(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
共押出フィードブロックであって、該共押出フィードブロックは、ハウジングと、中央導管と、共押出導管と、楔形流れ調整具と、複数のアクチュエーターとを有し、前記共押出導管は、間隙高さと、幅と、長さとを有し、前記楔形流れ調整具は、前記共押出導管の前記幅に沿って並んで位置付けられる複数の調整セグメントを備え、該調整セグメントのそれぞれは独立して回転可能であり、前記アクチュエーターは、前記楔形流れ調整具のそれぞれの前記調整セグメントに動作可能に接続され、各アクチュエーターは第1の形態と第2の形態との間で可動であり、前記第1の形態では、前記アクチュエーターが、前記楔形流れ調整具の前記それぞれの調整セグメントと係合をして該調整セグメントの回転を制限することを伴い、前記第2の形態では、前記アクチュエーターと前記それぞれの調整セグメントとの前記係合が解除され、前記楔形流れ調整具の前記それぞれの調整セグメントが前記中央導管及び前記共押出導管を通って流れる押出物の質量流量変動に応じて回転することを可能にするようになっていることを伴う、共押出フィードブロック。
前記楔形流れ調整具の前記各調整セグメントは、前記それぞれのアクチュエーターが前記第1の形態にある場合よりも前記第2の形態にある場合の方が、より自由に回転する、請求項1に記載の共押出フィードブロック。
前記第1の形態は、前記アクチュエーターが、前記楔形流れ調整具の前記それぞれの調整セグメントに係合して、該調整セグメントの第1の方向への回転を、該第1の方向とは反対の第2の方向への回転を制限せずに制限することを伴い、前記第1の方向への回転は、前記共押出導管の前記間隙高さを広げることを伴い、前記第2の方向への回転は、前記共押出導管の前記間隙高さを狭めることを伴う、請求項1に記載の共押出フィードブロック。
前記各アクチュエーターを軸方向に動かし、前記共押出導管の前記間隙高さを狭めるように前記楔形流れ調整具の前記それぞれの調整セグメントを回転させることができる、請求項1に記載の共押出フィードブロック。
前記楔形流れ調整具の前記各調整セグメントはカム面を有し、前記各アクチュエーターは、前記楔形流れ調整具の前記それぞれの調整セグメントの前記カム面に当接し、前記共押出導管の前記間隙高さを狭めるよう前記調整セグメントを回転させるように構成される、請求項1に記載の共押出フィードブロック。
前記各アクチュエーターは回転可能なコントローラー及びプッシュロッドを有し、該回転可能なコントローラー及び該プッシュロッドは、互いに動作可能に接続され、前記コントローラーが回転して前記プッシュロッドを軸方向に動かし、前記楔形流れ調整具の前記それぞれの調整セグメントにカム作用することができるようになっている、請求項1に記載の共押出フィードブロック。
前記アクチュエーターは前記共押出フィードブロックの外部からアクセス可能であり、それにより、前記共押出導管は、前記共押出フィードブロックの動作を止める必要なく、操作者が前記共押出フィードブロックの外部から前記共押出導管の前記間隙高さを定めることができる、請求項1に記載の共押出フィードブロック。
前記楔形流れ調整具の前記各調整セグメントは第1の流れ接触面及び第2の流れ接触面を有し、前記第1の流れ接触面は前記中央導管に対して露出しており、前記第2の流れ接触面は前記共押出導管に対して露出しており、前記楔形流れ調整具の前記各調整セグメントは、前記共押出導管の前記間隙高さと前記中央導管の高さとを同時に変更するように回転可能である、請求項1に記載の共押出フィードブロック。
前記ハウジングは、外壁と、該外壁から前記中央導管まで延びる取付け開口とを有し、前記共押出フィードブロックは、前記取付け開口内に取り外し可能に取り付けられる共押出輪郭付けインサートアセンブリを有し、該共押出輪郭付けインサートアセンブリは第1のブロック及び第2のブロックを備え、該第1のブロック及び該第2のブロックは、前記共押出導管が該第1のブロックと該第2のブロックとの間に延びるように前記取付け開口内に並んで位置付けられ、前記第1のブロックは前記楔形流れ調整具及び前記アクチュエーターを保持する、請求項1に記載の共押出フィードブロック。
共押出輪郭付けインサートアセンブリであって、該共押出輪郭付けインサートアセンブリは、ハウジングと、中央導管と、共押出導管とを有する共押出フィードブロックの取付け開口内に取り付けられるように構成され、該共押出輪郭付けインサートアセンブリは、楔形流れ調整具と、複数のアクチュエーターとを有し、前記楔形流れ調整具は、前記共押出導管の幅に沿って並んで位置付けられるように構成される複数の調整セグメントを有し、該調整セグメントのそれぞれは、該共押出輪郭付けインサートアセンブリが前記共押出フィードブロックの前記取付け開口に動作可能に取り付けられる場合、独立して回転可能であり、前記アクチュエーターは、前記各アクチュエーターが第1の形態と第2の形態との間で可動であるように、前記楔形流れ調整具のそれぞれの前記調整セグメントに動作可能に接続するように構成され、前記第1の形態では、前記アクチュエーターが、前記楔形流れ調整具の前記それぞれの調整セグメントと係合をして該調整セグメントの回転を制限することを伴い、前記第2の形態では、前記アクチュエーターと前記それぞれの調整セグメントとの前記係合が解除され、前記楔形流れ調整具の前記それぞれの調整セグメントが、前記中央導管及び前記共押出導管を通って流れる押出物の質量流量変動に応じて枢動することを可能にするようになっていることを伴う、共押出輪郭付けインサートアセンブリ。
前記楔形流れ調整具の前記各調整セグメントは、前記それぞれのアクチュエーターが前記第1の形態にある場合よりも前記第2の形態にある場合の方が、より自由に回転する、請求項11に記載の共押出輪郭付けインサートアセンブリ。
前記第1の形態は、前記アクチュエーターが、前記楔形流れ調整具の前記それぞれの調整セグメントに係合して、前記調整セグメントの第1の方向への回転を、該第1の方向とは反対の第2の方向への回転を制限せずに制限することを伴い、前記第1の方向への回転は、前記共押出導管の間隙高さを広げることを伴い、前記第2の方向への回転は、前記共押出導管の前記間隙高さを狭めることを伴う、請求項11に記載の共押出輪郭付けインサートアセンブリ。
前記楔形流れ調整具の前記各調整セグメントはカム面を有し、前記各アクチュエーターは、前記楔形流れ調整具の前記それぞれの調整セグメントの前記カム面に当接して、前記共押出導管の間隙高さを狭めるよう前記調整セグメントを回転させるように構成される、請求項11に記載の共押出輪郭付けインサートアセンブリ。
前記楔形流れ調整具の前記各調整セグメントは、略円柱形の基部領域及び先端を有し、前記略円柱形の基部領域はリセスを有し、前記カム面は前記リセスに対して露出しており、前記第1の流れ接触面及び前記第2の流れ接触面は、前記先端に達するまで、前記略円柱形の基部領域からの距離が増大するにつれ、互いに向かって収束する、請求項15に記載の共押出輪郭付けインサートアセンブリ。
前記アクチュエーターは前記楔形流れ調整具のそれぞれの前記調整セグメントに動作可能に接続するように構成され、前記アクチュエーターのうちの第1のアクチュエーターが軸方向に可動であり、前記楔形流れ調整具の前記調整セグメントのうちの第1の調整セグメントを押し、それにより、前記調整セグメントのうちの前記第1の調整セグメントに隣接する、前記共押出導管の間隙高さを狭めるようになっており、また、前記アクチュエーターのうちの第2のアクチュエーターが軸方向に可動であり、前記楔形流れ調整具の前記調整セグメントのうちの第2の調整セグメントを押し、それにより、前記調整セグメントのうちの前記第2の調整セグメントに隣接する、前記共押出導管の前記間隙高さを狭めるようになっている、請求項11に記載の共押出輪郭付けインサートアセンブリ。
前記各アクチュエーターは回転可能なコントローラー及びプッシュロッドを有し、該回転可能なコントローラー及び該プッシュロッドは、互いに動作可能に接続するように構成され、前記コントローラーが回転して前記プッシュロッドを軸方向に動かし、前記楔形流れ調整具の前記それぞれの調整セグメントにカム作用することができるようになっている、請求項17に記載の共押出輪郭付けインサートアセンブリ。
前記共押出輪郭付けインサートアセンブリは第1のブロック及び第2のブロックを備え、該第1のブロック及び該第2のブロックは、前記共押出導管が該第1のブロックと該第2のブロックとの間に延びるように、前記共押出フィードブロックの前記取付け開口内に並んで取り外し可能に取り付けられるように構成され、前記第1のブロックは前記楔形流れ調整具及び前記アクチュエーターを保持する、請求項11に記載の共押出輪郭付けインサートアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面は、本発明の特定の実施形態の例示であり、したがって本発明の範囲を限定しない。図面は必ずしも縮尺通りではなく、以下の詳細な記載において提供される説明と合わせて用いるように意図されている。本発明の実施形態は添付の図面に関連して以下で説明される。図面において同様の符号は同様の要素を示している。
【0010】
以下の詳細な記載は、本質的に例示であり、本発明の範囲、適用性、又は構成をいかようにも限定することを意図していない。その記載は本発明の或る特定の好ましい実施形態を実施するための実際的な例示を提供する。構造、材料、寸法、及び製造プロセスの例は、選択された要素として提供され、他の全ての要素は、本発明の技術分野における当業者には既知であるものを用いる。当業者は、示されている例の多くが種々の好適な代替形態を有することを理解するであろう。
【0011】
本発明の1つの実施形態は共押出フィードブロック500を提供する。
図1及び
図2が参照される。本実施形態では、フィードブロック500は、ハウジング550と、中央導管300と、共押出導管200と、楔形流れ調整具50と、複数のアクチュエーター110とを備える。
【0012】
図示のフィードブロック500のハウジング550は、連結された第1のブロック552及び第2のブロック554を備える。
図1及び
図2において、中央導管300は、これらの2つのブロック552、554の接合部に位置する経路に沿って延びている。したがって、2つのブロック552、554は共同で中央導管300を囲むとともに、それぞれが中央導管300に対して露出している。他の実施形態において、単一のブロックがフィードブロックの双方の半体を画定することができる。
【0013】
図1に示されているように、ハウジング550は入口301を有し、入口301には押出装置を動作可能に連結し、ポリマーの供給量を中央導管300に給送することができる。図示の実施形態では、ハウジング550は入口588も有し、入口588には更なる押出装置を動作可能に連結し、ポリマーの供給量を共押出導管200に給送することができる。入口301、588はフィードブロックの種々の異なる場所に設けることができることが理解されるべきである。さらに、フィードブロックの単一の入口を、共押出導管の双方にポリマーを供給するように代替的に設けることができる。
【0014】
中央導管300の構成は、多くの異なる用途に適するように変化することができる。
図1及び
図2では、単一の中央導管300がフィードブロック500の中間に位置し、真っ直ぐな経路に沿って延びている。しかし、これは必須ではない。例えば、中央導管はフィードブロックの中間に位置する必要はない。かわりに、中央導管はフィードブロックの頂部又は底部のより近くにあってもよい。中央導管は、湾曲していても角度が付いていてもよいが、導管における流れ抵抗を最小にすることが概して望ましい。さらに、場合によっては、中央導管によって形成されるコア層の両面ではなく片面に、1つ又は複数の共押出導管200からの層が付加される。そのような場合、1つ又は複数の共押出導管は、中央導管300の片側に設けられるが、他方の側には設けられない。
【0015】
図1及び
図2では、共押出フィードブロック500は単一の中央導管300及び2つの共押出導管200を有する。この種類のフィードブロックは、一般的に、3層の共押出構造体を製造するのに用いられる。しかし、当業者は、単層又は2層の共押出構造体をこのようなフィードブロック500によって製造することができることを理解するであろう。これは、例えば、共押出導管200の一方又は双方を使用せずに閉鎖することによって行うことができる。より一般的には、共押出導管200の数及び配置は、多くの異なる用途に適合するように変化することができる。例えば、フィードブロックは、代替的には、単一の共押出導管を有することができる。別の例として、5層の共押出構造体が所望される場合、フィードブロックは通常、4つの共押出導管を有する。この種類の多くの他の変形は、本教示を手引として与えられると当業者には容易に明らかになる。
【0016】
以下の開示は共押出導管200の種々の特徴を記載している。フィードブロック500が複数の共押出導管200を有する場合では、共押出導管200に関して以下で検討される特徴は、各共押出導管において必要に応じて存在することができる。同じことが、本明細書における、1対又は他の複数個だけ存在するか又は必要に応じて存在することができる他の構成要素及び特徴の記載に関して当てはまる。例えば、楔形流れ調整具50の以下の記載は、複数の楔形流れ調整具がある場合、そのような各流れ調整具に必要に応じて適用することができる。
【0017】
共押出導管200は、間隙高さ、幅、及び長さを有する。
図5は、参照符号225によって間隙高さを示している。共押出導管の幅は、参照符号235によって示されている。図示の実施形態では、各共押出導管200の幅235は、少なくとも共押出導管が中央導管に交わる場所において中央導管300の幅335に等しい。このことは通常好ましいが、必須ではない。
【0018】
図示のフィードブロック500は、間隙高さ225が調整可能であり、間隙幅235に沿った異なる場所において異なるよう設定することができるように構成されている。したがって、共押出導管200は幅235に沿って局所的に調整可能である。
【0019】
図1及び
図2は共押出導管200の長さの部分を示している。押出物は、投入口588(
図2を参照)を通してフィードブロック500に給送される。共押出導管200の第1のセクション220はフィードブロック500のハウジング550を通って延在し(
図2を参照)、第2のセクション240は、フィードブロックに取外し可能に取り付けられている共押出輪郭付けインサートアセンブリ10を通って延在している(
図1を参照)。各共押出導管200の第2のセクション240の下流限界は、楔形流れ調整具50と並んで延在している。したがって、流れ調整具50は共押出導管200に対して露出している。図示の実施形態では、2つの共押出導管200は、共押出輪郭付けインサートアセンブリ10内で、互いに向かってかつ中央導管300に向かって方向を変えられて収束する。しかし、各共押出導管は、所望又は既存のライン設計に応じて、フィードブロックを通る種々の経路に従うように設計することができる。
【0020】
図1では、各共押出導管200は中央導管300に開口し、各共押出導管内の押出物流が中央導管内の押出物流と合流し、それにより多層押出物流を生成するようになっている。中央導管によって送出される層はコア層と呼ばれる。共押出導管(複数の場合もある)からの1つ又は複数の層はコア層に重なる。結果として生じた多層押出物流は、中央導管300の残りの部分に沿って出口309に達するまで移動する。多層押出物流を、出口309から、押出ダイ、又は、多層化装置又は別のフィードブロック等の下流の別の工具に送達することができる。
【0021】
図3及び
図4に示されているように、楔形流れ調整具50は複数の調整セグメント51〜60を有する。調整セグメント51〜60は、共押出導管200の幅235にわたって並んで位置付けられることが好ましい。調整セグメント51〜60は独立して回転可能である。結果として、楔形流れ調整具50は、間隙高さ225が、異なる調整セグメント51〜60に隣接して異なるよう共押出導管200の輪郭を定めるように調整可能である。したがって、流れ調整具50は、自身の幅235にわたって共押出導管200の局所的な輪郭付けをもたらすように調整可能である。
【0022】
図3〜
図7及び
図9〜
図14に示されているように、楔形流れ調整具50の調整可能セグメント51〜60は、一連の分離した個別に回転可能な本体によって形成される。図示の実施形態では、これらの本体は集合的に共押出導管200の幅235にわたる。図示の流れ調整具50は10個の調整セグメント51〜60を有する。しかし、調整セグメントの数は、種々の用途の要件に適合するように変化することができる。
【0023】
図示の流れ調整具50の各調整セグメント51〜60は略楔形の形態を有する。図示の実施形態では、各調整セグメント51〜60は、円柱形の基部領域を有するプレート状の形態を有し、その基部領域から楔領域が突出している。この楔領域は、先端259に達するまで、円柱形の基部領域からの距離が増大するにつれて細くなる。先端259は、中央導管300及びそれぞれの共押出導管200からの押出物の流れが交わる場所である。このことは、
図1及び
図4を参照することによって理解することができる。
【0024】
図1、
図3〜
図12、及び
図14及び
図15に示されているように、楔形流れ調整具の各調整セグメントは第1の流れ接触面及び第2の流れ接触面を有する。第1の流れ接触面158は中央導管300に対して露出しており、第2の流れ接触面152は共押出導管200に対して露出している。結果として、各調整セグメント51〜60は、i)共押出導管200の間隙高さ225と、ii)中央導管300の高さとを同時に変更するように回転可能である。
【0025】
各調整セグメント51〜60の第2の流れ接触面152は凹面の形態を有することが好ましい。図示の実施形態では、フィードブロック500は、凸面の流れ接触面165を有する粘性ブロック100を有する。凸面の流れ接触面165は共押出導管200に対して露出しているとともに、流れ調整具50の第2の流れ接触面152に面している。粘性ブロック100は以下でより詳細に記載される。
【0026】
図8〜
図14に示されているように、流れ調整具50の調整セグメント51〜60は、それぞれのアクチュエーター110に動作可能に接続している。各アクチュエーター110は、第1の形態と第2の形態との間で可動である。
図8に示されているように、各アクチュエーター110は、第1の形態にある場合、流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60に係合して調整セグメントの回転を制限する。
図9〜
図12に示されているように、各アクチュエーター110は、第2の形態にある場合、係合解除され、流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60が、中央導管300及び共押出導管200を通って流れる押出物の質量流量変動に応じて回転することを可能にするようになっている。
【0027】
アクチュエーター100が第2の形態にある場合、流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60に許容される回転動作範囲を制限しないことが好ましい。したがって、図示の実施形態では、流れ調整具50の各調整セグメント51〜60は、それぞれのアクチュエーター110が第1の形態にある場合よりも第2の形態にある場合の方が、自由に回転する。
【0028】
図8に例示されているように、アクチュエーター110は、第1の形態にある場合、それぞれの調整セグメント51〜60を全ての回転に対しては制限しないことが好ましい。それに対して、アクチュエーター110は、第1の形態にある場合、それぞれの調整セグメント51〜60の回転を(アクチュエーターが第2の形態にある場合に比べて)より小さい回転動作範囲に制限することが好ましい。したがって、図示の実施形態では、流れ調整具50の各調整セグメント51〜60は、それぞれのアクチュエーター110が第1の形態にある場合よりも第2の形態にある場合の方が、許容される回転動作範囲が大きい。このことは、
図8(第1の形態にあるアクチュエーターを示す)と
図9〜
図12(第2の形態にあるアクチュエーターを示す)とを比べることによって最もよく理解される。
【0029】
図示の実施形態では、第1の形態は、アクチュエーター110が、流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60に係合して、調整セグメントの第1の方向への回転を、第1の方向とは反対の第2の方向への回転を制限せずに制限することを伴う。
図8に示されているように、第1の方向への回転は、共押出チャネル200の間隙高さ225を広げることを伴い、第2の方向への回転は、共押出チャネルの間隙高さを狭めることを伴う。したがって、アクチュエーター110が第1の形態にある場合、アクチュエーター110は流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60に係合し、それにより、共押出導管200の間隙高さ225を流れ調整具のその調整セグメントに隣接して広げることができる大きさの上限を確立する。
【0030】
アクチュエーター110が流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60にそのように係合する場合、アクチュエーター及び調整セグメントは常に互いに接触している必要はないことが理解されるべきである。
図8を考慮すると、アクチュエーター110が第1の形態で示されている。インサートアセンブリ10が上向きになるように再位置付けされる場合、及び、中央導管300内の流圧が、調整セグメントを僅かに時計回り方向に回転させるのに(共押出導管内の流圧に対して)十分増大される場合、アクチュエーターと調整セグメントとは接触しないままである。しかし、アクチュエーターは、調整セグメントの回転を制限していることから、ここでも調整セグメント「と係合されている」か、又は調整セグメント「に係合している」。そのように、本明細書においてこれらの用語は用いられている。
【0031】
本システムは種々の利益を提供する。例えば、流れ調整具50の1つ又は複数の調整セグメント51〜60が自由浮動モードで動作することによって、特に良好な流れ安定性を達成することができる。さらに、共押出導管200の1つ又は複数のセクションを狭めることが望ましい場合、適切なアクチュエーター(複数の場合もある)110を動かし、流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント(複数の場合もある)51〜60を回転させて、それにより共押出導管の所望のセクション(複数の場合もある)を狭めることができる。例えば、結果として生じる多層共押出構造体の輪郭が、スキン層の端部流が多量であることを示す場合、共押出導管200の外側端において間隙高さ225を狭めるように、最も外側のアクチュエーター110を動かすことができる。より一般的には、共押出導管200の間隙高さ225を流れ調整具50の1つ又は複数の調整セグメント51〜60に隣接して広げることができる大きさの上限を設定することが望ましい場合、操作者は、それに応じてそれぞれのアクチュエーター(複数の場合もある)110を単に動かすことができる。
【0032】
当業者には理解されるように、フィードブロック500は所望又は既存のライン設計に応じて様々な向きで用いることができる。
図1及び
図2では、フィードブロック500は、2つの共押出輪郭付けインサートアセンブリ10がそれぞれ下向き位置及び上向き位置で取り付けられるように向けられている。
図8〜
図10は、下向きインサートアセンブリ10を示し、
図11〜
図12は上向きインサートアセンブリ10を示している。
【0033】
図8〜
図14では、アクチュエーター110は、楔形流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60に動作可能に接続している。アクチュエーター110のうちの第1のアクチュエーターは、軸方向に動き、調整セグメントのうちの第1の調整セグメント51を押し、それにより、第1の調整セグメントに隣接する間隙高さ225を変更することができる。アクチュエーターのうちの第2のアクチュエーターは、軸方向に動き、調整セグメントのうちの第2の調整セグメント52を押し、それにより、第2の調整セグメントに隣接する間隙高さを変更することができる。この状況は、
図8〜
図14に示されている他のアクチュエーター110に関しても同じである。
【0034】
本実施形態では、流れ調整具50の各調整セグメント51〜60はカム面72を有し、各アクチュエーター110は、それぞれの調整セグメントのカム面に当接してその調整セグメントを回転させるように構成される。この回転は、回転される調整セグメントに隣接する、共押出導管200の間隙高さ225を狭めることが好ましい。このことは、
図1、
図8〜
図12、及び
図15を参照することによっておそらく最もよく理解される。図示の流れ調整具50の調整セグメント51〜60は、それぞれ、共押出導管200の幅235に対して略平行である軸の回りに回転可能である。
【0035】
図示の実施形態では、各アクチュエーター100は、回転可能なコントローラー141及びプッシュロッド159を有する。各アクチュエーター110のコントローラー141及びプッシュロッド150は、互いに動作可能に接続され、コントローラーが回転してプッシュロッドを軸方向に動かし、それにより、プッシュロッドを付勢して流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60にカム作用させる(cam)ことができるようになっている。係合しているプッシュロッドと調整セグメントとの間に結果として生じるカム作用によって、その調整セグメントは共押出導管200の間隙高さ225を狭めるように回転する。
【0036】
図4及び
図8〜
図13を参照することによっておそらく最もよく理解されるように、各コントローラー141は、対応する雌ねじ付き(interiorly threaded)ボアが受ける、止めねじ又は別の雄ねじ付き(exteriorly threaded)本体とすることができる。図示の実施形態では、各コントローラー141は、雄ねじ(図示せず)を有する大径領域143(
図4を参照)を有し、対応する雌ねじ(図示せず)が、流れブロック350を通って延びる対応するボアに設けられている。図示のプッシュロッド159は雄ねじ付きではない。そうではなく、それらのプッシュロッド159は、流れブロック350を通って延びるボア内に摺動可能に取り付けられる。したがって、図示の実施形態では、各プッシュロッド159は、流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60と、プッシュロッドと同じボアに配置されるコントローラー141との間に摺動可能に位置付けられる。
【0037】
図示のコントローラー141は共押出フィードブロック500の外部からアクセス可能である。
図1及び
図2では、コントローラー141の2つの群が、フィードブロック500の互いに反対側にある頂壁及び底壁にそれぞれ配置される。しかし、このことは必須ではない。
【0038】
図8〜
図12では、流れ調整具50の各調整セグメント51〜60は、コントローラー141を回転させ、それによりそれぞれのプッシュロッド159を軸方向に動かし、それぞれの調整セグメントにカム作用するのに応じて回転する。図示のコントローラー141は、プッシュロッド159から分離した別個の本体であるが、このことは必須ではない。例えば、各プッシュロッドの近位端がコントローラー141として代替的に機能することができる。したがって、2部品アクチュエーター110が示されているが、1部品アクチュエーターを代替的に用いることができる。例えば、各アクチュエーター110は、自身の近位端に、標準スクリュードライバーチップ又はフィリップス型スクリュードライバーチップを受ける形状の溝、六角棒スパナを受ける形状の六角穴等が形成された、単一の雄ねじ付きプッシュロッドからなることができる。
【0039】
図5、
図14、及び
図15に最もよく示されているように、図示の流れ調整具50の各調整セグメント51〜60はリセス70を有し、カム面72はリセス70に対して露出している。図示の実施形態では、リセス70は調整セグメントの略円柱形の基部領域に位置する。したがって、カム面72及び先端259は、調整セグメントの概ね互いに反対側にある。
図5及び
図14を参照すると、図示のリセス70はカム面72と細長いノッチ面76とによって共同で画定されている。図示のノッチ面76はカム面72とともに約90度の夾角を形成するが、このことは決して必須ではない。
【0040】
図示の実施形態では、フィードブロック500は、楔形流れ調整具50に面するように共押出導管200の片側に配置される粘性ブロック100を有する。粘性ブロック100は、共押出導管200に対して露出している凸面の流れ接触面165を有することが好ましい。動作中、そのような共押出導管200を通って移動する押出物は、粘性ブロック100の凸面165に接触する。図示の実施形態では、粘性ブロック100及び楔形流れ調整具50は双方が共押出導管200に対して露出している。
【0041】
粘性ブロック100の流れ接触面165は、共押出導管200の幅235にわたって継目がないことが好ましい。このことは、例えば、粘性ブロック100が、共押出導管200の幅235にわたる流れ接触面165を画定する単一の一体型本体を有する場合に達成することができる。
図3〜
図5が参照される。
【0042】
図示の実施形態では、楔形流れ調整具50及び粘性ブロック100は、フィードブロック500に取外し可能に取り付けられる共押出輪郭付けインサートアセンブリ10の構成部材である。これは
図1に示されている。図示のインサートアセンブリ10は、フィードブロック500の取付け開口570内に並んで取り付けられる2つのブロック100、350を備える。
図3、
図4、
図5、及び
図8〜
図12では、第1のブロック350は、楔形流れ調整具50とアクチュエーター110とを保持する流れブロックであり、一方、第2のブロック100は粘性ブロックである。図示の実施形態では、共押出導管200は粘性ブロック100と流れブロック350との間に延びている。
【0043】
図4及び
図13に示されているように、流れブロック350は複数のボアを有し、それらのボアは、それぞれのアクチュエーター110を、ボア内で軸方向移動するように受ける。ボアは楔形流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60まで延びており、各アクチュエーター110はボアを通って動くことができるようになっている。各アクチュエーター110が、ボア内において、流れ調整具のそれぞれの調整セグメントに接触し、カム作用するように取り付けられる。したがって、図示の流れブロック350は、i)共押出導管200のセクションを囲み、ii)楔形流れ調整具50を保持し、iii)それぞれのアクチュエーター110を受ける複数のボアを有する。
【0044】
図示のフィードブロック500は2つの共押出導管200を有するため、2つの共押出輪郭付けインサートアセンブリ10がフィードブロックに取外し可能に取り付けられる。フィードブロックは、意図する用途に応じて、より少ないか又はより多い数の共押出導管を有することができる。多くの場合において、フィードブロック500は、複数の共押出導管200、及び、フィードブロックに取外し可能に取り付けられる複数の共押出輪郭付けインサートアセンブリ10を有し、それにより、各インサートアセンブリは、共押出導管のうちのそれぞれ1つに対応するとともに、共押出導管のうちのそれぞれ1つの輪郭を調整するように動作可能である。
図1及び
図2の実施形態では、動作中、所与の共押出導管200のポリマーストリームがそれぞれの共押出輪郭付けインサートアセンブリ10を通って流れる。
【0045】
図1及び
図2を続けて参照すると、図示の2つの共押出輪郭付けインサートアセンブリ10は、フィードブロック500の互いに反対側に取外し可能に取り付けられている。図示のフィードブロック500は、ハウジング550の互いに反対側に2つの取付け開口570を有する。各取付け開口570は、ハウジング550の外壁580から中央導管300まで延びている。したがって、
図1では、2つのインサートアセンブリ10がフィードブロック500に動作可能に取り付けられている場合、2つのインサートアセンブリ10の先端領域が、中央導管300を挟んで互いに面する。各インサートアセンブリ10の先端領域は、楔形流れ調整具50を保持することが好ましく、それぞれの共押出導管200は、インサートアセンブリの流れ調整具と粘性ブロック100との間に延びるようになっている。したがって、共押出輪郭付けインサートアセンブリ10がフィードブロック500に作動的に取り付けられる場合、各流れ調整具50は中央導管300に対して露出していることが好ましい。
【0046】
図1及び
図2では、各共押出輪郭付けインサートアセンブリ10は、ボルト又は他の取外し可能な締結具によってフィードブロックに対して取外し可能に固定されるシールプレート920を介して、フィードブロック500に取外し可能に取り付けられる。これにより、各インサートアセンブリ10をフィードブロック500に繰り返し取り付け、その後フィードブロック500から取り外すのを容易にする。
【0047】
図1及び
図2は、アクチュエーター110の配置を確定する任意選択の測定装置800が設けられた共押出フィードブロック500を示している。測定装置800は
図16及び
図17により詳細に示されている。装置800は、アクチュエーター110のコントローラー141の位置に対応するばね付きピン810を有する。アクチュエーター110の配置を確定するために、測定装置800の面830はシールプレート920に対して同一平面に置かれ、ばね付きピン810がシールプレート905のそれぞれのボア905内に延びている(
図13を参照)。このとき、測定装置800の互いに反対側の面にある2つの止めねじ820を緩め、ばねがピン810をそれぞれのアクチュエーター110に突き当たるまで軸方向に動かすことが可能になる。次に、測定装置800の2つの止めねじ820を締め、ばね付きピン810を適所に固定する。次に、フィードブロック500から測定装置800を取り外すことによって、操作者は、各ピン810の突出距離を測定することによりフィードブロック内部のアクチュエーター110の配置を確定することができる。しかし、本フィードブロック500は、測定装置を有することが必須ではなく、ましてや図示のタイプの装置を有することが必須ではない。
【0048】
上述の実施形態では、本発明は、流量コントローラーの複数の回転可能な調整セグメントを独立して制御する有利なシステムを有する共押出フィードブロックを提供する。流量コントローラーの所望の制御を達成するために、図示のフィードブロックには、取外し可能な共押出輪郭付けインサートアセンブリが設けられている。別の実施形態において、本発明は、以下で記載するようにインサートアセンブリ自体を提供する。本実施形態のインサートアセンブリ10は、フィードブロックの実施形態に関して上述した種類のものとすることができる。例えば、本インサートアセンブリ10は、
図1及び
図2のフィードブロック500に示されている2つのインサートアセンブリ10に関して上述した特徴のうちの任意のものを有することができる。
【0049】
したがって、本共押出輪郭付けインサートアセンブリ10は、ハウジング550と、中央導管300と、共押出導管200とを有する共押出フィードブロック500の取付け開口570内に取り付けられるように構成される。インサートアセンブリ10は、例えば、
図1及び
図2を参照して上述される種類のフィードブロック500に取外し可能に取り付けられるように構成することができる。
【0050】
インサートアセンブリ10は、楔形流れ調整具50及び複数のアクチュエーター110を有する。
図4及び
図8〜
図14が参照される。流れ調整具50は複数の調整セグメント51〜60を有し、調整セグメント51〜60は、共押出導管200の幅235に沿って並んで位置付けられるように構成される。調整セグメント51〜60のそれぞれは、インサートアセンブリ10がフィードブロック200の取付け開口570内に動作可能に取り付けられる場合、独立して回転可能である。したがって、流れ調整具50は、間隙高さ225が流れ調整具の異なる調整セグメント51〜60に隣接して異なるよう共押出導管200の輪郭を定めるように構成されている。
【0051】
本実施形態では、アクチュエーター110は、各アクチュエーターは第1の形態と第2の形態との間で可動であるように、流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60に動作可能に接続するように構成される。
図8に示されているように、各アクチュエーター110は、第1の形態にある場合、流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60に係合してその調整セグメントの回転を制限する。
図9〜
図12に示されているように、各アクチュエーター110は、第2の形態にある場合、係合解除され、流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60が、中央導管300及び共押出導管200を通って流れる押出物の質量流量変動に応じて回転することを可能にするようになっている。
【0052】
図示の実施形態では、流れ調整具50の各調整セグメント51〜60は、それぞれのアクチュエーター110が第1の形態にある場合よりも第2の形態にある場合の方が、より自由に回転する。第1の形態は、アクチュエーター110が、流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60に係合して、調整セグメントの第1の方向への回転を、第1の方向とは反対の第2の方向への回転を制限せずに制限することを伴うことが好ましい。上述のように、第1の方向への回転は、共押出チャネル200の間隙高さ225を広げることを伴い、第2の方向への回転は、共押出チャネルの間隙高さを狭めることを伴う。したがって、第1の形態は、アクチュエーター110が、流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60に係合し、それにより、共押出導管200の間隙高さ225を流れ調整具のその調整セグメントに隣接して広げることができる大きさの上限を確立することを伴う。
【0053】
図示のインサートアセンブリ10は、フィードブロック500の取付け開口570内に動作可能に取り付けられるように構成され、各アクチュエーター110を軸方向に動かし、流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60を回転させ、それにより共押出導管200の間隙高さ225を狭めることができるようになっている。したがって、アクチュエーター110は、流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60に動作可能に接続するように構成され、アクチュエーター110のうちの第1のアクチュエーターを軸方向に動かし、調整セグメントのうちの第1の調整セグメント51を押して回転させ、それにより、調整セグメントのうちの第1の調整セグメントに隣接する、共押出導管200の間隙高さ225を狭めることができるようになっており、また、アクチュエーターのうちの第2のアクチュエーターを軸方向に動かし、調整セグメントのうちの第2の調整セグメント52を押して回転させ、それにより、調整セグメントのうちの第2の調整セグメントに隣接する、共押出導管の間隙高さを狭めることができるようになっている。この状況は、
図8〜
図14に示されている他のアクチュエーター110に関しても同じである。
【0054】
図示の実施形態では、各調整セグメント51〜60は第1の流れ接触面158及び第2の流れ接触面152を有する。使用中、第1の流れ接触面158はフィードブロック500の中央導管300に対して露出しており、第2の流れ接触面152は共押出導管200に対して露出している。したがって、インサートアセンブリ10は、フィードブロック500の取付け開口550内に動作可能に取り付けられるように構成され、それにより、i)流れ調整具50の各調整セグメント51〜60の第1の流れ接触面158は中央導管300に対して露出しており、ii)流れ調整具の各調整セグメントの第2の流れ接触面152は共押出導管200に対して露出しており、iii)流れ調整具の各調整セグメントは、共押出導管の間隙高さと中央導管の高さとを同時に変更するように回転可能である。
【0055】
図5及び
図14におそらく最もよく示されているように、流れ調整具50の各調整セグメント51〜60はカム面72を有し、各アクチュエーター110は、流れ調整具のそれぞれの調整セグメントのカム面に当接して、共押出導管200の間隙高さ225を狭めるように調整セグメントを回転させるように構成される。図示の実施形態では、カム面72及び先端259は、各調整セグメント51〜60の概ね互いに反対側にあるが、このことは必須ではない。
【0056】
図示の流れ調整具50の各調整セグメント51〜60は、略円柱形の基部領域及び先端159を有する。略円柱形の基部領域はリセス70を有し、カム面72はリセス70に対して露出している。図示の実施形態では、第1の流れ接触面158及び第2の流れ接触面152は、先端259に達するまで、略円柱形の基部領域からの距離が増大するにつれ、互いに向かって収束する。しかし、流れ調整具の調整セグメントに他の形態を用いることができることが理解されるべきである。
【0057】
図示の実施形態では、各アクチュエーター110はコントローラー141及びプッシュロッド159を有する。コントローラー141及びプッシュロッド159は、互いに動作可能に接続するように構成され、コントローラーが回転してプッシュロッドを軸方向に動かし、それにより流れ調整具50のそれぞれの調整セグメント51〜60にカム作用することができるようになっている。図示のコントローラー141は、プッシュロッド159から分離した別個の本体である。コントローラー141は雄ねじ付きであるが、プッシュロッド159は雄ねじ付きではない。図示の実施形態では、コントローラー141は、流れブロック350の対応する雌ねじ付きボア内に取り付けられるように構成されており、一方、プッシュロッド159は、それらの同じボアが摺動可能に受けるように構成されている。このことは、
図8〜
図12を参照することによって理解することができる。
【0058】
2部品アクチュエーター110が図示されているが、本システムは代替的に1部品アクチュエーターを有することができる。例えば、コントローラーはプッシュロッドの近位端により代替的に形成することができ、また、プッシュロッドは、雄ねじ付きにし、それにより流れブロック350の雌ねじ付きボアと嵌合するように構成することができる。
【0059】
図示のインサートアセンブリ10は2つのブロック100、350を備え、2つのブロック100、350は、フィードブロック500の取付け開口570内に並んで取外し可能に取り付けられるように構成される。第1のブロック350は、楔形流れ調整具50及びアクチュエーター110を保持するように構成されることが好ましい流れブロックである。第2のブロック100は粘性ブロックである。所望であれば、これらの2つのブロックは、単一のブロック、又は所望の構造体を集合的に形成する3つ以上のブロックに置き換えることができる。
【0060】
図示の粘性ブロック100は凸面の流れ接触面165を有し、インサートアセンブリ10が動作可能に組み立てられると、この面165は共押出導管200に対して露出するとともに、楔形流れ調整具50の第2の流れ接触面152に面する。流れ調整具50の第2の流れ接触面152は凹面の形態を有することが好ましい。
【0061】
粘性ブロック100の流れ接触面165は、共押出導管200の幅235にわたって継目がないことが好ましい。したがって、粘性ブロック100は、共押出導管200の幅235にわたるように構成される流れ接触面165を画定する単一の一体型本体を有することが好ましい。このことは
図3〜
図5に最もよく示されている。
【0062】
流れブロック350はマニホールド385を有することが好ましい。マニホールド385は、シート状の流れを形成するように、マニホールド385に沿って移動する押出物の流れを広げる。図示の実施形態では、このマニホールド385は、略V字形の流れセクションを有する。このことは
図4及び
図6に最もよく示されている。マニホールド385は、狭い投入セクション384から広く平坦なセクション386まで延び、広く平坦なセクション386から、押出物が平坦なシート状の流れとして出る。図示の実施形態では、流れブロック350を通って延びる共押出チャネル200の部分は、導管セクション240及び後続のマニホールド385を有する。こうして、インサートアセンブリ10は、流れブロック350のマニホールド385から平坦なシート状の押出物流を送出するように構成される。使用中、結果として生じるシート状の押出物流は、その後、インサートアセンブリ10から送出され、中央導管300内の押出物と合流するようになっている。しかし、楔形流れ調整具50に向かい、楔形流れ調整具50を通過する流れ経路は、意図する用途に応じた多くの異なる構成を有することができることが理解されるべきである。
【0063】
図示のインサートアセンブリ10はシールプレート920も有し、シールプレート920は、ボルト又は他の取外し可能な締結具によってフィードブロック500に取外し可能に固定されるように構成される。
図4が参照される。
【0064】
本発明の好ましい実施形態が説明されているが、本発明の精神及び添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなくそれらの実施形態において種々の変形、改変、及び変更を行うことができることを理解するべきである。