特許第6454015号(P6454015)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6454015ロボットの制御データセットの調節システム
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  • 特許6454015-ロボットの制御データセットの調節システム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6454015
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】ロボットの制御データセットの調節システム
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/22 20060101AFI20190107BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20190107BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
   B25J9/22 Z
   G05B19/418 Z
   B25J13/00 Z
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-530403(P2017-530403)
(86)(22)【出願日】2015年8月28日
(65)【公表番号】特表2017-530873(P2017-530873A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(86)【国際出願番号】DE2015100356
(87)【国際公開番号】WO2016034167
(87)【国際公開日】20160310
【審査請求日】2017年4月4日
(31)【優先権主張番号】102014112639.4
(32)【優先日】2014年9月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517068793
【氏名又は名称】カヴォス・バガテル・フェアヴァルツングス・ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】CAVOS BAGATELLE VERWALTUNGS GMBH & CO.KG
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】ハダディン,ザミ
【審査官】 牧 初
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0244599(US,A1)
【文献】 特開平11−104980(JP,A)
【文献】 特開2004−243461(JP,A)
【文献】 特開2002−292584(JP,A)
【文献】 特開2003−200368(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0101679(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00−21/02
G05B 19/18−19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク接続された複数台のロボットの制御データセットに調節を施す調節システムであって、複数台のロボットRi(ここで、i = 1, 2, 3, ..., nであり、n≧2である)と、オプティマイザOEと、データベースDBとを備え、それらがデータ・ネットワークを介して相互にネットワーク接続されているシステムにおいて、
各々のロボットRiは少なくとも、当該ロボットRiを制御する制御ユニットSEiと、指定されたタスクAk(ここで、k = 0, 1, 2, ...,mである)に関する当該ロボットRiの制御を各々が実行可能にする複数の制御データセットSDi(Ak)を格納保持する格納ユニットSPEiと、当該ロボットRiに実行させる新たなタスクAm+1(ここで、タスクAm+1≠タスクAkである)を入力設定するユニットEEiと、当該ロボットRiに当該タスクAm+1を実行させるための制御データセットSDi(Am+1)を生成するユニットEHiと、前記ユニットEHiにより生成された当該制御データセットSDi(Am+1)を、係数値KP1(SDi(Am+1))を有する少なくとも1つのパラメータP1に関して評価する評価ユニットBEiと、前記オプティマイザOEとの間で、及び/または、前記データベースDBとの間で、及び/または、当該ロボットRi以外の他のロボットRijとの間で通信を行う通信ユニットKEiとを備えており、
前記オプティマイザOEは、いずれかの前記ロボットRiから最適化要求が発せられたならば、少なくとも1つの所定のパラメータP2に関して最適化が施された最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を生成するように構成されており、当該ロボットRiが最適化要求を発するのは係数値KP1(SDi(Am+1))が所定の条件を満たさないときであり、
前記データベースDBは、前記オプティマイザOEによって最適化が施された最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を格納保持すると共に、その格納保持した当該最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を、当該タスクAm+1を実行させるために前記ロボットRiに供給するように構成されている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記パラメータP1が表す対象と前記パラメータP2が表す対象とは同一対象であることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記パラメータP1が表す対象、及び/または、前記パラメータP2が表す対象は、前記ロボットが個々の制御データセットSDiに従った動作を実行する際の部分的電力消費量または総電力消費量、または、前記ロボットが個々の制御データセットSDiに従った動作を実行するために要する総実行時間、または、それらの組合せであることを特徴とする請求項1又は2記載のシステム。
【請求項4】
前記ユニットEHiはセルフラーニング方式で機能するように構成されており、前記制御データセットSDi(Am+1)の生成をk=0からk=mまでの制御データセットSDi(Ak)に基づいて行うように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のシステム。
【請求項5】
前記ユニットEHiは、前記制御データセットSDi(Am+1)の生成を係数値K(SDi(Ak))に基づいて行うように構成されていることを特徴とする請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記オプティマイザOEは、セルフラーニング方式で機能するように構成されており、前記最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)の生成を、既に生成されている最適化制御データセットSDi,P2に基づいて行うように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載のシステム。
【請求項7】
前記オプティマイザOEは、少なくとも複数台の前記ユニットEHiをエージェントとした前記データ・ネットワーク上のコラボラティブ・エージェント・システムとして構成されており、それら複数台の前記ユニットEHiのうちの1台、または数台、または全てにおいて前記最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)の生成が行われることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載のシステム。
【請求項8】
前記オプティマイザOEによる前記最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)の生成が、前記格納ユニットSPEiに格納されている制御データセットSDi(Ak)(ここで、k = 0, 1, ..., mである)を用いて行われることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
前記格納ユニットSPEiに係数値KP1(SDi(Am+1))が格納されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のシステム。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項記載のシステムを作動させる方法であって、当該システムは、複数台のロボットRi(ここで、i = 1, 2, 3, ..., nであり、n≧2である)と、オプティマイザOEと、データベースDBとを備え、それらがデータ・ネットワークを介して相互にデータ通信可能にネットワーク接続されているシステムである、システム作動方法において、
前記ロボットRiを制御ユニットSEiが制御し、指定されたタスクAk(ここで、k = 0, 1, 2, ...,mである)に関する前記ロボットRiの制御を各々が実行可能にする複数の制御データセットSDi(Ak)を当該ロボットRiの格納ユニットSPEiが格納保持し、前記ロボットRiに実行させる新たなタスクAm+1(ここで、タスクAm+1≠タスクAkである)を当該ロボットRiのユニットEEiを介して入力設定可能にし、当該タスクAm+1を実行するための制御データセットSDi(Am+1)を当該ロボットRiのユニットEHiが生成し、前記ユニットEHiにより生成された当該制御データセットSDi(Am+1)を、評価ユニットBEiが、係数値KP1(SDi(Am+1))を有する少なくとも1つのパラメータP1に関して評価し、
前記オプティマイザOEが、いずれかの前記ロボットRiから最適化要求が発せられたならば、少なくとも1つの所定のパラメータP2に関して最適化が施された最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を生成し、当該ロボットRiが最適化要求を発するのは係数値KP1(SDi(Am+1))が所定の条件を満たさないときであり、
前記データベースDBが、前記オプティマイザOEによって最適化が施された最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を格納保持すると共に、その格納保持した当該最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を、当該タスクAm+1を実行させるために前記ロボットRiに供給する、
ことを特徴とするシステム作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のタスクをロボットに実行させるためのロボットの制御動作を規定している制御データセットに調節ないし最適化を施すシステムに関する。本発明は更に、かかるシステムの作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで用いる「制御データセット」という用語は、当業界において一般的にいうところの制御データ、ないし制御コマンド、ないし制御プログラム、ないしそれらの組合せを包含するものである。個々の制御データセットに従ってロボットを動作させることにより、物理量をはじめとする種々のロボット関与量に意図した影響を及ぼすことができ、もって当該制御データセットに対応したタスクをロボットに実行させることができる。尚、ここでいうタスクには例えば、組立ライン上の製造工程を実施することや、対象物の移動操作を行うことなどが含まれる。また、ここで用いる「制御」という用語は、当業界における一般的な意味で用いられるものである。
【0003】
近年、ロボットはその構造が複雑化しており、それによって、より複雑なタスクが実行されるようになった。またそれに伴い、その複雑化したタスクを実行するのに必要とされるロボット制御のための制御データセットも、ますます複雑化しつつある。現在では、複数台のロボットをネットワーク接続して用いることが広く行われており、また、いわゆる「マルチエージェント・システム」が開発されたために、複数の制御データセットの集団的生成が可能となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ネットワーク接続された複数台のロボットを制御するための最適化された制御データセットを生成することのできるシステムを提供することにある。
【0005】
本発明は独立請求項に記載した構成要素から成るものである。従属請求項は特に有利な構成例をその主題としたものである。本発明の更なる特徴、用途、及び利点は、以下の記載によって、また特に図面に示した本発明の実施例の説明によって、明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的はネットワーク接続された複数台のロボットの制御データセットに調節を施す調節システムにより達成される。ここに提案するシステムは、複数台のロボットRi(ここで、i = 1, 2, 3, ..., nであり、n≧2である)と、オプティマイザOEと、データベースDBとを備え、それらがデータ・ネットワークを介して相互にネットワーク接続されている。
【0007】
前記複数台のロボットRi と、前記オプティマイザOEと、前記データベースDBとを相互接続する前記ネットワーク接続は、インターネットを利用したデータ・ネットワークないし通信ネットワークにより構築するとよい。また、前記ネットワーク接続は、有線接続としてもよく、無線接続(例えば電波接続)としてもよく、或いは、有線接続と無線接続とが混在する接続としてもよい。
【0008】
ここで用いる「ロボット」という用語は、広い意味で用いられるものである。その具体例を挙げるならば、例えば、少なくとも1つの制御可能なユニットを備えたロボットなどが含まれ、ここでいう制御可能なユニットには、例えば、マニピュレータ、エフェクタ、駆動機構、アクチュエータ、送り機構、それにセンサなどがある。また更に、ここで用いる「ロボット」という用語に包含されるものの具体例としては、例えば、局所配置または分散配置された人工知能要素を備えた制御可能なロボット、ヒューマノイド、セルフラーニング機能を備えたロボット、半自動及び全自動で動作するロボット、飛行ロボット(ドローン)、水上ロボット、水中ロボット、走行ロボット(自動運転装置)、医療用ロボット(例えば手術支援ロボットなど)、それに、それらを組合せたロボットなどが挙げられる。
【0009】
ここに提案するシステムの更なる特徴として、各々のロボットRiは少なくとも、当該ロボットRiを制御する制御ユニットSEiと、指定されたタスクAk(ここで、k = 0, 1, 2, ...,mである)に関する当該ロボットRiの制御を各々が実行可能にする複数の制御データセットSDi(Ak)を格納保持する格納ユニットSPEiと、当該ロボットRiに実行させる新たなタスクAm+1(ここで、タスクAm+1≠タスクAkである)を入力設定するユニットEEiと、当該ロボットRiに当該タスクAm+1を実行させるための制御データセットSDi(Am+1)を生成するユニットEHiと、前記ユニットEHiにより生成された当該制御データセットSDi(Am+1)を、係数値KP1(SDi(Am+1))を有する少なくとも1つのパラメータP1に関して評価する評価ユニットBEiと、前記オプティマイザOEとの間で、及び/または、前記データベースDBとの間で、及び/または、当該ロボットRi以外の他のロボットRijとの間で通信を行う通信ユニットKEiとを備えているということがある。
【0010】
前記制御ユニットSEiは前記ロボットRiの制御可能なユニットに接続されているようにするとよい。また、前記制御ユニットSEiは、前記制御データセットSDiを実行するためのプロセッサを備えた構成とすることが好ましく、より具体的には例えば当該プロセッサが、前記制御データセットSDiに基づいて生成される実行プログラムを実行することにより、当該制御動作を実行するものとするとよい。
【0011】
各々の制御データセットSDiは、当該制御データセットSDi(Ak)の一連のコマンドが実行されることによって対応するタスクAkが実行されるように各々のロボットRiの個々の制御動作を規定し、もって当該タスクの実行を可能にするものである。また、ここで用いる「制御データセット」という用語は、広い意味で用いられるものであり、例えば制御コマンド、論理的シンタックス、パラメータ、数式、データ、等々を包含するものである。
【0012】
前記制御データセットSDi(Ak)は、各々のロボットごとにローカルに前記格納ユニットSPEiに格納するようにすることが、即ち、各々のロボットごとに装備されている前記格納ユニットSPEiに格納するようにするのがよい。また、前記格納ユニットSPEiとしては、例えば市販の大容量格納装置などを用いることができる。
【0013】
ここで用いる「タスクAk」という用語は、広い意味で用いられるものである。例えば前記タスクAkには、前記ロボットRiの物理的ポジション、電気的ポジション、及び/またはその他のポジションを規定されたように変化させることや、前記ロボットRiが当該ロボットRiの周囲環境に及ぼす影響によって当該周囲環境を規定されたように変化させることなどが含まれる。
【0014】
(具体例)
1つの簡明な具体例を挙げるならば、例えばロボットの把持アームによって、ある対象物を位置P1でキャッチし、位置P2まで移動させ、そこでリリースするというタスクがある。そして、これほど簡明なタスクであっても、当該タスクを実行するために生成される制御データセットは様々なものとなり得る。それら生成され得る様々な制御データセットは、例えば、位置P1から位置P2まで移動させるときの移動経路が互いに異なっていたり、或いはまた、その移動速度が互いに異なっていて高速であったり低速であったりする。
【0015】
このことから分かるように、通常、あるロボットRiにあるタスクAkを実行させるための制御データセットは、可能な複数通りの制御データセットのうちの1つの制御データセットSDi(Ak)として生成される。即ち、あるロボットRiにあるタスクAkを実行させるために用いられる制御データセットは、複数通りの制御データセットSDi(Ak)'、SDi(Ak)''、SDi(Ak)'''、…として生成される可能性がある(ここでは、ダッシュ記号の個数によってそれら制御データセットが互いに異なることを表している)。それゆえ、上記具体例に即して言えば、制御データセットSDi(Ak)'と制御データセットSDi(Ak)''とでは、例えば、把持アームで位置P1から位置P2まで移動させるときの移動速度が、互いに異なっていたりする。
【0016】
また、あるロボットRiが複数通り(m通り)のタスクAkを実行する場合には、各々のタスクAkを実行するために夫々1つずつの制御データセットSDi(Ak)が既知となっているため、当該ロボットRiにおいて複数個(m個)の制御データセットが既知となっている。そして、各々のロボットRiは、指定されたタスクAkに対応した制御データセットSDi(Ak)に従って、当該ロボットRiに付属しているローカル機器を作動させることにより、当該タスクAkを実行する。
【0017】
前記ユニットEEiは、あるロボットRiに実行させようとする新たな(即ち、未知の、当該ロボットRiがまだ実行したことのない)タスクAm+1を、ローカルに(即ち、当該ロボットRiにおいて)入力設定するための手段として、触覚式、音響式、及び/または、光学式の入力インターフェースを備えているようにすることが好ましく、そうすれば、ユーザはそのインターフェースを介して新たなタスクAm+1を入力設定することができる。
【0018】
ここで再び上記具体例に即して説明するならば、こうして入力設定される新たなタスクAm+1は、例えば対象物を位置P2でリリースすることに変えて、位置P3でリリースするというタスクであることもある(ここで、位置P2≠位置P3である)。また、前記ユニットEEiは、上で例示したインターフェースを備える替わりに、或いは、上で例示したインターフェースを備えると共に更に、電子回路で構成されたデータ・インターフェースを備えたものとして、その電子回路インターフェースを介して例えばコンピュータから新たなタスクAm+1を入力設定できるようにするのもよい。
【0019】
前記ユニットEHiは前記ユニットEEiに接続されているものとすることが好ましく、また、前記ユニットEHiはプロセッサとプログラムとを備えたものとし、それらプロセッサとプログラムが、あるロボットRiに入力設定された新たなタスクAm+1の仕様に基づいて当該ロボットRiに当該タスクAm+1を実行させるための制御データセットSDi(Am+1)を生成するようにすることが好ましい。また、前記ユニットEHiはセルフラーニング方式で機能するように構成されているものとすることが好ましい。また、かかる制御データセットSDi(Am+1)の生成を自動起動動作として実行するように構成されているものとすることが好ましい。更に、前記ユニットEHiは、前記制御データセットSDi(Am+1)の生成をk=0からk=mまでの制御データセットSDi(Ak)に基づいて行うように構成されているものとすることが好ましい。このことは即ち、既に生成されており、ローカルに(即ち個々のロボットにおいて)既知となっている制御データセットSDi(Ak)に基づいて、新たなデータセットSDi(Am+1)を生成するということであり、その具体例を挙げるならば例えば、新たなタスクAm+1に対して、そのタスクに対応した制御データセットSDi(Am+1)を、それら既知の制御データセットSDi(Ak)のうちの1つまたは幾つかに適宜の変更を加えた制御データセットとして生成するということが可能である。この場合、前記ユニットEHiは個々のロボットRiに備えられている計算処理能力を利用して、当該ロボットRiがその新たなタスクAm+1を実行するための制御データセットSDi(Am+1)を生成することができる。
【0020】
前記評価ユニットBEiは前記ユニットEHiに接続されているようにするとよく、また前記評価ユニットBEiはプロセッサとプログラムとを備えたものとし、それらプロセッサとプログラムが、前記ユニットEHiにより生成された制御データセットSDi(Am+1)を、係数値KP1(SDi(Am+1))を有する少なくとも1つのパラメータP1に関して評価するように構成することが好ましい。ここでいうところのパラメータP1が表す対象は、例えば、当該制御データセットSDi(Am+1)に従った動作の全体または一部分を実行する際に当該ロボットRiが必要とする電力消費量や動作実行時間などである。また、パラメータP1の係数値KP1(SDi(Am+1))は、当該制御データセットSDi(Am+1)の当該パラメータP1に関するクォリティを表すクォリティ値とすることが好ましい。言うまでもないことであるが、パラメータP1が表す対象は以上に例示したもの以外の様々な対象とすることも考えられ、用途ないし必要条件に応じて適宜選択されるものであって、以上に例示したものとは別の対象が選択されることもあれば、以上に例示したものに加えて更に別の対象が合わせて選択されることもある。また特に、このパラメータP1を、複数のパラメータの組合せ(即ち、サブパラメータの組合せ)とすることもでき、その場合には、このパラメータP1はパラメータ・ベクトルとなる。更にまた、パラメータの係数値KP1(SDi(Am+1))は、ローカル格納ユニット(即ち個々のロボットに装備された格納ユニット)などの格納ユニットSEiに格納しておき、他用途にも利用できるようにしておくとよい。
【0021】
前記通信ユニットKEiは、前記オプティマイザOEとの間で、及び/または、前記データベースDBとの間で、及び/または、当該ロボットRi以外の他のロボットRjiとの間で通信を行うユニットであり、デジタル通信インターフェースとして構成することが好ましい。
【0022】
ここに提案するシステムの更なる特徴として、前記オプティマイザOEは、いずれかの前記ロボットRiから最適化要求が発せられたならば、少なくとも1つの所定のパラメータP2に関して最適化が施された最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を生成するように構成されており、当該ロボットRiが最適化要求を発するのは係数値KP1(SDi(Am+1)が所定の条件を満たさないときであるということがある。換言するならば、前記ユニットEHiにより生成された制御データセットSDi(Am+1)がパラメータP1に関して所要のクォリティを有していない場合には(即ち、係数値KP1(SDi(Am+1))が所要の条件を満たしていない場合には)、前記オプティマイザOEによって、パラメータP2に関して最適化が施された最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)が生成されるということである。
【0023】
前記オプティマイザは、少なくとも、プロセッサと、データ・ネットワーク上に置かれた当該プロセッサが実行するためのプログラムとを備えた構成とすることが好ましい。また、そのような構成例では、当該オプティマイザの持つ計算処理能力及び並列処理能力が前記ユニットEHiの1台あたりの計算処理能力及び並列処理能力の数倍の大きさであるようにしておくとよい。また別の好ましい構成例として、前記オプティマイザOEが、少なくとも複数台の前記ユニットEHiをエージェントとした前記データ・ネットワーク上のコラボラティブ・エージェント・システムとして構成されており、それら複数台の前記ユニットEHiのうちの1台、または数台、または全てにおいて前記最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)の生成が行われるようにしたものがある。この後者の構成例は、分散配置された計算処理能力を用いて、いわゆる「クラウド・コンピューティング」方式によって複雑な最適化タスクを実行するものである。
【0024】
前記オプティマイザOEは、セルフラーニング方式で機能するように構成されているものとすることが、即ち、既知の知識を利用して新たな最適化タスクを実行するように構成されているものとすることが好ましい。ここでいう既知の知識とは例えば、前記オプティマイザOEによって既に生成されている最適化制御データセットSDi,P2(Ak)などであり、また、前記オプティマイザOEによってそれら最適化制御データセットのための係数値KP2(SDi(Ak)が既に生成されている場合には、それら係数値も既知の知識となり得る。更に、ローカル装置である個々のロボットRiの制御データセットSDi(Ak)も、前記オプティマイザOEがそれら制御データセットを既知の知識として利用できるようにし、それら制御データセットに基づいて前記最適化制御データセットSDi,P2(Ak)を生成できるようにしておくことが好ましい。そのように構成することによって、前記最適化制御データセットSDi,P2(Ak)の生成が、前記オプティマイザOEによって既に生成されている最適化制御データセットSDi,P2(Ak)(ここで、k≦mである)、及び/または、既知の制御データセットSDi(Ak)(ここで、k≦mである)に基づいて好適に行われるようになる。
【0025】
ここに提案するシステムの1つの好適な構成例によれば、前記パラメータP1が表す対象と前記パラメータP2が表す対象とは同一対象である。この構成例では、それらパラメータが表すその同一対象に関して制御データセットの最適化が行われ、その対象とは、例えばロボットの電力消費量などである。また、前記パラメータP1が表す対象、及び/または、前記パラメータP2が表す対象は、前記ロボットが個々の制御データセットSDiに従った動作を実行する際の部分的電力消費量または総電力消費量、または、前記ロボットが個々の制御データセットSDiに従った動作を実行する際に要する部分的実行時間または総実行時間、または、それらの組合せとすることが好ましい。ただし言うまでもないことであるが、パラメータが表す対象は、用途と必要条件とに応じてその他の対象とすることも考えられる。
【0026】
(具体例)
まず、P1=P2であって、即ちそれら2つのパラメータが同一対象を表しており、その対象とは、制御データセットSDi(Am+1)に従った動作の全体をあるロボットが実行する際の総電力消費量であるものとする。このとき、係数値KP1(SDi(Am+1))は、当該制御データセットSDi(Am+1)に従った動作の全体を当該ロボットが実行する際の総電力消費量の値を示している。そして、その係数値KP1(SDi(Am+1))が所定のスレショルド値を超えていたものとする(このことは、当該制御データセットSDi(Am+1)に従った動作が比較的低効率であることを表している)。かかる状況において、当該ロボットRiから前記オプティマイザOEへ、総電力消費量P2に関して最適化された最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を生成することを要求する最適化要求が発せられる。この最適化の実行形態には様々な形態があり得る。例えば、前記オプティマイザOEが、前記ユニットEHiによってそれまでに生成されている制御データセットSDi(Am+1)に基づいて、当該最適化制御データセットSEi,P2(Am+1)を生成するようにしてもよい。またそれとは別の具体例として、前記オプティマイザOEが、新たに入力設定されたタスクAm+1の仕様と、これから生成しようとする最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)がパラメータP2の最適化条件を満足するものとなるようにするための必要条件とに基づいて、当該最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)をいちから生成するようにすることもできる。この後者の具体例においては、かかる最適化制御データセットの生成が、前記制御データセットSDi(Am+1)と、前記係数値KP1(SDi(Am+1))とを用いて行われるようにすることが好ましい。また更にその場合に、前記オプティマイザOEによる前記最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)の生成が、前記格納ユニットSPEiに格納されている制御データセットSDi(Ak)(ここで、k = 0, 1, ..., mである)、及び/または、前記格納ユニットSPEiに格納されている係数値KP1(SDi(Am+1))を用いて行われるようにすることが好ましい。
【0027】
更に、前記ユニットEHiは、前記制御データセットSDi(Am+1)の生成を、制御データセットSDi(Ak)(ここで、k = 0, 1, ... ,mである)のための係数値としてそれまでに生成されている係数値KP1(SDi(Ak))に基づいて行うように構成されているものとすることが好ましい。この方式によれば特に、既に係数値が確定している制御データセットSDi(Ak)を利用して前記制御データセットSDi(Am+1)の生成が好適に行われるため、それによって例えば、ロボットRiがある動作を実行するための電力消費量を顕著に低減することや、ロボットRiがある動作を実行するために要する総実行時間を顕著に短縮することなどが可能になる。
【0028】
ここに提案するシステムの更なる特徴として、前記データベースDBは、前記オプティマイザOEによって最適化が施された最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を格納保持すると共に、その格納保持した当該最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を、当該タスクAm+1を実行させるために前記ロボットRiに供給するように構成されているということがある。
【0029】
前記オプティマイザOEは、当該オプティマイザOEが生成した最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を、係数値KP2(SDi(Am+1))を有する少なくとも1つのパラメータP2に関して評価する評価ユニットBEOPTを備えているようにすることが好ましい。
【0030】
従ってここに提案するシステムによれば、ローカルに生成された(即ち、個々のロボットRiにおいて生成された)制御データセットSDi(Am+1)に対して、特にタスクに適合するように構成されたオプティマイザOEによって、パラメータP2に関して最適化を施すことが可能である。また、当該オプティマイザOEは、データ・ネットワーク(このデータ・ネットワークはワールド・ワイド・ネットワークであってもよい)上で既知となっている、制御データセットSDi(Ak)及びSDi,P2(AK)、並びにそれら制御データセットのための係数値KP1(SDi(Ak))及びKP2(SDi(Ak))の全てにアクセスする能力を有する構成することが好ましい。かかる構成としたオプティマイザの1つの好適な構成例として、最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)の生成が「クラウド・コンピューティング方式」で行われるようにするのもよい。かかる構成例によれば、更に別の(場合によってはワールド・ワイドに分散配置されている)ロボットRiに保持されている知識をも、制御データセットの生成に利用することができる。
【0031】
前記データベースDBは、前記格納ユニットSPEiによって構築されているものとすることが好ましい。また、前記データベースDBは、前記データ・ネットワーク上に配置された1台のデジタル格納ユニットSPEi、または前記データ・ネットワーク上に分散配置された複数台のデジタル格納ユニットSPEiによって構築されているようにしてもよい。
【0032】
本発明は更に、複数台のロボットRi(ここで、i = 1, 2, 3, ..., nであり、n≧2である)と、オプティマイザOEと、データベースDBとを備え、それらがデータ・ネットワークを介して相互にデータ通信可能にネットワーク接続されているシステムを作動させる方法に関するものであり、このシステム作動方法においては、前記ロボットRiを制御ユニットSEiが制御し、指定されたタスクAk(ここで、k = 0, 1, 2, ...,mである)に関する前記ロボットRiの制御を各々が実行可能にする複数の制御データセットSDi(Ak)を当該ロボットRiの格納ユニットSPEiが格納保持し、前記ロボットRiに実行させる新たなタスクAm+1(ここで、タスクAm+1≠タスクAkである)を当該ロボットRiのユニットEEiを介して入力設定可能にし、当該タスクAm+1を実行するための制御データセットSDi(Am+1)を当該ロボットRiのユニットEHiが生成し、前記ユニットEHiにより生成された当該制御データセットSDi(Am+1)を、評価ユニットBEiが、係数値KP1(SDi(Am+1))を有する少なくとも1つのパラメータP1に関して評価し、更に、前記オプティマイザOEが、いずれかの前記ロボットRiから最適化要求が発せられたならば、少なくとも1つの所定のパラメータP2に関して最適化が施された最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を生成し、当該ロボットRiが最適化要求を発するのは係数値KP1(SDi(Am+1)が所定の条件を満たさないときであり、更に、前記データベースDBが、前記オプティマイザOEによって最適化が施された最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を格納保持すると共に、その格納保持した当該最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を、当該タスクAm+1を実行させるために前記ロボットRiに供給することを特徴とする。
【0033】
上記方法の様々な利点及び上記方法の特に有利な構成例は、上で説明したここに提案するシステムの実施態様を上記方法に同様に適用することにより得られるものである。
【0034】
更なる様々な利点、特徴、及び細部構成は、ときに図面を参照しつつ説明する少なくとも実施例についての以下の詳細な説明を通して明らかにする。尚、図面中、互いに同一の構成要素、互いに同等の構成要素、及び/または、互いに同一の機能を有する構成要素には、同一の参照番号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】ここに提案するシステムの1つの構成例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1に示したのは、ここに提案するシステム、即ち、ネットワーク接続された複数台のロボットの制御データセットに調節を施す調節システムの、その1つの構成例の模式図である。図示した構成例のシステムは、3台のロボットR1、R2、R3と、オプティマイザOEと、データベースDBとを備え、それらがデータ・ネットワークDNを介して相互にネットワーク接続されている。各々のロボットRi(ここで、i = 1, 2, 3である)は、当該ロボットRiを制御する制御ユニットSEiと、指定されたタスクAk(ここで、k = 0, 1, 2, ...,mである)に関する当該ロボットRiの制御を各々が実行可能にする複数の制御データセットSDi(Ak)を格納保持する格納ユニットSPEiと、当該ロボットRiに実行させる新たなタスクAm+1(ここで、タスクAm+1≠タスクAkである)を入力設定するユニットEEiと、当該ロボットRiに当該タスクAm+1を実行させるための制御データセットSDi(Am+1)を生成するユニットEHiと、前記ユニットEHiにより生成された当該制御データセットSDi(Am+1)を、係数値KP1(SDi(Am+1))を有する少なくとも1つのパラメータP1に関して評価する評価ユニットBEiと、前記オプティマイザOEとの間で、及び/または、前記データベースDBとの間で、及び/または、当該ロボットRi以外の他のロボットRijとの間で通信を行う通信ユニットKEiとを備えている。尚、この構成例において各々のロボットRiと、当該ロボットに付属するローカル・ユニットである、ユニットSEi、SPEi、EHi、EEi、BEi、及びKEiの夫々の間で行われるデータ通信を、図中に矢印で示した。
【0037】
前記オプティマイザOEは、いずれかのロボットRiから最適化要求が発せられたならば、少なくとも1つの所定のパラメータP2に関して最適化が施された最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を生成するように構成されており、当該ロボットRiが最適化要求を発するのは係数値KP1(SDi(Am+1)が所定の条件を満たさないときである。また、前記データベースDBは、前記オプティマイザOEによって最適化が施された最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を格納保持すると共に、その格納保持した当該最適化制御データセットSDi,P2(Am+1)を、当該タスクAm+1を実行させるために前記ロボットRiに供給するように構成されている。
【0038】
以上に本発明を好適な実施例に即して図示して詳述したが、本発明の範囲は以上に開示した実施例に限定されるものではなく、当業者であれば本発明の権利保護範囲から逸脱することなく当該実施例に基づいてその他の様々な形態の構成例にも相当し得るのは当然である。即ち、実現可能な様々に異なる数多くの構成例が存在し得ることは明らかである。更に、実施例として開示した実施の形態はあくまでも具体例を例示したものであり、本発明の権利保護範囲、用途、ないしは構成をなんら限定するものではないこともまた明らかである。むしろ、以上の詳細な説明並びに図面による解説は、例示した実施の形態を当業者が具体的構成となし得るようにするものであり、また、以上に開示した本発明の概念を知悉した当業者が、例えば実施例に関連して言及した個々の構成要素の機能または構成などに関連した様々な改変を、本発明の権利保護範囲から逸脱することなくなし得るようにするものであって、本発明の権利保護範囲は、特許請求の範囲の記載並びに明細書中に概説した特許請求の範囲に対応した記載により、規定されるものである。
図1