(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1情報は、前記計量を実施する客に対し実行すべき操作を説明するための情報であり、前記第2情報は、商品の販売促進をするための情報である、請求項1又は2に記載の計量システム。
複数の計量装置のそれぞれの計量機構から出力される計量信号、及び複数の計量装置のそれぞれの人感センサから出力される人検知信号の少なくとも一方を監視する監視部を更に備え、
前記制御部は、前記監視部において監視された計量信号及び人検知信号の少なくとも一方に基づいて、複数の前記報知部における前記第2情報の報知の実行及び中断を制御する、請求項1〜3の何れか一項に記載の計量システム。
前記制御部は、前記監視部において監視される前記計量信号及び前記人検知信号の何れの出力も検知しない場合、前記第2情報を報知するように前記報知部を制御すると共に、同時に2台以上の前記計量装置における前記報知部から前記第2情報が報知されないように前記報知部による報知を制御する、請求項4に記載の計量システム。
前記第1情報を報知する際の声種が、少なくとも隣接する前記計量装置における前記報知部間で互いに異なるように設定されている、請求項1〜6の何れか一項に記載の計量システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
食料品売り場では、複数の計量装置が配置される場合がある。このような状況において、2台以上の計量装置から客に報知する情報が音声にて報知された場合には、互いの音声が混じり合い、客にとって聞き取りにくい状態となる。これでは、客に報知すべき優先度が高い情報を音声にて報知していない時を利用して、優先度が低い情報を音声にて報知したとしても、報知した情報を客に伝達できない場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、客に報知すべき優先度が高い情報と優先度が低い情報とを音声にて報知する計量装置が複数台配置される場合において、優先度が低い情報を客に確実に伝達することができる計量システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の計量システムは、客が計量を行う複数の計量装置からなる計量システムであって、被計量物を計量する計量部と、客に報知する情報である第1情報及び客に報知する情報であると共に第1情報に比べて客に報知する優先度が低い第2情報を音声にて報知する報知部と、を有する、計量装置と、報知部における第2情報の報知の実行及び中断を制御する制御部と、を備える。
【0007】
この構成の計量システムでは、客に報知する情報である第1情報に比べて客に対し報知すべき優先度が低い第2情報の報知部における報知の実行及び中断が制御部によって制御される。これにより、例えば、一の計量装置が第2情報を報知している時には、他の計量装置に第2情報を報知させないようにしたり、同じタイミングで(音声がずれないように)2台以上の計量装置における報知部から第2情報が報知されるように制御したりすることができる。この結果、客に報知すべき優先度が高い第1情報と第1情報に比べて客に報知する優先度が低い第2情報とを音声にて報知する計量装置が複数台配置される場合において、優先度が低い第2情報を客に確実に伝達することができる。
【0008】
本発明の計量システムでは、制御部は、同時に2台以上の計量装置における報知部から第2情報が報知されないように報知部による報知を制御してもよい。
【0009】
この構成の計量システムでは、同時に2台以上の計量装置における報知部から優先度の低い第2情報が報知されない。言い換えれば、一の計量装置が第2情報を報知している時には、他の計量装置が第2情報を報知することはない。したがって、計量装置における報知部から報知される第2情報が、互いに混じり合うようなことがなく、客にとって第2情報が聞き取りにくい状態となることがなくなる。
【0010】
本発明の計量システムでは、制御部は、計量部から出力される計量信号に基づいて報知部における第2情報の報知の実行及び中断を制御してもよい。
【0011】
この構成の計量システムでは、計量部から出力される計量信号に基づいて報知部における第2情報の報知を実行したり、中断したりすることができる。これにより、計量装置が客によって使用されることを検知して、客による計量を検知した計量装置における報知部において、例えば、客が計量をする際に報知しなければならない優先度の高い第1情報を、報知することができる。また、一の計量装置が客によって利用されていないことを検知して、一の計量装置における報知部において優先度の低い第2情報を報知することができる。また、客によって一の計量装置が使用されることを検知して、一の計量装置における報知部において優先度の低い第2情報を報知することを中断して、優先度の高い第1情報を報知することができる。
【0012】
本発明の計量システムでは、第1情報は、計量を実施する客に対し実行すべき操作を説明するための情報とすることができ、第2情報は、商品の販売促進をするための情報とすることができる。
【0013】
この構成の計量システムでは、操作説明情報(計量を実施する客に対し実行すべき操作を説明するための情報)に比べて販促情報(商品の販売促進をするための情報)の報知部における報知の実行及び中断が制御部によって制御される。これにより、例えば、一の計量装置が販促情報を報知している時には、他の計量装置に販促情報を報知させないようにしたり、同じタイミングで(音声がずれないように)2台以上の計量装置における報知部から販促情報が報知されるように制御したりすることができる。この結果、客に報知すべき優先度が高い操作説明情報と操作説明情報に比べて客に報知する優先度が低い販促情報とを音声にて報知する計量装置が複数台配置される場合において、優先度が低い販促情報を客に確実に伝達することができる。
【0014】
本発明の計量システムでは、制御部は、第1情報を報知しようとする一の計量装置に対し、隣接する他の計量装置が第1情報を報知している声種とは異なるように調整された声種で第1情報を報知させてもよい。
【0015】
この構成の計量システムでは、これから優先度の高い第1情報を報知しようとする一の計量装置における報知部から報知される音声の声種を、一の計量装置に隣接する他の計量装置が現在報知している音声の声種と異なるように動的に切り換えている。ここでいう「声種が異なる音声」の例には、例えば、男性の声と女性の声との関係が含まれる。これにより、互いに隣接する計量装置においては、互いに異なる声種の音声によって優先度の高い第1情報が報知される。この結果、客は、自分が操作している計量装置からの報知であることを認識し易くなるので、他の計量装置からの報知と聞き違えることを低減できる。例えば、優先度の高い第1情報が操作説明情報である場合には、操作説明情報の聞き違えに因る操作ミスを低減することができる。
【0016】
本発明の計量システムにおいて、第1情報を報知する際の声種が、少なくとも隣接する計量装置における報知部間で互いに異なるように設定されていてもよい。
【0017】
この構成の計量システムによれば、互いに隣接する計量装置においては、互いに異なる声種の音声によって優先度の高い第1情報が報知される。これにより、客は、自分が操作している計量装置からの報知であることを認識し易くなるので、他の計量装置からの報知と聞き違えることを低減できる。例えば、優先度の高い第1情報が操作説明情報である場合には、操作説明情報の聞き違えに因る操作ミスを低減することができる。
【0018】
本発明の計量システムでは、制御部は、一の計量装置における報知部に対して一連の第2情報の報知を途中で中断させる場合には、一連の第2情報の報知が途切れないように、他の一の計量装置における報知部から一連の第2情報の続きを報知させてもよい。
【0019】
この構成の計量システムによれば、複数台配置される計量装置における報知部を有効に利用することができる。すなわち、優先度の低い第2情報を報知している一の計量装置において優先度の高い第1情報を報知する必要が生じ、優先度の低い第2情報の報知を中断する場合であっても、現在客に利用されていない他の計量装置における報知部を用いて、続きの第2情報を報知させることができる。これにより、効果的に客に第2情報を伝達することができる。
【0020】
本発明の計量システムでは、制御部は、複数の計量装置とは別の上位コントローラとして設けられており、複数の計量装置と通信可能に設けられていてもよい。
【0021】
この構成の計量システムでは、他のシステムに接続することが容易となるので、システムの拡張性が高くなる。
【0022】
本発明の計量システムでは、制御部は、複数の計量装置の中の1台に設けられており、残りの計量装置と互いに通信可能に設けられている。
【0023】
この構成の計量システムでは、複数の計量装置との間で親子関係を構築することにより、簡易にシステムを構築することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、客に報知すべき優先度が高い情報と優先度が低い情報とを音声にて報知する計量装置が複数台配置される場合において、優先度が低い情報を客に確実に伝達することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して第1及び第2実施形態について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0027】
<第1実施形態>
(1)全体構成
第1実施形態の計量システム100は、計量装置1において計量された商品及び時間、計量装置1の使用状況及びラベル残量など、計量装置1の稼働に伴って発生する情報をサーバ101にて管理するシステムである。ここでいう計量装置1は、スーパーマーケットなどの店舗90の食料品売り場において、客自身による惣菜などの商品の計量に用いられるセルフ式の計量装置である。このような計量装置1は、客が所望の商品を所望の容器に入れて計量を行った際に、商品の質量値に基づく商品の価格が表示されたラベルを発行する。客は、発行されたラベルを容器に貼って、所望のレジ端末91に持参する。
【0028】
計量システム100は、
図1に示すように、複数の計量装置1と、これら複数の計量装置1を制御するサーバ101と、複数のレジ端末91と、を含むシステムである。サーバ101は、
図1に示されるように、店舗90に構築されたネットワーク95を介して複数のレジ端末91及び複数の計量装置1のそれぞれと通信可能となっている。ネットワークの例には、インターネット回線、専用回線、VPN(Virtual Private Network)回線などが含まれる。また、ネットワークは、有線であってもよいし、無線であってもよい。また、サーバ101は、店舗90内に設置されていてもよいし、店舗90とは遠隔の地に設置されてもよい。
【0029】
サーバ101は、商品及び計量装置1に関する各種情報を記憶している。第1実施形態の計量システム100では、サーバ101が、複数の計量装置1に対し、スピーカ(報知部)11から音声出力される販促情報25の出力タイミングを制御する点と、スピーカ11から出力される操作説明情報(第1情報)23の声種を制御する点と、に特徴がある。これらの具体的な制御内容については、後段にて詳述する。また、第1実施形態では、店舗90内に3台の計量装置(計量装置1A、計量装置1B及び計量装置1C)が配置されているとして説明をする。
【0030】
各レジ端末91は、客に請求する金額の算出、及び客の支払いに対する釣銭の算出などを行う。サーバ101には、各レジ端末91に入力された商品に関する情報(具体的には、商品の価格、商品番号(ID)など)がネットワーク95を介して送られ、当該情報が蓄積される。
【0031】
(2)計量装置
図2及び
図3に示されるように、計量装置1は、計量皿3、タッチパネル(報知部)4、計量機構(計量部)5、カメラ7、人感センサ8、ラベル発行機構9、スピーカ11、店舗側無線部12、通信部13、HDD(Hard disk drive)20、制御部30を備えている。これらの構成要素のうち、計量機構5、ラベル発行機構9、店舗側無線部12、通信部13、HDD20及び制御部30は、本体部2内に収容されている。
【0032】
(2−1)計量皿
計量皿3には、容器及び商品を含む被計量物(商品が容器に入れられたもの)が載置される。計量皿3は、例えば金属からなり、その表面には、容器を識別し易い色が施されている。例えば、容器が白色である場合には、計量皿3の表面は黒色であることが好ましい。
【0033】
(2−2)計量機構
計量機構5は、計量皿3に載置された被計量物を計量する。計量機構5は、被計量物の質量値(計量信号)を制御部30に送信する。
【0034】
(2−3)カメラ
カメラ7は、タッチパネル4の下側において2本の支柱6に掛け渡された支持部材6aに取り付けられており、計量皿3を含む撮像領域の画像を上側から撮る。カメラ7は、撮像領域の画像を制御部30に送信する。
【0035】
(2−4)人感センサ
人感センサ8は、カメラ7の左側及び右側に位置するように支持部材6aに取り付けられており、計量皿3周囲における人の存在を検知する。人感センサ8は、例えば赤外線センサ又は超音波による距離センサ等であり、計量装置1の正面側の空間における人の存在を検知する。人感センサ8は、計量皿3周囲における人の存在を検知した際に、その旨を示す信号を制御部30に送信する。
【0036】
(2−5)ラベル発行機構
ラベル発行機構9は、商品の価格が表示されたラベルを客に発行する。ラベル発行機構9は、ラベルカセット及び複数のセンサなどによって構成されており、ラベルカセットから繰り出される白紙に、商品の価格などを印字して、印字された白紙をラベルとして発行する。ラベル用の白紙としては、裏面のみに粘着性を有するものが用いられる。
【0037】
(2−6)タッチパネル
タッチパネル4は、客向けの様々な情報を含む画像を表示する。例えば、タッチパネル4は、計量機構5に被計量物が載置された際、又は客の接近によって人感センサ8が人の存在を検知した際に、操作説明情報23の表示を開始する。操作説明情報23とは、タッチパネル4は、被計量物を計量皿3に載置することを客に促す画像、上述したラベルを発行するために、タッチパネル4に表示された発行ボタンを押下することを客に促す画像、及び発行したラベルを容器に貼り付けることを客に促す画像などをいう。また、タッチパネル4は、商品の販売促進(セールスプロモーション)をするための販促情報25を表示にて出力する。
【0038】
(2−7)スピーカ
スピーカ11は、支持部材6aに内蔵されており、客向けの様々な情報を含む音声を出力する。例えば、スピーカ11は、計量機構5に被計量物が載置された際、又は客の接近によって人感センサ8が人の存在を検知した際に、操作説明情報23を音声にて出力、又はタッチパネル4に表示される操作説明情報23の表示に連動した音声を出力する。また、スピーカ11は、客によって使用を検知しない場合に、販促情報を音声にて出力、又はタッチパネル4に表示される販促情報25の表示に連動した音声を出力する。
【0039】
(2−8)店舗側無線部
店舗側無線部12は、店員が所持する携帯端末と無線通信を行う。例えば、店舗側無線部12は、人感センサ8が客の存在を所定時間以上継続して検知した際に、その旨を示す信号を店員の携帯端末に送信する。これにより、店員は、計量装置1の操作に困惑しているような客に対し、迅速にサービスを提供することができる。なお、店舗側無線部12は、ラベル発行機構9における白紙ロールの残量が所定量以下となった場合、及び未使用の容器の数が所定数以下となった場合などに、その旨を示す信号を店員の携帯端末に送信してもよい。
【0040】
(2−9)通信部
通信部13は、サーバ101及び複数のレジ端末91のそれぞれと通信を行う。例えば、通信部13は、ラベル発行機構9が発行したラベルに関する情報をサーバ101及び複数のレジ端末91のそれぞれに送信する。ラベルに関する情報としては、ラベルに記載された商品の価格の他、ラベルを発行した時間などが挙げられる。
【0041】
(2−10)HDD
HDD20には、容器情報テーブル21その他の各種情報が格納されている。容器情報テーブル21においては、容器の種類と容器の質量値とが対応付けられている。HDD20には、タッチパネル4及びスピーカ11にて出力される操作説明情報23及び販促情報25が格納されている。操作説明情報23は、計量を実施する客に対し実行すべき操作を説明するための情報群である。販促情報25は、商品の販売促進をするための情報群であり、操作説明情報23に比べて客に対し報知すべき優先度が低い情報である。タッチパネル4にて出力される情報の例は、文字、静止画、動画、アニメーションなどが含まれる。スピーカ11にて出力される情報の例は、音声情報などである。また、HDD20には、複数の声種による操作説明情報23が保存されている。複数の声種の例は、成年男性の声、成年女性の声、幼児男性の声及び幼児女性の声などである。HDD20に保存されている操作説明情報23及び販促情報25は、例えば、外部USBメモリなどを使用して簡単に入れ替えることができる。
【0042】
(2−11)制御部
制御部30は、計量装置1における各種動作を制御する部分であり、CPU(CentralProcessing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスクなどで構成される。
図3に示すように、制御部30は、計量装置1における各種制御処理を実行する概念的な部分としての容器特定部31と、質量値算出部32と、ラベル情報生成部33と、報知制御部34と、を有している。このような概念的な部分は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行されるソフトウェアとして構成することができる。なお、制御部30は、電子回路などによるハードウェアとして構成されてもよい。
【0043】
(2−12−1)容器特定部及び質量値算出部
容器特定部31は、カメラ7から送信された撮像領域の画像に基づいて、容器の種類を特定する。質量値算出部32は、容器特定部31によって特定された種類の容器の質量値を容器情報テーブル21から取得し、計量機構5から送信された被計量物の質量値から容器の質量値を減じて、商品の質量値を算出する。
【0044】
(2−12−2)ラベル情報生成部
ラベル情報生成部33は、ラベル発行機構9によって発行されるラベルに表示すべき情報を生成する。当該情報としては、商品の消費期限、商品の単価、質量値算出部32によって算出された商品の質量値、及び商品の質量値に基づく商品の価格等が挙げられる。
【0045】
(2−11−3)報知制御部
報知制御部34は、タッチパネル4に対する画像表示制御及びスピーカ11に対する音声出力制御などを行う。具体的には、報知制御部34は、計量機構5から出力される計量信号又は人感センサ8から出力される人検知信号を受信すると、タッチパネル4から操作説明情報23を表示にて出力させ、スピーカ11から操作説明情報23を音声にて出力させる。このとき、報知制御部34は、後段にて詳述するサーバ101に含まれる全体制御部113(
図4参照)から声種が調整される場合がある。また、報知制御部34は、後段にて詳述する全体制御部113から制御されることにより、タッチパネル4から販促情報25を表示にて出力させ、スピーカ11から販促情報25を音声にて出力させる。
【0046】
(3)サーバ
サーバ101は、商品及び計量装置1に関する各種情報を記憶している。また、サーバ101は、3台の各計量装置1A,1B,1Cに対し、タッチパネル4に表示出力される販促情報25及びスピーカ11から音声出力される販促情報25の出力タイミングを制御すると共に、スピーカ11から出力される操作説明情報23の声種を制御する。
【0047】
サーバ101は、物理的には、CPU、RAM及びROMなどの主記憶部、HDD、フラッシュメモリなどに例示される補助記憶部、キーボード及びマウスなどの入力部、並びに表示画面などの出力部などを含むコンピュータシステムとして構成される。
図4に示すように、サーバ101は、計量装置1における各種制御処理を実行する概念的な部分としての監視部(制御部)111と全体制御部(制御部)113とを有している。このような概念的な部分は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行されるソフトウェアとして構成することができる。
【0048】
(3−1−1)監視部
監視部111は、計量装置1A〜1Cそれぞれの計量機構5から出力される計量信号を監視している。更に監視部111は、計量装置1A〜1Cそれぞれの人感センサ8から出力される人検知信号を監視している。なお、監視部111が、計量信号及び人検知信号のどちらか一方のみを監視する仕様としてもよい。
【0049】
(3−1−2)全体制御部
全体制御部113は、同時に2台以上の計量装置1におけるタッチパネル4及びスピーカ11から販促情報25が出力されないように報知制御部34を制御する。更に、全体制御部113は、各計量装置1A〜1Cにおける計量機構5から出力される計量信号及び各計量装置1A〜1Cにおける人感センサ8から出力される人検知信号に基づいて、各計量装置1A〜1Cにおける報知制御部34を制御して、タッチパネル4及びスピーカ11から販促情報25の出力を実行させたり、中断させたりする。
【0050】
例えば、全体制御部113は、計量信号及び人検知信号を出力していない一の計量装置1における報知制御部34を制御して、タッチパネル4及びスピーカ11から販促情報25を出力させる。すなわち、全体制御部113は、客によって使用されていない一の計量装置1から販促情報25を出力させる。また、例えば、全体制御部113は、一の計量装置1におけるタッチパネル4及びスピーカ11に対して一連の販促情報25の出力を途中で中断させる場合には、一連の販促情報25の出力が途切れないように、他の一の計量装置1におけるタッチパネル4及びスピーカ11から一連の販促情報25の続きを出力させる。
【0051】
また、全体制御部113は、これから操作説明情報23を報知しようとする一の計量装置1に対し、隣接する他の計量装置1におけるスピーカ11が操作説明情報23を音声出力している声種とは異なる声種に調整して操作説明情報23を音声出力させる。また、隣同士の計量装置1におけるスピーカ11から同時に操作説明情報23を出力する際には、互いの音量を小さくしてもよい。
【0052】
(4)サーバにおける販促情報の表示出力制御処理及び音声出力制御処理
次に、サーバ101における販促情報25の表示出力制御処理及び音声出力制御処理について、主に
図5及び
図6を用いて説明する。
図6は、タッチパネル4及びスピーカ11における出力状況を示すタイミングチャートである。
図6における白抜矢印は、客によって計量装置が使用されている時間帯、すなわち、タッチパネル4及びスピーカ11から操作説明情報23が出力されている時間帯を示している。
図6における黒塗矢印は、客によって計量装置が使用されておらず、タッチパネル4及びスピーカ11から販促情報25が出力されている時間帯を示している。また、白抜矢印及び黒塗矢印のいずれでもない部分は、客に計量装置が使用されておらず、タッチパネル4及びスピーカ11から販促情報25が出力されていない時間帯を示している。
【0053】
まず、全体制御部113は、複数の計量装置1A〜1Cの中で、客に使用されていない計量装置があるか否かを確認する(ステップS1)。全体制御部113は、監視部111が監視する各計量装置における計量信号又は人検知信号の出力状況に基づいて判断する。具体的には、計量装置から計量信号及び人検知信号が出力されない場合には、その計量装置は、客によって使用されていないと判定できる。例えば、
図6に示すt=t1のタイミングでは、全体制御部113によって、計量装置1A及び計量装置1Cは、客に使用されていないと判断される。
【0054】
次に、全体制御部113は、客に使用されていない計量装置1Aの報知制御部34を制御して、タッチパネル4に販促情報25を表示させ、スピーカ11に販促情報25を音声出力させる(ステップS2)。なお、
図6に示すt=t1のタイミングでは、計量装置1Cの報知制御部34を制御して、タッチパネル4及びスピーカ11から販促情報25を出力してもよい。その後、全体制御部113は、同時に2台以上の計量装置1におけるタッチパネル4及びスピーカ11から販促情報25が出力されないように報知制御部34を制御する。
【0055】
次に、全体制御部113は、報知制御部34が一連の販促情報25を全て出力したか否かを判断する(ステップS3)。なお、報知制御部34が一連の販促情報25を全て出力したか否かは、例えば、出力開始からの時間を計測することにより判定することができる。全体制御部113によって、報知制御部34が一連の販促情報25を全て出力したと判断された場合には(S3:YES)、再びステップS1に戻る。
【0056】
一方、全体制御部113によって、報知制御部34が一連の販促情報25を全て出力していない、すなわち、報知制御部34が販促情報25を出力中であると判断された場合には(S3:NO)、監視部111は、販促情報25を出力中の計量装置1Aにおける客の使用を監視する(ステップS4)。具体的には、監視部111は、計量装置1Aの計量機構5から出力される計量信号がないか、又は計量装置1Aの人感センサ8から出力される人検知信号がないかを監視する。
【0057】
ここで、監視部111が計量装置1Aにおいて計量信号又は人検知信号が検知されない場合には(S4:NO)、引き続きこの監視を続ける。一方、監視部111が、計量装置1Aにおいて計量信号又は人検知信号が出力されたことを検知した場合には(S4:YES)、全体制御部113は、計量装置1Aにおける報知制御部34を制御して、タッチパネル4及びスピーカ11からの販促情報25の出力を中断させる(ステップS5)。
【0058】
次に、全体制御部113は、残りの計量装置1B,1Cの中で、客に使用されていない計量装置1があるか否かを確認する(ステップS6)。なお、計量装置1が客によって使用されているか否かの判断は、ステップS1と同様の方法で行うことができる。
【0059】
ここで、全体制御部113によって客に使用されていない計量装置1があると判断された場合には(S6:YES)、一連の販促情報25の出力が途切れないように、その計量装置における報知制御部34を制御して、タッチパネル4及びスピーカ11から一連の販促情報25の続きを出力させる(ステップS7)。例えば、
図6に示すt=t2のタイミングの場合には、全体制御部113は、計量装置1Cにおける報知制御部34を制御して、タッチパネル4及びスピーカ11から一連の販促情報25の続きを出力させる。
【0060】
一方、全体制御部113によって客に使用されていない計量装置がないと判断された場合には(S6:NO)、再びステップS1に戻る。例えば、
図6に示すt=t3のタイミングの場合が、これに該当する。
【0061】
(5)サーバにおける操作説明情報の音声出力制御処理
次に、サーバ101における計量装置1A〜1Cに対する操作説明情報23の表示出力制御処理及び音声出力制御処理について
図6を用いて説明する。以下、計量装置1A〜1Cは、互いに隣接するように配置されているとして説明する。
【0062】
通常、各計量装置1A〜1Cのそれぞれは、計量機構5から出力される計量信号又は人感センサ8から出力される人検知信号を受信すると、タッチパネル4に操作説明情報23を表示し、スピーカ11から操作説明情報23を音声出力する。このとき、全体制御部113は、操作説明情報23を出力しようとする一の計量装置1に対し、隣接する他の計量装置1が操作説明情報23を出力している声種とは異なる声種の操作説明情報23をHDD20から選択し、選択した操作説明情報を出力させる。
【0063】
図6に示すt=0のタイミングでの計量装置1Bについて説明する。計量装置1Bは、計量機構5から出力される計量信号又は人感センサ8から出力される人検知信号を受信すると、タッチパネル4から操作説明情報23を表示出力し、スピーカ11から操作説明情報23を音声出力する。このとき、計量装置1A及び計量装置1Bは、操作説明情報23を出力していないので、全体制御部113が、計量装置1Bにおける報知制御部34を制御することはない。
【0064】
図6に示すt=2のタイミングでの計量装置1Aについて説明する。計量装置1Aは、計量機構5から出力される計量信号又は人感センサ8から出力される人検知信号を受信すると、タッチパネル4から操作説明情報23を表示出力し、スピーカ11から操作説明情報23を音声出力する。このとき、計量装置1Aに隣接する計量装置1Bが操作説明情報23を出力している。このため、全体制御部113は、操作説明情報23を出力しようとする計量装置1Aの報知制御部34を制御して、隣接する計量装置1Bのスピーカ11が操作説明情報23を出力している声種とは異なる声種の操作説明情報23をHDD20から選択させ、選択された操作説明情報23をスピーカ11から出力させる。例えば、計量装置1Bにおけるスピーカ11が成人男性の声で出力している場合には、成人女性の声でスピーカ11から出力するように、計量装置1Aの報知制御部34を制御する。
【0065】
全体制御部113は、声種の調整と共に、タッチパネル4に表示される内容を調整してもよい。例えば、成人女性の声でスピーカ11から出力する場合には、成人女性のイラスト又は写真をタッチパネル4に表示するように報知制御部34を制御してもよい。
【0066】
図6に示すt=3のタイミングでの計量装置1Cについて説明する。この場合の計量装置1Cも、上述の計量装置1Bに対する制御と同様の制御が行われる。例えば、計量装置1Bにおけるスピーカ11が成人男性の声で出力しており、計量装置1Aにおけるスピーカ11が成人女性の声で出力している場合には、例えば幼児女性の声でスピーカ11から出力するように、計量装置1Aの報知制御部34を制御する。タッチパネル4に表示させる内容について同様である。
(6)特徴及び作用・効果
上記実施形態の計量システム100では、操作説明情報23に比べて客に対し報知すべき優先度が低い販促情報25のスピーカ11における報知の実行及び中断が全体制御部113によって制御され、同時に2台以上の計量装置1におけるスピーカ11から販促情報25が音声出力されない。したがって、計量装置1におけるスピーカ11から音声出力される販促情報25が、互いに混じり合うようなこともなく、客にとって販促情報25が聞き取りにくい状態となることがない。この結果、販促情報25を音声にて出力する計量装置1が複数配置される場合であっても、客に対して確実に販促情報25を伝達することができる。
【0067】
上記実施形態の計量システム100では、これから操作説明情報23を出力しようとする一の計量装置1における音声の声種を、隣接する他の計量装置1が現在出力している音声の声種と異なるように動的に切り換えている。この結果、客は、自分が操作している計量装置1が出力する操作説明情報23であることを認識し易くなるので、他の計量装置1からの操作説明情報23と聞き違えることを低減できる。
【0068】
上記実施形態の計量システム100では、複数台配置される計量装置1A〜1Cにおけるタッチパネル4及びスピーカ11を有効に利用することができる。すなわち、販促情報25を出力している一の計量装置1で客が計量を実施することにより、販促情報25の出力を中断する場合であっても、現在客に利用されていない他の計量装置1におけるタッチパネル4及びスピーカ11を用いて、続きの販促情報25を出力させることができる。これにより、効果的に客に販促情報25を伝達することができる。また、上記実施形態の計量システム100では、商品の計量が行われていない時間を利用して、客に対し商品の販促情報25を提供することができる。
【0069】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の計量システム200について
図7及び
図8を用いて説明する。第2実施形態の計量システム200が、第1実施形態の計量システム100と異なる点は、サーバ101が有していた、複数の計量装置1に対し、タッチパネル4に表示出力される販促情報25及びスピーカ11から音声出力される販促情報25の出力タイミングを制御する機能、及びスピーカ11から出力される操作説明情報23の声種を制御する機能を、複数の計量装置1の中の1台の計量装置1に持たせた点である。以下、この機能を有する「計量装置1」を親機とも称する。親機となる計量装置1Aと、子機となる計量装置1B及び計量装置1Cと、からなる計量システム200について説明する。
【0070】
子機となる計量装置1B及び計量装置1Cについては、上記第1実施形態において説明した計量装置1B及び計量装置1Cの構成と同じであるので、ここでは説明を省略する。親機となる計量装置201Aが第1実施形態の計量装置1Aと異なるのは、制御部230における各種制御処理を実行する概念的な部分として、監視部(制御部)211と、全体制御部(制御部)213と、を更に備えている点である。監視部211及び全体制御部213における制御処理は、第1実施形態のサーバ101が備える監視部111及び全体制御部113と何ら変わりはない。
【0071】
監視部211及び全体制御部213は、自機(計量装置201A)の報知制御部34を含め、子機の計量装置1Bにおける報知制御部34及び計量装置1Cにおける報知制御部34を制御して、同時に2台以上の計量装置1におけるタッチパネル4及びスピーカ11から販促情報25が出力されないようにする。また、全体制御部213は、客によって使用されていない一の計量装置1から販促情報25を出力させる。また、全体制御部213は、一の計量装置1におけるタッチパネル4及びスピーカ11に対して一連の販促情報25の出力を途中で中断させる場合には、一連の販促情報25の出力が途切れないように、他の一の計量装置1におけるタッチパネル4及びスピーカ11から一連の販促情報25の続きを出力させる。また、全体制御部213は、これから操作説明情報23を報知しようとする一の計量装置1に対し、隣接する他の計量装置1におけるスピーカ11が操作説明情報23を音声出力している声種とは異なる声種に調整して操作説明情報23を音声出力させる。
【0072】
なお、各計量装置1A〜1Cのそれぞれは、ネットワークを介して複数のレジ端末と通信可能に接続されてもよい。また、商品及び計量装置1に関する各種情報を記憶する店舗サーバと通信可能に接続されてもよい。
【0073】
上記第2実施形態の計量システム200であっても、上記第1実施形態の計量システム100と同様の作用効果を得ることができる。また、上記第2実施形態の計量システム200では、複数の計量装置1を互いに接続するだけの簡易な設備で済む。
【0074】
以上、第1及び第2実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0075】
<変形例1>
上記第1及び第2実施形態では、全体制御部113が、複数台の計量装置1におけるタッチパネル4及びスピーカ11から販促情報25が出力されないように、各計量装置1における報知制御部34を制御する例を挙げて説明したが、本発明これに限定されるものではない。本発明の趣旨から、全体制御部113は、少なくとも、複数台の計量装置1におけるスピーカ11から販促情報25が出力されないように、各計量装置1における報知制御部34を制御すればよい。
【0076】
<変形例2>
上記第1及び第2実施形態では、全体制御部113が、これから操作説明情報23を報知しようとする一の計量装置1に対し、隣接する他の計量装置1におけるスピーカ11が操作説明情報23を音声出力している声種とは異なる声種に調整して操作説明情報23を音声出力するように、報知制御部34を制御する例を挙げて説明した。本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スピーカ11における操作説明情報23を出力する際の声種が、少なくとも隣接する計量装置1におけるスピーカ11間で互いに異なるように予め設定されていてもよい。すなわち、その都度、先行して操作説明情報23を出力している声種と異なるように調整するのではなく、各計量装置1のスピーカ11ごとに異なる声種が出力されるように、各スピーカ11を予め設定しておいてもよい。この場合であっても、客は、自分が操作している計量装置1が出力する操作説明情報23であることを認識し易くなるので、他の計量装置1が出力する操作説明情報23と聞き違えることを低減できる。
【0077】
<変形例3>
上記第1及び第2実施形態では、全体制御部113が、一の計量装置1が販促情報を報知している時には、他の計量装置1に第2情報を報知しないように制御する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、全体制御部113は、音声がずれないように、同じタイミングで2台以上の計量装置1におけるスピーカ11から第2情報が報知されるように制御してもよい。この場合であっても、上記実施形態と同様に、互いの計量装置1が報知する音声が混じり合い、客にとって聞き取りにくい状態となることが避けられる。
【0078】
<変形例4>
上記第1及び第2実施形態では、客に報知する情報である第1情報が、計量を実施する客に対し実行すべき操作を説明するための操作説明情報であり、第2情報が、商品の販売促進をするための販促情報である例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記第1及び第2実施形態において、第1情報を「災害時の避難情報、防犯上の警戒情報、その他緊急の店内放送など」とし、第1情報よりも優先度が低い第2情報を「お天気情報、イベント情報、その他通常の店内放送など」とする構成であってもよい。
【0079】
<その他の変形例>
上記第1及び第2実施形態では、報知制御部34が、予めHDD20に予め記憶されている販促情報25をスピーカ11及びタッチパネル4から出力させる例を挙げて説明した。本発明はこれに限定されるものではない。例えば、報知制御部34が、HDD20又はサーバ101などに登録されている商品マスタなどに登録された文字列から音声情報を生成し、この生成した情報をスピーカ11から出力させてもよい。また、例えば、店舗90内の放送網と各計量装置1A〜1Cとを接続することにより、報知制御部34は、この放送網を介して送信されてくる情報をスピーカ11から出力させてもよい。
【0080】
また、上記第1及び第2実施形態では、販促情報25を出力する1台の計量装置1を選択するに際し、客によって使用されていないことのみを条件としたが、例えば、客によって使用されていない計量装置1の中で使用頻度が最も高い計量装置1を選択してもよい。使用頻度の高低は、計量信号の出力回数などに基づいて判断できる。客は、販促情報が出力されている計量装置1での計量を避けようとする傾向があるので、各計量装置1間における使用頻度を平均化させることがでる。この結果、計量装置1における寿命を平均化させたり、計量装置1間で定期検査のタイミングを揃えたりすることができる。また、例えば、客によって使用されていない計量装置1の中で故障がある計量装置1を選択してもよい。故障の有無は、エラー信号の出力の有無に基づいて判断することができる。また、客によって使用されていない計量装置1の中でラベル残量が最も少ない計量装置1を選択してもよい。ラベル残量は、ラベル発行機構9に設けられたセンサなどの情報により判断できる。
【0081】
また、上記第1及び第2実施形態において、計量を実施する客に対し実行すべき操作を説明するための情報群である操作説明情報23の中で、優先順位を設けてもよい。例えば、「次に操作すべきボタンの案内情報」に比べ「計量操作の最後に報知される計量終了を告げる情報」は優先度が低い情報である。この場合、全体制御部113は、優先度が低い情報を優先度が高い情報に比べて音量を小さくするなどしてスピーカ11から報知させてもよい。
【0082】
また、上記第1及び第2実施形態では、3台の計量装置1からなる計量システム100,200を例に挙げて説明したが、計量装置1の台数は、2台であっても4台以上であってもよい。