特許第6454711号(P6454711)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6454711オプトエレクトロニクス部品、オプトエレクトロニクス装置、および、オプトエレクトロニクス装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6454711
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】オプトエレクトロニクス部品、オプトエレクトロニクス装置、および、オプトエレクトロニクス装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/022 20060101AFI20190107BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20190107BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
   H01S5/022
   H05K1/18 K
   H05K3/34 507C
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-539459(P2016-539459)
(86)(22)【出願日】2014年8月14日
(65)【公表番号】特表2016-532306(P2016-532306A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(86)【国際出願番号】EP2014067448
(87)【国際公開番号】WO2015032603
(87)【国際公開日】20150312
【審査請求日】2016年4月7日
【審判番号】不服2017-15473(P2017-15473/J1)
【審判請求日】2017年10月18日
(31)【優先権主張番号】102013217796.8
(32)【優先日】2013年9月5日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ドベルティン トーマス
【合議体】
【審判長】 森 竜介
【審判官】 山村 浩
【審判官】 野村 伸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−48909(JP,A)
【文献】 特開2012−79827(JP,A)
【文献】 特開2006−179775(JP,A)
【文献】 特開2012−38819(JP,A)
【文献】 特開2012−256860(JP,A)
【文献】 特開2012−60039(JP,A)
【文献】 特開2005−340807(JP,A)
【文献】 特開2001−119069(JP,A)
【文献】 特開2004−55938(JP,A)
【文献】 特開2002−43676(JP,A)
【文献】 特開2013−4389(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/048421(WO,A1)
【文献】 特開平7−221391(JP,A)
【文献】 特開2011−197360(JP,A)
【文献】 特開2011−108938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S5/022
H01L33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面(201)および下面(202)を有する基部(200)、ならびに、キャップ(300)を備えるハウジング(110)と、
前記基部(200)の前記上面(201)と前記キャップ(300)との間に配置されているレーザチップ(400)と、を有し、
導電ピン(260)が前記上面(201)と前記下面(202)との間を前記基部(200)を通って延在し、
前記導電ピン(260)は、前記基部(200)の残部から電気的に絶縁され、
第1のはんだ接触パッド(210)および第2のはんだ接触パッド(220)が前記基部(200)の前記下面(202)上に形成されており、
前記導電ピン(260)は、前記第1のはんだ接触パッド(210)に電気接続し、
前記レーザチップ(400)は、第1の電気接触パッド(410)と、第2の電気接触パッド(420)を有し、
前記第1の電気接触パッド(410)は、第1のボンディングワイヤ(215)によって前記導電ピン(260)に電気接続し、
前記第2の電気接触パッド(420)は、第2のボンディングワイヤ(225)によって、前記基部(200)の前記第2のはんだ接触パッド(220)に電気接続している部分に電気接続している、オプトエレクトロニクス部品(100)。
【請求項2】
前記第2のはんだ接触パッド(220)は、前記第1のはんだ接触パッド(210)をリング状に包囲している、請求項1に記載のオプトエレクトロニクス部品(100)。
【請求項3】
プラットホーム(230)が前記基部(200)の前記上面(201)上に形成され、
前記レーザチップ(400)は、前記プラットホーム(230)上に配置されている、請求項1又は2に記載のオプトエレクトロニクス部品(100)。
【請求項4】
前記レーザチップ(400)は、前記レーザチップ(400)の放射方向(430)が前記基部(200)の前記下面(202)に対して直交するように配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス部品(100)。
【請求項5】
前記基部(200)および/または前記キャップ(300)は、鉄鋼を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス部品(100)。
【請求項6】
前記キャップ(300)は、窓部(310)を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス部品(100)。
【請求項7】
前記キャップ(300)は、前記基部(200)に溶接されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス部品(100)。
【請求項8】
プリント回路基板(600)と、
請求項1〜7のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス部品(100)と、を有し、
前記オプトエレクトロニクス部品(100)は、前記プリント回路基板(600)の前面(601)上に配置されている、オプトエレクトロニクス装置(500)。
【請求項9】
前記オプトエレクトロニクス装置(500)は、複数の、請求項1〜7のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス部品(100)を有し、
前記複数のオプトエレクトロニクス部品(100)は、直列回路(630)内に配置されている、請求項8に記載のオプトエレクトロニクス装置(500)。
【請求項10】
− プリント回路基板(600)を設けるステップと、
請求項1〜7のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス部品(100)を設けるステップと、
− 前記オプトエレクトロニクス部品(100)を前記プリント回路基板(600)の
前面(601)上に配置するステップと、を含む、オプトエレクトロニクス装置(500
)の製造方法。
【請求項11】
前記オプトエレクトロニクス部品(100)は、表面実装によって前記プリント回路基
板(600)の前記前面(601)上に配置される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記オプトエレクトロニクス部品(100)は、リフローはんだ付けによって前記プリ
ント回路基板(600)の前記前面(601)上に配置される、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1に記載のオプトエレクトロニクス部品と、特許請求項8に記載のオプトエレクトロニクス装置と、特許請求項10に記載のオプトエレクトロニクス装置の製造方法と、に関する。
【0002】
本願の開示内容の一部を明示的に形成する独国特許出願第102013217796.8号にはまた、オプトエレクトロニクス部品およびオプトエレクトロニクス部品の製造方法が記載されている。
【背景技術】
【0003】
水分および汚染物質から保護するためにレーザダイオードが密封封止されているハウジングを有する半導体ベースのレーザ部品を設計することが知られている。そのようなレーザ部品のハウジングに、スルーホール実装(push-through installation)のためにワイヤ接触部を設けることが知られている。かかるワイヤ接触部は、プリント回路基板の、上記設置のために設けられた接触開口部内に挿入され得、かつ、例えばフローはんだ付けによって電気的に接触され得る。そのようなレーザ部品のハウジングをさらに、当該レーザ部品の動作中に蓄積される排熱を放熱するために機械的なクランピングまたはボンディングによって接触させることが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オプトエレクトロニクス部品を提供することが本発明の目的の1つである。かかる目的は、請求項1の特徴を有するオプトエレクトロニクス部品によって達成される。オプトエレクトロニクス装置を提供することが本発明のさらなる目的である。かかる目的は請求項8の特徴を有するオプトエレクトロニクス装置によって達成される。オプトエレクトロニクス装置の製造方法を提供することが本発明のさらなる目的である。かかる目的は、請求項10の特徴を有する方法によって達成される。様々な改良形態が従属請求項において提供されている。
【0005】
オプトエレクトロニクス部品は、上面および下面を有する基部、ならびに、キャップを備えるハウジングを有する。さらに、本オプトエレクトロニクス部品は、基部の上面とキャップとの間に配置されているレーザチップを有する。第1のはんだ接触パッドおよび第2のはんだ接触パッドが基部の下面上に形成されている。有利なことに、このオプトエレクトロニクス部品は、表面実装に適している。この場合、オプトエレクトロニクス部品の第1のはんだ接触パッドおよび第2のはんだ接触パッドは、リフローはんだ付け等によって電気的に接触され得る。さらに同時に、本オプトエレクトロニクス部品のハウジングの基部の下面上の、電気的に接触されたはんだ接触パッドを介して、排熱がオプトエレクトロニクス部品から放熱され得る。有利なことに、本オプトエレクトロニクス部品の実装がほとんど労せずして自動化され得ることにより、量産される装置内で本オプトエレクトロニクス部品を経済的に利用することができる。
【0006】
本オプトエレクトロニクス部品の一実施形態では、導電ピンが上面と下面との間を基部を通って延在している。この場合、導電ピンは、基部の残部から電気的に絶縁されている。さらに、導電ピンは、第1のはんだ接触パッドに電気接続している。それにより有利なことに、導電ピンは、基部の下面上の第1のはんだ接触パッドから基部の上面への電気接続を形成している。この場合、導電ピンは例えば、オプトエレクトロニクス部品のハウジングの基部内に嵌合され得る。
【0007】
本オプトエレクトロニクス部品の特定の一実施形態では、レーザチップは、第1の電気接触パッドを有する。この場合、第1の電気接触パッドは、第1のボンディングワイヤによって導電ピンに電気接続している。それにより、導電ピンおよび第1のボンディングワイヤは、オプトエレクトロニクス部品のハウジングの基部の下面上の第1のはんだ接触パッドとレーザチップの第1の電気接触パッドとの電気接続を形成する。その結果、オプトエレクトロニクス部品のレーザチップは、オプトエレクトロニクス部品のハウジングの基部の下面上の第1のはんだ接触パッドを介して電気的に接触され得る。
【0008】
本オプトエレクトロニクス部品の特定の一実施形態では、レーザチップは、第2の電気接触パッドを有する。この場合、第2の電気接触パッドは、第2のボンディングワイヤによって基部の第2のはんだ接触パッドに電気接続している部分に電気接続している。それにより有利なことに、オプトエレクトロニクス部品のハウジングの基部の下面上の第2のはんだ接触パッドとオプトエレクトロニクス部品のレーザチップの第2の電気接触パッドとの間に、基部および第2のボンディングワイヤを介した電気接続が存在する。その結果、レーザチップは、第2のはんだ接触パッド介して電気的に接触され得る。
【0009】
本オプトエレクトロニクス部品の特定の一実施形態では、第2のはんだ接触パッドは、第1のはんだ接触パッドをリング状に包囲している。それにより有利なことに、第1のはんだ接触パッドおよび第2のはんだ接触パッドは一体的に、オプトエレクトロニクス部品のハウジングの基部の下面上の面積の大部分を占め得る。その結果、第1のはんだ接触パッドおよび第2のはんだ接触パッドは一体的に、オプトエレクトロニクス部品の大きな熱的接触パッドを形成する。それにより、オプトエレクトロニクス部品の排熱を効果的に放熱することができる。
【0010】
本オプトエレクトロニクス部品の特定の一実施形態では、基部の上面上にプラットホームが形成されている。この場合、レーザチップはプラットホーム上に配置されている。プラットホームは同時に、レーザチップの熱的および電気的な接触のために使用され得る。レーザチップの、オプトエレクトロニクス部品のハウジングの基部の下面に対する方向がまた、プラットホームの形状によって決定され得る。
【0011】
本オプトエレクトロニクス部品の特定の一実施形態では、レーザチップは、レーザチップの放射方向が基部の下面に対して直交するように配置されている。これにより有利なことに、オプトエレクトロニクス部品の放射方向がプリント回路基板に対して直交するように、オプトエレクトロニクス部品をプリント回路基板上に配置することができる。これにより、オプトエレクトロニクス部品を特に省スペースで配置することができる。
【0012】
本オプトエレクトロニクス部品の特定の一実施形態では、基部および/またはキャップは鉄鋼を含む。この場合、有利なことに、キャップおよび基部は、密封封止されるように互いに溶接され得る。
【0013】
本オプトエレクトロニクス部品の特定の一実施形態では、キャップは窓部を有する。窓部は例えば、キャップ内に嵌合され得る。それにより、オプトエレクトロニクス部品のレーザチップによって出射されたレーザビームは、キャップの窓部を介してオプトエレクトロニクス部品のハウジングから出射され得る。
【0014】
本オプトエレクトロニクス部品の特定の一実施形態では、キャップは基部に溶接されている。それにより有利なことに、キャップと基部との間に配置されたオプトエレクトロニクス部品のレーザチップは、水分および汚染物質から保護されている。
【0015】
オプトエレクトロニクス装置は、プリント回路基板および上述のオプトエレクトロニクス部品を有する。この場合、オプトエレクトロニクス部品は、プリント回路基板の前面上に配置されている。有利なことに、オプトエレクトロニクス部品はプリント回路基板の前面上に、表面実装方法によって配置され得、当該前面上で電気的に接触され得る。例えば、オプトエレクトロニクス部品は、リフローはんだ付けによって電気的に接触され得る。これにより、オプトエレクトロニクス装置の高度に自動化された経済的な製造が可能になる。
【0016】
本オプトエレクトロニクス装置の特定の一実施形態では、オプトエレクトロニクス装置は、複数の上述のオプトエレクトロニクス部品を有する。この場合、オプトエレクトロニクス部品は、直列回路内に配置されている。それにより有利なことに、オプトエレクトロニクス装置は、高い光出力を有し得る。オプトエレクトロニクス部品を表面実装方法によってプリント回路基板の前面上に配置できることにより、個々のオプトエレクトロニクス部品はプリント回路基板の前面上に高密度に詰めて搭載され得る。これにより有利なことに、小型の外形寸法になるようにオプトエレクトロニクス装置を設計することができる。
【0017】
オプトエレクトロニクス装置の製造方法の1つは、プリント回路基板を設けるステップと、上述のオプトエレクトロニクス部品を設けるステップと、オプトエレクトロニクス部品をプリント回路基板の前面上に配置するステップと、を含む。有利なことに、オプトエレクトロニクス部品をプリント回路基板の前面上に配置するステップを、SMT配置マシン等によって自動的に行ってもよい。オプトエレクトロニクス部品をプリント回路基板の前面上に配置するステップを、さらなる部品のプリント回路基板の前面上への配置と共通の作業において行ってもよい。その結果、本方法は有利なことに、経済的に行われ得る。
【0018】
本方法の特定の一実施形態では、オプトエレクトロニクス部品を表面実装によってプリント回路基板の前面上に配置する。
【0019】
本方法の特定の一実施形態では、オプトエレクトロニクス部品をリフローはんだ付けによってプリント回路基板の前面上に配置する。この場合、有利なことに、オプトエレクトロニクス部品は、自動的に中心に配置され得る。この場合、オプトエレクトロニクス部品は、はんだの溶融の際の表面張力によって目的の位置において精確に自己配向される(self-oriented)。
【0020】
本発明の上記性質、特徴、および、利点、ならびにそれらの実現方法は、図面に関連して詳細に説明される例示的な実施形態の以下の記述に関連してさらに明らかとなり、またさらに明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】オプトエレクトロニクス部品のハウジングの基部を示す図である。
図2】オプトエレクトロニクス部品のハウジングの第1の図である。
図3】オプトエレクトロニクス部品のハウジングの第2の図である。
図4】オプトエレクトロニクス装置のプリント回路基板を示す図である。
図5】オプトエレクトロニクス部品が配置されたプリント回路基板を示す図である。
図6】オプトエレクトロニクス装置のプリント回路基板およびオプトエレクトロニクス部品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、オプトエレクトロニクス部品100のハウジング110の基部200の概略斜視図を示す。図2は、オプトエレクトロニクス部品100のハウジング110のキャップ300の概略斜視図を示す。図3は、ハウジング110の基部200とキャップ300とが結合されたオプトエレクトロニクス部品100のハウジング110の概略斜視図を示す。
【0023】
オプトエレクトロニクス部品100は、レーザ部品等であってもよい。一例を挙げると、オプトエレクトロニクス部品100は、短波の可視スペクトル域の波長のレーザビームを出射するように設計されたレーザ部品であってもよい。
【0024】
オプトエレクトロニクス部品100のハウジング110の基部200をヘッダということもできる。基部200は、導電性材料、好ましくは金属を含む。一例を挙げると、基部200は、鉄合金またはニッケル合金を含み得る。一例を挙げると、基部200は鉄鋼を含み得る。
【0025】
基部200は、上面201と、上面201とは反対側の下面202とを有する。図1に示す例では、基部200は、略矩形の基本形状である。それにより、オプトエレクトロニクス部品100の基部200を有するハウジング110を、さらなるオプトエレクトロニクス部品100のさらなる同一のハウジング110に隣接して高密度に詰めて搭載することができる。しかしながら、基部200はまた、円板の基本形状または六角形の基本形状を有することもできる。
【0026】
基部200の埋め込まれた導電ピン260は、基部200の下面202から、基部200を通って基部200の上面201を越えて延在している。この場合、導電ピン260の基部200の上面201を越えて突出している部分は、基部200の上面201に対して直交して配向されている。導電ピン260は、金属等の導電性材料を含む。導電ピン260は、基部200の残部と同じ材料を含み得る。
【0027】
導電ピンは、絶縁体265によって基部200の残部から電気的に絶縁されている。絶縁体265は、ガラス化物(glazing)等として形成され得る。好ましくは、導電ピン260は、絶縁体265によって密封封止されて基部200内に埋め込まれている。
【0028】
プラットホーム230がオプトエレクトロニクス部品100のハウジング110の基部200の上面201上に形成されている。プラットホーム230をペデスタルということもできる。プラットホーム230は、基部200の残部に一体的に接続されている共通の材料から形成され得る。どのような場合にも、プラットホーム230は導電性材料を含み、基部200の導電ピン260から電気的に絶縁されている部分に電気接続している。プラットホーム230は、基部200の上面201対してほぼ直交し、かつ、それにより基部200の下面202に対しても直交しているチップ実装面235を有する。
【0029】
オプトエレクトロニクス部品100は、レーザチップ400を有する。レーザチップ400は、半導体ベースのレーザダイオードとして設計されている。レーザチップ400は、レーザビームを出射するように設計されている。例えば、レーザチップ400は、短波の可視スペクトル域の波長のレーザビーム(例:青色スペクトル域の波長のレーザビーム)を出射するように設計され得る。
【0030】
レーザチップ400は、上面401と、上面401とは反対側の下面402とを有する。第1の電気接触パッド410がレーザチップ400の上面401上に形成されている。第2の電気接触パッド420がレーザチップ400の下面402上に形成されている。レーザチップ400の作動中に、電圧がレーザチップ400の第1の電気接触パッド410と第2の電気接触パッド420との間でレーザチップ400に印加され得る。
【0031】
オプトエレクトロニクス部品100のレーザチップ400は、レーザチップ400の放射方向430が基部200の上面201に対してほぼ直交し、かつ、それにより基部200の下面202に対しても直交するように、オプトエレクトロニクス部品100のハウジング110の基部200のプラットホーム230のチップ実装面235上に配置されている。レーザチップ400の作動中に、レーザチップ400は放射方向430にレーザビームを放射する。
【0032】
図1の例では、レーザチップ400の放射方向430は、レーザチップ400の上面401に平行である。レーザチップ400は、端面発光レーザとして設計されている。しかしながら、レーザチップ400を表面発光レーザとして設計することもできる。表面発光レーザの場合も同様に、レーザチップ400は、レーザチップ400の放射方向430が基部200の上面201に対して直交し、かつ、それにより基部200の下面202に対しても直交するように、オプトエレクトロニクス部品100のハウジング110の基部200のプラットホーム230上に配置されるべきである。この場合、プラットホーム230は任意で省略され得る。
【0033】
レーザチップ400は、キャリア240上に配置されている。キャリア240をサブマウントということもできる。キャリア240は好ましくは、電気絶縁性かつ高い熱伝導性の材料を含む。導電性メタライゼーションがキャリア240の上面上に配置されている。レーザチップ400は、レーザチップ400の下面402がキャリア240の上面に対向するように、キャリア240の上面上に配置されている。この場合、レーザチップ400の下面402上に形成されたレーザチップ400の第2の電気接触パッド420は、キャリア240の上面上の導電性メタライゼーションと電気接続している。
【0034】
キャリア240は、キャリア240の上面とは反対側のキャリア240の下面がチップ実装面235に対向するように、基部200のプラットホーム230のチップ実装面235上に配置されている。この場合、好ましいことに、キャリア240とプラットホーム230との間に高い熱伝導性の接続が存在する。
【0035】
レーザチップ400の上面401上に形成されたレーザチップ400の第1の電気接触パッド410は、複数の第1のボンディングワイヤ215によって導電ピン260に電気接続している。キャリア240の上面上の導電性メタライゼーションは、複数の第2のボンディングワイヤ225によって、基部200のプラットホーム230に電気接続し、したがって基部200の導電ピン260から電気的に絶縁されている部分にも電気接続している。キャリア240の上面上に形成されたメタライゼーションがレーザチップ400の下面402上の第2の電気接触パッド420に電気接続しているため、レーザチップ400の第2の電気接触パッド420と基部200の導電ピン260から電気的に絶縁されている部分との間に電気接続が存在する。
【0036】
キャリア240を導電性材料から形成することもできる。この場合、キャリア240の上面上の導電性メタライゼーションを省略してもよい。レーザチップ400は、レーザチップ400の下面402上に形成された第2の電気接触パッド420がキャリア240に電気接続するようにキャリア240の上面上に配置されている。キャリア240は、キャリア240がプラットホーム230に電気接続するように、プラットホーム230のチップ実装面235上に位置している。この場合、第2のボンディングワイヤ225を省略してもよい。
【0037】
キャリア240を完全に省略することもできる。この場合、レーザチップ400は、レーザチップ400の下面402がチップ実装面235に対向し、かつ、レーザチップ400の下面402上に形成された第2の電気接触パッド420がプラットホーム230と電気接続するように、プラットホーム230のチップ実装面235上に直接的に位置している。この場合にも同様に、第2のボンディングワイヤ225を省略してもよい。
【0038】
キャビティ250が基部200の上面201上に配置されている。キャビティ250は、基部200の上面201内の凹部として形成されている。キャビティ250は、フォトダイオードを収容するために使用され得る。フォトダイオードは、レーザチップ400によって出射されたレーザ光を検出するために設けられ得る。しかしながら、フォトダイオードを省略してもよい。その場合、キャビティ250を省略してもよい。
【0039】
図3では、オプトエレクトロニクス部品100のハウジング110の基部200の下面202を視認することができる。基部200の下面202は、実質的に平坦である。第1のはんだ接触パッド210および第2のはんだ接触パッド220が基部200の下面202上に形成されている。第1のはんだ接触パッド210および第2のはんだ接触パッド220は、共通の面内に配置されている。第1のはんだ接触パッド210は導電ピン260の長手方向の端部上に形成され、導電ピン260に電気接続している。第2のはんだ接触パッド220は、第1のはんだ接触パッド210をリング状に包囲し、基部200の導電ピン260から電気的に絶縁されている部分に電気接続している。
【0040】
オプトエレクトロニクス部品100のハウジング110の基部200の第1のはんだ接触パッド210および第2のはんだ接触パッド220は、表面実装(例えば、リフローはんだ付けによる表面実装)に適している。
【0041】
オプトエレクトロニクス部品100のハウジング110のキャップ300は例えば、深絞り鋼板から形成され得る。
【0042】
キャップ300は、プラットホーム230、および、プラットホーム230のチップ実装面235上に配置されたレーザチップ400がキャップ300によって被覆され得るように、オプトエレクトロニクス部品100のハウジング110の基部200の上面201上に配置されるように設計されている。好ましいことに、レーザチップ400は、オプトエレクトロニクス部品100のハウジング110の、レーザチップ400を取り囲む部分から密封封止されている。それによりレーザチップ400は、水分および汚染物質から保護されている。その結果、レーザチップ400の寿命、ひいてはオプトエレクトロニクス部品100全体の寿命が長くなり得る。
【0043】
キャップ300は、溶接接続部320によってハウジング110の基部200に接続され得る。キャップ300とオプトエレクトロニクス部品100のハウジング110の基部200との間の溶接接続部320は例えば、パルス溶接によって形成され得る。キャップ300は、基部200の上面201に対向する側に、溶接接続部320の形成時に溶融される環状の縁部を有し得る。
【0044】
キャップ300は、窓部310を有する。窓部310は、レーザチップ400がキャップ300によって被覆される場合に、オプトエレクトロニクス部品100のレーザチップ400によって出射されたレーザビームが窓部310を通ってオプトエレクトロニクス部品100のハウジング110から出射され得るように配置されている。この目的のために、窓部310は、レーザチップ400によって出射されたレーザ放射を実質的に透過させる材料を含む。好ましくは、窓部310は密封封止されてキャップ300内に嵌合されている。
【0045】
図4は、オプトエレクトロニクス装置500のプリント回路基板600の概略斜視図を示す。オプトエレクトロニクス装置500は、レーザ装置等であり得る。
【0046】
プリント回路基板600は、前面601と、前面601とは反対側の後面602とを有する。図4に示す例では、プリント回路基板600は、DCB(direct copper bonding;ダイレクトカッパーボンディング)プリント回路基板として設計され、銅、絶縁体、および、銅の追加層から形成された層状複合体(layer composite)を有する。絶縁体は、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウム等を含み得る。しかしながら、プリント回路基板600を、サーマルビアが組み込まれたFR4プリント回路基板、または、金属コアプリント回路基板として設計することもできる。
【0047】
図4に示す例では、5つの直列回路ストリング630がプリント回路基板600の前面601上に配置され、各直列回路ストリング630は、5つのオプトエレクトロニクス部品100を収容するように設けられている。プリント回路基板600は当然、様々な数の直列回路ストリング630を有することもできる。直列回路ストリング630はまた、それぞれ、5つ未満または6つ以上のオプトエレクトロニクス部品100を収容するように設けられることもできる。
【0048】
各直列回路ストリング630は、プリント回路基板600の前面601上のメタライゼーションとして形成されている複数の第1の相手側接触パッド610および第2の相手側接触パッド620有する。直列回路ストリング630の各第2の相手側接触パッド620は、各直列回路ストリング630の最後の第2の相手側接触パッド620まで、同じ直列回路ストリング630の後続の第1の相手側接触パッド610に一体的に接続されて一続きに形成されている。逆の関係も同様に、直列回路ストリング630の各第1の相手側接触パッド610はまた、各直列回路ストリング630の第1の相手側接触パッド610まで、同じ直列回路ストリング630の先行する各第2の相手側接触パッド620に、一続きに一体的に接続している。各直列回路ストリング630の最初の第1の相手側接触パッド610は、各直列回路ストリング630の第1の外部接続領域615に電気接続している。各直列回路ストリング630の最後の第2の相手側接触パッド620は、各直列回路ストリング630の第2の外部接続領域625に電気接続している。
【0049】
図5は、オプトエレクトロニクス部品100が配置されたオプトエレクトロニクス装置500のプリント回路基板600の概略斜視図を示す。図6は、オプトエレクトロニクス装置500のプリント回路基板600およびオプトエレクトロニクス部品100の一部の概略断面図を示す。
【0050】
5つのオプトエレクトロニクス部品100がプリント回路基板600の5つの直列回路ストリング630それぞれの上に配置されている。この場合、各オプトエレクトロニクス部品100は、各オプトエレクトロニクス部品100のハウジング110の基部200の下面202がオプトエレクトロニクス装置500のプリント回路基板600の前面601に対向するように配置されている。各オプトエレクトロニクス部品100のハウジング110の基部200の下面202上の第1のはんだ接触パッド210は、それぞれ、プリント回路基板600の第1の相手側接触パッド610に電気的に接触している。各オプトエレクトロニクス部品100のハウジング110の基部200の下面202上の第2のはんだ接触パッド220は、それぞれ、プリント回路基板600の前面601上の第2の相手側接触パッド620に電気接続している。その結果、各直列回路ストリング630のオプトエレクトロニクス部品100は、直列に電気接続している。
【0051】
オプトエレクトロニクス部品100は、表面実装方法によってプリント回路基板600の前面601上に配置されている。一例を挙げると、オプトエレクトロニクス部品100は、リフローはんだ付けによってプリント回路基板600の前面601上に配置されていてもよい。
【0052】
導電性はんだが各オプトエレクトロニクス部品100の第1のはんだ接触パッド210と、プリント回路基板600の関連付けられた第1の相手側接触パッド610との間に配置されている。同様に、各オプトエレクトロニクス部品100の第2のはんだ接触パッド220と、プリント回路基板600の関連付けられた第2の相手側接触パッド620との間にもはんだが配置されている。
【0053】
ソルダーレジストがプリント回路基板600の各直列回路ストリング630の第2の相手側接触パッド620と後続の各第1の相手側接触パッド610との間の移行領域内のみならず、各直列回路ストリング630の第1の外部接続領域615と後続の第1の相手側接触パッド610との間の移行領域内に配置され、かかるソルダーレジストは、第1の相手側接触パッド610の各部分を、関連付けられた各オプトエレクトロニクス部品100の第2のはんだ接触パッド220から電気的に絶縁している。
【0054】
オプトエレクトロニクス部品100をオプトエレクトロニクス装置500のプリント回路基板600の前面601上に実装するために、最初にはんだペーストをプリント回路基板600の前面601上の相手側接触パッド610,620上に配置する。はんだペーストは、はんだ粉末、フラックス、および、溶剤を含む。同時に、ソルダーレジストを第1の相手側接触パッド610の上述の領域に設ける。はんだペーストおよびソルダーレジストを、スクリーン印刷法またはステンシル印刷法等によって配置することができる。ソルダーレジストはまた、プリント回路基板の製造中に既に塗布されていてもよく、かつ、光パターニングによって構造化されていてもよい。次いで、オプトエレクトロニクス部品100をプリント回路基板600の前面601上に配置する。オプトエレクトロニクス部品100の配置を、SMT配置マシン等によって行ってもよい。次いで、オプトエレクトロニクス部品100を、リフロー炉または気相炉(vapor phase oven)内ではんだ付けする。次いで、オプトエレクトロニクス装置500を、余分なフラックスを除去するために洗浄してもよい。
【0055】
オプトエレクトロニクス部品100のプリント回路基板600の前面601上への配置と同時に、他の部品をプリント回路基板600の前面601上に配置してもよく、かつ、プリント回路基板600に電気接続してもよい。
【0056】
オプトエレクトロニクス装置500の各直列回路ストリング630において、各直列回路ストリング630のオプトエレクトロニクス部品100を作動するために、第1の外部接続領域615と第2の外部接続領域625との間に電圧を印加してもよい。
【0057】
オプトエレクトロニクス装置500の作動時に、オプトエレクトロニクス部品100のレーザチップ400内に排熱が蓄積される。各オプトエレクトロニクス部品100のレーザチップ400内に蓄積される排熱は、レーザチップ400の下面402およびキャリア240を介して各オプトエレクトロニクス部品100の基部200内に放熱され得る。排熱は、基部200からプリント回路基板600内に、各オプトエレクトロニクス部品100の基部200の下面202上の第1のはんだ接触パッド210および第2のはんだ接触パッド220、はんだ接触パッド210,220とプリント回路基板600の相手側接触パッド610,620との間のはんだ接続部、および、プリント回路基板600の相手側接触パッド610,620を介して排熱され得る。この場合、オプトエレクトロニクス部品100内に生じる排熱の放熱は、各オプトエレクトロニクス部品100の基部200の下面202とプリント回路基板600の前面601との間の広範囲の接触によって助長される。オプトエレクトロニクス部品100のはんだ接触パッド210,220とプリント回路基板600の相手側接触パッド610,620との間のはんだ接触部は、有利なことに、わずかな熱抵抗のみを有する。
【0058】
好ましい例示的な実施形態に基づき、本発明を図示し、詳細に説明した。しかしながら、本発明は、開示した例に限定されない。むしろ、当業者であれば、開示した例に基づき、本発明の保護範囲から逸脱することなく、他の変形形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0059】
100 オプトエレクトロニクス部品
110 ハウジング
200 基部
201 上面
202 下面
210 第1のはんだ接触パッド
215 第1のボンディングワイヤ
220 第2のはんだ接触パッド
225 第2のボンディングワイヤ
230 プラットホーム
235 チップ実装面
240 キャリア
250 キャビティ
260 導電ピン
265 絶縁体
300 キャップ
310 窓部
320 溶接接続部
400 レーザチップ
401 上面
402 下面
410 第1の電気接触パッド
420 第2の電気接触パッド
430 放射方向
500 オプトエレクトロニクス装置
600 プリント回路基板
601 前面
602 後面
610 第1の相手側接触パッド(アノード)
615 第1の外部接触パッド
620 第2の相手側接触パッド(カソード)
625 第2の外部接触パッド
630 直列回路ストリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6