特許第6453756号(P6453756)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6453756
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】イオンビーム処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/317 20060101AFI20190107BHJP
   H01J 37/04 20060101ALI20190107BHJP
   H01J 37/147 20060101ALI20190107BHJP
   H01L 21/265 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
   H01J37/317 Z
   H01J37/04 A
   H01J37/147 D
   H01L21/265 603Z
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-539715(P2015-539715)
(86)(22)【出願日】2013年10月22日
(65)【公表番号】特表2016-502733(P2016-502733A)
(43)【公表日】2016年1月28日
(86)【国際出願番号】US2013066160
(87)【国際公開番号】WO2014066375
(87)【国際公開日】20140501
【審査請求日】2016年8月16日
(31)【優先権主張番号】13/658,990
(32)【優先日】2012年10月24日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500239188
【氏名又は名称】ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】チャン シュヨンウー
【審査官】 鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−050567(JP,A)
【文献】 特開平02−250255(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0033458(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/317
H01J 37/305
H01J 37/04
H01J 37/12
H01J 37/147
H01J 3/12
H01J 3/30
H01L 21/265
H01L 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の平面に対して垂直に配向され、間でイオンビームを伝達し前記第一の平面で前記イオンビームを走査するための領域を規定する走査電極の組と、
前記第一の平面に対して平行に配向された複数の電極を備える多重極静電レンズシステムと、を備え、
前記多重極静電レンズシステムは、前記多重極静電レンズシステムを構成する前記電極の、前記走査電極の組を構成する一対の前記走査電極の離間方向における幅が一対の前記走査電極の間隔よりも大きい状態で、前記走査電極の組に重なり、
前記多重極静電レンズシステム及び前記走査電極の組は、前記イオンビームが横断するビーム経路の同一部分に沿って前記イオンビームを囲み、
前記多重極静電レンズシステムは、前記領域内の前記第一の平面に対して垂直な方向で前記イオンビームを整形するよう構成される、
イオンビーム走査組立体。
【請求項2】
前記多重極静電レンズシステムは、前記イオンビームを整形するよう構成される四重極静電レンズシステムであって、前記四重極静電レンズシステムは、
前記ビーム経路の前記部分の第一のセグメントにわたって前記ビーム経路の向かい合うサイドを囲むよう構成された第一及び第二の電極を備える、第一のレンズと、
前記ビーム経路に沿って前記第一のレンズの下流にある第二のレンズであって、前記ビーム経路の向かい合うサイドを囲むよう構成された第三の電極及び第四の電極を備える、前記第二のレンズと、
前記第一ないし第四の電極に複数のそれぞれの電圧を印加するよう構成され、前記複数の電圧は、前記ビーム経路に対して垂直な電場の組を発生させる電圧発生器の組と、を備える、
請求項1に記載のイオンビーム走査組立体。
【請求項3】
前記複数の電圧は、0から50kVの範囲内にあるDC正電圧を含む、
請求項2に記載のイオンビーム走査組立体。
【請求項4】
前記複数の電圧は、0から−50kVの範囲内にあるDC負電圧を含む、
請求項2に記載のイオンビーム走査組立体。
【請求項5】
前記複数の電圧は、−25kVから+25kVの範囲内にある振幅及び100から2000Hzの範囲内にある周波数を有する振動電圧を含む、
請求項2に記載のイオンビーム走査組立体。
【請求項6】
前記走査電極の組のうち1つ以上の組の電極が、DCオフセット電圧と重ねられる振動電圧を各々含む電圧波形をそれぞれ1つ以上発生させるよう作用し、前記DCオフセット電圧に対して前記振動電圧の振幅は、−25kVから+25Vの範囲内にあり、前記振動電圧の周波数は、100から2000Hzの範囲内にあり、前記DCオフセット電圧は−25kVから+25kVの範囲内にある、
請求項1に記載のイオンビーム走査組立体。
【請求項7】
前記複数の電圧は、前記第一の平面に対して垂直な前記方向に前記イオンビームを広げるよう構成される、
請求項2に記載のイオンビーム走査組立体。
【請求項8】
前記複数の電圧は、前記第一の平面の方向に前記イオンビームを圧縮し、かつ、前記第一の平面に対して垂直な方向に前記イオンビームを引き伸ばすよう構成される、
請求項2に記載のイオンビーム走査組立体。
【請求項9】
前記走査電極の組のうち1つ以上の組の電極が、前記イオンビームを走査するためそれぞれ1つ以上の振動電場を印加するよう構成される、
請求項1に記載のイオンビーム走査組立体。
【請求項10】
前記走査電極の組のうち1つ以上の組の電極が、DCオフセット電圧と重ねられる振動電圧を各々含む電圧波形をそれぞれ1つ以上発生させるよう構成され、前記振動電圧は、振動場を生成するよう構成され、前記DCオフセット電圧は、前記イオンビームを整形するよう構成される、
請求項1に記載のイオンビーム走査組立体。
【請求項11】
前記複数の電圧は、0ボルトよりも大きく50kVまでの正電圧の範囲内にあるDC正電圧を含む、
請求項3に記載のイオンビーム走査組立体。
【請求項12】
前記複数の電圧は、0ボルトよりも小さく−50kVまでの負電圧の範囲内にあるDC負電圧を含む、
請求項4に記載のイオンビーム走査組立体。
【請求項13】
前記走査電極の組のうち1つ以上の組の電極が、50から300mmの前記ビーム経路に沿った長さを有する、
請求項1に記載のイオンビーム走査組立体。
【請求項14】
前記走査電極の組のうち1つ以上の組の電極が、50mmから150mmの前記ビーム経路に対して垂直な方向に高さを有する、
請求項1に記載のイオンビーム走査組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン注入装置、より具体的には、イオン注入機のレンズ部品に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体エレクトロニクス、太陽電池、及び他のテクノロジーにおける現代の製造は、シリコン及び他の種類の基板をドーピング又は他の改良をするために、イオン注入機システムに依存している。典型的なイオン注入機システムは、イオンビームを発生させ基板にそれを導くことでドーピングを行い、イオンはその表面下で停止する。様々な種類のイオン注入システムが、様々な応用に向けて開発されてきた。高電流イオン注入機システムは、半導体製造で広く使用される注入機システムの一種である。そのような注入機システムは、典型的には、25ミリアンペア(mA)までの電流を生成し、高ドーズ量の注入種を基板に効率良く導くために採用される。
【0003】
中電流イオン注入機システムは、1マイクロアンペアから約5mA、エネルギーにして2キロエレクトロンボルト(keV)から900keVの範囲の強度を有するイオンビームを生成するために開発された。これらの種類のイオン注入システムは、約1E13から5E14ほどの密度範囲で基板にドーパントを導入する際に特に有益となる。一般的に、中電流注入機システムは、ウェハーにわたってスポットビームを走査することで動作するように開発されている。特に、多くの応用に対して、イオン注入中、走査経路に沿って均一なイオンドーズ量又はビーム電流分布を得ることが望ましい。これを達成するための1つのアプローチは、1つの平面内でスポットビームを走査する一方で、その平面に垂直な方向にターゲットウェハーを移動させて、ターゲットウェハーの全表面を処理することである。イオンビームの走査は、通常の軌道からイオンビームを制御可能に偏向させるよう採用される静電スキャナーにより実現するこができ、イオンビームの進行方向に対して垂直な方向に電場を変化させることでより広範囲に及ぶ。スキャナーの場の強さがイオンビームの通常の経路からの総偏向を決定するので、イオンビームはスキャナー部の電場の強さを変化させることで走査可能である。
【0004】
図1aは、従来技術に従って配置されたイオン注入システム100を示す。図示した通り、イオン注入システム100は、注入用の正イオンを発生させるために典型的に用いられるイオン源102を有する。正イオンは、イオン源からの発生と加工される基板までの間に、偏向、加速、減速、整形、及び/又は走査されたイオンビームとして提供される。イオンビーム120は、図1に中心線軌道(CRT)によって示されている。なお、イオンビームは有限の幅、高さ、及び形状を有しており、それらはイオン源102と基板112の間のビーム経路に沿って変化する可能性があることを、当業者は認識するであろう。図1aはさらに、イオンビームを偏向させる質量アナライザー104、静電スキャナー106、コレクターマグネット108、及び基板112を操作できるエンドステーション110を示す。既知のシステムでは、静電スキャナー106は、イオンビーム120が静電スキャナー106を通過する際に、イオンビーム120の進行方向に対して一般的に垂直な電場を発生させる。
【0005】
図1bは、基板に注入するためにスポットビームを使用する、既知のシナリオを示す。示した例では、基板112は、シリコンウェハーのような円形のウェハーである。図1bは、基板112上に投影されたイオンビーム120の断面を示す。既知のシステムでは、静電スキャナー106のようなスキャナーは、(示したデカルト座標系のX軸に平行に示している)方向122のような方向に沿ってイオンビームを走査することが典型的である一方で、基板112は、第一の方向に対して垂直な(Y軸に平行に示されている)第二の方向124に沿って独立に移動する。方向122に沿ったイオンビーム120の走査とともに、方向124に沿って基板を移動させる動作によって、イオンビーム120が、基板112全体をイオンにさらすことが可能となる。示した例では、イオンビーム120は、高さH及び幅Wを有するスポットビームである。
【0006】
図1bに示した通り、イオンビーム120が方向122に沿って走査される時、イオンビーム120は走査エリア126をカバーする。イオンビーム120のサイズ及び形状並びに基板112の形状によって、基板112の全所望領域がイオンビーム120に確実にさらされるためには、イオンビーム120が、図示した基板112の端128を越えて走査されるのが典型的である。例えば、図1bに示されている通り、幅Wと同等か又はよりいっそう大きい距離だけ端128を過ぎてイオンビーム120を走査する必要がある。このように、走査エリア126は、基板112の外側にあり、「無駄な」イオンドーズ量を表す、(明瞭のため、基板112の1つのサイドのみに沿って示されている)大きな領域130を有する。すなわち、領域130にあるイオンは、基板112の注入又は他の処理をするために使用されない。
【0007】
さらに、もしイオンビーム120の高さHが十分に大きくなければ、結果として注入ドーズ量の不均一が生じる可能性がある。高さHは、イオンビーム120を囲むように配置されるコレクターマグネットの磁極片のようなビームライン部品にイオンが衝突しない程度の大きさにするのが望ましい。しかしながら、もしHの値があまりに小さければ、基板112は、方向124に沿って移動する時に、不均一に注入される可能性がある。例えば、イオンビーム120は、基板が位置P1に位置する時、方向122内で振動して、基板112に当たる走査エリア126の一部に対応する基板112上のエリア内で注入される。その後、基板112は、方向124に沿って進むか走査され、静電スキャナー106の動作によって基板112にさらされた走査エリア126と同等のサイズの連続エリアが形成される。しかしながら、方向124に沿ったイオンビーム120の有限の広がり、すなわち高さHによって、方向122に沿ったイオンビーム120の走査でさらされた連続的なエリアのアンダーラップ又はオーバーラップが生じる可能性がある。
【0008】
そのようなイオン注入システムでの不均一性を改善するために、断面内でイオンビームのビームサイズ及び/又は形状を変えることが望ましい。例えば、ビームのスポットサイズを増大させるレンズのように、ビーム形状を変えるためにビームラインに付加的なレンズ部を追加できる。しかしながら、付加的なレンズ部の導入は、イオンビーム経路長を増加させ、イオン注入システムのフットプリントを変えることになり、一般的にはどちらも望ましくない。さらに、イオンビームを整形するためのレンズ部のような構成部品に直列した静電スキャナーの導入によって、電子がイオンビームから電離する領域が増加する。知られている通り、電子が(正)イオンビームから電離するか、又は除去されると必ず、イオンビームは広がりやすくなる。これは、イオンビーム内の正イオンの相互斥力によって起きる。イオンビームから電子が電離すると必ず、低エネルギー電子は、任意の様々なビームライン部品に印加された高い正ポテンシャルによってイオンビームの外に引き付けられ、加速される。ビーム拡張の結果、基板に効果的に適用できるビーム電流は減少する。
【0009】
必要なことは、中電流イオン注入システムのようなイオン注入システムでより均一なビームを形成するための改善方法及び装置である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
この概要は、詳細な説明で以下にさらに述べる単純化した形態での概念の選択を紹介するために設けられ、請求の要旨の重要な特徴又は本質的な特徴を特定するものではなく、また請求の要旨の範囲を決定するためのものでもない。
【0011】
一実施形態では、イオンビーム走査組立体は、イオンビームを受け入れ、第一の平面でイオンビームを走査するために領域を定めた一組の走査電極を有する。多重極静電レンズシステムはまた、走査電極の組によって囲まれたイオンビームの進行経路の一部に沿って配置される複数の電極も備える。多重極静電レンズシステムは、第一の平面に対して垂直な方向でイオンビームを整形するよう構成される。
【0012】
さらなる実施形態では、イオンビームを処理する方法は、イオンビームのイオンビーム経路の一部にわたって、イオンビームに対して垂直な第一の平面に沿った1つ以上の振動電場を発生させることと、イオンビーム経路の一部に沿って、第一の平面に対して垂直な方向に一組の静電場を印加することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1a】既知のイオン注入システムを示す。
図1b】既存技術に従ったイオンビームを用いた基板加工を示す。
図2】本開示の実施形態に従ったイオン注入システムを示す。
図3a】本開示の実施形態に従ったイオンビーム走査組立体の実施形態を示す。
図3b】本開示の実施形態に従ったイオンビーム走査組立体に印加する一組の振動電圧の例示的な波形を示す。
図3c】本開示の実施形態に従ったイオンビーム走査組立体に印加する一組の振動電圧の例示的な波形をさらに示す。
図3d】本開示の実施形態に従ったイオンビーム走査組立体の他の実施形態を示す。
図4a】本実施形態と一致するイオンビームを加工するための1つのシナリオにおけるイオンビーム走査組立体の正面図を示す。
図4b図4aのシナリオにおけるイオンビーム走査組立体の背面図を示す。
図4c図4a及び4bに示したイオンビーム走査組立体の構成要素に対応する例示的な波形を示す。
図4d図4a及び4bに示したイオンビーム走査組立体の構成要素に対応する例示的な波形を示す。
図4e図4a、4bの実施形態を用いて基板を加工する1つの例を示す。
図5a】本実施形態と一致するイオンビームを加工するための1つのシナリオにおけるイオンビーム走査組立体の正面図を示す。
図5b】図aのシナリオにおけるイオンビーム走査組立体の背面図を示す。
図5c図5a及び5bに示したイオンビーム走査組立体の構成要素に対応する例示的な波形を示す。
図5d図5a及び5bに示したイオンビーム走査組立体の構成要素に対応する例示的な波形を示す。
図5e図5a、5bの実施形態を用いて基板を加工する1つの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで述べる実施形態は、イオン注入システムでイオンビームを処理するための装置及び方法を提供する。イオン注入システムの例は、ビームラインイオン注入システムを含む。本実施形態に包含されるイオン注入システムは、一般的なスポット形状である断面を有する「スポットイオンビーム」を発生させるシステムを含む。本実施形態では、ビームシェイパー部品(又はシステム)が、一組の走査電極を含む静電スキャナー部品に付加され、イオンビームを処理するイオンビーム走査組立体を形成することで、ビームシェイパー部品に対する付加的なフットプリントを必要とすることなくイオン注入装置の性能が改善される。
【0015】
図2は、本開示の実施形態に従ったイオン注入システム200を示す。イオン注入システム200は、イオン源102、質量アナライザー104、コレクターマグネット108、及びエンドステーション110を含む従来の構成部品を有する。様々な実施形態では、イオン注入システム100は、静電スキャナー部品によって走査されるスポットタイプのイオンビームを発生させ、スポットタイプのイオンビームの断面積よりも大きい基板にわたってイオン注入を提供する。図2の例では、イオンビーム静電スキャナー/イオンビームシェイパー、又は単にイオンビーム走査組立体202は、磁気アナライザー104とコレクターマグネット108との間の位置でビームライン204に沿って設置される。イオンビーム走査組立体202は、イオン源102によって発生したイオンビーム206を受け、基板112に当たる前のコレクターマグネット108によってなされるように、さらに操作された走査及び整形ビームを生成するよう配置される。
【0016】
特に、磁気アナライザー104は、イオンビーム206から望まないイオンを除去できる。磁気アナライザー104は、イオンビーム206がイオン源102から発生する時に、イオンビーム206の荷電種を分離するよう既知の原理に従って動作する。分離は、イオンビーム206にある特定種の電荷に対する質量の比に従って行われるので、所望の質量/電荷比の荷電粒子(イオン)が磁気アナライザー104の出力から出射するように選択でき、イオンビーム206を元の方向とは異なる方向に向ける。このようにして、分析されたイオンビーム206aは、イオンビーム走査組立体202に対して向かっていく。
【0017】
以下で詳説するように、イオンビーム走査組立体202は、分析されたイオンビーム206aを操作し、形状、サイズ、及び/又は密度などを変えて、イオンビーム206の特徴を改善するように加工されたイオンビーム206bを生成する。様々な実施形態では、イオンビーム走査組立体202は、イオンビーム走査組立体202を通過する間に分析されたイオンビーム206aのイオンビームスポットサイズ、スポット形状、及び/又はイオン密度を修正する多重極静電レンズの動作と静電スキャナーの動作とを兼ね備える。以下の図に関して詳説する特定の実施形態では、イオンビーム走査組立体202は、静電スキャナーに重ねられる四重極静電レンズを構成する。言い換えると、四重極静電レンズ及び静電スキャナーの構成部品は、イオンビーム206が通過するビーム経路の同一部分に沿ってイオンビーム206を囲む。
【0018】
図3aは、本開示の実施形態に従った、イオンビーム走査組立体の実施形態の透視図を示す。図3aでは、イオンビーム走査組立体300は、前方レンズ302及び後方レンズ308を含む四重極静電レンズシステム320を有する。前方レンズ302は、二組の対向する電極304、306及び314a、316aを有する一方で、後方レンズ308は、他の二組の対向する電極310、312及び314b、316bを有する。イオンビーム走査組立体300はまた、走査電極の組318のように具現化された静電スキャナー部品も含む。図3aに示した実施形態では、走査電極の組318は、二組のプレート又は走査電極314a、316a及び314b、316bを有する。図3aに示した通り、四重極静電レンズシステム320の電極304、306、314a、316a、310、312、314b、316b及び走査電極の組318の走査電極314a、314b、316a、316bは、(示されていない)イオンビームを通して伝達する領域330を定めるよう相互に構成される。イオンビームが領域330を通過する時、イオンビームを整形及び走査するために、電極304、306、310、312及び314a、314b、316a、316bに一組の電圧が印加される。これらの電圧は、ビームエネルギー及びイオン種に基づいてビーム形状及びビーム偏向度を最適化するために調整される。
【0019】
図3aに付加的に示した通り、走査電極の組318の走査電極314a、314b、316a、316bは、AC信号として印加されるそれぞれの電圧源V、V’、V、及びV’に接続される。図3b及び3cでさらに示す通り、各AC電圧V、V’、V、及びV’は、それぞれの電圧波形350、352、354、356を構成し、それらは振動電圧成分又は単に振動電圧VscanとDCオフセット電圧Voffsetから成る。振動電圧Vscan、V’scan、Vscan、V’scanは、それらのDCオフセット電圧Voffset、V’offset、Voffset、及びV’offsetに対してそれぞれ変動する。例えば、走査電極314a、314b、316a、316bに印加されるAC電圧V、V’、V、V’は、走査電極314a、316aに印加されるDCオフセット電圧Voffset、V’offsetは同じ大きさ及び極性を有し、走査電極314b、316bに印加されるDCオフセット電圧Voffset、V’offsetは、同じ大きさ及び極性を有するように調整可能である。さらに、走査電極314a、316aに印加される振動電圧Vscan、V’scanは、同じ振幅だが反対の位相角を有し、走査電極314b、316bに印加される振動電圧Vscan、V’scanは、同じ振幅だが反対の位相角を有する。さらに、走査電極314a、316aに印加される振動電圧Vscan、Vscanは、同じ位相角を有し、走査電極314b、316bに印加される振動電圧V’scan、V’scanは同じ位相角を有する。このようにして、振動電場はX軸に沿って生成され、電場の方向及び大きさは時間とともに変化する。X軸は、領域330を通過するイオンビームの伝搬方向に対して垂直であるので、イオンビームは、一方では走査電極314a、314bに、他方では走査電極316a、316bに向かって交互方式にイオンビームを偏向する時間依存の偏向力を受ける。走査電極314a、314b、316a、316bに印加される振動電圧Vscan、V’scan、Vscan、V’scanは、ビームエネルギーに基づいたビーム偏向度を最適化するために、+/−200Vから+/−25kVの範囲内で調整可能である。いくつかの実施形態では、イオンビームはおよそ+/−10度の角度で偏向可能である一方、他の実施形態では、イオンビームはおよそ+/−20度までの角度で偏向可能である。図2もまた参照すると、この偏向により、イオンビームは基板112の幅Wにわたって走査される。
【0020】
図3aでさらに示した通り、各電極304、306、310、312は、それぞれの電圧源(DC電圧発生器)V又はVに接続され、ポテンシャル(DC電圧)を受ける。電極304及び306に印加されるDC電圧Vは、走査電極314a、316aに印加されるDCオフセット電圧、V3offset及びV3’offsetのように、同じ大きさだが反対の極性をVが有するように調整可能である。電極310及び312に印加されるDC電圧Vは、走査電極314b、316bに印加されるDCオフセット電圧、Voffset及びV’offsetのように、同じ大きさだが反対の極性をVが有するように調整可能である。電極304、306に印加されるDC電圧Vの第一の組及び走査電極314a、316aに印加されるV3offset、V’offsetは、(示されていない)静電場を生成し、領域330内で第一の四重極静電レンズを形成できる。電極310、312に印加されるDC電圧Vの第二の組及び走査電極314b、316bに印加されるVoffset、V’offsetは、(示されていない)他の静電場を生成し、領域330内で第二の四重極静電レンズを形成できる。特に、図3aの配置では、(示されていない)イオンビームの伝搬方向はZ軸に沿う。従って、第一及び第二の四重極静電レンズを有する四重極静電レンズシステム320は、イオンビームの伝搬方向に対して垂直な一組の電場を発生させるよう形成され、イオンビームが領域330を通過する時にそれを整形する。電極304、306に印加されるDC電圧Vの第一の組及び走査電極314a、316aに印加されるVoffset、V’offset並びに電極310、312に印加されるDC電圧Vの第二の組及び走査電極314b、316bに印加されるVoffset、V’offsetは、−20kVから+20kVの範囲内で協働して調整可能であり、ビームエネルギー及びイオン種に基づいてビーム形状を最適化する。
【0021】
イオンビームを走査することに加えて、イオンビーム走査組立体300は、四重極静電レンズシステム320によって生成される電場の動作によってイオンビームを整形する。従って、イオンビームがイオンビーム走査組立体300から出射する時、イオンビームは、イオンビーム走査組立体300に入射する前のイオンビームの形状、サイズ、及び/又はイオン密度に比べて異なる形状、サイズ、及びイオン密度を有する。
【0022】
図3dは、図3aのイオンビーム走査組立体300の変形を示す。図3に示す通り、走査電極の組318の走査電極314b、316bはY軸に沿って見るとフレア状となり、走査電極314b、316bの間の間隔Dが、イオン源サイド334の間隔Dと比べて、走査電極の組318の基板サイド332に向かってより大きくなる。上述した通り、電圧源VはAC信号を発生し、それによって、一方では走査電極314a、316a間に、他方では316a、316b間に印加された電圧の極性が切り替わり、領域330を通過する(示されていない)イオンのビームが、方向336と338の間で方向が入れ替わる偏向場を受ける。この入れ替わりの偏向場によって、イオンのビームは大きく広がり、イオンビームの伝搬方向に対して+/−10度かそれ以上の角度範囲をたどる。
【0023】
図3は、いくつかの変形のうち二組の電極304、306、314a、316a及び310、312、315b、316bを構成するイオンビーム走査組立体300を示すが、イオンビーム走査組立体300は、既知の静電スキャナーや四重極静電レンズのように、一組の電極又は三組以上の電極を含む可能性もある。様々な実施形態では、走査電極の組318及び四重極静電レンズシステム320によって発生する電場によって、領域330を通過するイオンビームの断面が変化し、イオン源サイド334でのイオンビームの断面形状は、基板サイド332での断面形状とは異なる。
【0024】
図4a及び図4bは、本実施形態と一致するイオンビームを加工(処理)するための1つのシナリオをまとめて示す。図4bは、図4aに示したものと同じシナリオに対するイオンビーム走査組立体300の背面図を示す。図4c及び4dは、図4a及び4bにそれぞれ示したイオンビーム走査組立体の構成要素に対応する、例示的な波形420、422をそれぞれ示す。特に、波形420、422は各々、図3b及び3cに関して上述したように、振動電圧Vscan及びDCオフセット電圧Voffsetから成る。図4aでは、イオンビーム走査組立体300の正面図が、イオンビームの進行方向下流に向かって見るように示されている。イオンビーム402は、それがイオン源サイド334でイオンビーム走査組立体300に入射する時の断面で示されている。図4aに示した通り、イオンビーム402は、高さH及び幅Wによって特徴付けられるスポットビームである。イオンビーム402がイオンビーム走査組立体300に入射すると、イオンビーム402は、様々な電極304、306、310、312、314a、314b、316a、316bによって発生する電場(E)を受ける。走査電極314a、314b、316a、316bは、AC電圧が印加され、示したデカルト座標系のX軸に対して平行な方向404に沿った振動電場を発生する。図4aはイオンビーム402の1つの位置のみを示すが、走査電極314a、314b、316a、316bによって生成された振動電場によって、イオンビーム402がイオンビーム走査組立体300を通過する時に、ビームの位置は時間とともに変化する。
【0025】
いくつかの実施形態では、イオンビーム走査組立体300は、イオンビームを加工するために使用され、2keVから900keVのイオンエネルギーで基板までイオンビームが到達する。いくつかのケースでは、走査電極314a、314b、316a、316bに印加される電圧の絶対値は、200Vから35kVの範囲内にある。実施形態は、この状況に限定されない。図4aに示した例では、一方では走査電極314a、314bに、他方では316a、316bに印加される変動電圧は、+10kVのDCオフセット電圧と重ねられる。走査電極314a、314b、316a、316bに印加されるピーク電圧の絶対値は、+10kVのオフセット電圧に対して25kVであり、いくつかのケースではおよそ+/−10度の角度範囲でイオンビーム402を偏向できる。図4c及び4dに示した通り、図4a及び4bでは+/−25kVが振動電圧となり、+10kVのオフセット電圧に対して25kV変動し、−/+25kVが、+/−25kVに対して反対の位相角を有する振動電圧となる点に注意すべきである。
【0026】
図4aは、−10kVの静的なDC電圧が、走査電極314a、316aと結合する電極304、306に印加され、四重極静電レンズシステム320の前方レンズ302を形成する例をさらに示す。走査電極314a、316aの+10kVのDCオフセット電圧と結合して、電極304、306に対する負の電圧印加によって、イオンビーム402へ力を働かせる一組の電場が生じ、方向404に対して垂直な方向406に沿ってイオンビーム402を広げやすくなる。このようにして、イオンビーム402がイオンビーム走査組立体300を通過することで、イオンビーム402の断面形状が変化する。
【0027】
図4bは、図4aに示したものと同じシナリオに対する、イオンビーム402の進行方向とは反対にある上流に向いて見たイオンビーム走査組立体300の背面図を示す。示した例では、−10kVの静電圧が、走査電極314b、316bと結合する電極310、312に印加され、四重極静電レンズシステム320の後方レンズ308を形成する。走査電極314b、316bの+10kVのDCオフセット電圧と結合して、電極310、312に対する負の電圧印加によって、イオンビーム402へ力をさらに働かせる他の電場の組が生じ、方向404に対して垂直な方向406に沿ってイオンビーム402を引き伸ばしやすくなる。このようにして、図4bに示した通り、イオンビーム402がイオンビーム走査組立体300から出射する時、イオンビーム402は、図4aに示したイオンビーム走査組立体300に入射する時の形状に比べて方向406に沿って長くなる。このように、イオンビーム402は、(入射)イオンビーム402のHよりも大きな高さHで出射する。
【0028】
図4a、4bの実施形態によってもたらされる1つの利点は、基板の連続エリアがイオンビーム402でさらされる時に、イオンビーム402の増大した高さHによってより均一なイオンドーズ量が得られる点である。しかしながら、アングルコレクターの磁極片のようなイオン注入システムの下流にある構成部品にイオンビーム402の一部が衝突するような大きさ以下で高さHを維持するように、イオンビーム走査組立体300に印加する電圧を設定する必要がある点に注意すべきである。図4eは、図4a、4bの実施形態を用いて基板112を加工する1つの例を示す。イオンビーム402が、走査電極314a、314b、316a、316bを用いて静電的に走査される一方で、基板が方向406に沿って異なる2つの位置に配置される時に形成される2つのイオン照射エリア410、412が示されている。このように、基板112は、2つのイオン照射エリア410、412を形成するために、2つの異なる位置の間で位置を変えることが可能である。図4に示した通り、オーバーラップ領域414は、イオン照射エリア410、412の間に存在する。イオンビーム402は、増大した高さHを有するので、オーバーラップ領域414(又はアンダーラップ領域)の制御は、四重極静電レンズシステム320がないケースであって、ビーム高さがHだけになるケースに比べてより良くなる。これにより、基板112の全体にわたって、より均一なイオンドーズ量を与えることができる。さらに、四重極静電レンズシステム320は、走査電極の組318によって占有される部分と同じイオンビーム402のビーム経路部分に沿って配置されるので、それによりイオンビーム走査組立体は、イオンビーム走査組立体300を収容したイオン注入システムに対してより大きなフットプリントを必要としない。
【0029】
基板でのイオンドーズ量の均一性を改善することに加えて、更なる実施形態では、イオンビーム走査組立体300は、イオン注入過程に対するビーム電流利用率を増大させるために使用される。ここで用いた「ビーム電流利用率」という言葉は、イオンビーム電流の割合、すなわち基板まで到達するイオンビームのイオンの割合のことである。図5a及び図5bは、本実施形態と一致するイオンビームを加工(処理)するための更なるシナリオをまとめて示す。図5aには、イオンビーム走査組立体300の正面図が示され、一方で、図5bには、イオンビーム走査組立体300の背面図が示される。図5c及び5dは、図5a及び5bにそれぞれ示したイオンビーム走査組立体の構成要素に対応する、例示的な波形522、524をそれぞれ示す。特に、波形522、524は各々、図3b及び3cに関して上述したように、振動電圧Vscan及びDCオフセット電圧Voffsetから成る。
【0030】
図5aのシナリオでは、イオンビーム502は、イオンビーム走査組立体300に入射する前のイオンビーム402と同じ大きさの高さH及び幅Wを有するように示したスポットビームである。図4aのシナリオと同様に、図5aに示した例では、走査電極314a、316aに印加される変動電圧は、−20kVのDCオフセット電圧と重ねられる。走査電極314a、316aに印加されるピーク電圧の絶対値は、−20kVのオフセット電圧に対して25kVであり、いくつかのケースではおよそ+/−10度の角度範囲でイオンビーム402を偏向できる。図5cに示した通り、図5aでは+/−25kVが振動電圧となり、−20kVのオフセット電圧に対して25kV変動し、−/+25kVが、+/−25kVに対して反対の位相角を有する振動電圧となる点に注意すべきである。
【0031】
しかしながら、図4a、4bのケースとは異なり、図5a、5bのシナリオでは、後方レンズ308に印加される電圧に比べて、異なる電圧が前方レンズ302に印加される。特に、図5aでは、+20kVの静電圧が、走査電極314a、316aと結合する電極304、306に印加され、四重極静電レンズシステム320の前方レンズ302を形成する。走査電極314a、316aの−20kVのDCオフセット電圧と結合して、電極304、306に対する正の電圧印加によって、イオンビーム502へ力を働かせる一組の電場が生じ、方向404に沿ってイオンビーム502を圧縮しやすくなる。このようにして、イオンビーム502がイオンビーム走査組立体300を通過することで、イオンビーム502の断面形状がさらに変化する。
【0032】
図5bは、図5aに示したものと同じシナリオに対するイオンビーム走査組立体300の背面図を示す。示した例では、走査電極314b、316bに印加される変動電圧は、+20kVのDCオフセット電圧と重ねられ、−20kVの静電圧が、走査電極314b、316bと結合する電極310、312に印加され、図4bの状況と同様に後方レンズ308を形成する。走査電極314a、316aの+20kVのDCオフセット電圧と結合して、電極310、312に対する負の電圧印加によって、イオンビーム502に対して力が働き、方向404に対して垂直な方向406に沿ってイオンビーム502を引き伸ばしやすくなる。このようにして、図5bに示した通り、イオンビーム502がイオンビーム走査組立体300から出射する時、イオンビーム502は、図5aに示したイオンビーム走査組立体300に入射する時の形状と比べて方向406に沿って長くなり、かつ、方向404に対して圧縮される。このように、イオンビーム502は、(入射)イオンビーム502のHよりも大きな高さH及び(入射)イオンビーム502の幅Wよりも小さな幅Wで出射する。さらに、走査電極314b及び316bに印加されるピーク電圧の絶対値は、+20kVのオフセット電圧に対して25kVであり、いくつかのケースではおよそ+/−10度の角度範囲でイオンビーム402を偏向できる。図5bでは+/−25kVが振動電圧となり、+20kVのオフセット電圧に対して25kV変動し、−/+25kVが、+/−25kVに対して反対の位相角を有する振動電圧となる点に注意すべきである。
【0033】
図5eは、図5a、5bの実施形態を用いて基板112を加工する1つの例を示し、図5a、5bの実施形態によってもたらされる利点、すなわち増大したビーム電流利用率を示す。特に、高さH及び幅Wによって特徴付けられる断面形状を有する図5bのイオンビーム502は、基板112に当たるように示されている。イオンビーム502は、走査電極314、316を用いて静電的に走査され、照射エリア510を形成する。図5eに示した通り、照射エリア510は、基板112を区切る照射エリア510の一部を表す照射基板エリア512を含む。照射エリア510は、イオンが基板112に衝突しない照射エリア510の一部を表すオフ基板エリア514a、514bをさらに含む。照射エリア510に対する照射基板エリア512の比は、ビーム電流利用率の測定とみなすことができる。イオンビーム502は、図5a、5bに示した四重極静電レンズシステム320の動作なしにイオンビーム502の幅Wよりも狭い幅Wを有するので、基板112の端518、520を越えてさらにイオンビーム502を走査する必要はなく、イオンビーム幅がWである状況(例えば、オフ基板エリア416、418がより大きい図4cを参照)に比べて、基板112への全体照射が保証される。従って、図5a、5bのシナリオでは、ビーム電流利用率は高まる。
【0034】
本実施形態によってもたらされる上述した利点に加えて、走査レンズ部品及び四重極レンズ部品の共同配置により、イオンビームを操作するためのシステムがコンパクトになり、構成部品が共同配置ではない構成に比べて、イオンビーム経路に沿った電子が電離する領域の長さを減らす。言い換えると、スキャナー及び四重極部品は電子を引き付け、それによって、通過するイオンビームから電子を剥ぎ取るので、コンパクトなシステムでのそれらの共同配置によって、仮にスキャナー部品及び四重極レンズ部品がビームラインに沿って直列方式で配置された場合の電子が電離する可能性のあるイオンビームの長さが減る。
【0035】
本開示は、ここで述べた所定の実施形態による範囲に限定されるものではない。事実、ここで述べた実施形態に加えて、他の様々な本開示の実施形態及び本開示に対する修正が、先の記述及び付随した図から当業者にとっては明白であろう。このように、そのような他の実施形態及び修正は本開示の範囲内にあるものとする。さらに、特定の目的のために、特定の環境で、特定の実施という面で本開示がここでは述べられているが、その有用性はそれに限定されるものではなく、本開示はいくつもの目的のために、いくつもの環境で、有利な方法で実施されることを当業者は認識するだろう。従って、以下で明示する請求項は、ここで述べた本開示の全範囲及び精神に鑑みて解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0036】
100 イオン注入システム
102 イオン源
104 磁気アナライザー(質量アナライザー)
106 静電スキャナー
108 コレクターマグネット
110 エンドステーション(基板ステージ)
112 基板
120 イオンビーム
122 方向
124 方向
126 走査エリア
128 端
130 領域
200 イオン注入システム
202 イオンビーム走査組立体
204 ビームライン
206 イオンビーム
206a イオンビーム
206b イオンビーム
300 イオンビーム走査組立体
302 前方レンズ
304 電極
306 電極
308 後方レンズ
310 電極
312 電極
314a 走査電極(電極)
314b 走査電極(電極)
316a 走査電極(電極)
316b 走査電極(電極)
318 走査電極の組
320 四重極静電レンズシステム
330 領域
332 基板サイド
334 イオン源サイド
336 方向
338 方向
350 電圧波形
352 電圧波形
354 電圧波形
356 電圧波形
402 イオンビーム
404 方向
406 方向
410 イオン照射エリア
412 イオン照射エリア
414 オーバーラップ領域
416 オフ基板エリア
418 オフ基板エリア
420 波形
422 波形
502 イオンビーム
510 照射エリア
512 照射基板エリア
514a オフ基板エリア
514b オフ基板エリア
518 端
520 端
522 波形
524 波形
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e