【実施例】
【0048】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の例示にすぎず、本発明は以下の実施例のみに限定されない。
実施例および比較例においては、得られた複合樹脂粒子、発泡粒子および発泡成形体を次のようにして評価した。
なお、実施例8〜11は、参考例である。
【0049】
<ポリエチレン系樹脂粒子(種粒子)の酢酸ビニル含有率>
試料を0.1〜0.5mg精秤し、キューリー点が445℃の強磁性金属体(パイロホイル:日本分析工業株式会社製)に圧着するように包み、キューリーポイントパイロライザーJPS−700型(日本分析工業製)装置にて分解させて生成した酢酸をガスクロマトグラフGC7820(アジレント・テクノロジー株式会社製)(検出器:FID)を用いて測定し、ピーク面積を使用して予め準備した絶対検量線より算出する。
[熱分解条件]
・加熱(445℃−5sec)
・オーブン温度(300℃)
・ニードル温度(300℃)
[GC測定条件]
・カラム(EC−5(φ0.25mm×30m(膜厚0.25μm)):GRACE社製)
・GCオーブン昇温条件:初期温度 50℃(0.5min保持)
第1段階昇温速度 10℃/min(200℃まで)
第2段階昇温速度 20℃/min(290℃まで)
最終温度 320℃(0.5min保持)
・キャリアーガス(He)
・He流量(25mL/min)
・注入口圧力(100kPa)
・注入口温度(300℃)
・検出器温度(300℃)
・スプリット比(1/30)
検量線作成用標準試料は、酢酸ビニル含有率=4%の日本ポリエチレン株式会社製 EVA樹脂 ノバテックLV−115を使用する。
【0050】
<複合樹脂粒子のゲル分率>
ゲル分率(質量%)の測定は、以下のように行う。
200mLナスフラスコに複合樹脂粒子1.0gを精秤し、トルエン100mLと沸騰石0.03gを加え、冷却管を装着し、130℃に保ったオイルバスに浸けて24時間還流後、ナスフラスコ内の溶解液が冷めないうちに80メッシュ(線径φ0.12mm)金網にて濾過する。樹脂不溶物がある金網を真空オーブンにて1時間乾燥させた後、ゲージ圧で−0.06MPaで2時間乾燥させてトルエンを除去し、室温まで冷却後、金網上の不溶樹脂質量を精秤する。ゲル分率(質量%)は、以下の算出式により求める。
ゲル分率(質量%)=金網上の不溶樹脂質量(g)/試料質量(g)×100
【0051】
<複合樹脂粒子の平均粒子径>
平均粒子径とはD50で表現される値である。
具体的には、ロータップ型篩振とう機(飯田製作所製)を用いて、篩目開き4.00mm、3.35mm、2.80mm、2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.40mm、1.18mm、1.00mm、0.85mm、0.71mm、0.60mm、0.50mm、0.425mm、0.355mm、0.300mm、0.250mm、0.212mm及び0.180mmのJIS標準篩(JIS Z8801−1:2006)で試料約25gを10分間分級し、篩網上の試料質量を測定する。得られた結果から累積質量分布曲線を作成し、累積質量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径とする。
【0052】
<複合樹脂粒子のポリスチレン系樹脂のZ平均分子量(Mz)及び重量平均分子量(Mw)>
ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量(Mz)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した、ポリスチレン換算平均分子量を意味する。以下では、発泡成形体におけるポリスチレン系樹脂の各種平均分子量の測定法を説明しているが、発泡成形体は、複合樹脂粒子の集合体であり、複合樹脂粒子から発泡成形体を製造するまでの工程により各種平均分子量は変化しないため、複合樹脂粒子、発泡性粒子及び予備発泡粒子の各種平均分子量は、発泡成形体のものと同じである。
まず、スライサー(富士島工機社製FK−4N)にて発泡成形体を厚さ0.3mm、長さ100mm、幅80mmにスライスし、これを分子量測定用試料として扱う。具体的には、試料3mgをテトラヒドロフラン(THF)10mLにて24時間静置して完全溶解させ、得られた溶液をGL社製非水系0.45μmのクロマトディスク(13N)にて濾過した上で次の測定条件にてクロマトグラフを用いて測定し、予め作成しておいた標準ポリスチレンの検量線から試料の平均分子量を求める。また、その時点で完全溶解していない場合は、更に24時間静置毎(合計72時間まで)に完全溶解しているか否かを確認し、72時間後に完全溶解できない場合は、試料に架橋成分が含まれていると判断し、溶解した成分の分子量を測定する。
【0053】
(測定条件)
使用装置:東ソー社製 HLC−8320GPC EcoSECシステム(RI検出器内蔵)
ガードカラム:東ソー社製 TSKguardcolumn SuperHZ−H(4.6mmI.D.×2cm)×1本
カラム:東ソー社製 TSKgel SuperHZM−H(4.6mmI.D.×15cm)×2本
カラム温度:40℃
システム温度:40℃
移動相:THF
移動相流量:サンプル側ポンプ=0.175mL/min
リファレンス側ポンプ=0.175mL/min
検出器:RI検出器
試料濃度:0.3g/L
注入量:50μL
測定時間:0−25min
ランタイム:25min
サンプリングピッチ:200msec
【0054】
(検量線の作成)
検量線用標準ポリスチレン試料は、東ソー社製、商品名「TSK standard POLYSTYRENE」の重量平均分子量が、5,480,000、3,840,000、355,000、102,000、37,900、9,100、2,630、500のものと、昭和電工社製、商品名「Shodex STANDARD」の重量平均分子量が1,030,000のものを用いる。
上記検量線用標準ポリスチレン試料をグループA(1,030,000)、グループB(3,840,000、102,000、9,100、500)及びグループC(5,480,000、355,000、37,900、2,630)にグループ分けした後、グループAを5mg秤量後THF20mLに溶解し、グループBも各々5〜10mg秤量後THF50mLに溶解し、グループCも各々1mg〜5mg秤量後THF40mLに溶解した。標準ポリスチレン検量線は、作成したA、B、及びC溶液50μLずつを注入して測定後に得られた保持時間から較正曲線(三次式)をHLC−8320GPC専用データ解析プログラムGPCワークステーション(EcoSEC−WS)にて作成することにより得られ、その検量線を用いて平均分子量を算出する。
【0055】
<発泡粒子の嵩密度及び嵩倍数>
予備発泡粒子の嵩密度は、下記の要領で測定する。
まず、予備発泡粒子をメスシリンダに500cm
3の目盛りまで充填する。但し、メスシリンダを水平方向から目視し、予備発泡粒子が一粒でも500cm
3の目盛りに達していれば、充填を終了する。次に、メスシリンダ内に充填した予備発泡粒子の質量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その質量をW(g)とする。次式により予備発泡粒子の嵩密度を算出する。
嵩密度(kg/m
3)=W÷500×1000
嵩密度の逆数の1000倍が嵩倍数である。
【0056】
<発泡成形体の密度及び発泡倍数>
発泡成形体の密度は、JIS A9511:1995「発泡プラスチック保温板」記載の方法で測定する。
得られた発泡成形体から10cm×10cm×3cm(300cm
3)の試験片を切り出し、その質量W(g)を小数以下2位で秤量する。
得られた発泡成形体の質量Wおよび発泡成形体の体積から、次式により、発泡倍数(倍)を算出する。
発泡成形体の密度(kg/m
3)=W÷300×1000
密度の逆数の1000倍が倍数である。
【0057】
<発泡成形体の圧縮強度>
JIS K6767:1999「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」記載の方法により測定する。すなわち、テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)、万能試験機データ処理UTPS−237(ソフトブレーン社製)を用いて、試験体サイズは50×50×厚み25mm(加圧面側のみにスキン面あり)で圧縮速度を10.0mm/min(1分あたりの移動速度ができるだけ試験片厚さの50%に近い速度)とする。厚みの10%圧縮時の圧縮応力(MPa)を測定する。試験片の数は3個とし、JIS K7100:1999「プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気」の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下で16時間かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下で測定する。
圧縮応力は次式により算出する。
σ
10 = F
10/A
0
σ
10 : 圧縮応力(MPa)
F
10 : 10%変形時の荷重(N)
A
0 : 試験片の初めの断面積(mm
2)
【0058】
<発泡成形体の曲げ強度及び曲げ破断点変位>
曲げ強度、及び曲げ破断点変位量はJIS K7221−1:2006「硬質発泡プラスチック−曲げ試験−第1部:たわみ特性の求め方」記載の方法により測定する。すなわち、テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)、万能試験機データ処理ソフトUTPS−237(ソフトブレーン社製)を用いて、試験片サイズは幅25×長さ130×厚み20mm(加圧面側のみにスキン面あり)で、試験速度を10mm/min、加圧くさび5R、支持台5Rとして支点間距離100mmで、試験片のスキンを持たない面が伸びるように加圧し測定する。試験片の数は5個とし、JIS K7100:1999「プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気」の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下で16時間かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下で測定する。
曲げ強さ(MPa)は次式により算出する。
R =(1.5F
R×L/bd
2)×10
3
R :曲げ強さ(MPa)
F
R:最大荷重(kN)
L :支点間距離(mm)
b :試験片の幅(mm)
d :試験片の厚さ(mm)
この試験において、破断検出感度を0.5%に設定し、直前荷重サンプリング点と比較して、その減少が設定値0.5%(たわみ量:30mm)を超えた時、直前のサンプリング点を曲げ破断点変位量(mm)として測定し、試験数5の平均を求める。
【0059】
得られた曲げ破断点変位量を次の基準で評価する。曲げ破断点変位量が大きいほど発泡成形体の柔軟性が大きいことを示す。
○(良) :曲げ破断点変位量が15mm以上
△(可) :曲げ破断点変位量が12mm以上15mm未満の範囲
×(不可):曲げ破断点変位量が12mm未満
【0060】
<発泡成形体の落球衝撃値>
JIS K7211:1976「硬質プラスチックの落錘衝撃試験方法通則」に記載の方法に準拠して落球衝撃強度を測定する。
得られた発泡成形体を温度50℃で1日間乾燥した後、この発泡成形体から40mm×215mm×20mm(厚さ)の試験片(6面とも表皮なし)を切り出す。
次いで、支点間の間隔が150mmになるように試験片の両端をクランプで固定し、重さ321gの剛球を所定の高さから試験片の中央部に落下させて、試験片の破壊の有無を観察する。
試験片5個が全数破壊する最低の高さから全数破壊しない最高の高さまで5cm間隔で剛球の落下高さ(試験高さ)を変えて試験して、落球衝撃値(cm)、すなわち50%破壊高さを次の計算式により算出する。
【0061】
H50=Hi+d[Σ(i・ni)/N±0.5]
式中の記号は次のことを意味する。
H50 :50%破壊高さ(cm)
Hi :高さ水準(i)が0のときの試験高さ(cm)であり、試験片が破壊することが予測される高さ
d :試験高さを上下させるときの高さ間隔(cm)
i :Hiのときを0とし,1つずつ増減する高さ水準(i=…−3、−2、−1、0、1、2、3…)
ni :各水準において破壊した(又は破壊しなかった)試験片の数で、いずれか多いほうのデータを使用(同数の場合はどちらを使用してもよい)
N :破壊した(又は破壊しなかった)試験片の総数(N=Σni)で、いずれか多いほうのデータを使用(同数の場合はどちらを使用してもよい)
±0.5:破壊したデータを使用するときは負の数、破壊しなかったデータを使用するときは正の数を採用
【0062】
得られた落球衝撃値を次の基準で評価する。落球衝撃値が大きいほど発泡成形体の耐衝撃性が大きいことを示す。
○(良) :落球衝撃値が30cm以上
△(可) :落球衝撃値が20cm以上30cm未満の範囲
×(不可):落球衝撃値が20cm未満
【0063】
<発泡成形体の加熱寸法変化率:耐熱性評価>
JIS K6767:1999「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」に記載のB法にて加熱寸法変化率を測定する。
得られた発泡成形体を温度50℃で1日間乾燥した後、この発泡成形体から試験片150×150×30mm(厚さ)を切り出し、その中央部に縦および横方向にそれぞれ互いに平行に3本の直線を50mm間隔になるよう記入し、80℃の熱風循環式乾燥機の中に168時間置いた後に取出し、標準状態の場所に1時間放置後、縦および横線の寸法を下記式によって測定する。
S=(L0−L1)/L0×100
式中、Sは加熱寸法変化率(%)、L1は加熱後の平均寸法(mm)、L0は初めの平均寸法(mm)をそれぞれ表す。
【0064】
得られた加熱寸法変化率Sを次の基準で評価する。
○:0≦S<1.5(寸法変化率が低く、寸法の安定性が良好)
△:1.5≦S<3(寸法の変化がみられるものの、実用上使用可能)
×:S≧3(寸法の変化が著しくみられ、実用上使用不可能)
【0065】
<発泡成形体の燃焼速度:遅燃性評価>
米国自動車安全基準FMVSS302に準拠した方法で燃焼速度を測定する。
300×400×30mm(厚さ)の成形品から350mm×100mm×12mm(厚み)試験片を切り出し、少なくとも350mm×100mmの二面には表皮が存在するものとする。
得られた燃焼速度を次の基準で評価する。
○: 80mm/min以下
△: 100mm/min以下
×: 100mm/minを超える
【0066】
(実施例1)
(複合樹脂粒子の作製)
(種粒子の作製)
低密度ポリエチレン系樹脂(LDPE(1):密度923kg/m
3、融点112℃、MFR0.3g/10分、日本ポリエチレン株式会社製、品名:ノバテックLD LF122)100質量部およびエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA(1):酢酸ビニル含有率15%、融点89℃、MFR1.0g/10分、日本ポリエチレン株式会社製、品名:ノバテックEVA LV430)67質量部とをタンブラーミキサーに投入し、10分間混合した。
【0067】
次いで、得られた樹脂混合物を単軸押出機(株式会社星プラスチック製、型式:CER40Y 3.7MB−SX、口径40mmφ、ダイスプレート:口径1.5mm)に供給して、温度230〜250℃で溶融混練し、ストランドカット方式によりファンカッター(株式会社星プラスチック製、型式:FCW−110B/SE1−N)にて円筒状0.40〜0.60mg/個(平均0.5mg/個)に切断し、ポリエチレン系樹脂よりなる種粒子4000gを得た。種粒子の酢酸ビニル含有率を測定し、表1に示す。
【0068】
(複合樹脂粒子の作製)
次に、撹拌機付の5リットルのオートクレーブに、ピロリン酸マグネシウム20g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.15gを純水1900gに分散させて分散用媒体を得た。
分散用媒体に温度30℃で得られた種粒子600gを分散させて10分間保持し、次いで温度60℃に昇温して懸濁液を得た。
更に、得られた懸濁液に、重合開始剤としてジクミルパーオキサイドを0.31g溶解させたスチレン単量体260gを30分かけて滴下した。滴下後、30分間保持することで、種粒子中にスチレン単量体を含浸させた。含浸後、温度130℃に昇温し、この温度で1時間40分重合(第1重合)させた。
【0069】
次に、温度90℃に下げた懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.65gを純水100gに溶解した水溶液を投入した後、ベンゾイルパーオキサイドを3.03g、t−ブチルパーオキシベンゾエートを0.28g、ジクミルパーオキサイドを5.34g、及び油溶性重合禁止剤として2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)を0.06g溶解させたスチレン単量体400gを2時間かけて滴下した。その後、スチレン単量体740gを2時間かけて滴下した。スチレン単量体合計量は、種粒子100質量部に対して、233質量部とした。滴下後、気泡調整剤としてエチレン・ビスステアリン酸アマイド8.0gを投入し、温度90℃で1時間30分保持することで、種粒子中にスチレン単量体を含浸させた。含浸後、温度143℃に昇温し、この温度で2時間保持して重合(第2重合)させた。この重合の結果、複合樹脂粒子2000gを得ることができた。
【0070】
(発泡性粒子の作製)
次いで、温度30℃以下まで冷却し、オートクレーブから複合樹脂粒子を取り出した。複合樹脂粒子2kgと水2リットルとドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.50gを、5リットルの撹拌機付オートクレーブに入れた。更に、発泡剤としてブタン(n−ブタン:イソブタン=7:3(質量比))520ミリリットル(300g)をオートクレーブに入れた。この後、温度70℃に昇温し、3時間撹拌を続けることで発泡性粒子2200gを得た。
その後、30℃以下まで冷却して、発泡性粒子をオートクレーブから取り出し、脱水乾燥させた。
得られた発泡性粒子について、物性を測定・評価した。それらの結果を表1に示す。
【0071】
(発泡粒子及び発泡成形体の作製)
次いで、得られた発泡性粒子を水蒸気で嵩密度25.0kg/m
3に予備発泡させることで、発泡粒子を得た。
得られた発泡粒子について、物性を測定・評価した。それらの結果を表1に示す。
得られた発泡粒子を1日間室温(23℃)に放置した後、400mm×300mm×30mmの大きさの成形用金型に入れた。
その後、0.075MPaの水蒸気を40秒間導入して加熱し、次いで、発泡成形体の面圧が0.01MPaに低下するまで冷却することで、密度25.0kg/m
3(発泡倍数40倍)の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の外観及び融着は共に良好であった。
得られた発泡成形体について、物性を測定・評価した。それらの結果を表1に示す。
【0072】
(実施例2)
実施例1と同様にして、種粒子、複合樹脂粒子、発泡性粒子及び発泡粒子を得、それらの物性を測定・評価した。
発泡成形体の作製において、0.07MPaの水蒸気を35秒間導入して加熱し、次いで、発泡成形体の面圧が0.01MPaに低下するまで冷却すること以外は、実施例1と同様にして密度20.0kg/m
3(発泡倍数50倍)の発泡成形体を得、その物性を測定・評価した。
得られた結果を表1に示す。
【0073】
(比較例1)
種粒子の作製において、EVA(1)を用いないこと以外は、実施例1と同様にして、種粒子、複合樹脂粒子、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体を得、それらの物性を測定・評価した。
得られた結果を表1に示す。
【0074】
(比較例2)
種粒子の作製において、EVA(1)を用いないこと以外は、実施例1と同様にして、種粒子、複合樹脂粒子、発泡性粒子及び発泡粒子を得、それらの物性を測定・評価した。
発泡成形体の作製において、0.09MPaの水蒸気を35秒間導入して加熱し、次いで、発泡成形体の面圧が0.01MPaに低下するまで冷却すること以外は、実施例1と同様にして密度20.0kg/m
3(発泡倍数50倍)の発泡成形体を得、その物性を測定・評価した。
得られた結果を表1に示す。
【0075】
(比較例3)
種粒子の作製において、LDPE(1)の代わりに直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(LLDPE:密度924kg/m
3、融点121℃、MFR0.5g/10分、東ソー株式会社製、品名:ニポロン−L T140A)を用い、EVA(1)の代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA(4):酢酸ビニル含有率15%、密度936kg/m
3、融点88℃、MFR3.0g/10分、東ソー株式会社製、品名:ウルトラセン626)を用いること以外は、実施例1と同様にして、種粒子、複合樹脂粒子、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体を得、それらの物性を測定・評価した。
得られた結果を表1に示す。
【0076】
(実施例3)
種粒子の作製において、EVA(1)の代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA(2):酢酸ビニル含有率19%、密度939kg/m
3、融点86℃、MFR2.5g/10分、ハンファケミカル社製、品名:EVA2319)を用い、ポリエチレン系樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体=79/21及び種粒子/ポリスチレン系樹脂=40/60とすること、及び複合樹脂粒子の作製時に、純水1900gに水溶性重合禁止剤として亜硝酸ナトリウムを0.1g添加したこと以外は、実施例1と同様にして、種粒子、複合樹脂粒子、発泡性粒子及び発泡粒子を得、それらの物性を測定・評価した。
発泡成形体の作製において、0.075MPaの水蒸気を40秒間導入して加熱し、次いで、発泡成形体の面圧が0.01MPaに低下するまで冷却すること以外は、実施例1と同様にして密度33.3kg/m
3(発泡倍数30倍)の発泡成形体を得、その物性を測定・評価した。
得られた結果を表2に示す。
【0077】
(実施例4)
種粒子の作製において、ポリエチレン系樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体=68/32とすること以外は、実施例3と同様にして、種粒子、複合樹脂粒子、発泡性粒子及び発泡粒子を得、それらの物性を測定・評価した。
発泡成形体の作製において、0.070MPaの水蒸気を35秒間導入して加熱し、次いで、発泡成形体の面圧が0.01MPaに低下するまで冷却すること以外は、実施例1と同様にして密度33.3kg/m
3(発泡倍数30倍)の発泡成形体を得、その物性を測定・評価した。
得られた結果を表2に示す。
【0078】
(実施例5)
種粒子の作製において、ポリエチレン系樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体=58/42とすること以外は、実施例3と同様にして、種粒子、複合樹脂粒子、発泡性粒子及び発泡粒子を得、それらの物性を測定・評価した。
発泡成形体の作製において、0.070MPaの水蒸気を35秒間導入して加熱し、次いで、発泡成形体の面圧が0.01MPaに低下するまで冷却すること以外は、実施例1と同様にして密度33.3kg/m
3(発泡倍数30倍)の発泡成形体を得、その物性を測定・評価した。
得られた結果を表2に示す。
【0079】
(比較例4)
種粒子の作製において、EVA(2)を用いず、種粒子/ポリスチレン系樹脂=40/60とすること以外は、実施例3と同様にして、種粒子、複合樹脂粒子、発泡性粒子及び発泡粒子を得、それらの物性を測定・評価した。
発泡成形体の作製において、0.09MPaの水蒸気を35秒間導入して加熱し、次いで、発泡成形体の面圧が0.01MPaに低下するまで冷却すること以外は、実施例1と同様にして密度33.3kg/m
3(発泡倍数30倍)の発泡成形体を得、その物性を測定・評価した。
得られた結果を表2に示す。
【0080】
(比較例5)
種粒子の作製において、LDPE(1)の代わりにLLDPEを用い、EVA(2)の代わりにEVA(4)を用い、ポリエチレン系樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体=73/27及び種粒子/ポリスチレン系樹脂=40/60とすること以外は、実施例3と同様にして、種粒子、複合樹脂粒子、発泡性粒子及び発泡粒子を得、それらの物性を測定・評価した。
発泡成形体の作製において、0.09MPaの水蒸気を35秒間導入して加熱し、次いで、発泡成形体の面圧が0.01MPaに低下するまで冷却すること以外は、実施例1と同様にして密度33.3kg/m
3(発泡倍数30倍)の発泡成形体を得、その物性を測定・評価した。
得られた結果を表2に示す。
【0081】
(実施例6)
種粒子の作製において、LDPE(1)の代わりに低密度ポリエチレン系樹脂(LDPE(2):密度928kg/m
3、融点115℃、MFR0.7g/10分、日本ポリエチレン株式会社製、品名:ノバテックLD LF280H)を用い、EVA(1)の代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA(3):酢酸ビニル含有率28%、密度950kg/m
3、融点69℃、MFR20.0g/10分、株式会社NUC製、品名:DQDJ−3269)を用い、ポリエチレン系樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体=71/29及び種粒子/ポリスチレン系樹脂=22/78とすること以外は、実施例3と同様にして、種粒子、複合樹脂粒子、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体を得、それらの物性を測定・評価した。
得られた結果を表3に示す。
【0082】
(実施例7)
種粒子の作製において、ポリエチレン系樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体=66/34とすること以外は、実施例6と同様にして、種粒子、複合樹脂粒子、発泡性粒子及び発泡粒子を得、それらの物性を測定・評価した。
発泡成形体の作製において、0.070MPaの水蒸気を35秒間導入して加熱し、次いで、発泡成形体の面圧が0.01MPaに低下するまで冷却すること以外は、実施例1と同様にして密度25.0kg/m
3(発泡倍数40倍)の発泡成形体を得、その物性を測定・評価した。
得られた結果を表3に示す。
【0083】
(比較例6)
種粒子の作製において、LDPE(1)の代わりにLDPE(2)を用い、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA(3))を用いず、種粒子/ポリスチレン系樹脂=22/78とすること以外は、実施例4と同様にして、種粒子、複合樹脂粒子、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体を得、それらの物性を測定・評価した。
得られた結果を表3に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】
表1〜3の結果から、実施例1〜7の複合樹脂粒子は、難燃剤を添加することなしに、耐衝撃性及び遅燃性に優れた発泡成形体を与え得ることがわかる。
一方、比較例1〜6の複合樹脂粒子は、実施例1〜7の複合樹脂粒子に劣ることがわかる。
【0088】
(実施例8)
種粒子の作製において、ポリエチレン系樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体=83/17とすること以外は、実施例1と同様にして、種粒子(酢酸ビニル含有率2.6質量%)、複合樹脂粒子、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体を得、それらの物性を測定・評価した。
得られた結果を表4に示す。
【0089】
(実施例9)
種粒子の作製において、EVA(1)の代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA(2):酢酸ビニル含有率19%、密度939kg/m
3、融点86℃、MFR2.5g/10分、ハンファケミカル社製、品名:EVA2319)を用い、ポリエチレン系樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体=45/55とすること以外は、実施例1と同様にして、種粒子(酢酸ビニル含有率10.5質量%)、複合樹脂粒子、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体を得、それらの物性を測定・評価した。
得られた結果を表4に示す。
【0090】
(実施例10)
複合樹脂粒子の作製において、ジクミルパーオキサイドの添加量を5.34gから3.76gへ減らすこと以外は、実施例4と同様にして、種粒子、複合樹脂粒子(ゲル分率14.2質量)、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体を得、それらの物性を測定・評価した。
得られた結果を表4に示す。
【0091】
(実施例11)
複合樹脂粒子の作製において、ジクミルパーオキサイドの添加量を5.34gから6.32gへ増やすこと以外は、実施例5と同様にして、種粒子、複合樹脂粒子(ゲル分率36.8質量)、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体を得、それらの物性を測定・評価した。
得られた結果を表4に示す。
【0092】
【表4】
【0093】
表4の結果から、ポリエチレン系樹脂の酢酸ビニル含有率が3〜10質量%の範囲外の場合(実施例8及び9)ならびに複合樹脂粒子中のゲル分率が15〜35質量%の範囲外の場合(実施例10及び11)には、発泡成形体の耐衝撃性及び遅燃性の少なくとも一方が、他の実施例のものよりも劣ることがわかる。