【実施例1】
【0021】
図1は、実施例1に係る弾性波デバイスの断面図である。
図1に示すように、基板10上に基板20が搭載されている。基板10の上面、基板20の下面および基板10の下面は、それぞれ第1面70、第2面72および第3面74に相当する。基板10は支持基板10aと圧電基板10bとを有する。支持基板10aは例えばサファイア基板、スピネル基板、アルミナ基板またはシリコン基板である。圧電基板10bは、例えばタンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板である。圧電基板10bは支持基板10aの上面に接合されている。圧電基板10bと支持基板10aの接合面は平面であり平坦である。
【0022】
基板10の上面(すなわち第1面70)に弾性波共振器12、配線34、パッド35aおよび35b並びにグランドパターン37が設けられている。弾性波共振器12は金属層17で形成され、配線34、パッド35aおよび35b並びにグランドパターン37は金属層17と金属層17上に設けられた金属層18で形成されている。金属層17は、例えばアルミニウム層または銅層である。金属層18は、例えば銅層または金層である。基板10の下面(すなわち第3面74)に端子30aから30cが設けられている。端子30aから30cは、弾性波共振器12および22を外部と接続するためのフットパッドである。基板10を貫通するビア配線32aから32cが設けられている。ビア配線32aおよび32bはパッド35aおよび35bと端子30aおよび30bを電気的に接続する。ビア配線32cは、グランドパターン37と端子30cとを電気的に接続する。端子30aから30c、ビア配線32aから32cは例えば銅層、アルミニウム層または金層等の金属層である。
【0023】
基板20の下面(すなわち第2面72)に弾性波共振器22、配線27およびパッド28が設けられている。基板20は、例えばシリコン基板、ガラス基板等の絶縁基板または半導体基板である。弾性波共振器22は、下部電極23、圧電膜24および上部電極25を有する。下部電極23と基板20との間に空隙21が設けられている。パッド28は例えば銅層、アルミニウム層または金層等の金属層である。基板10と20との間にはバンプ36および環状封止部38が設けられている。基板20はバンプ36を介し基板10にフリップチップ実装(フェースダウン実装)されている。バンプ36は、例えば金バンプ、半田バンプまたは銅バンプである。環状封止部38は、金層、銅層または半田層等の金属層、または樹脂層等の絶縁層である。弾性波共振器12と22は空隙26を介し対向している。空隙26は、環状封止部38、基板10および20により封止される。バンプ36は空隙26に囲まれている。
【0024】
端子30aはビア配線32a、パッド35aおよび配線34を介し弾性波共振器12と電気的に接続されている。端子30bは、ビア配線32b、パッド35b、バンプ36、パッド28および配線27を介し弾性波共振器22と電気的に接続されている。端子30bは、弾性波共振器12とは電気的に接続されていない。端子30cはビア配線32cを介しグランドパターン37と電気的に接続されている。端子30cにグランド電位を供給すると、グランドパターン37は接地される。
【0025】
図2(a)は、弾性波共振器12の平面図、
図2(b)は弾性波共振器22の断面図である。
図2(a)に示すように、弾性波共振器12は弾性表面波共振器である。基板10上にIDT(Interdigital Transducer)15と反射器16が形成されている。IDT15は、互いに対向する1対の櫛型電極14を有する。櫛型電極14は、複数の電極指11と複数の電極指11を接続するバスバー13とを有する。反射器16は、IDT15の両側に設けられている。IDT15が圧電基板10bに弾性表面波を励振する。IDT15および反射器16は
図1の金属層17により形成される。金属層17上に絶縁体からなる保護膜または温度補償膜を設けてもよい。
【0026】
図2(b)に示すように、弾性波共振器22は圧電薄膜共振器である。基板20上に圧電膜24が設けられている。圧電膜24を挟むように下部電極23および上部電極25が設けられている。下部電極23と基板20との間に空隙21が形成されている。下部電極23および上部電極25は圧電膜24内に、厚み縦振動モードの弾性波を励振する。下部電極23および上部電極25は例えばルテニウム膜等の金属膜である。圧電膜24は例えば窒化アルミニウム膜である。弾性波共振器12および22は、弾性波を励振する電極を含む。このため、弾性波を規制しないように、弾性波共振器12および22は空隙26に覆われている。
【0027】
図3は、実施例1における基板10の上面の平面図である。
図1は、
図3のA−A断面に相当する。
図3に示すように、基板10の上面上に複数の弾性波共振器12、配線34、パッド35および環状封止部38が設けられている。パッド35にバンプ36が設けられている。基板10内にパッド35に接続するビア配線32が形成されている。パッド35は共通パッドPa1、送信パッドPt1、受信パッドPr1およびグランドパッドPg1を含む。送信パッドPt1は
図1のパッド35aに相当し、受信パッドPr1は
図1のパッド35bに相当する。送信フィルタ60は、ラダー型フィルタであり、弾性波共振器12である直列共振器S11およびS12と並列共振器P11およびP12を有する。共通パッドPa1と送信パッドPt1との間に直列共振器S11およびS12が配線34を介し直列に接続されている。共通パッドPa1と送信パッドPt1との間に並列共振器P11およびP12が配線34を介し並列に接続されている。並列共振器P11およびP12は配線34を介しグランドパッドPg1に接続されている。
【0028】
基板10の上面に受信パッドPr1を囲むようにグランドパターン37が設けられている。グランドパターン37は、グランドパッドPg1に接続されている。これによりグランドパターン37は接地される。
【0029】
図4は、実施例1における基板20の下面の平面図である。
図3との対応をわかり易くするため、基板20の上から透視した平面図である。
図4に示すように、基板20の下面に複数の弾性波共振器22、配線27、パッド28および環状封止部38が設けられている。パッド28にバンプ36が設けられている。パッド28は共通パッドPa2、受信パッドPr2およびグランドパッドPg2を含む。受信フィルタ62は、ラダー型フィルタであり、弾性波共振器22である直列共振器S21からS24と並列共振器P21からP23を有する。共通パッドPa2と受信パッドPr2との間に直列共振器S21からS24が配線27を介し直列に接続されている。共通パッドPa2と受信パッドPr2との間に並列共振器P21からP23が配線27を介し並列に接続されている。並列共振器P21からP23は配線27を介しグランドパッドPg2に接続されている。
【0030】
図5は、実施例1における基板10の下面の平面図である。
図3との対応をわかり易くするため、基板10の上から透視した平面図である。
図5に示すように、基板10の下面に端子30が設けられている。端子30は共通端子Ant、送信端子Tx、受信端子Rxおよびグランド端子Gndを含む。
図3から
図5のように、共通端子Antはビア配線32を介し共通パッドPa1に電気的に接続され、さらにバンプ36を介し共通パッドPa2に電気的に接続されている。送信端子Txはビア配線32aを介し送信パッドPt1に電気的に接続されている。受信端子Rxはビア配線32b、受信パッドPr1、バンプ36を介し受信パッドPr2に電気的に接続されている。グランド端子Gndはビア配線32cを介しグランドパッドPg1に電気的に接続され、さらにバンプ36を介しグランドパッドPg2に電気的に接続されている。
【0031】
以上のように、実施例1の弾性波デバイスは、共通端子Antと送信端子Txとの間に接続された送信フィルタ60と、共通端子Antと受信端子Rxとの間に接続された受信フィルタ62と、を有するデュプレクサとして機能する。送信フィルタ60は、送信端子Txから入力された高周波信号のうち送信帯域の信号を共通端子Antに通過させ、その他の信号を抑圧する。受信フィルタ62は、共通端子Antから入力された高周波信号のうち受信帯域の信号を受信端子Rxに通過させ、その他の信号を抑圧する。
【0032】
図6は、比較例1に係る弾性波デバイスの断面図である。
図7は、比較例1における基板10の平面図である。
図6および
図7に示すように、第1面70にグランドパターンが設けられていない。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0033】
比較例1および実施例1では、送信フィルタ60が形成された第1面70、受信フィルタ62が形成された第2面72、および端子30が形成された第3面74が積層されている。受信端子Rxは受信フィルタ62と電気的に接続されるが、送信フィルタ60とは電気的に接続されていない。しかし、第2面72と第3面74との間に第1面70が位置していると、第1面70に受信パッドPr1を設けることになる。受信パッドPr1は第1面70において送信フィルタ60と電気的に接続されていない。
図6および
図7の矢印80のように、受信パッドPr1と送信フィルタ60とが容量結合する。空隙26の比誘電率はほぼ1であるが、基板10の比誘電率は1より大きいため、受信パッドPr1と送信フィルタ60との容量結合が大きくなる。これにより、送信フィルタ60と受信パッドPr1とが干渉し、送信フィルタ60と受信フィルタ62との間のアイソレーション特性が劣化する。例えば、容量結合を介し、送信信号が受信パッドPr1に漏洩してしまう。
【0034】
このように、発明者は、比較例1のように、送信フィルタ60が形成された基板10と受信フィルタ62が形成された基板20のうち一方の基板20が外部端子へ接続するために他方の基板10上を経由する。このとき、基板10および20を同じ向きに回路基板へ実装する場合とは別に、基板10を経由することによる送信フィルタ60と配線の近接、または基板10の誘電率によるアイソレーションの劣化という課題を初めて見出した。
【0035】
図1および
図3のように、実施例1においては、送信フィルタ60と受信パッドPr1との間にグランドパターン37が設けられている。これにより、矢印80のように受信パッドPr1はグランドパターン37と容量結合する。よって、送信フィルタ60と受信パッドPr1との干渉を抑制し、アイソレーション特性を向上できる。
【0036】
実施例1によれば、送信フィルタ60(第1弾性波フィルタ)、受信パッドPr1およびグランドパターン37が基板10(第1基板)の第1面70に設けられている。送信フィルタ60と受信パッドPr1とは第1面70において電気的に分離されている。受信フィルタ62は平面視において送信フィルタ60と少なくとも一部領域で重なり、受信パッドPr1と電気的に接続されている。このような構成において、グランドパターン37は第1面70において受信パッドPr1と送信フィルタ60との間に設けられている。このように、グランドパターン37は、受信パッドPr1と送信フィルタ60との間を仕切る。これにより、第1面70における送信フィルタ60と受信パッドPr1との容量結合を抑制し、送信フィルタ60と受信フィルタ62との間のアイソレーション特性を向上できる。
【0037】
また、送信端子Tx(第1信号端子)は、送信フィルタ60と電気的に接続されている。受信端子Rx(第2信号端子)は受信パッドPr1を介し受信フィルタ62と電気的に接続されている。グランド端子Gndはグランドパターン37と電気的に接続されている。基板20(第2基板)は基板10の第1面70上に搭載されている。受信フィルタ62は基板20の第2面72に設けられている。送信端子Tx、受信端子Rxおよびグランド端子Gndは、基板10の第1面70と反対の面である第3面74に設けられている。このような構成では、受信パッドPr1を基板10の第1面70に設けることになる。このため、送信フィルタ60と受信フィルタ62とのアイソレーション特性が劣化する。よって、グランドパターン37を設けることにより、アイソレーション特性を向上できる。
【0038】
さらに、基板20は、第2面72が第1面70と対向するように第1面70上に搭載され、受信フィルタ62と受信パッドPr1とはバンプ36を介し電気的に接続されている。このような構成では、送信フィルタ60と受信フィルタ62とのアイソレーション特性が劣化する。よって、グランドパターン37を設けることにより、アイソレーション特性を向上できる。
【0039】
さらに、ビア配線32a(第1ビア配線)は基板10を貫通し、送信フィルタ60と送信端子Txとを電気的に接続する。ビア配線32b(第2ビア配線)は、基板10を貫通し、受信パッドPr1と受信端子Rxとを電気的に接続する。
【0040】
さらに、環状封止部38は、基板10上に送信フィルタ60、受信パッドPr1およびグランドパターン37を囲むように設けられ、送信フィルタ60と受信フィルタ62とを空隙26に封止する。
【0041】
さらに、グランドパターン37は第1面70において送信フィルタ60と電気的に分離していることが好ましい。これにより、グランドパターン37を介した送信フィルタ60と受信パッドPr1との干渉が抑制される。よって、送信フィルタ60と受信フィルタ62とのアイソレーション特性をより向上させることができる。
【0042】
グランドパターン37の膜厚は、パッド35bの膜厚以上であることが好ましい。これにより、パッド35bと送信フィルタ60との容量結合をより抑制できる。
図1のように、パッド35bは、バンプ36を接合するための金属層18を設けることになる。このため、弾性波共振器12同士を接続する配線を金属層17で形成する場合であっても、パッド35bは弾性波共振器12同士を接続する配線より厚くなる。このとき、グランドパターン37は、金属層17および18で形成することが好ましい。これにより、グランドパターン37とパッド35bとの膜厚をほぼ同じとすることができる。よって、パッド35bと送信フィルタ60との容量結合をより抑制できる。
【0043】
ビア配線32は基板10を加工している部分のため、微小クラックが存在する可能性がある。このため、バンプ36を接合するときの応力および/または温度変化等で生じる応力等によりクラックが拡張するおそれがある。
図1および
図3のように、同じパッド35に接続されるビア配線32およびバンプ36は平面視において重なっていない。これにより、バンプ36を接合するときの応力および/または温度変化等で生じる応力によるクラックの拡大を抑制することができる。
【0044】
図8は、実施例1の変形例1における基板10の上面の平面図である。
図8に示すように、第1面70においてグランドパターン37は受信パッドPr1の3辺を囲んでいるが、受信パッドPr1の1辺を囲んでいない。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0045】
図9は、実施例1の変形例2における基板10の上面の平面図である。
図9に示すように、第1面70においてグランドパターン37は送信フィルタ60を囲んでいる。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0046】
グランドパターン37は送信フィルタ60と受信パッドPr1との間に設けられていればよい。グランドパターン37は、例えば送信フィルタ60と受信パッドPr1とを結ぶ全ての直線を遮るように設けられていることが好ましい。実施例1およびその変形例1のように、グランドパターン37は、第1面70において受信パッドPr1を囲むことが好ましい。これにより、送信フィルタ60と受信フィルタ62とのアイソレーション特性をより向上させることができる。実施例1のように、グランドパターン37は、第1面70において受信パッドPr1を完全に囲むことが好ましい。実施例1の変形例2のように、グランドパターン37は、第1面70において送信フィルタ60を完全に囲んでもよい。
【0047】
実施例1ではデュプレクサを例に説明したが、基板10に設けられたフィルタと基板20に設けられたフィルタとは接続されていなくてもよい。受信フィルタ62および送信フィルタ60としてラダー型フィルタの例を説明したが、受信フィルタ62および送信フィルタ60の少なくとも一方は多重モード型フィルタでもよい。また、第1面70に受信フィルタが設けられ、第2面72に送信フィルタが設けられていてもよい。弾性波共振器12として弾性表面は共振器、弾性波共振器22として圧電薄膜共振器の例を説明したが、弾性波共振器12および22は弾性表面波共振器および圧電薄膜共振器のいずれでもよい。圧電基板10bが支持基板10aに接合された例を説明したが、支持基板は設けられていなくてもよい。
【0048】
送信フィルタ60および受信フィルタ62を例に説明したが、基板10および基板20に設けられたフィルタは送信フィルタおよび受信フィルタでなく、それぞれ入力端子と出力端子との間に接続されたフィルタでもよい。例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)方式の送信帯域と受信帯域とは重ならない。このように、フィルタの通過帯域が異なる場合(例えば通過帯域の中心周波数が異なる場合、または通過帯域が重ならない場合)、フィルタ間のアイソレーション特性が問題となる。よって、グランドパターンを設けることが好ましい。
【実施例2】
【0049】
図10は、実施例2に係る弾性波デバイスの断面図である。
図10に示すように、基板10の縁部において圧電基板10bが除去され、環状金属層46が設けられている。環状金属層46上に環状電極44が設けられている。環状電極44上に環状封止部40が設けられている。環状封止部40は、基板20の周りを囲っている。基板20の上面および環状封止部40の上面に平板状のリッド42が設けられている。環状金属層46、環状電極44、環状封止部40およびリッド42を覆うように保護膜48が設けられている。環状封止部40は、例えば半田層等の金属層または樹脂層等の絶縁層である。環状金属層46は、銅層または金層等であり、環状電極44はニッケル層等の金属層である。リッド42は例えば金属板または絶縁板である。保護膜48は金属膜または絶縁膜である。
【0050】
図11は、実施例2における基板10の上面の平面図である。
図12は、実施例2における基板20の下面の平面図である。平面視において基板20は基板10より小さい。基板20を囲むように環状封止部40が設けられている。環状封止部40はビア配線32を介しグランド端子Gndに電気的に接続されている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0051】
図13(a)から
図15(c)は、実施例2に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。
図13(a)に示すように、支持基板10aの上面に圧電基板10bの下面を接合する。この接合はウエハ状態で行なう。接合の方法としては、支持基板10aの上面と圧電基板10bの下面とを活性化させて常温接合する方法、または接着剤で接合する方法等がある。
【0052】
図13(b)に示すように、圧電基板10bに所望の開口50を形成する。開口50は、例えばパターニングされたフォトレジストをマスクにブラスト法を行なうことで形成する。ブラスト法以外にイオンミリング法またはウェットエッチング法を用いてもよい。
【0053】
図13(c)に示すように、圧電基板10bおよび支持基板10aにビアホールを形成する。ビアホールは例えばレーザ光を照射して形成する。ビアホール内および開口50内にシード層(不図示)を形成する。シード層に電流を供給し、電解めっき法を用いビアホール内にビア配線32、開口50内に環状金属層46を形成する。ビア配線32および環状金属層46を銅層とする場合、シード層は例えば基板10側から膜厚が100μmのチタン膜および膜厚が200μmの銅層とすることができる。CMP(Chemical Mechanical Polishing)法等を用い不要なめっき層を除去する。
【0054】
図13(d)に示すように、圧電基板10bの上面に弾性波共振器12、配線34およびパッド35を形成する。弾性波共振器12は例えば基板10側からチタン膜およびアルミニウム膜である。配線34およびパッド35は例えば基板10側からチタン膜および金膜である。
【0055】
図14(a)に示すように、環状金属層46上に環状電極44を形成する。環状電極44は、例えば基板10側からチタン膜およびニッケル膜であり、蒸着法およびリフトオフ法を用い形成する。
図14(b)に示すように、基板10の下面を研磨または研削する。これにより、基板10の下面からビア配線32が露出する。
【0056】
図14(c)に示すように、ビア配線32に接触するように、端子30を形成する。例えば、基板10の下面にシード層を形成する。シード層下に開口を有するフォトレジストを形成する。シード層に電流を供給し電解めっき法を用い開口内にめっき層を形成する。その後、めっき層以外のシード層を除去する。シード層は、例えば基板10側からチタン膜および銅膜とすることができる。めっき層は、例えば基板10側から銅層、ニッケル層および金層とすることができる。
【0057】
図14(d)に示すように、基板10上に基板20をフリップチップ実装する。基板20は個片化後のチップであり、基板20の下面に、バンプ36として金スタッドバンプが形成されている。
【0058】
図15(a)に示すように、基板10上に基板20を覆うように半田板を配置する。半田板上にリッド42を配置する。リッド42で半田板を基板10に押圧し半田板の融点以上に加熱する。これにより、半田板が溶融し環状封止部40が形成される。環状電極44の上面は半田の濡れ性がよいため環状封止部40は環状電極44を介し基板10に接合する。基板20の表面は半田の濡れ性がよくないため、環状封止部40は基板20の側面に接触したとしても接合はしない。リッド42は半田の濡れ性がよいため環状封止部40はリッド42に接合する。リッド42は基板20の上面に接触するが接合しない。
【0059】
図15(b)に示すように、基板10の下面をフォトレジスト等の保護材52で保護する。ダイシング法を用いリッド42、環状封止部40および基板10を切断する。
図15(c)に示すように、環状封止部40の側面を覆うように保護膜48を形成する。保護膜48は例えばバレルめっき法を用い形成する。
【0060】
実施例2のように、環状封止部40は、基板10上に設けられ、基板20を囲むように設けられていてもよい。
【0061】
図16は、実施例2の変形例1における基板10の上面の平面図である。
図17は、実施例2の変形例2における基板20の下面の平面図である。
図18(a)および
図18(b)は、
図16および
図17のそれぞれA−A断面図およびB−B断面図である。
【0062】
図16から
図18(b)に示すように、基板10の上面に設けられたグランドパターン37aは基板20の下面に設けられたパターン29に接合されている。
図16のように、グランドパターン37aはパッド35bを囲っている。
図17のように、パターン29はパッド28を3方から囲っている。パッド28と弾性波共振器22とを接続する配線27とグランドパターン37aとは電気的に接続されていない。
図18(a)のように、グランドパターン37aと配線27との間には絶縁層39が設けられている。グランドパターン37aおよびパターン29は、例えば銅層、アルミニウム層または金層等の金属層である。グランドパターン37aは例えばめっき法により形成される。パターン29は、例えば配線27およびパッド28と同時に形成される。絶縁層39は、例えば酸化シリコン膜または樹脂膜である。絶縁層39により、グランドパターン37aと配線27とを電気的に分離できる。その他の構成は実施例2と同じであり説明を省略する。
【0063】
実施例2の変形例1のように、グランドパターン37aは基板10から20までの範囲に設けられていてもよい。これにより、空隙26を介した送信フィルタ60と受信パッドPr1との容量結合を抑制できる。よって、アイソレーション特性をより向上できる。
【0064】
実施例1およびその変形例1においてもグランドパターン37aを設けてもよい。