特許第6454518号(P6454518)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6454518
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】分析装置および分析方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20190107BHJP
【FI】
   G01N35/02 G
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-225001(P2014-225001)
(22)【出願日】2014年11月5日
(65)【公開番号】特開2015-111116(P2015-111116A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2017年6月26日
(31)【優先権主張番号】特願2013-230656(P2013-230656)
(32)【優先日】2013年11月6日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000162478
【氏名又は名称】協和メデックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 陽介
【審査官】 草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−146970(JP,A)
【文献】 特開平04−147038(JP,A)
【文献】 特開平02−168163(JP,A)
【文献】 特開平10−245400(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0305302(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレートの分析装置であって、
前記複数のプレートの各プレートは、複数の凹部を有し、
前記複数のプレートに検体又は試薬の分注を行う複数の分注エリアと、
前記複数の分注エリアの各エリアにそれぞれ設けられた分注機と、
分注が行われた前記複数のプレートをインキュベーションするインキュベーションエリアと、
前記インキュベーションエリアと前記分注エリアとの間で前記プレートを搬送する搬送手段と
を備える分析装置において、
前記複数のプレートに対する分注動作が同時進行し、かつ、一の分注エリアにおいて一の分注機で分注された前記プレートのインキュベーションの時間が最も短く設定されたインキュベーションが終了した直後、他の分注エリアにおいて他の分注機で次の分注を行う分析装置。
【請求項2】
以下の第1〜第4工程を含む方法に使用する分析装置であって、前記最もインキュベーションの時間が短い工程が第3工程である、請求項1に記載の分析装置。
第1工程:前記プレートへ検体の分注を行ってインキュベーションする工程
第2工程:前記プレートを洗浄して標識抗体液の分注を行ってインキュベーションする工程
第3工程:前記標識抗体液が分注された前記プレートを洗浄して発色基質液の分注を行ってインキュベーションする工程
第4工程:前記発色基質液の分注を行った前記プレートに反応停止液の分注を行ってシグナル強度を測定する工程
【請求項3】
前記プレートが、抗体又は抗原が固相化された複数の凹部を有するプレートである請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
複数のプレートの分析方法であって、
前記複数のプレートの各プレートは、複数の凹部を有し、
複数の分注エリアにそれぞれ設けられた分注機によって前記複数のプレートへの検体又は試薬の分注を行う分注工程と、
前記複数のプレートを洗浄エリアで洗浄する洗浄工程と、
前記複数のプレートをインキュベーションエリアでインキュベーションするインキュベーション工程と、
を含み、かつ、前記分注工程と前記インキュベーション工程とを複数回含む分析方法において、
前記複数のプレートを前記分注エリア、前記洗浄エリア、および前記インキュベーションエリアに搬送する搬送工程を含み、
前記分注工程において、前記複数のプレートに対する分注動作が、前記複数の分注エリアで同時進行し、
一の分注エリアにおいて一の分注機で分注された前記プレートのインキュベーションの時間が最も短く設定されたインキュベーションが終了した後、他の分注エリアにおいて他の分注機で次の分注を行う分析方法。
【請求項5】
以下の第1〜第4工程を含む方法であって、前記最も時間が短いインキュベーション工程が第3工程である、請求項4に記載の分析方法。
第1工程:検体の分注工程の後にインキュベーション工程を行う工程
第2工程:前記プレートの洗浄工程後に標識抗体液の分注工程を行い、その後インキュベーション工程を行う工程
第3工程:前記標識抗体液の分注を行った前記プレートの洗浄工程後に発色基質液の分注工程を行い、その後インキュベーション工程を行う工程
第4工程:前記発色基質液の分注を行った前記プレートへの反応停止液の分注工程の後にシグナル強度を測定する測定工程を行う工程
【請求項6】
前記プレートが、抗体又は抗原が固相化された複数の凹部を有するプレートである請求項5に記載の分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体を自動で分析する分析装置および分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の凹部を有するプレートを用いる分析において、抗体が固相化された凹部に生体試料等の検体を分注して、検体の分析を行う分析装置が知られている。
【0003】
この種の分析装置として、回転テーブルで検体を移動させ、回転テーブルに隣接して具備された各分注作業に対する分注ユニットにて複数回分注を行う技術が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、複数回の分注をすべて一か所の分注ステージで行う技術が開示されている(特許文献2参照)。
【0005】
また、プレートを用いた分析装置ではないが、分注作業に対する複数の分注機構を配置した装置が開示されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−350452号公報
【特許文献2】特開2006−105754号公報
【特許文献3】特開2002−189033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の技術では、1回の分注に対して1台の分注ユニットが必要となり、また、回転テーブルを必要とするため分析装置全体が大型化してしまう。また、特許文献2の技術では、分注をすべて一か所の分注ステージで行うため、1種類の試薬の分注中に他の試薬を分注できず、処理能力の向上を図れない。また、特許文献3の技術では、分注機構と搬送装置とが一体となって移動するため、当該搬送装置を用いて分注作業を行っている間は搬送作業ができず、処理能力の向上を図れない。
【0008】
本発明は上記事実を考慮し、装置の小型化を実現でき、かつ短時間に多くの検体を処理することのできる分析装置および分析方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、複数のプレートの分析装置であって、前記複数のプレートの各プレートは、複数の凹部を有し、前記複数のプレートに検体又は試薬の分注を行う複数の分注エリアと、前記複数の分注エリアの各エリアにそれぞれ設けられた分注機と、分注が行われた前記複数のプレートをインキュベーションするインキュベーションエリアと、前記インキュベーションエリアと前記分注エリアとの間で前記プレートを搬送する搬送手段と、を備える分析装置において、前記複数のプレートに対する分注動作が同時進行し、かつ、一の分注エリアにおいて一の分注機で分注された前記プレートのインキュベーションの時間が最も短く設定されたインキュベーションが終了した直後、他の分注エリアにおいて他の分注機で次の分注を行う。
【0010】
上記の構成によれば、複数回行われる分注のうち最もインキュベーションの時間が短い工程の後の分注を、その他の分注とは別の分注エリア及び別の分注機で行うため、その他の分注を行う分注機の作業が妨げられることがない。つまり、最もインキュベーションの時間が短い工程の後の分注と、その他の分注とを同時進行できるため、時間当たりの分析処理量が増える。
【0011】
また、分注エリア間に分注機とは別に搬送手段が設けられるため、プレートの搬送作業のために分注機の作業が妨げられることがなく、分注作業と搬送作業とを同時進行できるため、時間当たりの分析処理量が増える。
さらに、最もインキュベーションの時間が短い工程の後の分注以外の分注作業はすべて1台の分注機で行うこともでき、分注作業の回数と同じ数の分注機が設けられる装置と比べて、装置の小型化を実現できる。
さらに、上記の構成によれば、プレートの複数の凹部に複数の検体を分注することができ、1枚のプレートを分析することによって複数の検体を同時に分析することができるため、また、異なる分注動作を同時進行させることができるため、短時間に多くの検体を処理することができる。
【0014】
請求項2に記載の分析装置は、以下の第1〜第4工程を含む方法に使用する分析装置であって、前記最もインキュベーションの時間が短い工程が第3工程である、請求項1に記載の分析装置。
第1工程:前記プレートへ検体の分注を行ってインキュベーションする工程
第2工程:前記プレートを洗浄して標識抗体液の分注を行ってインキュベーションする工程
第3工程:前記標識抗体液が分注された前記プレートを洗浄して発色基質液の分注を行ってインキュベーションする工程
第4工程:前記発色基質液の分注を行った前記プレートに反応停止液の分注を行ってシグナル強度を測定する工程
【0015】
上記の構成によれば、最もインキュベーションの時間が短い第3工程の後の第4工程の分注を、第1〜第3工程の分注機とは別の分注機で行う。したがって、第1〜第3工程の分注と第4工程の分注とを同時進行できるため、時間当たりの分析処理量が増える。また、第1〜第3工程の分注作業はすべて1台の分注機で行うことができ、分注作業の回数と同じ数の分注機が設けられる装置と比べて、装置の小型化を実現できる。
【0016】
請求項3に記載の分析装置は、前記プレートが、抗体又は抗原が固相化された複数の凹部を有するプレートである請求項2に記載の分析装置。
【0017】
上記の構成によれば、プレートの抗体又は抗原が固相化された複数の凹部に複数の検体を分注することができ、1枚のプレートを分析することによって複数の検体を同時に分析することができるため、時間当たりの分析処理量が増える。
【0018】
請求項4に記載の分析方法は、複数のプレートの分析方法であって、前記複数のプレートの各プレートは、複数の凹部を有し、複数の分注エリアにそれぞれ設けられた分注機によって前記複数のプレートへの検体又は試薬の分注を行う分注工程と、前記複数のプレートを洗浄エリアで洗浄する洗浄工程と、前記複数のプレートをインキュベーションエリアでインキュベーションするインキュベーション工程と、を含み、かつ、前記分注工程と前記インキュベーション工程とを複数回含む分析方法において、前記複数のプレートを前記分注エリア、前記洗浄エリア、および前記インキュベーションエリアに搬送する搬送工程を含み、前記分注工程において、前記複数のプレートに対する分注動作が、前記複数の分注エリアで同時進行し、一の分注エリアにおいて一の分注機で分注されたプレートのインキュベーションの時間が最も短く設定されたインキュベーションが終了した直後、他の分注エリアにおいて他の分注機で次の分注を行う
【0019】
上記の構成によれば、複数回行われる分注工程のうち最も時間が短いインキュベーション工程の後に行う分注工程を、その他の分注工程とは別の分注エリア及び別の分注機で行うため、その他の分注工程の作業が妨げられることがない。つまり、最も時間が短いインキュベーション工程の後に行う分注工程と、その他の分注工程とを同時進行できるため、時間当たりの分析処理量が増える。
【0020】
また、分注工程とは別に、プレートを分注エリア、洗浄エリア、およびインキュベーションエリアに搬送する搬送工程を含むため、プレートの搬送のために分注工程が妨げられることがなく、分注工程と搬送工程とを同時進行できるため、時間当たりの分析処理量が増える。
さらに、最も時間が短いインキュベーション工程の後に行う分注工程以外の分注工程はすべて1台の分注機で行うこともでき、分注工程の回数と同じ数の分注機が設けられる装置と比べて、装置の小型化を実現できる。
上記の構成によれば、プレートの複数の凹部に複数の検体を分注することができ、1枚のプレートの分析工程によって複数の検体を同時に分析することができるため、また、異なる分注動作を同時進行させることができるため、短時間に多くの検体を処理することができる。
【0023】
請求項5に記載の分析方法は、以下の第1〜第4工程を含む方法であって、前記最も時間が短いインキュベーション工程が第3工程である、請求項4に記載の分析方法。
第1工程:検体の分注工程の後にインキュベーション工程を行う工程
第2工程:前記プレートの洗浄工程後に標識抗体液の分注工程を行い、その後インキュベーション工程を行う工程
第3工程:前記標識抗体液の分注を行った前記プレートの洗浄工程後に発色基質液の分注工程を行い、その後インキュベーション工程を行う工程
第4工程:前記発色基質液の分注を行った前記プレートへの反応停止液の分注工程の後にシグナル強度を測定する測定工程を行う工程
【0024】
上記の構成によれば、最も時間が短いインキュベーション工程である第3工程の後の第4工程の分注工程を、第1〜第3工程の分注機とは別の分注機で行う。したがって、第1〜第3工程の分注工程と第4工程の分注工程とを同時進行できるため、時間当たりの分析処理量が増える。また、第1〜第3工程の分注工程はすべて1台の分注機で行うことができ、分注工程の回数と同じ数の分注機が設けられる装置と比べて、装置の小型化を実現できる。
【0025】
請求項6に記載の分析方法は、請求項5に記載の分析方法であって、前記プレートが、抗体又は抗原が固相化された複数の凹部を有するプレートである。
【0026】
上記の構成によれば、プレートの抗体又は抗原が固相化された複数の凹部に複数の検体を分注することができ、1枚のプレートの分析工程によって複数の検体を同時に分析することができるため、時間当たりの分析処理量が増える。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、装置の小型化を実現でき、かつ短時間に多くの検体を処理することのできる分析装置および分析方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の分析装置の概略構成を示す正面図である。
図2】(A)は本発明の反応プレートを示す斜視図であり、(B)は検体プレートを示す斜視図である。
図3】本発明の搬送装置が示された分析装置の正面図である。
図4図1に示す分析装置の4−4線断面図である。
図5】本発明の分析手順を説明するためのフローチャート(その1)である。
図6】本発明の分析手順を説明するためのフローチャート(その1に続くその2)である。
図7】本発明の分析手順を説明するためのフローチャート(その2に続くその3)である。
図8】本発明の分析手順を説明するためのフローチャート(その3に続くその4)である。
図9】本発明の分析手順を説明するためのフローチャート(その4に続くその5)である。
図10】本発明の分析手順を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面に基づいて、本発明の一実施形態に係る分析装置10について説明する。
[分析装置の全体概略構成]
図1に示すように、分析装置10は、箱状の筐体12を備えており、筐体12の上下方向中間部には、筐体内部を上下に区画する第1の棚板14が配置されている。
第1の棚板14の上側には、装置左側(図面矢印L方向側)に反応プレート16を複数枚格納可能とする反応プレートストッカ18が設けられている。反応プレートストッカ18は、装置左側に分注前の反応プレート16を格納する格納部を12個備え、装置右側(図面矢印R方向側)に分注後の反応プレート16を格納する格納部を12個備えている。
【0030】
図2(A)に示すように、反応プレート16は矩形状に形成され、上部には複数(本実施形態では、8×12=96個)の凹部16Aが形成されている。これらの凹部16Aには予め一次抗体が固相化されている。また、反応プレート16の側面には、反応プレート16を識別するためのバーコード17が付与されている。
【0031】
図1に示すように、反応プレートストッカ18の装置右側には、試薬容器を装填する試薬容器ステージ19が2個設けられている。例えば、装置左側の試薬容器ステージ19の試薬容器20に標識抗体液を入れ、装置右側の試薬容器ステージ19の試薬容器22に発色基質液を入れることができる。なお、装置左側の試薬容器ステージ19の試薬容器20に発色基質液を入れ、装置右側の試薬容器ステージ19の試薬容器22に標識抗体液を入れても良い。ここで、標識抗体とは、検出可能な物質(例えば、色、蛍光、光等)を生成し得る標識が抗体に結合してなるものである。標識としては、例えば、酵素、蛍光物質、発光物質等が挙げられる。
【0032】
試薬容器ステージ19の装置右側には、分注ステージ26が設けられている。分注ステージ26は、反応プレート16を載置する第1分注台26A、及び、検体プレート23を搭載する第2分注台26Bを備えている。第1分注台26A、及び第2分注台26Bには、図示しない加振装置が設けられている。
【0033】
なお、図2(B)に示すように、検体プレート23も反応プレート16と同様に矩形状に形成され、上部には複数(本実施形態では、8×12=96個)の凹部23Aが形成されている。これらの凹部23Aには検査を行う検体(液体の試料)が入れられる。また、検体プレート23の側面には、検体プレート23を識別するためのバーコード24が付与されている。
【0034】
分注ステージ26の装置右側には、ディスポチップボックス28を配置するディスポチップ配置部30が設けられている。ディスポチップボックス28には、後述する第1分注ユニット38に用いる交換用のディスポチップ(図示省略)が複数収容される。
【0035】
ディスポチップ配置部30の装置右側には、検体プレート23を複数枚格納するための検体プレートストッカ32が設けられている。検体プレートストッカ32は、装置左側に使用前の検体プレート23を格納する格納部を12個備え、装置右側に使用後の検体プレート23を格納する格納部を12個備えている。
【0036】
筐体12の背面側に設けられる背面板34には、装置左右方向に沿って分注ユニット支持レール36が取り付けられている。この分注ユニット支持レール36には、図示しないガイドブロックがスライド自在に支持されており、このガイドブロックに第1分注ユニット38が取り付けられている。また、背面板34には、第1分注ユニット38を移動する図示しない駆動装置が取り付けられている。
【0037】
第1分注ユニット38は、ディスポチップを下端において着脱自在に支持する8本分の分注ノズル38Aと、分注ノズル38Aを上下方向に移動する駆動装置38B、液体の真空吸引、及び真空吸引した液体の吐出を行う図示しない吸排装置等を備えている。この分注ノズル38Aの先端にはディスポチップ(図示省略)が装着され、第1分注ユニット38は、ディスポチップから液体を真空吸引し、また、真空吸引した液体を吐出することができる。
【0038】
第1の棚板14と筐体12の底板40との間の空間は、仕切り壁42によって装置幅方向に区画され、仕切り壁42の装置左側には、複数(本実施形態では12個)のインキュベータ44が配置されている。インキュベータ44は、図示しない加熱ヒータを備えており反応プレート16を収容して所定の反応温度に保持(インキュベーション)する。
【0039】
仕切り壁42の装置右側には、第1の棚板14と底板40との間を上下に区画する第2の棚板46が配置されている。
第1の棚板14と第2の棚板46との間には、装置左側から第2分注ユニット48、測光分析ユニット50、洗浄ユニット52が順に配置されている。
【0040】
第2分注ユニット48は、反応停止液を分注するためのものであり、1本の分注ノズル48Aと、分注ノズル48Aを上下方向に移動する駆動装置48Bと、反応停止液容器49と、分注台53と、図示しない吸排装置と加振装置とを備えている。第2分注ユニット48は、反応停止液容器49に入れられている反応停止液を分注ノズル48Aを通して反応プレート16の凹部16Aに吐出する。
【0041】
洗浄ユニット52は、反応プレート16の凹部16Aに洗浄液を吐出し、凹部16Aに吐出された洗浄液を吸引する。
また、測光分析ユニット50は、反応プレート16の凹部16Aに所定の波長の光を投光するための投光器、凹部16Aを透過した光を受光するための受光器等を含んで構成されており、所定の波長で強度(吸光度、蛍光強度、発光強度等)を測定することにより、検体(試料)の分析を行う。
【0042】
第2の棚板46と底板40の間には、格納部55Aが設けられており、この格納部55Aにはラック格納装置55が設けられている。このラック格納装置55には、複数のディスポチップを収容したディスポチップボックス28を多段に複数(本実施形態では、16個)収納したディスポチップラック54が格納される。
【0043】
[搬送装置]
図3、4にしたがって、反応プレート16、検体プレート23、及びディスポチップボックス28を搬送する搬送装置56の構成を説明する。
図3、4に示すように、右側壁12R、及び左側壁12Lには、装置正面側に、昇降用スライドレール58が鉛直方向に取り付けられている。
一方の昇降用スライドレール58と他方の昇降用スライドレール58との間には、長手方向を装置幅方向とした水平アーム60が配置されている。
水平アーム60の両端部には、昇降用スライドレール58に沿って移動自在に支持される昇降用スライドブロック61が取り付けられている。
【0044】
さらに、右側壁12R、及び左側壁12Lには、昇降用スライドレール58の近傍に、鉛直方向に配置された送りねじ62が軸受64を介して回転自在に取り付けられている。この送りねじ62は、回転時等に振れが生じないように、一対の軸受64で上部及び下部が支持されている。
送りねじ62の下端には、後述する無端の昇降用タイミングベルト66が巻き掛けられる送りねじ用タイミングプーリー68が取り付けられている。
【0045】
底板40の装置幅方向中央には、一対の方向変換用タイミングプーリー70が配置されている。方向変換用タイミングプーリー70は、底板40に固定された軸71に回転自在に支持されている。
【0046】
底板40の装置幅方向中央には、回転軸(図示省略)を下方に向けた昇降用モーター72が装置奥側に配置されている。昇降用モーター72の回転軸には、昇降駆動用タイミングプーリー74が取り付けられている。
【0047】
これら昇降駆動用タイミングプーリー74、送りねじ用タイミングプーリー68、及び方向変換用タイミングプーリー70には、昇降用タイミングベルト66が略T字状に巻き掛けられている。これにより、昇降用モーター72を回転させることで一対の送りねじ62を同期して回転させることができる。
【0048】
水平アーム60の両端部には、送りねじ62に螺合するナット部材76が取り付けられている。したがって、送りねじ62を回転させることで、ナット部材76が送りねじ62の軸方向に沿って移動し、水平アーム60を昇降させることが出来る。
【0049】
水平アーム60には、反応プレート16、検体プレート23、及びディスポチップボックス28の受け渡しを行うハンドユニット78、及びハンドユニット78をアーム長手方向(装置左右方向)に移動するハンドユニット左右移動装置80が設けられている。
【0050】
(ハンドユニット左右移動装置)
先ず、ハンドユニット左右移動装置80の構成を説明する。
水平アーム60の上面には、アーム長手方向に沿ってスライドレール82が取り付けられている。スライドレール82には、図示しないスライドブロックがレール長手方向にスライド自在に支持されており、このスライドブロックの上面にハンドユニット78が取り付けられている。
【0051】
また、水平アーム60には、一対のタイミングプーリー(図示せず)に架け渡された無端のタイミングベルト84がスライドレール82と平行に配置されている。一方のタイミングプーリーは、装置幅方向移動用モーター88によって回転される。
ハンドユニット78はタイミングベルト84に連結されており、タイミングベルト84を装置幅方向移動用モーター88で駆動することで、ハンドユニット78を水平アーム60の長手方向に沿って移動させることが出来る。
【0052】
ハンドユニット78は開閉ハンド装置100を備えており、開閉ハンド装置100は、図示しないアクチュエータで装置前後方向(矢印F方向、及び矢印B方向)へ移動される。
開閉ハンド装置100は、反応プレート16、検体プレート23、及びディスポチップボックス28を側部から把持する一対のハンド102を備えている。一対のハンド102は装置前後方向に沿って延びており、図示しないアクチュエータで互いに接離する方向(装置幅方向)に開閉移動する。
【0053】
また、開閉ハンド装置100には、反応プレート16のバーコード17、及び検体プレート23のバーコード24を読み取るバーコードリーダー90が設けられている。
【0054】
本実施形態の分析装置10は、分注ステージ26、第1分注ユニット38、インキュベータ44、搬送装置56、第2分注ユニット48、測光分析ユニット50、洗浄ユニット52等の装置各部の作動を制御する制御装置91を備えている。
制御装置91は、コンピュータ等を含んで構成されており、各種設定や入力を行うキーボード等の入力装置92、入力した情報、装置の作動状況等を表示する表示装置93、ブザー等の警報装置94が接続されている。コンピュータには、装置各部を制御するためのプログラムが記憶されている。
【0055】
本実施形態の搬送装置56で、ハンドユニット78を装置幅方向に移動する場合は、装置幅方向移動用モーター88を回転させてタイミングベルト84を駆動する。これにより、タイミングベルト84に連結されたハンドユニット78を装置幅方向に移動することが出来る。
【0056】
一方、ハンドユニット78を昇降する場合は、昇降用モーター72を回転させる。昇降用モーター72の回転力は、昇降駆動用タイミングプーリー74、昇降用タイミングベルト66、及び送りねじ用タイミングプーリー68を介して送りねじ62に伝達され、送りねじ62が回転することで、ハンドユニット78を搭載した水平アーム60が昇降する。
【0057】
本実施形態の搬送装置56では、反応プレート16、検体プレート23、及びディスポチップボックス28等の把持対象物を把持して搬送することができる。
【0058】
ハンドユニット78で、例えば、反応プレート16を把持する場合には、反応プレート16の正面にハンドユニット78を移動し、一対のハンド102を開いて、ハンドユニット78を反応プレート16に向けて前進させる。ハンド102を反応プレート16の側部に配置し、その後、一対のハンド102を閉じることで反応プレート16を把持することができる。
【0059】
そして、ハンド102で反応プレート16を把持した後、反応プレート16を若干持ち上げてハンドユニット78を後退させ、ハンドユニット78を装置幅方向及び上下方向に移動することで所望の受け渡し場所へ反応プレート16を移動することができる。
なお、検体プレート23、及びディスポチップボックス28も反応プレート16と同様にして搬送することができる。
【0060】
本実施形態によれば、第1分注ユニット38、第2分注ユニット48とは別に搬送装置56が設けられており、第1分注ユニット38と、第2分注ユニット48と、搬送装置56とが、干渉し合うことなくそれぞれ独立して駆動される。
【0061】
次に、図5図9に示すフローチャートにしたがって、本発明の一実施形態に係る分析装置10における検体の分析方法および分析手順を説明する。なお、以下の実施形態では、反応プレートの凹部に一次抗体を固相化し、標識抗体液として酵素標識抗体液を用いる2ステップサンドイッチ免疫測定法の例を示す。
【0062】
先ず、最初に、凹部16Aに一次抗体が固相化された新品の反応プレート16を反応プレートストッカ18の左側の格納部にセットし、反応プレートストッカ18の右側の格納部は空けておく。また、検体(例えば、血清等)を凹部23A入れた検体プレート23を検体プレートストッカ32に左側の格納部にセットし、検体プレートストッカ32の右側の格納部は空けておく。装置左側の試薬容器ステージ19の試薬容器20に酵素標識抗体液を入れ、装置右側の試薬容器ステージ19の試薬容器22に発色基質液を入れておく。また、第2分注ユニット48の反応停止液容器49には反応停止液を入れ、洗浄ユニット52には洗浄液を準備しておく。
【0063】
また、入力装置92を操作して、検体を入れる検体プレート23のID(バーコード24に含まれている)と、検体プレート23のどの凹部23Aに検体を入れたかの情報、検体を分析するための反応プレート16のID(バーコード17に含まれている)、検体のID(検体を提供した人物を特定するためのもの)とを対応させる。
【0064】
スタートボタンを押すと、先ずステップ200では、ハンドユニット78が検体プレートストッカ32の左側の格納部に移動し、バーコードリーダー90が検体プレート23のバーコード24を読み取って照合を行う。
【0065】
ステップ200において、照合した検体プレート23が、これから搬送すべき正規のものであると判断されるとステップ202へ進み、ハンドユニット78は検体プレートストッカ32から照合した検体プレート23を把持して第2分注台26Bへ搬送する。一方、ステップ200において、照合した検体プレート23が、これから搬送すべき正規のものではないと判断されるとステップ204へ進んで警報装置94で警報を出し、搬送装置56の作動を停止する。
【0066】
ステップ206では、ハンドユニット78が反応プレートストッカ18に移動し、バーコードリーダー90が反応プレート16のバーコード17を読み取り、反応プレート16の照合を行う。
照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものであると判断されるとステップ208へ進み、ハンドユニット78は照合した反応プレート16を把持して第1分注台26Aへ搬送する。一方、照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものではないと判断されるとステップ210へ進んで警報装置94で警報を出し、搬送装置56の作動を停止する。
【0067】
ステップ212では、第1分注ユニット38が検体プレート23の凹部23Aに入れられた検体を吸引し、吸引した検体を反応プレート16の凹部16Aに分注する(分注時間としては、例えば5分。)。
なお、第1分注ユニット38で検体等の液体の吸引、吐出を行う際には、予めディスポチップ配置部30に配置したディスポチップボックス28に収容された新品のディスポチップを、分注ノズル38Aを下降させることで分注ノズル38Aの先端に装着して行う。吐出終了後には、使用済みのディスポチップを分注ノズル38Aから取り外して回収箱(図示省略)に回収する。以後、第1分注ユニット38で検体等の液体の吸引、吐出を行う際には同様の動作を行う(なお、図5、7、8のフローチャートでは、ディスポチップの取り付け、取り外しのステップを省略している。)。
【0068】
ステップ213では、ハンドユニット78が第2分注台26Bに移動し、バーコードリーダー90が第2分注台26Bに配置されている検体プレート23のバーコード24を読み取り、検体プレート23の照合を行う。照合した検体プレート23が、これから搬送すべき正規のもの(使用済み)であると判断されるとステップ214へ進み、ハンドユニット78は照合した検体プレート23を把持して検体プレートストッカ32の右側の格納部へ搬送する。一方、照合した検体プレート23が、これから搬送すべき正規のものではないと判断されるとステップ215へ進んで警報装置94で警報を出し、搬送装置56の作動を停止する。
【0069】
次のステップ216では、ハンドユニット78が第1分注台26Aに移動し、バーコードリーダー90が反応プレート16のバーコード17を読み取り、反応プレート16の照合を行う。照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものであると判断されるとステップ217へ進み、ハンドユニット78は照合した反応プレート16を把持してインキュベータ44へ搬送する。一方、照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものではないと判断されるとステップ218へ進んで警報装置94で警報を出し、搬送装置56の作動を停止する。
【0070】
ステップ220では、インキュベータ44でインキュベーション動作が行われる。すなわち、インキュベータ44で、反応プレート16が所定温度で所定時間(例えば、60分)保温される。これにより、一次抗体と検体中の抗原との反応(一次反応)が促進される。一次反応により、一次抗体と抗原との免疫複合体1が生成される。また、反応プレート16がインキュベータ44で保温されている間、次の検体において上記ステップ200〜ステップ218が実行される。
【0071】
次のステップ222では、ハンドユニット78のバーコードリーダー90がインキュベータ44に配置されている反応プレート16のバーコード17を読み取り、反応プレート16の照合を行う。照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものであると判断されるとステップ224へ進み、ハンドユニット78は照合した反応プレート16を把持して洗浄ユニット52に搬送する。一方、照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものではないと判断されるとステップ226へ進んで警報装置94で警報を出し、搬送装置56の作動を停止する。
【0072】
ステップ228では、洗浄ユニット52から洗浄液が反応プレート16の凹部16Aに吐出され、次いで、凹部16Aから洗浄液を含む混合液が吸引されて、凹部16A内の不要な不純物が洗い流される(洗浄時間としては、例えば3分)。なお、この吐出と吸引は複数回繰り返されてもよい。
ステップ230では、ハンドユニット78のバーコードリーダー90が、洗浄ユニット52に配置されている反応プレート16のバーコード17を読み取り、反応プレート16の照合を行う。照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものであると判断されるとステップ232へ進み、ハンドユニット78は照合した反応プレート16を把持して第1分注台26Aに搬送する。一方、照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものではないと判断されるとステップ234へ進んで警報装置94で警報を出し、搬送装置56の作動を停止する。
【0073】
ステップ236では、第1分注ユニット38が試薬容器20から酵素標識抗体(標識化二次抗体)液を吸引し、吸引した酵素標識抗体液を反応プレート16の凹部16Aに分注し、反応プレート16を振動させて酵素標識抗体液を撹拌する(酵素標識抗体分注動作。分注、撹拌時間としては、例えば3分)。
【0074】
ステップ238では、ハンドユニット78のバーコードリーダー90が、第1分注台26Aに配置されている反応プレート16のバーコード17を読み取り、反応プレート16の照合を行う。照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものであると判断されるとステップ240へ進み、ハンドユニット78は照合した反応プレート16を把持してインキュベータ44に搬送する。一方、照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものではないと判断されるとステップ242へ進んで警報装置94で警報を出し、搬送装置56の作動を停止する。
【0075】
ステップ244では、インキュベータ44で、反応プレート16が所定温度で所定時間(例えば、60分)保温される(インキュベーション動作)。これにより、一次反応により生成された、一次抗体と抗原との免疫複合体1と、酵素標識抗体との反応(二次反応)が促進される。二次反応により、一次抗体、抗原、及び酵素標識抗体の免疫複合体2が生成される。また、反応プレート16がインキュベータ44で保温されている間、次の検体において上記ステップ222〜ステップ242が実行される。
【0076】
ステップ246では、ハンドユニット78のバーコードリーダー90がインキュベータ44に配置されている反応プレート16のバーコード17を読み取り、反応プレート16の照合を行う。照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものであると判断されるとステップ248へ進み、ハンドユニット78は照合した反応プレート16を把持して洗浄ユニット52に搬送する。その後、ステップ250へ進んで、洗浄ユニット52から洗浄液が反応プレート16の凹部16Aに吐出され、次いで、凹部16Aから洗浄液を含む混合液が吸引されて、凹部16A内の不要な酵素標識抗体が洗い流される(洗浄時間としては、例えば3分)。なお、この吐出と吸引は複数回繰り返されてもよい。
一方、照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものではないと判断されるとステップ252へ進んで警報装置94で警報を出し、搬送装置56の作動を停止する。
【0077】
ステップ254では、ハンドユニット78のバーコードリーダー90が洗浄ユニット52に配置されている反応プレート16のバーコード17を読み取り、反応プレート16の照合を行う。照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものであると判断されるとステップ256へ進み、ハンドユニット78は照合した反応プレート16を把持して第1分注台26Aへ搬送する。一方、照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものではないと判断されるとステップ258へ進んで警報装置94で警報を出し、搬送装置56の作動を停止する。
【0078】
ステップ256では、第1分注ユニット38で試薬容器22から発色基質液を吸引し、吸引した発色基質液を反応プレート16の凹部16Aに分注し、反応プレート16を振動させて発色基質液を撹拌する(発色基質分注動作。分注、撹拌時間としては、例えば3分)。
ステップ260では、ハンドユニット78のバーコードリーダー90が第1分注台26Aに配置されている反応プレート16のバーコード17を読み取り、反応プレート16の照合を行う。照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものであると判断されるとステップ262へ進み、ハンドユニット78は照合した反応プレート16を把持してインキュベータ44に搬送する。
一方、照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものではないと判断されるとステップ264へ進んで警報装置94で警報を出し、搬送装置56の作動を停止する。
【0079】
ステップ266では、インキュベータ44で、反応プレート16が所定温度で所定時間(例えば、30分)保温される(インキュベーション動作)。これにより、二次反応によって生成された免疫複合体2に含まれる標識と発色基質との反応(発色反応)が促進されて発色する。また、反応プレート16がインキュベータ44で保温されている間、次の検体において上記ステップ246〜ステップ264が実行される。
【0080】
ステップ268では、ハンドユニット78のバーコードリーダー90が、インキュベータ44に配置されている反応プレート16のバーコード17を読み取り、反応プレート16の照合を行う。照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものであると判断されるとステップ270へ進み、ハンドユニット78は照合した反応プレート16を把持して第2分注ユニット48に搬送する。一方、照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものではないと判断されるとステップ272へ進んで警報装置94で警報を出し、搬送装置56の作動を停止する。
【0081】
ステップ273では、第2分注ユニット48で反応停止液を反応プレート16の凹部16Aに分注(分注時間としては、例えば3分)し、反応プレート16を振動させて反応停止液を撹拌する。これにより、免疫複合体2に含まれる標識と発色基質との反応(発色反応)が停止される。
【0082】
ステップ274では、ハンドユニット78のバーコードリーダー90が、第2分注ユニット48に配置されている反応プレート16のバーコード17を読み取り、反応プレート16の照合を行う。照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものであると判断されるとステップ276へ進み、ハンドユニット78は照合した反応プレート16を把持して測光分析ユニット50に搬送する。
一方、照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものではないと判断されるとステップ278へ進んで警報装置94で警報を出し、搬送装置56の作動を停止する。
【0083】
ステップ280では、測光分析ユニット50において、反応プレート16の凹部16Aに所定の波長の光が投光されて凹部16A内の溶液の吸光度が測定され、検体の分析、すなわち検体中の抗原量の測定が行われる(分析時間としては、例えば3分)。
【0084】
ステップ282では、ハンドユニット78のバーコードリーダー90が、測光分析ユニット50に配置されている反応プレート16のバーコード17を読み取り、反応プレート16の照合を行う。照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものであると判断されるとステップ284へ進み、ハンドユニット78は照合した反応プレート16を把持して反応プレートストッカ18の右側に搬送する。これにより、検体の分析が終了する。
一方、照合した反応プレート16が、これから搬送すべき正規のものではないと判断されるとステップ286へ進んで警報装置94で警報を出し、搬送装置56の作動を停止する。
【0085】
以上説明した様に、本実施形態の搬送装置56は、ハンドユニット78がこれから搬送しようとする搬送対象物である反応プレート16や検体プレート23を把持する前に、バーコードリーダー90で、バーコード17またはバーコード24を読み取って工程表と照合を行い、照合を行った反応プレート16や検体プレート23が正規のものであると判断された場合に、照合された反応プレート16や検体プレート23を挟持して次の工程へ搬送するので、例えば、オペレータが工程の途中で誤って反応プレート16や検体プレート23の配置を変えたり、他の反応プレート16や検体プレート23を空いているユニット等に配置しても、反応プレート16や検体プレート23を間違った工程へ搬送して間違った処理を行うことは無く、正確に分析することができる。
【0086】
また、ハンドユニット78が把持しようとした反応プレート16や検体プレート23がこれから処理を行うべき正規なものでない場合には、警報装置94が警報を出すので、オペレータは、反応プレート16や検体プレート23の配置に間違いがあることが分かる。
さらに、警報が出されて搬送装置56が停止すると、ハンドユニット78が配置の間違った反応プレート16または検体プレート23の前で停止するので、オペレータは、停止したハンドユニット78の前に配置されている反応プレート16または検体プレート23が、間違って配置されているものであると分かる。
【0087】
以上の分析方法、分析手順においては、特定の反応プレート16に着目して一連の動作を説明した。しかし、実際の分析方法、分析手順では、第1分注ユニット38と、搬送装置56と、第2分注ユニット48とが並列的に作動されることによって、複数の反応プレート16の分析がわずかにタイミングをずらして重複して行われる。
【0088】
図10に上記に例示した時間で手順が進行した場合の複数の反応プレート16の状態を示す。反応プレート16は、まず5分間検体の分注が行われ、60分間保温される(1回目の保温)。その後、3分間洗浄が行われ、3分間酵素標識抗体液の分注が行われる。そして、60分間保温された後(2回目の保温)、3分間洗浄が行われ、3分間発色基質液の分注が行われる。最後に、30分間保温された後(3回目の保温)、3分間反応停止液の分注が行われ、反応停止液を撹拌した後に3分間測光分析が行われる。
【0089】
図10に示すように、1枚目の反応プレート16のインキュベータ44での1回目の保温の間(ステップ220)、第1分注ユニット38では2枚目〜12枚目までの11枚の反応プレート16の分注動作(ステップ212)を行うことができる。また、1枚目の反応プレート16の2回目の保温の間(ステップ244)、第1分注ユニット38では2枚目〜12枚目までの11枚の反応プレート16の分注動作(ステップ236)を行うことができる。
【0090】
上記に例示した時間において、反応プレート16の3度目の保温(ステップ266)の時間は30分であり、1度目及び2度目の保温時間である60分より短い。したがって、1枚目の反応プレート16の3回目の保温が終了したとき、第1分注ユニット38はまだ7枚目の反応プレート16の分注動作(ステップ256)中となる。ここで、本実施形態では、反応プレート16の3度目の保温後の反応停止液分注動作を第1分注ユニット38とは異なる第2分注ユニット48にて行うため、第1分注ユニット38の分注動作を妨げることがない。したがって、第1分注ユニット38の分注動作と第2分注ユニット48の分注動作とを同時進行できるため、短時間に多くの検体を分析することができる。
【0091】
また、第1分注ユニット38、第2分注ユニット48とは別に搬送装置56が設けられており、反応プレート16や検体プレート23の移動はすべて搬送装置56によって行われる。したがって、第1分注ユニット38と、第2分注ユニット48の分注動作が妨げられることがなく、分注動作と搬送装置56による搬送動作とを同時進行できるため、短時間に多くの検体を分析することができる。
【0092】
また、反応プレート16の3回目の保温が終了した後の反応停止液の分注動作のみ第2分注ユニット48で行い、その他の分注動作はすべて第1分注ユニット38で行うことができるため、分注ユニットは2台しか必要がなく、装置の小型化を実現できる。
【0093】
[その他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0094】
上記の実施形態では反応プレート16の3回目の保温時間が最も短いため、その後の反応停止液の分注動作を第2分注ユニット48で行ったが、第2分注ユニット48で分注を行うのは反応停止液でなくてもよい。例えば、反応プレート16の2回目の保温時間が最も短い場合は、その後の発色基質分注動作を第2分注ユニット48で行う。その場合であっても、第1分注ユニット38で行われている酵素標識抗体分注動作を妨げることがないため、第1分注ユニット38の分注動作と第2分注ユニット48の分注動作とを同時進行でき、短時間に多くの検体を分析することができる。
【0095】
また、上記実施形態では1枚目の反応プレート16の保温中に、2枚目〜12枚目の11枚の反応プレート16の分注動作を行ったが、保温中に分注動作を行うことのできる反応プレート16の枚数は、反応プレート16の保温時間、および分注時間によって増減する。
【0096】
また、上記実施形態では酵素標識抗体液、発色基質液、反応停止液の3種類の試液を用いたが、検体の分析方法、分析を行う検体の種類、および分析対象によって、様々な試液を用いることができる。さらに、反応プレート16の凹部16Aには予め一次抗体が固相化されていたが、抗体ではなく抗原が予め固相化されていてもよい。
【0097】
上記実施形態以外の実施形態における検体の分析方法としては、例えば、抗体又は抗原が固定化されたプレート(反応プレート16の凹部16A)へ検体、及び標識抗体液の分注を行ってインキュベーションする工程、前記プレートを洗浄して発色基質液の分注を行ってインキュベーションする工程、並びに、前記発色基質液の分注を行った前記プレートに反応停止液の分注を行ってシグナル強度を測定する工程を含む、1ステップサンドイッチ免疫測定法;競合物質が固定化されたプレート(反応プレート16の凹部16A)へ検体、及び標識抗体液の分注を行ってインキュベーションする工程、前記プレートを洗浄して発色基質液の分注を行ってインキュベーションする工程、並びに、前記発色基質液の分注を行った前記プレートに反応停止液の分注を行ってシグナル強度を測定する工程を含む、競合法1;抗体が固定化されたプレート(反応プレート16の凹部16A)へ検体、及び標識化競合物質試液の分注を行ってインキュベーションする工程、前記プレートを洗浄して発色基質液の分注を行ってインキュベーションする工程、並びに前記発色基質液の分注を行った前記プレートに反応停止液の分注を行ってシグナル強度を測定する工程を含む、競合法2等が挙げられる。
【0098】
1ステップサンドイッチ免疫測定法では、酵素標識抗体液、発色基質液、反応停止液の3種類の試液を用いることができ、反応プレート16の凹部には予め抗体又は抗原が固相化される。競合法1では、酵素標識抗体液、発色基質液、反応停止液の3種類の試液を用いることができ、反応プレート16の凹部には予め競合物質が固相化される。競合法2では、酵素標識競合物質試液、発色基質液、反応停止液の3種類の試液を用いることができ、反応プレート16の凹部には予め抗体が固相化される。
【符号の説明】
【0099】
10 分析装置
12 筐体
16 反応プレート(プレート
23 検体プレート
38 第1分注ユニット(第1分注機)
44 インキュベータ
48 第2分注ユニット(第2分注機)
50 測光分析ユニット
52 洗浄ユニット
56 搬送装置(搬送手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10