【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
【文献】
松下 康之,照度差ステレオ,情報処理学会研究報告 2011 June,日本,一般社団法人 情報処理学会,2011年 6月15日,第1頁−第12頁,ISSN 1884−0930
【文献】
Athinodoros S. Georghiades,Recovering 3-D Shape and Reflectance From a Small Number of Photographs,Eurographics Symposium on Rendering 2003,2003年 6月,第1頁−第12頁,URL,http://dx.doi.org/10.2312/EGWR/EGWR03/230-240
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記最小化演算シーケンスが、後続する反復の前に少なくとも一回前記モデル成分(A、L、V、N)の各々が順番に変動させられる反復ループを含み、前記反復ループが、終結条件が満たされるまで反復される、請求項1に記載の方法。
前記反復ループが、前記モデル成分(A、L)の別のサブセットが変動させられる前に、前記モデル成分(V、N)の一つのサブセットが多数回変動させられる一つ以上の内側ループを含む、請求項2に記載の方法。
第一のモデル成分(A)が、複数の画像について、各画素および各カラーチャネルに関して同じであり、第二のモデル成分(L)が、各画像の全ての画素について各カラーチャネルに関して同じである、請求項12に記載の方法。
モデル関数(f)が修正モデル関数(g)を含み、ここで、第一、第二、第三および第四のモデル成分(A、L、V、N)に関係づけされたモデル関数(f)が、第一、第二および第三のモデルサブ成分(A’、L’、V’)ならびに第四のモデル成分(N)に関係づけされた修正モデル関数(g)に等しい、請求項6〜11のいずれかに記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の一実施形態に係る、一つの物体のために使用されるさまざまなタイプの照明方向を示す画像形成システムの簡略図を示す。
【
図2】本発明の一実施形態に係る、画像形成システムのモジュールを示す画像形成システムの簡略図を示す。
【
図3】本発明の一実施形態に係る、照度差ステレオ法をモデリングする数式を示す。
【
図4】本発明の別の実施形態に係る、照度差ステレオ法をモデリングする数式を示す。
【
図5】本発明の一実施形態に係る方法のフローチャートを示す。
【
図6】本発明の一実施形態に係る第一の物体の初期画像の一例を示す。
【
図7】本発明の一実施形態に係る第二の物体の初期画像の一例を示す。
【
図8】本発明の一実施形態に係る第三の物体の初期画像の一例を示す。
【
図9】本発明の一実施形態に係る第四の物体の初期画像の一例を示す。
【
図10】本発明の一実施形態に係る、
図6の第一の物体の隆起レリーフマップを示す。
【
図11】本発明の一実施形態に係る、
図7の第二の物体の隆起レリーフマップを示す。
【
図12】本発明の一実施形態に係る、
図8の第三の物体の隆起レリーフマップを示す。
【
図13】本発明の一実施形態に係る、
図9の第一の物体の隆起レリーフマップを示す。
【
図14】本発明の一実施形態に係る第五の物体の初期画像の一例を示す。
【
図15】本発明の一実施形態に係る、第五の物体の三つの初期画像を考慮した場合の、
図14の第五の物体の隆起レリーフマップを示す。
【
図16】本発明の一実施形態に係る、第五の物体の五つの初期画像を考慮した場合の、
図14の第五の物体の隆起レリーフマップを示す。
【
図17】本発明の一実施形態に係る、第五の物体の10個の初期画像を考慮した場合の、
図14の第五の物体の隆起レリーフマップを示す。
【
図18.19.20.21】本発明の一実施形態に係る、各初期画像が異なる照明方向に関連している、第六の物体の四つの初期画像を示す。
【
図22】本発明の一実施形態に係る、
図18、19、20および21の初期画像を考慮した場合の第六の物体の隆起レリーフマップの上面図を示す。
【
図23】本発明の一実施形態に係る、
図22に示された第六の物体の隆起レリーフマップの側面図を示す。
【
図24.25.26.27】それぞれ、本発明の一実施形態に係るさまざまな物体の隆起レリーフマップの側面図を示す。
【
図28】本発明の第一および第二の実施形態における、本発明の方法を用いて得られた異なる再構築済み表面を比較するための表を示す。
【
図29a.29b.29c】それぞれ初期画像、グランドトゥルース正像および深度画像マップに関する。
【
図29d】異なる初期化動作を考慮した場合の、本発明の方法を用いて得られる異なる再構築済み表面を比較するための表を示す。
【
図30】異なる終結条件を考慮した場合の、本発明の方法を用いて得られる異なる再構築済み表面を比較するための表を示す。
【
図31.32.33.34】本プリプロセスの一実施形態に係る、各々異なる場所に明ゾーンを含む同一物体の複数の画像を示す。
【
図35.36.37】本プリプロセスの一実施形態に係る、赤/緑/青空間内の
図31の表現をそれぞれ示している。
【
図38】本プリプロセスの一実施形態に係る、一つの特定のカラーチャネルに関する他の画像内の対応する画素についての他の画素値に対する一つの画像の選択された画素の画素値の比率を表わすグラフを示す。
【
図39】本プリプロセスの一実施形態に係る、一つの画像から明ゾーンを除去するためのシグモイド関数(sigmoid function)の一表現を示す。
【
図40】本プリプロセスの一実施形態に係る、一つの画像から明ゾーンおよび暗ゾーンを同時に除去するためのシグモイド関数の一表現を示す。
【
図41】本プリプロセスの一態様に係る方法のフローチャートを示す。
【
図42.43.44.45】本プリプロセスの一実施形態に係る、各明ゾーンが補正済みである、
図31、32、33および34の同じ物体の複数の補正済み画像を示す。
【
図46.47.48】本プリプロセスの一実施形態に係る、赤/緑/青空間内の
図42の表現をそれぞれ示す。
【
図50】本プリプロセスの一実施形態に係る、複数の明ゾーンが表わされた、
図49に示されている物体の細部の一表現を示す。
【
図51】本プリプロセスの一実施形態に係る、
図52に示された細部の補正済み画像の一表現を示す。
【
図52.53.54】本プリプロセスの一実施形態に係る、物体が特定の明ゾーンと暗ゾーンとを含む同じ物体の三つの異なる画像を示す。
【
図55.56.57】それぞれ本プリプロセスの一実施形態に係る
図52、53および54の補正済み画像に関するものである。
【
図58】本プリプロセスの一実施形態に係る、
図53に示された画像の赤のカラーチャネルに関係づけされた初期画像I1の一表現を示す。
【
図59】本プリプロセスの一実施形態に係る、
図26に示された画像の赤のカラーチャネルに関係づけされた基準画像I2の一表現を示す。
【
図60】本プリプロセスの一実施形態に係る、
図58に示された初期画像I1についての問題の画素線に関係づけされた強度値または画素値を表わす実線と、
図59に示された基準画像I2についての問題の画素線に関係づけされた強度値または画素値を表わす破線とを含むグラフを示す。
【
図61】本プリプロセスの一実施形態に係る、
図59に示された基準画像I2を用いた
図58に示された初期画像I1の補正済み画像I1cを示す。
【
図62】本プリプロセスの一実施形態に係る、平均値Wを表わす実線と、
図58に示された初期画像I1および
図59に示された基準画像I2についての補正済み関数f(W)を表わす破線とを含むグラフを示す。
【
図63】本プリプロセスの一実施形態に係る、
図58に示された初期画像I1に関する問題の画素線についての強度値または画素値を表わす実線と、
図61に示された補正済み画像I1cに関する問題の画素線についての強度値または画素値を表わす破線とを含むグラフを示す。
【
図64】本プリプロセスの一実施形態に係る、
図58に示された初期画像I1と
図59に示された基準画像I2の比率として推定された平均値Wを表わす実線と、
図61に示された補正済み画像I1cと
図59に示された基準画像I2の比率として推定された補正済み平均値Wcを表わす破線とを含むグラフを示す。
【
図65】本プリプロセスの一実施形態に係る、異なるタイプの点線と共に示された、k=0.75そしてα=100が固定値であり、かつ閾値V=1、1.2および1.5である、f(W)の三つの表現を示す。
【
図66】本プリプロセスの一実施形態に係る、異なるタイプの点線と共に示された、V=1.25そしてα=100が固定値であり、かつk=1、0.75および0.5である、f(W)の三つの表現を示す。
【
図67】本プリプロセスの一実施形態に係る、異なるタイプの点線と共に示された、V=1.25そしてk=0.75が固定値であり、かつα=10
3、10
2および10である、f(W)の三つの表現を示す。
【
図68】本プリプロセスの一実施形態に係る、異なる照明方向でキャプチャされた物体の人工表面を表わす。
【
図69】本プリプロセスの一実施形態に係る、明ゾーンの補正が必要とされている初期画像の一つを表わす。
【
図70】本発明の一実施形態に係る、均等に空間的に分布した七つの照明光源に対応する七つの画像の鏡面反射成分の重畳(superimposition)からなる人工画像を表わす。
【
図71a】本発明の一実施形態に係る、均等に空間的に分布した七つの照明光源から獲得した七つの基準画像を用いた、
図69の補正済み画像を表わす。
【
図71b】本発明の一実施形態に係る、拡散成分についておよびソフト補正の結果についての、
図43aに示された水平白線に沿った画素強度分布を表わす。
【
図72】本発明の一実施形態に係る、ランダムに空間的に分布した7つの照明光源に対応する7つの画像の鏡面反射成分の重畳からなる人工画像を表わす。
【
図73a】本発明の一実施形態に係る、ランダムに空間的に分布した7つの照明光源から獲得した7つの基準画像を用いた、
図69の補正済み画像を表わす。
【
図73b】本発明の一実施形態に係る、拡散成分についておよびソフト補正の結果についての、
図73aに示された水平白線に沿った画素強度分布を表わす。
【
図74】本発明の一実施形態に係る、密に位置設定された7つの照明光源に対応する7つの画像の鏡面反射成分の重畳からなる人工画像を表わす。
【
図75a】本発明の一実施形態に係る、密に位置設定された7つの照明光源から獲得した7つの基準画像を用いた、
図41の補正済み画像を表わす。
【
図75b】本発明の一実施形態に係る、拡散成分についておよびソフト補正の結果についての、
図75aに示された水平白線に沿った画素強度分布を表わす。
【
図76】本発明の一実施形態に係る、補正対象の鏡面反射ゾーン(specular zone)とは反対側の照明光源に対応する一つの画像の鏡面反射成分を表わす。
【
図77a】本発明の一実施形態に係る、補正対象の鏡面反射ゾーンとは反対側の一つの照明光源から獲得した一つの基準画像を用いた、
図69の補正済み画像を表わす。
【
図77b】本発明の一実施形態に係る、拡散成分についておよびソフト補正の結果についての、
図77aに示された水平白線に沿った画素強度分布を表わす。
【
図78】本発明の一実施形態に係る、ランダムに空間的に分布した99個の照明光源に対応する99個の画像の鏡面反射成分の重畳からなる人工画像を表わす。
【
図79a】本発明の一実施形態に係る、ランダムに空間的に分布した99個の照明光源から獲得した99個の基準画像を用いた
図69の補正済み画像を表わす。
【
図79b】本発明の一実施形態に係る、拡散成分についておよびソフト補正の結果についての、
図79aに示された水平白線に沿った画素強度分布を表わす。
【
図80a.80b.80c.80d】本プリプロセスの一実施形態に係る、いかなる重複ゾーンもない異なる場所の明ゾーンを含む円形物体の四つの初期画像を表わす。
【
図81a.81b.81c.81d】本プリプロセスの一実施形態に係る、先行技術において周知の修復プロセスを用いて明ゾーンが補正された、
図80a、80b、80cおよび80dの円形物体の画像を表わす。
【
図82a.82b.82c.82d】本プリプロセスの一実施形態に係る、ソフト補正に関係する本発明の方法の適用後の、
図80a、80b、80cおよび80dの円形物体の補正済み画像を表わす。
【
図83】本プリプロセスの一実施形態に係る、明ゾーンのいかなる補正もなく表面再構築方法を用いて処理した後の、
図80a、80b、80cおよび80dの円形物体の表面の輪郭線の概略図を表わす。
【
図84】本プリプロセスの一実施形態に係る、先行技術において周知の修復プロセスを伴う再構築の後の、
図80a、80b、80cおよび80dの円形物体の表面の輪郭線の概略図を示す。
【
図85】本プリプロセスの一実施形態に係る、先行技術のColemanおよびJainのアルゴリズムを用いた、
図80a、80b、80cおよび80dの円形物体の表面の輪郭線の概略図を示す。
【
図86】本プリプロセスの一実施形態に係る、V_high、k_high、k_lowおよびα_high、α_lowの具体的な設定値を伴う、本発明の一実施形態に係る再構築方法を用いた処理の後の、物体の輪郭線の概略図を表わす。
【
図87】本プリプロセスの一実施形態に係る、各画像が一つの鏡面反射ゾーンを含み、かついかなる鏡面反射ゾーンも別の鏡面反射ゾーンと重複していない四つの画像の重畳の概略図を表わす。
【
図88】本プリプロセスの一実施形態に係る、各画像が一つの鏡面反射ゾーンを含み、かつ全ての鏡面反射ゾーンが少なくとも一つの別の鏡面反射ゾーンと部分的に重複している、四つの画像の重畳の概略図を表わす。
【
図89】各画像が一つの鏡面反射ゾーンを含み、かつ少なくとも一つの鏡面反射ゾーンが別の鏡面反射ゾーンと完全に重複している、四つの画像の重畳の概略図を表わす。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の説明は、具体的な例に基づいて、十分に明確かつ完全な形で本発明を開示している。しかしながら、この説明は、保護の範囲を以下に記述する具体的実施形態および実施例に限定するものとして理解されるべきではない。
【0033】
以下の説明において、「画素」という用語は、一つの画像内の一つの位置に関連し、「画素値」および「画素強度値」は、前記画像内の画素の検出された値または対応するキャプチャされた強度を意味する。
【0034】
以下の説明において、「初期画像」および「画像」という用語は、一つの物体の一つの画像を意味する。物体は、複数の初期画像と結びつけられてよい。本発明において、初期画像の数は少なくとも3に等しい。物体の初期画像は、照明光源の特定の照明方向か、または複数の照明光源の主要な照明方向に対応する。さらに、各初期画像は、既定の場所において定位置カメラで撮影される。説明されている実施形態は、三つの初期画像、すなわち、定位置を有するカメラにより異なる照明方向下で撮られた画像1、2および3を含む。本発明は同様に、複数の初期画像を処理するためにも好適であるということを理解すべきである。各初期画像は複数の画素と、RGB空間すなわち赤、緑および青の三つのカラーチャネルを含む。以下の計算では、一例として各初期画像内の画素1などの一つの画素のみが考慮されている。一つの初期画像の複数の画素に対しても、計算が適用可能であることを理解すべきである。「ni」という用語は、一つの物体の初期画像の数を意味する。「np」という用語は、各初期画像内の画素の数を意味する。
【0035】
画像は、二つの成分の組合せとして定義されてよい。第一の成分は、いかなる優先的な方向もなく反射されている光の部分に対応する拡散成分である。第二の成分は、優先的な方向で反射されている光の部分に対応する鏡面反射成分である。本発明の目的は、鏡面反射成分を除去して、拡散成分を取り戻すことにある。
【0036】
さらに、以下の説明において、「物体」という用語は、さまざまな照明方向で照明されている任意の物体に関するものであり得、ここで物体の初期画像は定位置カメラで撮影される。物体は、微生物などの寸法の小さい一つ以上の物体に対応するか、またはウオーターボトル、動物などのより大きい寸法の物体に対応するものであってよい。
【0037】
「シェーディング」という用語は、光の位置および物体の表面に起因する物体上の光の分布に対応する情報に関する。本発明の画像のためには、この情報を用いて、本発明のステレオ照度差法で物体表面を再構築してもよい。
【0038】
以下の説明において、隆起レリーフマップを用いた物体の表面の表現は、直交空間x、y、z内で行なわれ、ここでzは、xおよびyの一関数、例えばz=f(x,y)である。
【0039】
図1は、一つ以上のベースユニット102を含む画像形成システム100を示す。各ベースユニット102は、RGBカラーチャネルに関する赤(R)、緑(G)および青(B)の照明を生成するための光学部品と制御回路103を含む。各ベースユニット102は、対応する赤、緑、青の照明光源104、105、106を含み、これらの照明光源は全て独立して制御可能である。照明光源104、105、106は、環状照明、逆環状照明、または側方照明などを作り出す可能性がある。
【0040】
画像形成システム100は任意には、物体107を保持するための保持ユニット101を含んでいてよい。照明光源104、105、106が、物体の上方に位置設定される。
【0041】
照明光源104、105、106の方向づけに関しては、照明光源104、105、106の光学軸は、照明光源が物体107に対して直交しない一つの方向に照明を適用するような形で配置される。
【0042】
画像形成システム100は同様に、保持ユニット101に向けられたカメラなどの画像キャプチャデバイス108をも含んでいる。ベースユニット102のいずれかからの照明光源104、105、106の任意の組合せからの照明を、物体の方に向けることができる。画像キャプチャデバイス108は次に、照明を受けた任意の物体107の初期画像をキャプチャしてよい。
【0043】
図1に示されているように、環状ビーム109が同様に物体107を照明してよく、これはベースユニット102の一つにより生成される。
【0044】
照明光源104、105、106は、任意の好ましいタイプのもの、例えば赤(R)、緑(G)および青(B)の周波数で動作する発光ダイオード(LED)、単純な白色光源、紫外線(UV)源、または他の任意の適切な放射線源であってよい。任意の場所における光源の数は、本明細書中に示され説明されているものから変動し得る。各RGB照明は、それぞれの各周波数で動作する三つのLEDで構成されている。代替的には、一つのLEDがRGB照明を生成してよい。異なる照明光源について、RGB LEDの異なる組合せが存在してよい。代替的には、ダイオードのラインまたはバーを配置して、一つの照明方向を生成してもよい。
【0045】
各ユニット102内でその機能を制御する制御回路および光学部品103に加えて、少なくとも一つのコンピュータ、ディスプレイユニット、処理モジュールおよび画像エンハンスアルゴリズム、および他の任意のプロセスまたは技術を含む全体的制御システム110が存在していてよい。
【0046】
制御システム110は、特定のアプリケーション用に使用すべき照明光源の選択を制御するために使用されてよい。さらに制御システムは、異なるアプリケーション用に異なる画像エンハンス技術、および画像処理手順を適用してよい。画像エンハンス技術は、初期画像の品質をエンハンスするため、または例えば生物学的分野において画像のコンテンツを分析する専門家にとって、関連情報を可視的なものにするための方法および技術である。画像処理は、例えば決定支援を提供するかまたは自動決定を可能にするための初期画像からの情報の抽出を提供するために、画像行列に適用される数学演算に関係する。
【0047】
制御システム110は、画像形成システム100のための他の任意の機能および/または制御動作を実施するために使用されてよい。これらには、以下のものが含まれるが、それらに限定されるわけではない:
− 輝度の制御;
− 赤、緑、青成分のバランス制御;
− 露出時間の制御;
− 照明組合せの制御;
− システムのテスト;
− システムの較正;および
− 分析の用途および目的に基づく他の任意の適切な制御。
【0048】
本発明の目的は、物体の表面の特性、および照明条件が全く未知な状態で、物体の複数の初期画像から、一つの物体の表面の隆起マップとも呼ばれる隆起レリーフマップである画像を生成するための改善された照度差ステレオ法を提供することにある。
【0049】
図2に示されているように、画像キャプチャデバイス108は、一つの画像内の各画素を選択し、その画素の対応する画素値または強度Iを決定するための強度検出デバイス112を含んでいる。強度検出デバイス112は、異なるカラーチャネルR、G、Bの各々について規定数の画像内で各画素の強度を検出または観察して、全ての初期画像についての全ての画素の検出または観察またはキャプチャされた強度値を表す行列を生成する。
【0050】
第一の実施形態において、強度検出デバイス112は、画像1などの一つの初期画像を選択する。強度検出デバイス112はこのとき、カラーチャネルRなどの特定のカラーチャネルを選択する。強度検出デバイス112は、カラーチャネルRについて画像1内の各画素の画素値を検出する。画像1内の画素1という具体的例を考慮した場合、検出された画素値はIR1(画素1)を意味してよい。
【0051】
強度検出デバイス112は、画像1についてカラーチャネルGおよびBでも同じ要領で続行する。同様にして、検出された画素値は例えば、カラーチャネルGについてはIG1(画素1)、そしてカラーチャネルBについてはIB1(画素1)を意味していてよい。
【0052】
強度検出デバイス112は次に、画像2および3について同じステップを実施する。強度検出デバイス112は、他の全ての初期画像内の対応する画素をつねに選択して、全ての異なる初期画像内の同じ画素の対応する強度を決定する。「同じ画素」という文言は、画素が全ての初期画像内で同じ空間位置に位置設定され得ることを意味すると理解すべきである。したがって、画像1中の画素1は、画像2および3内の画素1と同じ場所に位置設定される。
【0053】
検出された画素値は、例えば画素1を考慮した場合、以下の表記を意味する:
− 画像2について:
IR2(画素1)
IG2(画素1)
IB2(画素1);
− 画像3について:
IR3(画素1)
IG3(画素1)
IB3(画素1)。
【0054】
強度検出デバイス112は、画像1、そして付随するカラーチャネルRについての全ての画素値を表わす行列IR1などの対応する行列内に、検出された強度を記憶してよい。
【0055】
類似の要領で、画像1の、カラーチャネルGと結びつけられた全ての画素の画素値は、行列IG1の形に組織され、画像1の、カラーチャネルBに関係づけされた画素値は、行列IB1の形に配置される。
【0056】
画像1の画素に対応する画素値が行列IR1、IG1、およびIB1の形に配置されるのと同じ要領で、全ての画像についての全ての画素の検出された画素値は、例えば、以下のものを示す対応する行列の形に配置される:
カラーチャネルRおよび画像2について、IR2
カラーチャネルRおよび画像3について、IR3
カラーチャネルGおよび画像2について、IG2
カラーチャネルGおよび画像3について、IG3
カラーチャネルBおよび画像2について、IB2
カラーチャネルBおよび画像3について、IB3
【0057】
対応する行列に集められた画素値の数に起因して、強度検出デバイス112は、アンラップステップを処理して、行列を1本のデータラインを含むベクトルに変換してよく、こうして画素値に基づくさらなる計算が容易になる。こうして行列Iは、初期画像の数に等しい行を有し、ここで初期画像は三つのカラーチャネルに関係する3本のラインを含む。行列Iは、各初期画像について同じである画素数に等しい列数を有する。
【0058】
画像形成システム100は同様に、画素値、および規定の数式に基づく特定の計算を実施するためのデータプロセッサ114を含んでいる。
【0059】
画像形成システム100はさらに、四つのモデル成分を記憶するためのモデル成分データベースを記憶するための第一のメモリーコンポーネント116を含む。
【0060】
第一のモデル成分は、第一の行列Aと結びつけられた初期画像の一つの画素のアルベド値を表わす。第一の行列Aは、画素のアルベド値を含み、各アルベド値は物体の表面の各画素によって反射されている入射照明の比率に関係する。こうして、アルベド値は、物体表面の材料に左右される光学特性を表わす。第一の行列Aは、3×niに等しい行数を有し、ここで各行は、特定のカラーチャネルに関する一つの初期画像の全ての画素についてのアルベド値を表わす。したがって、三つの行は、三つのカラーチャネルR、G、Bを表わす。第一の行列Aは、初期画像内の画素数に等しい列数を含む。
【0061】
第二のモデル成分は、各照明光源の強度を表わし、第二の行列Lと結びつけられる。各画像獲得について、一度に一つの照明光源のみが使用される。こうして、第二の行列Lは、非ゼロ値を伴う各行が、各初期画像について一意的である照明光源の強度値に関係している行列である。第二の行列Lは、各初期画像の各カラーチャネルについての強度値を表わすため3×niに等しい数の行を含む。第二の行列Lは、npという数の値と等しい数の列を含む。
【0062】
第三のモデル成分Vは、各照明光源の照明方向を表わす。第三のモデル成分は、正規直交空間(x、y、z)に関係づけされた三つの成分Vx、VyおよびVzを含む第三の行列Vを含む。こうして、ベクトル(Vx、Vy、Vz)は、画像獲得プロセス中の照明光源の方向を表わす。第三の行列Vは、各初期画像のための全てのRGBチャネルについて一つのみの特定の、または主要な照明方向を有するという条件を強制する。例えば、同じ画像について同じ照明方向を全てが有している三つのカラーチャネルR、G、Bのために、LEDなどの同じ照明光源を使用してよい。このとき、照明光源は、各カラーチャネルについて特定の波長を発出する。こうして、V
Tは、三つの行および3×niに等しい数の列を含む。本発明においては、以下に示す数学関数fおよびgに基づく計算上の制約条件に起因して、転置行列V
Tが使用されなければならない。その場合、転置行列V
Tの形態で、以下の関数fおよびgの中に第三のモデル成分Vが適用される。こうして第三の行列Vは、3×niに等しい数の行を有し、ここで一つの行は一つのカラーチャネルを表わし、三つのカラーチャネルがR、GおよびBであるものとして初期画像が表わされることから、初期画像は3本の行を伴って表わされる。第三の行列Vは、3本の列を含み、ここで各列は、正規直交空間の1本の軸z、y、zに関係する。
【0063】
第四のモデル成分は、一つの画像の一つの画素の3次元法線、つまり3D法線の位置を表わす。3D法線は、画素の接平面に直交するベクトルである。法線または表面方向づけは、表面の固有の特性に関係することから、このような特性は照明条件に左右されない。したがって、同じ画素を考慮する場合、法線ベクトルは全ての画像において同じである。第四のモデル成分は、第四の行列Nと結びつけられる。第四の行列Nは、正規直交空間の各軸x、y、zに関係づけされる3に等しい数の行を含む。第四の行列Nは、正規直交空間(x、y、z)内の画素の各法線の座標を表わす列を含む。第四の行列Nは、npという数に等しい数の列を含む。
【0064】
以下で示す通りの第一の数式(1)が、上述の四つのモデル成分A、L、VおよびNに基づく照度差ステレオモデルをモデリングする。
【0066】
A、L、VおよびNを本発明の方法を用いて取り出してf(A、L、V、N)=Iを得なくてはならない。
【0067】
図3は、各行列A、L、VおよびNの構造を概略的に示す。
【0068】
数式(1)は、不均一な照明条件を有する大きなサイズの画像を考慮する場合に使用される任意の行列Cを含んでいてよい。このとき数式(1)は、任意の数式(1a)を意味してよい。
【0070】
本発明の一実施形態によると、初期画像は、光の分布が均一であるとみなしてよい小さなサイズの画像に関係するということが理解される。したがって、使用すべき数式は、任意の行列Cを含まず、数式(1)を意味する。
【0071】
上述の数式(1)はさらに、四つのモデル成分のための全ての行列A、N、LおよびV
Tの間で大量のデータが処理されていることに起因する計算時間の増加を回避するように、特定の計算最適化を含んでいてよい。
【0072】
こうして、データプロセッサ114はさらに、計算を最適化する少なくとも三つの構造化成分を記憶するための構造化成分データベースを記憶するための第二のメモリーコンポーネント118を含む。構造化成分Wは、物体の表面の特性および照明条件を考慮することによって初期画像の物理的特性および制約を考慮しモデリングすることで、数式(1)を適応させる。
【0073】
第一の構造化成分W
Aは、複数の初期画像のための同じアルベド係数を表わし、0と1の値のみを含む。複数の初期画像の各画素は、同じカラーチャネルR、GまたはBについて同じアルベド値を有することから、行列W
Aは、例えば以下で示す通りの3×niに等しい数の行を有する。
【0075】
第二の構造化成分W
Lは、各カラーチャネルに関して複数の初期画像の全ての画素について同じまたは同一の強度を表わす。
【0076】
したがって、各照明光源は等しい強度のものであることから、W
Lは例えば以下のようなnpという数に等しい長さを有するベクトルである。
【0078】
第三の構造化成分W
Vは、各画素および各カラーチャネルについての複数の初期画像のうちの一つの画像と結びつけられた一つの照明光源の照明方向を表わす。
【0079】
W
Vは、三つの初期画像を考慮した場合、以下に示す通りである。
【0081】
最適化プロセスは、各行列A、LおよびVについて同一の行と列を反復させることを回避するために行なわれ、各行列を、それぞれ行列A’、L’およびV’である多数のモデルサブ成分、および、それぞれW
A、W
VおよびW
Lである対応する構造化成分Wへと分解することによって実施される。
【0082】
こうして、モデル成分は以下の通りである(2):
行列Aについて:A=W
A.A’
行列Lについて:L=L’.W
L
行列Vについて:V=W
V.V’
T
【0083】
行列A’、V’およびL’は、一つの画像についての画素に関係づけされた一意的データセットを表わす。行列W
A、W
VおよびW
Lはそれぞれ、(2)中に示された乗算を計算するときに行列A、VおよびLのコンテンツを取り出すため、各行列A’、V’およびL’について係数を提供する。
【0084】
こうして、データプロセッサ114は同様に、以下の数式(3)に示されているように今や構造化成分およびモデルサブ成分を含む対応する関数gも演算する。
【0086】
式中、f(A、L、V、N)=g(A’、L’、V’、N)である。
【0087】
本発明の目的は、行列A’、L’、V’およびNの値を決定して、その結果としてのg(A’、L’、V’、N)についての値を得ることにある。結果として得られる最良の値は、画像キャプチャデバイス108から撮られる初期画像の強度値を表わすIの値に可能な限り近い値である。したがって、関数fまたはgは、Iの値に等しい公知の結果を有する。関数g(A’、L’、V’、N)は、W
A、W
LおよびW
Vである公知の構造化成分を含む。モデル成分A’、L’、V’およびNは、観察された値Iに可能な限り近いgについての結果としての値を得るように評価されなければならない。
【0088】
図4は、各々のモデル成分A’、L’、V’、N、ならびに構造化成分W
A、W
LおよびW
Vの構造を概略的に示す。
【0089】
本再構築プロセスの一実施形態として、
図5に係る方法の説明の中では、モデル成分A’、L’、V’、Nおよび対応する構造化成分W
A、W
LおよびW
Vを含む関数g(A’、L’、V’、N)が使用されている。
図5に係る方法は、同様に、関数f(A、L、V、N)を使用してよい。
【0090】
したがって追加のプロセスは、観察された強度Iと、対応する計算上の強度gまたはfとの間の誤差を最小化するために、特定の要領でA’、L’、V’またはA、L、VおよびNの値を決定するための方法を提供する。このとき第四のモデル成分に関係づけされた得られた行列Nを使用することによって、観察対象の物体の表面の隆起レリーフマップまたは表現を、作成することができる。
【0091】
方法には、
図5に示されたステップに基づいてアルゴリズムを動作させることが含まれる。アルゴリズムは、参考文献[1]、[2]および[3]に開示されているものを除く全ての変数を連続的に設定することによって、目的関数を最小化することからなる既存の発見的アルゴリズムの一つに属する交互最適化(alternating optimization)に関係する。一部の条件下(例えば非負性)において観察行列の二つの行列への因数分解を目的とする場合に、ブラインドソースセパレーション(blind source separation)を提供するために、多くの場合交互最適化の発見的アルゴリズムが使用される。
【0092】
本発明によると、アルゴリズムは4成分行列表現(four−component matrix representation)を包含し、各々のモデル成分についての追加の制約条件を含む。
【0093】
アルゴリズムは、以下で説明され
図5に詳細に示されている二つのサブ最小化手順を含む。
【0094】
アルゴリズムは、メインループ変数iおよび終結条件と結びつけられたメインループを含む。本実施形態において、メインループのための終結条件は、メインループの反復数n_itを含む。n_itの数は、例えば10に等しいかもしれない。メインループは、第一のループおよび第二のループである内側ループを含む。第一のループは、第一のループ変数jと結びつけられ、第二のループは第二のループ変数kと結びつけられる。
【0095】
ステップ500において、方法の各々のモデル成分A’、L’、Nは、対応する既定値A’
0、L’
0、N
0と等しくなるように初期化される。
【0096】
ステップ502において、方法のメインループ変数を表わすiの値は0に初期化される。
【0097】
ステップ504において、n_itの値は、この値がメインループ変数iの値よりも大きいか否かを決定するためにメインループ変数iと比較される。
【0098】
反復サイクル数n_itの値がメインループ変数iの値よりも大きい場合には、プロセスはステップ506で続行する。
【0099】
ステップ506において、第一のループ変数jは0に初期化される。
【0100】
ステップ508において、第一のループ変数jの値は、第一のループに結びつけられた既定の値pと比較されて、p=5などのpの値がjの値よりも大きいか否かを決定する。pの値がjの値よりも大きい場合、方法はステップ510で続行する。こうして、j<pが終結条件を表わす。
【0101】
以下のステップ510および512は、第一のサブ最小化手順を表わす。こうして、j<pが、第一の最小化方法のための終結条件である。
【0102】
ステップ510では、最小化演算などの最適化プロセスが適用される。最小化演算には、二次損失関数などの最小二乗最小化技術の適用が含まれる。本実施形態において、関数gを使用することにより観察された強度Iと計算上の強度との間の二次誤差を得るために、二次損失関数が適用される。ステップ510において、二次損失関数は、モデル成分V’の値の変動に基づいている。ステップ510において、観察された強度Iと関数gの間の最小差を提供するように、V’の具体的値が評価される。モデル成分A’、L’、Nは不変の状態にとどまる。V’の評価値が決定される。
【0103】
ステップ512において、二次損失関数は、同様に、モデル成分Nの値の変動に基づいている。ステップ512において、観察された強度Iと関数gの間の最小差を提供するように、Nの具体的値が決定される。モデルサブ成分A’、L’、V’は不変の状態にとどまる。値V’は、ステップ510由来のV’の評価値に対応する。Nの評価値が決定される。
【0104】
ステップ514において、第一のループ変数jはjからj+1まで増大させられる。
【0105】
ステップ508において、増大したjの値はpの値と比較される。第一のループは、jの値がpの値より大きくなるまで演算する。jの値がpの値よりも小さい場合は、ステップ510は第一のループの新たな反復において再び演算する。最小化演算によりV’の新たな評価値が決定されて、Iとgの間の最小差を提供する最適な評価値V’を得、ここでgは第一のループの先行する反復においてステップ512由来のNの評価値を考慮する)。
【0106】
ステップ512における第一のループの新たな反復では、ステップ512のNの全ての先行する評価値とNの新たな評価値が比較されて、Iとgの間の最小差を提供する評価値Nが決定され、ここでgは第一のループの先行する反復におけるステップ510由来のV’の評価値を考慮する。
【0107】
第一のループは、V’およびNについて最適な評価値を提供する。
【0108】
jの値がpの値よりも大きい場合、方法は、ステップ516で始まる第二のループで続行する。
【0109】
ステップ516において、第二のループ変数kは、0に初期化される。ステップ518において、第二のループ変数kの値は、第二のループと結びつけられた既定の値pと比較されて、p=5などのpの値がkの値よりも大きいか否かが決定される。pの値がkの値よりも大きい場合、方法はステップ520で続行する。
【0111】
以下のステップ520および522は、第二のサブ最小化手順を表わす。こうしてk<pは、第二の最小化方法のための終結条件を表わす。
【0112】
ステップ520において、二次損失関数はモデル成分L’で適用される。ステップ520において、観察された強度Iと関数gの間の最小差を提供するようにL’の具体的値が評価される。モデルサブ成分A’、V’およびモデル成分Nは不変の状態にとどまる。V’とNの値は、共にIとgの間の最小差を提供する第一のループ由来のV’の最適評価値に対応する。L’の評価値が決定される。
【0113】
ステップ522において、二次損失関数はモデル成分A’で適用される。ステップ522において、観察された強度Iと関数gの間の最小差を提供するようにA’の具体的値が評価される。モデルサブ成分L’、V’およびモデル成分Nは、不変の状態にとどまる。L’の値は、ステップ520由来のL’の評価値に対応し、V’とNの値は、共にIとgの間の最小差を提供する第一のループ由来のV’およびNの最適評価値に対応する。A’の評価値が決定される。
【0114】
ステップ524において、第二のループ変数kはk+1まで増大させられる。
【0115】
第二のループは、kの値がpの値より大きくなるまで演算する。kの値がpの値よりも小さい場合、ステップ520は第二のループの新たな反復において再び演算する。最小化演算によりL’の新たな評価値が決定されて、Iとgの間の最小差を提供する最適な評価値L’を得、ここでgは第二のループの先行する反復においてステップ520由来のA’の評価値を考慮する。
【0116】
kの値がpの値よりも大きい場合、方法は、ステップ526で続行し、ここで、メインループ変数iがi+1まで増大させられる。
【0117】
方法は次に、ステップ504で続行して、ループ反復数n_itをメインループ変数iの値と比較する。メインループは、反復数n_itがメインループ変数iの値より小さくなるまで演算する。メインループ変数iの値が反復数n_itの値よりも大きい場合には、方法は停止する。
【0118】
n_itは、本方法のための具体的終結条件を表わす。
【0119】
代替的終結条件には、観察された強度Iと計算上の強度f(A、L、V、N)またはg(A’、L’、V’、N)の間に得られる差分値に結びつけられる閾値が含まれる場合がある。こうして、方法は、IとfまたはIとgの間の計算上の差が、例えば閾値または差分閾値以下となった時点で停止する。
【0120】
別の代替的終結条件は、差分閾値に基づいていてよい。差分閾値を使用する場合、方法は、二つの連続する反復に基づく同じモデル成分の二つの値の間の差が閾値以下となった場合に停止する。
【0121】
方法の目的は、各々のモデル成分A’、L’、V’およびNについて、二次損失関数の計算において最小差を提供する値を別個にかつ反復的に考慮することにある。方法は、モデル成分A’、L’、V’およびNの値の決定を最適化するため、メインループ、第一および第二の反復的ループに基づいている。メインループ、第一のループおよび第二のループの反復の目的は、最良の収束に達することにある。こうして、各々のステップ510、512、520および522について、データプロセッサ114は、第一および第二のループの各反復において、かつ各モデル成分について、比較ステップを演算する。実際、データプロセッサ114が二次損失関数を計算して、特定のモデル成分を増大させた時点での差分値を得る毎に、データプロセッサ114は、先に得た既存の差分値と得られた差分値とを比較する。こうして、データプロセッサ114は、最小差分値を決定し、さらなる計算のための最小差分値を保持することができる。
【0122】
反復数pの値は、jおよびkについて同じであってよい規定数である。第一のループは、モデル成分VおよびNに関係し、第二のループは、方法の改善された最適化のためモデル成分AおよびLに関係する。
【0123】
モデル成分V、Nは、物体の表面の方向と、照明光源104、105、106の方向の間の相互作用に関係する。このような相互作用が、これら二つの方向の間の角度を決定する。このような角度の決定に関係づけされた計算は、対応する行列のサイズに起因して実行するのが比較的複雑である。
【0124】
こうして、第一のループは、第二のループと結びつけられた計算および計算時間を最適化するために、モデル成分VおよびNまたはV’およびNに関する計算を提供する。第二のループは、モデル成分AおよびLに関する計算を提供する。Aは、物体の表面と結びつけられた重みづけ係数に対応する。Lは、照明光源と結びつけられた重みづけ係数に対応する。したがって、このようなモデル成分に関係づけされた計算は、対応する行列のサイズに起因して比較的実行が容易である。
【0125】
このような第一および第二のループ内でのモデル成分A、L、V、NまたはA’、L’、V’、Nの配置は、方法のより優れた収束を提供する。こうして、最小化演算などの最適化プロセスを実施するためのモデル成分A、L、V、N、またはA’、L’、V’、Nの異なる配置と比較した場合、計算時間が削減される。
【0126】
代替的配置は、以下のようなものであってよい:V’、N、L’、A’、またはV’、N、A’、L’、またはV’、L’、A’、N、またはV’、L’、N、A’、またはV’、A’、N、L’、またはV’、A’、L’、N。
【0127】
メインループ、第一のループおよび第二のループの全ての反復が処理された場合、方法は停止する。
【0128】
データプロセッサ114は、再構築プロセスの方法から決定されたNの値を取り出す。このとき、データプロセッサ114は、参考文献[4]、[5]、[6]および[7]の中で開示されているアルゴリズムの一つを適用することで各画素についてのNの値を考慮することにより、画素毎に表面を構築する。
【0129】
こうして、データプロセッサ114は、考慮対象の物体の表面の隆起レリーフマップを提供する。
【0130】
図6、7、8および9は、各々第一の物体の初期画像を示す。
図10、11、12および13は、
図6、7、8および9の物体の表面の本発明に係る隆起レリーフマップを示す。この実施形態において、ループ反復数はn_it=10であり、第一および第二のループ変数の値はp=5である。
【0131】
本方法は、有意な数の優れた品質の画像を考慮する場合に、モデル成分A’、L’、V’およびNのより優れた評価が提供されることを保証する。さらに、画像獲得中の照明光源の均等な空間的分布が、より良い結果を提供する。
図14は、ティーバッグである物体の初期画像を表わす。
図15は、
図14に示された物体の三つの初期画像を考慮した場合の、
図14の物体の隆起レリーフマップを示す。
図16は、
図14に示された物体の五つの初期画像を考慮した場合の、
図14の物体の隆起レリーフマップを示す。
図17は、
図14に示された物体の10個の初期画像を考慮した場合の、
図14の物体の隆起レリーフマップを示す。目視によると、
図17中の隆起レリーフマップは、
図15および16中の隆起レリーフマップに比べて物体のより多くの細部を含んでいる。隆起レリーフマップの表面の視覚的分析結果は、初期画像と比べて全体的表面形態に対する有意な影響が全く無い隆起レリーフマップの改善された品質を示している。
【0132】
図18、19、20および21は、微生物である第一の物体の初期画像を示す。
図22は、
図18、19、20および21の物体の表面の隆起レリーフマップの上面図を示す。
【0134】
図24、25、26および27は、本発明に係る、微生物などのさまざまな物体の隆起レリーフマップを表わす。
【0135】
上述の最適化は、表面の法線を決定するため、および深度マップを再構築するための一つの解決法を提供する、本発明の方法の第一の実施形態に関係する。
【0136】
上述の第一の実施形態においては、最小化ステップ中に、値の制約条件および品質制約条件が考慮されていない。各モデル成分は、最小二乗法を用いて評価可能である。反復的手順の実行中、各サブ最小化後に得られた値を制約条件内に投影することが可能である。アルベド成分A’については、ゼロ未満の全ての値がゼロと等しくされ、1より大きい全ての値は1に設定される。類似の演算を光源強度についても実施することができる。ゼロより小さいL行列中の値は、ゼロまたは非常に低い値に設定される。照明方向V、および表面法線Nは、第一の最小化ループの評価後に初めて正規化される。正規化の直後に品質平滑度制約条件を実行に移すため3×3のスライドウィンドウを伴う平均化フィルターにより、補足的表面法線をフィルタリングすることができる。このような評価後の制約条件の適用は、アルゴリズムの反復的性質に起因して可能になっている。以下の第二の実施形態中で説明されている、制約条件の評価に関係する追加のステップを、方法の終りに提供して、第一の照度差ステレオモデル成分近似を提供してもよい。
【0137】
第二の実施形態において、本発明は、最適化方法の実行中に照度差ステレオモデルについての値制約条件、および品質制約条件を考慮するための解決法を提供している。
【0138】
照度差ステレオ成分のための値および品質制約条件を統合する目的で、アルベド値、光源強度、光源方向、および表面法線行列を発見するための最小化関数は、補足的等式および不等式制約条件を考慮に入れる。各モデル成分のための最小化演算について以下で説明する。
【0139】
図5において、ノルム制約条件を含む光源方向行列は、
【数7】
を条件として、Vについて示された式を用いて求められるべきである。
【0140】
なおここで、k=1、…、niであり、ベクトル
【数8】
は、k番目の画像の獲得中に使用される照明方向に対応する。
【0141】
値ノルム制約条件、および品質制約条件を伴う表面法線行列を得るためには、
図5中の行列Nのための最小化手順を、以下の条件で使用しなければならない。
【0143】
式中、j=1、…、npであり、n
jはj番目の画素の3D法線に対応し、n
j(p,l)は、初期非ベクトル化画像内のj番目の画素隣接物を表わす。
【0144】
光源強度ベクトルは、0より大きく、かつ画像の可能最大値H未満の値のみを含まなければならない。したがって、
図5に示された行列L’は、以下の条件で使用されなければならない。
【0146】
なお式中、k=1、…、3niであり、niは入力されたカラー画像数であり、l
kはk番目の入力画像の獲得中に使用される光源の強度に対応する。
【0147】
アルベド行列は、間隔[0;1]からの値のみを含んでいなければならない。したがって、
図5中のアルベド近似についての最小化関数A’
iは、
a
kj≧0、かつa
kj≦1
という条件で使用されなければならない。
【0148】
なお式中、k=1、…、3ni、j=1、…、npであり、niは入力カラー画像数であり、npは各入力画像内の画素数である。
【0149】
不等式制約条件、すなわちアルベドA’および光源強度L’についての最小化問題は、ラグランジュ乗数(Lagrange multiplier)を含む最適化誤差関数[9]について、参考文献[8]に示されているカルーシュ・キューン・タッカー(KKT)条件を分析することにより解明することができる。照明方向および表面法線についての等式制約条件が非線形性であることから、サブ最小化のための最良の解決法は、参考文献[10]中に示されている、ラグランジュ乗数を含む損失関数のためのレーベンバーグ・マーカートアルゴリズムを使用して得ることができる。
【0150】
照度差ステレオモデル解像度は、単位法線、すなわち各画素内の表面、方向づけを提供する。これらの法線から深度マップを得るためには、既存のアルゴリズムの一つを適用しなければならない。深度マップは、法線行列により提供されるものよりも容易な結果としての表面の視覚的分析を可能にする。実験中、参考文献[4]、[5]、[6]および[7]に提示されたアルゴリズムがテストされた。[4]で提示されている積分アルゴリズムは、所与の例全てについて最も速く最も効率の良いものであることが判明した。このアルゴリズムは、二つの観点からの、すなわち離散導関数(隣接する点の間の単純な差分)、および表面法線に基づいて計算された導関数としての、表面偏導関数表現に基づいている。このアルゴリズムはこうして、交互最適化の後に得られた法線と視覚化された深度マップのと間の遷移のために使用された。以下の実証の全てにおいて、深度マップを用いた再構築の品質が分析される。
【0151】
図28は、参考文献[11]に示されている通りのMIT固有画像データセット由来の物体について、および単純な半球物体についての再構築結果の比較を示している。提示された実施例のためには、各々の最小化について10個の包括的反復と5個の内部反復で、
図5由来の交互方法が使用された。得られた結果は、制約条件を実装する必要性を示している。半球形などの単純な物体については、いかなる変数値制約条件もない交互最適化で十分である。しかしながら、より複雑な表面には制約条件を使用することが求められる。
図28に示されているように、各最小化手順内に直接統合された制約条件、および制約条件のない各々の変数評価の後の制約条件の空間内投影という、制約条件の実装の異なる形態を、異なる処理時間tで比較することができる。第二の実施は、第一の実施に近い結果を提供するが、評価処理時間は著しく削減される。こうして、さらなる実験においては、第二の評価モードが優先された。Matlab R2012b環境を用いて、64ビット、Intel(R)、Core(TM)i7−2600、CPU 3.40GHz、RAM=8Goのシステムについての評価時間が提示されている。
【0152】
図5において、ステップ500は、A’、L’およびNについての規定値に基づく初期化ステップに関係する。
【0153】
いかなる先行情報も入手可能でない場合、交互最適化アルゴリズムのために必要なモデル成分の初期化を、入力画像に基づいて行なわなければならない。実験から、一部の変数の初期化の影響が他のものよりも大きいことが分かった。最も重要であるのは、法線行列Nの初期化である。A’およびL’などの初期値を必要とする他の全ての変数は、一つの値またはランダム値の行列として選択されてよい。
図29aは、物体の初期画像に関係する。
図29bは、グランドトゥルース法線(ground truth normal)の行列に基づく画像に関係する。
図29cは、深度マップに基づく画像に関係する。
図29dは、行列Nのための異なる初期化基準に基づき異なる画像を比較するための表の形に配置された複数の結果として得られた画像を含む表を示している。各々の初期化基準は、以下で説明する通り、表中の特定の行に関係する。
【0154】
第一の行Noは、交互手順の第一のステップにおいて使用されるNの初期値に関係する。Nxは、表現のカラーチャネルRに対応し、NyはカラーチャネルGに対応し、NzはカラーチャネルBに対応する。
【0155】
第二の行「N」は、交互最適化アルゴリズムによって取り出される行列Nに関係する。第二の行は、R、G、Bチャネル内でコード化され行Noから異なる初期化を用いて得られた、法線の結果として得られた値に関係する。
【0156】
第三の行「SF」は、結果として得られた物体表面に関係し、これは、行N由来の結果として得られた法線に基づいて得られた深度マップに対応する。
【0157】
第一の列「Ones」は、単位行列に関係する。
【0158】
第二の列「Randn」は、ガウス分布にしたがった値の行列などの、正規分布したランダム値の行列に関係する。
【0159】
第三の列「Rand」は、均一に分布したランダム値の行列に関する。
【0160】
第四の列「Medに対する3Dノーマル(normal)」は、ノーマルのための異なる初期化タイプを含む行列に関係する。初期ノーマルは、各画素の中央強度値に対する3Dノーマルに等しい。第四の列の基準を組合せるアルゴリズムが最高品質の画像を提供すると思われる。
【0161】
図29dは、行列Nの異なる初期化についての再構築結果を含む。したがって、各画素中央強度値に対する3Dノーマルに等しい初期化されたノーマルを伴う再構築された表面は、他の初期化されたノーマルの場合よりも著しく優れたものである。
【0162】
評価された例において、アルベド行列A’は、適切なサイズ[3×np]の単位行列として選択された。光源強度ベクトルL’は、全ての画像チャネルの3ni中央値のベクトルとして理解された。表面ノーマルの初期行列N’は、各行列中央強度値に対する3Dノーマルとして定義された。こうして、行列N’は、求められる[3×np]のサイズを有する。説明された初期化は、唯一の考えられる選択肢ではないが、提案された交互方法と組合わせて、定性的表面を得るために効果的であることが分かっている。
【0163】
図5に示された好ましい実施形態において、メインループの終結条件は、定義された反復ループ数に基づく。代替的終結条件は、初期データと評価された変数との間の小さい二次誤差、および反復間の小さな変数変動(またはたった一つの最重要変数)を含んでいてよい。
図30は、異なる物体に関係する三つの異なる行を示す表を含み、ここで第一の列は、グランドトゥルース表面に関係し、第二の列は第一の終結条件に関係する。第三の列は、第二の終結条件に関係し、第四の列は、第三の終結条件および対応する処理時間tに関係する。結果は、言及された基準全てを使用して満足のいく表面を得ることが可能であることを示している。
【0164】
再構築される表面の複雑性、初期画像のサイズ、および品質に応じて、モデル
【数10】
および反復間のノーマル変動
【数11】
の分析である、10個のアルゴリズム反復に等しいit
max値で、類似の再構築結果が得られた。
【0165】
このとき、ErrおよびVarは、経験的に決定された閾値と比較される。所望される結果および評価時間制約条件に応じて、これらの基準の一つを使用することができる。
【0166】
選択可能な最も単純な基準は、反復数である。メインループ内の反復の数は10に等しく、サブ最小化の各々の中の反復数は5である。これらの値について、アルゴリズム収束が得られ、結果として得られた表面の品質は、さらなる分析のために十分なものである。
【0167】
初期画像の品質を改善するための追加の具体的な画像プリプロセスが、本発明の中で使用される前記画像に対して、本発明の方法を適用する前に、初期画像の品質を改善するために本発明と共に実施されてよい。このような追加の画像プリプロセスは、深さマップの不正確な表現を導くかもしれない画素値を含む、初期画像内部のあらゆる暗ゾーンまたは明ゾーンを除去し得る。
【0168】
データプロセッサ114は、上述の行列に基づいて、異なるカラーチャネルについての特定の画像内の画素の画素値と、対応するカラーチャネルについての他の画像内の対応する画素の画素値との間の比較に関連する特定の比率を計算してよい。1という比率は、同じ画素値を有する二つの画素の画素値との比較に対応する。こうして、比率が1と異なる場合、比率は、一つの画像内の一つの画素の第一の画素値と、一つ以上の他の画像内の同じ画素の第二の画素値との間の相違を決定する。実際、比率が1より大きい場合、これはすなわち、問題の画素がより明るい画素に対応することを意味する。例えば、比率は、これは1に等しい比率の20%の増加を表わす1.20であってもよい。比率が1より小さい場合、これはすなわち、問題の画素がより暗い画素に対応することを意味する。
【0169】
画像1について:
比率には、カラーチャネルRと結びつけられた画像1内において、同じカラーチャネルについての画像2と比べた場合の明ゾーンの存在を決定するために、例えばIR1/IR2が含まれる。
【0170】
結果として得られる比率値は、例えば、以下のような対応する比率行列の形に配置されてよく、ここで各ベクトルは、画素毎の画像1の全ての画素の比率に関係し、ここで行列の各列は、関連している画像内の特定の画素に対応する。
【0171】
画像1について:
IRl_ratio=(IR1/IR2;IR1/IR3)
IR2_ratio=(IR2/IR1;IR2/IR3)
IR3_ratio=(IR3/IR1;IR3/IR2)
【0172】
画像2および画像3について:
データプロセッサ114は、画像2および3について、かつ、各画像1、2、3についてならびに画像2と画像3内の各画素についての他のカラーチャネルGおよびBについてそれぞれ、類似の比率行列を得るため、類似の比率計算を反復して実施する。
【0173】
N個という多数の画像を考慮する場合、データプロセッサ114は、各カラーチャネルに関してN個の画像全ての画素全てについて、このような比率計算を反復的に実施する。
【0174】
データプロセッサ114は同様に、以上で得られた比率行列に基づく平均値である重みづけ値Wを計算してもよい。
【0175】
平均値は、統計的尺度に基づく一般化平均値に対応する。一般化平均は、一組のデータセットの値を集約して、結果として得られた、そのデータセットを特徴づけるかまたは表わすデータ値を提供する。結果として得られたデータ値は、データセットの任意のデータ値と同じタイプのものである。こうして、結果として得られるデータ値は、データセットの任意のデータ値と比較できる。一般化平均は、計算された比率の算術平均(すなわちアベレージ)、加重算術平均、幾何平均、または中央値などの中心傾向尺度(central tendency measure)を意味してよい。
【0176】
第一の実施形態において、重みづけ値Wは、各画像の各画素について、および各カラーチャネルについて計算され、以下に記す通りに定義づけされてよい。
【0178】
上記式中、c
jは加重平均の計算を可能にする係数である。それは、算術平均の場合1/pに等しいものであってよく、ここでpは基準画像の数であり;
I
refjは、p個という複数の基準画像内のj番目の画像であり;
Iは、補正対象の画像である。
【0179】
結果として得られた重みづけ値Wは、以下の通りの対応する重みづけ行列の形に配置されていてよい。
【0180】
カラーチャネルRについて:
WR1=画像1内の全画素についての平均IR1_ratio
WR2=画像2内の全画素についての平均IR2_ratio
WR3=画像3内の全画素についての平均IR3_ratio
【0181】
上述の例において、WR1は、画像1の赤チャネルの全画素についてのWの値を集める重みづけ行列である。
【0182】
カラーチャネルGおよびBについて、類似の重みづけ行列が得られる。
【0183】
N個という多数の画像を考慮した場合、データプロセッサ114は、各カラーチャネルについてのN個の画像全ての画素全てについて、このような重み行列計算を反復的に実施する。
【0184】
図38は、画像1内のそのそれぞれの場所で識別されている6000の画素を含む、
図31に示されている画像1についての比率WR1の一表現を示す。この例において、算術平均は、
図32、
図33および
図34に示されている基準画像として使用されている他の三つの画像に基づいて平均値WR1を計算するために使用される。こうして、WR1の高い値は、画素1500から画素2000の間に位置設定されている明ゾーンに対応する。
【0185】
重みづけ値Wは、閾値Vと重みづけ値Wを比較して、どの状況において重みづけ値と結びつけられた画像が明ゾーンを含むかを決定するため、1に等しい閾値Vと結びつけられる。
【0186】
重みづけ値Wが閾値1に等しい場合、これはすなわち、二つの考慮対象画像内の同じ画素の強度値が同じであることを意味している。
【0187】
重みづけ値Wが閾値1よりも大きい場合、これはすなわち、画素が恐らく鏡面反射画素に関係していることを意味する。
【0188】
重みづけ値Wが、特定の画素について1より小さい場合、これはすなわち、画素が鏡面反射画素に関係しないことを意味している。
【0189】
重みづけ値Wが値0に接近した場合、これはすなわち、画素が恐らくは暗ゾーンに関係していることを意味する。
【0190】
重みづけ値Wは、二つの対応する閾値間隔を定義するため、明ゾーンについてはVm_high、そして暗ゾーンについてはVm_lowなどの具体的な余裕値Vmと結びつけられてよい。このような閾値間隔は、鏡面反射ゾーンまたは陰影ゾーンに無関係である場合がある特定の明ゾーンおよび暗ゾーンを画像内に保持することを可能にする。実際、このような特定の明ゾーンおよび暗ゾーンは、例えば特定の照明方向または物体の特定の性質によってひき起こされる照明光源と物体との相互作用に起因して発生するかもしれない。したがって、閾値間隔を考慮する場合、このような特定のゾーンは、本発明の方法を用いて補正されるべき明ゾーンまたは暗ゾーンとはみなされず、画像内で不変の状態にとどまる。Vm_highおよびVm_lowの値は、Vm_highが0.2に等しく、Vm_lowが0.8に等しいといった定義値である。
【0191】
第一の閾値間隔は、1という値に接近し明画素の不在を示す、より高いWの値に関係する。余裕値Vm_highの値に基づいて、第一の閾値間隔は、1からV_highまでのVの値に関係し、ここでV_highは明画素についてのVの既定値に対応する。Vm_highが0.2に等しいこの例において、第一の閾値間隔は、1から1+Vm_high、すなわち1.2までのVの値に対応する。こうして、重みづけ値Wが1に等しくなく第一の閾値間隔内に含まれている場合、これは、関係づけされた画素が鏡面反射画素に対応する任意の明画素を含むものとみなされないことを暗示する。こうして、例えば物体の特定の性質などに起因する光の効果によって発生させられることのある高い強度を有する画素値が、画素補正のために考慮されるが、画素値の補正の後ほぼ不変の状態にとどまる。
【0192】
第二の閾値間隔は、0という値に接近し暗画素の存在を示す、より低いWの値に関係する。余裕値Vm_lowの値に基づいて、第二の閾値間隔は、V_lowから1までのVの値に対応し、ここでV_lowは暗画素についてのVの既定値に対応する。Vm_lowが0.8に等しいこの例において、第二の閾値間隔は、1から1−Vm_low、すなわち0.2までのVの値に対応する。こうして、重みづけ値Wが1に等しくなく第二の閾値間隔内に含まれている場合、これは、関係づけされた画素が暗ゾーンに対応する任意の暗画素を含むものとみなされないことを暗示する。こうして、例えば物体またはペトリ皿材料の特定の性質などに起因する光の効果によって発生させられることのある低い強度を有する画素値が、画素値補正のために考慮されるが、画素の補正の後ほぼ不変の状態にとどまる。
【0193】
閾値Vは、本発明の方法を用いた画素値補正が必要とされるか否かを決定するための一つの要件を表わしている。
【0194】
データプロセッサ114は、上述の比率、重みづけ値Wおよび閾値Vに基づいて規定の式を計算して、補正済み画素値または補正済み強度Icを提供し、考慮中の画素の既定の画素値Iと置換させることができ、この式は、例えば以下の形態をとってよい。
【0196】
式中、
im_numberは、N個という複数の画像からの補正済み画像のための添え字つき(subscripted)リファレンスであり;
p_numberは補正済み画素のための添え字つきリファレンスであり;かつ
f(W)は、補正されるべき明画像と暗画像に関する連続補正を提供する。シグモイド関数がこのような連続性を可能にする。
【0197】
f(W)は、以下のシグモイド関数のような関数であり、0より大きく1未満の値を表わしていてよい。
【0199】
式中、
−kは、以下に定義されている補正レベルの変調に関係づけされる係数であり;
−Vは、閾値間隔に関して以上で説明した閾値であり;
−αは、シグモイド関数の遷移鮮明度を定義するパラメータであり;
−Wは、上述した重みづけ値である。
【0200】
上記式中、kは、補正レベルを変調して、物体の補正済み画像上で問題の画素によりひき起こされた歪を変調するため、および画像内部の他の画素に対する画素補正の影響のレベルを変調するための既定の係数であり、kの値は0より大きく1未満である。kの高い値は、画素の有意な補正を提供する。明画素および暗画素についての
図66に示されているような例えばk=0.75などのkの既定の値はそれぞれ、k_highおよびk_lowを意味していてよい。
【0201】
上記の式に基づいて、重みづけ値Wが閾値Vに比べて相対的に高い場合、関数f(W)は、関連する画素値の補正を提供するkの値に接近する。
【0202】
同様にして、重みづけ値Wが閾値Vよりも相対的に低い場合、関数f(W)は、画素値を有意に変えない関連する画素値の厳正な補正をも提供する値0に接近する。
【0203】
上記式中、αは、シグモイド関数の遷移鮮明度を定義づけるパラメータである。これはすなわち、αが、
図67に示されている画像内の物体の補正済みゾーンと非補正ゾーンの間の可視的遷移を平滑化するように補正を変調するために変動可能であることを意味する。遷移の平滑性は、画像に対する補正の可視的効果を改善すると同時に、物体表面の再構築のためのさらなる照度差ステレオ法などのプロセスのための画像の品質を改善する。明画素および暗画素のためのαの既定値は、それぞれα_highおよびα_lowと呼ばれる。
【0204】
パラメータα、kおよびVについての上述の区別に基づいて、f(W)の上記一般式を、以下のように詳細な形で記すことができる。
【0206】
図39、65、66および67は、パラメータk、f(W)、V_highおよびV_low、そしてαについての異なる値セットを含む異なる実施形態を示す。
【0207】
図65は、k=0.75およびα=100が固定値であり、f(W)に対するVの影響を示すためV=1、1.2および1.5である、f(W)の一表現に各々関係づけされている3本の点線を表わす。
【0208】
図66は、V=1.25およびα=100が固定値であり、f(W)に対するkの影響を示すためk=1、0.75および0.5である、f(W)の一表現に各々関係づけされている3本の点線を表わす。
【0209】
図39は、Vおよびkが固定値であり、f(W)に対するαの影響を示すためα=10
3、10
2および10である、f(W)の一表現に各々関係づけされている3本の点線を表わす。
【0210】
図67は、V=1.25およびk=0.75が固定値であり、同様にf(W)に対するαの影響を示すためα=10
3、10
2および10である、f(W)の一表現に各々関係づけされている3本の点線を表わす。
【0211】
図40は、α_high=100およびα_low=50およびk_high=0.6およびk_low=0.8である、明ゾーンおよび暗ゾーンと結びつけられたαおよびkの異なる値を伴う、f(W)の一表現を示す。
【0212】
図41に示されているように、追加のプリプロセスの方法は、以下で説明されている通りの複数のステップ1302、1304、1306および1308を含む。方法は、画像キャプチャデバイス108が、N個という複数の画像を獲得するステップ1302を含んでいる。説明された実施形態においては、異なる照明光源により、異なる照明方向で少なくとも二つの画像が撮影されなければならない。
【0213】
ステップ1302では、強度検出デバイス112が異なる画像1、2および3を各々考慮し、各カラーチャネルについての各画素の強度を検出して、各画素、各画像および各カラーチャネルについての画素値IRを得る。
【0214】
ステップ1304では、データプロセッサ114は、一つの画像内で考慮中の画素の強度と他の画像内の対応する画素の強度との間の比率を同じ画素について計算し、同じカラーチャネルが、対応する比率値を得るようにする。
【0215】
ステップ1306では、データプロセッサ114は、各画素、各画像および各カラーチャネルについて各々計算された比率の対応する平均値を計算する。
【0216】
ステップ1308では、データプロセッサ114は、各画像上の各画素についておよび各カラーチャネルについて、上記式に基づいて、補正済み画素値Icを計算する。
【0217】
図42、
図43、
図44および
図45は、それぞれ
図31、
図32、
図33および
図34の物体の補正済み画像を示し、ここでは明ゾーンは、比率推定のための基準画像として他の三つの画像を用いて各画像内で補正されている。Wを計算するための平均値として、算術平均が使用された。
図46、47および48は、それぞれ赤、緑および青チャネル内で
図42の補正済み画像を示す。
【0218】
図46、47および48に示された補正例においては、上述のパラメータk_high、k_low、V_high、V_lowおよびα_highおよびα_lowは、以下で示す通りに決定され得る:
k_high=k_low=0.75
V_high=1.2およびV_low=0.2
α_high=100およびα_low=50
【0219】
厳密な補正のためには、パラメータV_highは1.2に等しくてよい。
【0220】
ソフト補正のためには、パラメータV_highは1.2に等しくてよく、パラメータαは、異なるk値と組合せた形で10に等しいかもしれない。k=1である場合、補正は最大になるように思われる。
【0221】
kが0に接近した場合、いかなる補正も提供されない。
【0222】
パラメータk_high、k_low、V_high、V_lowおよびα_highおよびα_lowのこれらの値は、比率の計算された平均値に基づいて経験的に決定される。本明細書の全ての実施例において、以上に記したパラメータセットが使用されている。
【0223】
図49〜50および52〜54は、A.Hertzmann、S.M.Seitz、「Example−Based Photometric Stereo:Shape Reconstruction with General Varying BRDF」、IEEE Transactions on pattern analysis and machine intelligence、vol27、8、p.1254〜1263、2005年中で言及されている公開データベースの中に記憶されている画像を示す。
図49は、公開データベース中で入手可能であるネコを表わす物体の8個の画像のうちの一つに対応する。
図52、53および54は、公開データベース中で入手可能である魚を表わす物体の14個の画像のうちの三つに対応する。
【0224】
図49は、複数の明ゾーンを有するネコを表わす物体の画像を示す。
【0225】
図50は、ネコの目の周りおよび上に位置設定された特定の明ゾーンを示す。追加のプリプロセスの方法を用いて
図49に示された画像を処理した後、
図51に示された補正済み画像が得られる。補正済み画像を得るための方法は、基準画像としてネコの他の7個の画像を使用することによって実施される。算術平均は平均値Wを計算するために使用され、パラメータk_high、k_low、V_high、V_lowおよびα_highおよびα_lowのセットは、以上で言及されたものと同じである。目視により、
図50中に示された画像内に存在する明ゾーンが、
図51に示された画像内には現われないということが分かる。その上、さらに目視すると、ネコの目を表わす
図50の細部が、追加のプリプロセスに係る方法を適用した結果として改変されなかったことが分かる。
【0226】
図52、53および54に示された他の実施例では、複数の明ゾーンと暗ゾーンとを観察することができる。
図55、56および57に示されている通り、暗ゾーンおよび明ゾーンは、本発明に係る方法を適用することによって除去された。補正済み画像を得るために使用される方法は、基準画像として魚の他の13個の画像を使用することからなり、ここで13個の画像は、補正対象の画像と異なる。算術平均は平均値Wを計算するために使用され、パラメータk_high、k_low、V_high、V_lowおよびα_highおよびα_lowのセットは、以上で言及されたものと同じである。その上、目視すると、物体の細部が、本発明に係る方法を適用した結果として改変されなかったことが分かる。
【0227】
初期画素値、W値、f(W)値および補正済み画素値の値を表わす目的で、ここで
図53および
図54の画像に基づく一つの実施例について説明する。赤のカラーチャネルなどの一つのカラーチャネルが考慮される。
図53および
図54の画像の各赤カラーチャネルが、それぞれ
図58および
図58に表わされている。
図58および
図59は、Wおよびf(W)の値を例示するため、問題の画素線を表わす白線を示している。
【0228】
図60は、
図58に示されている初期画像I1および
図59に示されている基準画像I2についての問題の画素線についての、画素値または強度値を表わすグラフを示す。
【0229】
図61は、
図59上の基準画像I2を用いた、
図58内の初期画像I1の補正済み画像I1cを表わしている。平均値Wは、
図59に示された一つの基準画像を用いて計算される。こうして、平均値は、
図58に示された初期画像I1と
図59に示された基準画像I2の比率に等しい。
【0230】
図62は、平均値Wおよび補正済み関数f(W)を表わすグラフを示す。f(W)は、以上で言及したものと同じパラメータk_high、k_low、V_high、V_lowおよびα_highおよびα_lowを用いて計算される。
図62は、f(W)の値をゼロに等しくないものとして示しており、これは補正対象の画素を示す。値は、明ゾーンすなわち比較的高いWの値、および暗ゾーン、すなわち比較的低いWの値の両方に対応している。
【0231】
図63は、
図58に示されている初期画像I1および
図61に示されている補正済み画像I1cについての問題の画素線についての画素値を表わすグラフを示す。
【0232】
図64は、
図58に示された初期画像I1と
図59に示された基準画像I2の比率として推定された平均値W、および
図61に示された補正済み画像I1cと
図59に示された基準画像I2の比率であるものとして推定された補正済み平均値Wcを表わすグラフを示す。
【0233】
図63に示されているように、補正済み画像I1c中の明ゾーンの強度値は、
図60に示された通りの画像I1中の明ゾーンの強度値よりも低い。同様にして、
図63に示されているように、補正済み画像I1c中の暗ゾーンの強度値は、
図60中に示されている通りの画像I1中の暗ゾーンの強度値よりも高い。さらに、物体のテクスチャおよび表面を特徴づけする画素の強度値は、
図60に示されている画像I1内の一部の画素の強度値と比べた場合、
図63中の補正済み画像I1cについて不変の状態にとどまっている。
【0234】
初期画像I1および基準画像I2両方の上の明ゾーンまたは暗ゾーンである一部のゾーンは検出されず、したがって補正されていないことを指摘することができる。その結果、これらのゾーンの強度値は、それぞれ異常なほどに高く、または低くとどまっている。しかしながら、互いに完全に重複していない明ゾーンまたは暗ゾーンを伴うより多くの基準画像を使用すると、本発明の方法は最適化され、この方法は少なくともこのような誤検出を回避するように導かれる。
【0235】
代替的には、上述のパラメータについての具体的な値を決定する代りに、パラメータの値を適応させるための自動システムを実施してもよい。
【0236】
各画像上の鏡面反射ゾーンの位置設定は、本発明に係る方法を用いて補正済み画像の品質を改善するために極めて重要である。実際、すでに言及した通り、各鏡面反射ゾーン、すなわち明ゾーンあるいは暗ゾーンは、改善された品質の補正済み画像を提供するために、別の鏡面反射ゾーンと完全に重複すべきではない。
【0237】
こうして、
図87は、物体580の四つの画像の重畳の概略図を表わし、ここで画像1は、鏡面反射ゾーン590を含み、画像2は鏡面反射ゾーン591を含み、画像3は鏡面反射ゾーン592を含み、画像4は鏡面反射ゾーン593を含む。いかなる鏡面反射ゾーンも別の鏡面反射ゾーンと重複していない。本プリプロセスに係る方法は、鏡面反射ゾーンが
図87にある通りに位置設定されている状態で、最良の結果を提供する。
【0238】
図88は、物体580の四つの画像の重畳の概略図を表わし、ここで画像1は、鏡面反射ゾーン601を含み、画像2は鏡面反射ゾーン602を含み、画像3は鏡面反射ゾーン603を含み、画像4は鏡面反射ゾーン604を含む。鏡面反射ゾーン601、602、603および604の各々が、少なくとももう一つの鏡面反射ゾーンと部分的に重複している。
【0239】
図89は、物体580の四つの画像の重畳の概略図を表わし、ここで画像1は、鏡面反射ゾーン611を含み、画像2は鏡面反射ゾーン612を含み、画像3は鏡面反射ゾーン613を含み、画像4は鏡面反射ゾーン614を含む。少なくとも鏡面反射ゾーン611が、鏡面反射ゾーン612、613および614と完全に重複している。
【0240】
図68は、異なる照明方向でキャプチャされた物体の人工表面を表わす。
【0241】
図69は、明ゾーンの補正が必要とされている初期画像の一つを表わす。
【0242】
図70は、均等に空間的に分布した7つの照明光源に対応する7つの画像の鏡面反射成分の重畳からなる人工画像を表わす。
【0243】
図71aは、均等に空間的に分布した7つの照明光源から獲得した7つの基準画像を用いた、
図69の補正済み画像を表わす。
【0244】
図71bは、実線で表わされた拡散成分について、および点線で表わされたソフト補正に基づく結果として得られた成分についての、
図71aに示された水平白線に沿った画素強度分布を表わす。明ゾーンは均等に位置設定されていることから、補正済み画像の品質は満足のいくものである。これは、
図43bのグラフ上で拡散成分に続く結果としての成分により示されている。さらに、補正を必要としないゾーンに対する具体的な影響は全くない。
【0245】
図72は、ランダムに空間的に分布した7つの照明光源に対応する7つの画像の鏡面反射成分の重畳からなる人工画像を表わす。
【0246】
図73aは、ランダムに空間的に分布した7つの照明光源から獲得した7つの基準画像を用いた、
図41の補正済み画像を表わす。
【0247】
図73bは、実線で表わされた拡散成分について、および点線で表わされたソフト補正に基づく結果として得られた成分についての、
図73aに示された水平白線に沿った画素強度分布を表わす。照明光源がランダムに位置設定されている場合、補正済み画像の品質は同様に満足のいくものである。
【0248】
図74は、密に位置設定された7つの照明光源に対応する7つの画像の鏡面反射成分の重畳からなる人工画像を表わす。
【0249】
図75aは、密に位置設定された7つの照明光源から獲得した7つの基準画像を用いた、
図41の補正済み画像を表わす。
【0250】
図75bは、実線で表わされた拡散成分について、および点線で表わされたソフト補正に基づく結果として得られた成分についての、
図75aに示された水平白線に沿った画素強度分布を表わす。
図74に示された明ゾーンは重複することから、補正プロセスは完了していない可能性がある。実際、重複する明ゾーンは、不正確な強度を有するゾーンであるものとして検出されない可能性がある。
【0251】
図76は、補正対象の鏡面反射ゾーンとは反対側の照明光源に対応する一つの画像の鏡面反射成分を表わす。
【0252】
図77aは、補正対象の鏡面反射ゾーンとは反対側の一つの照明光源から獲得した一つの基準画像を用いた、
図69の補正済み画像を表わす。
【0253】
図77bは、実線で表わされた拡散成分について、および点線で表わされたソフト補正に基づく結果として得られた成分についての、
図77aに示された水平白線に沿った画素強度分布を表わす。物体の表面上での光の全体的分布は得られないものの、補正済み画像は優れた品質のものである。
【0254】
図78は、ランダムに空間的に分布した99個の照明光源に対応する99個の画像の鏡面反射成分の重畳からなる人工画像を表わす。
【0255】
図79aは、ランダムに空間的に分布した99個の照明光源から獲得した99個の基準画像を用いた
図69の補正済み画像を表わす。
【0256】
図79bは、実線で表わされた拡散成分について、および点線で表わされたソフト補正に基づく結果として得られた成分についての、
図79aに示された水平白線に沿った画素強度分布を表わす。補正済み画像は、改善された品質のものである。
【0257】
こうして、画像補正の最良の結果は、ランダムにまたは均等に空間的に分布した有意な数の画像を考慮に入れた場合に得られる。
【0258】
相対する光源方向で獲得した二つの初期画像を用いると、結果として互いに遠距離に位置設定された明ゾーンが得られる。したがって、先に定義した通りの重みづけ値Wが最適な形で適用され、補正済み画像は改善された品質のものである。
【0259】
近い光源方向で獲得した12個の画像などの複数の初期画像を使用した場合、アーチファクトおよび明ゾーンの全体的または部分的重複ゾーンが出現するかもしれない。こうして、先に定義した通りの重みづけ値Wが正しく明ゾーンを検出しないか、あるいはこのような明ゾーンを効率良く補正しない可能性がある。
【0260】
図80a、80b、80cおよび80dは、いかなる重複ゾーンもない異なる場所の明ゾーンを含む円形物体の四つの初期画像を表わす。
【0261】
図81a、81b、81cおよび81dは、先行技術において周知の修復プロセスを用いて明ゾーンが補正された円形物体の画像を表わす。
【0262】
図82a、82b、82cおよび82dは、ソフト補正を用いた本発明の方法の適用後の円形物体の補正済み画像を表わす。
図82a、82b、82cおよび82dの補正済み画像は、周知の修復プロセスで得られた対応する補正済み画像81a、81b、81cおよび81dと比較した場合、改善された品質のものであると思われる。
【0263】
複数の円形線を含む物体の画像上の鏡面反射ゾーンを除去するための先行技術のプロセスを比較するために、図式的比較を提供することができる。
【0264】
図83は、明ゾーンの補正が全くない状態での表面再構築プロセスの後の、円形物体の表面の輪郭線の概略図を示す。一部の円形線は延伸しているように見える。
【0265】
図84は、先行技術において公知の修復プロセスを伴う再構築の後の、円形物体の表面の輪郭線の概略図を示す。一部の円形線はなおも延伸しているように見える。補正済み画像は品質の劣るものである。
【0266】
図85は、先行技術において公知のColemanおよびJainのアルゴリズムを用いた、円形物体の表面の輪郭線の概略図を示す。円形線は延伸して、大幅に修正されている。補正済み画像は、品質の劣るものである。
【0267】
図86は、パラメータがV_high=1.2、k_high=k_low=0.5そしてα_high=α_low=10である、本発明の方法を用いて得られた再構築プロセスの後の、物体の輪郭線の概略図を示す。
【0268】
図86に示されているように、円形線は延伸しておらず、各円形線間の距離は一定にとどまっている。本発明に係る鏡面反射ゾーンを除去するための方法は、最良の結果を提供する。
【0269】
【数16】
および
【数17】
を含む第一の実施形態は、以下のアルゴリズム内で動作する。
【0270】
アルゴリズム1:ソフト鏡面性補正アルゴリズム。
【数18】
【0271】
上述の第一の実施形態は、ユーザーが基準画像セットに基づいて各パラメータk、Vおよびαについての適応された設定値を定義し得る状況下での、エンハンスされた品質を伴った結果を提供する。
【0272】
第二の実施形態において、重みづけ値Wは、以下に定義される通りに計算される。
【0274】
第二の実施形態において計算されているWに基づいて、f(W)はこのとき、パラメータαの値のみに基づく適応修正に関係する。
【0275】
Iは、補正対象の画像の画素強度に関係する。第二の実施形態において画像数im_number=1であり、したがって以降の表記においては無視することができる。画像がアンラップされた、すなわちベクトル化された場合、画像I内の各画素はI(p_number)と呼ばれる。さらに、第二の実施形態についてのこの説明において、画像Iおよび補正のために使用される画像は、グレースケール画像すなわちシングルチャネル画像であるものと仮定される。したがって、IR、IGおよびIBの表記を使用する必要は全くない。画像Iは、アルゴリズム中で使用される唯一の可変的表現である。画像Iを補正するためには、p個の基準画像のセット(抜け)も同様に使用され、画像{I
ref}は同じ固定カメラ位置から異なる光源位置で撮影される。例えば、初期画像セットが三つの画像I
1、I
2、I
3を含む場合、画像Iの第一の補正=I
1は、基準画像セット{I
ref}={I
2、I
3}と結びつけられる。同様にして、画像Iの第二の補正=I
2は、基準画像セット{I
ref}={I
1、I
3}と結びつけられる。同様にして、画像Iの第三の補正=I
3は、基準画像セット{I
ref}={I
1、I
2}と結びつけられる。基準画像は、補正対象の画像を除く初期シーケンスの他の全ての画像に対応してよい。各画像Iについての全体的光源分布または位置設定は、低周波数成分と見られ、追加の強度平面におおよそ近似され得る。平面および対応する並進運動の方向は、光源の位置および強度によって左右される。
【0276】
画像Iが基本的シェーディングを有する場合には、各画像
【数20】
の相対的シェーディングが、比率値の行列
【数21】
の以下で詳述される通りのLinApproxと呼ばれる線形近似として表現されてよく、式中の
【数22】
はポイントツーポイント分割(point−to−point division)に関係する。
【0277】
こうして、近似された平面をIR_ratioの評価された値から減算する場合、全体的シェーディングは除去され、鏡面反射ゾーンが全くない場合、この減算の値はゼロに向かう方向にある。
【0278】
LinApprox(I、I
lref)は、線形またはロバスト回帰係数を用いた平面による比率値
【数23】
の行列の近似である。c
Iは一般化平均値についての画像比率の重みを表わす。線形近似の係数は、以下の誤差を最小化することによって得られる場合がある。
【0280】
式中、α
0、α
1、α
2は近似された平面を定義する等式の係数である。
【0281】
比率値と近似平面の間の剰余に対し1を加えることで、単比の場合のようにWで演算することが可能になる。W(p
-number)の値が1に近づけば近づくほど、I(p
-number)とI
lref(p
-number)の間の差は小さくなる。
【0282】
評価された適応比率の適用により、この第二の実施形態内で閾値Vを使用する必要はなくなる。得られた近似平面LinApprox(I、I
lref)は、各画素(p
-number)に適しかつ各基準画像Iについての閾値行列として見られてよい。補正済み画像画素Ic(p
-number)を、以下のように評価することができる。
【0283】
【数25】
αは補正済みゾーンと非補正済みゾーンの間の遷移鮮明度を定義している。パラメータkおよびαは、適応閾値なしのソフト鏡面性除去アルゴリズムの場合と同じ意味を有する。
【0284】
第二の実施形態は、以下の対応する第二のアルゴリズムで動作する。
【0285】
アルゴリズム2:適応ソフト鏡面性補正アルゴリズム
【数26】
【0286】
それぞれ一つの物体の補正済み画像を提供するために第一および第二の実施形態に関係づけされたアルゴリズム1およびアルゴリズム2の両方共が、同じ補正原理を有する。しかしながら、アルゴリズム1では、予め定義された閾値Vは予め補正関数評価の中に含み入れられていた(アルゴリズム1、8行目)。アルゴリズム2では、この値は、比率値の行列IRの線形近似の演算(アルゴリズム2、7行目)、および比率値の初期行列からの減算(アルゴリズム2、8行目)の結果として、もはや減算されない(アルゴリズム2、12行目)。これは、画像の全ての画素についての固定値Vの代りに、各画像画素について固有の閾値を有することと類似している。画像補正は、線形近似Sのために比率値の行列IRの全ての値を識別する必要性に起因して(アルゴリズム2、7行目)、二つのループに分割される(アルゴリズム2、3〜9行目およびアルゴリズム2、10〜14行目)。他の演算は全て、アルゴリズム1については、画素と関係づけられたものにとどまっている。
【0287】
第二の実施形態は、品質がエンハンスされた結果を提供し、補正対象の画像が関係する照明条件は基準画像の照明条件と著しく異なっている。
【0288】
こうして、例えば物体の特定の性質に起因する光の効果によって発生させられる場合がある高い強度を有する画素値が画素補正のために考慮され、Vm_highよりも高い重みづけ値Wを生成する画素値を有する画素に比べてその補正度は低い。
【0289】
こうして、例えば物体またはペトリ皿の特定の性質に起因する光の効果により発生させられる場合がある低い強度を有する画素値が画素補正のために考慮され、Vm_highよりも高い重みづけ値Wを生成する画素値を有する画素に比べてその補正度は低い。
【0290】
本発明は、処理されつつある画像の全画素値を置換するための解決法を提供する。本発明は、鏡面反射画素などの明画素、および陰影画素などの暗画素を含む特定のゾーンまたは画像領域の画素値の同時補正を提供する。本発明は、照明光源の照明方向および/または位置設定に関する既定の情報を必要とすることなく、このようなゾーン内で対応する画素値を補正するための解決法を提供する。本発明は、全ての画像内の全ての画素を順次考慮することによる、多数の画像に基づく方法を提供する。このことは、鏡面反射画素または陰影画素に結びつけられているあらゆる画素に対して補正を提供するために、全ての画素からの画素情報が使用されることを暗示している。本発明は、特定の照明方向に関する画像と結びつけられた具体的情報を含む特定のゾーンの画素値が不変の状態にとどまることができるようにする。実際、このような特定のゾーンの各画素値は処理され、この画素値について異なる画素値が求められていないことから、同じ画素値で置換される。特定のゾーンの画素値は、関係づけされた画像のシェーディング情報に関係するかもしれない。したがって、本発明においては、画像内の全ての画素が考慮に入れられ、統合されて画素値の置換と同時に補正を提供する。この態様により、例えばこの方法のさらなる一ステップにおいて照度差ステレオ法を処理している場合に、物体の表面の方向づけを高い信頼性で推定することが可能となる。本発明は多数の初期画像に基づいて多数の補正済み画像を提供することから、さらなる照度差ステレオ法の処理も同様に改善される。一つの具体的実施形態においては、さらなる表面再構築プロセスが全く求められていない場合、物体の唯一つの画像の画素値を補正するために、物体の最低二つの画像が必要である。
【0291】
さらに、本発明は、複雑な画素テクスチャを含み実質的なサイズを有するゾーンを考慮する場合でも、画像の強調表示ゾーンおよび陰影ゾーンを復元するのに好適である。
【0292】
本プリプロセスの解決法を最適化するためには、有意な数の画像を使用してよく、有意な数の照明光源を物体の周りに均等に位置設定してよい。こうして、物体の画素値に関係づけされた大量の情報を考慮することが可能である。その結果、画素値の補正を改善することができる。その上、画素値の補正を最適化するために、問題のゾーンが、他の全ての画像内の別の問題のゾーンと完全に重複してはならない。
【0293】
本プリプロセスの方法は、微生物の画像などの鏡面反射の半球形物体に関係づけされた画像に対して、最適な形で適用される。