特許第6454516号(P6454516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6454516
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】凍結乾燥味噌スープの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 23/10 20160101AFI20190107BHJP
【FI】
   A23L23/10
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-222873(P2014-222873)
(22)【出願日】2014年10月31日
(65)【公開番号】特開2016-86692(P2016-86692A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年8月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】715011078
【氏名又は名称】アサヒグループ食品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(74)【代理人】
【識別番号】100121474
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 俊之
(72)【発明者】
【氏名】三部 周子
【審査官】 西 賢二
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−158162(JP,A)
【文献】 特開2005−270058(JP,A)
【文献】 特開平09−271349(JP,A)
【文献】 特開昭56−005044(JP,A)
【文献】 特開2008−289418(JP,A)
【文献】 NHK「あさイチ」で話題になった粉かつおとだし袋,[オンライン],2014年 3月14日,[2018年6月7日検索],インターネット,URL,https://ameblo.jp/umamikaori/entry-11795239105.html
【文献】 ひと手間もかけずに「美味しいみそ汁」!エッ、たったそれだけでここまで変わるの!?,[オンライン],2014年 3月12日,[2018年6月7日検索],インターネット,URL,https://www.j-cast.com/tv/2014/03/12199029.html
【文献】 メッシュ(mesh)、粒度(mm、ミクロン)の換算表・書き方・読み方・計算式 - 粉末/粉体/パウダー,[オンライン],2008年,[2018年6月7日検索],インターネット,URL,http://kunisan.jp/gomi/mesh_microns_powder_grain_size.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 23/00−25/10
A23L 27/00−27/40
A23L 27/60
日経テレコン
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)〜(d)の工程を含む、凍結乾燥味噌スープの製造方法;
(a)少なくとも味噌と水とを含有するスープベースを加熱調製する工程、
(b)予め均一に混合しておいた粉末節類と具材とを個食用容器に充填する工程、
(c)前記加熱調製済みのスープベースを前記個食用容器に注入する工程、
(d)これらの食材を前記個食用容器ごと凍結乾燥する工程。
【請求項2】
前記粉末節類の粒度が目開き0.5mmの篩を通過する大きさである、請求項1に記載の凍結乾燥味噌スープの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯を注ぐだけで復元して喫食することができる凍結乾燥味噌スープの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術として、特許文献1及び2に記載されたものがある。これらは、凍結乾燥技術(フリーズドライ)を用いて製造された即席味噌汁であって、お湯をかければ直ちに復元して喫食できるという手軽さに加え、熱風乾燥又は噴霧乾燥したものに比べて食材の風味の変質・劣化が少ないという利点がある。
【0003】
他方、近年の日本人のグルメ志向に伴い、インスタント食品の分野においても、高付加価値化の波が押し寄せている。これは、即席味噌汁についても例外ではなく、より品質の高い製品が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭58−158162号公報
【特許文献2】特開昭61−088864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、かかる観点から、凍結乾燥技術を用いた即席味噌汁の風味をさらに改善するべく、素材となる鰹節等の節類に着目し、節類の風味のより効いた凍結乾燥味噌汁を製造することを試みた。
【0006】
しかしながら、従来の凍結乾燥味噌汁の場合、節類からだし等の旨味成分を抽出するために、凍結乾燥処理の前段階において、節類を熱湯で加熱するとともに味噌等を投入してスープベースを調製し、このスープベースを必要な具材とともに予備凍結した後、真空下で凍結乾燥させていた。このため、節類はスープベースを調製する過程で相当程度加熱されることになり、これを凍結乾燥した場合には節類の風味が変質・劣化する要因となっていた。
【0007】
特に、粒度の小さい粉末節類を使用した場合、単位重量当たりの表面積が大きいため、一方で風味に富むものの、より変質・劣化しやすいという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、節類の風味の変質・劣化を抑制し、節類の風味の効いた凍結乾燥味噌スープの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の(a)〜(d)の工程を含む凍結乾燥味噌スープの製造方法である。
(a)少なくとも味噌と水とを含有するスープベースを加熱調製する工程、
(b)予め均一に混合しておいた粉末節類と具材とを個食用容器に充填する工程、
(c)前記加熱調製済みのスープベースを前記個食用容器に注入する工程、
(d)これらの食材を前記個食用容器ごと凍結乾燥する工程。
【0010】
本発明によれば、少なくとも味噌と水とを含有するスープベースを加熱して調製した後、個食用容器内で初めて粉末節類とスープベースとを接触させるため、香りの引き立ちやすい粉末節類を使用しながら、製造工程中の節類の加熱を最小限にとどめることができ、復元時の注湯により効果的に節類の風味を引き立てることができる。
【0011】
ここで、前記粉末節類の粒度が目開き0.5mmの篩を通過する大きさであることが好ましい。粉末節類の粒度を目開き0.5mmの篩を通過する大きさにした場合には、節類の風味をより引き立てることができる。
【0012】
また、前記粉末節類は、前処理した具材とともに個食用容器に充填されるようにすることが好ましい。この場合には、粉末節類とスープベースとの接触が具材を伴う環境下で行われるため、スープベースの余熱からも粉末節類を守ることができ、風味の変質・劣化を一層効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、香りの高い粉末節類を使用しながら、風味の変質・劣化を極力抑えることができるので、加熱処理を避けることのできない凍結乾燥味噌スープであっても、節類の風味を効かせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
1.スープベース加熱調製工程(a)
本発明では、まず、凍結乾燥味噌スープの素となる味噌スープ用のスープベースを調製する。
かかるスープベースの調製に当たっては、通常用いられる原材料、例えば、味噌、だし類、調味料等を使用することができる。使用する味噌の種類は問わない。複数種類の味噌を混合して使用してもよい。これらの原材料を熱湯中で混合して、一般的な味噌スープ用スープベースと同様の液状スープベースを製造すればよい。
【0016】
ここで、当該スープベースにおける味噌と水との配合割合としては、「味噌:加水」の重量比でみて、「100:40」〜「100:300」の範囲が好ましく、より好ましくは「100:60」〜「100:280」の範囲、さらに好ましくは「100:80」〜「100:260」の範囲、特に好ましくは「100:100」〜「100:240」の範囲である。しかし、かかる記載は、味噌と水との配合割合を上記比率のものに限定する趣旨ではない。
【0017】
本発明は、後述するように、後段の工程で粉末節類を使用することを特徴とするものであるが、かかる粉末節類とは別に、このスープベース加熱調製工程(a)の段階で鰹節等の節類(粉末又はフレーク状を問わない)を使用してもよい。ここで使用する節類は、後段の工程で使用する節類と同一種類のものであっても、また異なる種類のものであってもよい。
【0018】
2.粉末節類充填工程(b)
次に、粉末節類を個食用容器に充填する。
個食用容器としては、そのまま凍結乾燥処理に耐えうるものを使用するのが好ましい。
【0019】
使用する節類の種類としては、鰹節、宗田節、鮪節、鯖節、鰯節、秋刀魚節、鯵節等、種々のものを使用することができる。本枯節、枯節又は荒節の別も問わない。複数種類のものを混合して使用してもよい。
【0020】
粉末節類の粒度としては、できるだけ小さな粉末状のものが好ましく、特に目開き0.5mmの篩を通過する大きさであることが好ましい。粉末節類の粒度を目開き0.5mmの篩を通過する大きさにした場合には、節類の風味をより引き立てることができるからである。なお、この点に関して、より好ましい粉末節類の粒度は目開き0.35mmの篩を通過する大きさであり、さらに好ましい粉末節類の粒度は目開き0.25mmの篩を通過する大きさである。しかし、かかる記載は、粉末節類の粒度が0.5mmを超えるものを除外する趣旨ではない。
【0021】
粉末節類の調製には、クラッシャー粉砕や衝撃式分級機内蔵型粉砕機による粉砕等、種々の粉砕手段を使用することができる。
【0022】
3.スープベース注入工程(c)
前記工程(a)で準備したスープベースを、前記工程(b)における粉末節類の充填に先立って又はそれよりも後に、あるいは同時に、個食用容器に注入する。前記工程(b)と工程(c)の順序は問わない。スープベースの注入には、一般的な充填機を用いることができる。
【0023】
なお、本発明の凍結乾燥味噌スープに具材を添加するか否かについては、適宜選択することができる。具材を添加する場合、前記工程(a)の段階においてスープベースと混合しておいてもよいし、スープベースとは別に具材を用意してそれを後述する凍結乾燥処理までの間にスープベースと混合して両者を一緒に凍結乾燥処理してもよい。これらの場合は、スープと具材とがブロック状に一体化した凍結乾燥味噌スープを得ることができる。他方、スープのみを凍結乾燥させ、それとは別に具材のみを用意して、それを凍結乾燥品としての味噌スープに別添ないし同梱して、製品として提供してもよい。
【0024】
使用できる具材の種類は特に限定されず、種々の具材を使用することができる。一応の例示としては、種々の野菜類、茸類、根菜類、魚介類、海藻類、肉類等である。
【0025】
しかし、スープに具材を添加する場合において、特に好ましいのは、粉末節類と一緒に具材を添加することである。粉末節類と一緒に具材を添加する場合は、予め粉末節類と具材とを均一に混合しておくことが好ましい。これにより、個食用容器への充填時の粉末節類の飛散を防止できる上、スープベースとの混合の際に、具材によってスープベースの余熱から節類粉末を守ることができ、風味の劣化を一層効果的に防止することができる。
【0026】
粉末節類と一緒に具材を添加する場合、充分な加熱処理を伴わないことから、予め必要な前処理を行っておくことが好ましい。ここでいう前処理には、単に食べやすい大きさに切っておいたり、一定の加熱が必要な具材については下茹で等を行っておいたりすることなども含まれる。どのような前処理をどの程度行うかは、見映えや食べやすさの観点、あるいは具材の種類や性質等に応じて適宜選択することができる。
【0027】
この具材の前処理という点に関しては、以下のような方法も採用することができる。すなわち、必要な具材をそれぞれ別個に又は全部一緒にボイルして加熱処理し、これらの具材を均一に混合した後、これを板状に成形して凍結しておき、これを一定量ずつ切断して使用するという方法である(例えば特許文献1参照)。このように前処理した具材を使用すれば、複数種類の具材を使用する場合であっても、簡便な方法で具材の種類及び重量を製品間でほぼ均一にできるという利点がある。かかる具材とともに粉末節類を使用する場合は、前記工程(b)の段階において、上記のように前処理した具材(凍結状態であっても解凍されていてもよい)を個食用容器内に投入するとともに、粉末節類を投入すればよい。両者の投入の順序は問わない。さらに、この場合においても、粉末節類と具材とを個食用容器に投入する前に予め混合しておいてもよい。
【0028】
4.凍結乾燥処理工程(d)
上記のように個食用容器内に投入されたスープベースと粉末節類(及び必要に応じて種々の具材)との混合物を個食用容器のまま凍結乾燥処理工程に付す。凍結乾燥処理に当たっては、常法の凍結乾燥処理を使用することができる。すなわち、冷凍庫において予備凍結させた後、減圧下で水分を昇華させることにより、本発明の凍結乾燥味噌スープが得られる。なお、本発明では一般的な凍結乾燥処理工程を使用することができる。一例を挙げれば、庫内温度−20℃以下の条件で予備凍結させ、次いで、真空(減圧)下で昇温させることにより水分(氷)を昇華させるという方法である。
【0029】
以上のようにして製造された凍結乾燥味噌スープは、ブロック状の形状をしており、喫食するに当たっては、当該ブロックを容器に入れてお湯を注げば直ちに復元し、喫食できる状態となる。
このようにして得られた凍結乾燥味噌スープは、お湯をかけて復元することにより、直ちに節類の香りが高い味噌スープを得ることができる。
【0030】
なお、本発明の「味噌スープ」には、一般的な味噌汁が含まれることはもちろん、ラーメン用スープや鍋物用スープなども含まれる。また、味噌を使用した洋風スープも含まれる。
【実施例】
【0031】
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0032】
1.実施例1・2及び比較例1・2
《実施例1》
味噌、旨味調味料(酵母エキス)、酸化防止剤(ビタミンE)及び水をニーダーで加熱混合し、味噌汁用の液状スープベースを調製した。実施例1では、この段階では、粉末鰹節(粉末節類)を使用しなかった。使用した各原材料の一食当たりの分量及び合計量は以下のとおりである。
・味噌 14.400g
・旨味調味料(酵母エキス) 0.400g
・酸化防止剤(ビタミンE) 0.026g
・水 25.174g
・合計量 40.000g
【0033】
他方、味噌汁用の具材としてなめこを使用し、予め不要な部位を取り除いた後、なめこをボイルして加熱処理し、これを一食分ずつ取り分けて本実施例の具材とした。一食当たりのなめこ(具材)の分量は約19gである。
【0034】
次に、粉末節類として目開き0.25mmの篩を通過する大きさの粉末鰹節を用意し、上記のように前処理した具材(なめこ)と粉末鰹節とを予め混合して、これを個食用容器に充填した。一食当たりの粉末鰹節の分量は0.4gである。
【0035】
この個食用容器に前記のように調製したスープベースを注入し、個食用容器ごと冷凍庫に収納し、庫内温度−20℃以下にして予備凍結させた。その後、これを常法により真空下で昇温させて凍結乾燥処理し、一食分のブロック状の凍結乾燥味噌汁を得た。これを実施例1とした。
【0036】
《実施例2》
実施例1で使用した粉末鰹節と粒度のみが異なる粉末鰹節を使用して凍結乾燥味噌汁を製造し、実施例2とした。具体的には、目開き0.35mmの篩を通過する大きさの粒度の粉末鰹節を使用し、実施例1と同様の手順で凍結乾燥味噌汁を製造して、これを実施例2とした。使用した粉末鰹節の粒度以外の点は実施例1と同様である。
【0037】
《比較例1》
味噌、粉末鰹節、旨味調味料(酵母エキス)、酸化防止剤(ビタミンE)及び水をニーダーで加熱混合し、味噌汁用の液状スープベースを調製した。ここで使用した粉末鰹節は、実施例1で使用したものと種類・粒度ともに同一である(粒度は目開き0.25mmの篩を通過する大きさである)。
各原材料の一食当たりの分量及び合計量は以下のとおりである。
・味噌 14.400g
・粉末鰹節 0.400g
・旨味調味料(酵母エキス) 0.400g
・酸化防止剤(ビタミンE) 0.026g
・水 24.774g
・合計量 40.000g
【0038】
他方、具材としては、実施例1に使用したものと同じ具材(なめこ)を使用し、これを個食用容器に充填した。使用した具材(なめこ)の一食当たりの分量は実施例1と同様である。但し、実施例1と異なるのは、比較例1ではこの段階で粉末節類を使用しなかった点である。
【0039】
この個食用容器に前記のように調製したスープベースを注入し、個食用容器ごと凍結乾燥させた。凍結乾燥処理の内容及び条件は実施例1と同様である。このようにして得られた一食分の凍結乾燥味噌汁を比較例1とした。
【0040】
《比較例2》
実施例2で使用した目開き0.35mmの篩を通過する大きさの粒度の粉末鰹節を使用し、比較例1と同様の手順で凍結乾燥味噌汁を製造して、これを比較例2とした。粉末鰹節の粒度以外の点は比較例1と同様である。
【0041】
《実施例1・2及び比較例1・2の評価》
このようにして得られた実施例1・2及び比較例1・2に係るブロック状の凍結乾燥味噌汁をそれぞれ容器に入れ、お湯を注いで復元し、喫食できる状態にした。そして、これらについて、5名のパネラーによって、それぞれの鰹節の「香り」と「味」とを官能評価した。評価結果は表1に示すとおりである。なお、評価基準は比較例1・2を評点3とした場合の評点1〜5の5段階相対評価であり、評点1は「弱い」、評点2は「少し弱い」、評点4は「少し強い」、評点5は「強い」である。表1の各項目欄に記載の数値は、その平均値である。
【0042】
【表1】
【0043】
表1に示すとおり、実施例1と比較例1とは同じ種類・分量・粒度の粉末鰹節を使用しながら、実施例1は比較例1よりも鰹節の「香り」及び「味」のいずれの点においても優れていた。
また、実施例2と比較例2とを比較しても、両者は同じ種類・分量・粒度の粉末鰹節を使用しているにもかかわらず、実施例2は比較例2よりも鰹節の「香り」及び「味」のいずれの点においても優れていた。
【0044】
2.実施例3及び比較例3
次に、実施例1・2及び比較例1・2で使用した鰹節とは異なる種類の鰹節を使用して上記とほぼ同様の試験を行った。以下、これについて説明する。
【0045】
《実施例3》
実施例1で使用した鰹節とは異なる種類の鰹節を用意し、これを目開き0.5mmの篩を通過する大きさの粒度に調製した。そして、この粉末鰹節を使用して凍結乾燥味噌汁を製造し、これを実施例3とした。使用した粉末鰹節の種類及び粒度以外の点は実施例1と同様である。
【0046】
《比較例3》
実施例3で使用した目開き0.5mmの篩を通過する大きさの粒度の粉末鰹節を使用して、比較例1と同様の手順で凍結乾燥味噌汁を製造し、これを比較例3とした。使用した粉末鰹節の種類及び粒度以外の点は比較例1と同様である。
【0047】
《実施例3及び比較例3の評価》
実施例3及び比較例3に係るブロック状の凍結乾燥味噌汁をそれぞれ容器に入れ、お湯を注いで復元し、喫食できる状態にした。そして、これらについて、5名のパネラーによって鰹節の「香り」と「味」とを官能評価した。評価結果は表2に示すとおりである。なお、評価基準及び評価方法等は前述のものと同様である。
【0048】
【表2】
【0049】
表2に示すとおり、同じ種類・分量・粒度の鰹節粉末を使用しながら、実施例3は比較例3よりも鰹節の「香り」及び「味」のいずれの点においても優れていた。