(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記照会端末には、検索結果として、複数のシステム登録者がヒットしたとき、データベースの範囲をしぼり込む設定、指静脈認証の追加の認証条件を設定する手段を有することを特徴とする請求項2記載の身元確認方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る一実施形態を、
図1ないし
図17Bを用いて説明する。
先ず、
図1ないし
図6を用いて本発明の一実施形態に係る身元確認システムの構成について説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る身元確認システムの概要図である。
本実施形態の身元確認システム1は、身元確認システムサーバ100、照会端末200、システム登録者登録端末300、身元確認対象者登録端末400が、ネットワーク60により接続された形態である。
ここで、ネットワーク60は、インターネットのようなグローバル網でもよいし、LAN(Local Area Network)などの構内ネットワーク網でもよい。
【0014】
身元確認システムサーバ100は、各種端末からの入力されるデータを格納し、データベースとして管理し、検索された問合せ事項の結果を返すサーバである。身元確認システムサーバ100は、システム登録者DB500、身元確認対象者DB600、生体認証情報DB700、通知先情報DB800などの各種データベースを有し、データベースサーバとしてアクセスできるようになっている。
【0015】
照会端末200は、身元不明の徘徊者を保護したときに、その徘徊者の情報を入力して、身元確認システムサーバ100に問い合わせて、その結果を表示するための装置である。特に、照会端末200は、指静脈認証をおこなう認証装置280が接続されており、その徘徊者の指静脈パターンを認証装置280より、読み取って、身元確認システムサーバ100に問い合わせることができる。
【0016】
システム登録者登録端末300は、この身元確認システムの登録対象となる「徘徊者となる可能性」のある人の情報を登録する端末である。システム登録者登録端末300には、認証装置380、カメラ390が接続されており、認証装置380により、システム登録者の指静脈認証パターンを読み取って、身元確認システムサーバ100に登録を依頼したり、カメラ390より、システム登録者の顔を撮像し、身元確認システムサーバ100に登録を依頼することができる。
【0017】
身元確認対象者登録端末400は、行方不明になり、家族などから捜索願いが出た者を、身元確認対象者として登録する端末である。
【0018】
なお、本実施形態では、照会端末200、システム登録者登録端末300、身元確認対象者登録端末400は、別々の端末(ハードウェア)として記述したが、これらの機能を併せ持つようした兼用端末としてもよい。例えば、照会端末200、システム登録者登録端末300を一つの端末としてもよいし、全ての機能を備えた一つの端末として実現するようにしてもよい。
【0019】
次に、
図2ないし
図6を用いて一実施形態に係る身元確認システムの各装置におけるハードウェア構成、ソフトウェア構成について説明する。
図2は、身元確認システムサーバの構成図である。
図3は、照会端末の構成図である。
図4は、システム登録者登録端末の構成図である。
図5は、身元確認対象者登録端末400の構成図である。
図6は、認証装置の構成図である。
【0020】
身元確認システムサーバ100のハードウェア構成は、
図2に示されるように、CPU102、主記憶装置108、表示I/F104、入出力I/F106、ネットワークI/F110、補助記憶I/F112がバスにより接続されたものである。
【0021】
表示装置120には、稼動状況のモニタや出力結果が表示される。入出力I/F106には、キーボード130やマウス132などの入出力装置が接続され、管理者は、これらの入出力装置からコマンドなどを入力する。ネットワークI/F110には、LAN、WANなどのネットワーク60が接続され、このI/Fを介して外部の装置と通信をおこなう。補助記憶I/F112には、データやプログラムを格納するハードディスク装置160などの記憶装置が接続される。ハードディスク装置160は、アレイ上に接続されてディスクアレイを構成する場合もある。
【0022】
アプリケーションプログラム、OSなどは、ハードディスク装置160に格納されており、実行されるときに主記憶装置108にロードされて、CPU102により実行される。
【0023】
特に、身元確認システムサーバ100として実行されるプログラムとしては、システム登録者DB500にアクセスするためのシステム登録者管理プログラム180と、身元確認対象者DB600にアクセスするための身元確認対象者管理プログラム182と、生体認証情報DB700にアクセスするための生体認証情報管理プログラム184、通知先情報DB800にアクセスするための通知先情報管理プログラム186がある。
【0024】
また、身元確認システムサーバ100がデータベースサーバとして保持するDBは、システム登録者DB500、身元確認対象者DB600、生体認証情報DB700、通知先情報DB800がある。システム登録者DB500は、この身元確認システムの登録対象となる「徘徊者となる可能性」のある人の情報を管理するデータベースである。身元確認対象者DB600は、行方不明になり、家族などから捜索願いが出た者を、身元確認対象者として管理するデータベースである。生体認証情報DB700は、システム登録者が登録した指静脈認証情報を管理するデータベースである。通知先情報DB800は、行方不明になり、家族などから捜索願いが出た者の保護、捜索を依頼する通知先の情報を管理するデータベースである。
【0025】
照会端末200のハードウェア構成としては、例えば、
図5に示されるような一般的なパーソナルコンピュータで実現される。
【0026】
照会端末200は、CPU(Central Processing Unit)202、主記憶装置204、ネットワークI/F206、表示I/F208、入出力I/F210、補助記憶I/F212、シリアルI/F214が、バスにより結合された形態になっている。
【0027】
CPU202は、照会端末200の各部を制御し、主記憶装置204に必要なプログラムをロードして実行する。主記憶装置204は、通常、RAMなどの揮発メモリで構成され、CPU202が実行するプログラム、参照するデータが記憶される。ネットワークI/F206は、ネットワーク60と接続するためのインタフェースである。
【0028】
表示I/F208は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置20を接続するためのインタフェースである。入出力I/F210は、入出力装置を接続するためのインタフェースである。
図3の例では、キーボード230とポインティングデバイスのマウス232が接続されている。補助記憶I/F212は、HDD(Hard Disk Drive)250やDVDドライブ(Digital Versatile Disk)240などの補助記憶装置を接続するためのインタフェースである。
【0029】
シリアルI/F214は、例えば、USB(Universal Serial Bus)インタフェースであり、認証装置280が接続されている。照会端末200に接続されている認証装置280は、徘徊者を保護したときに、身元確認のために、指静脈装置を読取るために用いられる。
【0030】
HDD250は、大容量の記憶容量を有しており、本実施形態を実行するためのプログラムが格納されている。照会端末200には、照会端末クライアントプログラム260、認証装置ドライバ262がインストールされている。
【0031】
照会端末クライアントプログラム260は、認証装置280から読取った指静脈情報により、サーバに問合せて、その結果を表示したり、その他の情報を入力して、サーバのデータベースに問合せて、結果を表示したりするプログラムである。この照会端末クライアントプログラム260は、Webベースのブラウザの機能を含むものであってよい。
【0032】
認証装置ドライバ264は、認証装置280を動作させるためのプログラムである。DVDドライブ240は、DVDやCDなどの光学ディスクにデータを書き込んだり、光学ディスクからデータを読み込んだりする装置であり、照会端末クライアントプログラム260は、例えば、CD−ROMにより提供されたものをインストールすることができる。
【0033】
システム登録者登録端末300のハードウェア構成も、照会端末200と同様に、例えば、
図4に示されるような一般的なパーソナルコンピュータで実現される。
システム登録者登録端末300も、照会端末200と同様に、シリアルI/F314を有し、認証装置380が接続されている。また、システム登録者登録端末300は、さらに、カメラ390が接続されている。シリアルI/F314は、照会端末200と同様に、例えば、USB(Universal Serial Bus)インタフェースである。システム登録者登録端末300に接続されている認証装置380は、システム登録者が、その人の情報を登録するときの、指静脈の読取りに用いられる。また、カメラ390は、その人の情報を登録するときの、システム登録者の撮像に用いられる。
【0034】
また、システム登録者登録端末300に接続されたHDD350には、システム登録者登録端末クライアントプログラム360、認証装置ドライバ362、カメラドライバ364がインストールされている。
【0035】
システム登録者登録端末クライアントプログラム360は、キーボード330やマウス332から入力された情報、認証装置380により、読取った指静脈情報、カメラ390により撮像した画像情報を、身元確認システムサーバ100に登録を依頼するためのプログラムである。このシステム登録者登録端末クライアントプログラム360は、Webベースのブラウザの機能を含むものであってよい。
【0036】
認証装置ドライバ362は、認証装置380を動作させるためのプログラムであり、カメラドライバ364は、カメラ390を動作させるためのプログラムである。
【0037】
身元確認対象者登録端末400のハードウェア構成も、照会端末200やシステム登録者登録端末300と同様に、例えば、
図5に示されるような一般的なパーソナルコンピュータで実現される。ただし、身元確認対象者登録端末400では、認証装置は必ずしも、接続されておらず、キーボード430やマウス433などの入力装置により、身元確認対象者の情報が入力される。
【0038】
また、身元確認対象者登録端末400に接続されたHDD450には、身元確認対象者登録端末クライアントプログラム460がインストールされている。身元確認対象者登録端末クライアントプログラム460は、身元確認対象者登録端末400から、捜索願いが出されている身元確認対象者の情報を入力して、身元確認システムサーバ100に登録を依頼するプログラムである。
【0039】
認証装置280(380も同様)は、
図6に示されるように、光を当てて、指静脈のパターンを読取るための装置である。認証装置280は、光源部282、撮像部284、画像取込部286、シリアルI/F288からなる。
【0040】
光源部282は、例えば、光源としてLED(Light Emitting Diode)を発光させる部分である。撮像部284は、対象を撮像する部分である。通常、光を電気信号に変換するために、CCD(Charge Coupled Device)が用いられる。画像取込部286は、撮像部284により撮像された画像を取り込む部分である。シリアルI/F288は、USBなどのシリアルI/Fによって、端末と接続して、データ、コマンドをやり取りする部分である。
【0041】
次に、
図7Aないし
図10を用いて本発明の一実施形態に係る身元確認システムのデータ構造について説明する。
図7A、
図7Bは、システム登録者テーブルを示す図である。
図8は、身元確認対象者テーブルを示す図である。
図9は、通知先テーブルを示す図である。
図10は、認証テーブルを示す図である。
【0042】
システム登録者テーブル5000は、
図7A、
図7Bに示されるような形式で、この身元確認システムの登録者の情報を登録するためのテーブルであり、一人の登録者に対して、一つのテーブルが作成される。このシステム登録者テーブル5000は、システム登録者DB500の中に格納される。
【0043】
システム登録者ID5010は、このシステム登録者を一意的に識別するための識別子である。写真ID5020は、カメラ390により撮影したシステム登録者の写真を表す識別子である。写真ID5020は、写真データを表すファイル名であってよい。
【0044】
生体認証情報ID5030は、生体認証装置380により採取したシステム登録者の指静脈認証情報を表す識別子であり、後に、説明する認証テーブルのキーとなる情報である。氏名5040には、このシステム登録者の氏名が格納される。旧姓5042は、婚姻により戸籍性を変えたときに、前に名乗っていた性別を格納する。このエントリを設けたのは、認知症の患者の場合は、自分の姓名を名乗るのに、旧姓を名のる場合があるからである。
【0045】
性別5050には、男女の別が格納される。住所5060には、このシステム登録者の住所が格納される。電話番号5070には、このシステム登録者の電話番号が格納される。世帯区分・生活状況5080は、「一人世帯」、「高齢者のみ世帯」、「子と同居」、「施設」などの世帯区分と、現在のシステム登録者の生活状況を格納する。
【0046】
身体情報5090は、システム登録者の身体情報を格納する欄であり、身長5091、体重5092、体格5093、眼鏡5094、聴力5095、頭髪5096などの各々のエントリにシステム登録者の各情報が格納される。ここで、体格5093は、「太め」、「普通」、「痩せ型」などの別、眼鏡5094は、眼鏡の有無を格納する。
【0047】
外出手段5100は、このシステム登録者が外出するときによく使う交通手段を表記する欄であり、「徒歩」、「自転車」、「タクシー」、「電車」などの情報が格納される。特記事項5110は、捜索時に役立つ情報として特に記載する事項、例えば、「出身地」、「前住所」、「職業」、「よく行く場所」、「愛称」、「持ち物」などの情報を格納する。注意事項5120は、保護時にしてほしいこと、対応に注意してほしいことなどを格納する。捜索歴・保護歴5130は、過去に徘徊したことがある場合の日時と状況などの情報を含んだ捜索歴・保護歴を格納する。
【0048】
連絡先5200は、このシステム登録者が保護されたとき、または、なにか事態が発生したときの連絡先を格納する欄であり、氏名5201、続柄5202、住所5203、電話番号5204、Email5206の欄がある。この連絡先5200の欄を複数設けて、複数の連絡先を持てるようにしてもよい。
【0049】
かかりつけ医療機関5300は、このシステム登録者が普段かかっている医療機関の情報であり、名称5301、主治医5302、電話番号5303の欄がある。居宅介護支援5400は、このシステム登録者が普段、居宅で介護支援を受けているときの事業所等に関する情報であり、名称5401、ケアマネージャ5402、電話番号5403の欄がある。地域支援センター5500は、地域支援センターがあるときに記載する欄であり、名称5501、電話番号5502の欄がある。
【0050】
身元確認対象者テーブル6000は、
図8に示されるような形式で、家族など保護を要請する者から、捜索願いが出て、身元確認対象者とする者の情報を格納するためのテーブルであり、一人の身元確認対象者に対して、一つのテーブルが作成される。このシステム登録者テーブル6000は、身元確認対象者DB600の中に格納される。
【0051】
身元確認対象者ID6010は、届けのあった身元確認者を一意的に識別するための識別子である。システム登録者ID6020は、届けのあった身元確認者と、システム登録者を関連付けるための識別子であり、
図7のシステム登録者ID5010に格納された値が関連付けるために格納される。
【0052】
連絡先6030は、身元確認対象者の届出をしたものの情報(届出者情報)を格納する欄であり、氏名6301、続柄6302、住所6303、電話番号6304、Email6306の欄がある。
特記事項6040は、届け出にあたり、届出者が、特に注記したい情報を格納する。
【0053】
通知先テーブル7000は、
図9に示されるような形式で、身元確認対象者の届け出があったときに、連絡や協力を求める通知先の情報を格納するためのテーブルであり、一つの通知先に対して、一つのテーブルが作成される。この通知先テーブル7000は、通知先情報DB800の中に格納される。
【0054】
通知先ID7010は、通知先を一意的に識別するための識別子である。区分7020には、「警察」、「自治体」、「ケアマネージャ」、「ボランティア(個人)」、「ボランティア(法人)」などの通知先の区分がコード化されて格納される。通知先情報7030は、通知先の情報を格納する欄であり、氏名又は名称7031、住所7032、電話番号7033、Email7034の欄がある。
【0055】
認証情報テーブル8000は、
図10に示されるような形式で、テーブルでシステム登録者の生体情報を登録するためのテーブルであり、一人のシステム登録者に対して、一つのテーブルが作成される。
【0056】
生体情報ID8010は、この生体情報をシステム登録者と関連付けるために、
図7Aに示した生体情報ID5030の値が格納される。
【0057】
生態認証データ8020は、そのシステム登録者の指静脈パターンを格納する欄であり、本実施形態では、指静脈パターンが三種類、指静脈パターン1、指静脈パターン2、指静脈パターン3がデジタル化して格納されている。
【0058】
次に、
図11ないし
図17Bを用いて、一実施形態に係る身元確認システムの処理について説明する。
図11は、システム登録者登録画面を示す図である。
図12は、身元確認対象者登録画面を示す図である。
図13は、生体情報登録/認証画面を示す図である。
図14は、照会画面を示す図である。
図15A、
図15Bは、生体情報検索結果画面を示す図である。
図16は、しぼり込み検索画面を示す図である。
図17A、
図17Bは、一実施形態に係る身元確認システムの処理を示すシーケンス図である。
【0059】
以下では、
図17A、
図17Bのシーケンス図に従い、一実施形態に係る身元確認システムの処理を説明する。処理の途中でユーザに示されるユーザインタフェース画面については、その都度参照して説明する。
【0060】
先ず、オペレータがシステム登録者登録端末300から、
図11に示されるシステム登録者登録画面3100を呼び出し、システム登録者に関する情報を入力する(SQ300)。
【0061】
オペレータは、
図4に示したキーボード330やマウス332を用いてシステム登録者登録画面3100からシステム登録者に関する情報を入力することができる。
【0062】
システム登録者登録画面3100は、
図11に示されるように、システム登録者ID欄3102、氏名欄3104、性別欄3106、住所欄3108、電話番号欄3110、写真欄3112、詳細情報ボタン3120、生体情報登録ボタン3130、写真撮影ボタン3140の各エリアを有する。
【0063】
システム登録者ID欄3102には、
図7Aに示されたシステム登録者ID5010を入力するか、既に入力されたシステム登録者ID5010の値を表示する。新規にシステム登録者登録画面3100を呼び出すときには、システム登録者ID5010の値は、一意的であることを前提に、システム側で自動生成してもよい。また、オペレータにシステム登録者ID5010を入力させるときには、既に登録されたシステム登録者ID5010と重複しないかチェックする必要がある。
【0064】
氏名欄3104、性別欄3106、住所欄3108、電話番号欄3110には、それぞれ、
図7Aに示された氏名5040、旧姓5042、性別5050、住所5060、電話番号5070の値を入力する。
【0065】
写真欄3112には、カメラ390により撮影したシステム登録者の上半身写真が表示される。
【0066】
生体情報登録ボタン3130は、生体情報を登録するときにクリックするボタンである。生体情報の登録は、後に説明する。
【0067】
写真撮影ボタン3140は、システム登録者の身体写真を撮影するときにクリックするボタンである。なお、本実施形態の説明では、システム登録者の撮影については、詳細には述べないことにする。
【0068】
詳細情報ボタン3120は、
図11に示した欄以外で、
図7A、
図7Bで説明した詳細な情報を入力する画面を呼び出すためにクリックするボタンである。この詳細な情報の入力についても、省略する。また、本実施形態では、二画面以上でシステム登録者の情報を入力するようにしたが、もちろん、一画面でシステム登録者の全ての情報を入力するようにしてもよい。
【0069】
システム登録者に関する情報を入力し終わると、システム登録者登録端末300は、身元確認システムサーバ100にネットワーク60を介して、リクエストし(A01)、身元確認システムサーバ100は、システム登録者DB500に情報を記憶する(SQ100)。
【0070】
次に、オペレータが、生体情報登録ボタン3120をクリックして、
図13に示した生体情報登録/認証画面3200を呼び出し、読取り開始ボタンをクリックすることにより、生体認証装置380から、システム登録者の指静脈情報が入力される(SQ302)。
【0071】
指静脈情報を読取り終わると、システム登録者登録端末300は、身元確認システムサーバ100にネットワーク60を介して、リクエストし(A02)、身元確認システムサーバ100は、認証情報DB600に情報を記憶する(SQ102)。
【0072】
次に、徘徊した者の家族から、捜索願いが出されるなどの事件が発生したときに、オペレータは、身元確認対象者登録端末400が、
図12に示される身元確認対象者登録画面4100を呼び出し、身元確認対象者に関する情報を入力する(SQ400)。
【0073】
オペレータは、
図5に示したキーボード430やマウス432を用いて身元確認対象者登録画面4100から身元確認対象者に関する情報を入力することができる。
【0074】
身元確認対象者登録画面4100は、
図12に示されるように、身元確認対象者ID4102、システム登録者ID欄4104、氏名欄4110、続柄4112、住所欄4114、電話番号欄4116、Email4118、特記事項4120の各エリアを有する。
【0075】
身元確認対象者ID欄4102には、
図8に示された身元確認対象者ID6010を入力するか、既に入力された身元確認対象者ID6010の値を表示する。新規に身元確認対象者登録画面4100を呼び出すときには、身元確認対象者ID6010の値は、一意的であることを前提に、システム側で自動生成してもよい。また、オペレータに身元確認対象者ID6010を入力させるときには、既に登録された身元確認対象者ID6010と重複しないかチェックする必要がある。
【0076】
システム登録者ID欄4104には、既に登録されているシステム登録者ID5010の値を入力する。
【0077】
また、氏名欄4110、続柄4112、住所欄4114、電話番号欄4116、Email4118の各エリアには、それぞれ、
図8に示した身元確認者テーブル6000に記憶される届出者情報としての氏名6201、続柄6202、住所6203、連絡先電話番号6204、連絡先Email6206の各情報を入力する。
【0078】
また、特記事項4120の欄には、
図8に示した身元確認者テーブル6000の特記事項6040に記憶される情報を入力する。
【0079】
身元確認者に関する情報が入力し終わると、身元確認者登録端末400は、身元確認システムサーバ100にネットワーク60を介して、リクエストし(A03)、身元確認システムサーバ100は、身元確認者DB600に情報を記憶する(SQ104)。
【0080】
さて、徘徊者が保護された場合を考える。徘徊者が保護されたときには、通常、可能な程度で、本人の名前を尋ねるなどの簡単なインタビューがおこなわれる。そして、オペレータは、照会端末200の照会画面2000から、本人情報を入力する(SQ200)。
【0081】
照会画面2000は、
図14に示されるように、氏名欄2000、性別2002、住所欄2004、電話番号欄2006、検索ボタン2010、詳細情報ボタン2020、生体情報認証ボタン2030の各エリアを有する。ここで、ユーザは、本人からインタビューして、氏名、住所、電話番号などの聞き取った情報を入力して、検索ボタン2010をクリックする。また、インタビューにより詳細情報が得られたときには、詳細情報ボタン2020をクリックして、詳細情報入力画面を開き(図示せず)その画面に入力して検索してもよい。
【0082】
そして、身元確認システムサーバ100に問合せて、検索の結果(SQ104)、システム登録者DB500のシステム登録者テーブル5000の該当エントリにマッチする該当者があり、連絡先が見つかるときには(
図17BのSQ202、A05)、その通知先に連絡する(SQ900)。そして、身元引受人が見つかったときには(SQ902)、事件は終息であり、解決したことになる。
【0083】
ただし、徘徊者は、認知症がある程度すすんでいると考えられるため、インタビューよる情報では、本人特定をすることは難しいことが多いと推測される。
【0084】
本実施形態では、そのようなときのために、生体情報として、システム登録者に対して、指静脈認証のための指静脈情報を登録させている。
【0085】
本実施形態で、指静脈認証をおこなうための利点は、徘徊者が認知症の症例が現れていて、本人のことを語れない状況にあるときでも、簡単な処理で心理的抵抗も少なく、本人認証ができることである。
【0086】
特に、いわゆる生体情報による認証方法のうちで、顔認証や指紋認証の場合は、加齢により、顔の形の変形、肌のしわの状況の変化、指紋の摩滅などが状況が発生するため、認証精度が悪くなるが、指静脈認証の場合は、加齢に対しては、認証精度はそれほど悪くはならないという点でそれらの認証方法より優れている。
【0087】
オペレータが指静脈認証をおこなうときには、照会画面2000の生体情報認証ボタン2030をクリックして、
図13に示した生体情報登録/認証画面を呼び出し、被験者の指を認証装置2080にのせて、読取り開始ボタン3202をクリックする。
【0088】
その結果、指静脈情報が入力され(SQ204)、ネットワーク60を介して、その指静脈情報が身元確認システムサーバ100に送られ、生体認証情報DB700の認証情報テーブル8000、システム登録者DB500のシステム登録者テーブル5000を検索して(SQ106)、結果を、照会端末200に返す(A07)。
【0089】
身元確認システムサーバ100は、先ず、認証情報テーブル8000の中の生体認証データ8020のパターンマッチングをおこない、生体情報ID8010を得て、システム登録者DB500のシステム登録者テーブル5000の中から、一致する生体情報ID5030を検索する。
【0090】
検索結果は、照会端末200の
図15Aや
図15Bに示される検索結果画面2100に表示される。
【0091】
検索結果画面2100は、
図15Aに示されるように、検索結果メッセージ欄2102、システム登録者ID表示フィールド2110、身元確認対象者ID表示フィールド2112、詳細情報ボタン2114のエリアがある。
図15Aと、
図15Bの違いは、検索のヒット数が違うことである。
【0092】
システム登録者ID表示フィールド2110は、検索の結果、該当する
図7Aのシステム登録者ID5010の値を表示するフィールドであり、対象者ID表示フィールド2112は、該当する
図8の身元確認対象者ID6010を表示するフィールドである。詳細情報ボタン2114は、それらの詳細表示情報画面(図示せず)を呼び出すためにクリックするボタンである。
【0093】
ここで、検索の結果(SQ206)、ヒットする数が1であるときには、
図15Aの検索結果画面2100が表示される。ここで、検索結果メッセージ欄2102には、「1件がヒットしました」と表示されている。担当者は、詳細情報ボタン214をクリックして、本人の詳細な情報を確認する。その後、担当者は、本人が保護されている旨を連絡先に連絡する(SQ900)。
【0094】
連絡の方法は、担当者が、
図9の通知先テーブル7000に格納された電話番号7033に、必要な情報を伝えるために、電話するようにしてもよいし、Email7034に必要な情報が記載されたEmailが自動作成されるようにし、自動発信するようにしてもよい。
【0095】
そして、身元引受人が見つかったときには(SQ902)、事件は、終息である。
【0096】
検索の結果(SQ206)、ヒットする数が0であるときには、解決の方法は、今の所ないので、保護を継続する(SQ900)。
【0097】
なお、徘徊者が予めシステム登録しているものの、未だ家族が、身元確認対象者の届け出がない場合は、
図15Aにおいて、システム登録者IDに表示されていても、身元確認対象IDは、ブランクである場合も考えられる。そのときでも、詳細情報を確認することにより、システム登録者の連絡先などの詳細情報が得られるので、本システムは有効に機能する。一方、システム登録者IDと身元確認対象IDの両方がヒットしているときには、その本人の家族などが届出を出していることを意味しているので、その徘徊者が探している本人であるという確信が高まることになる。
【0098】
ここで、検索の結果(SQ206)、ヒットする数がn(nは、2以上の整数)であるときには、
図15Bの検索結果画面2100が表示される。ここで、検索結果メッセージ欄2102には、例えば、「3件がヒットしました」と表示されている。担当者は、詳細情報ボタン214をクリックして、本人の詳細な情報を確認し、どれが、正しい検索結果であるか判断する。担当者の判断で正しいと判断されるものがしぼり込めたときには、上記のヒットする数が1であるときと同様の処理をする。
【0099】
一つにしぼり込めないときであっても、詳細情報やインタビューの結果、本人の推測がついて、適切な連絡先が判明するときには(SQ208)、通知先に連絡する(SQ900)。
【0100】
一方、複数のシステム登録者の候補から、一つにしぼり込めず、現段階では、本人の推測もつかないときには、担当者(またはオペレータ)は、しぼり込み検索ボタン2120をクリックして、
図16に示されたしぼり込み検索画面2200を表示する。しぼり込み検索画面2200は、対象DB選択欄2210と、認識対象指選択欄2220、検索開始ボタン2230のエリアを有する。そして、担当者(またはオペレータ)は、対象DB2210の選択をしぼったり、対象DBを狭めたり、認識対象指を複数にするなどの条件設定をすることにより(SQ210)、複数ヒットしたときのしぼり込み検索をおこなう。
【0101】
例えば、前の選択が「全国」であったときで、保護された場所が東京都内であるときには、今度の対象DBの選択を「東京」にし、前の認識対象指の選択が第1指のみであったときに、今度の認識対象指の選択を第1指、第2指、第3指の全てにする。
【0102】
ここで、対象DBの分類は、システム登録者テーブル5000の住所5060から該当する住所(上の例では、住所が「東京」のシステム登録者)のテーブルを抜き出すようにしてもよいし、予めファイル名、あるいは、データベース名で区別されているようにしてもよい。第1指、第2指、第3指の別は、予め、第1指が「右手 人差し指」、第2指が、「右手 中指」などと決めておけばよい。
【0103】
そして、しぼり込み検索画面2200の検索開始ボタン2230が、クリックされると、ネットワーク60を介して、身元確認システムサーバ100に検索の依頼が行き(A08)、設定した条件にしたがって、しぼり込み検索がおこなわれ(再度のSQ106)、ネットワークを介して、その結果が、照会端末200に送られる(A07)。
【0104】
そして、ヒット数にしたがって、以降の処理が繰り返される(SQ206以下)。
なお、徘徊者の保護が継続するときには、状況の推移を見守るか、徘徊者への再インタビュー、しぼり込み条件を変更しての再検索の処置などがおこなわれる。