(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一の貫通孔に挿通されており、前記支持部材及び前記一の導電性部材に接触して該一の導電性部材を前記支持部材から離隔する方向へ圧縮変形させる導電性の離隔部材を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の電気装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のようなガスケットは、装置内部の放射ノイズの周波数を共振周波数からずらすために適切な位置に配置しておく必要がある。従って、放射ノイズの周波数が異なる電気装置毎に、グランド部の配設位置が異なる回路基板を用意しなければならない。換言すれば、複数種類の電気装置に対して回路基板を共通化することができない。故に、複数種類の電気装置を製造する際の部品点数が無用に増大する。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、部品の共通化を図ることができる電気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電気装置は、電気機器と、複数個のグランド部が設けられており、前記電気機器を作動させるための回路基板と、該回路基板を非接触で被覆し、前記電気機器を支持する導電性の支持部材とを備える電気装置において、前記複数個のグランド部の内の一のグランド部と前記支持部材とに電気的に接続されている一の導電性部材、及び、前記複数個のグランド部の内の他のグランド部に電気的に接続されており、前記支持部材に対して電気的に絶縁されている他の導電性部材を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る電気装置は、前記一及び他の導電性部材は夫々前記支持部材に対して非接触であり、前記支持部材に、前記一及び他の導電性部材夫々に対応する一及び他の貫通孔が設けられており、前記一の貫通孔に挿通されており、前記支持部材及び前記一の導電性部材に接触する導電性の接触部材を更に備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る電気装置は、前記他の貫通孔を閉塞する閉塞部材を更に備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る電気装置は、前記回路基板と前記支持部材との間に介在しており、内部に前記一及び他の導電性部材が配されている非導電性の一及び他のスペーサを更に備え、前記接触部材は、前記一のスペーサを貫通して前記一の導電性部材に接触していることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る電気装置は、前記一及び他の導電性部材は夫々弾性を有し、前記支持部材に、前記一及び他の導電性部材夫々に対応する一及び他の貫通孔が設けられており、前記他の貫通孔に挿通されており、前記他の導電性部材に接触して該他の導電性部材を前記支持部材から離隔する方向へ圧縮変形させる非導電性の離隔部材を更に備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る電気装置は、前記一の導電性部材は、前記支持部材に接触していることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る電気装置は、前記一の貫通孔に挿通されており、前記支持部材及び前記一の導電性部材に接触して該一の導電性部材を前記支持部材から離隔する方向へ圧縮変形させる導電性の離隔部材を更に備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る電気装置は、前記電気機器は表示パネルであり、前記回路基板は前記表示パネルに映像を表示させるためのものであり、前記支持部材は前記表示パネルの周縁部を囲繞する枠状になしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、電気装置は複数個の導電性部材と回路基板とを備える。回路基板には複数個のグランド部が設けられている。以下では、各2個の導電性部材及びグランド部を例示する。一方(又は他方)の導電性部材は、一方(又は他方)のグランド部に電気的に接続される。
電気装置の製造者は、製造すべき電気装置毎に、2個の導電性部材の何れか一方を一の導電性部材として選択する。ここで選択される導電性部材は、装置内部の放射ノイズを低減する(例えば放射ノイズの周波数を共振周波数からずらす)ために適切な位置に配されているものである。
【0016】
そして、一の導電性部材が支持部材に電気的に接続される。即ち、一の導電性部材を介して、グランド部と支持部材とが電気的に接続される。このため、支持部材は電気機器を支持する機能のみならず、回路基板に起因する放射ノイズ及び外部からの放射ノイズ等を遮蔽する機能をも有する。しかも、導電性部材は装置内部の放射ノイズの低減に寄与する。故に、電気装置に、効率のよいEMI対策が施される。
【0017】
本発明にあっては、一の導電性部材と支持部材とが、接触部材を介して電気的に接続される。このために、接触部材は、支持部材に設けられている一の貫通孔(2個の貫通孔の一方)に挿通され、一の導電性部材(2個の導電性部材の一方)と支持部材とに接触する。
仮に、支持部材に貫通孔が1個しか設けられていない場合、製造すべき電気装置毎に、互いに異なる位置に貫通孔が設けられている支持部材を用いる必要がある。換言すれば、本発明に係る電気装置の場合、複数種類の電気装置に対して支持部材を共通化することができる。
【0018】
本発明にあっては、一の貫通孔は接触部材が閉塞し、他の貫通孔は閉塞部材が閉塞する。このため、支持部材に貫通孔が設けられていることに起因する不都合の発生(例えば貫通孔を通した装置内部への異物の侵入)が抑制される。
【0019】
本発明にあっては、一のスペーサを貫通している接触部材によって、一の導電性部材と支持部材との電気的な接続を得ることができる。また、他のスペーサによって、他の導電性部材と支持部材との電気的な絶縁を確実にすることができる。そして、回路基板上の電気回路及び配線等と支持部材との接触による短絡の発生を、スペーサによって抑制することができる。
【0020】
本発明にあっては、他の導電性部材と支持部材とが、非導電性の離隔部材によって電気的に絶縁される。このために、非導電性の離隔部材は、支持部材に設けられている他の貫通孔(2個の貫通孔の他方)に挿通され、他の導電性部材(2個の導電性部材の他方)に接触する。このとき、他の導電性部材は、支持部材から離隔する方向に圧縮変形する。
【0021】
仮に、支持部材に貫通孔が1個しか設けられていない場合、製造すべき電気装置毎に、互いに異なる位置に貫通孔が設けられている支持部材を用いる必要がある。換言すれば、本発明に係る電気装置の場合、複数種類の電気装置に対して支持部材を共通化することができる。
【0022】
本発明にあっては、一の導電性部材を支持部材に接触さ
せるための部材を別途用いる必要がない。従って、部品点数を低減することができる。
【0023】
本発明にあっては、一の導電性部材と支持部材とが、導電性の離隔部材を介して電気的に接続される。このために、導電性の離隔部材は、支持部材に設けられている一の貫通孔(2個の貫通孔の一方)に挿通され、一の導電性部材(2個の導電性部材の一方)と支持部材とに接触する。このとき、一の導電性部材は、支持部材から離隔する方向に圧縮変形する。
圧縮された一の導電性部材は、弾性復元力によって、導電性の離隔部材に密着する。この結果、導電性の離隔部材を介して一の導電性部材と支持部材とを確実に電気的に接続することができる。
【0024】
本発明にあっては、電気装置を表示装置として構成することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の電気装置による場合、回路基板において互いに異なる位置に配されている2個の導電性部材の何れか一方を、製造すべき電気装置毎に、一の導電性部材として選択することができる。つまり、製造すべき電気装置毎に、互いに異なる位置に導電性部材が配されている回路基板を用いる必要がない。換言すれば、複数種類の電気装置に対して回路基板を共通化することができる。
しかも、一の導電性部材と支持部材とで、放射ノイズの低減と遮蔽とを行なうことができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。以下の説明では、図において矢符で示す上下、前後、及び左右を使用する。
【0028】
実施の形態 1.
図1及び
図2は、本発明の実施の形態1に係る電気装置としての表示装置1の構成を略示する縦断面図である。
図1及び
図2には、後述する表示パネル11の上辺部近傍の構成が示されている。更に、
図1には、表示装置1が備える第1の導電性部材41近傍の構成が示されており、
図2には、表示装置1が備える第2の導電性部材42近傍の構成が示されている。
図3A〜Cは、表示装置1の組み立て手順を説明する模式的な正面図である。
図3A〜Cには、後述する回路基板2及び上枠部321近傍の構成が示されている。
本実施の形態の表示装置1は、例えばテレビジョン受信機、電子看板、又は、パーソナルコンピュータ用のモニタ等として構成されている。
【0029】
まず、表示装置1の構成について説明する。
表示装置1は、表示パネル(電気機器)11、フレキシブル基板12、パネルシャーシ(以下、Pシャーシという)13、バックライトシャーシ(以下、BLシャーシという)14、バックライトユニット15、回路基板2、ベゼル(支持部材)3、及び、これらを、後述する表示領域を露出させた状態で収容する図示しないキャビネット等を備えている。
【0030】
表示パネル11は、矩形状の液晶表示パネルを用いてなる。表示パネル11は縦姿勢で配されている。表示パネル11は、矩形状の表示領域と、表示領域を囲繞する遮光性の矩形枠状の額縁領域とを有する。表示パネル11は、正面側のガラス基板と背面側のガラス基板とを用いてなる。2枚のガラス基板の間には液晶が封止されている。表示パネル11の表示領域の透過率は、表示パネル11の液晶に印加された電圧に応じて変化する。
以下では、主に表示パネル11の上辺部近傍の構成について説明する。
表示パネル11は、フレキシブル基板12を介して回路基板2に電気的に接続されている。
【0031】
回路基板2は、横姿勢のリジッド基板を用いてなる。回路基板2の上面には駆動回路20が実装されている。駆動回路20は、表示パネル11の液晶に印加すべき電圧を制御することによって、表示パネル11の液晶を駆動する。この結果、表示パネル11の表示領域の透過率が制御される。
回路基板2の上面には、N個のグランド部(接地電位用の配線パターン)が左右方向に並設されている。ここで、NはN≧2の自然数である。説明の簡単化のために、本実施の形態ではN=2の場合を例示する。以下では、2個のグランド部を区別するために、左側のグランド部を第1のグランド部21といい(
図1及び
図3A〜C参照)、右側のグランド部を第2のグランド部22という(
図2及び
図3A〜C参照)。
【0032】
第1のグランド部21には、第1の導電性部材41が電気的に接続されている。第2のグランド部22には、第2の導電性部材42が電気的に接続されている。本実施の形態における第1及び第2の導電性部材41,42は、第1及び第2のグランド部21,22の上面にて上向きに突設された金属部材である。
【0033】
ベゼル3は導電性を有する。本実施の形態におけるベゼル3は金属製である。ベゼル3は、表示パネル11を正面側から支持するための矩形状枠体である。ベゼル3は、板状の正面枠部31と、正面枠部31の外周縁部から後ろ向きに突出している板状の側面枠部32とを有する。正面枠部31は、表示パネル11の額縁領域に正面側から対面配置される。側面枠部32は、表示パネル11の4辺部(周縁部)を囲繞する。以下では、側面枠部32における表示パネル11の上辺部に対応する部分を上枠部321という。
【0034】
上枠部321には、N個の貫通孔が左右方向に並設されている。以下では、左側の貫通孔を第1の貫通孔31といい(
図1及び
図3A〜C参照)、右側の貫通孔を第2の貫通孔32という(
図2及び
図3A〜C参照)。第1及び第2の貫通孔31,32の前後左右方向の配置位置は、第1及び第2のグランド部21,22(更には第1及び第2の導電性部材41,42)の前後左右方向の配置位置に対応する。換言すれば、第1及び第2の導電性部材41,42は第1及び第2の貫通孔31,32の真下にある。
【0035】
第1及び第2の貫通孔31,32夫々の内面には、雌ネジ部が形成されている。このため、第1又は第2の貫通孔31,32に導電性ネジが螺合すると、このネジと上枠部321(即ちベゼル3)とが接触するため、両者は電気的に接続される。
なお、ベゼル3は、第1及び第2の貫通孔31,32夫々の内面に雌ネジ部が形成されている構成に限定されず、第1及び第2の貫通孔31,32夫々に、図示しない導電性の雌ネジ部材が嵌め込まれている構成でもよい。この場合、雌ネジ部材に導電性ネジが螺合すると、このネジと上枠部321(即ちベゼル3)とが雌ネジ部材を介して電気的に接続される。
【0036】
導電性ネジ(接触部材)51は例えば金属を用いてなり、頭部511及び雄ネジ部512を一体に有する。
閉塞用ネジ(閉塞部材)52は例えば合成樹脂を用いてなり、頭部521及び雄ネジ部522を一体に有する。
導電性ネジ51と閉塞用ネジ52とは、何れも、第1及び第2の貫通孔31,32夫々に対して着脱可能である。また、導電性ネジ51と閉塞用ネジ52とは、何れも、非透光性(遮光性又は光反射性)を有していることが望ましい。
【0037】
Pシャーシ13は、表示パネル11を背面側から支持するための矩形状枠体である。Pシャーシ13は、板状の正面枠部131と、正面枠部131の外周縁部から後ろ向きに突出している板状の側面枠部132とを有する。Pシャーシ13は、ベゼル3の正面枠部31よりも背面側、且つ、側面枠部32よりも内側に配されている。また、正面枠部31,131は対面配置され、側面枠部32,132は対面配置される。以下では、側面枠部132におけるベゼル3の上枠部321に対面配置される部分を上枠部133という。
ベゼル3の正面枠部31とPシャーシ13の正面枠部131との間には、表示パネル11が挟持される。
【0038】
ベゼル3の側面枠部32とPシャーシ13の側面枠部132とは離隔配置されている。上枠部133の上面には、回路基板2が配される。このとき、回路基板2とベゼル3の上枠部321とは対面配置される。回路基板2上の各部(駆動回路20、並びに第1及び第2の導電性部材41,42等)は、何れもベゼル3から離隔配置されている。つまり、回路基板2は、ベゼル3に非接触で被覆されている。
フレキシブル基板12は、ベゼル3とPシャーシ13との間の空隙に配されている。
【0039】
図1及び
図3Bにおいては、ベゼル3の第1の貫通孔31に導電性ネジ51が挿通してある。更に詳細には、導電性ネジ51の頭部511は上枠部321の上面側に位置し、雄ネジ部512は第1の貫通孔31に螺合して、上枠部321の下面側に突出している。雄ネジ部512の先端部は、第1の導電性部材41の先端部に接触している。この結果、導電性ネジ51を介して第1の導電性部材41(更には第1のグランド部21)とベゼル3とが電気的に接続される。
【0040】
図2及び
図3Bにおいては、ベゼル3の第2の貫通孔32を閉塞用ネジ52が閉塞している。更に詳細には、閉塞用ネジ52の頭部521は上枠部321の上面側に位置し、雄ネジ部522は第2の貫通孔32に螺合している。本実施の形態では、雄ネジ部522の先端部は、第2の導電性部材42の先端部から離隔している。このため、第2の導電性部材42は、第2のグランド部22以外(例えばベゼル3)に対し、空気を介して電気的に絶縁されている。この場合、閉塞用ネジ52は導電性であっても非導電性であってもよい。
【0041】
閉塞用ネジ52が非導電性である場合には、雄ネジ部522の先端部が第2の導電性部材42の先端部に接触していてもよい。この場合であっても、第2の導電性部材42は、第2のグランド部22以外に対し、空気を介して電気的に絶縁される。
なお、本発明の実施の形態における閉塞部材は、第1及び第2の貫通孔31,32の何れかに対して着脱不可能に取り付けられる構成でもよい。
【0042】
BLシャーシ14は皿状になしてある。BLシャーシ14は、皿の底面に相当する板状の背面部141と、皿の周面に相当する板状の周面部142とを有する。BLシャーシ14は、Pシャーシ13の正面枠部131よりも背面側、且つ、側面枠部132よりも内側に配されている。
バックライトユニット15は、光学シート群151、導光板152、反射シート153、及び図示しない光源部を有する。
【0043】
光学シート群151は、各矩形状の複数枚の光学シートが積層されてなる。光学シート群151は、表示パネル11の表示領域の背面側を覆うようにして、表示パネル11に対面配置されている。光学シート群151を構成している各光学シートは、光の拡散機能又は集光機能等を有する。
導光板152は矩形板状になしてある。導光板152は、例えばアクリル樹脂を用いてなる。導光板152の正面には、光学シート群151が密着配置されている。
導光板152は、導光板152の内部に入射した光を、導光板152の正面から出射させる。
【0044】
導光板152の内部に入射した光は、導光板152の正面を透過して導光板152の外部へ出射する。ただし、導光板152の内部に入射した光の一部が背面を透過する(即ち漏光が生じる)ことがある。
反射シート153は矩形状になしてある。反射シート153は、導光板152の背面に密着配置されて、導光板152の背面を完全に被覆している。従って、導光板152の背面からの漏光は、反射シート153にて反射し、再び導光板152の内部に入射する。
光源部は、導光板152の端面(例えば下端面)に対向配置される。
【0045】
以上のようなバックライトユニット15は、BLシャーシ14の内部に収容され、弾性部材10,10,…を介在して、Pシャーシ13の正面枠部131とBLシャーシ14の背面部141と間に挟持される。
【0046】
次に、バックライトユニット15による表示パネル11の照明について説明する。
光源部が発した光は、直接的に、又は、反射シート153にて反射することによって、導光板152の端面を透過して導光板152の内部に入射する。
導光板152の内部に入射した光は、導光板152の正面から出射する。導光板152から出射した光は、光学シート群151による拡散及び集光等を経て、表示パネル11の背面を透過し、表示パネル11の内部に入射する。
【0047】
以上のように、表示パネル11は、バックライトユニット15によって背面側から照明される。駆動回路20が液晶を駆動することによって、表示パネル11の内部に入射した光の一部が表示パネル11を透過し、残部は表示パネル11の通過を遮断される。この結果、表示パネル11の表示領域に映像が表示される。
【0048】
次に、表示装置1の製造手順について説明する。
表示装置1の製造者は、まだ導電性ネジ51及び閉塞用ネジ52、並びにキャビネットが取り付けられていない状態の表示装置1(
図3A参照。以下、ネジ未装着の表示ユニットという)を準備する。ネジ未装着の表示ユニットは、従来の表示装置の製造手順と略同様の製造手順で製造してもよい。ただし、従来の回路基板とベゼルとに替えて、第1及び第2の導電性部材41,42が取り付けられた回路基板2と、第1及び第2の貫通孔31,32が設けられたベゼル3とが用いられる。
【0049】
次いで、製造者は、第1の貫通孔31に導電性ネジ51を取り付ける(
図3B参照)。この結果、ベゼル3と第1のグランド部21とが導電性ネジ51及び第1の導電性部材41を介して電気的に接続される。このとき、第2の貫通孔32には、閉塞用ネジ52を含む何らかの部材を取り付ける必要はない。故に、ベゼル3と第2のグランド部22及び第2の導電性部材42とは電気的に接続されない。以下では、この状態を、第1状態の表示ユニットという。
次に、製造者は、例えば駆動回路20を作動させることによって、第1状態の表示ユニットのノイズ評価を行なう。
【0050】
次いで、製造者は、第1の貫通孔31に取り付けた導電性ネジ51を取り外し、第2の貫通孔32に取り付ける(
図3C参照)。この結果、ベゼル3と第2のグランド部22とが導電性ネジ51及び第2の導電性部材42を介して電気的に接続される。このとき、第1の貫通孔31には、閉塞用ネジ52を含む何らかの部材を取り付ける必要はない。故に、ベゼル3と第1のグランド部21及び第1の導電性部材41とは電気的に接続されない。以下では、この状態を、第2状態の表示ユニットという。
次に、製造者は、第1状態の表示ユニットのノイズ評価と同様にして、第2状態の表示ユニットのノイズ評価を行なう。
第1状態及び第2状態の表示ユニットの何れにおいても、駆動回路20に起因する放射ノイズは、ベゼル3によって遮蔽される。
【0051】
第1状態(又は第2状態)の表示ユニットの方が第2状態(又は第1状態)の表示ユニットよりも放射ノイズが低減されていれる場合、ベゼル3に電気的に接続すべき導電性部材は、第1の導電性部材41(又は第2の導電性部材42)であることがわかる。このような差異が生じる理由は、第1の導電性部材41(又は第2の導電性部材42)が、放射ノイズの周波数を共振周波数からずらしたことである、と考えられる。
そこで、製造者は、第1及び第2の導電性部材41,42の内、第1の導電性部材41(又は第2の導電性部材42)を選択する。そして、製造者は、第2の貫通孔32に取り付けた導電性ネジ51を取り外し、第1の貫通孔31に再び取り付ける(又は、第2の貫通孔32に取り付けた導電性ネジ51をそのままにする)。
【0052】
次いで、製造者は、第2の貫通孔32(又は第1の貫通孔31)に、閉塞用ネジ52を取り付ける(
図3B(又は
図3C)参照)。
導電性ネジ51と閉塞用ネジ52とが第1及び第2の貫通孔31,32を閉塞するため、第1及び第2の導電性部材41,42を通して、ベゼル3とPシャーシ13との間に異物が侵入することが抑制される。導電性ネジ51と閉塞用ネジ52とが共に非透光性を有している場合には、第1及び第2の導電性部材41,42を通した光漏れが抑制される。更に、閉塞用ネジ52が導電性を有している場合には、第2の貫通孔32(又は第1の貫通孔31)を通した放射ノイズの出入りが抑制される。
【0053】
図1、
図2、及び
図3Bにおいては、第1の導電性部材41及び第1の貫通孔31が、本発明の実施の形態における一の導電性部材及び一の貫通孔として機能する。また、第2の導電性部材42及び第2の貫通孔32が、本発明の実施の形態における他の導電性部材及び他の貫通孔として機能する。
図3Cにおいては、第2の導電性部材42及び第2の貫通孔32が、本発明の実施の形態における一の導電性部材及び一の貫通孔として機能する。また、第1の導電性部材41及び第1の貫通孔31が、本発明の実施の形態における他の導電性部材及び他の貫通孔として機能する。
【0054】
なお、製造者は、第1及び第2の状態の表示ユニットに対するノイズ評価を行なわなくてもよい。この場合、製造者は、第1及び第2の導電性部材41,42の何れが放射ノイズの低減に最適であるかを推定し、推定結果に基づいて、第1及び第2の導電性部材41,42の何れか一方を選択し、選択した方に導電性ネジ51が接触するよう、導電性ネジ51と閉塞用ネジ52とを第1及び第2の貫通孔31,32に取り付けてもよい。
【0055】
ネジ未装着の表示ユニットに導電性ネジ51及び閉塞用ネジ52を取り付けた後、製造者は、第1又は第2の状態の表示ユニットをキャビネットに取り付けることによって、表示装置1を組み立てる。
【0056】
以上のような表示装置1,1,…を量産する場合、表示装置1,1,…毎に、放射ノイズの低減を最適化することができる。このとき、共通の回路基板2,2,…及びベゼル3,3,…等を用いて表示装置1,1,…を製造することができる。このため、部品点数を減少させることができる。
なお、表示装置1が例えばベゼル3を備えていない場合、本発明の実施の形態に係る支持部材は、例えば導電性を有するフロントキャビネットであってもよい。
【0057】
仮に、回路基板2に第2のグランド部22(又は第1のグランド部21)が設けられておらず、ベゼル3に第2の貫通孔32(又は第1の貫通孔31)が設けられていない場合、回路基板2及びベゼル3の構成は本実施の形態のものより簡易になる。しかしながら、この場合、第1の導電性部材41(又は第2の導電性部材42)では、放射ノイズを効率的に低減することができない虞がある。
【0058】
このような問題を解消するために、第1のグランド部21が設けられている回路基板2及び第1の貫通孔31が設けられているベゼル3と、第2のグランド部22が設けられている回路基板2及び第2の貫通孔32が設けられているベゼル3とを準備し、放射ノイズの低減に適した方を選択することが考えられる。しかしながら、この場合には、一方の回路基板2及びベゼル3と他方の回路基板2及びベゼル3とを交換することが煩雑であるため、ノイズ評価を効率よく行なうことができない。その上、部品点数が増大する。
【0059】
実施の形態 2.
図4A,Bは、本発明の実施の形態2に係る電気装置としての表示装置1の組み立て手順を説明する模式的な正面図である。
図4A及び
図4Bは、
図3A及び
図3Bに対応する。
本実施の形態の表示装置1は、実施の形態1の表示装置1と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0060】
本実施の形態では、回路基板2とベゼル3の上枠部321との間に、第1及び第2のスペーサ53,54が配される。また、実施の形態1の第1及び第2の貫通孔31,32に替えて第1及び第2の貫通孔33,34を有し、実施の形態1の導電性ネジ51及び閉塞用ネジ52に替えて導電性ピン55を有する。
第1及び第2の貫通孔33,34は、実施の形態1の第1及び第2の貫通孔31,32とは異なり、内面に雌ネジ部が形成されている必要はない。
導電性ピン55は例えば金属を用いてなり、頭部551と針状の先鋭部552とを一体に有する。
【0061】
第1のスペーサ53は、非導電性及び非透光性を有し、内部に第1の導電性部材41が配される。第1のスペーサ53は、第1の導電性部材41を第1のグランド部21以外に対して電気的に確実に絶縁する。換言すれば、第1のスペーサ53は、第1の導電性部材41と第1のグランド部21とが電気的に接続することを阻害しない。
第1のスペーサ53の上部は、ベゼル3の上枠部321(更に詳細には、第1の貫通孔33の開口周縁部)に接触する。つまり、第1のスペーサ53は、第1の貫通孔33を上枠部321の下面側からする閉塞部材としても機能する。このとき、第1のスペーサ53は、異物の侵入及び光漏れを抑制する。第1のスペーサ53の下部は、回路基板2に接触する。
第1のスペーサ53の機械的強度は、回路基板2とベゼル3とを接近させるような外力に抗し、且つ、導電性ピン55の先鋭部552によって貫通し得る程度である。
【0062】
本実施の形態の第1のスペーサ53は、合成ゴム又はクッション材等を用いてなる有底筒状をなしている。第1のスペーサ53は、回路基板2の第1のグランド部21に第1の導電性部材41が取り付けられた後で、第1の導電性部材41に覆い被せられる。次いで、回路基板2がPシャーシ13に取り付けられ、更に、Pシャーシ13がベゼル3に取り付けられれば、回路基板2とベゼル3の上枠部321との間に、第1のスペーサ53が両者に接触して介在する。
第2のスペーサ54は、内部に第2の導電性部材42が配されていることを除けば、第1のスペーサ53と同様の構成である。
【0063】
図4Bにおいては、ベゼル3の第1の貫通孔33に導電性ピン55が挿通してある。更に詳細には、導電性ピン55の頭部551は上枠部321の上面側に位置し、粘着テープ56を用いて上枠部321に固定されている。一方、導電性ピン55の先鋭部552は第1の貫通孔33に遊びを有して挿通され、更に、第1のスペーサ53を貫通した状態で、上枠部321の下面側に突出している。先鋭部552の先端部は、第1の導電性部材41の先端部に接触している。この結果、導電性ピン55を介して第1の導電性部材41(更には第1のグランド部21)とベゼル3とが電気的に接続される。
【0064】
粘着テープ56は、導電性ピン55が第1又は第2の貫通孔33,34から無用に脱落することを抑制する。ただし、粘着テープ56は、例えば
製造者が外力を加えることによって、容易に取り外されるか破壊される。このため、導電性ピン55は、第1及び第2の貫通孔33,34夫々並びに第1及び第2のスペーサ53,54に対して着脱可能である。
粘着テープ56は導電性であっても非導電性であってもよい。
【0065】
第1状態及び第2状態の表示ユニット夫々のノイズ評価の際に、導電性ピン55は、実施の形態1の導電性ネジ51と同様に用いられる。つまり、まず、第1状態の表示ユニットのノイズ評価が、ベゼル3と第1のグランド部21とが導電性ピン55及び第1の導電性部材41を介して電気的に接続されている状態で行なわれる。次に、導電性ピン55の着脱が行なわれる。次いで、第2状態の表示ユニットのノイズ評価が、ベゼル3と第2のグランド部22とが導電性ピン55及び第2の導電性部材42を介して電気的に接続されている状態で行なわれる。
【0066】
その後、製造者は、第1及び第2の導電性部材41,42の内、放射ノイズを効率よく低減することができる第1の導電性部材41(又は第2の導電性部材42)を選択する。更に、製造者は、第2の貫通孔34に取り付けた導電性ピン55を取り外し、第1の貫通孔33に再び取り付ける(又は、第2の貫通孔34に取り付けた導電性ピン55をそのままにする)。
【0067】
実施の形態1では、閉塞用ネジ52を取り付ける工程が必要である。しかしながら、本実施の形態では、閉塞用部材を別途取り付ける必要はない。
なお、表示装置1は、導電性を有する閉塞用部材を別途取り付けてあってもよい。例えば、
製造者は、導電性を有する粘着テープ56,56を準備し、一方で閉塞用ネジ52を固定し、他方で第2の貫通孔34(又は第1の貫通孔33)を閉塞してもよい。
ところで、ノイズ評価を行なう場合には、粘着テープ56で導電性ピン55を固定する必要はない。このとき、粘着テープ56よりも粘着性が低く、着脱可能な着脱テープを用いて導電性ピン55を仮留めしてもよい。
【0068】
図4Bにおいては、第1の導電性部材41、第1の貫通孔33、及び第1のスペーサ53が、本発明の実施の形態における一の導電性部材、一の貫通孔、及び一のスペーサとして機能する。また、第2の導電性部材42、第2の貫通孔34、及び第2のスペーサ54が、本発明の実施の形態における他の導電性部材、他の貫通孔、及び他のスペーサとして機能する。
【0069】
以上のような表示装置1,1,…を量産する場合であっても、表示装置1,1,…毎に、放射ノイズの低減を最適化することができる。このとき、共通の回路基板2,2,…及びベゼル3,3,…等を用いて表示装置1,1,…を製造することができる。このため、部品点数を減少させることができる。
また、第1及び第2のスペーサ53,54は、回路基板2上の各部(駆動回路20、並びに第1及び第2の導電性部材41,42等)とベゼル3とが無用に電気的に接続されてしまうことを抑制する。
【0070】
なお、導電性ピン55は、先鋭部552の先端部が第1又は第2の導電性部材41,42の内部に進入することによって第1又は第2の導電性部材41,42との接触を確実にする構成でもよい。
また、導電性ピン55に替えて、雄ネジ部の先端側に先鋭部が設けられている導電性ネジが用いられてい
てもよい。この場合、ベゼル3は、第1及び第2の貫通孔33,34に替えて第1及び第2の貫通孔31,32を有していてもよい。
【0071】
実施の形態 3.
図5A,Bは、本発明の実施の形態3に係る電気装置としての表示装置1の組み立て手順を説明する模式的な正面図である。
図5A及び
図5Bは、
図3A及び
図3Bに対応する。
本実施の形態の表示装置1は、実施の形態1の表示装置1と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
本実施の形態においては、実施の形態1の第1及び第2の導電性部材41,42に替えて、第1及び第2の導電性部材43,44が備えられている。
また、本実施の形態においては、実施の形態1の導電性ネジ51及び閉塞用ネジ52に替えて、非導電性ネジ(非導電性の離隔部材)57が備えられている。
【0072】
第1の導電性部材43は、弾性を有する。故に、下向きに外力を加えられると下向きに圧縮されて弾性変形し、この外力が取り除かれると元の形状に復元する。また、第1の導電性部材43は、非透光性を有する。
このような第1の導電性部材43は、例えば非導電性を有する弾性部材431と、この弾性部材の表面を被覆する導電層432とを有する。弾性部材431は、例えば合成ゴム又はクッション材等を用いてなる。導電層432は、例えば弾性部材431の表面に積層された金属層である。
第1の導電性部材43は、第1のグランド部21に取り付けられる。
第2の導電性部材44は、第2のグランド部22に取り付けられることを除けば、第1の導電性部材43と同様の構成である。
【0073】
第1及び第2の導電性部材43,44の上部は、ベゼル3の上枠部321(更に詳細には、第1及び第2の貫通孔31,32の開口周縁部)に接触する。つまり、第1及び第2の導電性部材43,44は、第1及び第2の貫通孔31,32を上枠部321の下面側から閉塞する閉塞部材としても機能する。このとき、第1及び第2の導電性部材43,44は、異物の侵入及び光漏れを抑制する。
非導電性ネジ57は、例えば合成樹脂を用いてなり、頭部571と雄ネジ部572とを一体に有する。非導電性ネジ57は、非透光性を有する。
【0074】
図5Bにおいては、ベゼル3の第2の貫通孔32に非導電性ネジ57が挿通してある。更に詳細には、非導電性ネジ57の頭部571は上枠部321の上面側に位置し、雄ネジ部572は第2の貫通孔32に螺合して、上枠部321の下面側に突出している。この結果、雄ネジ部572は第2の導電性部材44を圧縮して、ベゼル3から第2の導電性部材44を離隔させる。即ち、非導電性ネジ57はベゼル3と第2の導電性部材44とを非接触にすることで両者の電気的な接続を断つ。故に、第2の導電性部材44はベゼル3に対して絶縁される。
【0075】
ベゼル3から離隔した第2の導電性部材44は、第2の貫通孔32を開放してしまうため、閉塞部材としては機能し得ない。その代わりに、非導電性ネジ57が第2の貫通孔32を閉塞する閉塞部材としては機能する。このとき、非導電性ネジ57は、異物の侵入及び光漏れを抑制する。
【0076】
第1状態及び第2状態の表示ユニット夫々のノイズ評価の際に、非導電性ネジ57は、実施の形態1の導電性ネジ51と略同様に用いられる。まず、第1状態の表示ユニットのノイズ評価が、第2の導電性部材44及び第2のグランド部22がベゼル3と電気的に接続されていない状態で行なわれる。次に、非導電性ネジ57の着脱が行なわれる。次いで、第2状態の表示ユニットのノイズ評価が、第1の導電性部材43及び第1のグランド部21がベゼル3と電気的に接続されていない状態で行なわれる。
【0077】
その後、製造者は、第1及び第2の導電性部材43,44の内、放射ノイズを効率よく低減することができる第1の導電性部材43(又は第2の導電性部材44)を選択する。更に、製造者は、第2の貫通孔32に取り付けた非導電性ネジ57を取り外し、第1の貫通孔31に再び取り付ける(又は、
第2の貫通孔32に取り付けた非導電性ネジ57をそのままにする)。
【0078】
実施の形態1では、閉塞用ネジ52を取り付ける工程が必要である。しかしながら、本実施の形態では、閉塞用部材を別途取り付ける必要はない。
なお、表示装置1は、導電性又は非導電性を有する閉塞用部材を別途取り付けてあってもよい。ただし、非導電性を有する閉塞用部材を別途取り付ける場合には、この閉塞用部材が第1の導電性部材43(又は第2の導電性部材44)とベゼル3との電気的な接続を切断してしまわないように注意する必要がある。
【0079】
図5Bにおいては、第1の導電性部材43及び第1の貫通孔31が、本発明の実施の形態における一の導電性部材及び一の貫通孔として機能する。また、第2の導電性部材44及び第2の貫通孔32が、本発明の実施の形態における他の導電性部材及び他の貫通孔として機能する。
【0080】
以上のような表示装置1,1,…を量産する場合であっても、表示装置1,1,…毎に、放射ノイズの低減を最適化することができる。このとき、共通の回路基板2,2,…及びベゼル3,3,…等を用いて表示装置1,1,…を製造することができる。このため、部品点数を減少させることができる。
【0081】
なお、表示ユニットにおける第1及び第2の導電性部材43,44は、回路基板2とベゼル3の上枠部321とに圧縮されて挟持される構成でも良い。この場合、第1及び第2の導電性部材43,44の弾性復元力によって、第1及び第2の導電性部材43,44がベゼル3の上枠部321に押し付けられる。このため、表示装置1において、第1及び第2の導電性部材43,44の内、非導電性ネジ57に接触していない方とベゼル3との電気的な接続が確実に行なわれる。
【0082】
実施の形態 4.
図6は、本発明の実施の形態4に係る電気装置としての表示装置1の組み立て手順を説明する模式的な正面図である。
図6は
図5Bに対応する。
本実施の形態の表示装置1は、実施の形態3の表示装置1と略同様の構成である。以下では、実施の形態3との差異について説明し、その他、実施の形態3に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
本実施の形態においては、実施の形態3の第1及び第2の導電性部材43,44に替えて、第1及び第2の導電性部材45,46が備えられている。
【0083】
第1及び第2の導電性部材45,46は、実施の形態3の第1及び第2の導電性部材43,44と同様に、弾性及び非透光性を有する。これらは、下向きに外力を加えられると下向きに圧縮されて弾性変形し、この外力が取り除かれると元の形状に復元する。ただし、第1及び第2の導電性部材43,44は、例えば金属製の板バネを用いてなる。
以上のような第1及び第2の導電性部材45,46は、実施の形態3の第1及び第2の導電性部材43,44とは形状及び材質等が異なることを除けば、第1及び第2の導電性部材43,44と同様の作用効果を奏する。
【0084】
実施の形態 5.
図7A,Bは、本発明の実施の形態5に係る電気装置としての表示装置1の組み立て手順を説明する模式的な正面図である。
図7A及び
図7Bは、
図5A及び
図5Bに対応する。
本実施の形態の表示装置1は、実施の形態3の表示装置1と略同様の構成である。以下では、実施の形態3との差異について説明し、その他、実施の形態3に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0085】
実施の形態3の表示装置1において、表示装置1の各部の寸法誤差又は位置ズレ、或いは表示装置1の設計変更等によって、非導電性ネジ57を取り付けていない状態であっても、第1及び第2の導電性部材43,44の少なくとも一方とベゼル3の上枠部321との間に空隙が存在している場合(
図7A参照)について考える。このような場合には、新たに導電性ネジ(導電性の離隔部材)58を追加すればよい。
【0086】
導電性ネジ58は、導電性を有していることを除けば、非導電性ネジ57と同様の構成である。即ち、導電性ネジ58は、例えば金属を用いてなり、頭部581と雄ネジ部582とを一体に有する。導電性ネジ58は、非透光性を有する。
図7Bにおいては、ベゼル3の第2の貫通孔32に非導電性ネジ57が挿通してあると共に、第1の貫通孔31に導電性ネジ58が挿通してある。
【0087】
この場合、第1及び第2の導電性部材43,44が、雄ネジ部582,572によって圧縮変形させられ、ベゼル3から更に離隔する。このとき、第2の導電性部材44とベゼル3との電気的な接続は確実に断たれるが、第1の導電性部材43とベゼル3とは導電性ネジ58によって電気的に確実に接続される。何故ならば、第1の導電性部材43の弾性復元力によって、第1の導電性部材43が導電性ネジ58に押し付けられるからである。
非導電性ネジ57と導電性ネジ58とは、第1又は第2の貫通孔31,32を通した異物の侵入及び光漏れを抑制する閉塞部材としても機能する。
【0088】
第1状態及び第2状態の表示ユニット夫々のノイズ評価の際には、まず、第1状態の表示ユニットのノイズ評価が、ベゼル3と第1のグランド部21とが第1の導電性部材43を介して電気的に接続され、ベゼル3と第2の導電性部材44及び第2のグランド部22とが電気的に接続されていない状態で行なわれる。次に、非導電性ネジ57及び導電性ネジ58の着脱が行なわれる。次いで、第2状態の表示ユニットのノイズ評価が、ベゼル3と第2のグランド部22とが第2の導電性部材44を介して電気的に接続され、ベゼル3と第1の導電性部材43及び第1のグランド部21とが電気的に接続されていない状態で行なわれる。
【0089】
その後、製造者は、第1及び第2の導電性部材43,44の内、放射ノイズを効率よく低減することができる第1の導電性部材43(又は第2の導電性部材44)を選択する。更に、製造者は、第1及び第2の貫通孔31,32に取り付けた導電性ネジ58と非導電性ネジ57とを交換する(又は、第1及び第2の貫通孔31,32に取り付けた導電性ネジ58と非導電性ネジ57とをそのままにする)。
本実施の形態では、閉塞用部材を別途取り付ける必要はない。
【0090】
以上のような表示装置1,1,…を量産する場合であっても、表示装置1,1,…毎に、放射ノイズの低減を最適化することができる。このとき、共通の回路基板2,2,…及びベゼル3,3,…等を用いて表示装置1,1,…を製造することができる。このため、部品点数を減少させることができる。
【0091】
本発明の実施の形態に係る電気装置は、装置の小型化又は薄型化等のために、放射ノイズの遮蔽機能と電気機器の支持機能とを共に支持部材が兼ね備える構成である。このような構成であれば、電気装置の機能又は使用目的等は限定されない。
【0092】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、請求の範囲と均等の意味及び請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
また、本発明の効果がある限りにおいて、表示装置1に、実施の形態1〜5に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
各実施の形態に開示されている構成要件(技術的特徴)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせによって新しい技術的特徴を形成することができる。