特許第6454420号(P6454420)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6454420シフトレジスタユニット、シフトレジスタ、ゲート駆動回路及び表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6454420
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】シフトレジスタユニット、シフトレジスタ、ゲート駆動回路及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 19/28 20060101AFI20190107BHJP
【FI】
   G11C19/28 230
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-535949(P2017-535949)
(86)(22)【出願日】2015年2月3日
(65)【公表番号】特表2017-535908(P2017-535908A)
(43)【公表日】2017年11月30日
(86)【国際出願番号】CN2015072166
(87)【国際公開番号】WO2016045294
(87)【国際公開日】20160331
【審査請求日】2017年10月18日
(31)【優先権主張番号】201410509811.4
(32)【優先日】2014年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬占潔
【審査官】 篠塚 隆
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0013588(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0104153(US,A1)
【文献】 特開2011−060411(JP,A)
【文献】 特開2001−176288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 19/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のクロック信号の入力端から入力される第1のクロック信号に応答し、入力信号(STV)を第1のノード(A)に提供する入力モジュール(101)と、
入力信号(STV)に応答し、電源正極の電圧(VGH)を第3のノード(C)に提供するプルアップモジュール(102)と、
第3のクロック信号の入力端から入力される第3のクロック信号に応答し、電源負極の電圧(VGL)を前記第3のノード(C)に提供するプルダウンモジュール(103)と、
前記第3のノード(C)の信号に応答し、電源正極の電圧(VGH)を前記第1のノード(A)に提供するリセットモジュール(104)と、
電源正極の電圧(VGH)との間に第2のコンデンサ(C2)が設けられている前記第3のノード(C)の信号に応答し、電源正極の電圧(VGH)を、シフトレジスタユニットの出力ノード(Output)に提供する第1の出力モジュール(105)と、
4のノード(D)との間に第1のコンデンサ(C1)が設けられている前記第1のノード(A)の信号に応答し、第2のクロック入力端から入力される第2のクロック信号を第4のノード(D)に提供する第2の出力モジュール(106)と、
前記第4のノード(D)と前記シフトレジスタユニットの出力ノード(Output)との間に設けられ、前記第4のノード(D)の信号を増幅して前記シフトレジスタユニットの出力ノード(Output)に出力する信号増幅モジュール(107)と、を含むことを特徴とするシフトレジスタユニット。
【請求項2】
前記信号増幅モジュールはインバータ構造になり、
ゲート及びドレインが前記第4のノード(D)に接続される第7のP型TFTトランジスタ(M7)と、
ゲートが前記第7のP型TFTトランジスタ(M7)のソースに接続され、ソースが前記第4のノード(D)に接続され、ドレインが前記シフトレジスタユニットの出力ノード(Output)に接続される第8のP型TFTトランジスタ(M8)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項3】
前記プルアップモジュールは、ゲートが入力信号(STV)の入力端に接続され、ソースが電源正極の電圧(VGH)に接続され、ドレインが前記第3のノード(C)に接続される第3のP型TFTトランジスタ(M3)を含むことを特徴とする請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項4】
前記プルダウンモジュールは、ゲートが第3のクロック信号の入力端に接続され、ドレインが電源負極の電圧(VGL)に接続され、ソースが第3のノード(C)に接続される第4のP型TFTトランジスタ(M4)を含むことを特徴とする請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項5】
前記リセットモジュールは、ゲートが前記第3のノード(C)に接続され、ソースが電源正極の電圧(VGH)に接続され、ドレインが前記第1のノード(A)に接続される第2のP型TFTトランジスタ(M2)を含むことを特徴とする請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項6】
前記第1の出力モジュールは、ゲートが前記第3のノード(C)に接続され、ソースが電源正極の電圧(VGH)に接続され、ドレインが前記シフトレジスタユニットの出力ノード(Output)に接続される第5のP型TFTトランジスタ(M5)を含むことを特徴とする請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項7】
第2の出力モジュールは、ゲートが第1のノード(A)に接続され、ドレインが第2のクロック信号の入力端に接続され、ソースが前記第4のノード(D)に接続される第6のP型TFTトランジスタ(M6)を含むことを特徴とする請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項8】
前記第1のクロック信号、第2のクロック信号及び第3のクロック信号の周波数は同じであり、前記第1のクロック信号は前記入力信号(STV)と同期してオンにされ、前記第2のクロック信号は前記第1のクロック信号に対して120°移相し、前記第3のクロック信号は前記第2のクロック信号に対して120°移相することを特徴とする請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のシフトレジスタユニットをn段含み、ただし、n≧2であり、
前段のシフトレジスタユニットの出力ポート(Output)から出力される信号を、後段のシフトレジスタユニットの入力信号(STV)とすることを特徴とするシフトレジスタ。
【請求項10】
前記n≧3であり、隣接する第i、i+1、i+2段のシフトレジスタユニットのクロック信号は以下の関係を満たす:
第i段のシフトレジスタユニットの第1のクロック信号の入力端、第i+1段のシフトレジスタユニットの第3のクロック信号の入力端及び第i+2段のシフトレジスタユニットの第2のクロック信号の入力端に、第1のクロック信号(CLK1)を同時に入力し;
第i段のシフトレジスタユニットの第2のクロック信号の入力端、第i+1段のシフトレジスタユニットの第1のクロック信号の入力端及び第i+2段のシフトレジスタユニットの第3のクロック信号の入力端に、第2のクロック信号(CLK2)を同時に入力し;
第i段のシフトレジスタユニットの第3のクロック信号の入力端、第i+1段のシフトレジスタユニットの第2のクロック信号の入力端及び第i+2段のシフトレジスタユニットの第1のクロック信号の入力端に、第3のクロック信号(CLK)を同時に入力し;
ただし、iは1以上の整数であり、かつi+2≦nであることを特徴とする請求項9に記載のシフトレジスタ。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のシフトレジスタを含むことを特徴とするゲート駆動回路。
【請求項12】
請求項11に記載のゲート駆動回路を含むことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気電子業の表示駆動回路という技術分野に関し、特にシフトレジスタユニット並びにそれを適用するシフトレジスタ(shift register)、ゲート駆動回路及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LiquidCrystalDisplay、単にLCDという)は消費電力が低く、重量が軽く、厚さが薄く、電磁の放射がなく、汚染がないなどの長所を有するため、携帯電話、タブレット、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、カメラ、ビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、ナビゲーションなどを含む、表示機能を有する製品又は部品に広く適用されている。
【0003】
従来の液晶ディスプレイにおいて、画素アレイは、横縦に交差するゲート走査線と数列データ線を含むことができる。その中、画素アレイの1行ずつの走査を実現するために、通常、格子線駆動回路によって画素アレイのゲート走査線に走査信号を提供する。
【0004】
従来技術において、ゲート駆動回路は、GOA(Gate Driveron Array、ゲートドライバオンアレイ)設計によって、TFT(Thin Film Transister、薄膜トランジスタ)ゲートスイッチング回路を表示パネルのアレイ基板に集積して表示パネルに対する走査駆動を形成する。このようなGOA技術によってアレイ基板に集積するゲート駆動回路は、GOA回路又はシフトレジスタ回路とも言われる。
【0005】
しかしながら、従来技術のシフトレジスタユニットにおいて、出力ポートOutputの負荷が大きくなると、その出力能力が良くなくなる。従来の構造で出力能力を向上しようとすれば、対応のトランジスタのチャネル幅を大きく増大する場合のみ、出力能力を向上することができ、沢山の設計空間を占用してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記技術課題を鑑みて、本発明は、大負荷の場合での出力能力を保持できるシフトレジスタユニット並びにそれを適用するシフトレジスタ、ゲート駆動回路及び表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、シフトレジスタユニットを提供している。このシフトレジスタユニットは、第1のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号に応答し、入力信号STVを第1のノードAに提供する入力モジュールと、入力信号STVに応答し、電源正極の電圧VGHを第3のノードCに提供するプルアップモジュールと、第3のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号に応答し、電源負極の電圧VGLを前記第3のノードCに提供するプルダウンモジュールと、第3のノードCの信号に応答し、電源正極の電圧VGHを第1のノードAに提供するリセットモジュールと、電源正極の電圧VGHとの間に第2のコンデンサC2が設けられる第3のノードCの信号に応答し、電源正極の電圧VGHをシフトレジスタユニットの出力ノードOutputに提供する第1の出力モジュールと、第4のノードDとの間に第1のコンデンサC1が設けられる第1のノードAの信号に応答し、第2のクロック入力端から入力されるクロック信号を第4のノードDに提供する第2の出力モジュールと、インバータ構造を呈し、第4のノードDとシフトレジスタユニットの出力ノードOutputとの間に設けられ、第4のノードDの信号を増幅して前記シフトレジスタユニットの出力ノード(Output)に出力する信号増幅モジュールと、を含む。
【0008】
本発明の他の局面によれば、シフトレジスタを提供している。このシフトレジスタは、n段の上記のようなシフトレジスタユニットを含み、ただし、n≧2であり、前段のシフトレジスタユニットの出力ポートOutputから出力される信号を後段のシフトレジスタユニットの入力信号STVとする。
【0009】
本発明の更に他の局面によれば、ゲート駆動回路を提供している。このゲート駆動回路は、上記のシフトレジスタを含む。
【0010】
本発明の更に別の局面によれば、表示装置を更に提供している。この表示装置は、上記のゲート駆動回路を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明のシフトレジスタユニット並びにそれを適用するシフトレジスタ、ゲート駆動回路及び表示装置において、従来のシフトレジスタユニットを基礎として2つの小さいチャネル幅のトランジスタのみを追加し、同じ設計パラメーターの状況で、大負荷条件での出力能力の顕著な改善を実現することができ、そして、占用の設計空間が小さいため、低コストを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施例によるシフトレジスタユニットの構造模式図。
図2図1に示すシフトレジスタユニットの各信号のタイムチャート図。
図3】従来のシフトレジスタユニットと図1に示すシフトレジスタユニットとの出力能力の比較のグラフ。
図4】本発明の実施例によるシフトレジスタの一部の構造模式図。
図5図4に示すシフトレジスタの各信号のタイムチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の目的、技術案及び長所をより理解するために、以下、具体的な実施例を用い、図面を参照して、本発明を更に詳細に説明する。図面又は明細書の記載において、類似又は同じ部分に同じ符号を使用することを説明すべきである。図面に描かれていない、又は、説明されていない実現方式は、当業者に公知される形態である。なお、本文では、特定値を含むパラメーターの例示が提供されるが、パラメーターが対応値と同じであることが必須でなく、適宜な誤差範囲又は設計事項以内で対応値に近似すればよい。
【0014】
本発明の実施例によるシフトレジスタユニットにおいて、従来のシフトレジスタユニットを基礎として2つの小さいチャネル幅のトランジスタのみを追加し、同じ設計パラメーターの状況で、大負荷条件での出力能力の顕著な改善を実現ことができる。
【0015】
第1の実施例
本発明の一例示的な実施例では、シフトレジスタユニットを提供している。図1は本発明の実施例によるシフトレジスタユニットの構造模式図である。図1に示すように、本実施例によるシフトレジスタユニット100は、
第1のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号CLK1に応答し、入力信号STVを当該入力モジュール101の出力ノードである第1のノードAに提供する入力モジュール101と、
入力信号STVに応答し、電源正極の電圧VGHを第3のノードCに提供するプルアップモジュール102と、
第3のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号CLK3に応答し、電源負極の電圧VGLをプルアップモジュール102及びプルダウンモジュール103の共通の出力ノードである第3のノードCに提供するプルダウンモジュール103と、
第3のノードCの入力信号に応答し、電源正極の電圧VGHを第1のノードAに提供するリセットモジュール104と、
第3のノードCの入力信号に応答し、第3のノードCとの間に第2のコンデンサC2が設けられる電源正極の電圧VGHを本実施例のシフトレジスタユニットの出力ノードOutputに提供する第1の出力モジュール105と、
第4のノードDとの間に第1のコンデンサC1が設けられる第1のノードAの入力信号に応答し、第2のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号CLK2を第4のノードDに提供する第2の出力モジュール106と、
インバータ構造となり、第4のノードDと出力ノードOutputとの間に設置され、第4のノードDの信号を増幅して出力する信号増幅モジュール107と、を含む。
【0016】
以下、図1を用いて、本実施例のシフトレジスタユニットの各構成部分をそれぞれ詳細に説明する。
【0017】
図1を参照して、プルダウンモジュール101は、ゲートが第1のクロック信号の入力端に接続され、ソースが入力信号STVの入力端に接続され、ドレインが第1のノードAに接続される第1のP型TFTトランジスタM1を含む。
【0018】
図1を参照して、プルアップモジュール102は、ゲートが入力信号STVの入力端に接続され、ソースが電源正極の電圧VGHに接続され、ドレインが第3のノードCに接続される第3のP型TFTトランジスタM3を含む。
【0019】
図1を参照して、プルダウンノード103は、ゲートが第3のクロック信号の入力端に接続され、ドレインが電源負極の電圧VGLの入力端に接続され、ソースが第3のノードCに接続される第4のP型TFTトランジスタM4を含む。
【0020】
図1を参照して、リセットモジュール104は、ゲートが第3のノードCに接続され、ソースが電源正極の電圧VGHの入力端に接続され、ドレインが第1のノードAに接続される第2のP型TFTトランジスタM2を含む。
【0021】
図1を参照して、第1の出力モジュール105は、ゲートが第3のノードCに接続され、ソースが電源正極の電圧VGHの入力端に接続され、ドレインが出力ノードOutputに接続される第5のP型TFTトランジスタM5を含み、当該第5のP型TFTトランジスタM5のゲートとソースとの間に第2のコンデンサC2が設けられる。
【0022】
図1を参照して、第2の出力モジュール106は、ゲートが第1のノードAに接続され、ドレインが第2のクロック信号CLK2の入力端に接続され、ソースが第4のノードDに接続される第6のP型TFTトランジスタM6を含み、当該第6のP型TFTトランジスタM6のソースとゲートとの間に第1のコンデンサC1が設けられる。
【0023】
図1を参照して、信号増幅モジュール107は、ゲート及びドレインが第4のノードDに接続される第7のP型TFTトランジスタM7と、ゲートが第7のP型TFTトランジスタM7のソースに接続され、ソースが第4のノードDに接続され、ドレインが出力ノードOutputに接続される第8のP型TFTトランジスタM8と、を含む。
【0024】
図1から分かるように、本実施例のシフトレジスタユニットは、出力端である第6のP型TFTトランジスタM6に、インバータ構造の信号増幅モジュール107を追加する。当該信号増幅モジュール107は、第6のP型TFTトランジスタM6の出力端に、信号増幅機能を有する第7のP型TFTトランジスタM7及び第8のP型TFTトランジスタM8を追加して、第6のP型TFTトランジスタM6の出力能力を向上させる。
【0025】
特に説明すべきであるのは、当該第7のP型TFTトランジスタM7及び第8のP型TFTトランジスタM8が全て小さいチャネル幅のトランジスタであっても、第6のP型TFTトランジスタM6の出力能力を顕著に向上させることができる、ということである。そして、第5のP型トランジスタM5及び第6のP型トランジスタM6のチャネル幅を増加することによって第6のP型トランジスタM6の出力能力を向上させる場合に比べて、本発明の実施例によるシフトレジスタユニットのコストは大幅に低減される。
【0026】
当業者は以下のことを理解すべきである:上記した小さいチャネル幅はシフトレジスタユニットに接続される負荷の大きさに関連付けられており、直接にある数値を代表とすることができない。本発明にこのような構造を採用してチャネルの長さを下げることとは、同じ負荷状態で、このような構造を採用しないシフトレジスタユニットに対して、対応のTFTチャネルの長さを下げることができることである。それは、単なる比較結果であり、具体的な数値に限定されるものではない。
【0027】
もちろん、当業者は以下のことが分かるべきである:図1は本発明の実施例によるシフトレジスタユニットの具体的な構造を示したが、本発明の原理によって、異なる構造を有するシフトレジスタユニットにも適用する。図1に示す構造は、単なる適用の例示であり、本発明を限定するものではない。
【0028】
本実施例において、全ての薄膜トランジスタTFTはP型薄膜トランジスタTFTであることができ、そして、全ての薄膜トランジスタTFTは、低レベルの場合オンにされ、高レベルの場合オフにされる。
【0029】
図2は、図1に示すシフトレジスタユニットの各信号のタイムチャート図である。図2に示すように、本実施例のシフトレジスタユニットの駆動において、第1のクロック信号、第2のクロック信号及び第3のクロック信号の周波数が同じであり、第1のクロック信号は入力信号STVと同期してオンにされ、第2のクロック信号は第1のクロック信号に対して120°移相し、第3のクロック信号は第2のクロック信号に対して120°移相する。図2を参照して、本実施例のシフトレジスタユニットの動作原理は、以下の通りである:
第1の段階(t1):STV及びCLK1は低レベル信号であり、CLK2及びCLK3は高レベル信号である。CLK1によって制御される第1のP型TFTトランジスタM1がオンにされ、STVの低レベル信号を第6のP型TFTトランジスタM6のゲートに伝送するとともに、第1のコンデンサC1によって保持し、そして、この低レベル信号により、第6のP型TFTトランジスタM6がオンにされ、このときのCLK2の高レベル信号を第6のP型TFTトランジスタM6によって出力ノードOutputに伝送する。STVによって制御される第3のP型TFTトランジスタM3がオンにされ、高レベルVGH信号を第5のP型TFTトランジスタM5のゲートに入力するとともに、第2のコンデンサC2によって保持する。この段階では、第2のP型TFTトランジスタM2、第4のP型TFTトランジスタM4、第5のP型TFTトランジスタM5がオフにされている。
【0030】
第2の段階(t2):STV及びCLIK1は高レベル信号になり、CLK2は低レベル信号になり、CLK3は高レベル信号に保持される。このとき、第1のコンデンサC1に保持される第6のP型TFTトランジスタM6のゲート電位により、第6のP型TFTトランジスタM6がオンに保持され、CLK2の低レベル信号が第6のP型TFTトランジスタM6によって信号増幅機能を有する第7のP型TFTトランジスタM7及び第8のP型TFTトランジスタM8に伝送され、それらによってCLK2の出力能力を向上させ、増幅された信号を出力ノードOutputに伝送する。このとき、第5のP型TFTトランジスタM5のゲートの高レベル信号が第2のコンデンサC2によって保持され、第5のP型TFTトランジスタM5及び第2のP型TFTトランジスタM2をオフに保持する。この段階では、CLK1の高レベル信号により、第1のP型TFTトランジスタM1がオフにされ、STVの高レベル信号により、第3のP型TFTトランジスタM3がオフにされ、CLK3の高レベル信号により、第4のP型TFTトランジスタM4がオフに保持される。
【0031】
第3の段階(t3):STV及びCLIK1は高レベル信号に保持され、CLK2は高レベル信号になり、CLK3は低レベル信号になる。CLK3の低レベル信号により、第4のP型TFTトランジスタM4がオンにされ、低レベルVGL信号が第4のP型TFTトランジスタM4によって、第5のP型TFTトランジスタM5及び第2のP型TFTトランジスタM2のゲートに伝送されるとともに、第2のコンデンサC2によって保持される。低レベルVGL信号により、第2のP型TFTトランジスタM2がオンにされ、VGH信号を第2のP型TFTトランジスタM2によって第6のP型TFTトランジスタM6のゲートに伝送し、第6のP型TFTトランジスタM6をオフにするとともに、第1のコンデンサC1によって保持する。第6のP型TFTトランジスタM6をオフにした後に、第7のP型TFTトランジスタM7及び第8のP型TFTトランジスタM8もオフにされる。低レベルVGL信号により、第5のP型TFTトランジスタM5がオンにされ、VGH信号を第5のP型TFTトランジスタM5によって出力ノードOutputに伝送する。この段階では、CLK1の高レベル信号により、第1のP型TFTトランジスタM1がオフにされ、STVの高レベル信号により、第3のP型TFTトランジスタM3がオフにされる。
【0032】
第4の段階(t4):CLK1は低レベル信号になり、このとき、STVは高レベル信号に保持される。CLK2は高レベル信号であり、CLK3は高レベル信号になる。CLK1の低レベル信号により、第1のP型TFTトランジスタM1がオンにされる。STVの高レベル信号が第1のP型TFTトランジスタM1によって第6のP型TFTトランジスタM6のゲートに伝送され、第6のP型TFTトランジスタM6をオフにし、第1のコンデンサC1によって保持される。このとき、第5のP型TFTトランジスタM5のゲートがその前の段階に保持されるVGL信号であるため、第5のP型TFTトランジスタM5がオンに保持され、VGH信号を出力ノードOutputに伝送する。この段階では、第2のP型トランジスタM2がオンに保持され、STVの高レベル信号により、第3のP型TFTトランジスタM3がオフに保持され、CLK3の高レベル信号により、第4のP型TFTトランジスタM4がオフにされる。
【0033】
第5の段階(t5):STVは高レベル信号に保持され、CLK1は高レベル信号になり、CLK2は低レベル信号になり、CLK3は高レベル信号に保持される。このとき、第6のP型TFTトランジスタM6のゲートがその前の段階に保持される高レベル信号であり、第6のP型TFTトランジスタM6がオフにされている。M5のゲートがその前の段階で第2のコンデンサC2によって保持される低レベル信号であるため、第5のP型TFTトランジスタM5がオンに保持され、VGH信号が第5のP型TFTトランジスタM5によって出力ノードOutputに伝送される。この段階では、CLK1の高レベル信号により、第1のP型TFTトランジスタM1がオフにされる。第2のP型トランジスタM2がオンに保持される。STVの高レベル信号により、第3のP型TFTトランジスタM3がオフに保持され、CLK3の高レベル信号により、第4のP型TFTトランジスタM4がオフにされる。
【0034】
第6の段階(t6)は第3の段階と同じである。
【0035】
他の時間帯の動作は、第4の段階〜第6の段階の動作を繰り返すことであり、このように、出力ノードOutputは常にVGH信号を出力する。
【0036】
図3は、本実施例のシフトレジスタユニットと従来のシフトレジスタユニットとの出力能力の比較のグラフである。図3から分かるように、本実施例のシフトレジスタユニットは、グラフの下降能力であっても上昇能力であっても、いずれも従来のシフトレジスタユニットより大幅に向上しており、そして、占用の設計空間が小さいため、実現するためのコストが低い。
【0037】
第2の実施例
本発明の第2の例示的な実施例において、他のシフトレジスタユニットを提供している。当該シフトレジスタユニットと第1の実施例シフトレジスタユニットとの区別は、当該シフトレジスタのトランジスタが全てN型のTFTトランジスタである。
【0038】
本実施例では、図1に示すシフトレジスタユニットの各信号の高低電位を反転させ、電源正極の電圧VGHと電源負極の電圧VGLの位置を交換すれば実現することができる。
【0039】
第3の実施例
本発明の第3の例示的な実施例において、カスケードのシフトレジスタを更に提供している。このシフトレジスタは、カスケードの第1の/第2の実施例に記載のようなシフトレジスタユニットをn個含んでいる(n≧2)。図4には、当該シフトレジスタの一部、すなわち、4個のシフトレジスタユニットのみが示されている。
【0040】
図4を参照して、各シフトレジスタユニットに電源正極の電圧VGH、電源負極の電圧VGLを提供し、前段のシフトレジスタユニットの出力ポートOutputは後段のシフトレジスタユニットの入力信号STV端に接続されている。
【0041】
図4に示すように、このシフトレジスタにおいて、隣接する3つのシフトレジスタユニット-第i、i+1、i+2段のシフトレジスタユニットのクロック信号は以下の関係を満たしている:
(1)第i番目のシフトレジスタユニットに対して、その第1のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号はCLK1であり、その第2のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号はCLK2であり、その第3のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号はCLK3である;
(2)第i+1番目のシフトレジスタユニットに対して、その第1のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号は上記CLK2であり、その第2のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号は上記CLK3であり、その第3のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号は上記CLK1である;
(3)第i+2番目のシフトレジスタユニットに対して、その第1のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号は上記CLK3であり、その第2のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号は上記CLK1であり、その第3のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号はCLK2である;
当業者は以下ことを理解すべきである:図4に示すように、第i+3番目のシフトレジスタユニットに対して、そのクロック信号の入力は第i番目のシフトレジスタと同じであり、すなわち、第1のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号はCLK1であり、その第2のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号はCLK2であり、その第3のクロック信号の入力端から入力されるクロック信号はCLK3であるのように順次的に推定する。
【0042】
上記iが1以上の整数であり、かつi+2≦nであることを説明すべきである。
【0043】
図5を参照して、このシフトレジスタにおいて、後段のシフトレジスタユニットの出力信号の時系列は前段のシフトレジスタユニットの出力信号の時系列に比べて、高レベル信号が後に順延する。
【0044】
当業者は以下のことを理解すべきである:このシフトレジスタユニットのカスケードの個数は、需要に応じて設計することができ、そのクロック信号が上記順序に従って交替すれば、3以上の任意の段数であってもよい。
【0045】
第4の実施例
本発明の第4の例示的な実施例において、ゲート駆動回路を更に提供している。このゲート駆動回路は、第3の実施例に記載のシフトレジスタを含む。このゲート駆動回路には、当該シフトレジスタ以外の他の部品が従来技術のゲート駆動回路の対応部品を採用すればよく、ここでは詳細に説明しない。
【0046】
第5の実施例
本発明の第5の例示的な実施例において、表示装置を更に提供している。この表示装置は、第4の実施例のゲート駆動回路を含む。この表示装置には、当該ゲート駆動回路以外の他の部品が従来技術の表示装置の対応部品を採用すればよく、ここでは詳細に説明しない。
【0047】
これまで、図面を用いて本発明の5つの実施例を詳細に説明している。上記説明に基づいて、当業者は、本発明のシフトレジスタユニット並びにそれを適用するシフトレジスタ、ゲート駆動回路及び表示装置を明確に理解すべきである。
【0048】
また、上記した各素子及び方法に対する定義は、実施例に言及される各具体的な構造、形状又は方式に限らず、当業者はそれを簡単に変更又は置換することができる。
【0049】
以上のように、本発明のシフトレジスタは、従来のシフトレジスタに比べて、2つの小さいトランジスタを追加し、インバータ構造を構成して、大負荷条件下での出力能力の顕著な改善を実現することができ、曲線の下降能力であっても上昇能力であっても、いずれも従来の構造より大幅に向上している。このシフトレジスタユニットに基づいて、本発明のシフトレジスタ、ゲート駆動回路及び表示装置は従来技術の対応装置に比べて、効果的に向上しつつ、低コストを実現しており、大幅なコスト増とはならない。
【0050】
上記の具体的な実施例は、本発明の目的、技術案及び有益な効果を更に詳細に説明している。上記は、単なる本発明の具体的な実施例であり、本発明を限定するものでないことが、理解されるべきである。本発明の主旨及び原則内におけるあらゆる修正、均等な置換及び改良等はいずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5