss2を自車両20aに対して送信する(ステップS12)。このとき電子キー10は、電子キーID11bを含めた停止信号Ss2を送信する。
【0069】
照合ECU22は、自車両20aの車両受信機28を介して停止信号Ss2を受信すると、停止信号Ss2に含まれる電子キーID11bを照合する。照合ECU22は、正規の電子キーID11bであると判断すると、自車両20aに対応する給電装置50に対して、停止指令送信機60から停止指令Ss3を送信する(ステップS13)。
【0070】
自車両20aに対応する給電装置50は、受信機61を介して停止指令Ss3を受信すると、予め送信先として設定された他の給電装置50に対して、通信部54から停止指令Ss10を送信する(ステップS14)。停止指令Ss10は、通信ケーブル56を介して、送信先の給電装置50に送信される。又は、送信元の給電装置50の識別子が付与された停止指令Ss10を、不特定多数の給電装置50に送信してもよい。この場合には、給電制御部51は、停止指令Ss10を受け入れる給電装置50の識別子を受信したことに基づいて給電を一時的に停止する。
【0071】
自車両20aから停止指令Ss3を受信した給電装置50aは、自身の給電が実行されている場合には、給電を一時的に停止する(ステップS15)。給電が実行されていない場合には、その状態を維持する。また、給電装置50aから停止指令Ss10を受信した他の給電装置50bは、自身の給電が実行されている場合には、給電を一時的に停止する(ステップS16)。
【0072】
給電装置50a,50bからの給電が停止されている間、照合ECU22は、電子キー10との間で、車内におけるスマート照合、又はイモビライザー照合を実行する(ステップS17)。
【0073】
このようにすると、自車両20aの周囲で非接触式の給電が行われている場合に限り、電子キー10から停止信号Ss2を送信することができる。また、電子キー10から送信される停止信号Ss2は、UHF帯であり、給電装置50a,50bから発生するノイズの影響を受けないので、給電装置50aはその停止信号Ss2を受信することによって給電を一時的に停止することができる。
【0074】
さらに、電子キー10が自車両20aの近傍に存在しているときに、周囲の給電装置50bの給電が一時的に停止されるので、給電の停止が不要な場面での停止信号Ss2の送信を抑制することができる。また、周囲の給電装置50bの給電が一時的に停止されれば、ドアの施錠及び解錠のためのスマート通信も成立させることができる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態にかかる電子キーシステムによれば、前記(1)の効果が得られるとともに、さらに以下の効果が得られるようになる。
(4)電子キー10は、受信した無線信号の強度が閾値を超える場合に停止信号Ss2を送信するので、給電装置50から発生するノイズにより通信の不成立の可能性が高いと想定される場合に限り、停止信号Ss2を送信し、周囲の給電装置50bによる給電を一時的に停止させることができる。
【0076】
(5)電子キー10からUHF帯の停止信号Ss2が送信されるので、停止信号Ss2に対して給電装置50a,50bから発生するノイズが影響せず、ノイズが停止信号Ss2の受信を妨げることを抑制することができる。
【0077】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
・第1の実施形態では、始動操作が行われたことをトリガとして、車両20の車両側キーシステム21から停止信号Ss1を送信したが、ドアボタン38の操作が行われた際に、車両20の車両側キーシステム21から停止信号Ss1を送信してもよい。
【0078】
・第1の実施形態では、車両20から赤外線信号の停止信号Ss1を送信したが、電子キー10に赤外線送信部を設け、この赤外線送信部から、車両20又は給電装置50に対し停止信号Ss1を送信してもよい。電子キー10から車両20に対して停止信号Ss1が送信される場合には、車両20から給電装置50に対して、UHF帯又は赤外線等の停止指令が送信される。
【0079】
・第1の実施形態では、赤外線の停止信号Ss1を、始動操作が行われた車両20から給電装置50に対して送信した。これ以外に、自車両20aの赤外線送信部23は、自車両20aに給電を行っている給電装置50aと、その給電装置50aに隣接する他の給電装置50bに対して停止信号Ss1を送信してもよい。例えば、図7に示されるように、自車両20aに、複数の赤外線送信部23が異なる位置に設けられ、隣接する給電装置50bに停止信号Ss1を送信する。
【0080】
図8に示されるように、始動操作が行われた自車両20aは、他車両20bに対して赤外線信号の車両間停止信号Ss4を送信してもよい。このとき、自車両20a及び他車両20bは、上述した車両側キーシステム21の他、赤外線受信部を備える。始動操作が行われた自車両20aは、自身が対応する給電装置50aの給電を停止させる。車両間停止信号Ss4を受信した他車両101は、自身が対応する給電装置50bの給電を停止させる。このとき、自車両20a及び他車両101には、UHF帯の信号、赤外線信号等、ノイズの影響を受けない信号を給電装置50に対して送信する送信機が設けられ、給電装置50にはその送信機からの信号を受信可能な受信機が設けられる。そして、始動操作が行われた車両20、及び車両間停止信号Ss4を受信した車両20は、その送信機から、自身に対応する給電装置50に対して停止指令Ss3を送信することによって給電を一時的に停止させる。
【0081】
・第2の実施形態では、電子キー10から自車両20aに対してUHF帯の停止信号Ss2を送信し、自車両20aが自身に対応する給電装置50aに停止指令Ss3を送信するとともに、その給電装置50aが他の給電装置50bに停止指令Ss10を送信した。これ以外に、図9に示すように、自車両20aと同一の車両側キーシステム21を搭載した他車両20bに対して、電子キー10から停止信号Ss2を送信するようにしてもよい。そして、停止信号Ss2を受信した自車両20a及び他車両20bから給電装置50に対して停止指令Ss3を送信するようにしてもよい。
【0082】
図10に示されるように、第2の実施形態において、電子キー10から、当該電子キー10に対応する自車両20aに対して停止信号Ss2を送信するとき、自車両20aから周囲の他車両101に対して車両間停止指令Ss5を送信してもよい。車両間停止指令Ss5は、UHF帯の信号の他、赤外線信号等である。自車両20a及び他車両20bは、車両間停止指令Ss5を送信可能な送信機、車両間停止指令Ss5を受信可能な受信機を備える。自車両20aは、自身に対応する給電装置50aの給電を一時的に停止させる。車両間停止指令Ss5を受信した他車両20bは、自身に対応する給電装置50bの給電を一時的に停止させる。
【0083】
・第2の実施形態では、電子キー10が、閾値を超える強度の信号を受信したことをトリガとして、UHF帯の停止信号Ss2を給電装置50に対して送信した。これ以外の態様として、電子キー10のキー操作部19aが操作されたことをトリガとして、UHF帯の停止信号Ss2を給電装置50に対して送信してもよい。この態様では、給電の停止が不要な場面での停止信号Ss2の送信を抑制することができる。
【0084】
・電子キー10が、当該電子キー10に対応する自車両20aから送信された信号を受信したことをトリガとして、停止信号Ss2を給電装置50に対して送信してもよい。この場合、電子キー10のキー制御部11が、自車両20aから送信された信号であるか否かを判定する判定部に相当する。例えば、給電装置50から発生したノイズの伝播が障害物等に妨げられ、車両コード照合等が偶発的に成立することがある。この態様では、電子キー10が、自車両20aを中心とする信号送信範囲外にあるときには、停止信号Ss2が送信されない。このため、自車両20aに近い範囲でのみ停止信号Ss2が送信されるので、給電の停止が不要な場面での停止信号Ss2の送信を抑制することができる。
【0085】
・第1の実施形態では、赤外線信号の停止信号Ss1を送信したが、UHF帯の停止信号Ss1を送信してもよく、超音波を含む音波信号の停止信号Ss1を送信してもよい。また、第2の実施形態では、UHF帯の停止信号Ss2を送信したが、赤外線信号の停止信号Ss2を送信してもよく、超音波を含む音波信号の停止信号Ss2を送信してもよい。即ち、停止信号Ss1,Ss2は、給電装置50から発生するノイズと干渉しない周波数帯の信号であればよい。
【0086】
・電子キー10又は車両20は、スマート照合又はイモビライザー照合が成立したとき、給電再開信号を給電装置50に送信してもよい。
・上記各実施形態では、スマート照合又はイモビライザー照合が開始される前に、停止信号Ss1,Ss2を送信したが、スマート照合又はイモビライザー照合が実行されている間に、停止信号Ss1,Ss2を送信してもよい。照合中に停止信号Ss1,Ss2を送信する場合としては、例えば、車両コード照合、チャレンジレスポンス認証及び電子キー照合が途中まで成立しているとき、又は照合のリトライ中であるとき等に、給電装置50により給電が開始された場合が想定される。このような場合でも、停止信号Ss1,Ss2を送信することにより、その給電を一時的に停止させることができる。
【0087】
・上記各実施形態では、車両側キーシステム21を搭載した車両20を、ハイブリッド車両に例示したが、車両20は、二次電池及びモータを備える電気自動車等であってもよい。
【符号の説明】
【0088】
10…電子キー、11…キー制御部、11a…メモリ、12…受信アンテナ、13…送信アンテナ、14…通信アンテナ、15…LF受信部、16…RSSI回路、17…UHF送信部、19…キー操作検出部、19a…キー操作部、20…車両、20a…自車両、20b…他車両、21…車両側キーシステム、22…照合ECU、22a…メモリ、23…赤外線送信部、25…エンジン、26…車外送信機、27…車内送信機、28…車両受信機、30…スタートスイッチ、31…操作検出部、32…通信アンテナ、35…車載装置としてのボディECU、36…ハイブリッドECU、37…車載装置としてのドアロック機構、38…ドアボタン、40…受電部、41…バッテリECU、42…二次電池、43…モータ、50,50a,50b…給電装置、51…給電制御部、52…送電部、53…赤外線受信部、54…通信部、55…スタンド、56…通信ケーブル、60…停止指令送信機、61…受信機、101…他車両。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10