特許第6453670号(P6453670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6453670耐火二層管継手における外被層破損防止装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6453670
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】耐火二層管継手における外被層破損防止装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 41/02 20060101AFI20190107BHJP
   F16L 9/14 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
   F16L41/02
   F16L9/14
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-39173(P2015-39173)
(22)【出願日】2015年2月27日
(65)【公開番号】特開2016-161021(P2016-161021A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2018年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】595025224
【氏名又は名称】フネンアクロス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】荻野 厚
(72)【発明者】
【氏名】大木田 貞治
【審査官】 柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−340237(JP,A)
【文献】 特開2014−136362(JP,A)
【文献】 特開2010−91103(JP,A)
【文献】 特開2004−197926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 41/02
F16L 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製の継手内管の外面に射出成型により形成したモルタルの外被層を有する耐火二層管継手において、該外被層のウエルドラインにほぼ沿った位置に板状のセパレーターを衝立状に埋設してその位置の該外被層を分離状態としたことを特徴とする耐火二層管継手における外被層破損防止装置。
【請求項2】
前記板状のセパレーターを、火炎により燃焼することのない或いは火炎により燃焼しにくい材料からなる板状のセパレーターで構成したことを特徴とする請求項1に記載の耐火二層管継手における外被層破損防止装置。
【請求項3】
前記板状のセパレーターを、熱膨張性を有する耐火性の板状のセパレーターで構成したことを特徴とする請求項1に記載の耐火二層管継手における外被層破損防止装置。
【請求項4】
前記モルタルの外被層の成形直後に上記板状のセパレーターを外被層のウエルドラインにほぼ沿った位置に衝立状に押し込んで埋設したことを特徴とする請求項1に記載の耐火二層管継手における外被層破損防止装置。
【請求項5】
前記ウエルドラインの発生予定箇所に対応した上記継手内管の外周面の位置に前記板状のセパレーターを予め衝立状に固定したのち外被層を成形することにより埋設したことを特徴とする請求項1〜3に記載の耐火二層管継手における外被層破損防止装置。
【請求項6】
前記衝立状に押し込んで埋設される板状のセパレーターの下端部を楔形に形成したことを特徴とする請求項4に記載の耐火二層管継手における外被層破損防止装置。
【請求項7】
前記板状のセパレーターの断面形状をT字形に形成したことを特徴とする請求項1に記載の耐火二層管継手における外被層破損防止装置。
【請求項8】
前記板状のセパレーターの板面に穴又は突起から成る上記外被層との係合手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の耐火二層管継手における外被層破損防止装置。
【請求項9】
前記熱膨張性を有するセパレーターを、無機質繊維の積層体内に熱膨張性黒鉛を分散した構成の板状体で構成したことを特徴とする請求項3に記載の耐火二層管継手における外被層破損防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製の継手内管の外面をモルタルで被覆した構成を有する耐火二層管継手における外被層破損防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
耐火二層管継手は、軽量で耐火性があるという特徴があり、その外面を被覆するモルタルの外被層は、合成樹脂製の継手内管を金型に納めて射出成型により製作するのが一般的である。その成型状態を図1及び図2に基づき具体的に説明すると、先ず成形金型aの内部に塩化ビニル等の合成樹脂製の継手内管bを収容し、金型aと継手内管bとの隙間cに注入口dから繊維混入モルタルeを圧入する。そしてモルタルeが隙間c内に充満すると、金型aを分離してモルタルの外被層fが形成された継手内管bを取り出し、外被層fを養生硬化させると、図3に示すような外被層fを有する耐火二層管継手gが得られる。
【0003】
モルタルの注入口dは、モルタルが継手内管bの全周に短時間で届く位置に設けられ、この例では、モルタルeは注入口dから継手内管bの周面を図2の矢印のように二手に分かれて進出し、注入口dと反対側の位置で流れの先端が互いに合流して融着する。この合流位置では、ウエルドラインhと呼ばれる細い線が発生し、この部分の外被層fはモルタルが突合せにより融着しておりモルタルに混入した補強繊維が入り混じっていないため他の部分よりも引張強度が小さくなる。この耐火二層管継手gは、塩ビ製の継手内管bとモルタル製の外被層fとの熱膨張率の差が大きく相違しており、継手内管bに気温の大幅な上昇などが原因で熱膨張が生じると、その膨張力でウエルドラインh付近の強度の弱い部分の外被層fがひび割れ破損することがあった。そして外被層fの破損部分から継手内管bが外部に露出してしまうと、火災の際には継手内管bが焼損するおそれがありこれは防災上好ましくない。符号iは枝管接続部である。
【0004】
従来より、このような熱膨張による外被層fの破損を防止する手段として、例えば、外被層fの成形直後にウエルドラインhを跨いで一本のステープラー針を打ち込み、ステープラー針の張力で外被層fのウエルドラインhにおける割れを防ぐ方法や、継手内管bの要所に紙片を巻き付け、これを金型に納めて外被層fを形成することで継手内管bと外被層fとの間に紙片の厚さ分の隙間を設けるようにし、継手内管bの熱膨張をこの隙間において吸収する方法(特許文献1参照)も提案されており、更に、ウエルドラインhの発生が予測される箇所と対応した継手内管bの周面部分に、突起を有するシートを粘着テープで貼り付けておき、周面に形成される外被層fと該突起とを結合状態で固化させることで熱膨張によるウエルドラインhにおける割れを防止する方法(特許文献2参照)も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−197926号公報
【特許文献1】特開2002−340237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記したステープラー針による外被層の破損防止手段では、外被層の強度を弱めるからステープラー針を多数本設けることはできず、十分な破損防止を行なえない不都合があり、ステープラー針は外被層表面の美観を損なうので、針を隠すようにコテでモルタルを重ねる修正を行なっていた。また、紙片による隙間を設けたり、突起を有するシートを貼り付ける形式のものでは、紙片を巻き付けたのちさらに紙片を継手内管に粘着テープで固定する作業を伴うので作業時間が掛かる不都合があり、突起を有するシートを用いた場合はシートを継手内管に貼り付けする作業に時間が掛かるだけでなく、シートが金型内でモルタルの流通を妨げるため外被層の成形時間が掛かる欠点があった。さらに耐火二層管継手は床下やダクトスペースなどの人目につかない場所に配設されることが多く、前記のような破損防止手段が施されているにもかかわらず耐火二層管継手の配管後に熱膨張により外被層が破損した場合にはその破損の発見が困難であった。
本発明は、こうした不都合や欠点を解消し比較的簡単に設置可能で且つ耐火性の良好な外被層のウエルドラインにおける破損防止手段を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、合成樹脂製の継手内管の外面に射出成型により形成したモルタルの外被層を有する耐火二層管継手において、該外被層のウエルドラインにほぼ沿った位置に板状のセパレーターを衝立状に埋設してその位置の該外被層を分離状態とすることにより、上記目的を達成するようにした。
該板状のセパレーターを、火炎により燃焼することのない或いは火炎により燃焼しにくい材料からなる板状のセパレーターで構成し、或いは、熱膨張性を有する耐火性の板状のセパレーターで構成することができる。
また、モルタルの外被層の成形直後に上記板状のセパレーターを外被層のウエルドラインにほぼ沿った位置に衝立状に押し込んで埋設し、或いは、ウエルドラインの発生予定箇所に対応した上記継手内管の外周面の位置に前記板状のセパレーターを予め衝立状に固定したのち外被層を成形することにより埋設することも可能である。
前記衝立状に押し込んで埋設される板状のセパレーターの下端部を楔形に形成しておくと、成形直後の柔らかい外被層に押し込んで埋設することが容易になり、板状のセパレーターの断面形状をT字形に形成しておくと、セパレーターと外被層の間に隙間が生じてもそのT字形の頂部で隙間が覆われているから、火災の際には火炎が隙間へ侵入することを防止でき、該板状のセパレーターに、穴又は突起から成る該外被層との係合手段を設けておくと、セパレーターが外被層から抜け落ちることがなくなる。
熱膨張性を有するセパレーターに無機質繊維の積層体内に熱膨張性黒鉛を分散した構成の板状体を使用してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の外被層破損防止装置は、耐火二層管継手の外被層のウエルドラインにほぼ沿った位置に板状のセパレーターを衝立状に埋設して該外被層を分離状態とするもので、耐火二層管継手の内管が熱膨張等により拡径したとき外被層が該セパレーターにより分離されて非連続状態になっているため外被層には引張応力が生じることがなく、ウエルドラインに沿って新たな亀裂等の破損が発生することを防止できる。また、外被層を分離した部分には不燃材、難燃材或いは熱膨張材などから成る板状のセパレーターが埋設されているから、火災の際にはこのセパレーターが火炎を遮って火炎が継手内管に及ぶことを防ぎ、その結果継手の耐火性が維持される。
【0009】
該外被層は射出成型により継手内管の周面を覆った状態で形成されるが、セパレーターを外被層の成形直後の柔らかい状態の時に、ウエルドラインにほぼ沿った位置に衝立状に押し込むことで簡単に埋設できる。また、ウエルドラインの発生箇所は予測可能であるから、その発生予定箇所と対応した継手内管の外周面の位置に該セパレーターを接着剤により衝立状に継手内管の外周面に固定したのち金型に継手内管を収容して射出成型すると、ウエルドラインに相当する箇所にセパレーターが埋設された外被層を形成でき、このセパレーターの接着作業は数秒で終えることができるから作業性が良い。
【0010】
該セパレーターを外被層の成形直後に衝立状に埋設する場合、セパレーターの下端縁部を楔形に形成しておくと、外被層への押し込みが容易になり、該セパレーターの断面形状をT字型に形成しておくと、外被層がその養生によりセパレーターとの間に生じる隙間をT字型の頂部により覆うことができ、火炎が隙間に入り込み難くなって継手の耐火性が向上する。該セパレーターの板面に穴や突起から成る係合手段を設けておくと、外被層との係合性の良い埋設を行なえる。また、セパレーターとして無機質繊維の積層体内に熱膨張性黒鉛を分散した構成の板状体を使用すると、外被層のモルタルとの接合性も良く、セパレーターが弾力性を有するので、セパレーターと外被層との間の隙間の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】耐火二層管継手の製作状態の1例を示す切断側面図
図2図1のA−A線部分に沿った切断平面図
図3図1の耐火二層管継手の斜視図
図4】本発明の実施例の斜視図
図5図4のB−B線に沿った切断側面図
図6図4に示した実施例において使用した熱膨張材の斜視図
図7】熱膨張材の変形例の側面図
図8図7の熱膨張材の右側面図
図9図7の熱膨張材の使用状態の切断側面図
図10】熱膨張材の他の変形例の斜視図
図11】継手内管にセパレーターを固定した実施例の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態を図面に基づき説明すると、図4及び図5において、符号1は塩化ビニル製の継手内管2の外面に従来と同様の方法で射出成型により繊維混入モルタルから成る外被層3を形成した3ポートを有する耐火二層管継手を示す。この耐火二層管継手1の外被層3を射出成型により形成すると、従来のものでは形成された外被層に図3に示したようなウエルドラインhが生じ、この部分が継手内管2に生じる熱膨張により割れてしまうという不都合があったが、本発明のものでは、外被層3に生じるウエルドラインに沿って熱膨張材から成る板状のセパレーター4を埋設して外被層3を分離しておくことで、継手内管2が熱膨張等により拡径しても、外被層3のセパレーター4で分離された部分がわずかに拡がり、拡径が原因で外被層3のウエルドライン部分が割れることがなくなる。符号8は継手内管2の各ポートの周囲に設けられた熱膨張性目地である。
【0013】
該セパレーター4には、耐火性と熱膨張性を兼備した材料、例えば熱膨張性の黒鉛と樹脂を混合して耐火性のある板状に成型したものやガラス繊維等の無機質繊維に熱膨張性の黒鉛を分散させて耐火性のある板状に成型したものなどの市販品であって、火災の熱が作用すると5〜6倍程度に体積膨張するものを使用することが好ましいが、継手の使用環境によっては自己消化性のある塩化ビニルや、耐火性のある金属板を使用してもよい。
【0014】
耐火二層管継手1が置かれた環境がその継手内管2に大きな膨張をもたらすような環境であると、これを覆う外被層3がその膨張による引張力を受けることになり従来のものではウエルドラインの付近の外被層に亀裂を生じるが、本発明のものではウエルドラインにほぼ沿った位置に設けられた熱膨張性を有するセパレーター4が外被層3を分離しているので、継手内管2の熱膨張によりその分離部分がわずかに拡がるも外被層3に新たな亀裂を生じることがない。また、セパレーター4を熱膨張材で形成すれば、耐火二層管継手1が火災の火炎を被ったときはセパレーター4が熱膨張して外被層3の分離部分を塞ぐので、火炎は継手内管2に及ぶことがなく、継手1の耐火性が維持される。
【0015】
該セパレーター4は図6図8、及び図10に示したように板状に形成されており、3ポート型の耐火二層管継手1の場合、ウエルドラインが図3に見られるように継手本体部から枝管接続部9にかけてL字状に出現するので、この部分に適合するようにL字状に形成した。継手内管2の外面に射出成型により外被層3を形成したのち、外被層3を養生すると耐火二層管継手1が得られるが、セパレーター4は、外被層3を射出成型した直後のモルタルが柔らかくウエルドラインを目視できる状態のときに外被層3にウエルドラインにほぼ沿わせてセパレーター4の端縁から外被層3の厚さ方向に押し込み、その端縁が継手内管2の外周面に到達して外被層3を分離した衝立状になるように埋設する。そして埋設後に耐火二層管継手1を養生すると、図4図9に示すように外被層3のウエルドライン部分が左右に分離され、硬化した外被層3の間にセパレーター4が介在した構成の継手1が得られる。外被層3の分離部分はセパレーター4により完全に分離されている必要はなく、薄くモルタルが残った不完全分離状態であっても良い。
【0016】
該ウエルドラインの発生予定箇所は、継手内管2の形状や、射出成形金型のモルタル注入口の位置などから推定可能であるので、図11に示したように外被層3を射出成型により形成する前に、該発生予定箇所に対応した継手内管2の外面にセパレーター4を接着剤等により衝立状に起立させて固定しておき、この状態の継手内管2を射出成形金型に納めてモルタルを注入することで外被層3を形成すると、ウエルドラインに沿って外被層3を分離した衝立状のセパレーター4が埋設できる。この場合も外被層3が硬化して収縮すると、セパレーター4との間に多少の隙間が生じることがあるが、熱膨張材製のセパレーター4を使用すると、火災の際にはセパレーター4が膨張してその隙間を閉じるので、継手1の耐火性を維持できる。なお、耐火性のレベルがあまり高くなくてもよい環境に使用される継手1の場合は、セパレーター4として、自己消化性のある塩ビ製のものや、耐火金属製のものを用いることも可能である。
【0017】
該セパレーター4を外被層3の成形直後に該外被層3へ埋め込む場合は、図7図8に示したようにセパレーター4の下端部5を楔形に形成し、更にはL字の両端部を斜めにカット6しておくと、図9に見られるようにセパレーター4の角部から押し込み、モルタルの外被層3を割って継手内管2の外周面まで下端部5を届かせ易くなり、埋設作業が簡単になる。
【0018】
前記したようにモルタルの硬化に伴い外被層3が収縮すると、セパレーター4の材質によっては外被層3との間に隙間が生じることがあるが、この隙間が外部から見えないようにするために図10に見られるようにセパレーター4をT字型の断面に形成するようにしてもよい。この場合、該隙間がT字型の頂部により覆われるので水やゴミが隙間に侵入することを防止でき、例えば侵入した水分の氷結により外被層3が破損することを防止できる。
【0019】
該セパレーター4を安定して埋設するために、セパレーター4の板面に図6に示したような穴7、突起或いはそり返し付き突起からなる係合手段を設けるようにしても良い。
【0020】
該セパレーター4は、市販の材料を利用すると安価に製作でき、例えば熱膨張性黒鉛を合成ゴムと混合した耐火性の熱膨張材やガラス繊維などの無機質繊維の積層体内に熱膨張性黒鉛を分散させた耐火性の熱膨張材を使用することが好ましい。後者の熱膨張材から成るセパレーター4を使用した場合、外被層3のモルタルとの接合性が良好でしかも弾力性があるので前記した隙間の発生が殆どなく、耐火二層管継手1の外観が良好になるが、後者のセパレーター4は比較的柔らかいので図11のように継手内管2に予め固定してから外被層3を形成することが好ましい。
【実施例】
【0021】
硬質ポリ塩化ビニル製の3ポート形の継手内管2を分解型の金型に収容し、金型に繊維混入モルタルを圧入して継手内管2の周面に外被層3を形成し、金型を分解して耐火二層管継手1を製作した。この継手1の外被層3が柔らかいうちに図10に示した形状を有する熱膨張材製のセパレーター4を目視で分かるウエルドラインに沿って押し込んだ。次いでこの継手1の外被層3を養生室で硬化させた。繊維混入モルタルの組成は、普通ポルトランドセメント35〜55%、軽量骨材35〜55%、有機質繊維2〜8%であり、熱膨張材の組成は、熱膨張性黒鉛9%、無機充填材82%、アクリル樹脂9%である。
この継手1を60℃の雰囲気において120分放置してテストしたが、外被層3に亀裂の発生は見られなかった。比較のために、上記と同一の製法でセパレーターのない継手を製作し、同様の60℃、120分放置のテストをしたが、ウエルドライン部分に亀裂が発生した。
【符号の説明】
【0022】
1 耐火二層管継手
2 継手内管
3 外被層
4 セパレーター
5 下端部
6 カット
7 穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11