(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
【0010】
図1は、シートベルト装置100の一例を模式的に示す構成図である。シートベルト装置100は、自動車等の車両13に搭載されるシステムである。シートベルト装置100は、例えば、シートベルト2と、シートベルト巻き取り装置16と、ショルダーアンカー3と、タング4と、バックル5とを備える。シートベルト巻き取り装置16は、リトラクタ6と、制御装置1とを備える。車両13には、開閉可能なドア12が設けられている。ドア12は、例えば、使用者9が車両13の乗り降りに使用する乗降ドアである。
【0011】
シートベルト2は、車両13のシート11に座る使用者9を拘束する帯状部材の一例であり、リトラクタ6から引き出し可能にリトラクタ6に巻き取られる。シートベルト2の一方の端部は、リトラクタ6に接続され、シートベルト2のもう一方の端部は、車体、プリテンショナ装置又はシート11などに固定される。シートベルトは、ウェビングとも称される。
【0012】
リトラクタ6は、シートベルト2の巻き取り又は引き出しを可能にする巻き取り装置の一例であり、例えば、シート11の近傍の車体に固定される。リトラクタ6は、例えば、所定値以上の減速度が車両13に加わる又は加わる可能性がある緊急時に、シートベルト2がリトラクタ6から引き出されることを制限する。リトラクタ6は、例えば、所定値以上の減速度が車両13に加わる又は加わる可能性がある時に、シートベルト2の巻き取り動作を行うことにより、シートベルト2の弛みの除去や使用者9の姿勢の保持を行ってもよい。
【0013】
所定値以上の減速度が車両13に加わる緊急時の具体例として、自動又は運転者のブレーキ操作で車両13を所定値以上の減速度で減速させる急ブレーキが作動する時、運転者のブレーキ操作が無くても車両13を所定値以上の減速度で自動で減速させる自動ブレーキが作動する時などが挙げられる。所定値以上の減速度が車両13に加わる可能性がある緊急時の具体例として、車両13が衝突する可能性があると判定される時などが挙げられる。
【0014】
リトラクタ6は、例えば、ベルトリール8と、シートベルト2をベルトリール8によって巻き取るモータ7とを備える。モータ7は、例えば、ベルトリール8を巻き取り方向に正回転させることによって、シートベルト2をリトラクタ6のベルトリール8に巻き取りでき、ベルトリール8を巻き取り方向とは逆方向に回転(逆回転)させることによって、ベルトリール8とモータ7との接続を解除できる。
【0015】
リトラクタ6は、モータ7がシートベルト2の巻き取り量を調整することによって、例えば、シートベルト2の弛みを適切に低減できる。また、リトラクタ6は、モータ7がシートベルト2を巻き取ることによって、例えば、シートベルト2を自動でリトラクタ6に収納したり、使用者9がシートベルト2を持ってリトラクタ6に手動で収納する動作をアシストしたりできる。
【0016】
ショルダーアンカー3は、リトラクタ6から引き出されたシートベルト2を乗員の肩部の方へガイドするガイド部材である。
【0017】
タング4は、ショルダーアンカー3によりガイドされたシートベルト2にスライド可能に取り付けられる部材である。
【0018】
バックル5は、タング4が着脱可能に係合される部材の一例であり、例えば、車体の床又はシート11に固定される。
【0019】
シートベルト2が乗員に装着されていない非装着時では、タング4はバックル5に係合されず、シートベルト2はその全量(具体的には、リトラクタ6がシートベルト2を何らの支障もなく巻取り可能な量)をリトラクタ6に巻き取られている。一方、シートベルト2が乗員に装着される装着時では、
図1に示されるようにシートベルト2はリトラクタ6から引き出される。そして、タング4がバックル5に係合され、且つ、シートベルト2の弛みが小さくなるようにシートベルト2がリトラクタ6に巻き取られることで、シートベルト2が乗員に装着される。
【0020】
タング4がバックル5に係合されシートベルト2が乗員に装着された状態において、所定値以上の減速度が車両13に加わらない通常時は、シートベルト2は通常の引き出し速度で自由に引き出し可能である。そして、シートベルト2の引き出し方向の引っ張り力が解放されると、シートベルト2は余分な引き出し量をリトラクタ6に巻き取られる。
【0021】
タング4がバックル5に係合されシートベルト2が乗員に装着された状態において、所定値以上の減速度が車両13に加わる又は加わる可能性がある緊急時は、リトラクタ6は、シートベルト2がリトラクタ6から引き出されることを制限するようにシートベルト2をロック又は巻き取ることによって、シートベルト2の乗員に対する拘束力を強化する。
【0022】
制御装置1は、例えば、リトラクタ6のモータ7を駆動するモータ電流をモータ7に流すことによって、リトラクタ6のモータ7によるシートベルト2の巻き取り動作を制御するコンピュータ装置である。制御装置1の具体例として、シートベルト制御用の電子制御ユニット(いわゆる、ECU)などが挙げられる。
【0023】
制御装置1は、信号線10を介して、車両13に搭載される他のコンピュータ装置とセンサとスイッチの少なくともいずれかから、車両13の状態を表す信号を取得する制御回路15を有する。信号線10の具体例として、ハイレベル又はローレベルの信号が伝達するワイヤーハーネス、CAN等の所定の通信規格でデータが伝達する通信線などが挙げられる。制御回路15の具体例として、CPU(中央演算処理装置)を備えるマイクロコンピュータなどが挙げられる。車両13の状態を表す信号の具体例として、車両13の速度状態を示す車速信号、車両13の急ブレーキ又は自動ブレーキの作動開始を示すブレーキ作動信号、車両13が衝突する可能性があることを示す衝突予知信号などが挙げられる。
【0024】
車両13の急ブレーキ又は自動ブレーキの作動開始を示すブレーキ作動信号は、例えば、車両13のブレーキを制御するブレーキ制御装置から出力される。車両13が衝突する可能性があることを示す衝突予知信号は、例えば、車両13の衝突を予測する衝突予測装置から出力される。車両13のブレーキを制御するブレーキ制御装置は、例えば、衝突予知信号が検知された場合に車両13の自動ブレーキを作動させ、車両13の自動ブレーキの作動開始を示すブレーキ作動信号を生成して出力してもよい。
【0025】
制御装置1は、モータ7を駆動するモータ電流(以下、「モータ電流I」と称する)をモータ7に流す駆動回路14を有する。駆動回路14は、制御回路15から供給される駆動信号(例えば、パルス幅変調の駆動信号)に従って、モータ電流Iの電流方向と大きさを調整する。駆動回路14の具体例として、4つのスイッチング素子を有するHブリッジ回路などが挙げられる。
【0026】
制御装置1の駆動回路14は、例えば、シートベルト2がモータ7の駆動により巻き取られるように、シートベルト2をリトラクタ6のベルトリール8により巻き取る力を発生させる巻き取り電流方向(以下、「巻き取り方向D1」)にモータ電流Iを流す。一方、制御装置1の駆動回路14は、例えば、ベルトリール8とモータ7との接続が解除されるように、巻き取り方向D1とは逆向きの電流方向(以下、「逆方向D2」にモータ電流Iを流す。
【0027】
制御装置1の制御回路15は、例えば、車両13の急ブレーキ又は自動ブレーキの作動開始を示すブレーキ作動信号が検知された場合、巻き取り方向D1のモータ電流Iが流れ始めるように制御装置1の駆動回路14を動作させる。制御装置1の制御回路15は、例えば、車両13が衝突する可能性があることを示す衝突予知信号が検知された場合、巻き取り方向D1のモータ電流Iが流れ始めるように制御装置1の駆動回路14を動作させてもよい。このように、制御装置1の駆動回路14は、例えば、急ブレーキ又は自動ブレーキの作動開始を示すブレーキ作動信号と衝突可能性があることを示す衝突予知信号の少なくともいずれかが検知された場合、巻き取り方向D1のモータ電流Iを流し始める。
【0028】
図2は、モータ電流Iの電流値が変化する態様の一例を示す波形図である。
図2は、巻き取り方向D1に流れるモータ電流Iの電流値を正の値で表し、逆方向D2に流れるモータ電流Iの電流値を負の値で表し、モータ電流Iが巻き取り方向D1にも逆方向D2にも流れていないことを0で表す。
【0029】
巻き取り電流i1は、シートベルト2の巻き取りに必要な第1の電流値のモータ電流Iを表し、第1の保持電流i2は、シートベルト2の張力の保持に必要な第2の電流値のモータ電流Iを表し、第2の保持電流i3は、シートベルト2の張力の保持に必要な第3の電流値のモータ電流Iを表す。第3の電流値は、第2の電流値よりも低く、第2の電流値は第1の電流値よりも低い。巻き取り電流i1,第1の保持電流i2及び第2の保持電流i3は、巻き取り方向D1に流れるモータ電流Iである。第1の保持電流i2は、一定の第2の電流値を有する定電流である。解除電流i4は、モータ7によるシートベルト2の張力をリトラクタ6のクラッチにより解除するのに必要な第4の電流値のモータ電流Iを表す。解除電流i4は、逆方向D2に流れるモータ電流Iを表す。後述の波形図も同様である。
【0030】
制御回路15は、例えば、急ブレーキ又は自動ブレーキの作動開始を示すブレーキ作動信号がタイミングt1で検知された場合、巻き取り方向D1のモータ電流Iの電流値を、シートベルト2の巻き取りに必要な第1の電流値まで駆動回路14により上昇させる。制御回路15は、例えば、車両13が衝突する可能性があることを示す衝突予知信号がタイミングt1で検知された場合、巻き取り方向D1のモータ電流Iの電流値を、シートベルト2の巻き取りに必要な第1の電流値まで駆動回路14により上昇させてもよい。第1の電流値は、一定値でも一定値でなくてもよい。駆動回路14は、第1の電流値のモータ電流I(巻き取り電流i1)を巻き取り時間T1流す。
【0031】
巻き取り時間T1は、例えば、タイミングt1からタイミングt2までの経過時間を表す。巻き取り時間T1は、予め設定された固定時間でもよいし、シートベルト2の張力が所定値以上と検知されるまでの可変時間でもよい。
【0032】
制御装置1の制御回路15は、例えば、巻き取り時間T1の経過後に、巻き取り方向D1のモータ電流Iの電流値を、シートベルト2の巻き取りに必要な第1の電流値から、シートベルト2の張力の保持に必要な第2の電流値まで駆動回路14により低下させる。つまり、制御回路15は、モータ電流Iを巻き取り電流i1から第1の保持電流i2に駆動回路14により遷移させる。
【0033】
制御装置1の制御回路15は、例えば、モータ電流Iが巻き取り方向D1に流れている通電時間(以下、「通電時間Tc」と称する)をカウントするカウンタを有する。通電時間Tcは、例えば、モータ電流Iが巻き取り方向D1に流れ始めるタイミングt1からの経過時間である。これにより、制御回路15は、モータ電流Iが巻き取り方向D1に流れ始めてからの通電時間Tcを正確にカウントできる。
【0034】
制御回路15は、例えば、車両13の急ブレーキ又は自動ブレーキの作動開始を示すブレーキ作動信号に基づいて、車両13の急ブレーキ又は自動ブレーキの作動開始が検知された場合、通電時間Tcのカウントを開始してもよい。これにより、制御回路15は、巻き取り方向D1のモータ電流Iが急ブレーキ又は自動ブレーキの作動開始により流れ始めてからの通電時間Tcを正確にカウントできる。
【0035】
制御回路15は、例えば、車両13が衝突する可能性があることを示す衝突予知信号に基づいて、車両13が衝突する可能性があることが検知された場合、通電時間Tcのカウントを開始してもよい。車両13の急ブレーキ又は自動ブレーキの作動が衝突予知信号の発生によって開始する実施形態がある。この実施形態の場合、制御回路15は、衝突予知信号に基づいて通電時間Tcのカウントを開始しても、巻き取り方向D1のモータ電流Iが流れ始めてからの通電時間Tcを正確にカウントできる。
【0036】
制御回路15は、巻き取り時間T1が経過してから通電時間Tcが設定時間T2に達する前に車両13の急ブレーキ又は自動ブレーキの作動終了が検知された場合、モータ電流Iを巻き取り方向D1の第1の保持電流i2から逆方向D2の解除電流i4に速やかに遷移させ、解除電流i4を解除時間T4だけ流す。これにより、急ブレーキ又は自動ブレーキの作動終了後に、使用者9はシートベルト2を容易にリトラクタ6から引き出し可能となる。
【0037】
一方、制御回路15は、巻き取り時間T1が経過してから通電時間Tcが設定時間T2に達しても車両13の急ブレーキ又は自動ブレーキの作動終了が検知されない場合、巻き取り方向D1のモータ電流Iの電流値を第2の電流値から更に低下させる。つまり、制御回路15は、モータ電流Iを解除電流i4に遷移させる前に、モータ電流Iを第1の保持電流i2から第2の保持電流i3にタイミングt3で駆動回路14により遷移させる。
【0038】
制御回路15は、通電時間Tcが設定時間T2に達する場合、車両13に急ブレーキ等により実際に生ずる減速度が、車両13のスリップ等によって、車両13に急ブレーキ等により本来生ずるはずの減速度よりも低い状況が発生していると推定できる。したがって、制御回路15は、例えば車両13がスリップ等をしていても、巻き取り方向D1のモータ電流Iの電流値が第2の電流値から低下するので、第2の電流値のモータ電流Iが流れ続ける場合に比べて、モータ7や駆動回路14の発熱を抑制できる。また、制御回路15は、車両13の減速度を検出するセンサを用いなくても、通電時間Tcが設定時間T2に達する場合、巻き取り方向D1のモータ電流Iの電流値を第2の電流値から更に低下させることができるので、モータ7や駆動回路14の発熱を抑制できる。
【0039】
制御装置1の制御回路15は、例えば、モータ電流Iが巻き取り方向D1に流れ始める時の車速に応じて、設定時間T2の長さを調整してもよい。急ブレーキ又は自動ブレーキが作動し始める時の車速に応じて、急ブレーキ又は自動ブレーキの作動開始から急ブレーキ又は自動ブレーキの作動終了まで(車両13の停止まで)の制動時間Tbは変化する。また、モータ電流Iが巻き取り方向D1に流れ始めるタイミングと急ブレーキ又は自動ブレーキが作動し始めるタイミングとはほぼ同じである(タイミングt1)。したがって、設定時間T2の長さがモータ電流Iが巻き取り方向D1に流れ始める時の車速に応じて調整されることにより、設定時間T2を適切な値に調整することができる。
【0040】
例えば、制御回路15は、モータ電流Iが巻き取り方向D1に流れ始める時(急ブレーキ又は自動ブレーキが作動し始める時)の車速に応じて理論的に算出される制動時間Tbの理論値(設計値)を、設定時間T2に設定する。これにより、制御回路15は、車両13に急ブレーキ等により実際に生ずる減速度が、車両13のスリップ等によって、車両13に急ブレーキ等により本来生ずるはずの減速度よりも低い状況が発生しているか否かを正確に推定できる。
【0041】
なお、制御装置1の制御回路15は、車両が衝突する可能性があることを示す衝突予知信号が検知された時の車速に応じて、設定時間T2の長さを調整してもよい。
【0042】
制御装置1の制御回路15は、例えば、通電時間Tcが第2の設定時間T3に達するまで、巻き取り方向D1のモータ電流Iを駆動回路14により流し続ける。第2の設定時間T3は、第1の設定時間T2よりも長い。これにより、シートベルト2の張力が比較的維持され、シートベルト2が乗員の慣性により引き出されることを防止できる。制御装置1の制御回路15は、設定時間T2と同様に、例えば、モータ電流Iが巻き取り方向D1に流れ始める時の車速に応じて、第2の設定時間T3の長さを調整してもよい。
【0043】
制御装置1の制御回路15は、例えば、通電時間Tcが第2の設定時間T3に達するまで、巻き取り方向D1のモータ電流Iの電流値を駆動回路14により第2の電流値以下に維持する。これにより、巻き取り方向D1のモータ電流Iが第2の電流値を超えることが防止されるので、シートベルト2の張力が急激に変動することが防止され、使用者9の違和感を減らすことができる。
【0044】
制御装置1の制御回路15は、例えば、通電時間Tcが第2の設定時間T3に達する場合、解除電流i4を解除時間T4だけ流す。これにより、急ブレーキ又は自動ブレーキの作動終了後に、使用者9はシートベルト2を容易にリトラクタ6から引き出し可能となる。
【0045】
制御装置1の制御回路15は、例えば、車両13のブレーキの作動終了が検知されるまで、第2の保持電流i3を駆動回路14により流し続けてもよい。これにより、シートベルト2の張力が比較的維持され、シートベルト2が乗員の慣性により引き出されることを防止できる。
【0046】
制御装置1の制御回路15は、例えば、車両13のブレーキの作動終了が検知されるまで、巻き取り方向D1のモータ電流Iの電流値を駆動回路14により第2の電流値以下に維持してもよい。これにより、巻き取り方向D1のモータ電流Iが第2の電流値を超えることが防止されるので、シートベルト2の張力が急激に変動することが防止され、使用者9の違和感を減らすことができる。
【0047】
制御装置1の制御回路15は、例えば、車両13のブレーキの作動終了が検知される場合、解除電流i4を解除時間T4だけ流す。これにより、急ブレーキ又は自動ブレーキの作動終了後に、使用者9はシートベルト2を容易にリトラクタ6から引き出し可能となる。
【0048】
図3は、モータ電流Iの電流値が変化する態様の他の一例を示す波形図である。制御装置1の制御回路15は、巻き取り方向D1のモータ電流Iの電流値を、シートベルト2の張力の保持に必要な第2の電流値から漸減させてもよい。例えば
図3に示されるように、制御回路15は、一定の第1の保持電流i2を直線的に漸減する第2の保持電流i3に遷移させる。これにより、シートベルト2の張力の保持力を滑らかに減少させることができるため、使用者9の違和感を減らすことができる。
【0049】
図4は、モータ電流Iの電流値が変化する態様の他の一例を示す波形図である。制御装置1の制御回路15は、一定の第1の保持電流i2を曲線的に漸減する第2の保持電流i3に遷移させてもよい。
図4では、制御回路15は、第2の保持電流i31又は第2の保持電流i32を曲線的に漸減させる。制御回路15は、一定の第1の保持電流i2を第2の保持電流i31又は第2の保持電流i32に遷移させる。これにより、シートベルト2の張力の保持力を滑らかに減少させることができるため、使用者9の違和感を減らすことができる。
【0050】
図5は、モータ電流Iの電流値が変化する態様の他の一例を示す波形図である。制御装置1の制御回路15は、一定の第1の保持電流i2を階段状に漸減する第2の保持電流i3に遷移させてもよい。
図5では、制御回路15は、第2の保持電流i3を階段状に漸減させる。制御回路15は、一定の第1の保持電流i2を階段状に漸減する第2の保持電流i3に遷移させる。これにより、シートベルト2の張力の保持力を滑らかに減少させることができるため、使用者9の違和感を減らすことができる。
【0051】
なお、各波形図において、タイミングt4でのモータ電流Iの電流値は、非負である。
【0052】
以上、シートベルト巻き取り装置及びシートベルト装置を実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。