(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ニードルの前記空腔に連通する流れのチャンネルであって、前記流れのチャンネルは前記貯留部に選択的に連通可能であり、及び初期状態においては、前記流れのチャンネルは前記貯留部に連通していない流れのチャンネルをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の薬物送達装置。
前記ニードル駆動器は片持ち梁のアームを含み、前記片持ち梁のアームの変形が前記ニードルの前記第1の状態から前記第2の状態へ向けての変位を生じさせることを特徴とする請求項1に記載の薬物送達装置。
前記第1の状態において、前記ニードルの前記末端部は前記本体内にあり、及び前記第2の状態において、前記ニードルの前記末端部は前記本体の外に露出されることを特徴とする請求項1に記載の薬物送達装置。
【図面の簡単な説明】
【0008】
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図1】本発明に従って形成された薬物送達装置の斜視図である。
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図2】内部の構成部品が示されている、本発明に従って形成された薬物送達装置の斜視図である。
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図3】本発明に従って形成された薬物送達装置の背面の斜視図である。
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図4】本発明と共に使用可能なニードル駆動器の異なる状態を示す図である。
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図5】本発明と共に使用可能なニードル駆動器の異なる状態を示す図である。
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図6】本発明と共に使用可能なニードル駆動器の異なる状態を示す図である。
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図7】本発明と共に使用可能なニードル駆動器の異なる状態を示す図である。
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図8】本発明と共に使用可能なニードル駆動器の異なる状態を示す図である。
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図9】本発明と共に使用可能なニードル駆動器の異なる状態を示す図である。
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図10】本発明と共に使用可能なニードル駆動器の異なる状態を示す図である。
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図11】本発明と共に使用可能なニードル駆動器の異なる状態を示す図である。
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図12】本発明と共に使用可能なニードル駆動器の異なる状態を示す図である。
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図13】本発明と共に使用可能なニードル駆動器の異なる状態を示す図である。
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図14】本発明と共に使用可能なニードル駆動器の異なる状態を示す図である。
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図15】本発明に従って形成された薬物送達装置の異なる形態を示す図である。
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図16】本発明に従って形成された薬物送達装置の異なる形態を示す図である。
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図17】本発明に従って形成された薬物送達装置の異なる形態を示す図である。
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図18】本発明に従って形成された薬物送達装置の異なる形態を示す図である。
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図19】本発明に従って形成された薬物送達装置の異なる形態を示す図である。
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図20】本発明と共に使用可能なアクチュエーター配列を示す図である。
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図21】本発明と共に使用可能なアクチュエーター配列を示す図である。;
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図22】本発明と共に使用可能な異なるシール用配列を示す図である。
【
図23】本発明と共に使用可能な異なるシール用配列を示す図である。;
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図24】本発明と共に使用可能な第2のニードルを備えるシール用配列を示す図である。
【
図25】本発明と共に使用可能な第2のニードルを備えるシール用配列を示す図である。
【
図26】本発明と共に使用可能な第2のニードルを備えるシール用配列を示す図である。
【
図27】本発明に従って形成された薬物送達装置を充填する方法を示す図である。
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図28】本発明に従って形成された薬物送達装置を充填する方法を示す図である。
【
図29】本発明に従って形成された薬物送達装置を充填する代わりの方法を示す図である。
【
図30】本発明に従って形成された薬物送達装置を充填する代わりの方法を示す図である。
【
図31】本発明に従って形成された薬物送達装置を充填する代わりの方法を示す図である。
【
図32】本発明に従って形成された薬物送達装置を充填する代わりの方法を示す図である。
【
図33】本発明に従って形成された薬物送達装置を充填する代わりの方法を示す図である。
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図34】本発明と共に使用可能な用量の終了指示器を示す図である。
【
図35】本発明と共に使用可能な用量の終了指示器を示す図である。
【
図36】本発明と共に使用可能な用量の終了指示器を示す図である。
【
図37】本発明と共に使用可能なニードルの引き戻しを達成する機構を示す図である。
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図38】本発明と共に使用可能なニードルの引き戻しを達成する機構を示す図である。
【
図39】本発明と共に使用可能なニードルの引き戻しを達成する機構を示す図である。
【
図40】本発明と共に使用可能な用量の終了指示器を示す図である。
【
図41】本発明と共に使用可能なニードルの引き戻しのためにボタン解除可能な機構を示す図である。
【
図42】本発明と共に使用可能なニードルの引き戻しのためにボタン解除可能な機構を示す図である。
【
図43】本発明と共に使用可能なニードルの引き戻しのためにボタン解除可能な機構を示す図である。
【
図44】本発明に従って形成された薬物送達装置の使用時を示す背面の斜視図である。
【
図45】本発明と共に使用可能な安全なペン及びニードルの遮蔽体を示す図である。
【
図46】本発明と共に使用可能な安全なペン及びニードルの遮蔽体を示す図である。
【
図47】本発明と共に使用可能な安全なペン及びニードルの遮蔽体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照するに、薬物送達装置が示され、参照番号10で指定されている。薬物送達装置10は、一般に、貯留部14を収容する本体12、少なくとも1つのニードル16、ニードル駆動器18、及びアクチュエーター20を含んでいる。薬物送達装置10は、薬物又は薬剤(これらの用語は、ここでは相互に用いられる)を患者に注入するためのものであり、以下に論ぜられるように、特に、自己投与のために患者の皮膚上にマウントされるのに適している。1つ以上の薬剤的に活性な薬を含む如何なる形態の薬剤、例えば、液体又はスラリーが当業者によって認められるように、薬物送達装置10によって投与され得る。
【0010】
本体12は、閉じられた容積24を取り囲んでいる殻体22を含んでいる。当該閉じられた容積24は、好ましくは、注入器10の作動用構成部品が内部に完全に包含されてそれらを収容するような大きさに構成されている。当該殻体22は、好ましくは、熱可塑性物質から形成されるが、他のポリマー及び/又は金属の材料から形成されてもよい。製造の容易化のためには、殻体22はスナップ係合する、さもなくば、一緒に組立てられる1つ以上の構成部品から形成されてもよい。殻体22には、異なる目的のために、1つ以上の開口が形成されてもよい。例えば、貯留部14の目視観測を可能にすべく位置されて、1つ以上の窓26が設けられてもよい。加えて、アクチュエーター20のような構成部品へのアクセスを可能にする1つ以上のアクセス開口28が設けられてもよい。殻体22はまた、貯留部14の充填を可能にするような、殻体22の内部へのアクセスを可能にする、1つ以上の取外し可能なパネル30を含んでもよい。
【0011】
本体12は種々の形状であってもよい。図に示されるように、本体12は、一般に、直方体の箱形状を有している。他の形状も可能である。本体12は、好ましくは接着剤34が配置される概ね平らな皮膚マウント面32を含むのが好ましい。接着剤34は、注入器10の患者の皮膚への使用のための取付け及び後の取外しを可能にするのであればいずれでもよい。接着剤34は、低粘着性感圧接着剤であってもよいが、他の形態もまた使用可能である。アクセス開口28'が皮膚マウント面32に殻体22を貫通して延在すべく形成され、以下に説明されるように、ニードル16の通過を可能にすべく形成されている。好ましくは、接着剤34がニードルのアクセス開口28'を境界付ける。
【0012】
貯留部14は好ましくはチューブ状の胴部である。貯留部14は好ましくは円形の断面であるが、しかし他の断面形状であってもよい。加えて、貯留部14はガラスから形成されるのが好ましいが、しかしポリマー材料から形成されてもよい。チューブ状の形態でもって、貯留部14は第1及び第2の端部38,40の間に延在し、両者間に延在する空腔42を備える壁部36を含んでいる。ストッパー44が貯留部14内に摺動可能に、特に、空腔42内に壁部36とシール係合して配置されている。ストッパー44は、弾性材料のものであることが好ましく、当該技術分野で知られている如何なる方法によって形成されてもよい。
【0013】
少なくとも1つのニードル16がニードル駆動器18にマウントされている。ここでは単独のニードルの使用に言及されるが、しかし当業者には認められるであろうように、複数のニードルが同様に用いられてもよい。ニードル駆動器18はニードル16を第1の状態から第2の状態へ変位させるように構成されている。当該第1の状態は、ニードル16、より詳しくは、ニードル16の末端部46が本体12内に包含されている状態に一致している(
図4)。当該第2の状態は、ニードル16の末端部46が注入位置にあるべく本体12の外に露出されている状態に一致している(
図6)。ニードル16及び末端部46は、患者への注入のための如何なる既知の方法で形成されてもよい。
【0014】
ニードル16は末端部46から基端方向に延在している空腔48を含んでいる。当該空腔48は直接又は間接に貯留部14に連通している。直接の連通でもって貯留部14と空腔48の間に開いた通路が規定されている。より好ましくは、貯留部14と空腔48の間の選択的な連通を可能にするように、貯留部14と空腔48の間の流路に破棄可能なシール配列又は調節可能なバルブが存している。この配列によって、特に輸送及び貯蔵時の、貯留部14からの及び当該空腔48を通しての不用意な流れが最小化される。
【0015】
好ましい配列においては、流れのチャンネル50が当該空腔48から及びニードル駆動器18を通って延びて貯留部14に連通している。好ましい配列においては、ニードル駆動器18は固定端部52及び自由端部54を有している変形可能な片持ち梁のアームの形式である。ニードル16は既知の技術を用いて自由端部54又はその近傍に固定されている。好ましくは、ニードル駆動器18はニードル16が金属の材料から形成されて熱可塑性物質から形成されている。ニードル16はニードル駆動器18に接着及び/又は一体成型されてもよい。当該流れのチャンネル50は、ニードル駆動器18を通って空腔48に連通するべく規定されている。
【0016】
ニードル駆動器18はニードル16の変位を達成する種々の形態のものであってよい。ニードル駆動器18は、ニードル駆動器18の内部弾性から発生される又はスプリング又は他の力アプリケーターのような外部動力源から加えられる原動力の下に、変位が起こされる。
図4を参照するに、ニードル駆動器18は使用の前には平らで不偏な状態にあることが好ましい。このように、ニードル駆動器18の望まれていない状態への塑性変形は回避され得る。ニードル駆動器18の自由端部54を偏向された状態に保持させることは可能であり、この場合、ニードル駆動器18の内部弾性がニードル16を変位させるスプリング力を提供し得る。ニードル駆動器18を偏向された状態に解放可能に保持するためには、如何なる形式の保持機構が用いられてもよい。しかしながら、ニードル駆動器18を偏向された状態に維持することは、保持機構の解放の際に、スプリングの戻りがほとんど又は全くないその塑性変形に帰するかもしれない。ニードル駆動器18は材料の選択によってこの状況を克服するべく構成され得るけれども、ニードル駆動器18は、偏向されたさもなければ変形された状態をもたらさないように、概ね平らに形成されるのが好ましい。
【0017】
薬物送達装置10は、活性化時に、薬剤が貯留部14から自動駆動され、そして別に、ニードル16が患者に挿入されるように変位されるのが生ずるように構成されている。かかる二重の作用を達成するのに、アクチュエーター20の単一の起動が用いられるのが好ましい。種々のアクチュエーター形態が利用されてもよい。非限定的例として、アクチュエーター20は、直線状の変位用に構成されている変位可能なボタン形式のものであってもよい。当業者には理解されるように、他のアクチュエーターが利用されてもよい。
【0018】
スプリング58は、ストッパー44を貯留部14内で第1の位置から第2の位置へ移動させるために設けられている。ストッパー44の移動が貯留部14からの薬剤の変位を生じさせる。初期の使用前状態においては、スプリング58の力に対抗してストッパー44を第1の位置に保持するべく、保持用配列が設けられている。アクチュエーター20の起動時、保持用配列が解放されて、かくてストッパー44の第2の位置への移動を可能にする。同時に、アクチュエーター20の起動は、患者へ注入するためのニードル駆動器18のニードル16の変位に帰する。ストッパー44の移動の力の下に、薬剤は患者に投与されるためにニードル16を通って流される。
【0019】
ニードル駆動器18の起動は種々の方法で達成される。好ましい実施形態においては、細長い飼い葉桶形状のニードルアクチュエーター60が、ニードル駆動器18の少なくとも一部と同一の外延を持って設けられ得る。1つ以上の戻り止め62が、ニードルアクチュエーター60に形成されたトラック又は他の特徴部に沿って乗り上げるべくニードル駆動器18から延びている。好ましい配列においては、ニードルアクチュエーター60は、ニードル駆動器18に対して直線状に変位されるべく生起され、ニードルアクチュエーター60の特徴部に沿う戻り止め62の移行を生じさせる。この相互作用がニードル16の変位に帰する。
【0020】
好ましい実施形態においては、2つのセットの戻り止め62、すなわち、スプリングセットの戻り止め62a及び解放セットの戻り止め62bが設けられている。当該解放の戻り止め62bは、ニードル駆動器18の自由な端部54又はその近傍に位置されている。当該スプリングの戻り止め62aは、固定端部52及び自由端部54の間のニードル駆動器18の中間位置に位置されている。当該スプリングの戻り止め62a及び解放の戻り止め62bは、ニードル駆動器18に均等に加えられる共同に作用する力を提供するように、形状付けられ且つ構成されていることが好ましい。長手方向軸線64の回りに発生するモーメントは望ましくない。
【0021】
図4及び12に示され、且つ上述されたように、ニードル駆動器18は、好ましくは、使用の前の初期に概ね平らな状態にある。アクチュエーター20の起動によって、ニードルアクチュエーター60は、傾斜した面66が、
図13に示されるように、当該スプリング戻り止め62aの下方への偏向を引き起こすように、ニードル駆動器18に対して変位されるべく生起される。この状態において、当該解放の戻り止め62bは停止面68と係合状態にある。当該解放の戻り止め62b及び停止面68の間への相互係合のせいで、自由端部54の偏向が抑制されている。ニードルアクチュエーター60がニードル駆動器18に対して十分に移動することで、当該解放の戻り止め62bは停止面68から離れるように生起される。当該スプリングの戻り止め62aの変位は、自由端部54が下方に変位されたその自然の平らな状態(
図14)に戻るべく自由端部54が付勢されるのを生じさせるスプリング力をニードル駆動器18に発生させる。この連続する作用の組み合わせが、
図12に示された第1の状態から
図14に示された第2の状態に、ニードル16が変位されることに帰結する。上述のように、当該第1の状態では、ニードル16、特にその末端部46は囲われた容積24内にあり、一方、当該第2の状態では、当該末端部46が殻体22の外に露出される。ニードル16の変位はニードル16が注入のために患者の皮膚を穿刺するのを生じさせるべく利用される。
【0022】
一旦変位されると、ニードル駆動器18はその構成成分材料の固有の記憶によって最初の平らな形態に復帰しようとする。
図14に示されるように、傾斜した面66とスプリングの戻り止め62aとのの間の相互係合が、ニードル16を患者に穿刺されている第2の状態に維持する。
【0023】
当業者には理解されるように、ニードル16の変位を生じさせるのに他の配列が利用されてもよい。例えば、解放可能なスプリング配列が利用されてもよく、それによって、ニードル駆動器18はスプリング力に対抗して第1の状態に保持され、保持用配列の解放によって、スプリング力がニードル駆動器18を当該第2の状態に変位させるのを可能にする。スプリング力は、圧縮スプリング、コイルスプリング、弾性部材、ガス圧縮スプリング等のような種々のスプリングによって供給されてもよい。
【0024】
ニードル駆動器18に対してのニードルアクチュエーター60の移動は、種々の形態によってもたらされてもよい。好ましくは、ニードルアクチュエータースプリング70が、ニードルアクチュエーター60の変位を生じさせるように、ニードルアクチュエーター60に対して作用するべく設けられる。
【0025】
図4に示されるように、使用の前に、ニードルアクチュエーター60をニードルアクチュエータースプリング70の力に対抗して第1の状態に保持するために、種々の保持用配列が設けられてもよい。好ましくは、当該保持用配列はアクチュエーター20の起動でもって解放されるべく生起される。非限定的例として、及び
図4-6を参照すると、保持用配列は、アクチュエーター20によって係合されるように、ニードルアクチュエーター60から延びるボス72を含んでいる。ロック用チャンネル74が当該ボス72に規定されており、そこには最初の使用前状態において、ロック用フランジ76が着座されている。起動時のアクチュエーター20の変位によって、当該ロック用フランジ76は
図5に示されるように、ロック用チャンネル74との係合から外される。当該ロック用フランジ76はアクチュエーター20の一部によって規定されてもよい。その後、ニードルアクチュエーター60はニードルアクチュエータースプリング70の力の下に変位される。
【0026】
ニードルアクチュエーター60の移行は、停止又は同様の部材の相互係合でもって制限されてもよい。ニードルアクチュエーター60には隙間開口78(
図2)が形成されており、変位時にそれを介してニードル16が通過する。当該隙間開口78は、ニードル16の変位時に、ニードル16が患者への注入を達成するのを可能にするべく少なくとも部分的にニードルアクセス開口28'に整列している(
図44)。ニードルアクセス開口28'は、注入時にニードル16と干渉しないような大きさに構成されている。
【0027】
当該隙間開口78は、起動時にニードル駆動器18の変位を制限するように構成されてもよい。具体的には、当該隙間開口78は、ニードル駆動器18ではなくて、ニードル16を通る通路を可能にするように構成されてもよい。そのようなものとして、ニードル駆動器18と隙間開口78のすぐ近傍にあるニードルアクチュエーター60の部分との間の相互係合が、ニードル駆動器18の変位時の制限として作用する。これは、ニードル駆動器18の第2の状態を規定し、そしてニードル16の注入の深さを規定し得る。代わりに、当該隙間開口78はニードル駆動器18に干渉的に係合しないように構成されてもよい。このように、患者の皮膚はニードル駆動器18のための停止(stop)部として作用する。
【0028】
ストッパー44の移動に関して、使用前状態において、スプリング58の力に対抗してストッパー44の移動を保持するために、保持用配列が設けられてもよい。非限定的例として、及び
図20及び21を参照して、当該ストッパー44に係合し及びアクチュエーター20によって係合され得るように延びて形成されたプランジャー80が設けられてもよい。プランジャー80には,プランジャーロック用チャンネル82が形成され、及び最初の使用前状態においてプランジャーロック用チャンネル82に着座するように形成されて、プランジャーロック用フランジ84が設けられてもよい。起動時のアクチュエーター20の変位でもって、当該プランジャーロック用フランジ84はプランジャーロック用チャンネル82から係合解除するように変位され、それによってスプリング58の移動の力の下にストッパー44の移動を可能にする。当該プランジャーロック用フランジ84はアクチュエーター20の一部によって規定されてもよい。当業者には理解されるように、アクチュエーター20の単一の起動がストッパー44とニードルアクチュエーター60両者の解放に帰しても良い。例えば、
図21を参照するに、アクチュエーター20は、アクチュエーター20の変位がストッパー44とニードルアクチュエーター60との両者の同時の解放を伴う、ロック用フランジ26及びプランジャーロック用フランジ84の変位に帰するように、ロック用フランジ76及びプランジャーロック用フランジ84の両者を規定してもよい。
【0029】
患者の皮膚に対抗しての使用のために意図されている薬物送達装置10では、貯留部14の通気又はニードル16の呼び水は、貯留部14から薬剤を投与するためには要求されないことが好ましい。
【0030】
ニードル16が患者に挿入されている、かつストッパー44が動かされている状態で、ニードル16の空腔42と貯留部14との間に直接の連通があれば、薬剤は、流れのチャンネル50を介して及びニードル16を経由して患者に投与されるべく、貯留部14から変位され得る。前述の通り、破棄可能なシール配列又は調節可能なバルブが、シール配列の破棄及び/又はバルブの調節によって達成可能な連通でもって間接的な連通を提供するために用いられることが好ましい。
【0031】
好ましい実施形態において、調節可能なバルブ86が利用されてもよい。
図22を参照すると、当該バルブ86は、1つ以上のシール部材90を有するバルブステム88を含む。1つの変形例において、
図22に示されるように、シール部材90は初期状態において、貯留部14の一部に対抗してシールするように構成されていてもよい。このように、貯留部14内に含有されている薬剤は、輸送及び貯蔵時に貯留部14内に含有されている。貯留部14は出口開口94を規定している第1の端部38において縮径されたネック部分92を有しているのが好ましい。バルブ86は、薬剤を全体的に内部に含有すべく貯留部14をシールするのが好ましい。このようにして,貯留部14内での薬剤の特に貯蔵時での安定性がより良く維持される。前述の通り、貯留部14はガラスから形成されるのが好ましい。
【0032】
好ましい配列においては、
図23に示されるように、貯留部14の第1の端部38が着座されているアダプター96が設けられてもよい。貯留部14の第1の端部38は、標準の注射器先端、例えば、ルアー先端(Luertip)と同様に形成されてもよい。流れスペース98が、貯留部14のすぐ近傍で且つそれに連通して、アダプター96内に設けられている。シール部材90は、この配列において、流れスペース98からの流れを防止するように、流れスペース98をシールするように構成されている。しかしながら、この配列により、薬剤は、使用の前(例えば、輸送及び貯蔵時)に、アダプター96の部分、特に、流れスペース98の周りのアダプター96の部分に接触し得る。当該アダプター96は、プラスチック又は他のポリマー材料から形成され得る。バルブ86及びアダプター96のための材料の選択は、貯留部14内に蓄えられる薬剤を考慮してなされるべきである。
【0033】
貯留部14からの流れを達成するためには、バルブ86が、シールされている使用前状態から開いた使用中状態までの使用を調節するように、調節可能に作られている。
図22を参照すると、代替の実施形態において,ネック部分92は、好ましくは、出口開口94の周りに規定された内方に延在しているリップ100を含んでいる。初期状態においては、
図22に示されるように、当該シール部材90は貯留部14から流れスペース98をシールするように、リップ100に対抗してシールする。開いた状態を達成するためには、バルブステム88が貯留部14内にシフトしてシール部材90がリップ100とのシール係合から外れる状態になるように、バルブ86が変位される。そのようなものとして、流路はかくて、バルブステム88の周りに、及び出口開口94を通って規定される。かくて、流れのチャンネ50が流れスペース98に連通するようになり得る。開いた状態にあるバルブ86によって、及び移動すべく生起されたストッパー44によって、薬剤は、患者への投与のために、貯留部14から出口開口94を通って流れスペース98及び流れのチャンネル50内に付勢される。流れスペース98のシールを提供するために、アダプター96には、バルブステム88に密接する隆起したシール用リング102が設けられてもよい。加えて、又は代わりに、さらに流れを制限するために、二次的なシール部材104がアダプター96の部分と共にシールを規定すべく形成されてバルブ86に設けられてもよい。
【0034】
図23に示された好ましい実施形態において、バルブ86は、シール部材90をシール用リング102に対抗して係合させて、且つアダプター96のシール用リング102とでシールを形成するのと同様の方法で、シールを形成すべく適合されてもよい。貯留部14へ向けてのバルブ86の調節が、流れを可能にすべく、シール部材90のシール用リング102からの係合解除を生じさせる。流れのチャンネル50は二次的な流れスペース116に連通し、及びシール用リング102は当該二次的な流れスペース116と流れスペース98との間に位置され得る。二次的なシール部材104は、二次的な流れスペース116をシールし、及びそこからの不用意な流れを防止するために設けられている。
【0035】
バルブ86の調節は種々の方法で達成され得る。好ましい実施形態において、旋回式バルブロッカー106が利用されてもよい。
図2及び8に示されるように、バルブロッカー106は枢動ピン108の回りに旋回可能にマウントされている。バルブロッカー106の第1のアーム110はバルブ86に係合されるべく枢動ピン108から延びている。バルブロッカー106の第2のアーム112はニードルアクチュエーター60に係合されるべく枢動ピン108から反対方向に延びている。
図9に示されるように、当該バルブロッカー106はニードル駆動器18に対して十分な移動時にニードルアクチュエーター60によって係合されるべく構成されている。ニードルアクチュエーター60の十分な移動でもって、当該第2のアーム112の変位が生起され、バルブロッカー106の旋回移動及び第1のアーム110のバルブ86に対する対応する移動の結果をもたらす。バルブ86に対する移動はシールされた状態から開いた状態への調節に帰する。より詳しくは、バルブ86の移動はバルブステム88の貯留部14へ向かうシフトに帰する。
【0036】
図22に示されるように、バルブ86はバルブ86をシールされた状態に解放可能に保持するためにロック用リングないしは歯114を含んでもよい。当該ロック用リング114は、バルブロッカー106からの十分な移動力の下に、アダプター96から弾性的に解放されるように形成されている。当該ロック用リング114は使用の前の不用意なバルブ86の調節を防止すべく作用する。
【0037】
当業者には理解されるように、貯留部14は種々の形態であってもよい。好ましくは、貯留部14を規定するのために注射器の胴部が用いられてもよく、特にこの場合、ネック部分92が利用される。
図23のシール用配列を用いることがさらに好ましい。ここでは、標準の注射器が修正なしに利用され得る。貯留部14は、バルブ86によって選択的にシールされる一端部を備える胴形状であってもよい。代わりに、
図8−10及び24−26に示されるように、二次的なストッパー118又は隔壁120が、貯留部14の第1の端部38をシールするために利用されてもよい。ここでは、貯留部14は、ネック部分92(
図25)に規定されている出口開口94をシールする隔壁120を備える薬カートリッジの形式であってもよい。当該隔壁120は、以下に説明されるように、貫通する穿刺を可能にする当該技術分野で既知のすべての弾性材料から形成され得る。代わりに、貯留部14は、ストッパー44から離間されて、第1の端部38又はその近傍に位置されている、二次的なストッパー118を含んでもよい(
図8)。当該二次的なストッパー118は、当該技術分野で知られているように、貯留部14に対抗するシールを形成するように、空腔48内に配置されてもよい。
【0038】
二次的なストッパー118又は隔壁120の使用に伴い、二次的なニードル122の使用によって貯留部14の内容物へのアクセスが提供されてもよい(
図24−26)。当該二次的なニードル122は、最初は、二次的なストッパー118又は隔壁120から離間されるか、又は部分的に埋設される第1の端部124を含んでいる。二次的なニードル122と貯留部14の間の相対的な移動でもって、貯留部14内の内容物へのアクセスを得るように、二次的なニードル122の第1の端部124が二次的なストッパー118又は隔壁120を穿き通すのが生起される相対的な運動を得るのには如何なるモードが利用されてもよい。好ましい配列においては、貯留部14が二次的なストッパー118又は隔壁120によってシールされている状態で、二次的なニードル122の第1の端部124が二次的なストッパー118又は隔壁120を穿き通す前に、スプリング58の作用力の下に貯留部14の移動が生起されてもよい。完全にシールされた状態、及び薬剤が液体又はスラリーの場合においては,当該薬剤は、一般に、それを介して伝達される力には非圧縮性であり、貯留部14全体の移動を許容する。貯留部14の内容物にアクセスしている二次的なニードル122でもって、スプリング58によってストッパー44に加えられるさらなる力が、患者への投与のために二次的なニードル122の空腔126内に薬剤を付勢することに帰する。当該二次的なニードル122は、流れのチャンネル50に連通する第2の端部127を備えて形成されている。
【0039】
貯留部14の不用意な移動を制限するために、1つ以上のロック用フィンガー128がその限定的移動で貯留部14に干渉して係合すべく、殻体22又は他の取り囲んでいる構成部品から延びていてもよい。貯留部14に十分な力が加えられると、当該1つ以上のロック用フィンガー128は貯留部14の移動を可能にするように、変形又は変位され得る。当該二次的なニードル122は既知の全方法によって殻体22に固定されてもよい。加えて、当該二次的なニードル122は曲げられていてもよく、さもなければ空腔126が流れのチャンネル50に連結するのを可能にするように構成されてもよい。
【0040】
当該二次的なニードル122の使用でもって、空腔126が流れのチャンネル50に連通する状態で、第2の端部127がニードル駆動器18内に延在すべく形成され得る(
図24)。ニードル駆動器18の起動によって、ニードル駆動器18はそれらとの連通を維持しながら当該二次的なニードル122の回りに回転し得る。仮に、二次的なニードル122が用いられないなら、当該駆動器18には、流れのチャンネル50が延びて貯留部14に(直接的に又は間接的に)連通する延長部17が設けられてもよい(
図2)。
【0041】
薬物送達装置10は、輸送及び貯蔵の前に予め組み立てられ且つ薬剤が貯留部14内に蓄えられてもよい。
図27及び28を参照するに、薬物送達装置10は、貯留部14が殻体22内に部分的に組み立てられた状態にあり、及びこの状態において充填されて、用意され得る。かくて、
図27及び28に示されるように、貯留部14は第2の端部40を通り、アクセス開口28の1つを介して充填され得る。一旦充填されると、ストッパー44が貯留部14をシールするために貯留部14の空腔48内に挿入されてもよく、そして薬物送達装置10が完全に組み立てられてもよい。
図15を参照するに、貯留部14は予め組み立てられ、そして薬剤で予め充填され、その後アクセス開口28の1つでもって殻体22にマウントされてもよい。製造の容易化のためには、薬物送達装置10の1つ以上の構成部品が、例えば、プランジャー80がスプリング58及びアクチュエーター20と共に提供されるように、モジュールとして形成されてもよい。モジュールハウジング130が、構成部品を組み立てられた状態で収容するために設けられてもよい。
【0042】
代替の配列において、そして
図29−33を参照するに、貯留部14は、使用の前に薬物送達装置10とは別に維持されてもよい。例えば、貯留部14は薬カートリッジの形式であってもよい。
図29に示されるように、窓26は、貯留部14がそれを通して殻体22内の位置に通過されるのを可能にするように形状付けられ、且つ構成されてもよい。この動きは.電気器具にバッテリーを挿入する同じである。1つ以上のスナップ係合して保持する部材132が、貯留部14に係合しそれを所望の位置に保持するために、設けられてもよい。当該所望の位置においては,ストッパー44がプランジャー80に整列して位置され、そして穿刺を可能にするように出口開口94が二次的なニードル122に整列して位置されている。貯留部14は、貯留部14が上述の貯留部14が薬カートリッジの形式と同様に窓26を通して挿入可能であって、ストッパー44及び隔壁120有する一定直径の胴部の形式であってもよい。
【0043】
当業者には理解されるように、薬物送達装置10は上述の事項を超えて追加の特徴を含み得る。例えば、使用の後に、ニードル16を引き戻すためのものを設けることが望ましい。ニードル16は種々の方法で引き戻るべくされ得る。
図37−39を参照すると、1つのアプローチにおいて、ニードルアクチュエーター60はニードル駆動器18に対して反対方向に移動すべくされており、この方向はニードル16の変位を生じさせるのに用いられた元の移動方向とは逆である。非限定的例として、
図37−39に示されるように、二次的なプランジャー136に対抗して作用すべく配置されている駆動スプリング134がプランジャー80内に配置されてもよい。当該二次的なプランジャー136は、ラッチ138との相互係合の故に初期位置に保持されている。ストッパー44がその全行程の終点に到達すると、ラッチ138の解放が生じ、二次的なプランジャー136は駆動スプリング134の力の下に前方に駆動される。当該二次的なプランジャー136は、バルブ86に対抗して係合すべくされ、バルブ86をその初期状態に向けて戻すためにシフトさせるように力を及ぼす。バルブ86は、かくて、バルブロッカー106に対抗して作用し、その元の状態に向けての逆の旋回移動の結果を伴う。それに応じて、バルブロッカー106は、ニードルアクチュエーター60をその元の状態に付勢するように、ニードルアクチュエーター60に対抗して作用する。ニードルアクチュエーター60のその元の状態への移動でもって、ニードル駆動器18の変位は反転され、及びニードル16は引き戻されることになる。
【0044】
好ましい実施形態において、
図41−43に示されるように、バルブロッカー106の第1のアーム110は曲げられてもよく、さもなくば、ニードル駆動器18に対しての所定量の移動時にニードルアクチュエーター60に係合すべく位置されている停止(stop)部140を規定するように構成されてもよい。当該停止(stop)部140は、ニードル16が注入のために変位されるのを可能にするべく、ニードルアクチュエーター60の十分な移動を許容するように位置されている。好ましくは直線状に変位可能なボタンの形式である二次的なアクチュエーター142が、ニードルアクチュエーター60からの係合解除を生じさせるために停止(stop)部140に対抗して押すべく位置されている。係合解除でもって、ニードルアクチュエーター60は、ニードルアクチュエータースプリング70の力の下にさらに移行するのが自由である(
図42)。二次的な傾斜面144が、ニードル16の殻体22内への引き戻しを生じさせるように、解放の戻り止め62bに対抗して係合すべく位置されている(
図7)。さらに、
図40に示されるように、このニードルアクチュエーター60の移動は、隙間開口78がニードルアクセス開口28'との整列から外れることを生じさせ、かくて、ニードル16へのアクセスをさらに制限する。
【0045】
薬物送達装置10にはまた、用量が完全に投与されたことの感覚による指示を提供する投与の終了指示器が設けられてもよい。
図34−36及び40を参照するに、プランジャー80に初期状態においてストッパー44を貫通して延在すべく形成された指示器スリーブ146が設けられてもよい。当該指示器スリーブ146は隆起部148を含んでいる。プランジャー80には、ストッパー44から離れる指示器スリーブ146の移動を制限すべく位置されている外方に変位可能な係合部材150が設けられている。貯留部14から薬剤を付勢するためにスプリング58によって移動されるプランジャー80でもって、ストッパー44は、最終的に、貯留部14の一部に対抗して及び/又は二次的なストッパー118に対抗して係合する、移行の終点に至る。この位置は投薬行程の終点に一致するであろう。
図36に示されるように、当該指示器スリーブ146は、ストッパー44による係合の前に貯留部14の一部及び/又は二次的なストッパー118によって係合されよう。プランジャー80によってストッパー44に加えられるさらなる力が、隆起部148を越える。係合部材150の変位を生じさせる。当該プランジャー80には1つ以上の指示器窓152が設けられている。初期状態において、指示器スリーブ146は指示器窓152との整列外にある。投薬行程の終点に変位された時、プランジャー80の外側から視覚で観察可能であるように、当該指示器スリーブ146の一部が1つ以上の指示器窓152に整列する(
図40)。殻体22の1つ以上の窓26は、指示器窓152を介しての指示器スリーブ146の観察を可能にするように整列されてもよい。好ましくは,当該指示器スリーブ146は、容易に観察できるようにプランジャー80とは異なる色に形成される。係合部材150によって隆起部148を取り囲んでいるものはまた、投与の終了の触覚式及び/又は可聴式の指示を提供してもよいことに留意すべきである。
【0046】
図3を参照するに、使用の前にニードルアクセス開口28'を覆うべく、ニードル遮蔽体154が設けられてもよい。当該ニードル遮蔽体154はニードルアクセス開口28'への摩擦嵌合などによって固定されてもよい。ニードル遮蔽体154の取外しを容易にすべく、特に殻体22の周囲を越えてニードル遮蔽体154から延在するフィンガータブ156が設けられてもよい。
【0047】
安全用ピン158もまた、アクチュエーター20の不用意な起動を防止するように、アクチュエーター20と共同するべく設けられ且つ形成されてもよい。
図45−47を参照するに、当該安全用ピン158は、アクチュエーター20の変位を防止するために、アクチュエーター20内に延在すべく形成されている。安全用ピン158はアクチュエーター56の起動を可能にするために取り外されるのが要求される。安全用ピン158は、ニードル遮蔽体154/安全用ピン158組立体の単独の取外しでもって、薬物送達装置10の使用の用意がされるように、ニードル遮蔽体154と一体的に形成されてもよい。