(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上面、下面、連続して形成される第1側面、第2側面、第3側面、及び第4側面を備える6面形状のブロックであって、前記第1側面に入力ポートを備え、前記第1側面に対向する前記第3側面に出力ポートを備え、前記上面に電磁開閉弁が取り付けられる6面形状ブロック体を有する多機能電磁開閉弁において、
前記第2側面の、前記第1側面に近い位置に第1空洞部が形成され、前記第3側面に近い位置に第2空洞部が形成されていること、
前記第4側面の、前記第1側面に近い位置に、前記第1空洞部と連通する第3空洞部が形成され、前記第3側面に近い位置に、前記第2空洞部と連通する第4空洞部が形成されていること、
前記第1空洞部と、前記第3空洞部と、が第1内部空間により連通されていること、
前記第2空洞部と、前記第4空洞部と、が第2内部空間により連通されていること、
前記多機能電磁開閉弁は、前記入力ポートから入力される流体が、前記第1内部空間、前記電磁開閉弁、前記第2内部空間を通り、前記出力ポートに出力される流路が形成されていること、
第1内部空間には、前記第1空洞部から装着される中空形状の回転型手動遮断弁が位置すること、
前記第3空洞部から装着される円筒形状のフィルタが、前記第1内部空間において、前記回転型手動遮断弁の中空部に挿入されていること、
を特徴とする多機能電磁開閉弁。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電磁開閉弁装置には、次のような問題があった。
すなわち、それら複数の機器の組み合わせに対して、上面に電磁開閉弁を取り付けた6面状ブロック内部に、複数の空洞部を形成し、それら複数の機器を装着することは、ケースバイケースで6面状ブロックを設計製作することを意味しており、コンパクト化は実現できるが、設計製作が煩雑であり、個別の装置のコストが高くなる問題があった。
また、1次側に手動遮断弁とフィルタとを取り付けようとしたときに、手動遮断弁とフィルタとを直列的に配置していたため、装置全体が大型化する問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、複数の機器を任意に組み合わせても、装置全体をコンパクトにできる多機能電磁開閉弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の多機能電磁開閉弁は、次のような構成を有している。
(1)上面、下面、連続して形成される第1側面、第2側面、第3側面、及び第4側面を備える6面形状のブロックであって、第1側面に入力ポートを備え、第1側面に対向する第3側面に出力ポートを備え、上面に電磁開閉弁が取り付けられる6面形状ブロック体を有する多機能電磁開閉弁において、第2側面の、第1側面に近い位置に第1空洞部が形成され、第3側面に近い位置に第2空洞部が形成されていること、第4側面の、第1側面に近い位置に、第1空洞部と連通する第3空洞部が形成され、第3側面に近い位置に、第2空洞部と連通する第4空洞部が形成されていること、
第1空洞部と、第3空洞部と、が第1内部空間により連通されていること、第2空洞部と、第4空洞部と、が第2内部空間により連通されていること、多機能電磁開閉弁は、入力ポートから入力される流体が、第1内部空間、電磁開閉弁、第2内部空間を通り、出力ポートに出力される流路が形成されていること、第1内部空間には、第1空洞部
から装着される中空形状の回転型手動遮断弁
が位置すること、第3空洞部
から装着される円筒形状のフィルタが
、第1内部空間において、回転型手動遮断弁の中空部に
挿入されていること、を特徴とする。
【0007】
(2)(1)に記載する多機能電磁開閉弁において、
前記第1内部空間において前記流路から分岐し、前記第2内部空間において前記流路に合流する連通路が形成されていること、
前記第2内部空間には、前記第2空洞部
から装着される回転型手動開閉弁が
位置していること、を特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載する多機能電磁開閉弁において、前記第4空洞部に、
前記出力ポート側に流体が流れていることを確認できる目視用インジケータが装着されていること、を特徴とする。
【0008】
(4)(1)乃至(3)に記載するいずれか1つの多機能電磁開閉弁において、前記6面形状ブロック体と前記電磁開閉弁との間に第2の6面形状ブロック体が挟まれ固定されていること、前記第2の6面形状ブロック体には、前記
第1内部空間と前記電磁開閉弁の入力通路とを連通する第5空洞部が形成され、前記第5空洞部に、流量センサが装着されていること、を特徴とする。
(5)(1)乃至(3)に記載するいずれか1つの多機能電磁開閉弁において、前記6面形状ブロック体と前記電磁開閉弁との間に第2の6面形状ブロック体が挟まれ固定されていること、前記第2の6面形状ブロック体には、前記
第2内部空間と前記電磁開閉弁の出力通路とを連通する第6空洞部が形成され、前記第6空洞部に、逆止弁が
保持されていること、を特徴とする。
(6)(4)に記載する多機能電磁開閉弁において、前記第2の6面形状ブロック体には、前記
第2内部空間と前記電磁開閉弁の出力通路とを連通する第6空洞部が形成され、前記第6空洞部に、逆止弁が
装着されていること、を特徴とする。
【0009】
(7)(1)乃至(6)に記載するいずれか1つの多機能電磁開閉弁において、前記フィルタの内周に軸心方向に移動可能なニードル弁を有すること、を特徴とする。
(8)(1)に記載する多機能電磁開閉弁において、前記第4空洞部に、流量センサが装着されていること、を特徴とする。
(9)(8)に記載する多機能電磁開閉弁において、前記第2空洞部に、逆止弁が装着されていること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の多機能電磁開閉弁は、次のような作用、効果を奏する。
(1)上面、下面、連続して形成される第1側面、第2側面、第3側面、及び第4側面を備える6面形状のブロックであって、第1側面に入力ポートを備え、第1側面に対向する第3側面に出力ポートを備え、上面に電磁開閉弁が取り付けられる6面形状ブロック体を有する多機能電磁開閉弁において、第2側面の、第1側面に近い位置に第1空洞部が形成され、第3側面に近い位置に第2空洞部が形成されていること、第4側面の、第1側面に近い位置に、第1空洞部と連通する第3空洞部が形成され、第3側面に近い位置に、第2空洞部と連通する第4空洞部が形成されていること、第1空洞部に、中空形状の回転型手動遮断弁が装着されていること、第3空洞部に、円筒形状のフィルタが装着され、フィルタは、回転型手動遮断弁の中空部に装着されていること、を特徴とするので、電磁開閉弁の他に、1次側の圧力を遮断し、残圧を排出する手動遮断弁の中空部にフィルタが装着されているため、全体をコンパクトにすることができると同時に、第2空洞部、第4空洞部に、手動開閉弁、目視用インジケータ、流量センサ、逆止弁等の機器を任意に選択して装着できるため、色々な種類の機器を組み合わせて使用するときに、同じ形状の6面状ブロック体を利用できるため、全体のコストを低減することができる。そのときの装置全体の大きさをコンパクト化できる。
【0011】
(2)(1)に記載する多機能電磁開閉弁において、前記第1空洞部と前記第2空洞部とを連通する連通路が形成されていること、前記第2空洞部に、回転型手動開閉弁が装着されていること、を特徴とするので、手動開閉弁を追加仕様とする場合でも、容易に追加することができる。また、手動開閉弁を追加しない場合と追加する場合とで、同じ6面状ブロックを利用できるため、コストダウンを図れる。
(3)(1)または(2)に記載する多機能電磁開閉弁において、前記第4空洞部に、目視用インジケータが装着されていること、を特徴とするので、目視用インジケータを追加仕様とする場合でも、容易に追加することができる。また、目視用インジケータを追加しない場合と追加する場合とで、同じ6面状ブロックを利用できるため、コストダウンを図れる。
【0012】
(4)(1)乃至(3)に記載するいずれか1つの多機能電磁開閉弁において、 前記6面形状ブロックと前記電磁開閉弁との間に第2の6面形状ブロックが挟まれ固定されていること、前記第2の6面形状ブロックには、前記第1空洞部と前記電磁開閉弁の入力通路とを連通する第5空洞部が形成され、前記第5空洞部に、流量センサが装着されていること、を特徴とするので、例えば、第1空洞部の手動遮断弁、第2空洞部のフィルタ、第3空洞部の手動開閉弁、第4空洞部の目視用インジケータを組み合わせた上で、さらに流量センサを取り付けたい場合に、第2の6面形状ブロックの第5空洞部に装着できるため、さらに組み合わせる機器を増加させることができる。また、上下方向に積み増ししているため、設置面積を増やすことなく機器を増加することができる。
【0013】
(5)(1)乃至(3)に記載するいずれか1つの多機能電磁開閉弁において、 前記6面形状ブロックと前記電磁開閉弁との間に第2の6面形状ブロックが挟まれ固定されていること、前記第2の6面形状ブロックには、前記第4空洞部と前記電磁開閉弁の出力通路とを連通する第6空洞部が形成され、前記第6空洞部に、逆止弁が保持されていること、を特徴とするので、逆止弁を追加仕様とする場合でも、容易に追加することができる。
(6)(4)に記載する多機能電磁開閉弁において、前記第2の6面形状ブロックには、前記第4空洞部と前記電磁開閉弁の出力通路とを連通する第6空洞部が形成され、前記第6空洞部に、逆止弁が装着されていること、を特徴とするので、流量センサ及び逆止弁を追加仕様とする場合でも、容易に追加することができる。
【0014】
(7)(1)乃至(6)に記載するいずれか1つの多機能電磁開閉弁において、前記フィルタの内周に軸心方向に移動可能なニードル弁を有すること、を特徴とするので、流量調整弁となるニードル弁を追加仕様とする場合でも、容易に追加することができる。
(8)(1)に記載する多機能電磁開閉弁において、前記第4空洞部に、流量センサが装着されていること、を特徴とするので、流量センサを追加仕様とする場合でも、容易に追加することができる。
(9)(8)に記載する多機能電磁開閉弁において、前記第2空洞部に、逆止弁が装着されていること、を特徴とするので、逆止弁を追加仕様とする場合でも、容易に追加することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した多機能電磁開閉弁1について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、多機能電磁開閉弁1の分解斜視図を示し、
図2に、底面側から見た分解図を示す。また、
図3に正面図を、
図4に背面図を、
図5に
図1の右側面図を示す。また、
図6に
図5のMM断面図を、
図7に
図5のKK断面図を、
図8に
図5のOO断面図を示す。
図3に示すように、多機能電磁開閉弁1は、上面20a、下面20b、連続して形成される第1側面20c、第2側面20d、第3側面20e、及び第4側面20fを備える6面状ブロックである本体20を有する。本体20の上面20aには、電磁開閉弁11が取付部材12により取り付けられている。電磁開閉弁11には、エルボ13、電線接続部14電線接続用端子箱13が連設している、
【0017】
図6に、多機能電磁開閉弁1の内部構造を示す。電磁開閉弁11には、中空状のコイル113の上部中空開口に固定鉄心111が固設されている。コイル113の周囲には、断面がコの字形のヨークが固設されている。コイル113の下部中空開口には、非磁性体からなる可動鉄心ガイド117を介して、可動鉄心114が摺動可能に保持されている。可動鉄心114の下面凹部には、ゴム製の弁体115がはめ込まれている。可動鉄心114は、付勢バネ116により、図中下方向に付勢されている。
取付部材12の上面には、弁体115が当接または離間する弁座121が形成されている。また、取付部材12の内部には、入力通路27と連通すると共に弁室を構成する入力通路12aが形成されている。また、弁座121の内側の弁孔と出力通路28とを連通する出力通路12bが形成されている。
【0018】
図3に示すように、本体20の第1側面(図中左側面)である第1側面20cには、入力ポート21が突出して形成され、第1側面20cと対向する第3側面(図中右側面)である第3側面20eには、出力ポート22が突出して形成されている。
図1に示すように、第4側面20f(
図3では手前に見える。)には、第1側面20cに近い位置に、第3空洞部25(
図1に図示せず。)が形成され、第3空洞部25には、フィルタユニット40が装着されている。
図3では、フィルタユニット40の止め部材45が見えている。
また、
図1に示すように、第4側面20fの第3側面20eに近い位置に、第4空洞部26(
図1に図示せず。)が形成され、第4空洞部26には、目視用インジケータユニット60が装着されている。
図3では、目視用インジケータユニット60のカバー65が見えている。目視用インジケータユニット60は、取付板44により、本体20に4本のボルトで取り付けられている。
【0019】
図1に示すように、第2側面20d(
図4では手前に見える。)には、第1側面20cに近い位置に、第1空洞部23が形成され、第1空洞部には、回転型手動遮断弁である手動遮断弁30が装着されている。
図4では、手動遮断弁30の取手部32が見えている。
また、
図1に示すように、第2側面20dには、第4側面20fに近い位置に、第2空洞部24が形成され、第2空洞部24には、回転型手動開閉弁である手動開閉弁50が装着されている。
図4では、手動開閉弁50の取手部52が見えている。手動遮断弁30及び手動開閉弁50は、取付板33により、本体20に4本のボルトで取り付けられている。
ここで、第1空洞部23と第3空洞部25とは、同径の孔であり、貫通している。また、第2空洞部24と第4空洞部26とは、同径であり、貫通している。また、第1空洞部23と第2空洞部24とは、
図6に示す連通路29により連通している。
【0020】
次に、第1空洞部23に装着される手動遮断弁30と、第3空洞部25に装着されるフィルタユニット40の構造について説明する。
図1、
図2、
図6、及び
図7に示すように、手動遮断弁30は、弁本体31と取手部32を有する。弁本体31は、中空円筒形状であり、外周に遮断壁面部31a、スリット形状の第1開口部31b、及び大きな開口である第2開口部31cを備える。
図4に示すように、取手部32が垂直方向の位置にあるときには、
図6に示すように、弁本体31の第1開口部31bが入力ポート21に連通され、第2開口部31cが本体20に形成された入力通路27に連通している。第1開口部31bをスリット形状にしているのは、フィルタユニット40に流れ込む空気流体の流速を速くしてフィルタの性能を高めるためである。
【0021】
第1空洞部23と第3空洞部25とは連通されており、第3空洞部25から装着されたフィルタユニット40は、手動遮断弁30の弁本体31の中空部に入り込んで装着されている。
図1に示すように、フィルタユニット40は、一対のシール部材42、43の間に円筒形状で外周に大きな開口が形成されたフィルタ支持部材41の外周に円筒形状のフィルタ41a(
図1には図示せず、
図6に図示している。)が備えられている。それらを弁本体31の中空部に直列に装着して、止め部材45により固定されている。
したがって、
図6において、手動遮断弁30の第1開口部31bから流入した空気流体は、フィルタ41aを通過して第2開口部31cを経て、入力通路27に流入する。
【0022】
次に、第2空洞部24に装着される手動開閉弁50と、第4空洞部26に装着される目視用インジケータユニット60の構造について説明する。
図1、
図2、
図6及び
図7に示すように、手動開閉弁50は、弁本体51と取手部52を有する。弁本体51は、中空円筒状であり、外周の90度毎の位置に遮断壁面部51a、第1開口部51b、第2開口部521c、及び第3開口部521dを備えている。
図4では、取手部52が垂直方向に位置しており、
図6に示すように、遮断壁面部51aが連通路29を塞いでおり、同時に、第1開口部51bと第2開口部521cにより、出力通路28と出力ポート22が連通されている。この状態では、手動開閉弁50は、閉じた状態である。
【0023】
第2空洞部24と第4空洞部26とは連通されている。第4空洞部26に装着されている目視用インジケータユニット60は、
図1及び
図2に示すように、内側から保持部材61、ダイヤフラム弁62、移動体63、付勢バネ64、カバー65を備えている。第2空洞部24及び第4空洞部26に空気流体圧が作用していないときには、移動体63は付勢バネ64により付勢され、ダイヤフラム弁62を本体20側に押圧している。第2空洞部24に空気流体圧が作用すると、ダイヤフラム弁62が移動体63を、付勢バネ64の付勢力に抗して外側方向に移動する。それにより、カバー65が押されて、取付板44の外部に突出する。カバー65が取付板44移動体63の先端がカバー65の外側まで突出するのを目視することにより、作業者は、2次側に空気流体圧が作用していることを確認することができる。
【0024】
次に、本発明の多機能電磁開閉弁1の作用について説明する。
図34に示すように、手動遮断弁30の取手部32が非遮断状態(連通状態)にあり、手動開閉弁50が閉弁状態(非開弁状態)にある場合について、始めに説明する。
手動遮断弁30の弁本体31は、
図6の状態にあるため、入力ポート21と入力通路12aとは、入力通路27を介して連通している。連通路29は、手動開閉弁50の弁本体51の遮断壁面部51aにより塞がれているため、入力ポート21と出力ポート22とは、連通路29を介しては連通していない。
次に、
図6の状態からコイル113に通電された場合を説明する。コイル113に通電されると、固定鉄心111が磁石化して、可動鉄心114が付勢バネ116の付勢力に抗して吸引される。これにより、弁体115が弁座121から離間して、入力通路12aと出力通路12b、28と連通する。そして、空気流体が入力ポート21から出力ポート22に向かって流れる。出力ポート22側に空気流体が流れることにより、目視用インジケータユニット60のカバー65が取付板44移動体63がカバー65より突出するため、目視により、開弁して流体が流れていることを確認できる。
【0025】
次に、手動遮断弁30の作用について説明する。
コイル113に通電していない状態で、例えば、メンテナンス作業を始めようとするときには、何かの事情で通電した場合にも、空気流体が流れないように、手動遮断弁30を遮断状態とする必要がある。作業者の安全を確保するためである。
その時には、作業者は、
図4において、手動遮断弁30の取手部32を反時計回りに90度回転させる。これにより、
図6において、弁本体31が時計回り(
図4と
図6ではね反対方向から見ているため、方向が逆となる。)に回転して、遮断壁面部31aが、入力ポート21の孔を塞ぐ。これにより、万が一、コイル113に通電されたとしても、入力ポート21と出力ポート22とが連通することはない。また、手動遮断弁30は、フィルタ41aの目詰まりを解消するメンテナンスの時に流体を遮断することができるため、メンテナンス作業がしやすく、作業時間を短縮する利点がある。
【0026】
次に、手動開閉弁50の作用について説明する。
コイル113に通電していない状態で、例えば、メンテナンス作業において、多機能電磁開閉弁1を開弁して空気流体を流したい場合がある。
そのような場合には、作業者は、
図4において、手動開閉弁50の取手部52を反時計回りに90度回転させる。これにより、
図6において、弁本体51が時計回り(
図4と
図6ではね反対方向から見ているため、方向が逆となる。)に回転して、弁本体51の第3開口部51dと第1開口部51bとを介して連通路29と出力ポート22が連通される。このとき、遮断壁面部51aが、出力通路28の孔を塞いでいる。これにより、コイル113への通電の有無にかかわらず常に、入力ポート21と出力ポート22が連通した状態となり空気流体が供給される。また、手動開閉弁50は、回転の途中で使用すれば、絞り弁の機能を得ることができる。
【0027】
本発明の多機能電磁開閉弁1においては、第1空洞部23に手動遮断弁30を装着し、第3空洞部25にフィルタユニット40を装着することは必須であるが、第2空洞部24に手動開閉弁50を装着するか否かは任意である。同様に、第4空洞部26に目視用インジケータユニット60を装着するか否かは任意である。
すなわち、手動開閉弁50を必要としない顧客に対しては、外周に開口の無い円筒形状の弁本体51´を装着する。この弁本体51´には、取手部52も不要である。また、目視用インジケータユニット60を必要としない顧客に対しては、取付板44の取付孔44bを孔なしとしたものを使用すれば良い。
【0028】
このように使用することにより、電磁開閉弁11、手動遮断弁30、及びフィルタユニット40を付けたAタイプと、Aタイプに手動開閉弁50を追加したBタイプと、Aタイプにも目視用インジケータユニット60を追加したCタイプと、Aタイプに手動開閉弁50及び目視用インジケータユニット60を追加したDタイプとを、同一の本体20を用いて構成できるため、全体のコストを低減することができる。
【0029】
以上、詳細に説明したように、本実施の形態の多機能電磁開閉弁1によれば、(1)上面20a、下面20b、連続して形成される第1側面20c、第2側面20d、第3側面20e、及び第4側面20fを備える6面形状のブロックであって、第1側面20cに入力ポート21を備え、第1側面20cに対向する第3側面20eに出力ポート22を備え、上面20aに電磁開閉弁11が取り付けられる本体20を有する多機能電磁開閉弁1において、第2側面20dの、第1側面20cに近い位置に第1空洞部23が形成され、第3側面20eに近い位置に第2空洞部24が形成されていること、第4側面20fの、第1側面20cに近い位置に、第1空洞部23と連通する第3空洞部25が形成され、第3側面20eに近い位置に、第2空洞部24と連通する第4空洞部26が形成されていること、第1空洞部23に、中空形状の手動遮断弁30が装着されていること、第3空洞部25に、円筒形状のフィルタユニット40が装着され、フィルタユニット40は、手動遮断弁30の中空部に装着されていること、を特徴とするので、電磁開閉弁11の他に、1次側の残圧を排出するための手動遮断弁30の中空部にフィルタユニット40が装着されているため、全体をコンパクトにすることができると同時に、第2空洞部24、第4空洞部26に、手動開閉弁50、目視用インジケータユニット60等の機器を任意に選択して装着できるため、色々な種類の機器を組み合わせて使用するときに、同じ形状を有する本体20を利用できるため、全体のコストを低減することができる。そのときの装置全体の大きさをコンパクト化できる。
【0030】
(2)(1)に記載する多機能電磁開閉弁1において、第1空洞部23と第2空洞部24とを連通する連通路29が形成されていること、第2空洞部24に、手動開閉弁50が装着されていること、を特徴とするので、手動開閉弁50を追加仕様とする場合でも、容易に追加することができる。また、手動開閉弁50を追加しない場合と追加する場合とで、同じ本体20を利用できるため、コストダウンを図れる。
(3)(1)または(2)に記載する多機能電磁開閉弁1において、第4空洞部26に、目視用インジケータユニット60が装着されていること、を特徴とするので、目視用インジケータユニット60を追加仕様とする場合でも、容易に追加することができる。また、目視用インジケータユニット60を追加しない場合と追加する場合とで、同じ本体20を利用できるため、コストダウンを図れる。
【0031】
次に、本発明の第2の実施の形態である多機能電磁開閉弁101について図面に基づいて説明する。なお、第1実施の形態と同じ部分については、同じ符号を付して説明を省略し、相違する点について詳細に説明する。
図9に、多機能電磁開閉弁101の正面図を、
図10に、背面図を、
図11に
図9の右側面図を示す。
図12に、
図11のQQ断面図を示し、
図13に、
図11のRR断面図を示す。
第1実施の形態と相違しているのは、電磁開閉弁11と本体20との間に、第2の6面状ブロックである第2本体70が挟まれて構成されている点である。
【0032】
図12に示すように、本体20には、流量センサ80を装着するための第5空洞部72の一部を構成する凹部202が形成されている。第2本体70には、流量センサ80を装着するための第5空洞部72の一部を構成する凹部71が形成されている。凹部202と凹部71とにより、第5空洞部72が構成されている。第5空洞部72には、流量センサ80が装着されている。
本体20には、逆止弁90を装着するための第6空洞部74の一部を構成する凹部203が形成されている。第5空洞部72は、第1空洞部23と電磁開閉弁11の入力通路12aと連通している。
第2本体70には、逆止弁90を装着するための第6空洞部74の一部を構成する凹部73が形成されている。凹部203と凹部73とにより、第6空洞部74が構成されている。第6空洞部74は、第4空洞部26と電磁開閉弁11の出力通路12bと連通している。
逆止弁90は、逆止弁本体91内に、フロート弁92が、移動可能に保持されている。また、フロート弁92は、付勢バネ93により流れの反対方向に向かって付勢されている。
【0033】
本発明の多機能電磁開閉弁101においては、第5空洞部72に流量センサ80を装着するか否かは任意である。同様に、第6空洞部74に逆止弁90を装着するか否かは任意である。
すなわち、流量センサ80を必要としない顧客に対しては、流量センサ80を装着せずに使用すれば良い。また、逆止弁90を必要としない顧客に対しては、逆止弁90を装着せずに使用すれば良い。
さらに、流量センサ80及び逆止弁90を必要としない顧客に対しては、第2本体70を取り外せば、第1実施の形態と同じように使用することも可能である。
このように使用することにより、第1実施の形態に加えて、流量センサ80の追加の有無、逆止弁90の追加の有無を任意に選択でき、同一の第2本体70を用いて構成できるため、全体のコストを低減することができる。
【0034】
以上詳細に説明したように、第2の実施の形態の多機能電磁開閉弁101によれば、本体20と電磁開閉弁11との間に第2本体70が挟まれ固定されていること、第2本体70には、第1空洞部23と電磁開閉弁11の入力通路12aとを連通する第5空洞部72が形成され、第5空洞部72に、流量センサ80が装着されていること、を特徴とするので、例えば、第1空洞部23の手動遮断弁30、第3空洞部25のフィルタユニット40、第2空洞部24の手動開閉弁50、第4空洞部26の目視用インジケータユニット60を組み合わせた上で、さらに流量センサ80を取り付けたい場合に、第2本体70の第5空洞部72に装着できるため、さらに組み合わせる機器を増加させることができる。また、上下方向に積み増ししているため、設置面積を増やすことなく機器を増加することができる。
【0035】
また、本体20と電磁開閉弁11との間に第2本体70が挟まれ固定されていること、第2本体70には、第4空洞部26と電磁開閉弁11の出力通路12bとを連通する第6空洞部74が形成され、第6空洞部74に、逆止弁90が保持されていること、を特徴とするので、逆止弁90を追加仕様とする場合でも、容易に追加することができる。
また、第2本体70には、第4空洞部26と電磁開閉弁11の出力通路12bとを連通する第6空洞部74が形成され、第6空洞部74に、逆止弁90が保持されていること、を特徴とするので、流量センサ80及び逆止弁90を追加仕様とする場合でも、容易に追加することができる。
【0036】
次に、本発明の第3の実施の形態である多機能電磁開閉弁201について図面に基づいて説明する。なお、第1実施の形態と同じ部分については、同じ符号を付して説明を省略し、相違する点について詳細に説明する。
図14に、多機能電磁開閉弁201の正面図を示し、
図15に右側面図を示す。
図16に、
図14のZZ断面図を示し、
図17に、
図15のHH断面図を示す。
図17に示すように、第1空洞部23には、手動遮断弁30が装着されている。第3空洞部25には、フィルタとニードル弁とが一体に組み立てられたフィルタニードル組立210が装着されている。ニードル弁211は、外周の雄ネジが、本体20の雌ネジとネジ結合され、移動可能である。ニードル先端212aは、フィルタ本体212の端面に形成されたニードル孔2121aに相対している。フィルタ本体212には、フィルタ213が取り付けられている。
図17に示すように、第2空洞部24と第4空洞部26とは、一体的に構成されている。すなわち、開口は1つであり、第2空洞部24の奥側に第4空洞部26が位置している。第2空洞部24には、逆止弁90が装着されている。また、第4空洞部26には、流量センサ80が装着されている。
【0037】
以上説明したように、第3実施の形態の多機能電磁開閉弁201によれば、フィルタ213の内周に軸心方向に移動可能なニードル弁211を有すること、を特徴とするので、流量調整弁となるニードル弁211を追加仕様とする場合でも、容易に追加することができる。
また、第4空洞部26に、流量センサ80が装着されていること、を特徴とするので、流量センサ80を追加仕様とする場合でも、容易に追加することができる。
また、第2空洞部24に、逆止弁90が装着されていること、を特徴とするので、逆止弁90を追加仕様とする場合でも、容易に追加することができる。
【0038】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で色々な応用が可能である。