特許第6454725号(P6454725)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6454725光信号の受信機用の装置、方法およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6454725
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】光信号の受信機用の装置、方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/61 20130101AFI20190107BHJP
   H04B 10/2507 20130101ALI20190107BHJP
【FI】
   H04B10/61
   H04B10/2507
【請求項の数】14
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-561698(P2016-561698)
(86)(22)【出願日】2015年4月8日
(65)【公表番号】特表2017-516378(P2017-516378A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】EP2015057583
(87)【国際公開番号】WO2015155215
(87)【国際公開日】20151015
【審査請求日】2016年12月1日
(31)【優先権主張番号】14305528.3
(32)【優先日】2014年4月10日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャルレ,ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】サルシ,マッシミリアーノ
【審査官】 浦口 幸宏
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/108421(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/004890(WO,A1)
【文献】 特開2012−175581(JP,A)
【文献】 特開2010−004245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00−10/90
H04J 14/00−14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号の受信機(100)用の装置(10)であって、装置(10)は、
光信号のデジタル化サンプルを第1のサンプリングレートで入力し、
複数のフィルタ係数に基づいてデジタル化サンプルをフィルタリングして、第1のサンプリングレートとは異なる第2のサンプリングレートで光信号のフィルタリングされたサンプルを取得し、
光信号のフィルタリングされたサンプルを第2のサンプリングレートで出力するように動作可能であり
装置(10)はさらに、
適応フィルタによって、第1のサンプリングレートでデジタル化サンプルをフィルタリングし、
適応フィルタの出力サンプルの何分の1かを使用して、適応フィルタの係数を更新し、
光信号のフィルタリングされたサンプルのうちのサンプルとして適応フィルタの係数を更新するために使用されるサンプルを選択し、
光信号のフィルタリングされたサンプルのうちの他のサンプルを決定するように動作可能な、装置(10)。
【請求項2】
第2のサンプリングレートが第1のサンプリングレートより低い、および/または、第1のサンプリングレートの第2のサンプリングレートに対する比が整数とは異なる、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
光信号の複数の偏波および/またはモードに基づいて第1のサンプリングレートでデジタル化サンプルの複数の並列ストリームを入力するように動作可能であり、複数のフィルタ係数を使用して光信号の異なる偏波および/またはモードのフィルタリングされたサンプルを多重分離するようにさらに動作可能な、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項4】
光信号の受信機(100)用の装置(10)であって、装置(10)は、
光信号のデジタル化サンプルを第1のサンプリングレートで入力し、
複数のフィルタ係数に基づいてデジタル化サンプルをフィルタリングして、第1のサンプリングレートとは異なる第2のサンプリングレートで光信号のフィルタリングされたサンプルを取得し、
光信号のフィルタリングされたサンプルを第2のサンプリングレートで出力するように動作可能であり、
第1のサンプリングレートでデジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能な適応フィルタをさらに含み、適応フィルタの出力サンプルの何分の1かを使用して、適応フィルタの係数を更新するように動作可能であり、光信号のフィルタリングされたサンプルのうちのサンプルとして適応フィルタの係数を更新するために使用されるサンプルを選択するように動作可能なデシメータをさらに含み、光信号のフィルタリングされたサンプルのうちの他のサンプルを決定するように動作可能な後段のデシメータと組み合わされた1つまたは複数の補間器をさらに含む、装置(10)。
【請求項5】
光信号の受信機(100)用の装置(10)であって、装置(10)は、
光信号のデジタル化サンプルを第1のサンプリングレートで入力し、
複数のフィルタ係数に基づいてデジタル化サンプルをフィルタリングして、第1のサンプリングレートとは異なる第2のサンプリングレートで光信号のフィルタリングされたサンプルを取得し、
光信号のフィルタリングされたサンプルを第2のサンプリングレートで出力し、
複数の並列フィルタ(22a−d、24a−d)のそれぞれがフィルタリングされたサンプルを出力するように動作可能な複数の並列フィルタ(22a−d、24a−d)からなる構造を使用してデジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能であり、複数の並列フィルタ(22a−d、24a−d)のうちの1つのフィルタのサンプル出力レートが第2のサンプリングレートより低く、
複数の並列フィルタ(22a−d、24a−d)のうちの2つのフィルタの2つのフィルタリングされた出力サンプルが遅延により時間シフトされ、遅延が第1のサンプリングレートと第2のサンプリングレートとの関係に基づく、装置(10)。
【請求項6】
フィルタ係数を適応的に更新するように動作可能な、請求項に記載の装置(10)。
【請求項7】
コンスタントモジュラスアルゴリズムまたはマルチモジュラスアルゴリズムに基づいてフィルタ係数を適応的に更新または初期化するように動作可能な、請求項に記載の装置(10)。
【請求項8】
複数の並列フィルタ(22a−d、24a−d)が、光信号の後続デジタル化サンプルのブロック(30)を処理するように動作可能であり、
複数の並列フィルタ(22a−d、24a−d)のうちの2つのフィルタのうちの第1のフィルタ(22a、24a)が、第2のサンプリングレートを有して光信号の後続デジタル化サンプルのブロック(30)に対応する後続のフィルタリングされたサンプル(32)のブロック内の第1のフィルタリングされたサンプルを出力する基準フィルタに対応し、
複数の並列フィルタ(22a−d、24a−d)のうちの2つのフィルタのうちの第2のフィルタ(22b−d)が、後続のフィルタリングされたサンプルのブロック(32)内の第1のフィルタリングされたサンプルのkinterpサンプル後に、第2のフィルタリングされたサンプルを出力するフィルタに対応し、
遅延が、複数の並列フィルタ(22a−d、24a−d)のうちの第2のフィルタ(22b−d、24b−d)によって使用される光信号の後続デジタル化サンプルのブロック(30)から、最も早い入力サンプル(34a−d、36a−d)のタイミングを基準にして決定され、前記タイミングが、
interp(kinterp)=(kinterp)/再サンプリングレート−round((kinterp)/再サンプリングレート)
によって遅延され、
interpが最も早い入力サンプル(34a−d、36a−d)のタイミングと第2のフィルタリングされたサンプルの出力との間の遅延に対応し、再サンプリングレートが第1のサンプリングレートと第2のサンプリングレートとの比に対応する、請求項に記載の装置(10)。
【請求項9】
複数の並列フィルタ(22a−d、24a−d)のうちの第2のフィルタ(22b−d、24b−d)によって使用される後続デジタル化サンプルのブロック(30)内の最も早い入力サンプル(34a−d、36a−d)の位置tin
in=round((tout−1)/再サンプリングレート)
に対応し、toutが後続のフィルタリングされたサンプルのブロック(32)内の第2のフィルタリングされたサンプルの位置に対応する、請求項に記載の装置(10)。
【請求項10】
1つまたは複数のバタフライフィルタ構造(22a−d、24a−d)を使用して光信号のデジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能であり、および/または、1つまたは複数の有限インパルス応答フィルタ構造(22a−d、24a−d)を使用して光信号のデジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能である、請求項に記載の装置(10)。
【請求項11】
デジタル化サンプルを第1のサンプリングレートで光信号のシンボルストリームに同期させるように動作可能であり、および/または、第1のサンプリングレートでデジタル化サンプル内においてクロック回復(18)に基づいてデジタル化サンプルを同期させるように動作可能である、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項12】
第1のサンプリングレートで光信号のデジタル化サンプルにおける色分散を低減するように動作可能であり、および/または、第1のサンプリングレートでデジタル化サンプルを得るために光−電気変換されたアナログ信号をデジタル化(14)するように動作可能である、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項13】
光信号の受信機(100)のための方法であって、
第1のサンプリングレートで光信号のデジタル化サンプルを入力すること(52)と、
複数のフィルタ係数に基づいてデジタル化サンプルをフィルタリングして、第1のサンプリングレートとは異なる第2のサンプリングレートで光信号のフィルタリングされたサンプルを取得すること(54)と、
第2のサンプリングレートで光信号のフィルタリングされたサンプルを出力すること(56)と
適応フィルタによって、第1のサンプリングレートでデジタル化サンプルをフィルタリングすることと、
適応フィルタの出力サンプルの何分の1かを使用して、適応フィルタの係数を更新することと、
光信号のフィルタリングされたサンプルのうちのサンプルとして適応フィルタの係数を更新するために使用されるサンプルを選択することと、
光信号のフィルタリングされたサンプルのうちの他のサンプルを決定することとを含む、方法。
【請求項14】
コンピュータプログラムであって、コンピュータ、プロセッサ、またはプログラム可能ハードウェア構成要素上で実行されると請求項13に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
各実施形態は、光信号の受信機のための装置、方法およびコンピュータプログラムに関し、より詳細には、光受信機におけるサンプリングレート適応化に関するが、これらには限定されない。
【背景技術】
【0002】
本項では、本発明をよりよく理解するのに有用と考えられる態様について述べる。したがって、本項の内容は、この点に鑑みて読まれるべきであり、従来の技術にあることと従来の技術にないこととに関する承認として理解されるべきではない。
【0003】
従来の通信システムは、基幹部分とアクセス部分とを主に含む。例えば、無線通信ネットワークは、無線アクセスを確立し、制御する無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)部と、無線通信ネットワークの他のネットワークおよび他のユーザがそれを介して接続されるコアネットワーク(Core Network:CN)とを含む場合がある。パケットデータまたはパケット交換通信ネットワークの別の例は、ワールドワイドウェブ(WWW)のサーバとルータとの間に確立される通信ネットワークである。データ需要の着実な増加に伴い、増大した負荷を処理するようにインターフェースおよびネットワークが改良される。ネットワークにおける有線接続の場合、そのようなインターフェース間の回線容量を向上させるためにファイバを使用する光データ伝送が使用される。
【0004】
光データ伝送、無線、電信線、または電力線通信を使用するシステムなどの通信システムでは、デジタルデータ値が光伝送信号を使用して伝送され得る。光伝送信号は、伝送されるデータ値に基づき、位相シフトキーイング(Phase−Shift Keying:PSK)変調または直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation:QAM)方式各々の信号空間ダイアグラムに従って、搬送周波数を有する光搬送波信号の位相および/または振幅を変調することによって生成される。顕著な例は、二位相シフトキーイング(Binary Phase Shift Keying:BPSK)、四位相シフトキーイング(Quaternary Phase Shift Keying:QPSK)、16QAM、64QAMなどである。
【0005】
光受信機では、例えばアナログ−デジタル(Analog−to−Digital:AD)変換器、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)、例えばバタフライ型等化器といったフィルタ構造などの構成要素が、光−電気(Optical−to−Electrical:OE)変換された信号をデジタル化するために適用されるサンプリングレートに従う。例えば、これらの構成要素には1シンボル当たり2サンプルのサンプリングレートが使用されることがある。一般に、サンプリングレートが高いほど、それぞれの処理構成要素の動作周波数が高く、それぞれの構成要素の電力消費が高い。
【0006】
文献米国特許出願公開第2011/0236025A1号には、受信機システムのADCのサンプリングレートとアナログアンチエイリアシングフィルタの帯域幅との間の相互作用を最適化するための装置および方法が記載されている。この記載の技術は、受信機システムに含まれる光学フィルタおよび電気フィルタの帯域幅を最適化することによって、分数サンプリングレートで動作する受信機システムのエイリアシングを低減するために使用され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0236025号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】J.C.Geyerら、「Efficient Frequency Domain Chromatic Dispersion Compensation in a Coherent Polmux QPSK−Receiver」、Optical Fiber Communication(OFC), collocated National Fiber Optic Engineers Conference (NFOEC)、2010 Conference on (OFC/NFOEC)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
様々な例示の実施形態のいくつかの態様を明らかにし、簡単に述べることが意図された以下の発明の概要では、いくつかの単純化が行われることがあるが、そのような単純化は、本発明の範囲を限定することは意図されていない。当業者が本発明の概念を実施し、使用することができるようにするのに十分な好ましい例示の実施形態の詳細な説明は、その後に示す各項で行う。
【0010】
様々な実施形態が、光送受信機のための装置、方法およびコンピュータプログラムを提供する。各実施形態が、改良された受信機処理を使用してより効率的な光伝送概念を可能にし得る。これは、光受信機の信号処理系統における異なる構成要素に異なるサンプリングレートが使用され得るように、サンプルを再サンプリングすることによって達成され得る。
【0011】
実施形態は、光信号の受信機用の装置を提供する。この装置は、光信号のデジタル化サンプルを第1のサンプリングレートで入力するように動作可能である。さらに、装置は、第2のサンプリングレートで光信号のフィルタリングされたサンプルを得るために、複数のフィルタ係数に基づいてデジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能である。第2のサンプリングレートは第1のサンプリングレートとは異なる。さらに、装置は、第2のサンプリングレートで光信号のフィルタリングされたサンプルを出力するように動作可能である。各実施形態は、処理要求に合わせたサンプリングレートの適応化を可能にすることができ、それによって、処理要求に合わせた処理構成要素の電力消費の適応化を可能にすることができる。例えば、出力サンプリングレートは、1シンボル当たり1サンプルに対応し得る。ある実施形態では、第2のサンプリングレートは、第1のサンプリングレートより低い。ある実施形態では、第1のサンプリングレートの第2のサンプリングレートに対する比は整数とは異なってよく、1と2の間の数などの有理数または実数に対応し得る。
【0012】
したがって、各実施形態は、光受信機の信号処理系統におけるサンプリングレートと処理能力と電力消費との低減を可能にすることができる。
【0013】
装置は、ある実施形態では、フィルタ係数を適応的に更新するように動作可能とすることができる。各実施形態は、処理系統において、遅延、位相関係もしくは周波数関係、等化、干渉もしくは誤差低減、または任意のその他の信号特性を維持するために、フィルタ係数を適応的に更新することができる適応フィルタリングに基づく再サンプリングを可能にすることができる。例えば、装置は、コンスタントモジュラスアルゴリズムまたはマルチモジュラスアルゴリズムに基づいてフィルタ係数を適応的に更新するように動作可能とすることができる。ある実施形態では、そのようなアルゴリズムは、等化、偏波多重分離、偏波モード分散(polarization mode dispersion:PMD)補償、残留色分散補償、またはリタイミングのために、フィルタ係数を適応的に更新するために適用可能である。装置は、コンスタントモジュラスアルゴリズムまたはマルチモジュラスアルゴリズムに基づいてフィルタ係数を初期化し、その後、更新アルゴリズムを適用しないか、または他の更新アルゴリズムを適用するように動作可能とすることができる。
【0014】
ある実施形態では、装置は、光信号の複数の偏波および/またはモードに基づいて、第1のサンプリングレートでデジタル化サンプルの複数の並列ストリームを入力するように動作可能とすることができる。すなわち、入力サンプルは、光信号の複数のモードおよび/または複数の偏波を表し得る。装置は、複数のフィルタ係数を使用して光信号の異なる偏波および/またはモードのフィルタリングされたサンプルを多重分離するようにさらに動作可能とすることができる。したがって、実施形態は、複合フィルタ構造において再サンプリングおよび偏波またはモード多重分離を可能とすることができる。
【0015】
ある実施形態では、装置は、第1のサンプリングレートでデジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能な適応フィルタをさらに含み得る。装置は、適応フィルタの係数の更新を、適応フィルタの出力サンプルの何分のいくつかに基づかせるように動作可能とすることができる。装置は、光信号のフィルタリングされたサンプルのうちのサンプルとして適応フィルタの係数を更新するために使用されるサンプルを選択するように動作可能なデシメータをさらに含み得る。装置は、光信号のフィルタリングされたサンプルのうちの他のサンプルを決定するように動作可能な後段のデシメータと組み合わされた、1つまたは複数の補間器をさらに含み得る。ある実施形態は、第1のサンプリングレートでの適応フィルタ更新のために選択されたサンプルと、フィルタリングされた光出力信号のために選択されたサンプルとの間の相乗作用を利用することができ、その場合、そのような選択は同期されるかまたは同じサンプルに基づく。言い換えると、ある実施形態では、適応フィルタ更新のために選択される、第1のサンプリングレートによるサンプルストリームから選択されたサンプルを、第2のサンプリングレートによる出力サンプルストリームのサンプルとして使用することができる。
【0016】
例えば、装置は、複数の並列フィルタからなる構造を使用して、デジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能とすることができる。複数の並列フィルタのそれぞれは、フィルタリングされたサンプルを出力するように動作可能とすることができる。複数の並列フィルタのうちの1つのフィルタのサンプル出力レートは、第2のサンプリングレートよりも低くすることができる。したがって、各実施形態は、低減されたサンプリングレートで並列フィルタ構造を動作させるために並列化を可能とすることができる。
【0017】
さらに他の実施形態では、複数の並列フィルタのうちの2つのフィルタの2つのフィルタリングされた出力サンプルが、遅延により時間シフトされてもよい。この遅延は、第1のサンプリングレートと第2のサンプリングレートとの関係に基づく。実施形態は、再サンプリングされた出力サンプルのタイミング適応化を可能にすることができる。複数の並列フィルタは、光信号の後続デジタル化サンプルのブロックまたはグループを処理するように動作可能とすることができる。複数の並列フィルタのうちの2つのフィルタのうちの第1のフィルタは、第2のサンプリングレートを有する後続のフィルタリングされたサンプルのブロック内の第1のフィルタリングされたサンプルを出力する基準フィルタに対応し得る。後続のフィルタリングされたサンプルのブロックは、光信号の後続デジタル化サンプルの入力ブロックに対応し得る。複数の並列フィルタのうちの2つのフィルタのうちの第2のフィルタは、後続のフィルタリングされたサンプルのブロック内の第1のフィルタリングされたサンプルのkinterpサンプル後に第2のフィルタリングされたサンプルを出力するフィルタに対応する。遅延は、複数の並列フィルタのうちの第2のフィルタによって使用される光信号の後続デジタル化サンプルのブロックからの最も早い入力サンプルのタイミングを基準にして決定される。このタイミングは、
interp(kinterp)=(kinterp)/再サンプリングレート−丸め((kinterp)/再サンプリングレート)
により遅延されてよく、ここで、dinterpは最も早い入力サンプルのタイミングと第2のフィルタリングされたサンプルの出力との間の遅延に対応する。再サンプリングレートは、第1のサンプリングレートと第2のサンプリングレートとの比に対応する。各実施形態は、第1のサンプリングレートと第2のサンプリングレートとに適応化されたタイミングで、第2のサンプリングレートでフィルタリングされた出力サンプルを供給することができる。
【0018】
さらに、ある実施形態では、複数の並列フィルタのうちの第2のフィルタによって使用される後続デジタル化サンプルのブロック内の最も早い入力サンプルの位置tinは、
in=丸め((tout−1)/再サンプリングレート)
に対応してよく、ここで、toutは、後続のフィルタリングされたサンプルのブロック内の第2のフィルタリングされたサンプルの位置に対応する。各実施形態は、フィルタ構造を、光信号からのフィルタ処理された入力サンプルが再サンプリングレートに基づいて考慮されるように適応化し、および/または、フィルタ構造の個々のフィルタにおいて考慮されるタップ数またはフィルタ係数に合わせて適応化し得る。
【0019】
実施形態では、この装置は、1つまたは複数のバタフライフィルタ構造を使用して光信号のデジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能とすることができる。装置は、1つまたは複数の有限インパルス応答フィルタ構造を使用して、光信号のデジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能とすることができる。実施形態は、光信号のデジタル化サンプルのための効率的なフィルタ構造を可能とすることができる。さらに、装置は、第1のサンプリングレートで光信号のシンボルストリームにデジタル化サンプルを同期させるように動作可能とすることができる。装置は、第1のサンプリングレートでデジタル化サンプル内においてクロック回復に基づいてデジタル化サンプルを同期させるように動作可能とすることができる。
【0020】
ある実施形態では、装置は、第1のサンプリングレートで光信号のデジタル化サンプルにおける色分散を低減するように動作可能とすることができ、および/または、装置は、第1のサンプリングレートでデジタル化サンプルを得るために、光−電気変換されたアナログ信号をデジタル化するように動作可能とすることができる。実施形態は、光信号のベースバンド処理のための効率的な概念を提供することができる。
【0021】
実施形態は、光信号の受信機のための方法を提供する。この方法は、光信号のデジタル化サンプルを第1のサンプリングレートで入力することを含む。この方法は、第2のサンプリングレートで光信号のフィルタリングされたサンプルを得るために、複数のフィルタ係数に基づいてデジタル化サンプルをフィルタリングすることをさらに含む。第2のサンプリングレートは、第1のサンプリングレートとは異なる。この方法は、第2のサンプリングレートで光信号のフィルタリングされたサンプルを出力することをさらに含む。
【0022】
実施形態は、コンピュータプログラムであって、コンピュータまたはプロセッサ上で実行されると、上述の方法のうちの1つまたは複数の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムをさらに提供する。さらに他の実施形態は、コンピュータによって実行されると、本明細書に記載の方法のうちの1つをコンピュータに実施させる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体である。
【0023】
他のいくつかの特徴または態様について、以下の装置または方法またはコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム製品の非限定的実施形態を使用して、例示のみを目的として、添付図面を参照しながら説明がされる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】受信機用の装置の実施形態のブロック図を示す図である。
図2】光信号用の受信機の実施形態のブロック図を示す図である。
図3】光信号用の受信機の別の実施形態のブロック図を示す図である。
図4】一実施形態の処理例を示す図である。
図5】一実施形態におけるフィルタ構造の例を示す図である。
図6】一実施形態の時間領域における適応フィルタを使用する処理例を示す図である。
図7】一実施形態の周波数領域における適応フィルタを使用する処理例を示す図である。
図8】一実施形態の時間領域における適応フィルタを使用する別の処理例を示す図である。
図9】一実施形態におけるフィルタ構造の別の例を示す図である。
図10】一実施形態におけるフィルタ構造の別の例を示す図である。
図11】光信号用の受信機の別の実施形態のブロック図を示す図である。
図12】再サンプリングレートの取り得る値の表を示す図である。
図13】Q値と光信号対雑音比との関係のシミュレーション結果を示す図である。
図14】光信号受信機のための方法の一実施形態のブロック図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
いくつかの例示の実施形態が示された添付図面を参照しながら、様々な例示の実施形態について、以下により詳細に説明がされる。図面中、線、層または領域の厚さはわかりやすいように誇張されている場合がある。
【0026】
したがって、例示の実施形態は、様々な変更および代替形態が可能であるが、その実施形態が図面に例示として示され、本明細書で詳細に説明される。しかし、例示の実施形態を開示されている特定の形態に限定する意図はなく、例示の実施形態は、本発明の範囲に含まれるすべての変更、均等物および代替を対象とすることを理解されたい。図面の説明全体を通して、同様の参照番号は同様または類似の要素を指す。
【0027】
本明細書で使用する「または(or)」という用語は、(例えば「あるいは(or else)または「または代替態様では(or in the alternative)」等)別様の記載がない限り、非排他的な「または(or)」を指す。さらに、本明細書では、要素間の関係を説明するために使用される語は、別様の記載がない限り、直接的関係または介在要素の存在を含むものと広義に解釈されるべきものである。例えば、ある要素について別の要素に「接続されている」または「結合されている」と言う場合、その要素はその別の要素に直接、接続もしくは結合されていてよく、または介在要素が存在してもよい。一方、ある要素について別の要素に「直接接続されている」または「直接結合されている」と言う場合、介在要素は存在しない。同様に、「間」、「隣接」などの語も同様に解釈されるべきである。
【0028】
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、例示の実施形態の限定を意図していない。本明細書で使用する単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に別様に示していない限り、複数形も含むことが意図されている。また、本明細書で使用する「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」という用語は、記載されている特徴、整数、ステップ、動作、要素または構成要素の存在を規定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素またはこれらのグループの存在または追加を排除しないことがわかるであろう。
【0029】
別様に定義されていない限り、本明細書で使用されているすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例示の実施形態が属する技術分野の当業者によって通例理解されるのと同じ意味を有する。また、例えば、一般的に使用されている辞書で定義されている用語は、関連する技術の文脈におけるそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化された意味または過度に形式的な意味に解釈されないことはわかるであろう。
【0030】
以下では、光受信機用の装置、方法およびコンピュータプログラムのいくつかの実施形態について述べられる。図1に、受信機100用の装置10の一実施形態のブロック図を示す。言い換えると、装置10は受信機100に対して適応化されるかまたは受信機100において動作可能に構成することができる。装置は、受信機100によって操作され得るか、または受信機に含まれ得る。実施形態は、装置10を含む受信機100も提供することができる。図1には、装置10を含む受信機100の一実施形態(破線)がさらに示されている。
【0031】
装置10は、第1のサンプリングレートで光信号のデジタル化サンプルを入力するように動作可能である。装置10は、さらに、第2のサンプリングレートで光信号のフィルタリングされたサンプルを得るために、複数のフィルタ係数に基づいてデジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能である。第2のサンプリングレートは、第1のサンプリングレートとは異なる。装置10は、さらに、第2のサンプリングレートで光信号のフィルタリングされたサンプルを出力するように動作可能である。各実施形態では、装置10は、1つまたは複数の処理ユニット、1つまたは複数の処理装置、1つまたは複数の処理モジュール、任意の処理手段などとして実装可能である。ある実施形態では、装置10はデジタル処理手段、例えばプロセッサに相当し得る。言い換えると、装置10は、適宜に適応化されたプログラム可能ハードウェア上で実行されるソフトウェアとして実装することができる。他の実施形態では、装置10は、本明細書に記載の処理を実行するように適応化された処理ハードウェアに相当し得る。ある実施形態では、装置10は、プロセッサ、コントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などに相当し得る。
【0032】
受信機100は、後で詳述するように、さらに他の構成要素を含み得る。なお、受信機100は、ソフトウェアモジュールなどの様々な処理モジュールを使用してデジタル処理手段として実装され得ることに留意されたい。例えば、コヒーレント受信機100におけるDSPなどのそのような処理手段に含まれるアルゴリズムの1つは、コンスタントモジュラスアルゴリズム(Constant Modulus Algorithm:CMA)によって更新される適応バタフライ等化器とすることができる。
【0033】
図1に、CMAを使用するそのようなバタフライ等化器に相当し得る任意選択のフィルタ構造12をさらに示す。各実施形態では、フィルタ構造12は、等化、偏波多重分離、偏波モード分散(Polarization Mode Dispersion:PMD)補償、残留色分散補償、および/またはリタイミングなどの複数の機能を提供することができる。以下では、そのようなアルゴリズムが、シンボルレートよりも高いサンプリング周波数、例えば1シンボル当たり2サンプル(2Sps)と表される場合もある、シンボルレートの2倍のサンプリング周波数で、入力信号に対して作用するものとする。各実施形態は、例えば、アナログ−デジタル変換器(ADC)部および色分散補償(Chromatic Dispersion Compensation:CD comp)部において、受信機100の電力消費の低減をさらに可能にする、1シンボル当たりのサンプル数の削減を可能にし得る。したがって、ある実施形態は、例えば1.5Spsで動作可能である。したがって、各実施形態は、削減された1シンボル当たりサンプル数用のCMAも含み得る、シンボルレートを再サンプリングするための装置10を提供することができる。
【0034】
図2に、光受信機100の処理系統において備えられ得る構成要素のうちの少なくとも一部を示すために使用される、一実施形態における光受信機100を示す。図2の構成要素の下には、対応するサンプリングレートがSps単位で示されている。図2は、装置10を含む受信機100を示す。本実施形態では、受信機100および装置10は、光信号のアナログベースバンド表現に対応する電気信号を受信するものとする。当技術分野で知られているように、光受信機100は、光信号を受信するためと、光信号を電気信号に変換するための、光学素子、例えば光ダイオードまたは光トランジスタなど、さらに他の構成要素も含み得る。さらに、受信機100、装置10はそれぞれ、増幅器、例えば低雑音増幅器(Low Noise Amplifier:LNA)、またはフィルタ回路、例えばバンドパスフィルタ、ミキサもしくはダウンコンバータなどの構成要素をさらに含み得る。図2に示すように、アナログ電気信号は、アナログ電気信号をデジタル電気信号に変換する1つまたは複数のADC14に供給される。言い換えると、図2に示す実施形態では、装置10はADC14を含む。すなわち、装置10は、第1のサンプリングレートでデジタル化サンプルを得るために、光−電気変換されたアナログ信号をデジタル化するように動作可能である。
【0035】
本実施形態では、第1のサンプリングレートは2Spsであるものとする。図2にさらに示されているように、上部に1つと下部に1つの、2つの信号処理分岐がある。一般に、光信号の異なるモードまたは偏波を処理するために、複数の分岐が使用され得る。言い換えると、装置10は、光信号の複数の偏波および/または複数のモードに基づいて、第1のサンプリングレートでデジタル化サンプルの複数の並列ストリームを入力するように動作可能とすることができる。ある実施形態では、装置10は、後で詳述されるように、複数のフィルタ係数を使用して、光信号の異なる偏波および/または異なるモードのサンプルを多重分離するようにさらに動作可能とすることができる。図2に示すように、デジタル化サンプルは、ADC14に結合された2つの色分散補償ユニット16aおよび16bに第1のサンプリングレートで供給される。言い換えると、2つの色分散補償ユニット16aおよび16bは、例えば、単一モードファイバまたはマルチモードファイバなどの光ファイバを介した通信によって引き起こされる、光信号に発生している可能性がある色分散を補償するフィルタ回路またはフィルタ構成要素に相当し得る。
【0036】
図2に示すように、2つのユニット16aおよび16bは、第1のサンプリングレートで動作する。補償されたデジタルサンプルは、次に、デジタルサンプルからクロック周波数を回復し、ユニット16aおよび16bに結合されているクロック回復ユニット18に、やはり第1のサンプリングレートで供給される。本実施形態では、クロック回復18は、デジタル化サンプルの搬送周波数を回復するものとする。ある実施形態では、このような搬送周波数は厳密であり得るが、光信号のデジタル化サンプルと実際のシンボルとの位相合わせはまだ実現されていなくてもよい。このような同期は、クロック回復ブロック18において、または後段のCMAブロック12において、例えばフィルタによって生じさせられた小数遅延によって実現され得る。クロック回復18に結合された後段のCMAブロック12では、第1のサンプリングレートから第2のサンプリングレート、本実施形態では2Spsから1Spsへの再サンプリングを行うことができる。後で詳述するように、CMA12は、複数の機能または処理機能を実行するために1つまたは複数のフィルタ構造を含むことができる。各分岐には、第2のサンプリングレートへの再サンプリングの後、搬送周波数推定および補正(Carrier Frequency Estimation and correction:CFE)および搬送波位相修正および補正(Carrier Phase Estimation and correction:CPE)20aおよび20bを実行するCMA12に結合されたブロックがある。これらの処理ブロックは、第2のサンプリング周波数(1Sps)で動作することができ、搬送波および位相の推定および補償または補正を行うことができる。例えば、オフセット補正が行われてもよい。
【0037】
上述のように、図2に示す上記の構成要素の一部は、DSPおよび対応するソフトウェアモジュールによって実装され得る。CMAフィルタ構造12は、サンプリングレートを第1のサンプリングレートから第2のサンプリングレートに低減する手段を含み得る。本実施形態では、第2のサンプリングレートは第1のサンプリングレートより低い。他の実施形態では、第1のサンプリングの第2のサンプリングレートに対する比は、整数ではない。言い換えると、本実施形態における比2Sps/1Sps=2とは異なり、そのような比は整数でなくてもよく、実数または有理数、例えば1.5Sps/1Sps=1.5に相当してもよい。
【0038】
各実施形態では、CMAブロック12は、1組のバタフライフィルタ、例えば標準CMAの単一4−有限インパルス応答(Finite Impulse Response:FIR)方式のバタフライフィルタバンクの拡張を含み得る。CMA12は、CMAに基づき得る一組の独立した適応的更新機能をさらに含み得る。破局的事象を避けるために、CMA12は、サンプルのブロックのフィルタの正しい初期化のための要素をさらに含み得る。すなわち、装置10は、CMA12において適用されるフィルタ係数を適応的に更新するように動作可能とすることができる。例えば、フィルタ係数は、CMA、MMAなどのコンスタントモジュラスまたはマルチモジュラスアルゴリズムに基づいて更新されてもよい。さらに、少なくとも一部の実施形態では、装置10は、CMAまたはMMAに基づいてフィルタ係数を初期化するように動作可能とすることができる。続いて、任意のサンプリングレートで入力信号に対して作用することができるCMAブロックの処理機能を可能にするために、これらの要素がどのように操作され得るかについて説明される。例えば、フィルタの更新は、8/16または64QAMサンプルに対してMMAによって行われ得る。
【0039】
図3に、光信号用の受信機100の一実施形態のブロック図を示す。図3の実施形態では、1.5Spsで動作するADC/DSPが、低減SPS CMA12を使用し、1.5Spsから1Spsにダウンサンプリングする。図3の実施形態は、第1のサンプリングレートが1.5Spsで第2のサンプリングレートが1Spsである点を除き、図2の実施形態と同様の構成要素を示す。これらの構成要素の特徴または機能については、図2の説明で言及されている。図3に示す実施形態では、入力信号は第1のサンプリングレートである1.5Spsのサンプルを含む。可能な一実装形態では、DSPは1.5Spsで動作する。その場合、ADC14は、1.5Spsでサンプリングし、色分散補償16a、16bと低減SPS CMA12との間のその他の構成要素またはDSPブロックも第1のサンプリングレート1.5Spsで動作する。これらのブロック、例えば、色分散補償ブロック16a、16bおよびクロック回復18の1.5Spsでの実装は、図2で説明したサンプリングレート2Spsの場合の実装の変形例とみなすことができる。フィルタ構造12または低減SPS CMA12は、本実施形態における再サンプリングを実行する。その入力信号は、第1のサンプリングレート1.5Spsの信号であり、出力信号は第2のサンプリングレート1Spsの信号である。ある実施形態では、装置10の低減SPS CMA12は、光信号の複数の偏波の偏波多重分離、等化、リタイミングおよびダウンサンプリングなど、さらに他の信号処理または信号操作を行うことができる。これらの動作は、再サンプリングと共に一度にまたは順次に行われ得る。
【0040】
図4は、図3に示すような実施形態の処理例を示す。図4は、上部にタイムラインを示しており、奇数出力サンプル(事例1)および偶数出力サンプル(事例2)が例示されている。四角形マーカによって示されているシンボルは、第2のサンプリングレート1Spsの光信号のフィルタリングされたサンプルを表す。四角形マーカの下には、第1のサンプリングレート1.5Spsの光信号のデジタル化サンプルを表す一連のダイヤモンド形マーカがある。図4は、入力サンプル(ダイヤモンド形)と出力シンボル(四角形)との間の時間合わせを単純化して表現したものを示している。また、クロック回復18および小数遅延に関しては、何らかの同期がすでに実現されているものとする。出力シンボルは、偶数と奇数の2つの別個の組の一部とみなされ得る。奇数出力シンボルは、入力サンプルに整列されたシンボルである。偶数出力シンボルは、図4の上部の2つの入力サンプルの中間にくるシンボルである。説明を簡単にするために、偏波多重分離等化およびリタイミングの必要を無視すると、偶数出力シンボルは、入力信号のサンプリングレート、すなわち第1のサンプリングレート1.5Spsに正規化された、0.5シンボル期間分の小数遅延を必要とし得る。
【0041】
この意味で、奇数と偶数の両方の出力シンボルが、便宜上端を切られたシンク関数(truncated sinc−function)に基づくことができる小数遅延フィルタを通ると想定することができる。事例1(奇数)および事例2(偶数)出力シンボルについて、これらのシンク関数が図4の下部に示されている。奇数出力シンボルのフィルタは、t=0以外のどの位置でも0である、整数値でサンプリングされたシンクとなる。したがって、奇数出力シンボルのフィルタは、単純なディラックインパルス関数またはデルタ関数ともみなせる。偶数出力シンボル(事例2)の場合、図4に示す例では出力シンボルは、
t=−3.5、−2.5、−1.5、−0.5、0.5、1.5、2.5、3.5
でサンプリングされ得る。
【0042】
言い換えると、図4は、奇数と偶数のシンボルの2つの可能な事例を表したものを示している。事例1では、奇数シンボルが、入力信号の対応するサンプルと時間合わせされ、事例2では、偶数シンボルが入力信号の2つのサンプルの中間にある。タイミング補間器をシンボルの偶数と奇数の組の適切な値と共に使用することにより、出力シンボルの偶数と奇数の両方の組が必要とするリタイミング機能を実現することができる。図4に示すように、奇数シンボルと偶数シンボルに異なるフィルタリング関数を使用することができる。例えば、以降の図に示すように、奇数シンボルのためのバタフライ構造において4つのFIRフィルタが使用されてよく、偶数出力シンボルのためのバタフライ構造において4つの異なるFIRフィルタが使用されてもよい。
【0043】
図5に、一実施形態におけるフィルタ構造12の一例を示す。図5に示す実施形態では、光信号の複数の偏波および/または複数のモードに基づき得る、第1のサンプリングレートのデジタル化サンプルの複数の並列入力ストリームがフィルタリングされる。それに対応して、本実施形態によって、複数の出力フィルタリングされたデジタル化サンプルが供給される。図5にさらに示すように、フィルタ構造12を備えた装置10は、奇数出力サンプル(伝達関数hCMA)用の複数の並列フィルタ22a、22b、22c、22dと、偶数出力フィルタリングされたサンプル(伝達関数Hinterpolation*hCMA)用の24a、24b、24c、24dとからなる構造を使用して、デジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能である。図5に示す実施形態に示すようなフィルタは、並列FIR構造である。
【0044】
複数の並列フィルタ22a−dおよび24a−dのそれぞれは、着信入力サンプルに基づいてフィルタリングされたサンプルを出力するように動作可能である。図5に示すように、例えば、フィルタ2aは、入力サンプル1、2、3、4および5に基づいて出力サンプル3を決定し、フィルタ24dは、入力サンプル11、12、13、14および15に基づいて出力サンプル10を決定するなどである。また、それぞれのフィルタ22a−dおよび24a−dの入力サンプルのナンバリングから、2つの連続した奇数または偶数フィルタ22a−dおよび24a−dの間に1.5x2サンプルのシフトがあることがわかる。言い換えると、図5では、並列処理ファクタ8と5タップCMAが示されている。複数の並列フィルタ22a−d、24a−dの出力が組み合わされてすべてのフィルタ全体の出力レートが第2のサンプリングレートに対応し得るため、複数の並列フィルタ22a−d、24a−dのうちの1つのフィルタのサンプル出力レートは第2のサンプリングレートよりも低い。
【0045】
したがって、本実施形態では、第1のサンプリングレートが1.5Spsに対応し、第2のサンプリングレートが1Spsに対応するものとする。言い換えると、2出力サンプルごとに3個の入力サンプルがある。さらに、出力サンプル3がシンボル3に時間合わせまたは同期されるものとすると、図5の右側の表に示すように、シンボル5、7および9がサンプル6、9および12に対応して合わせられるものとさらに想定することができる。また、偶数サンプルを決定するために補間が使用され、これは、対応するフィルタ伝達関数hCMAによって畳み込まれる伝達関数Hinterpolationによって示されている。偶数出力サンプルは、図5の右側の表の下部に示すように、補間およびフィルタリングに基づく。例えば、出力シンボル4は入力サンプル4および5に基づく。出力シンボル10は、入力サンプル13および14に基づく、などである。図5は、本実施形態における定モジュロアルゴリズムに基づく伝達関数の計算モジュール25をさらに示す。
【0046】
以下の実施形態では、装置10、低減SPS CMAモジュール12はそれぞれ、第1のサンプリングレートでデジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能な適応フィルタ12a、12bをさらに含む。図6に、一実施形態における時間領域の適応フィルタ12a、12bによる処理例を示す。適応フィルタ12a、12bは、適応フィルタ12a、bの係数の更新を、適応フィルタ12a、bの出力サンプルの何分のいくつかに基づかせる、相関器12aと16タップフィルタ12bとを含む。16タップを使用するフィルタ12bの次元は例示の次元であり、他の実施形態では異なるタップ数を使用してよいことに留意されたい。図6に示す実施形態では、適応フィルタの出力において1.5Spsであって、その後、1Spsにダウンサンプリングすることを仮定している。図6に示すように、装置10は、補間器(6タップ)12cと2つのデシメータ12dおよび12eとを備えるダウンサンプラをさらに含む。6タップの次元は、例示の値に過ぎず、他の実施形態では他の次元または他のタップ数も使用してよいことに留意されたい。例えば、8タップ補間器は、16QAM、64QAMなどのより高次の変調により有利な、より高精度を有することができる。デシメータ12eは、光信号のフィルタリングされたサンプルのうちのサンプルとして、適応フィルタ12a、bの係数の更新のために使用されるサンプルを選択するように動作可能である。装置10は、後段のデシメータ12dと(直列に)組み合わされた補間器12cを含み、これらは光信号のフィルタリングされたサンプルのうちの他のサンプルを決定するように動作可能である。言い換えると、図6に示す構成要素は、一実施形態における低減サンプリングレート動作のための動作モードを例示し得る。
【0047】
図6に示すように、モジュール12(低減サンプリングレートCMA)は、適応フィルタ12a、bとダウンサンプラ12c、d、eとの2つの部分に分割され得る。第1の部分12a、bは、第1のサンプリングレート(例えば1.5Sps)で動作し、すべてのフィルタリング部分、例えば等化、偏波多重分離、PMD補償などを司る。第2の部分12c、d、eは、サンプリングレートを第1のサンプリングレート(例えば1.5Sps)から第2のサンプリングレート(典型的には1Sps)に変更するダウンサンプラである。
【0048】
適応フィルタ12a、bの更新は、シンボルの中心に対応するサンプルを使用して行われる。図6に示す実施形態における1.5Sps動作の場合、これは入力サンプルの3分の1に対応する。これらのサンプル(またはその何分のいくつか)が、適応フィルタ12a、bを更新するために使用される。これらのサンプルを使用して適応フィルタ12a、bを更新することによって、適応フィルタによって計算されたサンプルの3分の1が、(適応フィルタ12a、bが成功裏に収束したときに)自動的にシンボルの2分の1に時間合わせされる。言い換えると、入力サンプル2つおきに、シンボルの中心に等しい、より正確にはシンボル中心1つおきに等しいサンプリング時点がある。適応フィルタ12a、bは、DSPの複雑さを低減するために、例えば高速フーリエ変換(FFT)および逆FFT(iFFT)を使用することによって、時間領域または周波数領域で実現され得る。
【0049】
図7に、別の実施形態における周波数領域の適応フィルタ12a、bによる処理例を示す。図7は、入力サンプルを周波数領域に変換するための16タップFFT12fを示す。図7は、16タップFFTを一実施形態における例示の次元として示していることに留意されたい。他の実施形態では、FFTのサイズは、はるかにより多くてもよく、例えば3倍から8倍大きくてもよい。例えば、標準の「重量保留(overlap and save)方法」が使用されてもよい。16タップフィルタを適用するために64タップのFFTが計算されてもよい。したがって、各FFTについて64−16+1個のサンプルが正しく計算され得る。次に、次のまたは後続のFFTが、64−16+1サンプルのサンプルシフトにより、再び64個のサンプルを計算することができる。言い換えると、16タップFFTは、16タップが等価な「フィルタサイズ」であることを示し得、この場合、実際のフィルタまたはFFTサイズは異なっていてもよい。計算を効果的にするために、FFTサイズは目的フィルタサイズよりも大幅に大きくてもよい。FFTのサイズ決定および「重畳保存方法」についてのさらなる詳細は、J.C.Geyerらの「Efficient Frequency Domain Chromatic Dispersion Compensation in a Coherent Polmux QPSK−Receiver」、Optical Fiber Communication(OFC), collocated National Fiber Optic Engineers Conference (NFOEC)、2010 Conference on (OFC/NFOEC)に記載されている。
【0050】
フィルタ12bは、周波数領域で動作し、その出力サンプルは次に16タップiFFT12gによって時間領域に変換し戻される。相関器12aは、時間領域で動作し、更新されたフィルタ係数が16タップFFT12hによって周波数領域に変換されてから、フィルタ12bで使用される。図6に示す時間領域の実施形態について説明したように、iFFT12gの出力サンプル2つおきに、1つの偶数シンボルに時間合わせされるものとする。図7に、図6について上述したようなデシメータ12dおよび12eと6タップ補間器12cとをさらに示す。6タップ補間器12cは、奇数シンボルを計算するために使用される。ある実施形態では、1.5Spsでの出力サンプルの3分の1のみを計算するだけで済み、0.5サンプルのサンプルシフトが考慮され得るため、処理能力または乗算を節約することができる。
【0051】
図6および図7の実施形態に示すように、デシメータ12dおよび12eにおける出力サンプルは「偶数シンボル」に対応し、後段のDSPブロックによって直接使用され得る。その他のシンボルを計算するために、補間器が必要である。補間器の長さが長いほど計算の精度がよくなり得る。第1のサンプリングレートの期間の2分の1に対応する期間だけシフトされる必要がある新たなサンプルを十分な精度で計算するために、6または8タップの補間器が使用され得る。新たに計算された3個のサンプルのうちの1つが奇数シンボルに対応し、これらは次に、偶数シンボルと共に次のDSPブロックに送られる。サンプルの補間と間引きは効率的に同時に行われ得、例えば、奇数シンボルに対応する適切なサンプルのみを計算すればよいことがわかる。
【0052】
図8に、一実施形態における時間領域の適応フィルタによる別の処理例を示す。図8に示す実施形態は、前述の各図に示す各実施形態と類似した構成要素を含む。図8では、第1のサンプリングレート4/3Spsおよび第2のサンプリングレート1Spsが想定されている。したがって、ダウンサンプラは、追加の6タップ補間器12hと追加のデシメータ12iとを含む。前述のように、様々なサンプリングレートに類似の技術を適用することができ、これについては図12を参照しながら後でさらに詳述される。1シンボル当たり4/3サンプルの場合、適応フィルタ12a、12bによって計算された4個のシンボルのうちの1つが、シンボル中心に等しいシンボルに対応するかまたはシンボル中心に等しいサンプリング時点を有する。これらのサンプル(またはこれらのサンプルの何分のいくつか)が、適応フィルタの更新に使用される。したがって、シンボルの3分の1が単純な間引き12eにより適応フィルタ12a、bから直接抽出され得る。他の3分の2は、2つの別々の補間器12c、12hによって計算される。
【0053】
言い換えると、実施形態が示すところでは、装置10が、適応フィルタ12a、12bを更新するために、第1のサンプリングレートで出力サンプルの何分の1か(1/p)を使用して動作する適応フィルタ1a、bからなる構造を使用してデジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能とすることができる。装置10は、フィルタ更新のために使用されるサンプルを選択する1つまたは複数のデシメータ12c、12hからなるダウンサンプラをさらに含み得る。ダウンサンプラは、第1のサンプリングレートと第2のサンプリングレートとの比に応じて、補間器12c、12hおよびデシメータ12d、12iからなる1つまたはいくつかの(q−1)ブロック(12c+12d、12h+12i)をさらに含み得る。
【0054】
図9に、一実施形態におけるフィルタ構造12の例を示す。図9に示す実施形態では、光信号の複数の偏波および/または複数のモードに基づき得る第1のサンプリングレートでのデジタル化サンプルの複数の入力並列ストリームX、Xがフィルタリングされる。これに対応して、本実施形態により、複数の出力フィルタリングされたデジタル化サンプルY、Yが供給される。図9にさらに示すように、フィルタ構造12を備える装置10は、奇数出力サンプルのための複数の並列フィルタ22a、22b、22c、22d(伝達関数HODD,11、HODD,12、HODD,21、HODD,22)およびフィルタリングされた偶数出力サンプルのための複数の並列フィルタ24a、24b、24c、24d(伝達関数HEVEN,11、HEVEN,12、HEVEN,21、HEVEN,22)からなる構造を使用して、デジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能である。図9に示す実施形態に示すようなフィルタは、知られているバタフライFIR構造のものである。複数の並列フィルタ22a−dおよび24a−dのそれぞれは、フィルタリングされたサンプルを出力するように動作可能である。複数の並列フィルタ22a−d、24a−dの出力が組み合わされ、すべてのフィルタ全体の出力レートが第2のサンプリングレートに対応し得るため、複数の並列フィルタ22a−d、24a−dのうちの1つのフィルタのサンプル出力レートは、第2のサンプリングレートより低い。本構造においては、フィルタ22aおよび22cの出力が加算器26aによって示されるように組み合わされてフィルタリングされた奇数出力サンプルY1を出力する。これに対応して、フィルタ22bおよび22dの出力が、加算器26bによって組み合わされて、Yのフィルタリングされた奇数出力サンプルを出力する。偶数側では、フィルタ24aおよび24cの出力が加算器26cによって組み合わされてYを出力し、フィルタ24bおよび24dの出力が加算器26dによって組み合わされて偶数フィルタリングされた出力サンプルYを出力する。例えば、YおよびYが光信号の異なる偏波の2つのフィルタリングされた出力に対応するものと想定することができる。図からわかるように、上部の4つの分岐は、奇数出力サンプルを出力し、下部の4つの分岐は偶数出力サンプルを出力する。言い換えると、この実施形態では、フィルタは奇数出力サンプルと偶数出力サンプルとのいずれかに作用し得るため、フィルタ構造は第2のサンプリングレートの2分の1で動作し得る。
【0055】
図9に示すように、異なるバタフライフィルタ22a−dおよび24a−dによって奇数および偶数出力サンプルが生成される。フィルタ22a−22d、24a−24dは、並列構造における低減クロックによって動作し得るリアルタイムDSPで実装可能であることがわかるであろう。その場合、FIRフィルタ22a−22dおよび24a−24dのそれぞれのいくつかのコピーがあってもよい。例えば、並列度が必要とする数のH11フィルタ(図9の22aおよび24a参照)があってもよい。これらの異なるフィルタは、データの同じ並列ブロックに属する異なるサンプルに対して作用することができる。説明を簡単にするために、1つの入力ストリームのみが考慮され、1つの出力ストリームのみが考慮される、そのような構造の部分的表現について考える。この単純化は、単一の偏波のみが操作される場合に対応し得る。この場合、バタフライ構造における4つのFIRフィルタからなる組全体が、HODD(22a−22d)またはHEVEN(24a−24d)と呼ぶいずれかの単一の要素となる。
【0056】
図10に、一実施形態におけるフィルタ構造12の別の例を示す。図10は、図9に関して説明されたようなフィルタ22a、22b、22c、22d、24a、24b、24c、24dを示す。さらに、図10にはいくつかの入力サンプル30およびいくつかの出力サンプル32も示す。さらに、図10は、どのフィルタでどの入力サンプルが考慮されるかを示す。これを、各分岐において入力サンプルにナンバリング34a−dおよび36a−dを付与することで示す。すなわち、フィルタ22aは(入力サンプルのブロック30におけるタイミング位置1、2、3、4、5を有する)入力サンプル34aに対して作用し、フィルタ22bは(入力サンプルのブロック30におけるタイミング位置4、5、6、7、8を有する)入力サンプル34bに対して作用する、といった具合である。フィルタ24aは(入力サンプルのブロック30におけるタイミング位置2、3、4、5、6を有する)入力サンプル36aに基づいて作用し、フィルタ24bは(入力サンプルのブロック30におけるタイミング位置5、6、7、8、9を有する)入力サンプル36bに基づいて作用する、といった具合である。図10の分岐において直接付与されているナンバリング32は、フィルタリングされた出力サンプルのストリーム内の後続出力シンボルのタイミングに対応する。例えば、フィルタ22aは出力サンプル番号3を出力し、フィルタ24aはフィルタリングされた出力サンプル番号4を出力し、フィルタ22bは出力フィルタリングされたサンプル番号5を出力する、といった具合である。
【0057】
図10は、このようなフィルタ構造12の並列の一例を示す。また、図10に示す例は、5タップFIRフィルタを想定しているため、並列分岐のそれぞれにおいて5個の入力サンプルが考慮され、並列度が8であるため1入力ブロックまたは1クロックタイミングあたり8個の出力シンボルが生成される。他の実施形態では、アナログ方式でより多くのタップまたはより少ないタップを有するフィルタが使用されてもよい。図10のフィルタ構造12は、DSP上で実装可能である。ブロックHODDまたはHEVENのそれぞれが、対応する出力を生成するための4個の5タップFIRフィルタ(22a−d、24a−d)を含む。上述のように、入力および出力における第2の偏波の存在は、説明を簡単にするために無視されている。図10に示す例では、入力信号は第1のサンプリングレート1.5Spsであるものと想定され、この入力信号は次に、2つの独立した系統のバタフライフィルタ22a−dおよび24−dを介して第2のサンプリングレート1Spsでフィルタリングされた出力シンボルまたはサンプルを生成するために使用される。各実施形態は、構造12によって使用される偶数および奇数フィルタの正確で一貫した更新のための方法を提供する。ある実施形態では、奇数シンボルのみに対して実行され得るCMAによって、いくつかのフィルタ係数に対応するフィルタ関数HODDが更新され得る。
【0058】
その他のフィルタ係数HEVENは、HODDフィルタの小数遅延によって計算され得る。このようなフィルタの実装は良好なパフォーマンスを示した。しかし、信号対雑音比(SNR)が大きい場合に視認可能な、分数補間器に関連し得る、例えば典型的には0.5dBを下回るわずかなペナルティが存在することがある。ある実施形態では、奇数シンボルについてのみ奇数フィルタ22a−22d HODDがCMAによって更新されてもよい。次に、例えば収束フェーズと呼ばれる第1のフェーズで、奇数フィルタ22a−22d HODDの小数遅延によって偶数フィルタHEVENが計算され得る。収束フェーズの後、偶数シンボルのみに対して実行される別のCMAによって偶数フィルタ22a−22d HEVENが計算され得る。後者の選択肢は、同じデータの2Sps処理に関してペナルティがまったくない可能性がある。図4に例示するように、分数補間器の典型的な事例は、端を切られたシンク関数、ラグランジュ補間器、または、ランチョス小数遅延のような窓掛けされた端を切られたシンク関数である。2より並列度が大幅に高い場合があるDSPにおいて要求される並列度のために、奇数および偶数フィルタを使用してもDSPの複雑さは増さないことがあることがわかるであろう。例えば、100Gのコヒーレントトランスポンダの場合、並列度は32から256の範囲の場合がある。
【0059】
図11に、光信号用の受信機100の別の実施形態のブロック図を示す。図11に示す実施形態では、ダウンサンプラおよび低域フィルタ(LPF)38aおよび38bを使用するADC14DSPのための異なる方式が示されている。図11のそれぞれの構成要素の下に示すサンプリングレートによって示されているように、ダウンサンプラおよびLPF38aおよび38bによって、サンプリングレートは2Spsから1.5Spsに低減される。図11に示すその他の構成要素は、上述のものと同様の機能を有する。図11に示す実施形態では、ADC14は2Spsでの動作を維持し得るのに対し、DSPは、アンチエイリアシングLPFを含む初期ダウンサンプラ38a、38bによって可能とされる1.5Spsで動作する。図11は、以上のようにサンプリングレートを低減するフィルタ構造12による代替方式を示す。
【0060】
上述の各実施形態が示すように、装置10は1つまたは複数のバタフライフィルタを使用して光信号のデジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能とすることができる。装置10は、他の実施形態では無限インパルス応答(Infinite Impulse Response:IIR)フィルタも使用可能な、1つまたは複数のFIRフィルタ構造を使用して光信号のデジタル化サンプルをフィルタリングするように動作可能とすることができる。さらに、装置10は、デジタル化サンプルを第1のサンプリングレートの光信号のシンボルストリームに同期させるように動作可能とすることができる。これは、出力ストリームの奇数シンボルが入力ストリームのシンボルにすでに整列されている上述の実施形態によって例示される。偶数サンプルは、入力ストリームおよび上述の例の2つのサンプルの間にあるため、偶数サンプルに関してもある種の同期が存在する。各実施形態では、装置10は、第1のサンプリングレートでデジタル化サンプル内においてクロック回復18に基づいて、デジタル化サンプルを同期させるように動作可能とすることができる。
【0061】
言い換えると、同期の基礎を与えるためにクロック回復18または回復されたクロック信号が使用されてもよく、この場合、小数遅延または位相補正がフィルタ構造または低減SPS CMA12によって行われ得る。また、装置10は、例えば上述のように色分散補償ブロック16aおよび16bを使用して、第1のサンプリングレートの光信号のデジタル化サンプルにおける色分散を低減するように動作可能とすることができる。図11に示す最後の実施形態では、実際には3種類のサンプリングレートがある。初期サンプリングレートは2Spsであり、その次に第1のサンプリングレート1.5Spsとなる。このようなダウンサンプリングは、ダウンサンプラ38aおよび38bによって実現される。次に、色分散補償16aおよび16bが、すでに初期サンプリングレートからダウンサンプリングされている第1のサンプリングレートで動作可能となる。また、装置10は、例えば上述のようにADC14によって、第1のサンプリングレートのデジタル化サンプルを得るために、光−電気変換されたアナログ信号をデジタル化するように動作可能とすることができる。ある実施形態では、装置10は、初期サンプリングレートのデジタルサンプルに基づいて、第1のサンプリングレートでデジタル化サンプルを得るために、ダウンサンプラ38a、38bをさらに含み得る。
【0062】
以下の実施形態では、任意のサンプリングレートを使用するより一般的な場合について検討される。例えば、入力信号における1シンボル当たりX個のサンプルについて検討される。言い換えると、入力信号は、1出力シンボル当たりX個のサンプルを含む。例えば、Xに関連する小数遅延は、分数X=p/qに書き換られ得る。図12に、入力信号または光信号のデジタル化サンプルのサンプリングレートの取り得る値とp/q比率との関係を示す例示の表を示す。比率p/qは、再サンプリング方法の一実施形態の実装のための重要な情報を提供し得る。より簡単に言うと、q出力シンボルまたはサンプルごとにp個の入力サンプルがある。このことは、フィルタ構造12においてq個の異なるバタフライ構造が必要であることを表し得る。各バタフライ構造は、1つまたは複数の補間器に基づく収束フェーズの後に、補間器によって、または独立したCMAによって、更新され得る。最初の並びのフィルタはCMAによって更新され得るため、補間器の数はq−1とすることができる。
【0063】
一実施形態では、構造の数が多い場合は特に、バタフライ構造のそれぞれについてどの入力サンプルが必要であるかに関する明確な規則があれば有用な場合がある。さらに、各実施形態は、各補間器に正確な小数遅延を与えることを可能にしてよく、基準フィルタは、第1のバタフライ構造におけるフィルタであることを考慮してよい。言い換えると、各実施形態において、複数の並列フィルタ12のうちの2つのフィルタの少なくとも2つのフィルタリングされた出力サンプルがあってよく、2つの複数並列フィルタのこの2つのフィルタリングされた出力サンプルが遅延によって時間シフトされてもよい。遅延は、第1と第2のサンプリングレートとの関係、例えばp/qに基づき得る。ある実施形態では、図10において16個の入力サンプル30によって例示されているように、複数の並列フィルタ22a−22d、24a−24dは、光信号の後続のデジタル化サンプルのブロックを処理するように動作可能である。図10の実施形態では、フィルタ22a−dの出力は出力サンプルのブロック32である。図10では、16個の入力サンプルに対して8個の出力サンプルがあり、したがってp/q=2であることをすでに示している。この実施形態では、複数の並列フィルタ22a−d、24a−dが、光信号の後続のデジタル化サンプルのブロック30を処理するように動作可能である。複数の並列フィルタ22a−d、24a−dのうちの2つのフィルタのうちの第1のフィルタ22a、24aは、第2のサンプリングレートを有する、光信号30の後続のデジタル化サンプルのブロックに対応する後続のフィルタリングされたサンプル32のブロック内の第1のフィルタリングされたサンプルを出力する基準フィルタに対応する。
【0064】
複数の並列フィルタ22a−d、24a−dのうちの2つのフィルタのうちの第2のフィルタ22b−dは、第2のフィルタリングされたサンプルを出力するフィルタに対応する。第2のフィルタリングされたサンプルは、後続のフィルタリングされたサンプルのブロック32内の第1のフィルタリングされたサンプルのkinterpサンプル後のサンプルであるものとする。遅延は、複数の並列フィルタ22a−d、24a−dのうちの第2のフィルタ22b−d、24b−dによって使用される光信号の後続デジタル化サンプルのブロック30から、最も早い入力サンプル34a−d、36a−dのタイミングを基準にして決定される。このタイミングは、
interp(kinterp)=(kinterp)/再サンプリングレート−丸め((kinterp)/再サンプリングレート)
だけ遅延される。ここでdinterpは最も早い入力サンプル34a−d、36a−dのタイミングと第2のフィルタリングされたサンプルの出力との間の遅延に対応する。再サンプリングレートは、第1と第2のサンプリングレートとの比に対応する。一般的な場合では、dinterp(kinterp)は、出力が1Spsである場合、レートq/pの再サンプリングにおけるkinterp番目の小数遅延補間器の入力サンプリングレートに正規化された遅延に対応し得る。
【0065】
フィルタ22a−d、24a−dの各組の入力サンプルは、
in=丸め((tout−1)/再サンプリングレート)
によって求められ得る。
【0066】
言い換えると、複数の並列フィルタ22a−d、24a−dのうちの第2のフィルタ22b−d、24b−dによって使用される後続デジタルサンプルのブロック30内の最も早い入力サンプル34a−d、36a−dの位置tinは、上記の式に対応し得る。toutは、後続のフィルタリングされたサンプルのブロック32内の第2のフィルタリングされたサンプルの位置に対応し得る。言い換えると、toutは出力シンボルの指標であり得、tinは第1の入力サンプルの指標であり得る。その場合、各フィルタ22a−d、24a−dには、それぞれのフィルタ22a−d、24a−dにおけるタップ数と同数のサンプルがあり得る。ある実施形態では、tout=kinterp+1である。
【0067】
例えば、1.6Sps入力信号(p=8、q=5)における7タップフィルタでは、各フィルタに以下の入力サンプルがある。
q=0:
0 1 2 3 4 5 6(補間器なし、これは基準の場合である)
q=1:
2 3 4 5 6 7 8(小数遅延d=−0.4の補間器)
q=2:
3 4 5 6 7 8 9(小数遅延d=+0.2の補間器)
q=3:
5 6 7 8 9 10 11(小数遅延d=−0.2の補間器)
q=4:
6 7 8 9 10 11 12(小数遅延d=+0.4の補間器)
q=0(次の並列ライン):
8 9 10 11 12 13 14(補間器なし、これは基準の場合である)
【0068】
なお、各実施形態において、複雑度の低いものとすることができる特定の誤差関数に基づいてフィルタ係数を更新するために、CMAアルゴリズムが使用されてもよいことに留意されたい。例えば、誤差ε=M−abs(Y)が使用されてもよく、ここで、Mは、典型的にはM=1であるコンスタントモジュラスであり、Yはバタフライフィルタの所与の出力における出力シンボルである。上記の各実施形態は、異なる誤差関数を使用する知られているアルゴリズムであってもよいCMAの変形版にも適用可能である。誤差関数中のYに閾値を使用し、Yを所与の領域に関連付けることができるマルチモジュラスアルゴリズム(MMA)のようなアルゴリズムがある。この場合、各領域kについて、コンスタントモジュラスMの特定の値があり得る。
【0069】
以下では、28GBdのPDM−8QAM信号に基づく実験に対応する一連の波形のいくつかの処理結果について、図13を参照しながら示される。図13には、dB/0.1nm単位の光信号対雑音比(Optical Signal to Noise Ratio:OSNR)に対するdB単位のq値を示すシミュレーション結果を示す。q値は、光データ検出におけるアイ開口の指標とみなされる。図13に示すように、2Spsで得られたシミュレーション結果は、ダイヤモンド形マーカによって示され、1.5Spsで得られたシミュレーション結果は四角形マーカによって示されている。図13に示す結果を得るために、それぞれ異なる信号対雑音比で2Mバイトのデータを使用して約140通りの波形を処理した。MMAアルゴリズムを使用して1シンボル当たり2サンプルを処理し、次に上記の各実施形態に従ってMMAの低減サンプリングレート版を使用して1シンボル当たり1.5サンプルで処理した。図13からわかるように、1.5Spsと2Spsで得られた結果は、ほぼ同じである。
【0070】
各実施形態は、例えばADC14と色分散補償フィルタ16aおよび16bの電力消費を削減するために、低減されたサンプリングレートで動作することを可能にしてもよい。サンプリングレートを2Spsから1Spsに低減する場合、25%の範囲内の電力低減が達成され得る。例えば、43Gボーの信号について、86Gサンプル/秒を必要とせず、65Gサンプル/秒のADC、DSPおよびデジタル−アナログ変換器(DAC)が使用され得る。その結果として、電力消費が削減され、電子装置の仕様をより控えめのものとすることができる。異なるビット/シンボルレートで動作する多くの新たな変調形式が導入されるため、ボーレート向上の必要性は簡単に正当化される。各実施形態は、容量/到達範囲の点で固有の利点をもたらすことができ、100または400Gb/sに固定されることが多いクライアントビットレートに合わせるために、適応化されたシンボルレートを有し得る。
【0071】
図14に、光信号の受信機100のための方法の一実施形態のブロック図を示す。この方法は、光信号のデジタル化サンプルを第1のサンプリングレートで入力すること52を含む。この方法は、第2のサンプリングレートでの光信号のフィルタされたサンプルを得るために、複数のフィルタ係数に基づいてデジタル化サンプルをフィルタリングすること54をさらに含む。第2のサンプリングレートは第1のサンプリングレートとは異なる。この方法は、第2のサンプリングレートで光信号のフィルタ化サンプルを出力すること56をさらに含む。
【0072】
さらに他の実施形態は、コンピュータによって実行されるとコンピュータに本明細書に記載の方法のうちの1つの方法を実装させる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体である。他の実施形態は、コンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム製品がプロセッサ、コンピュータまたはプログラム可能ハードウェア上で実行されると上述の方法のいずれかを実行するためのプログラムコードを有する、コンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム製品である。
【0073】
当業者は、上述の様々な方法のステップは、プログラムされたコンピュータによって実行され得ることが容易にわかるであろう。本明細書において、ある実施形態は、機械可読またはコンピュータ可読であり、機械実行可能またはコンピュータ実行可能な命令のプログラムを符号化するプログラム記憶装置、例えばデジタルデータ記憶媒体であって、前記の命令が本明細書に記載の方法のステップの一部またはすべてを実行する、プログラム記憶装置を対象とすることも意図している。プログラム記憶装置は、例えば、デジタルメモリ、磁気ディスクおよび磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブまたは光学式読み取り可能デジタルデータ記憶媒体とすることができる。実施形態は、本明細書に記載の方法の前記ステップを実行するようにプログラムされたコンピュータ、または、上述の方法の前記ステップを実行するようにプログラムされた(フィールド)プログラマブルロジックアレイ((F)PLA)または(フィールド)プログラマブルゲートアレイ((F)PGA)を対象とすることも意図している。
【0074】
本説明および図面は、本発明の原理を例示するに過ぎない。したがって、当業者は、本明細書で明示的には記載または図示されていないが、本発明の原理を実施し、本発明の趣旨および範囲内に含まれる、様々な構成を考案することができることはわかるであろう。また、本明細書に記載のすべての例は、主として、本発明の原理および本発明人が当技術の進展のために与える概念を読者が理解するのを助ける教示的目的のみが明示的に意図されており、そのような具体的に記載されている例および条件に限定されないものと解釈すべきである。また、本発明の原理、態様、および実施形態とその具体例とを述べる本明細書におけるすべての記載は、それらの均等物を含むことが意図されている。
【0075】
(特定の機能を実行する)「ための手段」として示されている機能ブロックは、それぞれ特定の機能を実行するために、または実行するように構成された回路を含む機能ブロックと理解すべきである。したがって、「するための手段」は、「するように構成された、または適応化された手段」と理解し得る。したがって、特定の機能を実行するようになされた手段は、そのような手段が(ある時点において)必ず前記機能を実行していることを意味しない。
【0076】
図面に示されている様々な要素の機能は、「手段」、「処理するための手段」などと記載されている機能ブロックを含めて、「プロセッサ」などの専用ハードウェア、および適切なソフトウェアと連係してソフトウェアを実行することが可能なハードウェアの使用によって提供され得る。また、本明細書において「手段」と記載されている実体は、「1つまたは複数のモジュール」、「1つまたは複数の装置」、「1つまたは複数のユニット」などに対応し得るか、またはそのようなものとして実装され得る。それらの機能がプロセッサによって提供される場合、それらの機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共用プロセッサによって、または、一部が共用され得る複数の個別プロセッサによって提供され得る。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」という用語の明示的使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアを排他的に指すものと解釈されるべきではなく、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するための読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および不揮発性記憶装置を暗黙的に含み得るが、これらには限定されない。従来型と特製とを問わず他のハードウェアも含まれ得る。それらハードウェアの機能は、プログラムロジックの動作を介して、専用のロジックを介して、プログラム制御と専用ロジックとの相互作用を介して、または手動でも実行されてよく、特定の技術は文脈からより具体的に理解されるように実装者によって選択可能である。
【0077】
本明細書のブロック図は、本発明の原理を実現する例示の回路の概念図を表していることが、当業者ならわかるはずである。同様に、フローチャート、流れ図、状態遷移図、疑似コードなどは、コンピュータ可読媒体で実質的に表現され得、したがって、コンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているか否かを問わず、そのようなコンピュータまたはプロセッサによって実行可能である様々なプロセスを表すことが認識されよう。
【0078】
また、本明細書または特許請求の範囲において開示されている方法は、これらの方法のそれぞれのステップを実行するための手段を有する装置によって実装可能であることにも留意されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14