特許第6453742号(P6453742)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社パラットの特許一覧

<>
  • 特許6453742-半田付け装置、および半田付け方法 図000002
  • 特許6453742-半田付け装置、および半田付け方法 図000003
  • 特許6453742-半田付け装置、および半田付け方法 図000004
  • 特許6453742-半田付け装置、および半田付け方法 図000005
  • 特許6453742-半田付け装置、および半田付け方法 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6453742
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】半田付け装置、および半田付け方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 3/00 20060101AFI20190107BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20190107BHJP
   B23K 3/06 20060101ALI20190107BHJP
   B23K 101/42 20060101ALN20190107BHJP
【FI】
   B23K3/00 310A
   H05K3/34 509
   H05K3/34 507N
   B23K3/06 G
   B23K101:42
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-219986(P2015-219986)
(22)【出願日】2015年11月9日
(65)【公開番号】特開2017-87261(P2017-87261A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年2月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397065767
【氏名又は名称】株式会社パラット
(74)【代理人】
【識別番号】100135781
【弁理士】
【氏名又は名称】西原 広徳
(72)【発明者】
【氏名】中 眞一郎
【審査官】 奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−112619(JP,A)
【文献】 国際公開第2001/014093(WO,A1)
【文献】 特開2009−195938(JP,A)
【文献】 特開2014−231095(JP,A)
【文献】 特表平11−514933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 1/00−3/08
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半田付け対象に半田付けを行う半田付け装置であって、
半田付け対象部位に当接または近接させるノズルと、
前記ノズルを加熱して前記ノズル内の半田を溶融させる加熱手段と、
前記半田付け対象に対して前記ノズルを近接離間方向へ移動させる近接離間方向移動手段と、
前記近接離間方向と交差する方向へ前記ノズルを移動させるノズル位置移動手段と、
前記半田片を収容する半田片収容部前記近接離間方向と直交する複数方向へ整列配置された半田マガジンを備え、
それぞれの前記半田片収容部に前記半田片が収容された前記半田マガジンを前記ノズルに対して前記近接離間方向と直交する複数方向へ相対移動させて前記半田マガジンに備えられた前記半田片収容部に収容されている複数の前記半田片を前記ノズル内へ順次供給することを受け付けるマガジン移動手段を備えた
半田付け装置。
【請求項2】
前記半田マガジンは、前記半田片収容部が、前記近接離間方向と直交する方向へ複数の列を形成し整列配置された構成である
請求項1記載の半田付け装置。
【請求項3】
前記半田マガジンは、前記半田片収容部が、前記近接離間方向に見て格子状に整列配置された構成である
請求項1または2記載の半田付け装置。
【請求項4】
前記半田マガジンに収容されている複数の前記半田片を前記ノズル内へ順次供給する際に糸半田を毎回切断して前記半田片を充填する機構を不要としている
請求項1、2または3記載の半田付け装置。
【請求項5】
前記半田マガジンは、
通常時に、前記半田片収容部から前記半田片が抜け出ることを防止し、かつ、前記半田片の使用時に、前記半田片収容部に収容されている前記半田片が前記抜け出る方向へ移動することを許容する半田片係止解放手段を備えた
請求項1から4のいずれか1つに記載の半田付け装置。
【請求項6】
前記半田マガジンの上方は、前記半田片収容部への上方を被覆して前記半田片の挿脱を防止するカバーを備えた
請求項5記載の半田付け装置
【請求項7】
前記半田マガジンは、前記ノズルへの半田供給方向において前記加熱手段よりも上流側へ配置され、
前記半田マガジンから前記半田片を前記ノズルへ向けて押し込む押し込みロッドを備えた
請求項1から6のいずれか1つに記載の半田付け装置。
【請求項8】
半田付け対象部位に当接または近接させるノズルと、
前記ノズルを加熱して前記ノズル内の半田片を溶融させる加熱手段と、
前記半田付け対象に対して前記ノズルを近接離間方向へ移動させる近接離間方向移動手段と、
前記近接離間方向と交差する方向へ前記ノズルを移動させるノズル位置移動手段と、
前記半田片を収容する半田片収容部が前記近接離間方向と直交する複数方向へ整列配置された半田マガジンを備え、
それぞれの前記半田片収容部に前記半田片が収容された前記半田マガジンを前記ノズルに対して前記近接離間方向と直交する複数方向へ相対移動させて前記半田マガジンに備えられた前記半田片収容部に収容されている複数の前記半田片を前記ノズル内へ順次供給することを受け付けるマガジン移動手段とを備えた半田付け装置を用いて、
前記ノズル位置移動手段と前記近接離間方向移動手段と前記マガジン移動手段を駆動制御して前記ノズルを前記半田付け対象の半田付け部位に当接または近接させた状態で、前記半田マガジンから順次供給した半田片を前記加熱手段により加熱溶融させて半田付けする半田付け処理を実行する
半田付け方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、半田付け対象に対して機械的駆動によって半田付けを実行するような半田付け装置、および半田付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント基板に電子部品を機械的に半田付けする半田付け装置が提供されている。この半田付け装置には、半田の液面にプリント基板を接触させて半田付けするフロー半田付け法や、予めパターンに合わせてクリーム半田を基板に印刷しておきクリーム半田に熱を加えて溶かすことで半田付けするリフロー半田付け法等、様々な方式が提案されている。
【0003】
ここで、出願人は、円筒形の半田ごてを用い、この半田ごて内にプリント基板のスルーホールに挿通された電子部品のピン(端子)を挿入し、内部で半田を溶かして半田付けする方式の半田付け装置を開発し、提供している(特許文献1参照)。
【0004】
この出願人の半田付け装置は、半田付け箇所に筒状のノズルで半田付けすることができ、しかも、熱伝達効率の良いヒータユニットで熱引きの大きい製品に対して短時間ではんだ付けができ、熱供給の偏りがない為不良率も低減され、且つ、導電性異物(はんだボール)も飛散しないはんだ付け装置として自動車メーカー等の顧客から大変好評を得ている。
【0005】
ここで、このような半田付け装置では、半田付け対象の形状等に合わせてノズルの位置を移動させ、適切な半田付け位置にまで移動したノズルに半田を供給し、加熱溶融し、半田付けする必要がある。このため、ノズルを移動させる機構が設けられている。
【0006】
しかし、移動するノズルと共に移動する機構として、重量のある機構部や多くの機構部が存在すると、この付加に対向できる駆動力が必要である問題や、摩耗が生じやすくなる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−120869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、上述の問題に鑑みて、ノズルと共に移動する機構を軽量化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、半田付け対象に半田付けを行う半田付け装置であって、半田付け対象部位に当接または近接させるノズルと、前記ノズルを加熱して前記ノズル内の半田を溶融させる加熱手段と、前記半田付け対象に対して前記ノズルを近接離間方向へ移動させる近接離間方向移動手段と、前記近接離間方向と交差する方向へ前記ノズルを移動させるノズル位置移動手段と、前記半田片を収容する半田片収容部前記近接離間方向と直交する複数方向へ整列配置された半田マガジンを備え、それぞれの前記半田片収容部に前記半田片が収容された前記半田マガジンを前記ノズルに対して前記近接離間方向と直交する複数方向へ相対移動させて前記半田マガジンに備えられた前記半田片収容部に収容されている複数の前記半田片を前記ノズル内へ順次供給することを受け付けるマガジン移動手段を備えた、半田付け装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明により、ノズルと共に移動する機構を軽量化する半田付け装置、および半田付け方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】半田付け装置の外観構成を示す右側面図。
図2】半田マガジンとマガジン装填部とXYZ駆動系の構造の右側面断面図。
図3】半田マガジンとマガジン装填部の構造を示す平面図。
図4】マガジン充填装置の構成を示す正面断面図。
図5】半田付け装置の制御部が実行する動作のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、半田付け装置1の外観構成を示す右側面図である。
半田付け装置1は、半田付け対象であるプリント基板9(半田付け対象)のスルーホール(半田付け対象部位)に半田付けを行うセラミック素材のノズル25(半田ごて)を有するヘッド部3と、ヘッド部3およびノズル25をフローティング状態にするエアーサスペンションユニット5と、エアーサスペンションユニット5およびノズル25を半田付け対象に近接/離間させる方向(図1の上下方向、以下「Z方向」という)に移動させる近接離間方向移動ユニット6(近接離間方向移動手段)と、近接離間方向移動ユニット6およびノズル25をプリント基板9が搬送される搬送方向(図1の奥行方向、以下「X方向」という)に移動させる搬送方向移動ユニット7と、搬送方向移動ユニット7およびノズル25を搬送方向移動ユニット7の搬送幅方向(図1の左右方向、以下「Y方向」という)に移動させる搬送幅方向移動ユニット8とを有している。搬送方向移動ユニット7および搬送幅方向移動ユニット8は、XY方向への移動を行うノズル位置移動手段として機能する。
【0014】
ヘッド部3の下部には、ノズル25を備えたノズルユニット20が設けられており、その上に半田マガジン40がセットされるマガジン装填部30が設けられている。
【0015】
マガジン装填部30は、半田マガジン40が載置されてこの半田マガジン40をXY方向(図1の前後左右方向)へ移動させる移動ステージ32(マガジン移動手段)と、移動ステージ32の上方位置で半田マガジン40の上面を半田片29が抜けださないように被覆するカバー31を備えている。カバー31は、ノズル25に対して半田マガジン40が相対移動可能な全範囲を被覆する大きさ(広さ)であり、ノズル25に向かって押し込みロッド13が突出してきたときにこの押し込みロッド13の通過を許容する貫通孔31aを備えている。カバー31と半田マガジン40との対向面間の隙間は、隙間を無しとするか、あるいは半田片29の厚み未満の隙間に設定されている。
【0016】
マガジン装填部30の上方には、ノズル25をX方向へ半田片29を押し込む押し込みロッド13と、この押し込みロッド13を半田マガジン40へ向かってX方向に突出及び後退させるロッド駆動部11が設けられている。
【0017】
搬送幅方向移動ユニット8の上面は、プリント基板9を搬送する搬送路(図示省略)の上面よりも少し高い位置に配置されている。
【0018】
図2は、半田マガジン40とマガジン装填部30とノズルユニット20の構成およびXYZ駆動系の構造を示す右側面断面図であり、図3は、半田マガジン40とマガジン装填部30の構造を示す平面図である。
【0019】
図2に示すように、半田付け装置1は、搬送幅方向移動ユニット8(図1参照)に固定されてプリント基板9(図1参照)の搬送路へ向かって真っすぐ伸びるY方向の搬送ガイド7fと、ステッピングモータ等の駆動機構部7eにより搬送ガイド7fに沿って移動する搬送ガイド7cが設けられている。この駆動機構部7eおよび搬送ガイド7fは、搬送幅方向移動ユニット8(図1参照)内に収納されている。搬送ガイド7cは、搬送路の搬送方向(X方向)へ向かって真っすぐ伸びている。
【0020】
X方向の搬送ガイド7cの上部には、搬送ガイド7cに沿ってX方向に移動する移動体7aと、この移動体7aを搬送ガイド7cに沿ってX方向へ移動させるステッピングモータ等で構成された駆動機構部7bが設けられている。この移動体7a、駆動機構部7b、および搬送ガイド7cは、搬送方向移動ユニット7(図1参照)内に収納されている。この移動体7a、駆動機構部7b、搬送ガイド7c、駆動機構部7e、および搬送ガイド7fは、作業させたい任意の位置へノズル25を移動させるノズル位置移動手段として機能する。
【0021】
移動体7aには、ノズル25がスルーホールに近接/離間する方向に伸びるZ方向の搬送ガイド5cが設けられている。この搬送ガイド5cには、Z方向に移動するヘッド固定部5a、およびステッピングモータ等で構成される駆動機構部5bが設けられている。ヘッド固定部5a、駆動機構部5b、および搬送ガイド5cは、ノズル25を半田付け対象に近接/離間させる方向へ移動させる近接離間方向移動手段として機能し、近接離間方向移動ユニット6(図1参照)内に収納されている。
【0022】
このように構成されたY方向の搬送ガイド7fとX方向の搬送ガイド7c、および駆動機構部7b,7eがノズル位置移動手段として機能することにより、ノズル25の位置を半田付けする任意の位置へ移動させることができる。また、Z方向の搬送ガイド5cおよび駆動機構部5bが近接離間方向移動手段として機能することにより、移動させた位置でノズル25を近接方向へ移動させてノズル25の孔26内に半田付けするピン(電子部品の端子など)を挿通しノズル25の先端をスルーホールに当接させ、半田付け後に離間させることができる。
【0023】
ヘッド固定部5aには、フローティングユニット5dが設けられている。このフローティングユニット5dは、エアーサスペンションユニット5(図1)内に設けられ、供給されたエアによってノズルユニット20を持ち上げ、プリント基板9に対するフローティングユニット5d(ノズル25が含まれる)の相対的な重みを軽くするものである。例えば、通常の加重を100とするとフローティングユニット5dの加重が10%となるようにするなど、適宜の構成とすることができる。
【0024】
ヘッド部3は、フローティングユニット5dに固定され、ロッド駆動部11と押し込みロッド13、マガジン装填部30、半田マガジン40、およびノズルユニット20を備えている。
【0025】
ノズルユニット20は、ノズル固定部21内の半田導入筒22と、半田導入筒22の先端側に接続されるノズル25と、半田導入筒22およびノズル25の周囲に当接する円筒形のヒータ23(加熱手段)と、ノズル25をノズル固定部21に固定するノズルホルダ24とを備えている。
【0026】
ノズル25は、半田ごてとなる円筒形のノズルであり、中央に一直線の孔25aを備えている。また、ノズル25は、半田付けを行う先端部位近傍に、孔25aと外部を接続する側孔25bを備えている。この側孔25bにより、ノズル25内で発生するヒュームを外部へ排出することができる。
【0027】
ノズル25の基部側(図示上部側)には、ノズル25の外周を包み込むと共に固定用のネジ溝24a(雌ネジ)を内面に備えたノズルホルダ24が設けられている。このノズルホルダ24は、適宜の回り止め部によってノズル25に対して相対回転しないようにノズル25に固定されている。ノズルホルダ24のネジ溝24aは、ヒータユニットとしても機能するノズル固定部21のネジ溝21a(雄ネジ)に螺合して固定される。ノズルホルダ24の内側とノズル25の外側の間には、筒状のヒータ23が挿入される円筒形の空間が設けられている。この空間は、ノズル25の基部から中央よりも少し先端側まで設けられている。
【0028】
ノズル固定部21は、円筒形のヒータ23と、ヒータ23の内側に設けられた円筒形の半田導入筒22とが固定されている。この半田導入筒22は、ヒータ23の内部に挿入されたノズル25の基部に先端が当接し、半田導入筒22内の孔22aがノズル25の孔25aと連通する。これにより、上方から供給される半田片29が、孔22aおよび孔25aを通過し、ヒータ23で加熱されたノズル25により加熱溶融される。
【0029】
半田導入筒22内の孔22aおよびノズル25の孔25aの内径は、半田マガジン40の半田片収容孔43(半田片収容部)の内径と同じかそれより大きく構成されている。これにより、供給される半田片29がひっかかることや途中で詰まることがなく、安定した半田付けを実現できる。
【0030】
なお、このノズル25は、ノズルホルダ24によってノズル固定部21に装着および離脱される着脱式に構成されているが、これに限らず固定式に構成される、あるいはヒータ23を含めたヒータユニットとまとめて着脱できる着脱式に構成されるなど、適宜の構成とすることができる。
【0031】
半田マガジン40は、図3に示すように、樹脂素材により略四角形の板状に全体が形成されており、Z方向に貫通する複数の半田片収容孔43がXY方向に等間隔で整列して配置されている。各半田片収容孔43には、所定の外径(例えばφ0.5〜1.6mm)の糸半田が所定長さ(例えば2mm〜15mm)で切断された円柱形状の半田片29が収容されている。この収容は、1つの半田片収容孔43に対して1つの半田片29が収容される形式となっている。半田片収容孔43および半田片29は、1つの半田マガジン40について5,000個以上が一平面(XY平面)に配置されている。
【0032】
半田マガジン40の底面は、図2に示すように、半田片収容孔43の下方から半田片29の自然落下を防止する支持シート45(半田片係止解放手段)で被覆されている。これにより、半田片29が自然落下することはないが、上方から押し込みロッド13によって半田片29が下方へ押圧されると、その押圧力によって支持シート45に孔が空き、半田片29が下方へ押し出される。この押し込みロッド13は、半田片収容孔43の上方から半田片収容孔43内に挿入されて半田片収容孔43の下方へ突き抜ける位置まで突出する。これにより、半田片29の押し出しを確実にしている。
【0033】
なお、半田片29の自然落下防止は、支持シート45に限らず、半田片収容孔43の下端位置に変形可能な突起を設けるなど、半田片29の自然落下を防止しつつ押し込みロッド13の押圧によって変形して半田片29の押し出しを許容する適宜の構成にすることができる。
【0034】
図3に示すように、マガジン装填部30は、移動ステーション32内に固定されてX方向へ長く搬送チャック36のX方向の移動をガイドするX方向ガイド33と、X方向ガイド33上に設けられてY方向へ長いY方向ガイド34と、Y方向ガイド34上に設けられて半田マガジン40が装着される搬送チャック36が設けられている。
【0035】
Y方向ガイド34は、X方向ガイド33上での回転動作によってY方向ガイド34のX方向への移動を実行するX方向駆動モータ(図示省略)を備えており、搬送チャック36は、Y方向ガイド34上での回転動作によって搬送チャック36のY方向への移動を実行するY方向駆動モータ(図示省略)を備えている。
【0036】
搬送チャック36は、平面視四角形の半田マガジン30の隣り合う2辺を側方から支持する構成である。搬送チャック36には、このうちの一辺と対向する半田マガジン30の辺を側方から逆方向へ支持する上下可動爪35が設けられている。この上下可動爪35は、上方へ半田マガジン30の高さ以上に移動した状態で、半田マガジン30の装着/脱着を可能にし、半田マガジン30が装着された状態で上下可動爪35が下方へ移動して搬送チャック36と上下可動爪35で半田マガジン30の側面を挟み込む。これによって、半田マガジン30の装着/脱着を許容するとともに、装着された半田マガジン30が移動時に位置ズレしないように固定する。
【0037】
マガジン装填部30は、この構成によって、半田マガジン30の装填と、装填して半田マガジン30をXY方向へ移動させて半田片29を順次繰り出すことを可能にしている。
【0038】
これらの構成要素を駆動するべく、半田付け装置1の各要素は、図示省略する制御部によって制御される。
【0039】
図4は、マガジン充填装置70の構成を示す正面断面図である。
マガジン充填装置70は、半田供給ユニット71と、切断ユニット75と、移動ステージ80とで構成されている。
【0040】
半田供給ユニット71は、上方に配置されて糸半田72aが巻かれている糸半田リール72と、糸半田リール72の下方位置で糸半田72aの送り量を検出する送り量検出ローラ73と、送り量検出ローラ73の下方位置で糸半田72aを下方へ送り出す送りローラ74を備えている。
【0041】
切断ユニット75は、送りローラ74の下方位置に配置されており、切断上刃76と切断下刃77とで構成されている。切断上刃76は、糸半田72aを挿通する孔部76aを有して固定されており、糸半田72aの孔部の通過を許容する。切断下刃77は、糸半田72aを挿通する孔部77aを有しており、糸半田72aの供給方向図示上下方向(Z方向)に直交する方向へシリンダー(図示省略)で移動される。この切断上刃76の平滑な下面と切断下刃77の平滑な上面が当接している状態で、切断下刃77がスライド移動されることにより、切断上刃76と切断下刃77の間位置で糸半田72aが切断される。また、送り量検出ローラ73で送り量が検出されて、送りローラ74で所望の半田長さだけ糸半田72aを送り出して切断することで、所望の長さの半田片29を作成できる。
【0042】
移動ステージ80の上には、半田マガジン40が載置されている。この半田マガジン40は、支持シート45が下面に位置する状態で載置されており、切断下刃77で切断された半田片29が半田片収容孔43内に自然落下して収納される。このため、切断下刃77は、切断後の孔部77aの位置が、次に半田片29を収容する半田片収容孔43と上下方向に連通する位置で停止する。
【0043】
移動ステージ80は、Y方向の搬送ガイド85と、ステッピングモータ等の駆動機構部84により搬送ガイド85に沿って移動する搬送ガイド83が設けられている。搬送ガイド83は、X方向へ向かって真っすぐ伸びている。
【0044】
X方向の搬送ガイド83の上部には、搬送ガイド83に沿ってX方向に移動する移動体81と、この移動体81を搬送ガイド83に沿ってX方向へ移動させるステッピングモータ等で構成された駆動機構部82が設けられている。この移動体81、駆動機構部82、搬送ガイド83、駆動機構部84、および搬送ガイド85は、半田片29を装填する半田片収容孔43が切断下刃77の切断後位置の下方位置となるように半田マガジン40を移動させる半田マガジン位置移動手段として機能する。
【0045】
この構成により、マガジン装填部30は、半田供給ユニット71により糸半田72aを必要量送り出し、切断ユニット75で切断した半田片29を半田マガジン40の半田片収容孔43に収容し、移動ステージ80によって半田マガジン40を移動させて次に半田片29を装填する半田片収容孔43の位置に対応させる動作を行う。これによって、連続して糸半田72aを切断して半田片29を装填していくことができ、半田マガジン40に5,000個以上の半田片29を装填することができる。
【0046】
なお、切断下刃77から半田片収容孔43へ半田片29を送り出す動作を自然落下としたが、これに限らず、切断後の切断下刃77の孔部77aに対してシリンダーによって上から押し込みロッドを挿入し、強制的に半田片29を半田片収容孔43へ送り出す構成としてもよい。この場合、半田片29の装填をより確実にすることができる。
【0047】
図5は、半田付け装置1の制御部が実行する動作を示すフローチャートである。
半田付け装置1の制御部は、まず図3に示した半田マガジン40をマガジン装填部30にセットし、最初に使用する半田片29が収容されている半田片収容孔43の位置を半田導入筒22内の孔22aと連通する位置に調整する(ステップS1)。
【0048】
半田付け装置1の制御部は、ノズル25の位置をプリント基板9(図1参照)の半田付け位置に移動し、ロッド駆動部11によって押し込みロッドを突出させて半田片収容孔43内の半田片29を半田導入筒22内の孔22a内に押し込み、ヒータ23によって半田片29を加熱溶融してノズル25内の下端位置で半田付けする半田付け処理を実行する(ステップS2)。この半田付けのとき、プリント基板9のスルーホールに半田ごてであるノズル25の先端が隙間なく当接し、孔25a内にピンが挿入された状態で半田付けを行うため、ノズル25の外へフラックスが飛散することなく、半田不良のない安定した半田付けを実現できる。またこのとき、フローティング状態のノズル25がプリント基板9のスルーホールに当接するため、一定の押しつけ力でノズル25をプリント基板9に押し付けることができる。
【0049】
半田付け装置1の制御部は、半田マガジン40において現在使用している列の半田片29が残っていれば(ステップS3:Yes)、現在の列における一つとなりの半田片収容孔43を孔22aに対向させるように移動ステージ32を駆動する一個送り動作を行い(ステップS4)、ステップS2に処理を戻す。
【0050】
半田マガジン40において現在使用している列の最後の半田片29を使用した場合(ステップS3:Yes)、半田付け装置1の制御部は、全ての列が終了したか判断する(ステップS5)。
【0051】
まだ半田片29の残っている列があれば(ステップS5:No)、半田付け装置1の制御部は、次の列の半田片収容孔43を孔22aに対向させるように移動ステージ32を駆動する列送り動作を行い(ステップS6)、ステップS2に処理を戻す。
【0052】
全列が終了して半田マガジン40に半田片29が残っていない状態になれば(ステップS5:Yes)、半田付け装置1の制御部は、使用済みの半田マガジン40を排出し(ステップS7)、ステップS1へ処理を戻して半田マガジン40の装填から処理を繰り返す。
【0053】
以上の構成および動作により、ノズル25の外へフラックスが飛散することなく不良のない安定した定量スポット半田付けを実現することができる。
半田片29を半田マガジン40によって提供することで、糸半田を毎回切断する機構が不要となり、エアーサスペンションユニット5によってフローティング状態とし、かつ半田付けの都度に移動させるヘッド部3を軽量化することができる。
【0054】
ヘッド部3を軽量化することにより、駆動機構部5b,7b,7eに対する負荷を軽減することができ、さらなる高速化を実現することができる。
【0055】
また、糸半田を毎回切断する切断機構を省略できるため、コストダウンを図ることができる。
【0056】
また、1回の半田付けで使用する分量の半田片29を用いるため、糸半田をその都度切断する場合に発生し得る切断カスが発生せず、消耗部分がなくなって機械停止を防止することができる。
【0057】
また、マガジン装填部30を移動ステーション32でXY方向に移動させるため、装填された半田片29を次々にノズル25の対向位置へ移動して半田片29を1つずつ繰り出して半田付けすることができる。また、このXY方向の移動は、一列ずつ実行し、かつ、一列の半田片29を順番に全て繰り出した次の列では、反対方向へ順番に繰り出していくことで、移動ステーション32による移動時間を削減して高速に連続して半田付けを実行することができる。
【0058】
また、半田マガジン40は、1つの半田片29を1つの半田片収容孔43に収納しているため、半田片29の繰り出し動作を安定して実行することができる。
【0059】
また、半田マガジン40の底面に、半田片29の自然落下を防止し、かつ押し込みロッド13による押し込みによって変形等によって半田片29の落下を許容する支持シート45を設けたため、半田片29を安定して保持し、かつ安定して繰り出すことを実現できる。
【0060】
また、押し込みロッド13により半田片29を押し出すことで、自然落下よりも安定して半田片29を繰り出すことができる。
【0061】
また、マガジン装填部30は、半田マガジン40の上面をカバー31で隙間なく被覆するため、半田マガジン40をヘッド部3とともに高速に移動させても、半田片29が意図せずに半田片収容孔43から抜け出して半田付け不良や機械停止が発生することを防止できる。
【0062】
また、マガジン充填装置70により、糸半田72aを定量で切断して半田マガジン40に装填していくことができる。このように半田マガジン40を構成することで、ヤニ入りが存在しない球状の半田ではなく、ヤニ入りで所定量に切断された半田片29を用いることができる。
【0063】
なお、この発明は、上述した実施形態に限られず、他の様々な実施形態とすることができる。
【0064】
例えば、半田付け装置1にノズルユニット20を複数備えても良い。この場合、複数のノズルユニット20は、半田付け対象である一列に等間隔で並んだ複数のスルーホールに対応させて配置すると良い。これにより、多数個同時に半田付けすることができる。
【0065】
またこの場合、半田マガジン40の半田片収容孔43は、1列中にノズルユニット20の個数の整数倍で配置し、各半田片収容孔43の間の間隔についてもノズルユニット20の間隔の整数分の1とするとよい。
【0066】
これにより、半田マガジン40の半田片29を効率良く使い切れる。すなわち、例えばノズルユニット20の個数(例えば10個)に対して1列の半田片収容孔43をn倍(例えば5倍で50個)とする場合、ノズルユニット20の対向位置に半田片収容孔43が配置されているとともに、ノズルユニット20間にn―1個の半田片収容孔43を均等配置する。これにより、半田マガジン40の1列でn回の半田付けを実行することができる。
【0067】
また、半田マガジン40は、1つの半田片29を1つの半田片収容孔43に収納したが、これに限らず、複数の半田片29を仕切りなく整列させて収納してもよい。この場合も半田片29を1つずつ繰り出して半田付けすることができる。
【0068】
また、半田マガジン40の底面を支持シート45で被覆するのではなく、半田片収容孔43の下端に半田片29が抜け落ちることを防止する落下防止突起を備えても良い。この場合、支持シート45を破るのとは違って落下防止突起を変形させて半田片29を繰り出せるため、破片等による機械停止を防止することができる。また、使用済みの半田マガジン40に半田片29を再装填して再利用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
この発明は、生産設備で半田付けを実行するような産業に利用することができる。
【符号の説明】
【0070】
1…半田付け装置
6…近接離間方向移動ユニット
7…搬送方向移動ユニット
8…搬送幅方向移動ユニット
9…プリント基板
13…押し込みロッド
23…ヒータ
25…ノズル
29…半田片
32…移動ステージ
40…半田マガジン
43…半田片収容孔
45…支持シート
図1
図2
図3
図4
図5