(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接触部には、前記ペーパーホルダ本体の前記第1の家庭用薄葉紙の芯が取付け可能な軸部に対して、前記挿通部が当該接触部の回動方向に重なる位置で、且つ、回動する当該接触部の挿通部の内側に軸部が配置されるような形状に形成されてなることを特徴とする請求項2に記載のペーパーホルダカバー。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
なお、以下の説明では、ペーパーホルダカバー2の取出口221側を前側(使用者側)とするとともにその反対側を後側とし、ペーパーホルダ本体1の軸部12の長手方向を上下方向とし、上下方向及び前後方向の双方に直交する方向を左右方向とする。
【0015】
[実施形態1]
図1は、本発明を適用した実施形態1のペーパーホルダ100を示す斜視図である。また、
図2(a)は、ペーパーホルダ100に包装タイプの家庭用薄葉紙P2を取り付けた状態を示す斜視図であり、
図2(b)は、ペーパーホルダ100にロールタイプの家庭用薄葉紙P1を取り付けた状態を示す斜視図である。
実施形態1のペーパーホルダ100は、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1と包装タイプの家庭用薄葉紙P2の両方を保持可能に構成されている(
図2(a)及び
図2(b)参照)。具体的には、
図1〜
図3に示すように、ペーパーホルダ100は、ペーパーホルダ本体1と、このペーパーホルダ本体1に上側から覆うように取り付けられるペーパーホルダカバー2とを備えている。
【0016】
ここで、家庭用薄葉紙Pは、例えば、キッチンペーパー、キッチンタオル、ペーパータオル、ティシュー等の紙製品が適用可能である。
また、ロールタイプの家庭用薄葉紙(第1の家庭用薄葉紙)P1は、例えば、
図2(b)に示すように、一定幅に形成された長尺のシートS1が円筒状のロール芯Cにロール状に巻回されて構成されている。長尺のシートS1は、所定の間隔毎に幅方向に延在する破断用のミシン目(図示略)が形成されていても良い。また、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1の寸法は、例えば、巻径(ロール径)がφ100〜130[mm]で、幅(上下方向の長さ)が200〜300[mm]で、ロール芯径がφ35〜45[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
また、包装タイプの家庭用薄葉紙(第2の家庭用薄葉紙)P2は、例えば、
図2(a)に示すように、複数枚のシートS2が交互に重ねて積層されたものが包装フィルムFにより包装されて構成されている。包装フィルムFの一面には、例えば、図示は省略するが、所定方向に延在する直線状のミシン目が設けられ、このミシン目が切り開かれることで当該包装フィルムFの内側から取り出されるシートS2の挿通口が形成される。また、包装タイプの家庭用薄葉紙P2の寸法は、例えば、高さ(前後方向の長さ)が30〜110[mm]で、幅(上下方向の長さ)が200〜300[mm]で、奥行(左右方向の長さ)が60〜130[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
【0017】
また、家庭用薄葉紙Pは、特に限定されず1プライ、または2プライ以上の複数プライのものとすることができる。家庭用薄葉紙Pには、適宜のエンボスが施されていてもよい。
また、本発明に係るキッチンペーパーは、例えば、JIS P 8124(1998)に基づく1プライ当たりの米坪が10〜70[g/m
2]とする。また、紙厚は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK H型」(尾崎製作所製)を用いて測定し、150〜500[μm]とする。乾燥引張紙力はJIS P 8113に基づき、乾燥引張紙力(縦)が800〜3000[cN]、乾燥引張紙力(横)が400〜2000[cN]である。湿潤引張紙力はJIS P 8135に基づき、湿潤引張紙力(縦)が200〜1500[cN]、湿潤引張紙力(横)が100〜1000[cN]であり、伸び率(引張破断伸)が10〜40[%]のものである。なお、各引張紙力及び伸び率における試料は、25[mm]幅での測定値である。
【0018】
ペーパーホルダ本体1は、基台部11と、この基台部11に取付け固定された軸部12とを備えている。
【0019】
基台部11は、例えば、外形が扁平な直方体状に形成されている。また、基台部11の寸法は、例えば、左右方向の長さが140〜170[mm]で、前後方向の長さが150〜210[mm]で、上下方向の長さが10〜20[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
【0020】
軸部12は、基台部11の略中心よりわずかに後側の位置に取付け固定されている。また、軸部12は、基台部11の上面から上下方向に延在する略円柱状に形成されている。
また、軸部12は、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール芯Cが取付け可能に形成されている。すなわち、軸部12は、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール芯Cの内径よりも小さい外径を有している。そして、ペーパーホルダ本体1にロールタイプの家庭用薄葉紙P1を保持させる場合、軸部12にロール芯Cを外嵌させるようになっている(
図2(b)参照)。
また、軸部12の長手方向(上下方向)の長さは、例えば、少なくともロールタイプ及び包装タイプの家庭用薄葉紙P1、P2の各々のシートS1、S2の幅と略等しくなっている。具体的には、軸部12の寸法は、例えば、外径がφ10〜30[mm]で、上下方向の長さが350〜400[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
【0021】
ペーパーホルダカバー2は、例えば、外形が略直方体状に形成され、下側が開口した中空形状をなしている。具体的には、ペーパーホルダカバー2は、天面板部21と、この天面板部(支持部)21の前側の端部に取付け固定された前側板部22と、天面板部21の後側の端部に取付け固定された後側板部23と、天面板部21の左右両側の端部に取付け固定された左右の両側板部24、25とを備えている。そして、天面板部21、前側板部22、後側板部23及び左右の両側板部24、25とが組み合わされることで、略直方体状の箱型に形成されている。また、天面板部21の内側には、第1付勢部26が取り付けられている。
なお、ペーパーホルダカバー2の寸法は、例えば、左右方向の長さが140〜170[mm]で、前後方向の長さが150〜210[mm]で、上下方向の長さが250〜350[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
【0022】
天面板部21には、ペーパーホルダ本体1の軸部12が挿通される挿通孔211が形成されている。
挿通孔211は、天面板部21の略中心よりわずかに後側の位置に設けられ、当該天面板部21を上下方向に貫通して形成されている。そして、ペーパーホルダ本体1にペーパーホルダカバー2が取り付けられる際に、挿通孔211に軸部12が挿通されることで、ペーパーホルダ本体1とペーパーホルダカバー2とが前後方向及び左右方向に位置決めされるようになっている(
図2(a)及び
図2(b)参照)。
【0023】
前側板部22、後側板部23及び左右の両側板部24、25は、例えば、下端の位置が略等しくなっており、ペーパーホルダ本体1にペーパーホルダカバー2が取り付けられた状態で、基台部11の上面との間に隙間を形成しないようになっている。
【0024】
また、前側板部22は、例えば、正面視にて矩形状をなし、左右方向の略中央部に取出口221が形成されている。すなわち、前側板部22は、ペーパーホルダ100に保持されるロールタイプ及び包装タイプの家庭用薄葉紙P1、P2の各々のシートS1、S2の取出口221が形成された取出口形成部を構成している。
取出口221は、例えば、当該前側板部22を前後方向に貫通して形成され、上下方向に長尺な矩形状をなす開口である。この取出口221の長手方向(上下方向)の長さは、例えば、ロールタイプ及び包装タイプの家庭用薄葉紙P1、P2の各々のシートS1、S2の幅と略等しいか、その幅よりも長くなっている。なお、取出口221の左右方向の幅は、少なくともシートの厚さよりも大きければ良いが、当該ペーパーホルダ100に保持されたロールタイプの家庭用薄葉紙P1や包装タイプの家庭用薄葉紙P2のシートS1、S2を引き出す際に取出口221の内側に指先が挿入可能な程度の幅を有しているのが好ましい。
具体的には、取出口221の寸法は、例えば、左右方向の長さが10〜20[mm]で、上下方向の長さが210〜310[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
【0025】
また、天面板部21の内側に取り付けられた第1付勢部26の第1接触板部261(後述)によりペーパーホルダカバー2の内側空間が第1収納空間部R1と第2収納空間部R2とに仕切られている(
図2(a)及び
図2(b)等参照)。
【0026】
第1収納空間部R1は、ペーパーホルダカバー2の内側の後側に設けられ、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1を収納する空間を構成している。また、第2収納空間部R2は、ペーパーホルダカバー2の内側の前側に設けられ、包装タイプの家庭用薄葉紙P2を収納する空間を構成している。
すなわち、例えば、天面板部21の挿通孔211に軸部12を挿入するようにしてペーパーホルダ本体1に上側からペーパーホルダカバー2が取り付けられる。このとき、ペーパーホルダカバー2の内側空間の第1接触板部261よりも後側の部分により第1収納空間部R1が構成され、例えば、軸部12にロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール芯Cを外嵌させるようにして当該家庭用薄葉紙P1がペーパーホルダ本体1に取り付けられることで、第1収納空間部R1にロールタイプの家庭用薄葉紙P1が収納された状態となる(
図2(b)参照)。また、ペーパーホルダカバー2の内側空間の第1接触板部261よりも前側の部分により第2収納空間部R2が構成され、例えば、前側板部22と第1接触板部261との間に配置されるように包装タイプの家庭用薄葉紙P2が配設されることで、第2収納空間部R2に包装タイプの家庭用薄葉紙P2が収納された状態となる(
図2(a)参照)。
【0027】
第1付勢部26は、第2収納空間部R2に配置された包装タイプの家庭用薄葉紙P2を取出口221側に付勢するものである。具体的には、第1付勢部26は、天面板部21の内面の前寄りの位置に回動可能に吊り下げられた第1接触板部261を有している。
第1接触板部261は、その上端部が天面板部21の内面に左右方向の軸を中心として回動自在に軸着されている。また、第1接触板部261は、第2収納空間部R2に配置された包装タイプの家庭用薄葉紙P2の取出口221と反対側の部分、すなわち、包装フィルムFの挿通口と反対側となる後端部に接触可能となっている。そして、第1接触板部261が自重により前側に回動することで、第2収納空間部R2に配置された包装タイプの家庭用薄葉紙P2の取出口221と反対側の部分に接触して当該家庭用薄葉紙P2を取出口221側に付勢する。
【0028】
また、第1接触板部261には、ペーパーホルダ本体1に取り付けられたロールタイプの家庭用薄葉紙P1のシートS1が挿通される第1挿通部261aが形成されている。
第1挿通部261aは、例えば、第1接触板部261の左右方向の略中央部の下端から上側に略等しい幅で切り欠かれることで上下方向に長尺に形成され、第1接触板部261が正面視にて門形状をなしている。すなわち、第1接触板部261には、ペーパーホルダ本体1のロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール芯Cが取付け可能な軸部12に対して、第1挿通部261aが当該第1接触板部261の回動方向に重なる位置に形成されている。また、第1挿通部261aの左右方向の幅は、ペーパーホルダ本体1の軸部12の径よりも大きくなっており、第1接触板部261を後側に回動させた場合に第1挿通部261aの内側に軸部12が配置されるようになっている。
また、第1挿通部261aの長手方向(上下方向)の長さは、例えば、ロールタイプ及び包装タイプの家庭用薄葉紙P1、P2の各々のシートS1、S2の幅と略等しいか、その幅よりも長くなっている。
なお、第1挿通部261aの寸法は、例えば、左右方向の長さが15〜40[mm]で、上下方向の長さが200〜300[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
【0029】
次に、ペーパーホルダ100の使用状態について、
図3(a)〜
図3(d)を参照して説明する。
図3(a)及び
図3(b)は、ペーパーホルダ100に包装タイプの家庭用薄葉紙P2が保持された場合の使用状態を説明するための図であり、
図3(c)及び
図3(d)は、ペーパーホルダ100にロールタイプの家庭用薄葉紙P1が保持された場合の使用状態を説明するための図である。なお、
図3(a)〜
図3(d)の各図は、ペーパーホルダ100の左右方向の略中央部を前後方向に通る直線に沿って切断した状態を示す模式的な断面図である。
【0030】
<包装タイプの家庭用薄葉紙の場合>
例えば、使用開始時等にて、包装フィルムFの内側にシートS2が大量に存し家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さが長い場合、前側板部22の取出口221との間隔がより大きくなるように第1接触板部261を後側に回動させ、前側板部22と第1接触板部261との間の第2収納空間部R2に包装タイプの家庭用薄葉紙P2を配設する。そして、天面板部21の挿通孔211に軸部12を挿入するようにしてペーパーホルダ本体1に上側からペーパーホルダカバー2が取り付けられる。このとき、後側に回動した第1接触板部261の第1挿通部261aの内側に軸部12が配置される。これにより、当該家庭用薄葉紙P2がペーパーホルダ100に保持され、挿通口を通ったシートS2が前側板部22の取出口221を介して引き出される(
図3(a)参照)。
ここで、第1接触板部261は自重により前側に回動するため、第2収納空間部R2に配置された包装タイプの家庭用薄葉紙P2の取出口221と反対側の部分に接触して当該家庭用薄葉紙P2を取出口221側に付勢する。これにより、家庭用薄葉紙P2は包装フィルムFの挿通口側の面を前側板部22の後面に接触させるように押圧された状態となる。
【0031】
その後、包装フィルムFの内側のシートS2が消費されて家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さが短くなると、家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さの変動に伴って第1接触板部261が前側板部22の取出口221側に回動していくこととなる(
図3(b)参照)。これにより、家庭用薄葉紙P2は包装フィルムFの挿通口側の面を前側板部22の後面に接触させるように押圧される。
【0032】
<ロールタイプの家庭用薄葉紙の場合>
軸部12にロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール芯Cを外嵌させるようにして当該家庭用薄葉紙P1がペーパーホルダ本体1に取り付けられ、天面板部21の挿通孔211に軸部12を挿入するようにしてペーパーホルダ本体1に上側からペーパーホルダカバー2が取り付けられる。これにより、第1収納空間部R1にロールタイプの家庭用薄葉紙P1が配設され、長尺なシートS1の自由端側(先端側)が第1接触板部261の第1挿通部261a及び前側板部22の取出口221を介して引き出される(
図2(b)参照)。
このとき、第1接触板部261は自重により回動可能となっているため、略上下方向に延在するように垂れ下がった状態となる。このため、例えば、使用開始時等にてロール芯CにシートS1が大量に巻かれて家庭用薄葉紙P1のロール径が大きい場合であっても(
図3(c)参照)、ロール芯Cに巻かれているシートS1が消費されて家庭用薄葉紙P1のロール径が小さくなった場合であっても(
図3(d)参照)、第1収納空間部R1に収納されたロールタイプの家庭用薄葉紙P1と第1接触板部261とが干渉することがない。
【0033】
以上のように、実施形態1のペーパーホルダ100によれば、第1付勢部26は、ペーパーホルダ本体1に取り付けられたロールタイプの家庭用薄葉紙P1のシートS1が挿通される第1挿通部261aが形成されるとともに、第2収納空間部R2に配置された包装タイプの家庭用薄葉紙P2を前側板部22の取出口221側に付勢しているので、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1の場合、第1付勢部26が邪魔になることなく第1挿通部261a及び前側板部22の取出口221を介してシートS1を引き出すことができ、一方、包装タイプの家庭用薄葉紙P2の場合、その前後方向の長さに拘わらず第1付勢部26により前側板部22の取出口221側に付勢されることとなり、使用者が第1付勢部26と前側板部22の取出口221との間隔を手動で調整するという煩雑な作業が必要なくなる。このように、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1を保持可能なペーパーホルダ本体1を包装タイプの家庭用薄葉紙P2にも対応させることができる。
【0034】
また、第1付勢部26は、第1接触板部261が自重により回動することで、第2収納空間部R2に配置された包装タイプの家庭用薄葉紙P2に接触して当該家庭用薄葉紙P2を前側板部22の取出口221側に付勢するので、簡略な構成で包装タイプの家庭用薄葉紙P2を前側板部22の取出口221側に付勢することができる。
さらに、第1接触板部261には、ペーパーホルダ本体1のロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール芯Cが取付け可能な軸部12に対して、第1挿通部261aが当該第1接触板部261の回動方向に重なる位置で、且つ、回動する当該第1接触板部261の第1挿通部261aの内側に軸部12が配置されるような形状に形成されているので、例えば、包装フィルムFの内側にシートS2が大量に存し家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さが長い場合等に、前側板部22の取出口221との間隔がより大きくなるように第1接触板部261を後側に回動させても、回動した第1接触板部261の第1挿通部261aの内側に軸部12を配置することができる。つまり、第2収納空間部R2に包装タイプの家庭用薄葉紙P2を収納する際に、軸部12によって第1接触板部261の回動が妨げられることがなくなり、前後方向の長さの長い家庭用薄葉紙P2を第2収納空間部R2に適正に収納することができる。
【0035】
[実施形態2]
次に、実施形態2のペーパーホルダ200について図面を参照して説明する。
図4は、本発明を適用した実施形態2のペーパーホルダ200を示す斜視図である。
なお、以下に説明する以外の点は、上記実施形態1のペーパーホルダ100と略同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0036】
図4に示すように、実施形態2のペーパーホルダ200のペーパーホルダカバー202は、第2接触板部262が取出口221側に弾性的に付勢された第2付勢部226を備えている。
すなわち、第2付勢部226は、第2収納空間部R2に配置された包装タイプの家庭用薄葉紙P2の取出口221と反対側の部分に接触可能な第2接触板部262と、この第2接触板部262を前側板部22の取出口221側に弾性的に付勢する弾性部272と、を有している。
【0037】
第2接触板部262は、例えば、正面視にて矩形状をなし、左右方向の略中央部にロールタイプの家庭用薄葉紙P1のシートS1が挿通される第2挿通部262aが形成されている。
第2挿通部262aは、上記実施形態1の第1挿通部261aと略同様の構成である。具体的には、第2挿通部262aは、例えば、第2接触板部262の左右方向の略中央部の下端から上側に略等しい幅で切り欠かれることで上下方向に長尺に形成され、第2接触板部262が正面視にて門形状をなしている。また、第2挿通部262aは、前側板部22の取出口221と前後方向に重なるように配置されている。
なお、第2挿通部262aの寸法は、例えば、左右方向の長さが15〜40[mm]で、上下方向の長さが200〜300[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
【0038】
弾性部272は、例えば、引張りコイルばねが適用され、第2接触板部262と前側板部22とを繋ぐように配設されている。具体的には、弾性部272は、第2接触板部262及び前側板部22の上下方向の略中央部にて左右両端側に一つずつ設けられている。また、各弾性部272は、一端部が第2接触板部262の前面に固定されるとともに、他端部が前側板部22の後面に固定されている。これにより、第2接触板部262が弾性部272により前側板部22の取出口221側に弾性的に常時付勢された状態となっている。
【0039】
また、第2付勢部226の第2接触板部262によりペーパーホルダカバー202の内側空間が第1収納空間部R1と第2収納空間部R2とに仕切られている。
すなわち、例えば、天面板部21の挿通孔211に軸部12を挿入するようにしてペーパーホルダ本体1に上側からペーパーホルダカバー202が取り付けられる。このとき、ペーパーホルダカバー202の内側空間の第2接触板部262よりも後側の部分により第1収納空間部R1が構成され、例えば、軸部12にロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール芯Cを外嵌させるようにして当該家庭用薄葉紙P1がペーパーホルダ本体1に取り付けられることで、第1収納空間部R1にロールタイプの家庭用薄葉紙P1が収納された状態となる。また、ペーパーホルダカバー202の内側空間の第2接触板部262よりも前側の部分により第2収納空間部R2が構成され、例えば、弾性部272による付勢力に抗して前側板部22に対して第2接触板部262を離間させた状態で当該前側板部22と第2接触板部262との間に包装タイプの家庭用薄葉紙P2が配設されることで、第2収納空間部R2に包装タイプの家庭用薄葉紙P2が収納された状態となる。
【0040】
次に、ペーパーホルダ200の使用状態について、
図5(a)〜
図5(d)を参照して説明する。
図5(a)及び
図5(b)は、ペーパーホルダ200に包装タイプの家庭用薄葉紙P2が保持された場合の使用状態を説明するための図であり、
図5(c)及び
図5(d)は、ペーパーホルダ200にロールタイプの家庭用薄葉紙P1が保持された場合の使用状態を説明するための図である。なお、
図5(a)〜
図5(d)の各図は、ペーパーホルダ200の左右方向の略中央部を前後方向に通る直線に沿って切断した状態を示す模式的な断面図である。
【0041】
<包装タイプの家庭用薄葉紙の場合>
例えば、使用開始時等にて、包装フィルムFの内側にシートS2が大量に存し家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さが長い場合、前側板部22と第2接触板部262との間隔が大きくなるように前側板部22に対して第2接触板部262を後側に移動(離間)させ、前側板部22と第2接触板部262との間の第2収納空間部R2に包装タイプの家庭用薄葉紙P2を配設する。そして、天面板部21の挿通孔211に軸部12を挿入するようにしてペーパーホルダ本体1に上側からペーパーホルダカバー202が取り付けられる。これにより、当該家庭用薄葉紙P2がペーパーホルダ200に保持され、挿通口を通ったシートS2が前側板部22の取出口221を介して引き出される(
図5(a)参照)。
この状態で、第2接触板部262が弾性部272により前側板部22の取出口221側に付勢されているため、家庭用薄葉紙P2は包装フィルムFの挿通口側の面を前側板部22の後面に接触させるように押圧された状態となる。
【0042】
その後、包装フィルムFの内側のシートS2が消費されて家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さが短くなっても、第2接触板部262が弾性部272により前側板部22の取出口221側に付勢されているため、家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さの変動に伴って第2接触板部262が前側板部22の取出口221側に移動していき、家庭用薄葉紙P2は包装フィルムFの挿通口側の面を前側板部22の後面に接触させるように常時押圧されている(
図5(b)参照)。
【0043】
<ロールタイプの家庭用薄葉紙の場合>
軸部12にロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール芯Cを外嵌させるようにして当該家庭用薄葉紙P1がペーパーホルダ本体1に取り付けられ、天面板部21の挿通孔211に軸部12を挿入するようにしてペーパーホルダ本体1に上側からペーパーホルダカバー202が取り付けられる。これにより、第1収納空間部R1にロールタイプの家庭用薄葉紙P1が配設され、長尺なシートS1の自由端側(先端側)が第2接触板部262の第2挿通部262a及び前側板部22の取出口221を介して引き出される。
このとき、第2接触板部262が弾性部272により前側板部22の取出口221側に常時付勢されて、前側板部22との間隔が小さく(後側板部23との間隔が大きく)なっている。このため、例えば、使用開始時等にてロール芯CにシートS1が大量に巻かれて家庭用薄葉紙P1のロール径が大きい場合であっても(
図5(c)参照)、ロール芯Cに巻かれているシートS1が消費されて家庭用薄葉紙P1のロール径が小さくなった場合であっても(
図5(d)参照)、第1収納空間部R1に収納されたロールタイプの家庭用薄葉紙P1と第2接触板部262とが干渉することがない。
【0044】
以上のように、実施形態2のペーパーホルダ200によれば、上記実施形態1と同様に、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1の場合、第2付勢部226が邪魔になることなく第2挿通部262a及び前側板部22の取出口221を介してシートS1を引き出すことができ、一方、包装タイプの家庭用薄葉紙P2の場合、その前後方向の長さに拘わらず第2付勢部226により前側板部22の取出口221側に付勢されることとなり、使用者が第2付勢部226と前側板部22の取出口221との間隔を手動で調整するという煩雑な作業が必要なくなる。このように、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1を保持可能なペーパーホルダ本体1を包装タイプの家庭用薄葉紙P2にも対応させることができる。さらに、第2接触板部262が弾性部272により前側板部22の取出口221側に付勢されているため、家庭用薄葉紙P2は包装フィルムFの挿通口側の面を前側板部22の後面に接触させるように押圧された状態となり、包装タイプの家庭用薄葉紙P2の前側板部22の取出口221側への付勢を適正に行うことができる。
【0045】
[実施形態3]
次に、実施形態3のペーパーホルダ300について図面を参照して説明する。
図6は、本発明を適用した実施形態3のペーパーホルダ300を示す斜視図である。また、
図7は、
図6のVII−VII線におけるペーパーホルダ300の断面図である。
なお、以下に説明する以外の点は、上記実施形態2のペーパーホルダ200と略同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0046】
図6に示すように、実施形態3のペーパーホルダ300のペーパーホルダカバー302は、第3付勢部326の第3接触板部263が前側板部22に対して進退するようにスライド移動可能に構成されている。
【0047】
第3付勢部326は、第2収納空間部R2に配置された包装タイプの家庭用薄葉紙P2の取出口221と反対側の部分に接触可能な第3接触板部263を有している。
第3接触板部263には、ペーパーホルダ本体1に取り付けられたロールタイプの家庭用薄葉紙P1のシートS1が挿通される第3挿通部263aが形成されている。
第3挿通部263aは、上記実施形態1の第1挿通部261aと略同様の構成である。具体的には、第3挿通部263aは、例えば、第3接触板部263の左右方向の略中央部の下端から上側に略等しい幅で切り欠かれることで上下方向に長尺に形成され、第3接触板部263が正面視にて門形状をなしている。また、第3挿通部263aは、前側板部22の取出口221と前後方向に重なるように配置されている。
なお、第3挿通部263aの寸法は、例えば、左右方向の長さが15〜40[mm]で、上下方向の長さが200〜300[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
【0048】
また、第3接触板部263の上端部には、例えば、天面板部21の溝部212(後述)に係止される係止部263bが二つ設けられている(
図7参照)。二つの係止部263b、263bは、左右方向の両端部にそれぞれ形成され、上端部が左右方向に張り出した凸形状をなしている。
【0049】
また、第3接触板部263は、弾性部272により前側板部22の取出口221側に弾性的に付勢されている。
弾性部272は、第3接触板部263の二つの係止部263b、263bの各々と前側板部22とを繋ぐようにそれぞれ一つずつ配設されている。具体的には、各弾性部272は、一端部が第3接触板部263の係止部263bの前面に固定されるとともに、他端部が前側板部22の後面に固定されている。これにより、第3接触板部263が弾性部272により前側板部22の取出口221側に弾性的に常時付勢された状態となっている。
【0050】
溝部212は、天面板部21の内面の左右方向の両端部にそれぞれ形成されている。また、各溝部212は、例えば、
図7に示すように、第3接触板部263の係止部263bの外形に対応させて、下側部212aが上側部212bに対して幅狭な凹形状に形成されている。そして、溝部212に第3接触板部263の係止部263bが抜け止めされた状態で第3接触板部263が取り付けられるようになっている。
また、溝部212は、例えば、前後方向に延在するように直線状に形成されている。これにより、溝部212に取り付けられた第3接触板部263が前側板部22に対して進退するように前後方向にスライド移動可能となっている。つまり、第3接触板部263が溝部212の延在方向に沿ってスライド移動することで、第3接触板部263と前側板部22の取出口221との間隔が調整可能に構成されている。
また、溝部212の寸法は、例えば、下端開口の左右方向の長さが5〜10[mm]で、深さが5〜10[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
【0051】
また、第3付勢部326の第3接触板部263によりペーパーホルダカバー302の内側空間が第1収納空間部R1と第2収納空間部R2とに仕切られている。
すなわち、例えば、天面板部21の挿通孔211に軸部12を挿入するようにしてペーパーホルダ本体1に上側からペーパーホルダカバー302が取り付けられる。このとき、ペーパーホルダカバー302の内側空間の第3接触板部263よりも後側の部分により第1収納空間部R1が構成され、例えば、軸部12にロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール芯Cを外嵌させるようにして当該家庭用薄葉紙P1がペーパーホルダ本体1に取り付けられることで、第1収納空間部R1にロールタイプの家庭用薄葉紙P1が収納された状態となる。また、ペーパーホルダカバー302の内側空間の第3接触板部263よりも前側の部分により第2収納空間部R2が構成され、例えば、弾性部272による付勢力に抗して前側板部22に対して第3接触板部263を離間させた状態で当該前側板部22と第3接触板部263との間に包装タイプの家庭用薄葉紙P2が配設されることで、第2収納空間部R2に包装タイプの家庭用薄葉紙P2が収納された状態となる。
【0052】
次に、ペーパーホルダ300の使用状態について、
図8(a)〜
図8(d)を参照して説明する。
図8(a)及び
図8(b)は、ペーパーホルダ300に包装タイプの家庭用薄葉紙P2が保持された場合の使用状態を説明するための図であり、
図8(c)及び
図8(d)は、ペーパーホルダ300にロールタイプの家庭用薄葉紙P1が保持された場合の使用状態を説明するための図である。なお、
図8(a)〜
図8(d)の各図は、ペーパーホルダ300の左右方向の略中央部を前後方向に通る直線に沿って切断した状態を示す模式的な断面図である。
【0053】
<包装タイプの家庭用薄葉紙の場合>
例えば、使用開始時等にて、包装フィルムFの内側にシートS2が大量に存し家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さが長い場合、前側板部22と第3接触板部263との間隔が大きくなるように前側板部22に対して第3接触板部263を溝部212に沿って後側にスライド移動させ、前側板部22と第3接触板部263との間の第2収納空間部R2に包装タイプの家庭用薄葉紙P2を配設する。そして、天面板部21の挿通孔211に軸部12を挿入するようにしてペーパーホルダ本体1に上側からペーパーホルダカバー302が取り付けられる。これにより、当該家庭用薄葉紙P2がペーパーホルダ300に保持され、挿通口を通ったシートS2が前側板部22の取出口221を介して引き出される(
図8(a)参照)。
この状態で、第3接触板部263が弾性部272により前側板部22の取出口221側に付勢されているため、家庭用薄葉紙P2は包装フィルムFの挿通口側の面を前側板部22の後面に接触させるように押圧された状態となる。
【0054】
その後、包装フィルムFの内側のシートS2が消費されて家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さが短くなっても、第3接触板部263が弾性部272により前側板部22の取出口221側に付勢されているため、家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さの変動に伴って第3接触板部263が前側板部22の取出口221側にスライド移動していき、家庭用薄葉紙P2は包装フィルムFの挿通口側の面を前側板部22の後面に接触させるように常時押圧されている(
図8(b)参照)。
【0055】
<ロールタイプの家庭用薄葉紙の場合>
軸部12にロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール芯Cを外嵌させるようにして当該家庭用薄葉紙P1がペーパーホルダ本体1に取り付けられ、天面板部21の挿通孔211に軸部12を挿入するようにしてペーパーホルダ本体1に上側からペーパーホルダカバー302が取り付けられる。これにより、第1収納空間部R1にロールタイプの家庭用薄葉紙P1が配設され、長尺なシートS1の自由端側(先端側)が第3接触板部263の第3挿通部263a及び前側板部22の取出口221を介して引き出される。
このとき、第3接触板部263が弾性部272により前側板部22の取出口221側に常時付勢されて、前側板部22との間隔が小さく(後側板部23との間隔が大きく)なっている。このため、例えば、使用開始時等にてロール芯CにシートS1が大量に巻かれて家庭用薄葉紙P1のロール径が大きい場合であっても(
図8(c)参照)、ロール芯Cに巻かれているシートS1が消費されて家庭用薄葉紙P1のロール径が小さくなった場合であっても(
図8(d)参照)、第1収納空間部R1に収納されたロールタイプの家庭用薄葉紙P1と第3接触板部263とが干渉することがない。
【0056】
以上のように、実施形態3のペーパーホルダ300によれば、上記実施形態1と同様に、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1の場合、第3付勢部326が邪魔になることなく第3挿通部263a及び前側板部22の取出口221を介してシートS1を引き出すことができ、一方、包装タイプの家庭用薄葉紙P2の場合、その前後方向の長さに拘わらず第3付勢部326により前側板部22の取出口221側に付勢されることとなり、使用者が第3付勢部326と前側板部22の取出口221との間隔を手動で調整するという煩雑な作業が必要なくなる。このように、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1を保持可能なペーパーホルダ本体1を包装タイプの家庭用薄葉紙P2にも対応させることができる。さらに、前側板部22に対して第3接触板部263が進退するようにスライド移動可能に天面板部21の溝部212に取り付けられているので、溝部212に沿って第3接触板部263がスライド移動することで、家庭用薄葉紙P2は包装フィルムFの挿通口側の面を前側板部22の後面に接触させるように押圧された状態となり、包装タイプの家庭用薄葉紙P2の前側板部22の取出口221側への付勢を適正に行うことができる。
【0057】
なお、上記実施形態2、3にあっては、弾性部272として、引張りコイルばねを例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。例えば、図示は省略するが、一端部が第2接触板部262や第3接触板部263の後面に固定されるとともに、他端部が後側板部23の内面に固定された圧縮コイルばねであっても良いし、また、ばねの代わりにゴム等の弾性体を適用しても良い。
【0058】
なお、本発明は、上記実施形態1〜3に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態1〜3における取出口221並びに第1〜第3挿通部261a〜263aの形状は、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0059】
また、上記実施形態1〜3にあっては、軸部12の形状を円柱状としたが、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、断面が多角形状の角柱状であっても良い。
さらに、ペーパーホルダカバー2、202、302の天面板部21にペーパーホルダ本体1の軸部12を挿通させる挿通孔211を設けるようにしたが、一例であってこれに限られるものではなく、挿通孔211を設けるか否かは適宜任意に変更可能である。