(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6454645
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】格納容器を輸送するためのシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20190107BHJP
B61B 13/00 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B61B13/00 K
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-546014(P2015-546014)
(86)(22)【出願日】2013年12月5日
(65)【公表番号】特表2016-506346(P2016-506346A)
(43)【公表日】2016年3月3日
(86)【国際出願番号】EP2013075671
(87)【国際公開番号】WO2014090684
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2016年9月7日
(31)【優先権主張番号】20121488
(32)【優先日】2012年12月10日
(33)【優先権主張国】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ホイナランド, イングヴァル
【審査官】
土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2001−522342(JP,A)
【文献】
特開平10−203647(JP,A)
【文献】
特開平11−278607(JP,A)
【文献】
実開昭49−083778(JP,U)
【文献】
特開平11−165980(JP,A)
【文献】
特開2004−014749(JP,A)
【文献】
特開平10−299280(JP,A)
【文献】
実開昭57−124503(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00− 1/133
B65G 1/14− 1/20
B61B 1/00−15/00
B66C 5/00− 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
格納システム(3)から格納容器(2)を取り上げるための遠隔動作車両(1)であって、前記遠隔動作車両(1)は、
車両駆動手段(6)を格納するための第1のセクション(5、5a、5b)と、前記格納システム(3)内の格納列(8、8a、8b)に格納された任意の格納容器(2)を受け取るための第2のセクション(7)とを備える車両本体(4)であって、前記第2のセクション(7)が、前記車両本体(4)内で中心に配置された空洞(7)を備え、前記空洞(7)が、使用中に前記格納列(8、8a、8b)に向かって面する少なくとも1つの容器受け取り開放部(12)を有する、車両本体(4)と、
前記第2のセクション(7)の中へ前記格納容器(2)を持ち上げるために、前記車両本体(4)に少なくとも間接的に接続された車両リフティングデバイス(9)と、
使用中、前記格納システム(3)内で、第1の方向(X)に沿った前記車両(1)の移動を可能にする前記車両本体(4)に接続された第1のセットの車両回転手段(10)と
を備え、
前記車両(1)は、
使用中、前記格納システム(3)内で、第2の方向(Y)に沿った前記車両(1)の移動を可能にする前記車両本体(4)に接続された第2のセットの車両回転手段(11)
をさらに備え、
前記第2の方向(Y)は、前記第1の方向(X)に対して垂直であり、
前記セットの車両回転手段のうちの少なくとも1つ(11)が、前記空洞(7)の内壁上に搭載され、
前記第1および第2のセットの車両回転手段(10、11)の両方が、車輪を備え、
前記車輪が、
容器格納構造(15)の上部上に配置された誘導メッシュの2次元マトリクスを形成する複数の支持レール(13)を備える前記格納システム(3)上で動作させられる場合、相互接続されるときに増加させられた側方安定性を提供するために、車両支持部(14)を構成する支持レール(13)の対応する外面に一致し、
前記支持レール(13)が、容器格納構造(15)の上部上の2次元マトリクスに配置され、前記マトリクスおよび前記容器格納構造(15)の主方向が、前記車両(1)の前記第1の方向(X)および前記第2の方向(Y)と合致することを特徴とする、遠隔動作車両(1)。
【請求項2】
前記車両回転手段(11)が、前記本体(4)の内壁に平行に搭載されることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔動作車両(1)。
【請求項3】
前記車両が、前記第1の方向(X)と前記第2の方向(Y)との間における車両方向の変更中に、前記格納システム(3)内の、下にある車両支持部(14)から離れるように、前記第1のセットの車両回転手段または前記第2の車両回転手段のいずれかを可逆的かつ選択的に変位させるための手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の遠隔動作車両(1)。
【請求項4】
前記車両本体(4)が、複数の格納列(8、8a、8b)を備える前記格納システム(3)上で動作させられる場合、最大で、前記第1の方向(X)において1つの中央格納列(8a)の横断面を覆い、前記第2の方向(Y)において1つよりも多くの中央格納列(8a、8b)の横断面を覆うことを特徴とする、請求項1〜3のうちの1項に記載の遠隔動作車両(1)。
【請求項5】
前記車両本体(4)が、前記第2の方向(Y)において両側で前記中央格納列(8a、8b)の横断面を越えて延在することを特徴とする、請求項4に記載の遠隔動作車両(1)。
【請求項6】
前記中央格納列(8a、8b)の横断面を越える前記延在が、前記第2の方向(Y)において両側において等しいことを特徴とする、請求項5に記載の遠隔動作車両(1)。
【請求項7】
両方のセットの車両回転手段(10、11)が、前記中心に配置された空洞(7)の周りに対称的に分散させられることを特徴とする、請求項1〜6のうちの1項に記載の遠隔動作車両(1)。
【請求項8】
少なくとも1つのセットの車両回転手段(10、11)が、少なくとも4つの車輪を備えることを特徴とする、請求項1〜7のうちの1項に記載の遠隔動作車両(1)。
【請求項9】
前記車両(1)が、使用中に前記格納システム(3)内の前記車両の位置の測定を可能にするための位置感知手段(16)を備えることを特徴とする、請求項1〜8のうちの1項に記載の遠隔動作車両(1)。
【請求項10】
前記位置感知手段(16)が、前記支持レール(13)が交差している前記車両支持部(14)の位置を使用中に横切る前記車両本体(4)上の位置のうちの少なくともいくつかに配置された複数のセンサを備えることを特徴とする、請求項9に記載の遠隔動作車両(1)。
【請求項11】
格納システム(3)であって、前記格納システム(3)は、
請求項1〜10のうちの1項に記載の遠隔動作車両(1)と、
誘導メッシュの2次元マトリクスを形成する複数の支持レール(13)を備える車両支持部(14)であって、前記車両支持部(14)は、使用中、前記第1の方向(X)および前記第2の方向(Y)における前記車両(1)の移動を誘導するように構成される、車両支持部(14)と、
前記車両支持部(14)を支持する容器格納構造(15)であって、前記構造(15)が、複数の格納列(8、8a、8b)を備え、
各格納列(8、8a、8b)が、格納容器(2)の垂直スタックを収容するように配置され、
前記容器格納構造(15)の主要部分が、前記支持レール(13)が交差している前記車両支持部(14)上の位置と一致する、
容器格納構造(15)と、
前記車両支持部(14)と送達ステーション(60)との間で、前記車両支持部(14)の横平面に対して垂直方向に、車両送達された格納容器(2)を搬送するように配置された容器リフトデバイス(50)と
を備えることを特徴とする、格納システム(3)。
【請求項12】
前記車両支持部(14)の外側側方境界エリア(17、18)に配置された前記支持レール(13)のうちの少なくともいくつかが、外側誘導メッシュを形成し、前記外側誘導メッシュは、前記車両支持部(14)における残りの誘導メッシュのサイズと比較して減少させられたサイズを有することを特徴とする、請求項11に記載の格納システム(3)。
【請求項13】
前記外側誘導メッシュの減少させられたサイズが、前記車両支持部(14)における前記残りの誘導メッシュのサイズの約半分であることを特徴とする、請求項12に記載の格納システム(3)。
【請求項14】
前記外側誘導メッシュのサイズが、前記車両支持部(14)の前記第2の方向(Y)に沿ってのみ減少させられることを特徴とする、請求項12または13に記載の格納システム(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の序文に規定されるような格納システムから格納容器を取り上げるための遠隔動作車両に関する。
【0002】
本発明はまた、本発明の車両を使用する格納システムに関する。
【背景技術】
【0003】
格納システムから格納容器を取り上げるための遠隔動作車両が、公知である。関連のある先行技術の格納システムの詳細な説明が、WO98/49075号に与えられている。さらに、そのような格納システムのための好適である先行技術の車両の詳細が、ノルウェー国特許N0317366号に開示されている。より具体的には、先行技術の格納システムは、特定の高さに、相互の上部上に積み重ねられる格納容器を含む3次元格納グリッドを備える。格納グリッドは、通常、上部レールによって相互接続されるアルミニウム列として構成される。いくつかの遠隔動作車両またはロボットが、上部レール上に配置される。各車両は、格納グリッドの内側にある格納された容器を取り上げ、搬送し、かつ、置くためのリフトが装備される。
【0004】
そのような先行技術の格納システム技術および先行技術のロボットが、それぞれ、
図1および
図2に図示される。格納システム3は、専用支持レール13上で移動し、かつ、格納容器2を容器格納グリッド15内の格納列8から受け取るように配置されるロボット1を備える。格納システム3は、複数のそのようなロボット1および専用容器リフトデバイス50を含み、後者は、容器格納グリッド15の上部レベルでロボット1から格納容器2を受け取り、かつ、垂直方向に下方へ格納容器2を送達ステーション60に搬送するように配置される。
【0005】
しかしながら、
図1と
図2との両方に示される先行技術のロボット1は、それらの動作中、いくつかの重大な不利点に悩まされる。第一に、ロボットの特有の設計は、格納システムにおける全ての離れた利用可能な格納列にアクセスすることを妨げる。さらに、この特有の設計は、格納容器の持ち上げおよび輸送中、望ましくない高トルクをもたらす場合があり、それによって、潜在的な不安定性の問題と、ロボットの最大取り扱い重量の明確な限定とを作り出す。先行技術のロボット設計によってもたらされる追加の不利点は、1つの特定の容器および1つの特定の容器の高さのみが、適切な安定性を確実にするためにロボットの各タイプに許容され得るという事実である。最後に、格納容器を受け取るセクションの上側部分における一体型ヨーク/オーバーハングの存在は、ヨーク懸架車両リフティングデバイスによって行われる持ち上げプロセスの最後の段階で、望ましくない減速を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第98/49075号
【特許文献2】ノルウェー国特許第NO317366号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、上記に説明される不利点を解決すること、または、少なくとも実質的に軽減することであり、すなわち、車両/ロボットに、より高い安定特性、より高い最大取り扱い重量、動作中に利用可能な空間のより効果的な使用、および、より少ない時間消費の格納容器の持ち上げおよび輸送プロセスを提供することである。
【0008】
上記に識別される目的は、請求項1に規定されるような遠隔動作車両と、請求項11に規定されるような格納システムとによって達成される。さらに、有益な特徴が、従属請求項に規定されている。
【0009】
特に、本発明は、格納システムから格納容器を取り上げるための遠隔動作車両またはロボットに関する。本発明の車両またはロボットは、車両本体であって、車両駆動手段を格納するための第1のセクションと、格納システム内の格納列に格納された任意の格納容器を受け取るための第2のセクションとをさらに備える車両本体と、格納容器を第2のセクションの中へ持ち上げるために車両本体に少なくとも間接的に接続される車両リフティングデバイスと、使用中に格納システム内で第1の方向(X)に沿った車両の移動を可能にするために車両本体に接続された車両回転手段の第1のセットと、使用中に格納システムにおいて第2の方向(Y)に沿った車両の移動を可能にするために車両本体に接続された車両回転手段の第2のセットとを備える。第2の方向(Y)は、第1の方向(X)に対して垂直に配向される。
【0010】
本発明の車両は、第2のセクションが、車両本体内に中心に配置された空洞を備えることを特徴とする。この空洞は、使用中に下にある格納列に向かって面する少なくとも1つの容器受け取り開口部を有する。加えて、車両回転手段の2つのセットのうちの少なくとも1つは、車両本体内に完全に配置される。
【0011】
中心の空洞の中への格納容器の容易な進入を可能にするために、その体積は、格納システムから取り上げられるように意図される最大格納容器よりも大きくあるべきである。同様に、少なくとも1つの容器受け取り開放部のうちの少なくとも1つの断面積は、空洞開放部(単数または複数)に対して平行に配向された格納容器壁の断面積よりもより大きくあるべきである。
【0012】
車両はさらに、第1の方向(X)と第2の方向(Y)との間における車両方向の変更中、格納システム内における下にある車両支持部から離れるように、車両回転手段の第1のセットまたは第2の車両回転手段のいずれかを可逆的かつ選択的に変位させるための手段を備え得る。
【0013】
さらに、ある実施形態では、第1のセクションは、下にある車両支持部に対して平行な車両の断面が2次形状(quadratic shape)から逸脱するような方法で、第2のセクションに対して配置され得る。
【0014】
好ましい実施形態では、車両本体は、使用中、第1の方向(X)における1つの中央格納列の横断面積以下を覆い、第2の方向(Y)における1つよりも多くの中央格納列の横断面積を覆う。より具体的な例では、車両本体は、第2の方向(Y)に面する両側で中央格納列の横断面積を越えて延び、すなわち、第2の方向(Y)に延びる隣接する格納列の断面積のうちのいくつかも覆う。中央格納列からの延在の程度は、好ましくは、これらの両側において等しい。中央格納列は、格納ビンの取り上げを可能にする位置にロボットが到達したときにロボットの真下にある格納列として定義される。
【0015】
とりわけ、高い車両の安定性を可能にするために、車両回転手段の両方のセットは、好ましくは、例えば車両の下側コーナーの近くで、空洞の周りに対称的に配置される。車両回転手段の少なくとも1つのセット、最も好ましくはそれら両方のセットは、少なくとも4つの車輪を備え得る。2つの垂直に配向されたキャタピラベルトの使用等の他の実施形態が、想定され得る。さらに、両方のセットは、相互接続されるときに増加させられた側方安定性を提供するために、車両支持部を構成する支持レール上の対応する外側設計に一致する外側設計を有する。そのような支持レールは、マトリクスおよびグリッドの両方の主方向が車両の第1の方向(X)および第2の方向(Y)と合致する容器格納構造またはグリッドの上部上の2次元マトリクスに配置される。
【0016】
車両はまた、有利に、使用中に格納システム内の車両位置の測定を可能にするための位置感知手段を含み得る。この位置感知手段は、支持レールが交差している車両支持部の場所を横切る車両本体上の位置のうちの少なくともいくつかに(例えば、その下側コーナーに近接する車両の下部に)配置された複数の位置センサを備え得る。
【0017】
本発明はまた、上記で言及された特徴に従った遠隔動作車両と、誘導メッシュの2次元マトリクスを形成する複数の支持レールを備える車両支持部であって、使用中に第1の方向(X)および第2の方向(Y)における車両の移動を誘導するように構成される車両支持部と、複数の格納列を備える車両支持部を支持する容器格納構造またはグリッドであって、格納列の各々は、格納容器の垂直スタックを収容するように配置され、容器格納構造の主要部分は、支持レールが交差している車両支持部上の位置と一致する、構造またはグリッドと、車両支持部と送達ステーションとの間で車両支持部の横平面に対して垂直な方向に、車両送達された格納容器を搬送するように配置された容器リフティングデバイスとを備える格納システムに関係する。
【0018】
好ましい実施形態では、車両支持部の外側側方境界エリアに配置された支持レールのうちの少なくともいくつかは、車両支持部における残りの誘導メッシュの平均断面積と比較して減少させられた平均断面積を有する外側誘導メッシュを形成する。例えば、外側誘導メッシュの減少させられた平均断面積は、車両支持部における残りの誘導メッシュの平均断面積の約半分であり得る。特に好ましい実施形態では、外側誘導メッシュのこれらの断面積は、車両支持部の第2の方向(Y)に沿ってのみ減少させられる。
【0019】
第2の方向(Y)に対する車両本体における空洞の中心配置は、効果的に、望ましくないトルクを除去し、それによって、ロボットまたは車両の安定性を向上させる。この配置はまた、高度な対称性を伴う重量分散を有する持ち上げおよび輸送プロセスをもたらす。さらに、新規設計は、容器受け取り空洞の少なくとも一部を囲繞するフレームワーク/本体が、任意の望ましくない容器のよろめき/ぐらつきを効果的に妨げるので、同じ車両が、空洞の高さ(すなわち、リフティングデバイスの懸架点から車両の下側縁部に延びる高さ)よりも有意に低い高さの格納容器を持ち上げて輸送するために使用されることを可能にする。空洞囲繞体の存在もまた、空洞内のその終端位置までほぼずっと、最高または略最高の持ち上げ速度を維持することと、格納列からの容器持ち上げ完全完了に先立った、送達ステーションに向かう安定な容器輸送の開始とを可能にする。空洞の周りの保護体もまた、車両が、当の格納列の上方で最終停止するに至る時間に先立ってリフティングデバイスの下降事象を始動させる可能性を与える。したがって、有意により高い安定性および時間効率性が、達成される。
【0020】
車両回転手段の少なくとも1つのセットを車両またはロボット本体内に完全に配置することによって、回転手段が持ち上げられるべき格納容器により近接して位置させられるので、追加の安定性が、持ち上げプロセス中に得られる。同じ理由から、この配置は、リフティングデバイスに対する総荷重を減少させる。さらに、この配置は、ローラ手段が2つのロボット移動方向(XおよびY)のうちの少なくとも1つにおける任意の追加の延在を与えないので、
図2に図示される先行技術のロボットに対してより空間効率的である。より小型サイズのロボット/車両の生産もまた、可能となる。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
格納システム(3)から格納容器(2)を取り上げるための遠隔動作車両(1)であって、前記遠隔動作車両(1)は、
車両駆動手段(6)を格納するための第1のセクション(5、5a、5b)と、前記格納システム(3)内の格納列(8、8a、8b)に格納された任意の格納容器(2)を受け取るための第2のセクション(7)とを備える車両本体(4)と、
前記第2のセクション(7)の中へ前記格納容器(2)を持ち上げるために、前記車両本体(4)に少なくとも間接的に接続された車両リフティングデバイス(9)と、
使用中、前記格納システム(3)内で、第1の方向(X)に沿った前記車両(1)の移動を可能にする前記車両本体(4)に接続された車両回転手段の第1のセット(10)と、
使用中、前記格納システム(3)内で、第2の方向(Y)に沿った前記車両(1)の移動を可能にする前記車両本体(4)に接続された車両回転手段の第2のセット(11)とを備え、
前記第2の方向(Y)は、前記第1の方向(X)に対して垂直であり、
前記第2のセクション(7)が、前記車両本体(4)内で中心に配置された空洞(7)を備え、前記空洞(7)が、使用中に前記格納列(8、8a、8b)に向かって面する少なくとも1つの容器受け取り開放部(12)を有することと、
車両回転手段の前記セット(11)のうちの少なくとも1つが、前記車両本体(4)内に完全に配置されることと
を特徴とする、遠隔動作車両(1)。
(項目2)
前記車両が、前記第1の方向(X)と前記第2の方向(Y)との間における車両方向の変更中に、前記格納システム(3)内の、下にある車両支持部(14)から離れるように、前記車両回転手段の第1のセットまたは前記第2の車両回転手段のいずれかを可逆的かつ選択的に変位させるための手段をさらに備えることを特徴とする、項目1に記載の遠隔動作車両(1)。
(項目3)
前記車両本体(4)が、使用中に、最大で、前記第1の方向(X)に1つの中央格納列(8a)の横断面を覆い、前記第2の方向(Y)に1つよりも多くの中央格納列(8a、8
b)の横断面を覆うことを特徴とする、項目1または2に記載の遠隔動作車両(1)。
(項目4)
前記車両本体(4)が、前記第2の方向(Y)に両側で前記中央格納列(8a、8b)の
横断面を越えて延びることを特徴とする、項目3に記載の遠隔動作車両(1)。
(項目5)
前記中央格納列(8a、8b)の横断面を越える前記延在が、前記第2の方向(Y)に両
側において等しいことを特徴とする、項目4に記載の遠隔動作車両(1)。
(項目6)
車両回転手段(10、11)の両方のセットが、前記中心に配置された空洞(7)の周りに対称的に分散させられることを特徴とする、前記項目のうちの1つに記載の遠隔動作車両(1)。
(項目7)
車両回転手段(10、11)の少なくとも1つのセットが、少なくとも4つの車輪を備えることを特徴とする、前記項目のうちの1つに記載の遠隔動作車両(1)。
(項目8)
車両回転手段(10、11)の両方のセットが、相互接続されるときに増加させられた側方安定性を提供するために、前記車両支持部(14)を構成する支持レール(13)上の対応する外側設計に一致する外側設計を有することを特徴とし、
前記支持レール(13)が、容器格納構造(15)の上部上の2次元マトリクスに配置され、前記マトリクスおよび前記容器格納構造(15)の主方向が、前記車両(1)の前記第1の方向(X)および前記第2の方向(Y)と合致する、
前記項目のうちの1つに記載の遠隔動作車両(1)。
(項目9)
前記車両(1)が、使用中に前記格納システム(3)内の前記車両の位置の測定を可能にするための位置感知手段(16)を備えることを特徴とする、前記項目のうちの1つに記載の遠隔動作車両(1)。
(項目10)
前記位置感知手段(16)が、前記支持レール(13)が交差している前記車両支持部(14)の位置を使用中に横切る前記車両本体(4)上の位置のうちの少なくともいくつかに配置された複数のセンサを備えることを特徴とする、項目9に記載の遠隔動作車両(1)。
(項目11)
格納システム(3)であって、前記格納システム(3)は、
項目1〜10のうちの1つに記載の遠隔動作車両(1)と、
誘導メッシュの2次元マトリクスを形成する複数の支持レール(13)を備える車両支持部(14)であって、前記車両支持部(14)は、使用中、前記第1の方向(X)および前記第2の方向(Y)における前記車両(1)の移動を誘導するように構成される、車両支持部(14)と、
前記車両支持部(14)を支持する容器格納構造(15)であって、前記構造(15)が、複数の格納列(8、8a、8b)を備え、
各格納列(8、8a、8b)が、格納容器(2)の垂直スタックを収容するように配置され、
前記容器格納構造(15)の主要部分が、前記支持レール(13)が交差している前記車両支持部(14)上の位置と一致する、
構造(15)と、
前記車両支持部(14)と送達ステーション(60)との間で、前記車両支持部(14)の横平面に対して垂直方向に、車両送達された格納容器(2)を搬送するように配置された容器リフトデバイス(50)と
を備えることを特徴とする、格納システム(3)。
(項目12)
前記車両支持部(14)の外側側方境界エリア(17、18)に配置された前記支持レール(13)のうちの少なくともいくつかが、外側誘導メッシュを形成し、前記外側誘導メッシュは、前記車両支持部(14)における残りの誘導メッシュの平均断面積と比較して減少させられた平均断面積を有することを特徴とする、項目11に記載の格納システム(3)。
(項目13)
前記外側誘導メッシュの減少させられた平均断面積が、前記車両支持部(14)における前記残りの誘導メッシュの平均断面積の約半分であることを特徴とする、項目12に記載の格納システム(3)。
(項目14)
前記外側誘導メッシュのサイズが、前記車両支持部(14)の前記第2の方向(Y)に沿ってのみ減少させられることを特徴とする、項目12または13に記載の格納システム(3)。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明のこれらおよび他の特徴は、添付の図面への参照を用いて、非制限的例として与えられる実施形態の好ましい形態の下記の説明から明確となる。
【0022】
【
図1】
図1は、先行技術の格納システムの斜視図である。
【0023】
【
図2】
図2は、
図1に図示されるような格納システムの先行技術のロボットまたは車両形成部分の断面図である。
【0024】
【
図3】
図3は、本発明による、遠隔動作車両の斜視底面図である。
【0025】
【
図4】
図4は、本発明による、遠隔動作車両の斜視上面図である。
【0026】
【
図5】
図5は、本発明による遠隔動作車両と、格納容器と、完全包囲カバーとを備えるロボットアセンブリの斜視上面図である。
【0027】
【
図6】
図6は、本発明による、容器格納グリッドおよび車両支持部の斜視上面図である。
【0028】
【
図7】
図7は、本発明による、容器格納グリッドおよび車両支持部の斜視側面図である。
【0029】
【
図8】
図8は、容器格納グリッドと、車両支持部と、遠隔動作車両とを含む、本発明による格納システムの部分の斜視側面図である。
【0030】
【
図9】
図9は、支持レールの2次元マトリクス上で移動する遠隔動作車両の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、先行技術による格納システムの概略的部分切断斜視図であり、
図2は、対応する先行技術のロボットの断面図である。両方の図は、既に、本文でより前に参照されている。
【0032】
図3および
図4は、本体4内の中心に配置された空洞7を伴う長方形の車両本体またはフレームワーク4と、本体4の上部部分を覆う上部蓋72と、空洞7の内側に搭載されて本体4の内壁に平行である4つの車輪10の第1のセットと、本体4の外壁に平行に搭載される4つの車輪11の第2のセットとを備える本発明のロボット1の、2つの異なる角度における斜視図を与える。車輪10の第1のセットおよび車輪11の第2のセットは、相互に対して垂直に配向される。さらに、車両本体4はまた、ロボット1の移動方向の少なくとも1つに沿って、空洞7の両側に配置される側方部分5、5a、5bを含む。明確にするために、デカルト座標系が、長方形の車本体4の主方向に沿って整列させられたそのX軸、Y軸、および、Z軸とともに示される。空洞7のサイズは、リフティングデバイス9のための必要な構成要素を含むように、かつ、ロボット1によって取り上げられるように意図される最大格納容器2を少なくとも完全に含むように適合させられる。
【0033】
図5は、本体4がハンドル74と伝送手段/制御パネル75とを備える包囲カバー73によって完全に覆われるロボットアセンブリの斜視図を与える。包囲カバー73の設計は、本体4および突出車輪10によって与えられた特定の形状に適合させられる。
図5はまた、空洞7の内側に完全に配置される格納容器2の小部分と、リフティングデバイス9の小部分とを示す。後者は、好ましくは、とりわけ、それらの上側端部において上部蓋72の側に面するように空洞上に懸架される4つの垂直に移動可能な金属帯と、取り上げられるべき格納容器2における適合空洞/エリアの中へ操縦および締結されることができる下側端部におけるステアリングロッドとから成る。
【0034】
容器格納構造またはグリッド15と、車両支持部14を構成する一体型支持レール13と、グリッド支持ベース76とを備えるグリッドアセンブリの構造原理が、
図6および
図7に図示される。グリッド15は、グリッド15の内側のスタックに格納されるべき格納容器2を収容するように適合させられる内部距離を伴って配置されている複数の支柱を備える。したがって、4つの隣接する支柱の長方形の配置は、格納列8を構成する。支柱およびレール13の両方は、アルミニウムで作製され得る。
図3および
図4と同様に、理解を容易にするために、グリッドアセンブリの主方向に沿って整列させられるデカルト座標系が、示される。支持レール13は、2次元マトリクスの長方形のメッシュを形成し、これらのメッシュのほとんどの断面積は、下にあるグリッド15によって設定された各格納列8の断面積と一致する。(方向Yにおける両側にある)車両支持部14の境界エリア17、18におけるメッシュは、残りのメッシュよりも小さい断面積とともに図示される。境界メッシュ17、18のサイズは、好ましくは、ロボット1が、中央格納列8a(
図8および
図9参照)に含まれる格納容器2の取り上げを開始するための位置にあるとき、ロボット1の空洞7の真下に位置させられる中央格納列8aを越える延在の程度に適合させられるべきである。このように、ロボット1は、格納システム3における全ての格納列8に到達し得る(すなわち、Y方向におけるロボット配向から独立して)。例えば、ロボット1が、X方向に1つの中央格納列8aの断面積にわたり、かつ、Y方向に隣接格納列8bの断面積の1/2にわたり正確に延びる場合、Y方向における境界エリアでのメッシュ17、18の断面積は、残りのメッシュの断面積の約1/2であるべきである。したがって、これらの境界メッシュ17、18の主要な機能は、新規設計を有するロボット1のための十分な空間を可能にする。
【0035】
図8は、グリッドアセンブリの境界エリア17、18に隣接する中央格納列8a上方の持ち上げ位置にあるロボット1を示す。車両リフティングデバイス9は、この実施形態では、下にある格納容器2を引っ掛けて持ち上げるために、ある距離、中央格納列8aの中へ降下させられる。
図8における例示的状況で見られるように、X方向と比較してY方向に延びる本体4を有するロボット1は、境界エリアが、グリッド15における残りのメッシュのY方向幅の約1/2のY方向幅を伴う追加の境界メッシュ17、18ととともに設計されるとき、グリッド15の縁部に至るまで広く駆動され得る。
【0036】
車両支持部14を構成する支持レール13上のロボット1の移動をより良く図示するために、グリッドアセンブリ上のロボット1のいくつかの例示的位置が、
図9に図示される。ロボット1の中心に引かれた太矢印は、可能にされた移動方向を指し示す。ロボット1が、その空洞7が中央格納列8aの正確に上方にあるように位置させられるとき、左上および中央中心のロボット1の場合のように、支持レール13の配置は、X方向およびY方向の両方における移動を可能にする。グリッドアセンブリ上のいかなる他の位置も、X方向(右下ロボット1)またはY方向(上中心および左下ロボット1)のいずれかに車両支持部14上のロボット1の移動を制限する。ロボット位置の判定を可能にするために、1つの以上の位置センサ16、例えば光センサを各ロボット1に装備させることが、有利であると考えられる。そのようなセンサ16は、好ましくは、ロボット1の1つ以上のエリアに搭載されるべきであり、これは、センサ16が下にある支持レール13に対して妨げられない視界を有することと、それらがレール13が交差する車両支持部14上の位置の直上またはそれに近接して通過することとの両方を確実にする。センサ16からの読み取りは、とりわけ、ロボット1のさらなる移動、および/または、車両リフティングデバイス9の動作を指示し得る。
【0037】
ロボット1の全ての動作は、ワイヤレス通信手段75および遠隔制御ユニットによって制御される。これは、ロボット移動、車両リフティングデバイス、および、位置測定の制御を含む。
【0038】
先行する説明では、本発明による本装置の種々の局面が、例証的実施形態への参照を用いて説明されている。説明の目的のために、具体的な数字、システム、および、構成が、本装置およびその働きの完全な理解を提供するために記載された。しかしながら、この説明は、限定的な意味で解釈されるように意図されていない。例証的実施形態の種々の改変および変形例、ならびに、開示される主題が関係する当業者に明白である本装置の他の実施形態が、本発明の範囲内にあると見なされる。
【0039】
参照番号/文字の一覧
1 遠隔動作車両/ロボット
2 格納容器
3 格納システム
4 車両本体/フレームワーク
5 (車両本体の)第1のセクション/構成要素セクション/側方部分
5a 第1のセクション、左
5b 第1のセクション、右
6 車両駆動手段/モータユニット
7 車両格納空間/第2の部分/空洞/中心に配置された空洞
8 格納列
8a 中央格納列
8b 隣接格納列
9 車両リフティングデバイス
10 車両回転手段の第1のセット/車輪の第1のセット
11 車両回転手段の第2のセット/車輪の第2のセット
12 容器受け取り開放部
13 支持レール
14 車両支持部
15 容器格納構造/グリッド
16 位置感知手段/位置センサ
17 車両支持部の左外側側方境界エリア/左側境界メッシュ
18 車両支持部の右外側側方境界エリア/右側境界メッシュ
50 容器リフトデバイス
60 送達ステーション/ポート
70 ヨーク/オーバーハング
72 上部蓋
73 包囲カバー
74 ハンドル
75 伝送手段/制御パネル/ワイヤレス通信手段
76 グリッド支持ベース