特許第6454580号(P6454580)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デクセリアルズ株式会社の特許一覧

特許6454580熱硬化性接着シート、及び半導体装置の製造方法
<>
  • 特許6454580-熱硬化性接着シート、及び半導体装置の製造方法 図000004
  • 特許6454580-熱硬化性接着シート、及び半導体装置の製造方法 図000005
  • 特許6454580-熱硬化性接着シート、及び半導体装置の製造方法 図000006
  • 特許6454580-熱硬化性接着シート、及び半導体装置の製造方法 図000007
  • 特許6454580-熱硬化性接着シート、及び半導体装置の製造方法 図000008
  • 特許6454580-熱硬化性接着シート、及び半導体装置の製造方法 図000009
  • 特許6454580-熱硬化性接着シート、及び半導体装置の製造方法 図000010
  • 特許6454580-熱硬化性接着シート、及び半導体装置の製造方法 図000011
  • 特許6454580-熱硬化性接着シート、及び半導体装置の製造方法 図000012
  • 特許6454580-熱硬化性接着シート、及び半導体装置の製造方法 図000013
  • 特許6454580-熱硬化性接着シート、及び半導体装置の製造方法 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6454580
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】熱硬化性接着シート、及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20190107BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20190107BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20190107BHJP
   C09J 7/25 20180101ALI20190107BHJP
   C09J 7/35 20180101ALI20190107BHJP
   C09J 133/00 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
   H01L21/78 M
   H01L21/68 N
   H01L21/304 631
   H01L21/78 Q
   C09J7/25
   C09J7/35
   C09J133/00
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-68236(P2015-68236)
(22)【出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2016-189380(P2016-189380A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2018年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108410
【氏名又は名称】デクセリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113424
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 信博
(72)【発明者】
【氏名】森 大地
【審査官】 石丸 昌平
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5615471(JP,B2)
【文献】 特開2011−159694(JP,A)
【文献】 特開2012−033555(JP,A)
【文献】 特表2011−513995(JP,A)
【文献】 特開2013−140895(JP,A)
【文献】 特表2010−521555(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/003056(WO,A1)
【文献】 特開2012−180442(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/050779(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
H01L 21/304
H01L 21/683
C09J 133/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハをダイシングする際に、該半導体ウエハの研磨面に貼り合わされる熱硬化性接着シートであって、
エラストマーを含むポリマーと、
多官能(メタ)アクリレートを全(メタ)アクリレート中95wt%を超えて含む(メタ)アクリレートと、
1分間半減期温度が130℃以下である有機過酸化物と、
光透過性フィラーと
を含有する熱硬化性接着シート。
【請求項2】
前記(メタ)アクリレートの(メタ)アクリル当量の加成平均値が、80g/eq以上230g/eq以下である請求項1記載の熱硬化性接着シート。
【請求項3】
前記(メタ)アクリレートの含有量が、前記ポリマー25質量部に対し、20質量部以上70質量部以下である請求項1又は2記載の熱硬化性接着シート。
【請求項4】
前記ポリマーが、さらにフェノキシ樹脂を含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱硬化性接着シート。
【請求項5】
前記光透過性フィラーの含有量が、前記ポリマー25質量部に対し、50質量部以上150質量部以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱硬化性接着シート。
【請求項6】
前記ポリマーが、フルオレン型フェノキシ樹脂と、アクリル系エラストマーとを含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱硬化性接着シート。
【請求項7】
前記有機過酸化物が、ジラウロイルパーオキサイドを含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱硬化性接着シート。
【請求項8】
半導体ウエハを研磨するグラインド工程と、
前記半導体ウエハの研磨面に熱硬化性接着シートを貼付する熱硬化性接着シート貼付工程と、
前記熱硬化性接着シートを硬化させ、前記半導体ウエハの反り量を低減させる硬化工程と、
前記半導体ウエハの熱硬化性接着シート面にダイシングテープを貼付するダイシングテープ貼付工程と、
ダイシングテープが貼付されたウエハをダイシング処理し、個片の半導体チップを得るダイシング処理工程とを有し、
前記熱硬化性接着シートが、エラストマーを含むポリマーと、多官能(メタ)アクリレートを全(メタ)アクリレート中95wt%を超えて含む(メタ)アクリレートと、1分間半減期温度が130℃以下である有機過酸化物と、光透過性フィラーとを含有する半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記グラインド工程では、厚みが200μm以下となるまで研磨する請求項8記載の半
導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイシング工程時のクラックを防止するために、半導体ウエハを補強する熱硬化性接着シート、及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップ製造工程において、ダイシング(個別化)工程は、半導体ウエハに対して多大なストレスを与える。このため、半導体ウエハにマイクロクラックが発生し、不良率が高くなることがある。
【0003】
こうした問題を未然に防ぐ目的で、ダイシング工程の直前(バックグラインド後)に半導体ウエハを補強する熱硬化性接着シートを貼り合わせることが提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【0004】
しかしながら、半導体ウエハの薄型化に伴い、半導体ウエハの反り量が大きくなっているため、ダイシングテープの貼り合わせが困難となることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−280329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、半導体ウエハの反りを低減することができる熱硬化性接着シート、及び半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決するために、本発明は、半導体ウエハをダイシングする際に、該半導体ウエハの研磨面に貼り合わされる熱硬化性接着シートであって、エラストマーを含むポリマーと、多官能(メタ)アクリレートを全(メタ)アクリレート中95wt%を超えて含む(メタ)アクリレートと、1分間半減期温度が130℃以下である有機過酸化物と、光透過性フィラーとを含有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体ウエハを研磨するグラインド工程と、前記半導体ウエハの研磨面に熱硬化性接着シートを貼付する熱硬化性接着シート貼付工程と、前記熱硬化性接着シートを硬化させ、前記半導体ウエハの反り量を低減させる硬化工程と、前記半導体ウエハの熱硬化性接着シート面にダイシングテープを貼付するダイシングテープ貼付工程と、ダイシングテープが貼付されたウエハをダイシング処理し、個片の半導体チップを得るダイシング処理工程とを有し、前記熱硬化性接着シートが、エラストマーを含むポリマーと、多官能(メタ)アクリレートを全(メタ)アクリレート中95wt%を超えて含む(メタ)アクリレートと、1分間半減期温度が130℃以下である有機過酸化物と、光透過性フィラーとを含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る熱硬化性接着シートは、多官能(メタ)アクリレートを多く配合しているため、熱硬化性接着シートの硬化による収縮が大きくなり、ウエハの反りを低減させることができる。このため、本発明に係る熱硬化性接着シートを用いることにより、ウエハを平坦化した状態で製造可能となるため、高品質な半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、熱硬化性接着シートの概略を示す断面図である。
図2図2は、BGテープ貼付工程の概略を示す断面図である。
図3図3は、グラインド工程の概略を示す断面図である。
図4図4は、熱硬化性接着シート貼付工程の概略を示す断面図である。
図5図5は、BGテープ剥離工程の概略を示す断面図である。
図6図6は、硬化工程の概略を示す断面図である。
図7図7は、DCテープ貼付工程の概略を示す断面図である。
図8図8は、ダイシング処理工程の概略を示す断面図である。
図9図9は、エキスパンド工程の概略を示す断面図である。
図10図10は、ピックアップ工程の概略を示す断面図である。
図11図11は、実装工程の概略を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、下記順序にて詳細に説明する。
1.熱硬化性接着シート
2.半導体装置の製造方法
3.実施例
【0012】
<1.熱硬化性接着シート>
本実施の形態に係る熱硬化性接着シートは、半導体ウエハをダイシングする際に、半導体ウエハの研磨面に貼り合わされる熱硬化性接着層を有し、ダイシング工程時にウエハを補強し、クラックを防止する補強シートである。
【0013】
図1は、熱硬化性接着シートの概略を示す断面図である。図1に示すように、熱硬化性接着シートは、基材フィルム層11と、熱硬化性接着層12とが積層されている。
【0014】
基材フィルム層11としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどのプラスチックフィルムや、紙、布、不織布等からなる多孔質基材を用いることができる。
【0015】
熱硬化性接着層12は、エラストマーを含むポリマーと、多官能(メタ)アクリレートを全(メタ)アクリレート中95wt%を超えて含む(メタ)アクリレートと、1分間半減期温度が130℃以下である有機過酸化物と、光透過性フィラーとを含有する。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリル酸エステル(アクリレート)とメタクリル酸エステル(メタクリレート)とを包含する意味である。
【0016】
ポリマーは、エラストマーを含み、より好ましくは、フェノキシ樹脂及びエラストマーを含む。これにより、硬化後の熱硬化性接着シートに適度な可撓性を付与することが可能となる。
【0017】
エラストマーとしては、例えば、アクリル系エラストマー、ブタジエン系エラストマー、エチレン系エラストマー、プロピレン系エラストマー、スチレン系エラストマーなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、透明性に優れるアクリル系エラストマーを用いることが好ましい。市場で入手可能なアクリル系エラストマーの具体例としては、ナガセケムテックス(株)の商品名「SG−80H」などが挙げられる。
【0018】
フェノキシ樹脂としては、例えば、フルオレン型フェノキシ樹脂、ビスフェノール型フェノキシ樹脂、ノボラック型フェノキシ樹脂、ナフタレン型フェノキシ樹脂、ビフェニル型フェノキシ樹脂などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、高い耐熱性を示すフルオレン型フェノキシ樹脂を用いることが好ましい。市場で入手可能なフルオレン型フェノキシ樹脂の具体例としては、新日鉄住金化学(株)の商品名「FX293」などが挙げられる。
【0019】
また、ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、5000以上150000以下であることが好ましく、10000以上80000以下であることがより好ましい。重量平均分子量(Mw)は小さすぎると、シート特性が低下する傾向があり、多すぎると他の成分との相溶性が悪くなる傾向がある。
【0020】
また、ポリマーの含有量は、(メタ)アクリレート50質量部に対して5質量部以上100質量部以下であることが好ましく、10質量部以上40質量部以下であることがより好ましい。ポリマーの含有量は少なすぎても多すぎても、シート特性が低下する傾向がある。
【0021】
(メタ)アクリレートは、多官能(メタ)アクリレートを全(メタ)アクリレート中95wt%を超えて含み、多官能(メタ)アクリレートを主成分とする。これにより、熱硬化性接着シートの硬化による収縮が大きくなり、ウエハの反りを低減させることが可能となる。
【0022】
多官能(メタ)アクリレート以外の単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリアルキレングリコールエステル単量体、直鎖又は分岐鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ポリアルキレングリコールエステル単量体の具体例としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0023】
多官能(メタ)アクリレートに属する2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAEO変性ジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化(10)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、反応性、架橋性などの点から、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートを好ましく使用することができる。市場で入手可能な2官能(メタ)アクリレートの具体例としては、新中村化学工業(株)の商品名「DCP」(トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)=166)、「A−DCP」(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)=152)などが挙げられる。
【0024】
多官能(メタ)アクリレートに属する3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリストリールトリ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリストリールトリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(−2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクロキシエチル)(メタ)アクリレート、エトキシ化(20)トリメチロールプロパントリア(メタ)クリレート、プロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化(6)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化(9)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化(3)グリセリルトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化(4)ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、3官能〜9官能を有するウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、反応性、架橋性などの点から、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを好ましく使用することができる。市場で入手可能な3官能以上の(メタ)アクリレートの具体例としては、東亞合成(株)の商品名「M−315」(イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレートとイソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレートの混合物(イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレートの含有率が3%〜13%)、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)=約100)、新中村化学工業(株)の商品名「A−DPH」(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)=96)、日本合成化学(株)の商品名「UV−1700B(分子量/官能数)=222」などが挙げられる。
【0025】
多官能(メタ)アクリレートについては、形式的に2官能以上の(メタ)アクリロイル基を有しても、官能数に対して分子量が著しく大きな化合物は、上記の単官能アクリレートと性質が近似する傾向がある。このため、多官能(メタ)アクリレートは、分子量を官能数で除した「(メタ)アクリル当量(g/eq)」、又は官能数を分子量で除した「単位分子量あたりの官能数」を考慮して選択することが好ましい。(メタ)アクリル当量(g/eq)を考慮して選択する場合、(メタ)アクリル当量(g/eq)に全(メタ)アクリレート中の含有率を乗じた値の総和である、(メタ)アクリル当量の加成平均値を用いることが好ましい。また、単位分子量あたりの官能数を考慮して選択する場合、単位分子量あたりの官能数に全(メタ)アクリレート中の含有率を乗じた値の総和である、平均架橋密度を用いることが好ましい。
【0026】
(メタ)アクリレートの(メタ)アクリル当量の加成平均値は、80g/eq以上230g/eq以下であることが好ましく、100g/eq以上200g/eq以下であることがより好ましい。(メタ)アクリル当量の加成平均値が小さいほど収縮率が大きくなり、(メタ)アクリル当量の加成平均値が大きいほど収縮率が小さくなる。このため、(メタ)アクリル当量の加成平均値が小さすぎると半導体ウエハとの密着性などの特性が劣化する傾向にあり、大きすぎると半導体ウエハの反りをキャンセルさせるのが困難となる。
【0027】
(メタ)アクリレートの平均架橋密度は、2.0E−03以上5.0E−02以下であることが好ましく、5.0E−03以上1.0E−02以下であることがより好ましい。平均架橋密度が小さいほど収縮率が小さくなり、平均架橋密度が大きいほど収縮率が大きくなる。このため、平均架橋点数が小さすぎると半導体ウエハの反りをキャンセルさせるのが困難となり、大きすぎると半導体ウエハとの密着性などの特性が劣化する傾向にある。
【0028】
また、(メタ)アクリレートの含有量は、ポリマー25質量部に対して10質量部以上100質量部以下であることが好ましく、20質量部以上70質量部以下であることがより好ましい。(メタ)アクリレートの含有量は少なすぎると、半導体ウエハの反りをキャンセルさせるのが困難となり、多すぎるとシート特性が低下する傾向がある。
【0029】
有機過酸化物は、1分間半減期温度が130℃以下であり、80℃以上120℃以下であることがより好ましい。1分間半減期温度は大きすぎると大きい反応速度を得るのが困難となり、小さすぎると常温保管性が低下する傾向にある。
【0030】
このような有機過酸化物としては、例えば、ジラウロイルパーオキサイド(1分間半減期温度:116.4℃)、ジベンゾイルパーオキサイド(1分間半減期温度:130.0℃)、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド(1分間半減期温度:128.2℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(1分間半減期温度:124.3℃)、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(1分間半減期温度:112.6℃)、t−ブチルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:110.3℃)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:109.1℃)、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート(1分間半減期温度:104.6℃)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(1分間半減期温度:103.5℃)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(1分間半減期温度:100.9℃)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:90.6℃)、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度92.1℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート(1分間半減期温度:92.1℃)、ジイソブチリルパーオキサイド(1分間半減期温度:85.1℃)、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:85.1℃)、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:85.1℃)、クミルパーオキシネオデカノエート(1分間半減期温度:85.1℃)などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、反応性、架橋性などの点から、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートを好ましく使用することができる。市場で入手可能なジラウロイルパーオキサイドの具体例としては、日油(株)の商品名「パーロイルL」などが挙げられ、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの具体例としては、日油(株)の商品名「パーオクタO」などが挙げられる。
【0031】
また、有機過酸化物の含有量は、(メタ)アクリレート50質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、1質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。有機過酸化物の含有量は少なすぎると反応性が低下し、多すぎると製品ライフが低下する傾向にある。
【0032】
光透過性フィラーは、無機又は有機のいずれも用いることができ、アライメントで使用される赤外線に透過性を有する材料を用いることが好ましい。赤外線に透過性を有する材料としては、例えば、シリカ、シリコン、ゲルマニウム、石英、サファイアなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、レーザーマーク視認性の観点からシリカを用いることが好ましい。
【0033】
また、光透過性フィラーの含有量は、ポリマー25質量部に対し、50質量部以上150質量部以下であることが好ましく、80質量部以上120質量部以下であることがより好ましい。光透過性フィラーの含有量は少なすぎると、ウエハの反り量を低減する効果が低下する傾向にあり、多すぎると密着信頼性が低下する傾向にある。
【0034】
また、他の添加物として、着色剤を添加することが好ましい。着色剤は、レーザーマーキング部分と他の部分とにコントラスト差を生じさせ、レーザーマーク視認性を向上させる。このような着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、酸化チタン、酸化鉄などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、コントラスト差の向上の観点からカーボンブラックを用いることが好ましい。
【0035】
また、シランカップリング剤を添加することが好ましい。シランカップリング剤としては、(メタ)アクリル系、エポキシ系、アミノ系、メルカプト系、スルフィド系、ウレイド系などを用いることができるが、本実施の形態では、(メタ)アクリル系シランカップリング剤が好ましく用いられる。これにより、有機材料と無機材料の界面における密着信頼性を向上させることができる。
【0036】
また、熱硬化性接着シートの波長1000nmにおける透過率は、30%以上であることが好ましい。この赤外線透過率が低すぎると、赤外線を利用したアライメントを行うことが困難となる。
【0037】
本実施の形態に係る熱硬化性接着シートによれば、半導体ウエハの研磨面に貼り合わせて硬化させることにより、半導体ウエハの反り量を低減させることができる。このため、容易にダイシングを行うことができ、生産性を向上させることができる。
【0038】
<2.半導体装置の製造方法>
次に、前述の熱硬化性接着シートを用いた半導体装置の製造方法について説明する。本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体ウエハを研磨するグラインド工程と、半導体ウエハの研磨面に熱硬化性接着シートを貼り合わせて硬化させ、半導体ウエハの反り量を低減させる工程と、半導体ウエハの熱硬化性接着シート面にダイシングテープを貼り合わせ、ダイシングするダイシング工程とを有する。半導体ウエハの反り量が低減されるため、容易にダイシングすることができ、生産性を向上させることができる。
【0039】
以下、具体的な半導体装置の製造方法について説明する。具体例として示す半導体装置の製造方法は、接着剤層を有する保護テープを貼付する保護テープ貼付工程(A)と、グラインド工程(B)と、熱硬化性樹脂シート貼付工程(C)と、保護テープ剥離工程(D)と、硬化工程(E)と、粘着テープ貼付工程(F)と、ダイシング処理工程(G)と、エキスパンド工程(H)と、ピックアップ工程(I)と、実装工程(J)とを有する。なお、保護テープ剥離工程(D)は、熱硬化性樹脂シート貼付工程(C)の前に行ってもよい。
【0040】
[(A)保護テープ貼付工程]
図2は、保護テープ貼付工程の概略を示す断面図である。保護テープ貼付工程では、突起電極22が形成されたウエハ21面に保護テープ30を貼り付ける。保護テープ30を貼り付ける貼付温度は、ボイドの減少、ウエハ密着性の向上およびウエハ研削後の反り防止の観点から、25℃以上100℃以下、好ましくは40℃以上80℃以下である。
【0041】
ウエハ21は、シリコンなどの半導体表面に形成された集積回路と、バンプと呼ばれる接続用の突起電極22とを有する。ウエハ21の厚みは、特に限定されないが、好ましくは200μm以上1000μm以下である。
【0042】
突起電極22としては、特に限定はされないが、例えば、はんだによる低融点バンプ又は高融点バンプ、錫バンプ、銀−錫バンプ、銀−錫−銅バンプ、金バンプ、銅バンプなどが挙げられる。また、突起電極22の高さは、特に制限はされないが、好ましくは10μ以上200μm以下である。
【0043】
保護テープ30は、バックグラインドテープ(Back Grind Tape)と呼ばれるものであり、次のグラインド処理工程(B)において、傷、割れ、汚染などからウエハを保護するものである。図2に示すように、保護テープ30は、熱可塑性樹脂層31と、基材フィルム層32とが積層され、突起電極22の形成面と熱可塑性樹脂層31とが接する状態で貼り合わされ、突起電極22は、熱可塑性樹脂層31に埋め込まれる。
【0044】
熱可塑性樹脂層31としては、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA:Ethylene Vinyl Acetate)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンオキサイドなどが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0045】
基材フィルム層32としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどのプラスチックフィルムや、紙、布、不織布等からなる多孔質基材を用いることができる。
【0046】
なお、保護テープ30は、前述の構成に限られることなく、各層の表面や隣接する層間に他の層を形成してもよい。
【0047】
[(B)グラインド工程]
図3は、グラインド工程の概略を示す断面図である。グラインド工程では、保護テープ30貼付面の反対面をグラインド処理する。保護テープ30を貼り付けたウエハ21の反対面を研削装置に固定して研磨する。このグラインド工程において、研磨によりウエハ21の厚さは、200μm以下、さらには50μm以下である。ウエハ21の厚さを小さくすればするほど、ウエハ21の反り量が大きくなる。なお、ウエハ21の反り量は、平面ステージ(X,Y軸)にウエハ21を置いたときの反り(Z軸)の最大値である。
【0048】
[(C)熱硬化性接着シート貼付工程]
図4は、熱硬化性接着シート貼付工程の概略を示す断面図である。熱硬化性接着シート貼付工程では、ウエハ21のグラインド処理面に熱硬化性接着シートの熱硬化性接着層12を貼付する。
【0049】
[(D)保護テープ剥離工程]
図5は、保護テープ剥離工程の概略を示す断面図である。保護テープ剥離工程では、保護テープ30を剥離する。
【0050】
[(E)硬化工程]
図6は、硬化工程の概略を示す断面図である。硬化工程では、熱硬化性接着層12を硬化させる。硬化方法及び硬化条件としては、熱硬化型の接着剤を硬化させる公知の方法を用いることができる。硬化工程では、例えば、80〜180℃の温度、0.1〜5hの時間でキュアすることにより、熱硬化性接着層12を硬化させることが可能である。これにより、熱硬化性接着層12が大きく収縮し、ウエハ21の反りと逆方向の応力が生じるため、ウエハ21を平坦な状態に維持させることが可能となる。
【0051】
[(F)粘着テープ貼付工程]
図7は、粘着テープ貼付工程の概略を示す断面図である。粘着テープ貼付工程では、グラインド処理面に粘着テープ40を貼付する。粘着テープ40は、ダイシングテープ(Dicing Tape)と呼ばれるものであり、ダイシング工程(G)において、ウエハ21を保護、固定し、ピックアップ工程(I)まで保持するためのテープである。
【0052】
粘着テープ40としては、特に限定されず、公知のものを使用することができる。一般に、粘着テープ40は、粘着剤層と、基材フィルム層とを有する。粘着剤層としては、例えば、ポリエチレン系、アクリル系、ゴム系、ウレタン系などの粘着剤が挙げられる。また、基材フィルム層としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどのプラスチックフィルムや、紙、布、不織布等からなる多孔質基材を用いることができる。また、粘着テープの貼付装置及び条件としては、特に限定されず、公知の装置及び条件が用いられる。
【0053】
[(G)ダイシング処理工程]
図8は、ダイシング処理工程の概略を示す断面図である。ダイシング処理工程では、粘着テープ40が貼付されたウエハ21をダイシング処理し、個片の半導体チップを得る。ダイシング方法としては、特に限定されず、例えばダイシングソーでウエハ21を切削して切り出すなどの公知の方法を用いることができる。
【0054】
[(H)エキスパンド工程]
図9は、エキスパンド工程の概略を示す断面図である。エキスパンド工程では、例えば分割された複数個の半導体チップが貼着されている粘着テープ40を放射方向に伸長させ、個々の半導体チップの間隔を広げる。
【0055】
[(I)ピックアップ工程]
図10は、ピックアップ工程の概略を示す断面図である。ピックアップ工程では、粘着テープ40上に貼着固定された半導体チップを、粘着テープ40の下面より突き上げて剥離させ、この剥離された半導体チップをコレットで吸着する。ピックアップされた半導体チップは、チップトレイに収納されるか、またはフリップチップボンダーのチップ搭載ノズルへと搬送される。
【0056】
[(J)実装工程]
図11は、実装工程の概略を示す断面図である。実装工程では、例えば半導体チップと回路基板とをNCF(Non Conductive Film)などの回路接続材料を用いて接続する。回路基板としては、特に限定されないが、ポリイミド基板、ガラスエポキシ基板などのプラスチック基板、セラミック基板などを用いることができる。また、接続方法としては、加熱ボンダー、リフロー炉などを用いる公知の方法を用いることができる。
【0057】
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、熱硬化性接着シートを半導体ウエハの研磨面に貼り合わせて硬化させ、半導体ウエハの反り量を低減させるため、容易にダイシングを行うことができ、生産性を向上させることができる。また、ダンシング処理工程前に突起電極が形成されたウエハ面の接着剤層が硬化して突起電極が補強されるため、ダイシング、ピックアップ、実装などの後工程において、突起電極の破損を低減させることができる。
【0058】
また、実装により得られる半導体装置は、半導体チップが研磨面に熱硬化性接着層を有し、突起電極形成面に接着剤層を有するため、優れた信頼性を得ることができる。
【実施例】
【0059】
<3.実施例>
以下、本発明の実施例について説明する。
【0060】
<3.1 第1の実施例>
第1の実施例では、熱硬化性接着シートを作製し、これを反りが発生したパターン付ウエハに貼り合わせ、積層体の硬化後の反り量について評価した。また、熱硬化性接着シートの硬化速度、密着信頼性、アライメントマーク認識性、及びダイシングテープの貼り付け性について評価した。
【0061】
[熱硬化性接着シートの作製]
下記成分を配合し、樹脂組成物を調製した。これを、剥離処理されたPET(Polyethylene terephthalate)にバーコーターを用いて塗布し、80℃のオーブンで3分間乾燥させ、厚み20μmの熱硬化性接着シートを作製した(カバー剥離PET(25μm)/熱硬化性接着シート(20μm)/ベース剥離PET(50μm))。
FX293:フルオレン型フェノキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製)
YP−50:ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製)
SG−80H:アクリル系エラストマー(ナガセケムテックス(株)製)
RKB−5515B:ブタジエン系エラストマー(レジナス化成(株)製)
DCP:トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(新中村化学工業(株)、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)=166)
A−DCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)=152)
M−315:イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレートとイソシアヌル酸 エチレンオキサイド変性トリアクリレートの混合物(イソシアヌル酸エチレンオキサイド 変性ジアクリレートの含有率が3%〜13%)(東亞合成(株)製、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)=144)
A−DPH:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業(株)、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)=96)
UV−1700B:ウレタンアクリレート(日本合成化学(株)、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)=222)
4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート(新中村化学工業(株)、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)=144)
CEL−2021P:脂環式エポキシ樹脂((株)ダイセル)
JER1031S:特殊多官能エポキシ樹脂(三菱化学(株))
パーロイルL:ジラウロイルパーオキサイド(日油(株)製、1分間半減期温度:116.4℃)
パーオクタO:1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油(株)製、1分間半減期温度:116.4℃)
パーヘキサV:n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート(日油(株)製、1分間半減期温度:116.4℃)
TD−2131:フェノールノボラック(DIC(株))
U−CAT5002:DBU系テトラフェニルボレート塩(サンアプロ(株))
アエロジルR202:シリカ(日本アエロジル(株))
#20:カーボンブラック
KBM−5103:アクリル系シランカップリング剤(信越シリコーン(株))
KBM−403:エポキシ系シランカップリング剤(信越シリコーン(株))
【0062】
[積層体の作製]
厚み20μmの熱硬化性接着シートをパターン付ウエハ上にプレス機にて貼り合わせ、130℃、1hの条件でキュアして積層体を得た。
【0063】
パターン付ウエハは、厚み200μmの8インチのものを使用した。また、パターン付ウエハの平均反り量(サンプル数:10)は、4mmであった。なお、パターン付ウエハの反り量は、平面ステージ(X,Y軸)にパターン付ウエハを置いたときの反り(Z軸)の最大値とした。
【0064】
[積層体の反り量の評価]
パターン付ウエハの反り量の測定と同様に、積層体の反り量は、平面ステージ(X,Y軸)に積層体を置いたときの反り(Z軸)の最大値とした。積層体の反り量が1.0mm未満のものを「◎」、積層体の反り量が1.0mm以上1.5mm未満のものを「○」、積層体の反り量が1.5mm以上2.5mm未満のものを「△」、積層体の反り量が2.5mm以上のものを「×」と評価した。
【0065】
[熱硬化性接着シートの硬化速度の評価]
フーリエ変換赤外分光光度計(FT/IR−4100、日本分光社製)を用いて、130℃、1hの条件でキュアした厚み20μmの熱硬化性接着シートのサンプルを透過法にて測定した。未硬化の熱硬化性接着シートのアクリルモノマー(不飽和基)の測定強度と、完全硬化後の熱硬化性接着シートのアクリルモノマー(不飽和基)の測定強度との比から、熱硬化性接着シートのサンプルの反応率を算出した。熱硬化性接着シートの反応率が80%以上のものを「◎」、熱硬化性接着シートの反応率が50%以上80%未満のものを「○」、熱硬化性接着シートの反応率が50%未満のものを「×」と評価した。
【0066】
[熱硬化性接着シートの密着信頼性の評価]
130℃、1hの条件でキュアした厚み20μmの熱硬化性接着シートの初期の接着強度と、温度85℃、湿度85%、1000hの信頼性試験後の熱硬化性接着シートの接着強度とを測定した。接着強度は、JIS K 6854に準拠して剥離速度50mm/minで90度剥離試験を行い、引き剥がすのに要した力を剥離強度として測定した。信頼性試験後の接着強度が初期の接着強度の90%以上のものを「◎」、信頼性試験後の接着強度が初期の接着強度の80%以上90%未満のものを「○」、信頼性試験後の接着強度が初期の接着強度の80%未満のものを「×」と評価した。
【0067】
[熱硬化性接着シートのアライメントマーク認識性の評価]
130℃、1hの条件でキュアした厚み20μmの熱硬化性接着シートについて、赤外線(波長:1μm)の透過率を測定した。IR透過率が50%以上のものを「◎」、IR透過率が30%以上50%未満のものを「○」、IR透過率が30%未満のものを「×」と評価した。
【0068】
[ダイシングテープの貼り付け性の評価]
130℃、1hの条件でキュアして得られた積層体の熱硬化性接着層側にダイシングテープをラミネートした。ダイシングテープを目視し、気泡が確認できない場合を「○」と評価し、気泡が確認できた場合を「×」と評価した。
【0069】
[実施例1]
フルオレン型フェノキシ樹脂(FX293)を5質量部、アクリル系エラストマー(SG−80H)を20質量部、3官能アクリレート(M−315)を50質量部、有機過酸化物(パーロイルL)を5質量部、シリカ(アエロジルR202)を100質量部、アクリル系カップリング剤(KBM−5103)を2質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が144、平均架橋密度が7.1E−03である樹脂組成物を調製し、熱硬化性接着シートを作製した。
【0070】
表1に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は◎であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は◎、アライメントマーク認識性の評価は◎、ダイシングテープの貼り付け性の評価は○であった。
【0071】
[実施例2]
3官能アクリレート(M−315)に代えて、2官能アクリレート(A−DCP)を50質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が152、平均架橋密度が6.6E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0072】
表1に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は◎であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は◎、アライメントマーク認識性の評価は◎であった。
【0073】
[実施例3]
3官能アクリレート(M−315)に代えて、2官能メタクリレート(DCP)を50質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が166、平均架橋密度が6.0E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0074】
表1に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は◎であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は◎、アライメントマーク認識性の評価は◎であった。
【0075】
[実施例4]
3官能アクリレート(M−315)に代えて、多官能メタクリレート(A−DPH)を50質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が96、平均架橋密度が1.0E−02である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0076】
表1に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は◎であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は○、アライメントマーク認識性の評価は◎であった。
【0077】
[実施例5]
3官能アクリレート(M−315)に代えて、多官能ウレタンアクリレート(UV−1700B)を50質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が222、平均架橋密度が4.5E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0078】
表1に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は◎であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は○、アライメントマーク認識性の評価は◎であった。
【0079】
[実施例6]
3官能アクリレート(M−315)に代えて、多官能メタクリレート(A−DPH)を20質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が96、平均架橋密度が1.0E−02である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0080】
表1に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は○であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は○、アライメントマーク認識性の評価は◎であった。
【0081】
[実施例7]
3官能アクリレート(M−315)に代えて、多官能メタクリレート(A−DPH)を70質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が96、平均架橋密度が1.0E−02である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0082】
表1に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は◎であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は○、密着信頼性の評価は○、アライメントマーク認識性の評価は◎であった。
[実施例8]
3官能アクリレート(M−315)を30質量部、2官能メタクリレート(DCP)を18質量部、単官能アクリレート(4−HBA)を2質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が125、平均架橋密度が6.7E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0083】
表1に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は◎であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は◎、アライメントマーク認識性の評価は◎であった。
【0084】
[実施例9]
フルオレン型フェノキシ樹脂(FX293)を3質量部、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(YP−50)を2質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が144、平均架橋密度が7.1E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0085】
表1に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は○であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は○、アライメントマーク認識性の評価は◎であった。
【0086】
[実施例10]
フルオレン型フェノキシ樹脂(FX293)を配合せずに、アクリル系エラストマー(SG−80H)を25質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が144、平均架橋密度が7.1E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0087】
表1に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は○であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は◎、アライメントマーク認識性の評価は◎であった。
【0088】
[実施例11]
アクリル系エラストマー(SG−80H)を15質量部、ブタジエン系エラストマー(RKB−5515B)を5質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が144、平均架橋密度が7.1E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0089】
表1に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は◎であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は○、アライメントマーク認識性の評価は○であった。
【0090】
[実施例12]
アクリル系エラストマー(SG−80H)に代えて、ブタジエン系エラストマー(RKB−5515B)を20質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が144、平均架橋密度が7.1E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0091】
表1に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は○であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は○、アライメントマーク認識性の評価は×であった。
【0092】
[実施例13]
シリカ(アエロジルR202)を150質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が144、平均架橋密度が7.1E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0093】
表1に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は◎であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は○、アライメントマーク認識性の評価は◎であった。
【0094】
[実施例14]
シリカ(アエロジルR202)を50質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が144、平均架橋密度が7.1E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0095】
表1に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は○であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は◎、アライメントマーク認識性の評価は◎であった。
【0096】
[実施例15]
実施例1の配合にカーボンブラック(#20)を1質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が144、平均架橋密度が7.1E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0097】
表2に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は◎であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は◎、アライメントマーク認識性の評価は○であった。
【0098】
[実施例16]
パーロイルLに代えて、パーオクタOを5質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が144、平均架橋密度が7.1E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0099】
表2に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は◎であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は◎、アライメントマーク認識性の評価は◎であった。
【0100】
[実施例17]
パーロイルLを4質量部、パーヘキサVを1質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が144、平均架橋密度が7.1E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0101】
表2に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は◎であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は△、密着信頼性の評価は◎、アライメントマーク認識性の評価は◎であった。
【0102】
[比較例1]
3官能アクリレート(M−315)、パーロイルL、及びアクリル系シランカップリング剤(KBM−5103)に代えて、脂環式エポキシ樹脂(CEL−2021P)を50質量部、フェノールノボラック(TD−2131)を5質量部、DBU系テトラフェニルボレート塩(U−CAT5002)を5質量部、エポキシ系シランカップリング剤(KBM−403)を2質量部配合し、樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0103】
表2に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は△であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は×、密着信頼性の評価は◎、アライメントマーク認識性の評価は○であった。
【0104】
[比較例2]
3官能アクリレート(M−315)、パーロイルL、及びアクリル系シランカップリング剤(KBM−5103)に代えて、特殊多官能エポキシ樹脂(JER1031S)を50質量部、フェノールノボラック(TD−2131)を5質量部、DBU系テトラフェニルボレート塩(U−CAT5002)を5質量部、エポキシ系シランカップリング剤(KBM−403)を2質量部配合し、樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0105】
表2に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は△であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は×、密着信頼性の評価は◎、アライメントマーク認識性の評価は○、ダイシングテープの貼り付け性の評価は×であった。
【0106】
[比較例3]
3官能アクリレート(M−315)に代えて、単官能アクリレート(4−HBA)を50質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が144、平均架橋密度が6.9E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0107】
表2に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は×であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は○、アライメントマーク認識性の評価は◎、ダイシングテープの貼り付け性の評価は×であった。
【0108】
[比較例4]
3官能アクリレート(M−315)を47.5質量部、単官能アクリレート(4−HBA)を2.5質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が102、平均架橋密度が7.1E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0109】
表2に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は△であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は◎、密着信頼性の評価は◎、アライメントマーク認識性の評価は◎であった。
【0110】
[比較例5]
パーロイルLに代えて、パーヘキサVを5質量部配合し、(メタ)アクリル当量(分子量/官能基数)の加成平均値が144、平均架橋密度が7.1E−03である樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。
【0111】
表2に示すように、熱硬化性接着シートをパターン付ウエハに貼り合わせ、硬化させた積層体の反り量の評価は△であった。また、熱硬化性接着シートの硬化速度の評価は×、密着信頼性の評価は◎、アライメントマーク認識性の評価は◎であった。
【0112】

【表1】
【0113】
【表2】
【0114】
比較例1、2のようにエポキシ系の熱硬化性バインダーを用いた場合、高い硬化速度が得られず、ウエハの反りと逆方向の応力が小さく、ウエハの反り量を大きく低減させることができなかった。また、比較例3のように単管能(メタ)アクリレートを配合した場合も、ウエハの反りと逆方向の応力が小さく、ウエハの反り量を大きく低減させることができなかった。また、比較例4のように多官能(メタ)アクリレートが全(メタ)アクリレート中95wt%を超えて含まれていない場合も、ウエハの反りと逆方向の応力が小さく、ウエハの反り量を大きく低減させることができなかった。また、比較例5のように1分間半減期温度が130℃を超える有機過酸化物を配合した場合も、ウエハの反りと逆方向の応力が小さく、ウエハの反り量を大きく低減させることができなかった。
【0115】
一方、実施例1〜17のようにエラストマーを含むポリマーと、多官能(メタ)アクリレートを全(メタ)アクリレート中95wt%を超えて含む(メタ)アクリレートと、1分間半減期温度が130℃以下である有機過酸化物とを配合した場合、大きい硬化速度が得られ、ウエハの反りと逆方向の応力が大きく、ウエハの反り量を大きく低減させることができた。
【0116】
また、多官能(メタ)アクリレート以外の成分が同一である、実施例1〜実施例5を対比すると分かるように、(メタ)アクリル当量の加成平均値が100〜200g/eqの範囲であることにより、反り量、硬化速度、密着性、及びアライメントマーク視認性の評価の全てが良好となった。
【0117】
また、成分が同一であり、多官能(メタ)アクリレートの配合量が異なる、実施例4、実施例6及び実施例7を対比すると分かるように、多官能(メタ)アクリレートの配合量が30質量部以上であることにより、積層体の反り量の評価が良好となった。
【符号の説明】
【0118】
11 基材フィルム層、12 熱硬化性接着層、21 ウエハ、22 突起電極、30 保護テープ、31 熱可塑性樹脂層、32 基材フィルム層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11