特許第6453772号(P6453772)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ タミケア リミテッドの特許一覧

特許6453772閉ループ軌道上でキャリッジ速度を変更する方法および装置
<>
  • 特許6453772-閉ループ軌道上でキャリッジ速度を変更する方法および装置 図000002
  • 特許6453772-閉ループ軌道上でキャリッジ速度を変更する方法および装置 図000003
  • 特許6453772-閉ループ軌道上でキャリッジ速度を変更する方法および装置 図000004
  • 特許6453772-閉ループ軌道上でキャリッジ速度を変更する方法および装置 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6453772
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】閉ループ軌道上でキャリッジ速度を変更する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 35/08 20060101AFI20190107BHJP
   G05D 1/02 20060101ALI20190107BHJP
   B65G 35/00 20060101ALI20190107BHJP
   B65G 35/06 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
   B65G35/08 A
   G05D1/02 X
   B65G35/00 B
   B65G35/06 B
   G05D1/02 P
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-558567(P2015-558567)
(86)(22)【出願日】2014年1月28日
(65)【公表番号】特表2016-515078(P2016-515078A)
(43)【公表日】2016年5月26日
(86)【国際出願番号】IB2014000345
(87)【国際公開番号】WO2014128557
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2017年1月26日
(31)【優先権主張番号】13/774,444
(32)【優先日】2013年2月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505196174
【氏名又は名称】タミケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ギロー,エフド
(72)【発明者】
【氏名】グリンシュパン,アダム,アイ.
(72)【発明者】
【氏名】メラメッド,リューヴェン
(72)【発明者】
【氏名】イフラー,アリエ
(72)【発明者】
【氏名】ドーバー,トーマス,コリン
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−294805(JP,A)
【文献】 特開2007−302242(JP,A)
【文献】 特開2010−262595(JP,A)
【文献】 特開平06−175723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 35/00−35/08
G05D 1/00− 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉ループ軌道を有するラインに沿った複数のキャリッジの移動を管理するための、コンピュータ速度制御システムに基づいた、方法であって、前記閉ループ軌道は、前記複数のキャリッジが定義された速度およびピッチで移動する第1のゾーンと、前記複数のキャリッジが前記第1のゾーンと比較してより速い速度およびより大きいピッチで移動する第2のゾーンと、加速ゾーンである第3のゾーンと、減速ゾーンである第4のゾーンと、を備え、前記第1のゾーンに沿って移動している前記複数のキャリッジは定義された速度およびピッチで移動していて、それと同時に、前記第2のゾーンに沿って移動している前記複数のキャリッジは定義された、より速い速度およびより大きいピッチで移動していて、少なくとも前記第1のゾーンおよび前記第2のゾーンに沿った前記複数のキャリッジの移が望まれない衝突を伴わずに同時に実行されるように、前記コンピュータ速度制御システムは前記ゾーンの各々に沿った前記キャリッジの移動を制御し、
前記コンピュータ速度制御システムは、前記閉ループ軌道に沿って前記キャリッジの位置を検出する少なくとも1つのセンサを使用して前記キャリッジの速度、ピッチ、および位置をリアルタイムで監視および制御し、前記少なくとも1つのセンサからのリアルタイムデータを回収することにより前記ラインの動作を監視し、
前記キャリッジの速度およびピッチは、
前記第1のゾーンにおける前記複数のキャリッジの速度と前記第2のゾーンにおける前記複数のキャリッジの速度との間の比率は前記第1のゾーンにおける前記複数のキャリッジのピッチと前記第2のゾーンにおける前記複数のキャリッジのピッチとの間の比率に等しく、
前記加速ゾーンにおいて、前記加速の終了時に前記複数のキャリッジの速度およびピッチが前記第2のゾーンにおける前記複数のキャリッジの速度およびピッチと一致し、したがって望まれない衝突を伴わずにスムーズで一定の通行を可能とするように、前記複数のキャリッジの速度およびピッチは変更され、
前記減速ゾーンにおいて、前記減速の終了時に前記複数のキャリッジの速度およびピッチが前記第1のゾーンのものと一致し、したがって望まれない衝突を伴わずにスムーズで一定の通行を可能とするように、前記複数のキャリッジの速度およびピッチは変更される
ように、前コンピュータ速度制御システムにより同期される、方法。
【請求項2】
前記速度およびピッチの比率は一定で前記ラインの動作の間安定している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記速度およびピッチの比率は可変的でライン動作仕様および要件の事前設定またはリアルタイム変動に従って適応可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のキャリッジは、
a.外部駆動デバイス、
b.内部駆動デバイス、および
c.前記第1のゾーンの少なくとも一部に沿って互いを押しているキャリッジ
うちの1つにより駆動される、請求項1、2、および3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のキャリッジの1つ以上に目的物を取り付けることをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
2つの隣接する目的物間の衝突を防いで小さいピッチを可能にし、したがって全体のライン長を削減するように、前記キャリッジに取り付けられた目的物の位置または方向づけを変更することをさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ラインの回転方向を変更することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
同じ軌道上を移動しているキャリッジ上で異なる工程が実行されるとき、異なる必要速度で異なる工程を容易にするために、軌道の異なるゾーンで異なる速度が目的物に取得され得る。
【0002】
閉ループのレールシステムに沿って移動しているキャリッジを有する閉ループ製造システムを使用するとき、同じ閉ループ軌道上を移動している異なるキャリッジに同時に異なる速度を得ることは、衝突が最終的に起こるので、課題となる可能性がある。
【0003】
Paclineconveyors Inc.によって生産されるようなパワーアンドフリー式コンベヤーラインに実装されるように、この要件を解決するために使われる周知の方法は機械的な移行ユニットを使用する。しかしながら、機械的な移行システムは通常本線の外部に拡張された専用軌道の追加を必要とする。加えるに、システムは比較的強固で大きく、したがって、微妙な速度同期やパラメータの素早い変更を行うことはかなり限定される。
【発明の概要】
【0004】
閉ループ軌道に沿って移動しているキャリッジまたはキャリッジのグループに異なる通行速度を提供する方法および装置が開示される。
【0005】
若干の閉ループ軌道ベースの生産ラインは、継続時間、速度、ライン長などの点で相違する異なるタイプの生産工程を可能にするように、複数の動作速度またはキャリッジ間のピッチを必要とする。
【0006】
閉ループ軌道の種々のゾーンに沿って移動しているキャリッジの速度をリアルタイムに制御、監視、および調整するための洗練された方法が同様に開示される。
【0007】
本出願は、望ましい動作仕様に設定された、柔軟な、コンピュータ化された速度およびピッチシフターを使用する新しい方法を同様に紹介する。
【0008】
速度/ピッチ設定は一定で生産工程の全体を通して安定していてもよく、あるいは、ソフトウェア駆動で、可変的で製造仕様および要件の事前設定またはリアルタイム変動に従って即座に適応可能であってもよい。
【0009】
「低速」ゾーンにおける速度と「より高速の」ゾーンにおける速度との間の比率が常に「低速」ゾーンにおけるピッチと「より高速の」ゾーンにおけるピッチとの間の比率と等しいように、キャリッジの速度およびピッチは関係付けられる。
【0010】
キャリッジの駆動および速度調整は、モータまたはピストンなどの、キャリッジの外部の駆動手段によって実行され得る。あるいは、キャリッジは内部駆動デバイスによって、自己駆動され得る。キャリッジ駆動は、あるいは当該技術分野に公知の任意の他の適切な方法により実行され得る。
【0011】
方法は、どんな形であれ、所望の工程を実行するために他のいかなる適切な手段も使用することを制限しない。
【0012】
このように、1つの実施態様で、閉ループ軌道を有するラインに沿った複数のキャリッジの移動を管理するためのコンピュータ速度制御システムに基づいた方法であって、閉ループ軌道は複数のキャリッジが定義された速度およびピッチで移動する第1のゾーンと、複数のキャリッジが第1のゾーンと比較してより速い速度およびより大きいピッチで移動する第2のゾーンと、加速ゾーンである第3のゾーンと、減速ゾーンである第4のゾーンとを備え、第1のゾーンに沿って移動している複数のキャリッジは定義された速度およびピッチで移動していて、それと同時に、第2のゾーンに沿って移動している複数のキャリッジは定義された、より速い速度およびより大きいピッチで移動していて、少なくとも第1および第2のゾーンに沿った複数のキャリッジの前記移動は衝突なく同時に実行されるように、コンピュータ制御システムはゾーンの各々に沿ったキャリッジの移動を制御し、コンピュータシステムは、キャリッジの速度、ピッチおよび位置をリアルタイムで監視および制御し、第1のゾーンにおける複数のキャリッジの速度と第2のゾーンにおける複数のキャリッジの速度との間の比率は第1のゾーンにおける複数のキャリッジのピッチと第2のゾーンにおける複数のキャリッジのピッチとの間の比率に等しく、加速ゾーンにおいて、加速の終了時に複数のキャリッジの速度およびピッチが第2のゾーンにおける複数のキャリッジの速度およびピッチと一致し、したがって衝突なくスムーズで一定の通行を可能とするように、複数のキャリッジの速度およびピッチは変更され、減速ゾーンにおいて、減速の終了時に複数のキャリッジの速度およびピッチが第1のゾーンのものと一致し、したがって衝突なくスムーズで一定の通行を可能とするように、複数のキャリッジの速度およびピッチは変更されるように、キャリッジの速度およびピッチは制御システムにより同期される、方法が提供される。
【0013】
方法の1つの実施形態で、速度およびピッチの比率は一定でラインの動作の間安定している。
【0014】
別の実施形態で、速度およびピッチの比率は可変的でライン動作仕様および要件の事前設定またはリアルタイム変動に従って適応可能である。
【0015】
上述の実施形態のいずれかで、複数のキャリッジは次のシステムの1つ、または少なくとも2つの組合せにより駆動される。(a)外部駆動デバイス、(b)内部駆動デバイス、および(c)第1のゾーンの少なくとも一部に沿って互いを押しているキャリッジ。
【0016】
別の実施形態で、方法は、複数のキャリッジの1つ以上に目的物を取り付けることをさらに備える。望ましい場合、方法は、2つの隣接した目的物間の衝突を防いで小さいピッチを可能にし、したがって全体のライン長を削減するように、キャリッジに取り付けられた目的物の位置または方向づけを変更することをさらに備える。
【0017】
別の実施形態で、方法は、ラインの回転方向を変更することをさらに備える。
【0018】
別の実施態様で、閉ループ軌道を有するラインに沿ったキャリッジの移動を管理するためのコンピュータ速度制御システムに基づいた装置が提供される。装置は、キャリッジが定義された速度およびピッチで移動している第1のゾーンを有する閉ループ軌道と、キャリッジが第1のゾーンと比較してより速い速度およびより大きいピッチで移動している第2のゾーンと、キャリッジが第2の、より高速のゾーンの速度およびピッチに合うように、第1の、より低速のゾーンから加速される第3のゾーンと、キャリッジが第1の、より低速のゾーンの速度およびピッチに合うように、第2の、より高速のゾーンから減速される第4のゾーンとを備え、キャリッジの少なくとも2つは閉ループ軌道に沿って異なる速度で同時に移動し、少なくとも1つのセンサは閉ループトラックに沿ってキャリッジの位置を検出し、制御システムは少なくとも1つのセンサからのリアルタイムデータを回収することによりライン動作を監視し、リアルタイムデータはキャリッジの速度、キャリッジの位置、キャリッジのピッチのうちの少なくとも1つに関する。
【0019】
装置の1つの実施形態で、キャリッジは内部組込みの駆動デバイスによって駆動される。
【0020】
別の実施形態で、キャリッジは外部駆動デバイスによって駆動される。
【0021】
別の実施形態で、キャリッジは関連物体を運搬する。関連物体は第1のゾーンのピッチより大きくてもよい。
【0022】
別の実施形態で、関連物体は、閉ループの少なくとも1つのゾーンで、凝縮された方式で、傾けられ、回転され、または再配置される。
【0023】
別の実施形態で、ラインの回転方向は時計回りと反時計回りとの間で変更され得る。
【0024】
本出願のいくつかの利点はソフトウェアによるシステムの即時設定を含み、ハードウェアの調整および修正の必要がない。無限数の速度およびピッチの設定が可能である。リアルタイム監視およびコンピュータ制御は高速で正確なキャリッジ移行を可能にする。システムは両方向の動作を容易にする。小規模または軽いハードウェアユニットは限られたスペースに適合し得る。
【0025】
本出願で用語「ライン」は複数のキャリッジが軌道に沿って移動するようにしている閉ループ軌道に関連している。
【0026】
本出願で用語「物体」、「成形具」、「アイテム」および「モールド」は交換可能である。
【0027】
本出願でピッチという用語は2つの隣接するキャリッジの中心間の距離に関連している。
【0028】
本出願でベルトおよびチェーンという用語は交換可能であり、通常歯付きベルト、タイミングベルト、または駆動チェーンを意味する。
【0029】
本出願で用語「移行ユニット」は「加速」および「減速」両方のゾーンを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本出願に開示された外部駆動キャリッジを含む閉ループ軌道の平面図を示す。
図2】本出願に開示された自己駆動キャリッジを含む閉ループ軌道の平面図を示す。
図3図1および図2に示す軌道の取り付けられた物体を有する2つの隣接したキャリッジの側面図を示す。
図4図1および図2に示す軌道の2つの隣接したキャリッジに取り付けられた再配置された物体の代替実施形態の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本出願の方法はコンピュータ速度制御システムに基づいている。方法は、図1および図2に示される、閉ループ軌道10に沿ったキャリッジ15の移動を管理する。閉ループ軌道10は、低速ゾーン11、加速ゾーン13、高速ゾーン12および減速ゾーン14を含み得る、少なくとも4つの異なるゾーン11、12、13、および14を含む。コンピュータ制御システム17は、低速ゾーン11に沿って移動しているキャリッジが定義された速度およびピッチで移動し、それと同時に高速ゾーン12に沿って移動しているキャリッジが定義された、より速い速度およびより大きいピッチで移動しているように、異なるゾーンに沿ったキャリッジの移動を制御する。低速ゾーン11および高速ゾーン12に沿ったキャリッジ15の移動は、同じ閉ループ軌道10上でゆっくり移動しているキャリッジとより速く移動しているキャリッジがクラッシュすることなく、同時に実行される。コンピュータシステム17は、キャリッジの速度、ピッチおよび位置を、リアルタイムで、監視および制御する。加速ゾーン13において、加速終了時にキャリッジの速度およびピッチが高速ゾーン12のキャリッジ15の速度およびピッチのものと一致するような方法で、キャリッジ15の速度およびピッチが変更されるように、キャリッジの速度およびピッチは制御システム17によって同期される。低速ゾーン11における速度と高速ゾーン12における速度と間の比率が低速ゾーン11におけるピッチと高速ゾーン12におけるピッチとの間の比率に等しいように、キャリッジ15の速度およびピッチは関係付けられる。例えば、もし高速ゾーン12における速度が低速ゾーン11における速度の3倍に等しければ、高速ゾーン12におけるピッチは低速ゾーン11におけるピッチの3倍に等しい。
【0032】
本システムは、衝突なくスムーズで一定の通行を可能にする。減速ゾーン13において、減速終了時にキャリッジの速度およびピッチが低速ゾーン11の速度およびピッチに一致し、したがって衝突なくスムーズで一定の通行を可能とするように、キャリッジ15の速度およびピッチは変更される。
【0033】
図1に示される、1つの実施形態で、キャリッジ15は、モータにより駆動される、ベルト、またはチェーン、またはプーリなどの外部駆動デバイス18によって駆動される。ピストンまたは任意の他の適切な駆動デバイスがキャリッジ15を駆動するために使用可能である。この実施形態で、方法は、低速ゾーン11および高速ゾーン12の両方と同期するステップも備える。加速の間に、移行ユニットは低速ゾーン11の速度と最初に同期し、キャリッジ15をピックアップし、加速し、高速ゾーン12と速度を同期させ、高速ゾーン12に同期された速度でキャリッジを転送する。減速の間に、移行ユニットは高速ゾーン12の速度と最初に同期し、キャリッジ15をピックアップし、減速し、低速ゾーン11の速度と同期し、低速ゾーン11に同期された速度でキャリッジを転送する。
【0034】
図2に示される、別の実施形態で、キャリッジ15はキャリッジのひとつひとつに組み込まれたモータなどの、しかしこれに限定されない、内部駆動デバイス21によって自己駆動される。
【0035】
さらに別の実施形態で、キャリッジは低速ゾーン11の少なくとも一部に沿って互いを押す。
【0036】
さらに別の実施形態で、方法は、時計回りまたは反時計回りの両方の方向または設定で同じ閉ループラインを使用するステップを備える。
【0037】
さらに別の実施形態で、方法は、ピッチの削減が取り付けられた目的物間のクラッシュを起こし得るほどキャリッジに取り付けられた目的物が大きすぎる場合、クラッシュを防ぐように取り付けられた物体または目的物の位置または方向づけを変更する追加のステップを備える。
【0038】
図1に示されるように、ラインが動作モードであるとき、ライン100は閉ループ軌道10に沿って異なる速度で同時に移動している少なくとも2つのキャリッジ15を含む。例えば、第1の、低速ゾーン11のキャリッジは、15秒で1メートルの速度またはおよび20センチメートルのピッチで移動し、他方、第2の、より高速のゾーン12におけるキャリッジ15は3秒で1メートルの速度で、または低速ゾーンにおけるキャリッジよりも5倍速く)、および100センチメートルの(低速ゾーンにおけるピッチよりも5倍大きい)ピッチで移動する。
【0039】
高速ゾーンとすることができる第2のゾーン12で、キャリッジ15はより速い速度およびより大きいピッチで移動する。
【0040】
第3のゾーン13は、高速ゾーン12の速度およびピッチに合わせるためにキャリッジ15が低速ゾーン11から加速される加速ゾーンとすることができる。減速ゾーンとすることができる第4のゾーン14で、キャリッジ15は低速ゾーン11の速度およびピッチに合わせるために高速ゾーン12から減速される。
【0041】
ライン100は1つ以上のセンサ16をさらに含む。センサ16は、閉ループ10に沿ってキャリッジ15の位置を検出する。センサ16は、近接センサ、磁気センサ、光センサ、ビジョンシステム、または任意の他の適切なセンシングデバイスなどの、しかしこれらに限定されない、当該技術分野に公知の任意のセンシングデバイスとすることができる。
【0042】
ライン100は、閉ループ10上のキャリッジ15の状態に関するリアルタイムデータをセンサ16から回収することによりライン100の動作を監視する制御システム17をさらに備える。制御システム17は、キャリッジ外部または内部の駆動システムにコマンドを送ることにより、軌道10の異なるゾーンに沿ったキャリッジ15の加速、減速およびピッチも制御する。実施例のコンピュータ制御システムは、GE、三菱、パナソニック、安川電機およびその他により製造される、産業用のPLC、PACおよび動き制御装置であるが、これらに限定されない。適切な制御装置の1つの例はGEによる「PACMotion Multi−Axis Motion Controller」である。
【0043】
図1に示される、1つの実施形態で、ライン100は独自の駆動デバイス18を有する移行ユニットを同様に含み得る。駆動デバイスは低速ゾーンおよび高速ゾーン11、12の両方と同期することが可能である。実施例の駆動デバイス18および19は、可変速度モータ、サーボモータ、ステッピングモータ、ピストン、プーリ、ベルト、あるいは任意の他の適切な駆動デバイスを含み得るが、これらに限定されない。加速の間に、移行ユニットは低速ゾーン11の速度と最初に同期し、キャリッジ15をピックアップし、加速し、高速ゾーン12の速度と同期し、高速ゾーン12に同期された速度でキャリッジを転送する。減速の間に、移行ユニットは高速ゾーン12の速度と最初に同期し、キャリッジをピックアップし、減速し、低速ゾーン11の速度と同期し、低速ゾーン11に同期された速度でキャリッジを転送する。
【0044】
外部駆動デバイス18および19へ/からのキャリッジ15の係合および係合解除を可能とし、閉ループ軌道10のゾーンに沿って、隣接したベルトなどの、別のまたは次の駆動デバイスにインターフェース接続するまたは切り替わることを可能にするように、キャリッジ15と外部駆動デバイス18および19との間の連結部またはインターフェース20が提供される。
【0045】
別の実施形態で、図2に示されるように、ライン100はキャリッジ15に組み込まれた駆動デバイス21を含む。実施例の駆動デバイス21は可変速度モータ、サーボモータ、プーリ、または任意の種類のエンジンもしくは自己推進手段を含み得るが、これらに限定されない。組込み駆動デバイス21は制御システム17によって遠隔的に制御され得る。
内部駆動デバイス21は必要に応じて閉ループ10の任意のゾーンに沿ってキャリッジ15を押すか、引くかまたは駆動できる。
【0046】
さらに別の実施形態で、キャリッジ15はそれに取り付けられた関連物体22を含み得る。可能な関連物体は、例えば、モールド、加工物成形具、または任意の他の運搬される目的物とすることができる。物体22は第1のまたは低速ゾーン11のセグメントのいずれにおけるピッチよりも大きくてもよい。
【0047】
図4に示される、さらにもう1つの実施形態で、取り付けられた物体22は傾けられ、回転され、または再配置される。この実施形態で、キャリッジ15間の距離は物体22より小さい、またはキャリッジ間の隙間はクラッシュすることなく物体を収容するには小さすぎる。したがって物体22は、例えば、傾斜した位置に、または衝突なく前述の小さいピッチで移動を可能とする任意の他の適当な位置に物体を置くことにより、いっそう凝縮された方式で再配置され得る。
【0048】
前述の再配置は、より高速のゾーンで行なわれる別の工程の間により高速の移動または特定の物体の方向づけが必要とされる場合に備えて、またはある一定の工程のタイミングを満たすために速い速度でのキャリッジ移動が必要とされる場合に備えて、より大きいピッチでの移動をまだ可能としながら、乾燥工程が必要とされる、炉の長さを短くするために効果的であり得る。
図1
図2
図3
図4