(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の本調合物が記載される前に、そのような調合物は、もちろん、変わり得るから、本発明が、記載される特定の調合物に限定されないことは理解されるべきである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるであろうから、本明細書で用いられる専門用語が限定的であることを意図しないこともまた理解されるべきである。
【0017】
本明細書で用いるところでは、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別なふうに明らかに指示しない限り、単数および複数指示対象を両方とも含む。例として、「添加剤(an additive)」は、1つの添加剤または2つ以上の添加剤を意味する。
【0018】
用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、「からなる(comprised of)」は、本明細書で用いるところでは、「含む(including)」、「包含する(includes)」または「含有する(containing)」、「含有する(contains)」と同じ意味であり、包括的であるかまたは制約がなく、そして追加の、非列挙のメンバー、要素または方法ステップを排除しない。用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」および「からなる(comprised of)」は、本明細書で用いるところでは、用語「からなる(consisting of)」、「なる(consists)」および「からなる(consists of)」を含むことが十分理解されるであろう。
【0019】
本出願の全体にわたって、用語「約」は、ある値が、その値を測定するために用いられている装置または方法についての誤差の標準偏差を含むことを示すために用いられる。
【0020】
本明細書で用いるところでは、用語「平均」は、特に示されない限り数平均を意味する。
【0021】
本明細書で用いるところでは、用語「重量%(% by weight)」、「重量%(wt%)」「重量百分率」、または「重量による百分率」は、同じ意味で用いられる。
【0022】
終点による数範囲の列挙は、その範囲内に含まれるすべての整数および、必要に応じて、分数を含む(例えば1〜5は、例えば、要素の数に言及する場合には1、2、3、4を含むことができ、例えば、測定値に言及する場合には1.5、2、2.75および3.80をまた含むことができる)。終点の列挙はまた、終点値それら自体を含む(例えば1.0〜5.0は、1.0および5.0の両方を含む)。本明細書に列挙されるいかなる数範囲も、その中に含まれるすべての部分的な範囲を含むことを意図する。
【0023】
本明細書に引用されるすべての参考文献は、それらの全体を参照により本明細書によって援用される。特に、本明細書で具体的に言及されるすべての参考文献の教示は、参照により援用される。
【0024】
特に定義されない限り、技術用語および科学用語を含む、本発明を開示するのに用いられるすべての用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般に理解される意味を有する。さらなる手引きによって、用語定義は、本発明の教示をより良く十分理解するために含められる。
【0025】
次節において、本発明の異なる代替手段、実施形態および変形がより詳細に定義される。そのように定義される各代替手段および実施形態は、任意の他の代替手段および実施形態と組み合わせられてもよく、そしてこれは、同じパラメータの値範囲が分離させられる場合にそれとは反対に明らかに示されないかまたは明らかに矛盾しない限り、各変形についてもである。特に、好ましいまたは有利であると示される任意の特徴が、好ましいまたは有利であると示される任意の他の1つまたは複数の特徴と組み合わせられてもよい。
【0026】
さらに、本説明に記載される特定の特徴、構造または特性は、1つもしくは複数の実施形態において、この開示から当業者に明らかであろうように、任意の好適な方法で組み合わせられてもよい。さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの、しかし他のものではない特徴を含むが、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内であることを意味し、当業者によって理解されるであろうように、異なる実施形態を形成する。
【0027】
本発明は、以下の項目による特徴によって定義することができる:
項目1。80重量%〜98重量%の重炭酸ナトリウム、1重量%〜12重量%の炭酸ナトリウムおよびアンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.02重量%〜2.0重量%のアンモニアを含み、かつ炭化水素、脂肪アルコール、脂肪酸、または脂肪酸塩から選択される0.01〜5重量%の化合物を含む反応性組成物。
【0028】
項目2。レーザー回折法によって測定される、50μm未満の直径D
90および35μm未満の直径D
50、好ましくは35μm未満の直径D
90および20μm未満の直径D
50、より好ましくは30μm未満の直径D
90および15μm未満の直径D
50を有する粒子の形態の請求項1に記載の組成物。
【0029】
項目3。2重量%〜12重量%の炭酸ナトリウムを含む項目1または2に記載の組成物。
【0030】
項目4。85重量%〜95重量%の重炭酸ナトリウムを含む、項目1〜3の一つに記載の組成物。
【0031】
項目5。アンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.02重量%〜0.17重量%のアンモニアを含む、項目1〜4の一つに記載の組成物。
【0032】
項目6。アンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.2重量%〜0.7重量%のアンモニアを含む、項目1〜4の一つに記載の組成物。
【0033】
項目7。アンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.7重量%超および2.0重量%未満のアンモニアを含む、項目1〜4の一つに記載の組成物。
【0034】
項目8。組成物が、8.0重量%未満、好ましくは6重量%未満、より好ましくは4重量%未満、さらに一層好ましくは2重量%未満、さらに一層好ましくは1重量%未満、さらに一層好ましくは0.9重量%未満、最も好ましくは0.8重量%未満の水を含むことを特徴とする、項目1〜7の一つに記載の組成物。
【0035】
項目9。ゼオライト、ドロマイト、水酸化マグネシウム、(塩基性)炭酸マグネシウム、石灰、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、硫酸ナトリウム、フッ化カルシウム、炭化水素、タルク、亜炭コークス、および活性チャコールから選択される0.01重量%〜5重量%の添加剤を含む、項目1〜8の一つに記載の組成物。
【0036】
項目10。項目1〜9の一つに記載の組成物の製造方法であって:
・ 1重量%〜20重量%の水を含むアンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子から生じた粒子が、粒子を含む湿潤混合物を形成するために炭化水素、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸塩から選択される化合物と混合され、
・ 粒子を含む湿潤混合物が、粒子を満載したガス流を形成するために、空気を含む50℃超の温度のガス流中へ導入され;
・ 粒子を満載したガス流が、レーザー回折法によって測定される50μm未満の直径D
90および35μm未満の直径D
50、好ましくは35μm未満の直径D
90および20μm未満の直径D
50、より好ましくは30μm未満の直径D
90および15μm未満の直径D
50を有する粉砕粒子を含むガス流を形成するためにミル中へ導入される
方法。
【0037】
項目11。アンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子が、100μm超の直径D
90および50μm超の直径D
50を有する、項目10に記載の方法。
【0038】
項目12。アンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子が、ガス流中へ導入される前に15重量%、好ましくは8重量%、より好ましくは6重量%、さらに一層好ましくは5重量%の水を含む、項目10または11の一つに記載の方法。
【0039】
項目13。粗重炭酸塩粒子が、他の化合物と、特に重量で0.01%〜5%の添加剤と混合される、項目10〜12の一つに記載の方法。
【0040】
項目14。項目10〜13の一つに記載の方法によって得ることができる、項目1〜9の一つに記載の反応性組成物。
【0041】
項目15。塩化水素または硫黄酸化物などの、酸性不純物を含む煙道ガスの精製方法であって、項目1〜9の一つに記載の反応性組成物が、125〜600℃の温度で、煙道ガス中へ導入され、煙道ガスがその後濾過または除塵にかけられる方法。
【0042】
項目16。濾過にかけられた煙道ガスが、続いて、窒素酸化物の選択的接触還元(SCR DeNOx)にかけられる項目15に記載の方法。
【0043】
あるいは、本発明は、以下の項目による特徴によって定義することができる:
項目1’。60重量%〜98重量%の重炭酸ナトリウム、1重量%〜40重量%の炭酸ナトリウムおよびアンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.02重量%〜2.0重量%のアンモニアを含み、かつ炭化水素、脂肪アルコール、脂肪酸、または脂肪酸塩から選択される0.01〜5重量%の化合物を含む反応性組成物。
【0044】
項目2’。80〜98重量%の重炭酸ナトリウムを含む項目1’に記載の組成物。
【0045】
項目3’。1重量%〜12重量%の炭酸ナトリウムを含む項目1’または2’に記載の組成物。
【0046】
項目4’。2重量%〜12重量%の炭酸ナトリウムを含む項目1’〜3’の一つに記載の組成物。
【0047】
項目5’。85重量%〜95重量%の重炭酸ナトリウムを含む、項目1’〜4’の一つに記載の組成物。
【0048】
項目6’。レーザー回折法によって測定される、50μm未満の直径D
90および35μm未満の直径D
50、好ましくは35μm未満の直径D
90および20μm未満の直径D
50、より好ましくは30μm未満の直径D
90および15μm未満の直径D
50を有する粒子の形態での項目1’〜5’の一つに記載の組成物。
【0049】
項目7’。アンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.02重量%〜0.17重量%のアンモニアを含む、項目1’〜6’の一つに記載の組成物。
【0050】
項目8’。アンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.2重量%〜0.7重量%のアンモニアを含む、項目1’〜6’の一つに記載の組成物。
【0051】
項目9’。アンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.7重量%超および2.0重量%未満のアンモニアを含む、項目1’〜6’の一つに記載の組成物。
【0052】
項目10’。組成物が、8.0重量%未満、好ましくは6重量%未満、より好ましくは4重量%未満、さらに一層好ましくは2重量%未満、さらに一層好ましくは1重量%未満、さらに一層好ましくは0.9重量%未満、最も好ましくは0.8重量%未満の水を含むことを特徴とする、項目1’〜9’の一つに記載の組成物。
【0053】
項目11’。ゼオライト、ドロマイト、水酸化マグネシウム、(塩基性)炭酸マグネシウム、石灰、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、硫酸ナトリウム、フッ化カルシウム、炭化水素、タルク、亜炭コークス、活性炭素、および活性炭から選択される0.01重量%〜5重量%の添加剤を含む、項目1’〜10’の一つに記載の組成物。
【0054】
項目12’。項目1’〜11’の一つに記載の組成物の製造方法であって:
a)1重量%〜20重量%の水を含むアンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子から生じた粒子が、粒子を含む湿潤混合物を形成するために炭化水素、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸塩から選択される化合物と混合され、
b)粒子を含む湿潤混合物が、粒子を満載したガス流を形成するために、一般に空気を含む、30℃超、好ましくは50℃超の温度のガス流中へ導入され;
c)粒子を満載したガス流が、レーザー回折法によって測定される100μm未満の直径D
90および75μm未満の直径D
50、好ましくは50μm未満の直径D
90および35μm未満の直径D
50、より好ましくは35μm未満の直径D
90および20μm未満の直径D
50、さらに一層好ましくは30μm未満の直径D
90および15μm未満の直径D
50を有する粉砕粒子を含むガス流を形成するためにミル中へ導入される
方法。
【0055】
項目13’。アンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子が、80μm超、好ましくは100超の直径D
90および40μm超、好ましくは50μm超の直径D
50を有する、項目12’に記載の方法。
【0056】
項目14’。アンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子が、ガス流中へ導入される前に重量で最大15%、好ましくは最大12%、より好ましくは最大10%、さらに一層好ましくは最大8%の水を含む、項目12’または13’の一つに記載の方法。
【0057】
項目15’。アンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子が、粒子を含む湿潤混合物を形成するために炭化水素、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸塩から選択される化合物と混合されるときに少なくとも2重量%、より有利には少なくとも3重量%の水を含む、項目12’〜14’の一つに記載の方法。
【0058】
項目16’。粗重炭酸塩粒子が、他の化合物と、特に重量で0.01%〜5%の添加剤と混合される、項目12’〜15’の一つに記載の方法。
【0059】
項目17’。項目12’〜16’の一つに記載の方法によって得ることができる、項目1’〜11’の一つに記載の反応性組成物。
【0060】
項目18’。塩化水素または硫黄酸化物などの、酸性不純物を含む煙道ガスの精製方法であって、項目1’〜11’の一つまたは項目17’に記載の反応性組成物が、100〜600℃の温度で、煙道ガス中へ導入され、煙道ガスがその後濾過または除塵にかけられる方法。
【0061】
項目19’。濾過にかけられた煙道ガスが、続いて、窒素酸化物の選択的接触還元(SCR DeNOx)にかけられる項目18’に記載の方法。
【0062】
さらにあるいは、本発明は、以下の項目による特徴によって定義することができる:
項目1’’。60重量%〜98重量%の重炭酸ナトリウム、1重量%〜40重量%の炭酸ナトリウムおよびアンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.02重量%〜2.0重量%のアンモニアを含み、かつ炭化水素、脂肪アルコール、脂肪酸、または脂肪酸塩から選択される0.01〜5重量%の化合物を含む反応性組成物。
【0063】
項目2’’。化合物が、1分子当たり12〜20個の炭素原子を有する脂肪酸またはそれらの塩から選択される、項目1’’に記載の組成物。
【0064】
項目3’’。脂肪酸塩が、マグネシウムもしくはカルシウム塩または脂肪酸石鹸である、項目2’’に記載の組成物。
【0065】
項目4’’。脂肪酸が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびそれらの混合物からなる群から選択される、項目2’’または3’’に記載の組成物。
【0066】
項目5’’。80〜98重量%の重炭酸ナトリウムを含む、項目1’’〜4’’の一つに記載の組成物。
【0067】
項目6’’。1重量%〜12重量%の炭酸ナトリウム、好ましくは2重量%〜12重量%の炭酸ナトリウムを含む、項目1’’〜5’’の一つに記載の組成物。
【0068】
項目7’’。85重量%〜95重量%の重炭酸ナトリウムを含む、項目1’’〜6’’の一つに記載の組成物。
【0069】
項目8’’。レーザー回折法によって測定される、50μm未満の直径D
90および35μm未満の直径D
50、好ましくは35μm未満の直径D
90および20μm未満の直径D
50、より好ましくは30μm未満の直径D
90および15μm未満の直径D
50を有する粒子の形態の項目1’’〜7’’の一つに記載の組成物。
【0070】
項目9’’。アンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.02重量%〜0.17重量%のアンモニアを含む、項目1’’〜8’’の一つに記載の組成物。
【0071】
項目10’’。アンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.2重量%〜0.7重量%のアンモニアを含む、項目1’’〜8’’の一つに記載の組成物。
【0072】
項目11’’。アンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.7重量%超および2.0重量%未満のアンモニアを含む、項目1’’〜8’’の一つに記載の組成物。
【0073】
項目12’’。組成物が、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.4重量%未満、さらに一層好ましくは0.3重量%未満の水を含むことを特徴とする
項目1’’〜11’’の一つに記載の組成物。
【0074】
項目13’’。項目1’’〜12’’の一つに記載の組成物の製造方法であって:
a)1重量%〜20重量%の水を含むアンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子から生じた粒子が、粒子を含む湿潤混合物を形成するために1分子当たり12〜20個の炭素原子を有する脂肪酸またはそれらの塩から選択される化合物と混合され、
d)粒子を含む湿潤混合物が、粒子を満載したガス流を形成するために、一般に空気を含む、30℃超、好ましくは50℃超の温度のガス流中へ導入され;
e)粒子を満載したガス流が、レーザー回折法によって測定される100μm未満の直径D
90および75μm未満の直径D
50、好ましくは50μm未満の直径D
90および35μm未満の直径D
50、より好ましくは35μm未満の直径D
90および20μm未満の直径D
50、さらに一層好ましくは30μm未満の直径D
90および15μm未満の直径D
50を有する粉砕粒子を含むガス流を形成するためにミル中へ導入される
方法。
【0075】
項目14’’。塩化水素または硫黄酸化物などの、酸性不純物を含む煙道ガスの精製方法であって、項目1’’〜12’’の一つに記載の反応性組成物が、100〜600℃の温度で、煙道ガス中へ導入され、煙道ガスがその後濾過または除塵にかけられる方法。
【0076】
項目15’’。濾過にかけられた煙道ガスが、続いて、窒素酸化物の選択的接触還元(SCR DeNOx)にかけられる項目14’’に記載の方法。
【0077】
項目16’’。60重量%〜98重量%の重炭酸ナトリウム、1重量%〜40重量%の炭酸ナトリウムおよびアンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.02重量%〜2.0重量%のアンモニアを含む反応性組成物の貯蔵中または取扱い中のアンモニア放出を減らすための添加剤としての1分子当たり12〜20個の炭素原子を有する脂肪酸またはそれらの塩の使用。
【0078】
項目17’’。項目3’’〜12’’の一つに記載の反応性組成物の貯蔵中または取扱い中のアンモニア放出を減らすための項目16’’に記載の使用。
【0079】
項目18’’。アンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、アンモニア含有率が、少なくとも11のpHでの苛性ソーダでアルカリ化された脱イオン水に試料を溶解させることによって得られた水溶液の蒸留(アルカリ性蒸留法;下記の第2の代替形態)によって測定される、項目1’’〜12’’の一つに記載の組成物。
【0080】
本発明者らは、第1の利点として、そのような反応性組成物が、標準的な工業用重炭酸に比べて低い重炭酸塩含有率であるにもかかわらず、多数の用途向けに、特に煙道ガスの処理向けに依然として非常に有効であるが、以前に公知の組成物と比べて貯蔵されるまたは取り扱われるときにアンモニアの放出の減少を示すことを観察した。
【0081】
本発明において、一般に、アンモニアは、2時間の間30℃で加熱することによって、測定されたような、重炭酸ナトリウムをベースとする粒子に吸着されたおよび吸収された、ガス状アンモニア(NH
3)であると定義される。
【0082】
第1の代替形態では、考慮中のアンモニアが、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウムおよび120℃で不安定な他のアンモニウム化合物の、2時間の間の120℃での加熱によって放出されるガス状アンモニアをまた含むことが有利である。好ましい形態(いわゆるアルカリ性蒸留法)である、第2の代替形態では、アンモニアは、少なくとも11のpHでの苛性ソーダでアルカリ化された脱イオン水に試料を溶解させることによって得られた水溶液の蒸留によって放出されるアンモニアをまた含み、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、カルバミン酸ナトリウム、塩化アンモニウム、およびアンモニアSolvay法から得られた粗重炭酸ナトリウム中に含有されるアンモニウム塩などの他のアンモニウム塩などのアンモニウム化学種の測定を可能にする。第3の代替形態では、アンモニアは、いかなるアンモニア含有実体をも含む。この場合には、アンモニウムイオンの形態で表される、総窒素が測定される。これらの代替形態の3つは、アンモニア含有率が明記される実施形態において、この説明に記載される実施形態すべてに適用することができる。
【0083】
生成物試料のアンモニウムイオンNH
4+の形態で表されるアンモニアの本発明および第1の代替形態による測定は、HCl溶液入りスクラバーでの凝縮により加熱操作からの放出ガス状アンモニア(NH
3)を捕捉してアンモニアを、比色計により分析される、NH
4+へ変換することによって行われる。
【0084】
生成物試料のアンモニウムイオンNH
4+の形態で表されるアンモニアの第2の代替形態による測定は、50gの生成物の溶液、150mLの脱イオン水および90mLの苛性ソーダNaOHの溶液9Nの蒸留からの150mLの留出物に関して分光比色計Docteur Lange X−500での測定によって行われる。Cuvettes Dr Lange LCK 304、範囲0.02〜2.5mgNH
4+/Lが用いられる。
【0085】
生成物試料のアンモニウムイオンNH
4+の形態で表されるアンモニアの第3の代替形態による測定は、Dr Lange LCK 338 Total Nitrogen、範囲20〜100mg/Lのキットを用いることによる溶液試料の分光光度法による測定によって行われる。無機的におよび有機的に結合した窒素は、ペルオキソ二硫酸塩での温浸によって酸化されて硝酸塩になる。硝酸イオンは、硫酸およびリン酸の溶液中で2,6−ジメチルフェノールと反応してニトロフェノールを形成する。あるいは、生成物試料のアンモニウムイオンNH
4+の形態で表されるアンモニアの第3の代替形態による測定は、アンモニア化学種(NH
4Cl、NH
4HCO
3、カルバミン酸ナトリウム、カルバミン酸アンモニウム)すべてをNH
4+の酸性形態へ変換すること、次に、次の反応:
2NH
4++NaClO→NaCl+2H
++3H
2O+N
2
に従って重炭酸塩アッセイ媒体中でNaClOでのNH
4+の電位差滴定によって行われる。
【0086】
この測定のために5gの生成物試料が、pH指示薬(pH3.1〜4.4)としてのメチルオレンジの存在下で50mlの脱イオン水に溶解させられ、H
2SO
4 2Nでオレンジ色変化まで酸性化され、次に50mlの重炭酸ナトリウムでの飽和溶液が添加され、0.2NのNaClO溶液を添加するときの当量点が電位差滴定法によって測定される。
【0087】
本発明の有利な実施形態では、組成物は、レーザー回折法によって測定される、100μm未満の直径D
90および75μm未満の直径D
50、好ましくは50μm未満の直径D
90および35μm未満の直径D
50、より好ましくは35μm未満の直径D
90および20μm未満の直径D
50、さらに一層好ましくは30μm未満の直径D
90および15μm未満の直径D
50を有する粒子の形態で提供される。組成物の粒子が30μm未満の直径D
90および15μm未満の直径D
50を有する場合、D
50が12μm未満、好ましくは10μm未満であることがさらに一層有利である。
【0088】
実際に、煙道ガスの処理向けの用途において、多少の大きい粒子を有する、本発明による組成物の粒子の直径の特異的分布間と、アンモニアの特異的含有率間との組み合わせがその有効性にとって極めて重要であるように思われることが観察された。アンモニア含有率は、窒素酸化物の接触還元に、炭酸ナトリウムへの熱変換後の重炭酸塩粒子の比表面積(m
2/g BET)に、およびしたがって吸着剤の効率に有益な影響を及ぼす。理論的説明に肩入れすることなく、本発明者らは、本反応性組成物のこの第2の利点は、それが平衡状態にある、粒度分布に密接に関係したアンモニア含有率によるものであると考える。
【0089】
有利には本発明の反応性組成物は、2重量%〜12重量%、さらに有利には2重量%〜10重量%の炭酸ナトリウムを含む。
【0090】
反応性組成物は85重量%〜95重量%の重炭酸ナトリウムを含むことが推奨される。
【0091】
有利には、本組成物の炭化水素は、12〜20個の炭素原子(C
12〜C
20)を含む、脂肪アルコール、または脂肪酸分子である。
【0092】
より有利には、炭化水素は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、およびそれらの混合物から選択される脂肪酸である。ステアリン酸が好ましい。相当する脂肪酸(すなわち、脂肪酸または脂肪酸塩の脂肪酸片われ)は80℃未満、好ましくは75℃未満の融点を有することが特に有利である。
【0093】
脂肪酸塩は有利には、カルシウムもしくはマグネシウム酸塩または脂肪酸の石鹸から選択される。より有利には、カルシウムもしくはマグネシウム脂肪酸塩は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、およびそれらの混合物のカルシウムもしくはマグネシウム塩から選択される。脂肪酸塩は好ましくは、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムから選択される。
【0094】
有利な実施形態では、反応性組成物は、2未満の粒度分布傾きσを有する粒子の形態で提供される。
【0095】
粒度分布傾きσは、
によって定義される。D
90、それぞれD
50およびD
10は、それについて反応性組成物の粒子の重量の90%(それぞれ50%および10%)が、D
90(それぞれD
50およびD
10)未満の直径を有する相当直径を表す。これらの粒度パラメータは、レーザー線回折分析法によって規定される。
【0096】
有利には、本組成物の反応性組成物は、少なくとも0.4、好ましくは少なくとも0.45、より好ましくは少なくとも0.50kg/dm
3の自由流動性密度の粉末である。一般に、本組成物の反応性組成物の自由流動性密度は、最大0.8、または最大0.7、または最大0.6、または最大0.55kg/dm
3である。
【0097】
本発明の第1変形によれば、組成物は、アンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.02重量%〜0.17重量%のアンモニアを含む。この第1変形は、アンモニア放出が密閉環境中で特に低いので、動物性食品での組成物の使用のために特に有利である。そのような組成物はまた、サイロまたは大きいバッグでの貯蔵中に特に低いケーキング挙動を示す。
【0098】
本発明の第2変形によれば、組成物は、アンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.2重量%〜0.7重量%のアンモニアを含む。この第2変形は、煙道ガス軽減使用においてより大きいアンモニア量を提供するために、そしてしかし先行技術と比べて貯蔵中に室温でより低いアンモニア放出を示すために有利である。
【0099】
本発明の第3変形によれば、組成物は、アンモニウムイオンNH
4+の形態で表される、0.7重量%超および2.0重量%未満のアンモニア、より有利には0.8重量%超および2.0重量%未満のアンモニアを含む。この第3変形は、煙道ガス軽減使用においてより大きいアンモニア量を提供するために有利であり、そして多少の大きい粒子を有し、窒素酸化物の接触還元に改善された効果を示す、組成物の粒子の直径の上記の特異的分布で特に有利である。
【0100】
本発明では、反応性組成物は8重量%未満の水を含むことが有利である。好ましくは、反応性組成物は、6重量%未満、より好ましくは4%未満、さらに一層好ましくは2%未満、さらに一層好ましくは1%未満、さらに一層好ましくは0.9%未満、最も好ましくは0.8%未満の水、または最大0.7重量%、もしくは最大0.5重量%の水を含む。本組成物が貯蔵中のアンモニアの減少した放出を提供するために非常に低い量の水を有する必要性はまったくない。さらに、重炭酸ナトリウムの乾燥技術のほとんどが、重炭酸ナトリウムの損失をおよび炭酸ナトリウム含有率の増加をもたらすので、非常に低い量の水が反応性組成物の品質に害を及ぼす。反応性組成物は一般に、少なくとも0.01重量%、または少なくとも0.05重量%、または少なくとも0.1重量%、または少なくとも0.2重量%の水を含む。水の量は一般に、約3gの組成物を時計皿に、そして24時間の間、約50ミリバール絶対圧の減圧下にシリカゲルの存在下でのデシケーター中に入れて25℃の温度での減量によって測定される。本説明において、(例えば炭酸ナトリウム一水和物結晶などの炭酸ナトリウムの結晶への結合水と区別されるべき)組成物上に吸収された液体水による「遊離水」は、30℃で加熱される換気実験室オーブンに入れられた試料の16時間中の減量によって測定される。
【0101】
本発明による反応性組成物はまた、例えば、その貯蔵もしくは流動性を改善するために、または煙道ガス処理での生成物の有効性を改善するために1つもしくは複数の固体または液体添加剤を含むことができる。いくつかの添加剤はまた、室温での組成物によるガス状アンモニアの放出およびアンモニア臭をさらに減らすことができる。添加剤は有利には、ゼオライト、ドロマイト、水酸化マグネシウム、(塩基性)炭酸マグネシウム、石灰、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、硫酸ナトリウム、フッ化カルシウム、タルク、亜炭コークス、および活性チャコールから選択される。
【0102】
本発明による反応性組成物は好ましくは、0.01〜5重量%の添加剤を含むことができる。
【0103】
本発明はまた、本発明による反応性組成物の製造方法に関する。上記のものなどの組成物中の、特にアンモニアソーダプラントからの粗重炭酸ナトリウム中の水の量を減らすために最低温度が必要とされることが観察された。特に本発明は、本発明による組成物の製造方法であって、アンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子から生じた粒子が30℃超の温度で熱処理される方法に関する。より具体的にはこの方法では:
a)1重量%〜20重量%の水を含むアンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子から生じた粒子は、粒子を含む湿潤混合物を形成するために炭化水素、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸塩から選択される化合物と混合され、
b)粒子を含む湿潤混合物は、粒子を満載したガス流を形成するために、一般に空気を含む、30℃超、好ましくは50℃超の温度のガス流中へ導入され;
c)粒子を満載したガス流は、レーザー回折法によって測定される100μm未満の直径D
90および75μm未満の直径D
50、好ましくは50μm未満の直径D
90および35μm未満の直径D
50、より好ましくは35μm未満の直径D
90および20μm未満の直径D
50、さらに一層好ましくは30μm未満の直径D
90および15μm未満の直径D
50を有する粉砕粒子を含むガス流を形成するためにミル中へ導入される。
【0104】
本発明では、工程a)で、粒子と化合物との混合は、プラウミキサーなどのミキサーで実現することができる。混合は、工程b)の30℃超の温度のガス流中に粒子と化合物とを共に導入することによってまた実現することができ、次に粒子および化合物を満載したガス流は、粉砕粒子を得るように工程c)でミルに導入される。
【0105】
本方法では、粒子を含む湿潤混合物がその中へ導入されるガス流の温度は、好ましくは40℃超、より好ましくは50℃超、さらに一層好ましくは60℃超、または70℃超、または80℃超である。
【0106】
本方法では、アンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子から生じた粒子は、粒子を含む湿潤混合物を形成するために炭化水素、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸塩から選択される化合物と混合されるときに、最大20重量%、より有利には最大14重量%、好ましくは最大8重量%、より好ましくは最大6重量%の水を含むことが有利である。粗重炭酸塩粒子から生じた粒子の含水率を下げるために、粗重炭酸塩が、流動床などの、乾燥機で「脱水」されることが有利である。一般に、アンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子から生じた粒子は、粒子を含む湿潤混合物を形成するために炭化水素、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸塩から選択される化合物と混合されるときに、少なくとも2重量%、より有利には少なくとも3重量%の水を含む。
【0107】
この方法では、反応性組成物は、アンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子から出発して製造される。この重炭酸ナトリウムは、アンモニア性塩水の、CO
2を含むガスでの、炭酸化によって得られる生成物である。炭酸化の終わりに形成された粒子は、アンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子を形成するために、濾過によってスラリーから分離される。アンモニア性塩水は、アンモニアと塩化ナトリウム溶液との反応によって得られる。アンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩は、主として重炭酸ナトリウムを含むが、炭酸ナトリウム、アンモニア、少量のいくつかの他の化合物および水をも含む。重炭酸ナトリウムの完全な工業的製造方法では、粗重炭酸ナトリウムは、引き続いてか焼され(「低」炭酸ナトリウムを生成するために、このか焼はさらにCO
2を生成する)、次に溶解させられ、CO
2で再炭酸化され、最後に再結晶される。この変換シーケンスは、高いコスト、特に高いエネルギーコスト(とりわけか焼および再結晶)を示す。ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子の本発明による方法での使用はしたがって、著しく経済的に有利である。
【0108】
本発明の第1および第2変形では、ソーダプラントからの粗重炭酸塩のアンモニア含有率が高すぎる場合には、アンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩粒子が、ガス流中へ導入される前に洗浄液を使用して洗浄されることが推奨される。
【0109】
本発明では、過剰の液体を除去すること、すなわち、例えばベルトフィルター上に通すことによって、遠心分離機、回転フィルターでまたは乾燥機で、粗重炭酸ナトリウムを「脱水すること」が一般に推奨される。生成物はその後、時々有利にも乾燥させることができる。粒子の乾燥は、任意の適切な設備で実現することができる。有利には、乾燥は、高温ガスで加熱されるコンベヤートンネル、高温ガスで加熱される流動床、内部スチーム管で間接加熱される流動床、攪拌乾燥機、回転乾燥機、高温ガスで直接加熱される回転乾燥機、スチームで間接加熱される回転乾燥機、フラッシュ空気コンベヤー乾燥機、または重力乾燥機で操作される。乾燥は、バッチ式乾燥(生成物を乾燥機に装填すること、乾燥させることおよび乾燥機を空にすること)としてまたは連続乾燥操作(乾燥される生成物を連続的に供給し、乾燥生成物を乾燥機から連続的に取り出すこと)として行うことができる。一般に、「脱水」後の粗重炭酸塩粒子は、ガス流中へ導入される前に重量で最大15%、好ましくは最大12%、より好ましくは最大10%、さらに一層好ましくは最大8%の水を含む。最も好ましい実施形態では、「脱水」後の粗重炭酸塩粒子は、ガス流中へ導入される前に重量で最大6%、さらに一層好ましくは最大5%の水を含む。脱水後の粗重炭酸塩は、粗重炭酸塩粒子から生じた粒子が30℃超の温度のガス流中へ導入される前に2%〜8%の水、好ましくは2%〜6%の水を含むことが有利である。乾燥操作のために、温度は一般に、30〜130℃、または50〜120℃、または好ましくは55〜85℃である。250℃までの高温ガス流を熱処理のために使用することができる。しかし、組成物の最終温度は一般に、水蒸発のためにより低い。最終温度は、好ましくは高くても130℃、より好ましくは高くても100℃、さらに一層好ましくは高くても85℃、またはさらに一層好ましくは高くても80℃である。大量の重炭酸ナトリウムが望まれる場合には、組成物と高温ガスとの接触時間は制限されるべきである。水蒸発後の高温ガスの温度が高ければ高いほど、接触時間はより短いものであるべきである。組成物の乾燥後に、組成物は高くても50℃に、好ましくは高くても40℃に、より好ましくは高くても35℃に冷却されることが推奨される。これは、組成物を取り扱うおよび貯蔵するときにさらなる重炭酸塩分解およびアンモニア放出を避けることを可能にする。
【0110】
そのとき組成物を形成する乾燥生成物は一般に、1重量%未満の水、または最大0.9重量%、もしくは最大0.8重量%、もしくは最大0.7重量%、もしくは好ましくは最大0.5重量%、より好ましくは最大0.3重量%の水、特に遊離水を含む。
【0111】
上に述べられたように、反応性組成物の流動性および一般に流動特性を改善するために、ゼオライト、ドロマイト、水酸化マグネシウム、(塩基性)炭酸マグネシウム、石灰、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、硫酸ナトリウム、フッ化カルシウム、炭化水素、タルク、亜炭コークス、および活性炭から有利には選択される、1つもしくは複数の添加剤が、組成物に添加されるときがある。これらの添加剤のいくつかはさらに、反応性組成物の使用中に有益な影響を及ぼす。例えば、炭酸カルシウム、石灰、活性炭素または活性炭は、反応性組成物が煙道ガスの処理に、特に塩化水素からの精製のために使用される場合に有益な影響を及ぼす。
【0112】
本発明による方法の有利な代替形態において、1つまたは複数の固体または液体添加剤は、0.01重量%から5重量%まで変わる量でガス流中へ導入される。この導入がミルの上流で、またはガス流がミルに入るちょうどそのときに行われることが好ましいときがある。これは、これらの添加剤がまたミルの運転に有益な影響を及ぼし得ることが観察されているからである。
【0113】
本発明はまた、本発明による方法によって得ることができる反応性組成物に関する。この組成物はそのとき、アンモニア−ソーダプラントからの粗重炭酸塩から出発して、高度に有利な経済的条件下で得られる。この組成物はまた、それが通常の重炭酸ナトリウムを製造するために必要であるか焼も再結晶も必要としないので、非常に有利なエネルギー条件下で得られる。省エネルギーは、正の環境影響を有する。
【0114】
最後に、本発明はまた、酸性不純物、例えば塩化水素または硫黄酸化物を含む煙道ガスの精製方法であって、本発明による方法によって好ましくは得ることができる、本発明による反応性組成物が、125〜600℃の温度で、煙道ガス中へ導入され、煙道ガスがその後濾過にかけられる方法に関する。特に、塩化水素または二酸化硫黄を含む煙道ガスは、(11%O
2で)塩化水素が10未満もしくは5mg未満HCl/Nm
3乾燥であるように、および/または二酸化硫黄が50未満もしくは40mg未満SO
2/Nm
3乾燥であるように本発明による方法で処理される。煙道ガスが窒素酸化物(「NOx」)を含む場合、本方法は有利には、NOxを処理するために好ましくはフィルター中へ組み込まれている触媒を含む。本発明による反応性組成物のアンモニア含有率は、高温煙道ガス中で組成物がガス状アンモニア(NH
3)を放出することになるため、触媒の働きに有益な影響を及ぼし、そして置換によって24%までのアンモニア消費を節減することができる。
【0115】
それ故、本発明はまた、酸性不純物、例えば塩化水素または硫黄酸化物を含む煙道ガスの精製方法であって、本発明による反応性組成物が、少なくとも100℃または少なくとも125℃、一般に高くても600℃の温度で、煙道ガス中へ導入され、煙道ガスがその後濾過にかけられ、次に窒素酸化物の選択的接触還元(SCR DeNOx)にかけられる方法に関する。
【0116】
ダスト、ハロゲン化水素または硫黄酸化物などの、酸性不純物を含む、そして窒素酸化物(NOx)を含む煙道ガスの精製方法の一実施形態では、煙道ガスは任意選択的に、ダストの少なくとも一部を除去するように先ず除塵され、次に本発明による反応性組成物が、酸性不純物の少なくとも一部を吸収するように少なくとも部分的に除塵された煙道ガスに注入され、結果として生じた煙道ガスは次にその後、反応した反応性組成物の一部を除去するためにバグフィルターなどの濾過にかけられ、煙道ガスはその後、窒素酸化物の選択的接触還元(SCR DeNOx)にかけられる。
【0117】
本発明による精製方法では、濾過は、任意の濾過または分離手段、例えば金属フィルターのセラミックを用いて行うことができる。濾過がクロスを通して行われる、スリーブフィルター、または静電分離器もしくはマルチサイクロンが有利である。
【0118】
本発明による精製方法では、ダストからの煙道ガスの分離は、煙道ガス中への反応性組成物の導入後、2秒超、有利には3〜6秒で実施されることが推奨される。
【0119】
本発明による精製方法では、濾過設備は、SCR DeNOx運転用の触媒をまた統合することができる。これは、プロセスを簡略化し、投資コストを削減する。
【0120】
以下の実施例では、アンモニア含有率は、アルカリ性蒸留法によって測定された。
【実施例】
【0121】
実施例1(本発明に従わない)
約14%水およびNH
4+として表されるアンモニア含有率を含む炭酸化塔(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry Sodium carbonate,page Vol.33 page 307に記載されるなどの)後の回転フィルターから出てくる、Solvay法からの120kgのアンモニア性重炭酸ナトリウムのいくつかの試料を、約23℃で一晩ポリエチレンフィルム上で乾燥させて約3%の水の含水率の予備乾燥アンモニア性重炭酸ナトリウム組成物を得る。予備乾燥アンモニア性重炭酸ナトリウム組成物を次に、ピンミルUPZ100 Hozokawa Alpine中へ30℃でのホットエアと共に導入する。得られた組成物を次に、バグフィルターでガスから分離する。バグフィルターを出るガスの温度は、約45℃である。得られた組成物は、(重量百分率で):80重量%〜95重量%の重炭酸ナトリウム、4重量%〜12重量%の炭酸ナトリウムおよび0.02重量%〜2.0重量%のアンモニア、ならびに1%未満の水を含む。得られた反応性組成物の測定レーザー粒度分布は、約45±5μmのD
90を示す。
【0122】
実施例2.a(本発明に従う)
ミルにかけられる前に、約3%の水の予備乾燥アンモニア性重炭酸ナトリウムに0.2重量%のステアリン酸を添加剤添加し、1時間の間Denisen回転ミキサーで混合することを除いて実施例1と同じ実験を行った。0.2重量%のステアリン酸と混合されたアンモニア性重炭酸ナトリウムを次に、ピンミルUPZ100 Hozokawa Alpine中へホットエア(30℃)と共に実施例1と同じ条件で導入する。得られた組成物は、80重量%〜95重量%の重炭酸ナトリウム、4重量%〜12重量%の炭酸ナトリウムおよび0.02重量%〜2.0重量%のアンモニア、1%未満の水、ならびに0.2%ステアリン酸を含む。
【0123】
実施例2.b(本発明に従う)
ミルにかけられる前に、約3%の水の予備乾燥アンモニア性重炭酸ナトリウムに0.5重量%のステアリン酸カルシウムを添加剤添加し、1時間の間Denisen回転ミキサーで混合することを除いて実施例2.aと同じ実験を行った。0.5重量%のステアリン酸カルシウムと混合されたアンモニア性重炭酸ナトリウムを次に、実施例2.aのように処理する。得られた組成物は、80重量%〜95重量%の重炭酸ナトリウム、4重量%〜12重量%の炭酸ナトリウムおよび0.02重量%〜2.0重量%のアンモニア、1%未満の水、ならびに0.5%ステアリン酸カルシウムを含む。
【0124】
実施例3(比較例)
異なるアンモニア含有率を含む、そして実施例1で得られた反応性組成物の異なる試料(炭化水素、脂肪アルコール、脂肪酸、または脂肪酸塩から選択される0.01〜5%の化合物なしで本発明に従わない)または実施例2.a(0.2%ステアリン酸)および実施例2.b(0.5%ステアリン酸カルシウム)からの添加化合物入りの対応試料の200gを次に、異なる温度および相対湿度(RH)条件:
− 25℃および40%RH
− 25℃および75%RH
− 50℃および75%RH
で40分間、1.5±0.5cmの粉末厚さでステンレス鋼板上で気候室において順化させる。
【0125】
約250mlの粉末形態の反応性組成物を満たし、そして次に貯蔵中に雰囲気に放出されるアンモニア(NH
3)を測定することができるように次に試料の一部を500mlポリエチレンボトルに導入する。
【0126】
ボトルの雰囲気がアンモニアガスで富むようにボトルを室温(約22℃)で40分間放っておく。次にポリエチレンボトル中に存在するガスを、Draeger管を通して(測定周囲大気圧から補正される)ガス容積の測定と共に排出させて貯蔵ボトル内のガスのアンモニア(NH
3)含有率を測定する(Draegerアンモニア5/a管範囲5〜600ppm)。
【0127】
実施例1のならびに実施例2.aおよび2.bの反応性組成物の結果を、表1に報告する(25℃−75%RH)。
【0128】
表1から、貯蔵ガス中のアンモニア放出(NH
3)は、試料の総NH
4+が増加する場合に敏感に増加することを理解することができる。
【0129】
貯蔵湿度条件が増加する場合に、アンモニア(NH
3)放出が増加する。
【0130】
貯蔵中のアンモニア(NH
3)放出は、貯蔵ガス中のアンモニア濃度測定によって示されるように、特にステアリン酸またはステアリン酸カルシウムなどの、炭化水素、脂肪アルコール、脂肪酸、または脂肪酸塩から選択される化合物が反応性組成物中に存在する場合に敏感に減少する。
【0131】
貯蔵前の50℃ 75%RHの気候順化での結果は、同様であるが、周囲温度での貯蔵条件中のアンモニア(NH
3)放出はより低い(実施例1の試料からは50〜100ppm、そして実施例2.bの試料からは49〜75ppmのレベル)。
【0132】
実施例4(本発明に従う)
13.7%水を含む炭酸化塔(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry Sodium carbonate,page Vol.33 page 307に記載されるなどの)後の回転フィルターから出てくる、Solvay法からの120kgのアンモニア性重炭酸ナトリウムを、約23℃で一晩ポリエチレンフィルム上で乾燥させて約6%の水の含水率の「脱水した」アンモニア性重炭酸ナトリウムを得る。予備乾燥したアンモニア性重炭酸ナトリウムを次に、80℃での熱風と共にピンミルUPZ100 Hozokawa Alpineへ導入する。得られた組成物を次に、バグフィルターでガスから分離する。バグフィルターから出るガスの温度は55℃である。得られた組成物は、(重量百分率で):89.8%NaHCO
3、7.4%Na
2CO
3、NH
4+として表される0.8%総アンモニア、0.06%水を含む。測定されるレーザーD
90は25μmである。
【0133】
【0134】
実施例5
22個の炭素を持った脂肪酸または脂肪アルコールは、本発明による反応性組成物の貯蔵または取扱い中のアンモニア放出を減らすのに効果が少ないけれども、他の化合物として12〜20個の炭素を持った他の脂肪酸(本発明に従う)の有効性を示す、実施例3のものと類似の試験を実現した。
【0135】
アンモニアSolvay法から得られた粗重炭酸ナトリウムからのバッチ(約0.4%NH
4+を含む)を7ロットに分け、それぞれ実施例3におけるように処理したが、ステアリン酸またはステアリン酸カルシウムを他の添加脂肪酸と置き替え、その結果反応性組成物は1重量%のこの化合物を含んだ。
【0136】
反応性組成物の各ロットを、気候室において25℃ 75%相対湿度で40分順化させた;このために、各ロットを、1.5±0.5cmの厚さの層でステンレス鋼板上に広げた。
【0137】
次に組成物の一部を取り、残留含水率について分析し、表2の測定された、示される含水率のプレ順化組成物の200g試料を、500ml容積のポリエチレンボトルに導入し、ボトルを閉め、25℃での気候室に再び入れ、次に40分後にボトルを開け、ボトル中のガスをポンプおよびガスカウンターで抜き出し、ガスをアンモニア含有率(重量ppm単位で表される)について測定した。
【0138】
反応性組成物の含水率と一緒に反応性組成物上方の貯蔵ガス中のアンモニア濃度の結果を表2に示す。
【0139】