(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6454512
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】ギター採点機能を備えた装置
(51)【国際特許分類】
G10G 1/00 20060101AFI20190107BHJP
G10H 1/00 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
G10G1/00
G10H1/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-208053(P2014-208053)
(22)【出願日】2014年10月9日
(65)【公開番号】特開2016-80713(P2016-80713A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年8月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】511043437
【氏名又は名称】株式会社コシダカホールディングス
(72)【発明者】
【氏名】腰▲高▼ 博
【審査官】
菊池 智紀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−69900(JP,A)
【文献】
特開2007−156308(JP,A)
【文献】
特開2014−48469(JP,A)
【文献】
特開2007−133151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10G 1/00− 7/02
G10H 1/00− 7/12
G09B 15/00−15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
和音入力のうち、最も音量の大きい音のピッチを検出するピッチ検出手段を有し、検出された音高が、検出時点にノートオン中と認識される1つまたは複数のリファレンスノートのいずれかの音高と一致するか否かを評価基準とする採点装置において、
ノートオン中のリファレンスノートが6音を越えた場合、音程の低い方から6音までを採点の対象とすることを特徴とするギター採点機能を備えた装置。
【請求項2】
ギター採点装置において、
リードギターパートは、単音の音程の採点を行い、
サイドギターパートは、請求項1記載のギター採点機能によりサイドギターパートの採点を行う、ギター採点機能を備えた装置。
【請求項3】
前記請求項2において、
リードギターパートの採点は、タイミングのずれ及び音高のずれの許容度を示す閾値を大きく設定し、
サイドギターパートの採点は、タイミングのずれ及び音高のずれの許容度を示す閾値を小さく設定して採点することを特徴とする請求項2記載のギター採点機能を備えた装置。
【請求項4】
検出したピッチが、リードギターパート及びサイドギターパートのいずれかのリファレンスノートにそれぞれのパートが許容する「ずれ」を適用した範囲内か否かで採点することを特徴とする請求項2乃至3いずれか一項に記載のギター採点機能を備えた装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ギターの採点装置に関し、とくにリードギターの旋律、サイドギターの和音の採点に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人口の高齢化や余暇の拡大にともない、音楽に親しむ人が増えてきている。とくにカラオケの普及により、鑑賞する音楽から参加する音楽への流れはとどまるところを知らない。
【0003】
また、参加する音楽は歌にとどまらず、楽器の演奏においても演奏人口は増えており、よりうまく演奏したいということで意欲的に練習に取り組む人たちも多くなってきている。
【0004】
一方、カラオケの分野ではカラオケ装置の多機能化が進み、歌唱採点機能がついているものがすでに一般的になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-69900号公報
【特許文献2】特開2004-279786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、簡単な構成で正確な演奏評価を実現する撥弦楽器演奏評価装置を提供する。入力された音声を電気信号に変換するマイクロフォンと、そのマイクロフォンにより電気信号に変換された前記撥弦楽器の演奏音と、予め定められた評価基準を比較することにより、前記複数本の弦を1ストローク掻き鳴らす単位弾奏毎に所定の時間間隔で複数回の離散評価を行う離散評価手段と、その離散評価手段による複数回の離散評価に基づいて、その離散評価に対応する単位弾奏を評価する演奏評価手段とを、備えたものであることから、一般的なマイクロフォンで楽器の演奏音を集音するといった簡単な構成により、1ストローク分の演奏動作に対応して複数点の離散評価を行うことで、その1ストロークの演奏において複数の演奏音が混じり合って奏でられる撥弦楽器の演奏を好適に評価することができる。
【0007】
特許文献2は、ハーモニー音程を適切に判定でき、娯楽性を高めるカラオケ装置等を提供する。
楽曲記憶部は、楽曲の伴奏音のMIDIデータを記憶する。ハーモニー情報生成部は、楽曲の再生に先立ち、当該MIDIデータのメロディ情報から、メロディ音程とハモるハーモニー音程を求め、当該ハーモニー音程を規定するハーモニー情報を生成してハーモニー情報記憶部に格納する。そして、伴奏再生部は、当該MIDIデータにしたがって、伴奏音の再生を開始し、音声入力受付部は、ユーザが歌う歌唱音声の入力を受け付け、歌唱音程等を解析する。音程比較部は、当該メロディ情報および当該ハーモニー情報を用いて、解析された歌唱音程を、メロディ音程およびハーモニー音程とそれぞれ比較する。採点部は、比較結果にしたがって、少なくとも音程に係る歌唱力を採点する。
【0008】
特許文献1は、ギターに代表される撥弦楽器の演奏評価に関する技術であるが、1ストローク分の演奏動作に対応する複数点の高速フーリエ変換(FFT)による離散評価を行うものであり、かなり精密な評価ができるが、もっとアバウトでも簡易的に評価ができる事が望ましい。特許文献2は、ハーモニーを構成する音すべてが正確であることが求められるため、素人の歌唱にはやや厳しい採点となる。
【0009】
楽器の音程採点は歌唱の採点と違い、厳密に採点するためには、単音だけでなく和音として聞こえる複数音を同時に評価する必要がある。しかし和音を構成する各音を検出して採点すると、処理が重くなりリアルタイムでは体感的な違和感生じる。
また、和音のすべての音が評価されると、プロ奏者でもない限り、採点が極端に厳しくなり、楽しみが半減してしまうという側面もある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するため、本発明の請求項1は、
和音入力のうち、最も音量の大きい音のピッチを検出するピッチ検出手段
を有し、検出された音高が、検出時点にノートオン中と認識される1つまたは複数のリファレンスノートのいずれかの音高と一致するか否かを評価基準とする採点装置において、
ノートオン中のリファレンスノートが6音を越えた場合、音程の低い方から6つまでを採点の対象とすることを特徴とするギター採点装置である。
【0011】
また本発明の請求項2は、
ギター採点装置において、
リードギターパートは、単音の音程の採点を行い、
サイドギターパートは、請求項1記載の和音採点装置の採点を行うことを特徴とするギター採点装置である。
【0012】
また本発明の請求項3は、
前記請求項2において、
リードギターパートの採点は、タイミングのずれ及び音高のずれの許容度を示す閾値を大きく設定し
サイドギターパートの採点は、タイミングのずれ及び音高のずれの許容度を示す閾値を小さく設定して採点することを特徴とする請求項2記載のギター採点装置である。
【0013】
また本発明の請求項4は、
検出したピッチが、リードギターパート及びサイドギターパートのいずれかのリファレンスノートにそれぞれのパートが許容する「ずれ」を適用した範囲内か否かで採点することを特徴とする請求項2乃至3
いずれか一項に記載のギター採点装置である。
【発明の効果】
【0014】
これにより、リードギターパート、サイドギターパートそれぞれのパートに適した採点が、既存の機能を利用してリアルタイムで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実際に演奏された和音の楽譜イメージを示した説明図である。
【
図2】本発明の請求項3に係るリードギターの採点基準の例。
【
図3】本発明の請求項3に係るサイドギターの採点基準の例
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、請求項1の実施例を図より説明する。
例えば
図1のような「C4・E4・G4・C5・E5・G5(ド・ミ・ソ・ド・ミ・ソ)」の和音の楽譜があり、6つの音が同時に発音されたとする。この場合、
図1の中で最も音量が大きな音の音程が記憶され、評価の対象となる。
【0017】
楽譜では、「C4・E4・G4・C5・E5・G5」の和音があったとする。ここで、
図1のようにノートオンされたリファレンスノートより和音を構成する6音のうち1音が一定の許容範囲にあれば合格とする。
【0018】
請求項2では、リードギターはいわゆるメロディパートなので通常の音程チェックを行い、サイドギターは請求項1の和音採点を利用する。
【0019】
請求項3では、リードギターにおいて単音の採点においては、音符ごとの長さの閾値の幅を広くとり、ある程度のリズムの自由度すなわち、メロディの「溜め」やテンポの揺れを許容するのに対し、サイドギターにおいては上記閾値の幅はリードギターに比して狭い値としてリズムの判定を厳しくする。
【0020】
図2は、リードギターの例である。
図2上は楽譜通りのリファレンスノートであり、許容タイミングの誤差は±100ms、音高の許容誤差は±50centとしており、その許容範囲は
図2中で示される長方形の範囲である。つまり1拍目のC5の四分音符は、リファレンスの音の前後100msまで、音高はC5±50cent(
図2中の1の範囲)まで許容される。
同様に、次のG4の四分音符は、リファレンスノートの音の前後100msまで
図2中の2で示される範囲まで許容される。その結果、
図2下のような入力音声があった場合、長方形の範囲内が許容されるため、この入力音声に対する許容○、不許用×は
図2下のようになる。
つまり、
図2のリードギターの採点においては、C5→G4と変化した場合ある程度の「ため」(遅延)を許容していて、100ms以内のDelay、50cent以内の音程のずれは減点されない。
また、これによりリードギターパートが、ギター特有の演奏技法である「チョーキング」により音程を変化させて演奏した場合、許容音高を広く設定することで減点対象としない対応が可能となる。
【0021】
一方、
図3は、サイドギターの例である。
図3上は楽譜通りのリファレンスノートであり、許容タイミングの誤差は±50ms、音高の許容誤差は±20centとしており、までその許容範囲は
図3中で示される長方形の範囲である。つまりこの四分音符の和音は、リファレンスノートの音の前後50msまで、音高は±20cent(
図3中の3の範囲)まで許容される。
なおこのタイミング許容の差は、固定的なものではなく、リードギターとサイドギターのタイミング誤差の閾値を調整してもよい。
また、サイドギターパートにおいてコードの間に装飾音やオブリガートが入る場合があるが、この場合、旋律の一部としてリードギターパートに記述することで、旋律としての採点対象としてもよい。
【0022】
請求項4では、リードギター・サイドギターを同一人が演奏する場合であっても、演奏するパートごとに採点方法を切り替えて請求項3の採点を行うというものである。
【符号の説明】
【0023】
1 リードギターパートの四分音符C5の許容範囲。
2 リードギターパートの四分音符G4の許容範囲。
3 サイドギターパートの四分音符の許容範囲。