(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6454106
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】感情テキスト表示プログラム、方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20190107BHJP
【FI】
G06F13/00 650B
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-179796(P2014-179796)
(22)【出願日】2014年9月4日
(65)【公開番号】特開2016-53865(P2016-53865A)
(43)【公開日】2016年4月14日
【審査請求日】2017年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 篤
【審査官】
佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−199550(JP,A)
【文献】
特開2004−198872(JP,A)
【文献】
特開2004−126786(JP,A)
【文献】
特表2005−512231(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0182309(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0047447(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の感情アイコンのうちそれぞれ一つの感情アイコンに対応する感情フォントを格納したユーザ端末のメッセージ画面にテキストを表示させる方法を、プロセッサに実行させるための感情テキスト表示プログラムであって、前記方法は、
前記メッセージ画面においてユーザからの入力によるテキストを受信するステップと、
前記メッセージ画面に表示されているボタンが前記ユーザの長押しによって前記ユーザによって選択されると、前記メッセージ画面に複数の感情アイコンを表示するステップと、
前記複数の感情アイコンのうち選択された一つの感情アイコンに対応する前記感情フォントで、前記メッセージ画面に前記テキストを表示するステップと
を含む、感情テキスト表示プログラム。
【請求項2】
請求項1記載のテキスト表示プログラムは、チャットプログラムである、感情テキスト表示プログラム。
【請求項3】
請求項1記載の感情フォントは、アニメーションである、感情テキスト表示プログラム。
【請求項4】
複数の感情アイコンのうちそれぞれ一つの感情アイコンに対応する感情フォントを格納した第1のユーザ端末のメッセージ画面に感情テキストを表示させる方法を、プロセッサに実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
第2のユーザ端末からのテキスト、及び該テキストに対応する感情種類情報を受信するステップと、
前記メッセージ画面においてユーザからの入力によるテキストを受信するステップと、
前記メッセージ画面に提供されるボタンが前記ユーザによって選択されると、前記メッセージ画面に、前記第2のユーザ端末からの感情種類情報に対応する複数の感情アイコンを表示するステップと、
前記複数の感情アイコンのうち選択された一つの感情アイコンに対応する前記感情フォントで、前記メッセージ画面に前記ユーザからの入力によるテキストを表示する、感情テキストを表示するステップと
を含む、感情テキスト表示プログラム。
【請求項5】
複数の感情アイコンのうちそれぞれ一つの感情アイコンに対応する感情フォントを格納したユーザ端末のメッセージ画面に感情テキストを表示させるプロセッサによって実行される方法であって、
前記メッセージ画面においてユーザからの入力によるテキストを受信するステップと、
前記メッセージ画面に表示されているボタンが前記ユーザの長押しによって前記ユーザによって選択されると、前記メッセージ画面に複数の感情アイコンを表示するステップと、
前記複数の感情アイコンのうち選択された一つの感情アイコンに対応する前記感情フォントで、前記メッセージ画面に前記テキストを表示するステップと
を含む、方法。
【請求項6】
複数の感情アイコンのうちそれぞれ一つの感情アイコンに対応する感情フォントを格納しており、メッセージ画面に感情テキストを表示させるシステムであって、前記システムは、
前記メッセージ画面においてユーザからの入力によるテキストを受信する受信部と、
前記メッセージ画面に表示されているボタンが前記ユーザの長押しによって前記ユーザによって選択されると、前記メッセージ画面に複数の感情アイコンを表示する感情アイコン表示部と、
前記複数の感情アイコンのうち選択された一つの感情アイコンに対応する前記感情フォントで、前記メッセージ画面に前記テキストを表示する感情テキスト表示部と
を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末のメッセージ画面上に感情フォントを用いたテキストを表示するテキスト表示プログラム、方法、及びシステムに関し、特にユーザの感情を表す感情フォントを用いて感情テキスト表示をするプログラム、方法、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパーソナルコンピュータ、携帯端末を用いたユーザ同士で文字によるコミュニケーションを行う場合、メッセージの受信者側に送信者側の感情が伝わりづらかった。
【0003】
特に、近年、スマートフォンのような携帯端末が急速に普及している。これによって、パーソナルコンピュータなどのような固定式端末のみならず、携帯端末でも様々なユーザ同士によるコミュニケーション技術が開発されている。例えば、携帯端末を用いたチャットサービスにおいては、スタンプ、文字スタンプ、絵文字を用いて、ユーザ同士のコミュニケーションを図り、メッセージ送信者の感情を伝えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記背景技術に係るシステムでは、スタンプ、文字スタンプ、絵文字は予め作成されたものであり、メッセージ送信者がスタンプや絵文字を編集することはできない。さらに、スタンプや絵文字はその数が非常に多く、送信側ユーザが自身の感情を表すのに適切だと考えるスタンプ、絵文字を見つけるまでに時間がかかっていた。
【0005】
また、携帯端末の限られた狭い表示領域上で、スタンプや絵文字の内容の編集といった作業を行うことは困難である。特に、チャットサービスのようなメッセージ送信者側と受信者側との即時の対応が必要なコミュニケーションにおいてはこのような非常に煩雑な作業は時間がかかるため好ましくない。
【0006】
さらに、従来のチャットサービスにおいては、メッセージ送り手の感情の機微を表す文字フォントを簡易に選択して、送信者側の感情を受信者側に伝えることはできなかった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、ユーザ同士で文字によるコミュニケーションを行う際に、送信者側の感情を表すことのできる感情フォントを用いて感情を表現する感情テキスト表示プログラム、方法およびシステムを提供することにある。本発明によると感情フォントを用いることにより、送信側ユーザは自身の送りたいメッセージを感情フォントで作成し、簡易に自身の感情を表現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るプログラムは、複数の感情アイコンと、複数の感情アイコンのうちそれぞれ一つの感情アイコンに対応する感情フォントを格納するよう構成されたユーザ端末において、メッセージ画面にテキストを表示させる方法を、プロセッサに実行させるための感情テキスト表示プログラムであって、メッセージ画面においてユーザからの入力によるテキストを受信するステップと、メッセージ画面に複数の感情アイコンを表示するステップと、複数の感情アイコンのうち選択された一つの感情アイコンに対応する感情フォントでメッセージ画面にユーザの感情を表すテキストを表示するステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る感情テキスト表示プログラムにおいて、メッセージ画面に複数の感情アイコンを表示するステップは、メッセージ画面に表示されているボタンがユーザの長押しによって選択されると、メッセージ画面に複数の感情アイコンを表示する、感情テキスト表示プログラムを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る感情テキスト表示プログラムは、チャットプログラムである。
【0011】
また、本発明に係る感情テキスト表示プログラムにおいて利用される感情フォントは、アニメーションである。
【0012】
また、本発明に係る感情テキスト表示プログラムは、複数の感情アイコンのうちそれぞれ一つの感情アイコンに対応する感情フォントを格納した第1のユーザ端末のメッセージ画面に感情テキストを表示させる方法を、プロセッサに実行させるためのプログラムであって、該方法は、第2のユーザ端末からのテキスト、及び該テキストに対応する感情種類情報を受信するステップと、メッセージ画面においてユーザからの入力によるテキストを受信するステップと、メッセージ画面に提供されるボタンがユーザによって選択されると、メッセージ画面に、第2のユーザ端末からの感情種類情報に対応する複数の感情アイコンを表示するステップと、複数の感情アイコンのうち選択された一つの感情アイコンに対応する感情フォントで、メッセージ画面にユーザからの入力によるテキストを表示する、感情テキストを表示するステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る方法は、複数の感情アイコンのうちそれぞれ一つの感情アイコンに対応する感情フォントを格納したユーザ端末のメッセージ画面に感情テキストを表示させるプロセッサによって実行される方法であって、メッセージ画面においてユーザからの入力によるテキストを受信するステップと、メッセージ画面に複数の感情アイコンを表示するステップと、複数の感情アイコンのうち選択された一つの感情アイコンに対応する感情フォントで、メッセージ画面に前記テキストを表示する、テキストを表示するステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るシステムは、複数の感情アイコンのうちそれぞれ一つの感情アイコンに対応する感情フォントを格納しており、メッセージ画面に感情テキストを表示させるシステムであって、メッセージ画面においてユーザからの入力によるテキストを受信する受信部と、メッセージ画面に複数の感情アイコンを表示する感情アイコン表示部と、複数の感情アイコンのうち選択された一つの感情アイコンに対応する感情フォントで、メッセージ画面にテキストを表示する感情テキスト表示部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明の利点は、ユーザ同士で文字によるコミュニケーション、例えばチャットサービスや電子メールによるコミュニケーションを行う際に、感情アイコンを選択して、より簡易に文字によるユーザの感情を表現できる点である。ユーザが感情アイコンを選択すると、選択された感情アイコンに対応する感情フォントが選択されて、テキストが感情フォントに変換される。ユーザは、感情アイコンを選択するという簡易な操作によって、従来のテキストのみのコミュニケーションに比べて、表現しづらい感情の機微を、的確かつ簡潔に伝えることができる。
【0016】
この発明のさらに別の利点は、ユーザが伝えたいメッセージを入力することにより、そのメッセージに対応する感情テキストを作成できる点である。従来のチャットサービスにおいて利用されるスタンプや、絵文字は予め規定されたものを利用しており、ユーザ側でスタンプや絵文字のテキスト編集はできなかった。
【0017】
この発明のさらに別の利点は、ユーザ同士のコミュニケーションサービス、例えばチャットサービスの提供者側においてスタンプに代わりオリジナルのフォントなどの提供が可能となる点である。
【0018】
この発明の上記の、および他の特徴および利点は、この発明の実施例の以下のより特定的な説明、添付の図面、及び請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施態様にかかる感情テキスト表示システムである。
【
図2】本発明の一実施態様に係るユーザ端末におけるメッセージ画面を示す例示図である。
【
図3】本発明の一実施態様に係るユーザ端末におけるメッセージ画面を示す例示図である。
【
図4】本発明の一実施態様にかかる感情テキスト表示方法を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施態様にかかるユーザ端末の機能的構成を示す例示図である。
【
図6】本発明の一実施態様にかかるサーバの機能的構成を示す例示図である。
【
図7】本発明の一実施態様にかかる感情テキスト表示方法を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施態様に係る感情フォント(日本語)を示す例示図である。
【
図9】本発明の一実施態様に係る感情フォント(英語)を示す例示図である。
【
図10】本発明の一実施態様に係る感情フォントテーブルを示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施例に従った、感情テキスト表示システムのシステム構成図を示す。このシステムでは、ユーザ端末100A、100Bは、インターネット等のデータ通信ネットワーク140を介してサーバ120と接続されている。ユーザ端末100Aは、少なくとも1つのディスプレイ102A、少なくとも1つのメモリ104A、少なくとも1つのプロセッサ106A、少なくとも1つのインタフェース108Aを含むことができる。ユーザ端末100Bはユーザ端末100Aと同様に構成される。ユーザ端末100A,Bは、公知のパーソナルコンピュータ、公知の携帯端末、あるいは公知のコンピュータゲームシステム等の各種コンピュータシステムによって実現されるものである。ディスプレイ102Aは、ユーザから入力されたメッセージ、感情フォントに変換されたメッセージ、感情アイコンなどを表示したメッセージ画面を表示することができる。メモリ104Aは感情テキスト表示プログラム、サーバ120からネットワーク140を介してダウンロードした複数の感情アイコンと該感情アイコンのそれぞれ対応する複数の感情フォントで構成される感情フォントテーブルを格納する。感情フォントテーブルは、例えば「哀」、「怒」、「嬉」、「喜」の四種類の感情に対して、それぞれの感情に対応する感情フォントで、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、アルファベット等を構成する各文字を格納したテーブルである(
図10)。
【0021】
プロセッサ106Aは感情テキスト表示プログラムを実行するように構成される。インタフェース108Aは、ユーザ端末100Aを操作するユーザからの入力の受信、及びディスプレイ102Aへのデータ出力を行う入出力インタフェースである。ユーザからの入力を受信するためのインタフェースには、タッチセンセティブディスプレイ、マウス、又はキーボードなどを含むことができる。ユーザ端末A,Bは3台以上で構成することもできる。以下、ユーザ端末100A、100B、及びそれらを構成するディスプレイ(102A、102B)、メモリ(104A、104B)、プロセッサ(106A、106B)、インタフェース(108A、108B)を特に区別する必要のない場合には、単にユーザ端末100、ディスプレイ102、メモリ104、プロセッサ106、インタフェース108と記す。
【0022】
サーバ120は、プロセッサ、各種記憶装置及びデータ通信装置を中心として構成された公知のサーバコンピュータによって実現されるものであり、ユーザ端末100間で行われる通信を管理し、ユーザ端末100との間でデータの送受信を行うものである。
【0023】
図2、
図3は、ユーザ端末のディスプレイに表示されるチャットサービスにおいて用いられるメッセージ画面の一例を示している。
【0024】
200はユーザ端末のディスプレイに表示されるメッセージ画面である。メッセージ画面はユーザからのメッセージ吹き出しを表示している。202は送信側ユーザにより入力されたテキストであり、
図2においては、ユーザから入力されたテキスト202「いいぜ!」が入力されている。
【0025】
204はユーザによって選択されるボタンの例示である。ユーザによってボタンが選択されると、メッセージ画面上で複数の選択可能な感情アイコン206をポップアップ表示する。
図2においては、ユーザによって選択されるボタン204は「送信」ボタンであるが、例えば、送信ボタン以外の既存のボタンでも良いし、メッセージ画面上に新たに作成したボタンでもよい。既存のボタン、例えば送信ボタンによる選択操作は、該ボタンの長押し操作によることができる。ボタンの長押し操作は、スマートフォンの操作に慣れ親しんだユーザによる一般的な操作である。ユーザ同士のコミュニケーションにおいて通常利用される送信ボタンを用いることにより、携帯端末の限られた狭い表示領域上でユーザは感情アイコンのポップアップ表示操作を行うことができる。
【0026】
206は、感情アイコンである。感情アイコンとは、例えば
図2に示す「哀」、「怒」、「嬉」、「喜」を表す四種類の顔のアイコンのことであり、それぞれのアイコンはユーザの感情を表す。本実施態様においては、感情アイコンは顔アイコンであるが、感情を直感的に理解しうるアイコンであれば、顔アイコンに限らず、例えば文字「哀」、「怒」、「嬉」、「喜」を表す文字アイコンであってもよい。本実施形態においては、顔アイコンを感情アイコンとすることにより、言語の異なる国におけるユーザ同士のコミュニケーションにおいても、文字「哀」、「怒」、「嬉」、「喜」を各国語に訳すことなく、ユーザはどの顔アイコンを選択するべきかを容易に理解することができる。また、本実施形態においては、四種類の顔アイコンが示されているが、感情アイコンは「哀」、「怒」、「嬉」、「喜」などの感情の他に、嫌い、好き、厭、退屈、安心、不安、驚愕、興奮、満足、恐怖、快、軽蔑等の様々な他の感情を示す顔アイコンであっても良い。さらに感情アイコンは、四種類未満でも、四種類よりも多くてもよい。例えば、五種類以上の場合、更に感情アイコンをスクロール可能なスクロールバーやアイコンを表示することができる。
【0027】
図3は、ユーザから入力されたテキストを、感情フォントで表示したときのメッセージ画面300の一例を示している。
【0028】
302は、
図2において入力されたテキスト202「いいぜ!」が感情フォントに変換された後の感情テキストの表示を含む吹き出しである。感情フォントは、感情フォントテーブルに格納されている。感情フォントは、それぞれの感情を表現した感情アイコンに対応するよう予め作成されたフォントであり、感情アイコン毎に異なる感情フォントが割り当てられる。感情フォントは、フォントや、背景の組み合わせ、及びフォントのアニメーション、背景のアニメーション、あるいはそれらの組み合わせのアニメーションであっても良い。
【0029】
304は、ユーザによって選択された感情アイコンの種類を示すアイコンである。本実施形態においては、顔アイコン206のうち上から2番目の「怒」がユーザに選択されたため、怒顔アイコン304が表示されている。怒顔アイコン304が表示されることで、テキスト送信者がどの感情を選択したのかがより明確になる。ユーザによって選択された感情アイコンの種類を示すアイコンは表示しなくても良い。
【0030】
図4は、本発明の一実施例に従った、感情テキスト表示方法を示すフローチャートを示す。処理に先立ち、ユーザ端末100は予めネットワーク140を介してサーバ120から複数の感情アイコンと、複数の感情アイコンのそれぞれに対応する複数の感情フォントで構成される感情フォントテーブルをダウンロードする。複数の感情アイコン、及び複数の感情アイコンのそれぞれに対応する感情フォントは予めユーザ端末のメモリ104に格納されている。ユーザ端末100はサーバ120にアクセスして追加の感情フォントテーブルをダウンロードすることができる。
【0031】
図4に示すフローチャートを説明するにあたり、
図1、
図2、
図3を適宜参照する。なお、
図2、
図3に例示されるメッセージ画面はチャットサービスに関するものであるが、他のネットワークサービス、例えば電子メール、SNSサービスにおいても類似の方法で本発明を実施することができることは当業者には容易に理解できるであろう。
【0032】
まず、ユーザ端末は、ディスプレイ102のメッセージ画面において、インタフェース108を介してユーザからのテキスト入力を受信する(S400)。
図2において、ユーザ端末100のメッセージ画面上にユーザからのテキスト入力202「いいぜ!」が表示されている。
【0033】
次に、メッセージ画面に表示されているボタンがユーザによって選択されると、メッセージ画面に複数の感情アイコンをポップアップ表示する(S402)。
図2において、ユーザ端末100のメッセージ画面で送信ボタンが長押しされると、メッセージ画面の送信ボタン上に複数の感情アイコン206をポップアップ表示する。
【0034】
次に、ポップアップ表示された複数の感情アイコンのうち、一つの感情アイコンがユーザにより選択されると、感情フォントテーブルを参照して、選択された感情アイコンに対応する感情フォントを用いて、ユーザからのテキスト入力を感情フォントで構成されたテキストへ変換して、ユーザ端末100A上のメッセージ画面の吹き出し302に表示する(S404)。そしてユーザ端末100Aは、ユーザにより入力されたテキスト情報、ユーザにより選択された感情種類情報をサーバ120へ送信する。感情種類情報とは、ユーザにより選択された感情アイコンに対応する感情の種類を示す情報であり、例えば、
図3においては、ユーザにより選択された感情アイコンが「怒顔アイコン」であるので、「怒」情報である。
【0035】
図5は、ユーザ端末100の機能的構成を示す図である。同図に示すように、ユーザ端末100は、テキスト受信部502、感情アイコン表示部504、感情テキスト表示部506、通信部508を備える。これらの機能は、ユーザ端末におけるメモリ104に格納された所定のプログラムがプロセッサ106によって実行されることにより実現される。
【0036】
通信部508は、予めネットワーク140を介して感情アイコンと、複数の感情アイコンのそれぞれに対応する感情フォントで構成される感情フォントテーブルをサーバ120から受信して、メモリ104に格納する。
【0037】
テキスト受信部502は、ディスプレイ102に表示されたメッセージ画面において、インタフェース108を介してユーザからのテキスト入力を受信する。
【0038】
感情アイコン表示部504は、メッセージ画面に表示されているボタンがユーザによって選択されると、メッセージ画面に複数の感情アイコンをポップアップ表示する。
【0039】
次に、感情テキスト表示部506は、感情アイコン表示部504によって表示された複数の感情アイコンのうち、一つの感情アイコンがユーザにより選択されると、該選択された感情アイコンに対応する感情フォントを用いて、ユーザからのテキスト入力をメッセージ画面上に表示する。これによって、ユーザ端末100において受信されたユーザからのテキスト入力は、入力したユーザの感情の機微を示した感情フォントでメッセージ画面上に表示される。
【0040】
次に、通信部508は、ユーザからのテキスト入力、ユーザにより選択された感情アイコンに関する感情種類情報をサーバ120へ送信する。
【0041】
なお、通信部508は、他のユーザ端末から送信されたテキスト入力、ユーザにより選択された感情アイコンに関する感情種類情報をサーバ120からネットワーク140を介して受信することができる。また、通信部508は、感情フォント、感情アイコンを追加する際に、ネットワーク140を介して感情アイコンと、複数の感情アイコンのそれぞれに対応する感情フォントで構成される感情フォントテーブルをサーバ120から受信して、ユーザ端末のメモリ104に格納することができる。
【0042】
図6は、サーバ120の機能的構成を示す図である。同図に示すように、サーバ120は、受信部602、送信部604、記憶部606を備える。これらの機能は、サーバ120において所定のプログラムが実行されることにより実現される。受信部602は、ユーザ端末100とのデータ通信を行うものであり、特に一のユーザ端末から送信されたテキスト情報、及び感情種類情報を受信するよう構成される。送信部604は、受信された一のユーザ端末からテキスト情報及び感情種類情報を他のユーザ端末に送信するよう構成される。記録部606は複数の感情アイコン、複数の感情アイコンにそれぞれ対応する複数の感情フォントで構成される感情フォントテーブルを格納する。送信部604は、ユーザ端末100からの要求に従って、サーバの記憶部606に格納されている感情アイコン、感情アイコンに対応する感情フォントを、ネットワーク140を介してユーザ端末100へ送信する。
【0043】
図7は、本発明の第2の実施例に従った、感情テキスト表示方法を示すフローチャートを示す。まず、ユーザ端末100Aは、ユーザ端末100Bから送信されたテキスト入力、及び感情種類情報を、サーバ120よりネットワーク140を介して受信する(S700)。そして、ユーザ端末100Aはユーザ端末100Bから送信されたテキスト入力、感情種類情報に基づいて作成された感情テキストをユーザ端末100Aのメッセージ画面上に表示する。
【0044】
次に、ユーザ端末100Aは、メッセージ画面において、インタフェース108Aを介してユーザからのテキスト入力を受信する(S702)。
【0045】
次に、メッセージ画面に表示されているボタンがユーザによって選択されると、感情アイコン表示部504は、ユーザ端末100B(即ち、通信相手方の送信側ユーザ端末)からの感情種類情報に対応する複数の感情アイコンを選択して、ユーザ端末100Aのメッセージ画面上に表示する(S704)。例えば、通信相手側ユーザが感情種類「哀」、「怒」、「嬉」、「喜」のうち「怒」を選択した場合、感情アイコン表示部504は感情種類「嬉」、「喜」ではなく、「哀」、「怒」に対応する感情アイコンを選択して表示する。通信相手側ユーザが感情「怒」である場合に、その感情に応答する感情は一般的に「嬉」、「喜」ではなく、「哀」、「怒」と想定されるからである。感情アイコンの種類が多い場合に、システム側で自動的にメッセージ受信側ユーザにより選択され得ると想定される感情種類に対応した感情アイコンを選定することで、受信側ユーザは多数の感情アイコンの中から自分の利用したい感情アイコンを選び出す煩雑な作業を簡略化することができる。
【0046】
次に、感情テキスト表示部506は、複数の感情アイコンのうち選択された一つの感情アイコンが受信側ユーザにより選択されると、該選択された感情アイコンに対応する感情フォントを用いて、受信側ユーザからのテキスト入力を感情テキストへ変換して、ユーザ端末100A上のメッセージ画面上の吹き出しに表示する(S706)。
【0047】
図8は顔アイコンと共に、それぞれの顔アイコンに対応する日本語による感情フォントの一実施形態である。800は感情「喜」を表す顔アイコンと共に、それに対応する「楽しいフォント」を示す。802は感情「怒」を表す顔アイコンと共に、それに対応する「怒りフォント」を示す。804は感情「哀」を表す顔アイコンと共に、それに対応する「哀愁フォント」を示す。806は感情「悲」を表す顔アイコンと共に、それに対応する「悲しいフォント」を示す。これらの顔アイコン、感情フォントは単なる例示であり、他の形態を用いることが可能である。
【0048】
図9は顔アイコンと共に、それぞれの顔アイコンに対応する英語による感情フォントの一実施形態である。
【0049】
図10は複数の感情アイコンと感情アイコンのそれぞれ対応する複数の感情フォントで構成される感情フォントテーブルの一実施形態である。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0051】
例えば、以上の説明では、ユーザによって選択された感情アイコンの種類を、そのユーザによって次に入力されるテキストの感情テキスト表示に利用していないが、ユーザにより次のメッセージが入力された際に、以前にそのユーザによって選択された感情アイコンの情報を用いるようにしても良い。即ち、前回選択された感情アイコンに対応する感情種類情報をユーザ端末100Aのメモリ104Aに格納しておき、次にユーザからのテキスト入力が受信された場合に、メモリ104Aに格納されている前回選択された感情アイコンの感情種類情報に対応する感情アイコンをメッセージ画面上にポップアップ表示するようにしてもよい。例えば、前回ユーザにより選択された感情アイコンが「怒」である場合に、そのユーザからの次のテキスト入力が受信されると、感情種類情報「怒」に対応する感情アイコン「怒」をシステムによって自動的に選択しポップアップ表示する。こうしてユーザは複数の感情アイコンから一つの感情アイコンを選択する手間を省き迅速で簡易に通信相手とコミュニケーションを図ることができる。
【0052】
以上、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の他の実施形態及び用途は、本明細書に開示される本発明の明細及び手法を考慮すると当業者には明らかであろう。特にそのいくつかの好ましい実施例を参照してこの発明を図示及び説明してきたが、前述の請求項に記載されるこの発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な実施態様の変更がなされうることを当業者は理解するであろう。