(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6454405
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】ヒートポンプを具える給湯及び暖房及び空調複合システム
(51)【国際特許分類】
F24H 4/02 20060101AFI20190107BHJP
F28F 19/00 20060101ALI20190107BHJP
F25B 29/00 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
F24H4/02 A
F28F19/00 501Z
F25B29/00 341
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-507706(P2017-507706)
(86)(22)【出願日】2015年8月20日
(65)【公表番号】特表2017-528671(P2017-528671A)
(43)【公表日】2017年9月28日
(86)【国際出願番号】US2015046186
(87)【国際公開番号】WO2016029067
(87)【国際公開日】20160225
【審査請求日】2017年4月14日
(31)【優先権主張番号】62/039,894
(32)【優先日】2014年8月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514087474
【氏名又は名称】インテリホット グリーン テクノロジーズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Intellihot Green Technologies,Inc.
(73)【特許権者】
【識別番号】514087485
【氏名又は名称】ディーヴァシガマニ,スリドハール
【氏名又は名称原語表記】DEIVASIGAMANI,Sridhar
(73)【特許権者】
【識別番号】514087496
【氏名又は名称】アカサム,シヴァプラサド
【氏名又は名称原語表記】AKASAM,Sivaprasad
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ディーヴァシガマニ,スリドハール
(72)【発明者】
【氏名】アカサム,シヴァプラサド
【審査官】
久島 弘太郎
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭47−036642(JP,Y1)
【文献】
実開昭51−047050(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0020637(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 4/02
F25B 29/00
F28F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)流体源80と再循環フロー82の少なくとも一方を受けるように構成した入口と、出力フローと前記再循環フロー82の少なくとも一方を提供するように構成した出口と、前記出力フローと前記再循環フローを押すように構成した第1の流体ムーバ12と、を具える第1の熱交換器6と;
(b)蒸発器22と、前記蒸発器22の周辺の空気を引き込んで前記蒸発器22に当該空気を当てるように構成したブロワ24と、を具えるヒートポンプ4と;
(c)前記流体源80の一部を選択的に受けて前記第1の熱交換器6の上に向けることにより、前記流体源80と前記第1の熱交換器6内の前記流体源80と前記再循環フロー82の少なくとも一方との間で熱伝導を引き起こすように構成した冷却タワーループ60と、当該冷却タワーループ60の排水を含むように構成した排水マス14と;
(d)前記第1の熱交換器6内の前記流体源80及び前記再循環フロー82の少なくとも一方と前記流体源80の前記一部との間の熱伝導を引き起こすように構成した冷却タワーブロワ58と;
(e)前記第1の熱交換器6内の前記流体源80と、前記再循環フロー82の少なくとも一方を加熱するように構成した熱源44と;
(f)前記ヒートポンプ4と、前記流体源80と前記再循環フロー82の少なくとも一方との間で熱伝導を生じさせるように構成された第2の熱交換器26と;
を具える給湯及び暖房及び空調複合システムにおいて、
水の加熱が必要な場合には、
前記熱源44と前記第1の流体ムーバ12がオンになって、前記第1の熱交換器6の外側表面に酸性凝縮物が形成され前記外側表面が脱スケールされ;
前記熱源44がオフになって、前記ヒートポンプ4がオンになり;
空気の加熱が必要な場合には、
前記熱源44がオンになり、前記第1の流体ムーバ12がオンになり、前記ヒートポンプ4がオンになり;
前記熱源44がオフになり、前記第1の流体ムーバ12がオンになり、前記ヒートポンプ4がオンになり、前記冷却タワーブロワ58がオンになる;
の少なくとも一方となり、
空気の冷却が必要な場合には、
前記熱源44がオフになり、前記ヒートポンプ4がオンになる;
前記熱源44がオフになり、前記ヒートポンプ4がオンになり、前記第1の流体ムーバ12がオンになる;
前記熱源44がオフになり、前記ヒートポンプ4がオンになり、前記第1の流体ムーバ12がオンになり、前記冷却タワーブロワ58がオンになる;
の少なくとも一方になる;
ことを特徴とする給湯及び暖房及び空調複合システム。
【請求項2】
請求項1に記載の給湯及び暖房及び空調複合システム2において、前記排水マス14がさらに、前記冷却タワーループ60から前記排水マス14に回収されたフローの蒸発を強化するよう構成した誘導ファン76を具えることを特徴とする給湯及び暖房及び空調複合システム。
【請求項3】
(a)流体源80と再循環フロー82の少なくとも一方を受けるように構成した入口と、出力フローと前記再循環フローの少なくとも一方を提供するように構成した出口と、前記出力フローと前記再循環フローを押すように構成した第1の流体ムーバ12と、を具える第1の熱交換器6と、
(b)蒸発器22と、前記蒸発器22の周辺の空気を引き込んで前記蒸発器22に当該空気を当てるように構成したブロワ24と、前記蒸発器22から下流側の位置に接続された熱伝導コイル18と、を具えるヒートポンプ4と;
(c)前記流体源80の一部を選択的に受けて前記第1の熱交換器6の上に向けることにより、前記流体源80と前記第1の熱交換器6内の前記流体源80と前記再循環フロー82の少なくとも一方との間で熱伝導を引き起こし、前記熱伝導コイル18内の流体と前記流体源80との間で熱伝導を引き起こすように構成した冷却タワーループ60と、当該冷却タワーループ60の排水を含むように構成した排水マス14と;
(d)前記第1の熱交換器6内の前記流体源80の少なくとも一方と前記再循環フロー82との間の熱伝導と、前記熱伝導コイル18内の前記流体と前記熱伝導コイル18の周囲との間の熱伝導とを引き起こすように構成した冷却タワーブロワ58と;
(e)前記第1の熱交換器6内の前記流体源80と前記再循環フロー82と前記熱伝導コイル18内の流体の少なくとも一つを加熱するように構成した熱源44と;
(f)前記ヒートポンプ4と、前記流体源80と前記再循環フロー82の少なくとも一方との間で熱伝導を生じさせるように構成された第2の熱交換器26と;
を具える給湯及び暖房及び空調複合システムにおいて、
水の加熱が必要な場合には、
前記熱源44と前記第1の流体ムーバ12がオンになって、前記第1の熱交換器6と前記熱伝導コイル18の外側表面に酸性凝縮物が形成され前記外側表面が脱スケールされ;
前記熱源44がオフになって、前記ヒートポンプ4がオンになり;
空気の加熱が必要な場合には、
前記熱源44がオンになり、前記第1の流体ムーバ12がオンになり、前記ヒートポンプ4がオンになる;
前記熱源44がオフになり、前記第1の流体ムーバ12がオンになり、前記ヒートポンプ4がオンになり、前記冷却タワーブロワ58がオンになる;
の少なくとも一方となり、
空気の冷却が必要な場合には、
前記熱源44がオフになり、前記ヒートポンプ4がオンになる;
前記熱源44がオフになり、前記ヒートポンプ4がオンになり、前記第1の流体ムーバ12がオンになる;
前記熱源44がオフになり、前記ヒートポンプ4がオンになり、前記第1の流体ムーバ12がオンになり、前記冷却タワーブロワ58がオンになる:
の少なくとも一つになる;
ことを特徴とする給湯及び暖房及び空調複合システム2。
【請求項4】
請求項3に記載の給湯及び暖房及び空調複合システム2において、前記排水マス14がさらに、前記冷却タワーループ60から前記排水マス14に回収されたフローの蒸発を強化するよう構成した誘導ファン76を具えることを特徴とする給湯及び暖房及び空調複合システム。
【請求項5】
(a)流体源80と再循環フロー82の少なくとも一方を受けるように構成した入口と、出力フローと前記再循環フロー82の一方を提供するように構成した出口と、前記出力フローと前記再循環フロー82を押すように構成した第1の流体ムーバ12と、を具える第1の熱交換器6と、
(b)蒸発器22と、コンデンサ62と、前記蒸発器22の周辺の空気を引き込んで前記蒸発器22に当該空気を当てるように構成したブロワ24と、を具えるヒートポンプ4と;
(c)前記コンデンサ62と熱伝導するように構成された第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部をつなぐ流体コンダクタと、前記流体コンダクタを通る流体を押すように構成した第2の流体ムーバ30と、を具える冷却タワーループ60であって、前記第2の端部が、熱伝導コイル18と、前記熱伝導コイル18を通るフローを含むように構成された第1流路50と、前記熱伝導コイル18と前記第1の熱交換器6の少なくとも一方の上のフローを含むように構成された第2流路84と、前記第2流路84を通るフロー及び前記熱伝導コイル18を通るフローを受ける排水マス14と、前記第1流路50と、前記第2流路84と、前記第1流路50と前記第2流路84の少なくとも一方の周辺との間の熱伝導と、前記第1の熱交換器6の周辺と、前記流体源80と前記再循環フロー82の少なくとも一方との間の熱伝導とを引き起こすように構成された冷却タワーブロワ58と、を具える冷却タワーループ60と;
(d)前記第1の熱交換器6内の前記流体源80と前記再循環フロー82の少なくとも一方を加熱するように構成した熱源44と;
(e)前記流体コンダクタの流体と、前記流体源80と前記再循環フロー82の少なくとも一方との間で熱伝導を生じさせるように構成された第2の熱交換器26と;
を具える給湯及び暖房及び空調複合システム2において、
水の加熱が必要な場合には、
前記熱源44がオンになり、前記第1の流体ムーバ12がオンになって、前記第1の熱交換器6と前記熱伝導コイル18の外側表面に酸性凝縮物が形成され前記外側表面が脱スケールされ;
前記熱源44がオフになって、前記第2の流体ムーバ30がオンになり、前記第1の流体ムーバ12がオンになって、前記ヒートポンプ4がオンになり;
空気の加熱が必要な場合には、
前記熱源44がオンになり、前記第1の流体ムーバ12がオンになり、前記第2の流体ムーバ30がオンになって、前記ヒートポンプ4がオンになる;
前記熱源44がオフになり、前記第1の流体ムーバ12がオンになり、前記第2の流体ムーバがオンになり、前記ヒートポンプ4がオンになり、前記冷却タワーブロワ58がオンになる;
の少なくとも一方となり、
空気の冷却が必要な場合には、
前記熱源44がオフになり、前記第2の流体ムーバ30がオンになり、前記ヒートポンプ4がオンになり、前記第1流路50と前記第2流路84の少なくとも一方が選択される;
前記熱源44がオフになり、前記第2の流体ムーバ30がオンになり、前記ヒートポンプ4がオンになり、前記第1の流体ムーバ12がオンになり、前記第1流路50と前記第2流路84の少なくとも一方が選択される;
前記熱源44がオフになり、前記第2の流体ムーバ30がオンになり、前記ヒートポンプ4がオンになり、前記第1の流体ムーバ12がオンになり、前記冷却タワーブロワ58がオンになり、前記第1流路50と前記第2流路84の少なくとも一方が選択される;
の少なくとも一つになる;
ことを特徴とする給湯及び暖房及び空調複合システム2。
【請求項6】
請求項5に記載の給湯及び暖房及び空調複合システムにおいて、前記第2の熱交換器26が平型熱交換器であることを特徴とする給湯及び暖房及び空調複合システム。
【請求項7】
請求項5に記載の給湯及び暖房及び空調複合システムにおいて、前記冷却タワーループ60がさらに、当該冷却タワーループ60を前記第1の熱交換器6の入り口に接続するように構成された第3流路54を具えることを特徴とする給湯及び暖房及び空調複合システム。
【請求項8】
請求項5に記載の給湯及び暖房及び空調複合システムにおいて、前記排水マス14がさらに、前記冷却タワーループ60から前記排水マス14に回収されたフローの蒸発を強化するよう構成した誘導ファン76を具えることを特徴とする給湯及び暖房及び空調複合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権主張とクロスリファレンス]
本出願は、2014年8月20日に出願された米国暫定特許出願第62/039,894号の利益を主張する。この暫定出願は、引用により全体が組み込まれている。
【0002】
本発明は、一般的に、給湯及び暖房及び空調複合システムに関する。特に、本発明は、ヒートポンプを具える給湯及び暖房及び空調複合システムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の給湯及び暖房及び空調システムは、個別のユニットで提供されている。これらのデバイス間には相乗的な伝熱がない。例えば、一つのデバイスで廃棄された熱エネルギィを吸収して、別のデバイスで利用することはなく、このエネルギィは失われるか、周辺に移ってゆくかである。熱が必要な場合は、オイル、ガスの燃焼、あるいは電力の消費、その他を介して再び入手することができる。
【0004】
一のシステムからの廃熱を捕捉して別のシステムで使用する、あるいはあるシステムの一部からの廃熱を捕捉してそのシステムの別の部分で使用する試みがなされてきた。Burnsに付与された米国特許第5,097,801号は、主加熱装置からの燃焼排ガスを用いた熱交換を介して熱エネルギィを抽出する廃棄エネルギィ給湯器を開示している。この給湯器は、取り外しが簡単で、コンパクトで簡単な熱交換器と、熱交換器のオーバーヒートを防止する燃焼排ガスバイパスシステムを有する。Jimenezに付与された米国特許第8,091,514号は、従来の住宅用、商用、あるいは工業用ガス給湯器に、水が入る前に水をあらかじめ温めておくエネルギィリクレーマーを開示している。このエネルギィリクレーマーは逆流偏向装置と高温煙道の給湯器の最上部に取り付けられている。このエネルギィリクレーマーは二重壁構造であり、その直径は逆流偏向装置と高温煙道より大きく、高温気体がシステムを通る通常の経路となっている。水道水がこの二重壁構造の内側に入って直接給湯器を通る前に加熱される。このパイプは、湾曲部で接続された複数のストレート長さで構成する、あるいはエネルギィリクレーマーの軸を囲む接続された湾曲セクションでできたコイルに接続された単一ストレートセクションの形であってもよい。逆流偏向装置とエネルギィリクレーマーとの間に凝縮回収器が設けられており、結果物として冷却ガスを形成する凝縮物を回収し、炎を消すことがある給湯器へ凝縮物の落下を防ぐ。BurnsもJimenezも、加熱システムで廃熱となるエネルギィを回収することを開示している。これらのいずれも、一またはそれ以上のヒートポンプの利点を用いた給湯及び暖房及び空調複合システムは開示していない。
【0005】
したがって、一のプロセスから排除されたエネルギィの利点を利用して、例えば冷却中などすでに生じている動作の結果としてのエネルギィの転送を通じて熱エネルギィの必要性が合致する、給湯、及び暖房及び空調複合システムが求められている。
【発明の概要】
【0006】
本明細書には、給湯、及び暖房及び空調複合システムが開示されている。このシステムは:
(a)第1の熱交換器6であって、流体源80と再循環フロー82の少なくとも一方を受けるように構成した入口と、出力フローと再循環フローの少なくとも一方を提供するように構成した出口と、この出力フローと再循環フロー82を押すように構成した第1の流体ムーバ12とを具える
第1の熱交換器と;
(b)蒸発器22と、コンデンサ62と、蒸発器22の周辺エアを引き込んでそのエアを蒸発器22に当てるように構成したブロワ24を具える、ヒートポンプ4と;
(c)コンデンサ62の熱を伝導するように構成した第1の端部と、第2の端部と、これらの第1及び第2の端部を接続する流体コンダクタと、この流体コンダクタを介して流体を押し出すように構成した第2の流体ムーバ30を有する冷却タワーループ60であって、第2の端部が、熱伝導コイル18、熱伝導コイルを介して流体を流すように構成した第1流路50と、熱伝導コイル18と第1の熱交換器6の少なくとも一方に流体を流すように構成した第2流路84と、第2の流路84の流れを受ける排水マス14と、第1流路50と第2流路84の少なくとも一方と、第1流路50と第2流路84の少なくとも一方の周辺との間の熱伝導と、第1流路50と第2流路84の少なくとも一方と第1の熱交換器6との間の熱伝導を増加させるように構成した冷却タワーブロワ58とを具える、冷却タワーループと;
(d)熱交換器6内の流体源80と再循環フロー82の少なくとも一方を加熱するように構成した熱源44と;
(e)流体コンダクタの流体と、流体源80と再循環フロー82の一方との間で熱伝導を生じさせるように構成した第2の熱交換器26と;
を具え;
水の加熱が必要な場合には、熱源44がオンになり第1の流体ムーバ12がオンになって、酸性凝縮物が第1の熱交換器6と熱伝導コイル18の外側表面に形成されてこれらの外側表面が脱スケールされる;
熱源44がオフになり、第2の流体ムーバ30がオンになって、第1の流体ムーバ12がオンになり、ヒートポンプ4がオンになる;
の少なくとも一方となり、
空気の加熱が必要な場合には、熱源44がオンになり、第1の流体ムーバ12がオンになり、第2の流体ムーバ30がオンになり、ヒートポンプ4がオンになる;
熱源44がオフになり、第1の流体ムーバ12がオンになり、第2の流体ムーバ30がオンになり、ヒートポンプ4がオンになり、冷却タワーブロワ58がオンになる;
の少なくとも一方となり;
空気の冷却が必要な場合には、熱源44がオフになり、第2の流体ムーバ30がオンになり、ヒートポンプ4がオンになり、第1の流路50と第2の流路84の少なくとも一方が選択される;
熱源44がオフになり、第2の流体ムーバ30がオンになり、ヒートポンプ4がオンになり、第1の流体ムーバ12がオンになり、第1の流路50と第2の流路84の少なくとも一方が選択される;
熱源44がオフになり、第2の流体ムーバ30がオンになり、ヒートポンプ4がオンになり、第1の流体ムーバ12がオンになり、冷却ブロワ58がオンになり、第1の流路50と第2の流路84の少なくとも一方が選択される;
の少なくとも一つとなる。
【0007】
一実施例では、第2の熱交換器26が平型熱交換器である。
【0008】
一実施例では、冷却タワーループ60がさらに、冷却タワーループ60を第1の熱交換器6の入口に接続する第3流路54を具える。
【0009】
一実施例では、排水マス14がさらに、排水マス14内での第2流路84の蒸発を強化するように構成した誘導ファン76を具える。
【0010】
本発明の目的は、給温、空気加熱及び空気冷却を単一ユニットで提供でき、したがって、複数装置を必要せず、各々が水の加熱、空気の加熱、及び空気の冷却といった一またはそれ以上の機能を同時に行う装置を提供することである。
【0011】
本発明のもう一つの目的は、二方向熱伝導が可能であり、したがって、水と空気の加熱と、空気の冷却を効率的に行うことができる快適な装置を提供することである。
【0012】
一方、本発明には多くの実施例があり、各実施例は、上述の目的の一又はそれ以上の組み合わせに合致する。各実施例は、必ずしも各目的に合致することを意図するものではない。したがって、本発明の詳細な説明をより良く理解するために、本発明のより重要な特徴を広く説明し、もちろん、以下に述べる本発明の更なる特徴は、本明細書の主題の一部を形成するものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の上述したまたその他の利点と目的を理解するために、上述した本発明のより詳細な説明を、本発明の実施例と添付の図面を参照して示す。これらの図面は本発明の典型的な実施例を示すものであり、したがって、発明の範囲を限定すると解するべきではないと理解し、本発明は、添付した図面を使用して追加の特性と詳細を用いて説明する。
【
図1】
図1は、本発明の給湯及び暖房及び空調複合システムの一実施例を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の給湯及び暖房及び空調複合システムの冷却タワーの一実施例を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の給湯及び暖房及び空調複合システムの別の実施例を示す図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の給湯及び暖房及び空調複合システムの別の実施例を示す図である。
【
図4】
図4は、冬季における本発明のシステムの例示的な暖房動作を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、夏季における本発明のシステムの例示的な暖房動作を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、夏季における本発明のシステムの別の例示的動作を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、特定の屋外温度条件における本発明のシステムの例示的動作を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、別の屋外温度条件における本発明のシステムの例示的動作を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、家庭用水フローのない本発明のシステムの例示的動作を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、家庭用水フローの付いた本発明のシステムの例示的動作を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[符号の説明]
2 給湯及び暖房及び空調複合システム
4 ヒートポンプ
6 コイル熱交換器(HEX)
8 チェックバルブ
10 シャワーヘッド
12 流体ムーバ又はポンプ
14 排水マス
16 バッファタンク
18 熱伝導コイル
20 壁
22 蒸発器
24 ブロワ
26 平型熱交換器(PTHE)
28 流入水マニフォールド
30 流体ムーバ又はポンプ
32 ドリップ回収
34 バルブ
36 バルブ
38 入口フィッティング
40 出口フィッティング
42 使用場所
44 バーナ
46 入口
48 出口
50 第1流路
52 四方弁
54 第3流路
56 再循環流路
58 冷却タワーブロワ
60 冷却タワーループ
62 コンデンサ
64 温度調整弁
66 潜在的カルシウム沈着
68 燃焼排ガス又は冷却空気
70 ドレインバルブ
72 膨張弁
74 コンプレッサ
76 誘導ファン
78 冷却タワー又は蒸発水コンデンサ(WEC)
80 流体源
82 再循環フロー
84 第2流路
【0015】
用語「約」は、ここでは、ほぼ、おおまかに、付近あるいは範囲、という意味で使用されている。用語「約」が数値範囲と共に使用されている場合は、記載された数値の上下の境界に及ぶようにしてその範囲を変えている。一般的に、用語「約」は、記載された値の20%の上下(高低)の数値の変動に使用されている。
【0016】
図1は、本発明の給湯及び暖房及び空調複合システムの一実施例を示す図である。この給湯及び暖房及び空調複合システム2は、第1の熱交換器6と、ヒートポンプ4と、冷却タワーループ60と、熱源又はバーナ44と、第2の熱交換器26とを具える。この例では、給湯及び暖房及び空調複合システム2は、出口フィッティング40を介して使用する2つの使用箇所42に湯水を提供しており、壁20と複合システム2を介して建物内に水源を引き入れ、加熱又は冷却した空気を空間に提供している。
図2は、このシステムの冷却タワーの一実施例を示す図である。
【0017】
第1の熱交換器6は、入力フロー又は再循環フローを提供するように構成した入口46と、出力フローと再循環フローを提供するように構成した出口48と、この入力フローと出力フローを押圧するように構成した第1の流体ムーバ12を具える。蒸発器22と、コンデンサ62と、ブロワ24を具えるヒートポンプ4は、蒸発器22の周辺空気を引き入れて、蒸発器22にその空気を当てるように構成されている。
【0018】
冷却タワーループ60は、実質的に、コンデンサ62で遮断された熱を受けるように構成された第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部をつなぐ流体コンダクタと、流体コンダクタを介して流体を押圧するように構成した第2の流体ムーバ30を具える、冷却タワーを有する。第2の端部は、熱伝導コイル18と、熱伝導コイル18を通って流体が流れるように構成された第1流路50と、熱交換器6ではなく熱伝導コイル18の外側表面の上を流れこれから蒸発させるように構成した第2流路84と、第2流路84を通る流体を受ける排水マス14と、第1流路50と第2流路84からの熱の放散を増加させて第1流路50と第2流路84のいずれか一方、又は双方間の熱を第1の熱交換器6に伝導するように構成した冷却ブロワ58と、を具える。
図2を参照すると、冷却タワーループ60の流体フローから熱を放散させるために、フローはシャワーとしての一またはそれ以上のシャワーヘッド10を介して熱交換器6の外側表面とコイル18の上に出てゆくように構成されている。別の実施例では、コイル18は、熱交換器6の近傍に配置されていない。冷却タワーループ60から出てゆくシャワーは、コイル18又は熱交換器のいずれか一方に流れるように構成されているが、両方には流れない。
図2を参照すると、一実施例では、熱交換器6が熱伝導コイル18に接続されているので、冷却タワーループ60を通る流体は、バーナ44の使用時には作動できない。バーナ44は、第1の熱交換器6及び/又はコイル18内の水流を加熱するように構成されている。一実施例では、熱交換器6はさらに、熱交換器6を通る流体を動作可能に受けて、少量の水を保持して必要なときに湯水の提供の遅れを低減するように構成したバッファタンク16を具えている。
【0019】
第2の熱交換器26は、流体コンダクタと、未加熱家庭用冷水フロー80と、経路56の再循環フロー82との間で熱伝導を起こすように構成されている。一実施例では、第2の熱交換器26が平型熱交換器である。一実施例では、冷却タワーループ60がさらに、冷却タワーループ60を第1の熱交換器6の入口に接続するように構成した第3流路54を具える。第3流路54がある場合、この流路を取る流量を制御するバルブを設けて、そのフローが完全に終了するあるいは調節できるようにすることが好ましい。別の実施例では、冷却タワーブロワ58が、第1流路50と第2流路84を通る流体の間の熱伝導と、第1流路50と第2流路84のいずれか一方、あるいは双方と第1の熱交換器6への熱伝導を強化するように構成されている。
【0020】
一のモードでは、例えば、一又はそれ以上の使用地点42で必要があるなど、水の加熱が必要な場合、バーナ44と第1の流体ムーバ12がオンになる。入ってくる水がまず入口46を通って引き込まれ、熱交換器6でバーナ44から熱を受け取り、一またはそれ以上の使用地点42で使用可能にするべく出てゆく。
【0021】
別のモードでは、水の加熱が必要な場合、第2の流体ムーバ30と第1の流体ムーバ12がオンになり、ヒートポンプ4がオンになる。このモードでは、まず、蒸発器22を通って熱が吸収される。ブロワ24が、周辺空気からヒートポンプ4内の流体フローへの熱の伝導効率を上げる。ヒートポンプ4内の加熱されたフローがコンデンサ62に到達すると、冷却タワーループ60への熱が遮断される。冷却タワーループ60で上昇した熱は、熱伝導コイル18を介して熱交換器6内の流体フローへいかないように遮断される。したがって、ブロワ24は調整されたあるいは冷却された空気を、熱交換器6を流れる流体をバーナがオフに保たれているとしても加熱しながら、ブロワが配置されているスペースに移動させる。冷却タワーループ60内の熱的に使用済みの空気は、ここで、ポンプ30によって戻されて、コンデンサ62からの熱を除去し続ける。この場合のポンプ12の使用は、熱交換器6の流体コンダクタ内のより多くの流体を、冷却タワーループ60の流体コンダクタ内の加熱した流体に露出させて、熱交換器6内を流れる流体へ遮断される熱を増やす役割がある。第2の熱交換器26では、更なる熱が、冷却タワーループ60内の戻り流体から、熱交換器6内の流体へ伝導される。
【0022】
従来の水の蒸発プロセスでは、潜在的にカルシウムが残り、流体コンダクタ又は水に露出するあらゆる部品にスケールが形成される。本発明の水加熱プロセスでは、蒸発時に主熱交換器6のフィン又は熱伝導コイル18に潜在的に沈着することがあるカルシウム66は、洗い流されるか、あるいは、ユニットが水加熱モードで流れるときに形成される、すなわち、排ガスを生じるオンになったバーナ44によって形成される、酸性凝縮物(硫酸(H2SO4)、硝酸(HNO3)、その他)によって溶ける。したがって、自己スケール除去が生じ、追加でスケール除去機構を設ける必要がない。
【0023】
一のモードでは、空気の加熱が要求される場合、バーナ44、第1の流体ムーバ12と第2の流体ムーバ30、及びヒートポンプ4がオンになる。ヒートポンプ4は、ブロワ24とコンプレッサ74がオンになったらオンになる。熱交換器6の流体コンダクタ内の流体フローに熱が加えられ、熱交換器6内の流体フローが第2の熱交換器26を流れる間に冷却タワーループ60によって除去される。熱は、続いてコンデンサ62においてヒートポンプ4に伝導される。ヒートポンプ4内の加熱流体が蒸発器22を流れると、熱が周辺に遮断される。このプロセスは、空気を蒸発器22の外側表面に当てて、ヒートポンプ4内の流体フローから熱を除去して、その熱を加熱されているスペースに放出するブロワ24によって支援される。
【0024】
別のモードでは、空気の加熱が必要な場合、バーナ44がオフになり、第1の流体ムーバ12、第2の流体ムーバ30、冷却タワーブロワ58、及びヒートポンプがオンになる。熱交換器6と熱伝導コイル18を流れる空気からの熱は、熱交換器6内の流体フローと、熱伝導コイル18内の流体フローによって吸収され、次いで蒸発器22で遮断される。
【0025】
一のモードでは、空気の冷却が可能な場合、バーナ44がオフになり、第2の流体ムーバ30と、ヒートポンプ4のブロア24がオンになり、第1流路50と第2流路84の少なくとも一方が選択される。ヒートポンプ4を流れる流体によって吸収された熱は、冷却タワーループ60に伝導され、第1流路50と第2流路84、及び第1の熱交換器6を流れる流体の少なくとも一つを通してその周辺に放散される。なお、第1の熱交換器6の周辺からその中の流体へ熱が伝導され、水の加熱における熱伝導モードと対照的に、このモードにある第1の熱交換器6の流体からその周辺へ熱は遮断される。したがって、第1の熱交換器6によって、それを囲む周囲環境と第1の熱交換器6内の流体との間に二方向の熱伝導が生じる。別のモードでは、第1の流体ムーバ12もオンになり熱交換機6を通る流体を移動させ、熱交換器6の流体への熱遮断をさらに増強する。一実施例では、冷却タワーからの熱遮断を強化するために、さらに、誘導ファン76が設けられており、ドリップ32の回収周辺の圧力を下げて、このような回収から熱を除去する蒸発を強化することができる。ドレインバルブ70によって、稼働中の排水マス14の脱水が容易になる。一の実施例では、ヒートポンプで使用した流体が、保冷剤r32Aを含む。
【0026】
図4ないし10は、例示的動作を示しており、
図3又は
図3Aを適用できる。
図3は、本発明の給湯及び暖房及び空調複合システムの別の実施例を示す図である。給湯及び暖房及び空調複合システム2は、第1の熱交換器6と、ヒートポンプ4と、バーナ44と、第2の熱交換器26と、開ループ冷却タワーを具える。この例では、出口フィッティング40を介して湯水を二つの使用地点に提供し、壁20と複合システム2を介してビルを通って入ってくる水源を入口フィッティング38を介して引き込んで、加熱した又は冷却した空気を空間に提供する給湯及び暖房及び空調複合システム2が示されている。冷却タワーは、本質的に開ループシステムであり、家庭用水源から冷却水を選択的に受け取る。バルブ36は、第1の熱交換器6と熱伝導コイル18を流れる冷水の量を制御する。オーバーフローした水は、排水マス14で回収される。ドリップの回収32は再循環しないので、
図1に示すような冷却タワーループは不要であり、したがって、この複合システムの設計を簡易なものにしている。ヒートポンプ4は、熱伝導コイル18に直接接続されている。特に、流入水の流量を記録するように構成されたフローメータと、流入水の温度を記録するように構成された温度センサを具える流入水マニフォールド28が設けられている。
図3Aは、本発明の給湯及び暖房及び空調複合システム別の実施例を示す図である。
図3Aは、本質的に、
図3の熱伝導コイル18が使用されていないことを除いて、
図3に示すすべての構成要素を具えている。
【0027】
図4は、冬季における本システムの例示的な暖房動作を示すブロック図である。コンプレッサ74で圧縮すると、ヒートポンプの冷却媒体の温度が約華氏120度に上がる。華氏75度の再循環空気が華氏約100度の温度に加熱され、ブロワ24の支援により加熱されている空間に移動する。蒸発器22での熱伝導時に、冷却媒体の温度が華氏約40度まで低下する。平型熱交換機26を介して、華氏約50度への湯水ループにおける華氏約120度の水によって熱が再度加わる。湯水ループの水温は、華氏約100度に下がる。冷却タワー又は水蒸発コンデンサ78を介して、華氏約110度の排ガスによって、冷却媒体に熱が再度加わり、華氏約55度になる。水蒸発コンデンサを有するシステムでは、冷却タワー又は水蒸発コンデンサ78が熱伝導コイル18と、コイル熱交換器6と、一またはそれ以上のシャワーヘッド10を具える。水蒸発コンデンサのないシステムでは、冷却タワー又は水蒸発コンデンサ78は、コイル熱交換器6と一またはそれ以上のシャワーヘッド10のみを具える。排ガス68の温度が華氏約100度に下がる。華氏55度の冷却媒体温度が、コンプレッサ74による圧縮時に華氏約100度に再び上がり、蒸発器22で加熱されているスペースへの熱伝導が行われる状態にある。
【0028】
図5は、夏季における本システムの例示的な水加熱動作を示すブロック図である。冷却媒体によって蒸発器22を介して華氏約45度で冷却されている空間から熱が吸収され、温度は順次華氏約55度になる。コンプレッサ74による圧縮時に、冷却媒体は華氏約150度まで加熱される。平型熱交換器26において、さらに冷却媒体から入ってくる水へと熱が伝達され、生活水温を華氏約60度から華氏約70度に上げる。水が熱伝導コイル18を流れる間に、華氏約60度の入ってくる水が、ヒートポンプ4を流れる冷却媒体から熱を受け取り、華氏約60度で蒸発する。蒸発しなかった過剰フローは、下流側流路へ流れ、排水マス14に回収される。誘導ファン76は、さらに、排水マス14で回収したドリップ32の上に空気フローを作ることによって、蒸発を促進する。その結果、冷却媒体の温度が華氏約100度まで下がる。冷却媒体の温度は、結果的に華氏約80度まで下がる。蒸発器22を通過したのちは、冷却媒体の温度は更に華氏約45度まで下がり、再び、冷却するべき空間から熱を除去する状態になる。
【0029】
図6は、夏季における本発明のシステムの別の例示的動作を示す図である。スペースの冷却に加えて、システムは、湯水源を提供する。この場合、熱は、やはり、蒸発器22を介して冷却されているスペースから、華氏約45度で冷却媒体によって吸収される。冷却媒体は、次いで、華氏約55度になる。コンプレッサ74による圧縮時に、冷却媒体は華氏約150度に加熱される。平型熱交換器26の通過時に、冷却媒体温度はさらに、華氏約130度に下がる。バーナ44に必要な負荷は、入ってくる水が最大華氏約75度まで上昇した温度で、再循環水フローである場合より小さくなり、冷却媒体に蓄えられた熱は、平型熱交換器26を介して水の流れに遮断される。この結果、熱交換器6への水の流れの温度は、華氏約85度に上がる。熱伝導コイル18を流れる間、華氏約60度の入ってくる水は、ヒートポンプ4を流れる冷却媒体とバーナの排ガスからの熱を受けとり、華氏約60度で蒸発する。蒸発しなかった過剰フローは、下流側流路に流れ、排水マス14で回収される。誘導ファン76が、排水マス14で回収したドリップ32の上に空気の流れを形成することによって、蒸発を促進する。華氏約80度の熱交換器での空気の取り込みは、華氏約85度の排ガスとして出力される。蒸発器22を通過すると、冷却媒体の温度が更に華氏約45度に下がる。
【0030】
図7は、特定の外側温度条件における本発明のシステムの例示的動作を示すブロック図である。外気温が華氏約40度ないし約60度の範囲に下がると、周辺空気からの熱が家庭用水フローへ熱交換器6を通って、ブロワ58によって運ばれた空気フローによって伝導される。家庭用水フローに吸収された熱は、ついで、平型熱交換器26を介してヒートポンプ4の冷却媒体に送られ、次いで、蒸発器22を介して加熱されているスペースへ遮断され、例えばバーナ44などのその他の手段を用いてスペースを加熱するのに必要な加熱負荷を低減する。
【0031】
図8は、別の外気温状態における本システムの例示的動作を示すブロック図である。外気温が華氏約40度に下がると、バーナ44がオンになって、家庭用水、次いで、ヒートポンプの冷却媒体に熱を加える。冷却媒体の吸収された熱は、次いで、蒸発器22を介して加熱されているスペースへ遮断される。
【0032】
図9は、家庭用水の消費がない本発明のシステムの例示的動作を示すブロック図である。一の実施例では、まず平型熱交換器の冷却媒体によって冷却するスペースから熱が吸収され、次いで、水蒸発コンデンサ78から蒸発しているウオータスプレィへ遮断される。別の実施例では熱交換器26を介して家庭用水へ遮断される。家庭用水の消費がなく、再循環のみを伴う場合でもこの冷却すべきスペースから冷却媒体によって吸収された熱の一部が、平型熱交換器を介して、家庭用水フローへ遮断される。
【0033】
図10は、家庭用水の消費がある本発明のシステムの例示的動作を示すブロック図である。家庭用水フローが生じると、冷却すべきスペースからの冷却媒体によって吸収された熱が、平型熱交換器を介して家庭用水フローへ遮断される。
【0034】
詳細な説明は添付図面を参照しており、この図面は、説明のために、ここで開示された実施例を実行できる特定の態様と実施例を示す。これらの実施例は、当業者が本発明の態様を実施できる程度に十分詳細に記載されている。その他の実施例を使用することができ、開示した実施例の範囲から外れることなく変更を行うことができる。様々な実施例を一またはそれ以上の実施例と組み合わせて、新たな実施例を形成できる。したがって、詳細な説明は、限定を意味するものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲が及ぶ均等物とともに、特許請求の範囲によってのみ規定される。同じ目的を達成するためのアレンジを図に示す特定の実施例で置き換えることができることは、当業者には自明である。本出願は、本発明の実施例の変形又は変更をカバーすることを意図している。上述の説明は説明を意図したものであって、制限のためのものではなく、ここで使用されているフレーズ又は用語は、説明のためのものであり、限定の目的ではない。上述の実施例とその他の実施例との組み合わせは、上述の説明を読めば当業者には自明である。個々に開示した実施例の範囲は、上述の実施例の構成、及び製造方法が使用されているその他の出願を含む。これらの実施例の範囲は、特許請求の範囲を参照して、請求の範囲が及ぶ均等物の全範囲と共に決定されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の複合システムは、単一ユニットで給湯及び暖房及び空調をすべて提供する。本発明の複合システムは、ヒートポンプを用いて、周辺空気から熱を除去し、給湯システムに熱を加え、給湯システムへ遮断した熱を伝導し、これによって、廃熱を利用して給湯システムを加熱している。本発明の複合システムは、熱交換器が、熱をバーナなどの加熱源から熱交換器内の流体への熱の伝導の目的のみならず、熱交換器内の流体からの熱を熱交換器の周辺に放散させる目的で使用されており、これによって、ヒートポンプが暖房デバイスと空調デバイスの両方として作動できる。