【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、駆動装置に電気的に接続するためのインターフェースを備える医療機器が提供される。前記インターフェースは、接続面に配置される複数の電気接点を有する。前記接続面における前記接点のうちの少なくとも1つは、前記接続面に設けられる凹部又は前記接続面に設けられる膨出部によって、前記接点のうちの残りの接点から電気的に分離されている。
【0007】
少なくとも1つの接点を残りの接点から電気的に分離することによって、接続面に残留水分が発生する場合、1つの接点と残りの接点との電気的短絡を防止することができる。医療機器による作業中に、血液等の液体が接続面を覆う場合に、同様の効果が得られる。
【0008】
好適には、前記接続面は、前記凹部又は前記膨出部を除いて、平坦に形成される。
【0009】
このような構成によって、医療機器の使用中又は洗浄中において、接続面に付着する可能性のある液体を簡単に排出することができる。さらに、洗浄/滅菌プロセスが容易になる。
【0010】
好適には、前記凹部はノッチ形状に形成され、又は、前記膨出部はステップ形状に形成されるとよい。
【0011】
このような構成によって、製造が容易になる。さらに、対応部分に合わせて正確に嵌合するように、凹部又は膨出部を形成することが容易となる。
【0012】
好適には、前記接続面は、略長方形形状であるとよい。また、前記凹部又は前記膨出部は、前記接続面を構成する前記略長方形形状の長辺に対して略直交するように配置されるとよい。
【0013】
このような構成によって、互いに電気的に分離されない接点を配置するためのスペースを十分にとることができる。
【0014】
好適には、前記凹部又は前記膨出部は、液体バリアとして働く。
【0015】
これは、特に、作業に先立って行われる滅菌プロセスにおいて接続面に水分が残留している場合又は機器による作業において血液等の液体が接続面を覆う場合、有益である。
【0016】
前記凹部又は前記膨出部は、前記接続面の一辺から対向する辺に延在するとよい。さらに、前記凹部又は前記膨出部は、前記接続面において、中央からずらして配置されるとよい。
【0017】
これによって、少なくとも1つの接点とその他の接点との電気的分離が確実に維持され、それによって、大量の液体が接続面を覆う場合、電気的短絡を回避することができる。
【0018】
好適には、インターフェースはまた、電気的な対向接点を有する対向面を有するとよい。前記対向面の前記対向接点の配置構成は、前記接続面の前記接点の配置構成の鏡面対称に対応する。
【0019】
これによって、対向面の対向接点と接続面の接点との電気的接続は、2つの面を当接させることによって、好適に可能となる。
【0020】
好適には、対向面の対向接点のうち少なくとも1つは、前記対向面に設けられた膨出部又は前記対向面に設けられた凹部によって、前記対向接点のうちの残りの対向接点と電気的に分離されている。
【0021】
接続面の場合と同様に、対向面に水分が残留している場合、対向面に設けられた膨出部又は対向面に設けられた凹部によって、1つの対向接点と残りの対向接点との電気的短絡を確実に防止することができる。医療機器による作業中に血液等の液体が接続面を覆う場合、同様の効果が得られる。
【0022】
好適には、前記対向面の前記膨出部又は前記凹部は、前記接続面の前記凹部又は前記膨出部にぴったり合うように接続されるとよい。これによって、前記対向面の前記対向接点は、前記接続面の前記接点と、それぞれ導電的に当接する。
【0023】
対向面に設けられる膨出部、又は、対向面に設けられる凹部は、接続面に設けられる凹部に、又は、接続面に設けられる膨出部に、ぴったり合って接続(嵌合当接)される。接続面又は対向面を覆う液体が存在する場合、上記構成によって、毛管効果によって接続面と対向面との間を液体が広がっていくことを確実に防止できる。
【0024】
好適には、接続面の接点の数及び対向面の対向接点の数はそれぞれ、4つであるとよい。4つの前記接点及び4つの前記対向接点のそれぞれにおいて、3つの接点は、膨出部又は凹部によって、残りの1つの接点/残りの1つの対向接点から電気的に分離されるとよい。
【0025】
従って、電気的に分離された1つの接点/1つの対向接点が接地されると同時に、他の3つの接点/他の3つの対向接点によって、3つの異なる機能を提供することができる。
【0026】
好適には、膨出部又は凹部によって1つの接点から分離された3つの接点は、二等辺三角形の形状に配置される。
【0027】
接続面における接点のこのような配置、又は対向面における対向接点のこのような配置によって、各接点に対して別個の機能を明確に区別して割り当てることが可能となる。これによって、製造工程における誤接続を回避することができ、無駄の発生が抑えられる。
【0028】
好適には、接点は、弾性接点として、又は凸面を有する剛性接点として構成される。
【0029】
2つの面のうちの一方の面における接点を弾性接点として形成する場合、それら弾性接点を、他方の面の剛性接点と当接させることによって、弾性接点を変位させる。上記の構成でない場合、寸法公差等によって接点の接続がうまくできないかもしれないが、上記の構成であれば、全ての接点が確実に電気接続される。またさらに、凸面を有する剛性接点の構成によって、存在する可能性のある液体を、比較的早く表面から流出させることができ、それによって、インターフェースの機能が保証される。
【0030】
特に好適には、弾性接点には、接続面又は対向面の領域にシールが設けられるとよい。
【0031】
弾性接点が、剛性接点との接続によって変位する場合でも、該シールによって、接点内部への液体の進入、さらには医療機器又は駆動装置への液体の進入が確実に排除される。
【0032】
好適には、接続面は、医療機器の一部又は駆動装置の一部を構成するとよい。
【0033】
好適には、対向面は、医療機器の一部又は駆動装置の一部を構成するとよい。
【0034】
接続面、又は対向面、又は両方の面は、好適には、樹脂のような導電性ではない材料で形成される。好適には、凹部と膨出部の両方は、同じ非導電性材料から形成されるとよい。
【0035】
医療機器は、結合接続部と接続面とを有するハウジングをさらに有するとよい。結合接続部は、駆動装置の出力軸と結合する。接続面は、該接続面に配置される複数の電気接点を有する。接続面の接点のうちの少なくとも1つの接点は、凹部又は膨出部によって、残りの接点から電気的に分離される。凹部は、接続面にわたって延在するノッチとして形成され、膨出部は、接続面にわたって延在するステップ状突部として形成される。
【0036】
好適には、接点は、対向面の対向接点と当接する場合、ハウジング内に変位する弾性接点として構成されるとよい。接点には、接続面の領域にシールが設けられるとよい。これにより、ハウジング内への液体の進入が防止される。
【0037】
好適には、接点の個数は4個であり、それら接点のうちの3つの接点は、ノッチ又はステップ状突部によって、残りの1つの接点から電気的に分離されるとよい。該3つの接点は好適には、二等辺三角形の形状に配置されるとよい。
【0038】
医療機器は、手術用機器であるとよく、好ましくは腹腔鏡手術用機器がよい。そのような機器の例としては、ニードルホルダやバイポーラ鉗子やバイポーラ型鋏が挙げられる。
【0039】
本発明はまた、ハウジングと該ハウジングから突出する出力軸とを有する駆動装置に関する。該ハウジングはまた、複数の電気接点を有する接続面を備える。好ましくは、接続面の接点のうちの少なくとも1つの接点は、該面にわたって延在するノッチ形状の凹部又は該面にわたって延在するステップ形状の膨出部によって、残りの接点から分離される。該接続面は、上記した医療機器の接続面に当接する。それによって、2つの接続面のうちの一方は、対向面の機能を満たし、従って、医療機器又は駆動装置の接続面のうちの一方は、以下の記載及び請求項では、「対向面」とも呼ばれる。特に、この用語は、2つの接続面について説明する際、それら2つの接続面を区別するために、用いられる。
【0040】
ノッチ又はステップ形状部による、接続面又は対向面における少なくとも1つの接点と残りの接点との電気的分離によって、水分が進入した場合、短絡ひいては駆動装置のモータの誤動作を防止することができる。好ましくは、接点は、接続面又は対向面に対して平坦になるように位置合わせされる。これにより、それら面の洗浄が容易になる。接点の表面は、凸形状に形成されてもよい。これによって、水分が接点表面に残留することが防止される。
【0041】
本発明のさらなる効果は、添付図の参照による好ましい実施形態の以下の説明によって理解されよう。