特許第6454842号(P6454842)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6454842
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】排水装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/22 20060101AFI20190110BHJP
   E03C 1/23 20060101ALI20190110BHJP
   A47K 1/14 20060101ALI20190110BHJP
【FI】
   E03C1/22 C
   E03C1/23 Z
   A47K1/14 B
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-78261(P2014-78261)
(22)【出願日】2014年4月4日
(65)【公開番号】特開2015-200081(P2015-200081A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2017年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕史
(72)【発明者】
【氏名】櫻 健一
【審査官】 金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−061250(JP,A)
【文献】 特開2013−117154(JP,A)
【文献】 特開2003−049464(JP,A)
【文献】 特開平04−203125(JP,A)
【文献】 実公昭40−021574(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/22
A47K 1/14
E03C 1/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽体に開口した排水口1aと、
上下動により排水口1aを開閉する遠隔操作用弁部材21と、
該遠隔操作用弁部材21を上下動させる作動部3と、
作動部3の動作を制御して、遠隔操作用弁部材21による排水口1aの開閉を操作する操作部4と、からなる、
槽体に設けられた排水口1aを遠隔操作的に開閉するための排水装置において、
遠隔操作用弁部材21が排水口1aを閉口できなくなった際に、
閉口時作動部3に干渉しない構造であって、操作部4の操作を介さずに排水口1aを閉口する手動用弁部材22を備え
遠隔操作用弁部材21の端部から一部の部材を取り外すことで、手動用弁部材22とすることを特徴とする排水装置。
【請求項2】
上記排水装置において、遠隔操作用弁部材21及び作動部3に反発しあう極性に配置した磁石部を備え、該磁石部の磁石の反発を利用して遠隔操作用弁部材21を上下動させると共に、
遠隔操作用弁部材21から磁石部を取り外すことで、手動用弁部材22とすることを特徴とする、請求項1に記載の排水装置。
【請求項3】
槽体に開口した排水口1aと、
上下動により排水口1aを開閉する遠隔操作用弁部材21と、
該弁部材を上下動させる作動部3と、
作動部3の動作を制御して、遠隔操作用弁部材21による排水口1aの開閉を操作する操作部4と、からなる、
槽体に設けられた排水口1aを遠隔操作的に開閉するための排水装置において、
作動部3の端部から少なくとも一部の部材を変形又は排水装置より取り外すことで、遠隔操作用弁部材21が排水口1aを閉口できなくなった際に、遠隔操作用弁部材21が、閉口時作動部3に干渉することなく排水口1aを閉口することが可能な手動用弁部材22となるように構成したことを特徴とする排水装置。
【請求項4】
上記排水装置において、遠隔操作用弁部材21及び作動部3に反発しあう極性に配置した磁石部を備え、該磁石部の磁石の反発を利用して遠隔操作用弁部材21を上下動させると共に、
作動部3から磁石部を取り外すことで、遠隔操作用弁部材21が、閉口時作動部3に干渉することなく排水口1aを閉口することが可能な手動用弁部材22となるように構成したことを特徴とする請求項3に記載の排水装置。
【請求項5】
上記排水装置において、作動部3を、電気駆動により作動するように構成したことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の排水装置。
【請求項6】
上記排水装置において、手動用弁部材22に、排水口1aからの着脱を容易にする取手体7を備えたことを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の排水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水装置に関し、更に詳しくは、遠隔操作によって排水口を開閉する排水装置において、排水口を閉口できない不具合が生じた場合に、遠隔操作の機能を喪失するものの、排水口を確実に閉口できるようにするための排水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、浴槽や洗面器等の槽体の内部に生じた排水を処理するため、槽体の底面等に排水口を設け、この排水口から排水配管を介し下水側に排水を排出する排水装置が広く知られている。また、槽体内に水を溜める場合に、弁部材を利用して排水口を閉口する方法があるが、この弁部材の開口また開口を、弁部材や排水口から離間した位置、例えば槽体の開口周縁の天面部分に設けた操作部への操作によって行う遠隔操作式の排水装置が知られている。以下に、遠隔操作式の排水装置の従来例を説明する。
特許文献1に記載の従来の遠隔操作式の排水装置は、槽体の一種である洗面器に接続される排水装置であって、以下に記載する、排水口本体、遠隔操作用弁部材、レリースワイヤ、継手部材、操作部等の部材より構成される。
洗面器は上方が開口した箱体であって、その底面に、排水口本体を取り付けるための取付孔を備えてなる。
排水口本体は略円筒形状を成す部材であって、その上端部分外周側には、側面方向に突出するフランジ部を設けると共に、フランジ部の下方外側面には、雄ネジを螺刻してなり、その内部には排水口を形成する。また、上記雄ネジに螺合する雌ネジを備えたナット部材を備えてなる。また、排水口本体の上端部分は槽体の底面に、下端部分は継手部材に、それぞれ水密的に接続される。
遠隔操作用弁部材は、上記排水口内に配置されて、排水口の上端を閉口する部材であって、略円盤状にして、排水口を閉口する弁体部と、弁体部の中央から垂下される弁軸と、弁部材が傾かないように排水口内に当接するガイド部(特許文献1中では「摺動脚10」)と、から構成される。
レリースワイヤは、側面方向に可撓性を、軸方向に剛性を有したアウターチューブと、該インナーワイヤ内に摺動自在に配置される、側面方向に可撓性を、軸方向に剛性を有したインナーワイヤと、から構成され、一端は操作部に、他端は排水継手の支持部に、それぞれ接続される。
継手部材は、排水口本体の下端に接続される略円筒形状の部材であって、その内部にレリースワイヤ端部を支持する支持部と、レリースワイヤを延出するための挿通口と、から構成される。
操作部は、排水口の開閉を操作する部材であって、洗面器の天面部に配置されて、排水口の開閉を操作する部材である。
上記した各部材から構成された遠隔操作式の排水装置は、以下のようにして、槽体である洗面器に施工される。
洗面器の取付孔に排水口本体を挿通し、排水口本体のフランジ部下面を、取付孔周縁の上面に当接させる。更にナット部材の雌ネジを、排水口本体の雄ネジに螺合させ、フランジ部下面とナット部材上面とで取付孔周縁を挟持させて排水口本体を洗面器に固定させる。
次に、継手部材の挿通口にレリースワイヤを挿通させ、支持部にレリースワイヤのアウターチューブ端部を支持固定させた上で、排水口本体と継手部材を接続する。
次に、操作部を洗面器の天面部に固定した上で、操作部とレリースワイヤとを接続する。
更に、排水口内部に遠隔操作用弁部材を挿入し、弁軸の直下に、レリースワイヤのインナーワイヤ先端が位置するように配置して、遠隔操作式の排水装置の施工が完了する。
上記のように構成した遠隔操作式の排水装置を使用する場合、まず遠隔操作用弁部材を排水口に対して降下した状態とし、排水口が閉口された状態とする。
この状態から操作部に操作を加え、インナーワイヤを、弁部材側に前進させると、インナーワイヤの弁部材側の端部が突出し、遠隔操作用弁部材の弁軸の下端をインナーワイヤの先端が押し上げ、遠隔操作用弁部材全体が上昇する。これに伴い弁体部も上昇するため、排水口と弁体部が離間して、排水口が開口する。洗面器内に排水が溜まっていた場合、排水口が開口したことで、排水が排水口内部を介して洗面器外に排出される。
この状態から操作部に操作を加え、インナーワイヤを、操作部側に後退させると、インナーワイヤによる弁軸の押し上げが終了し、遠隔操作用弁部材全体が降下する。これに伴って弁体部も降下し、排水口と弁体部とが当接して、排水口が閉口する。
これらの作業の際には、遠隔操作用弁部材のガイド部が排水口内部に当接し、遠隔操作用弁部材が、適正な位置以外に移動したり、適正な方向以外に傾いたりすることを防止する。
以下、上記動作を繰り返すことで、操作部への操作により遠隔操作にて排水口を開閉することができる。
また、上記特許文献1以外の遠隔操作式の排水装置として、特許文献2、また特許文献3に記載の遠隔操作式の排水装置等が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の遠隔操作式の排水装置では、インナーワイヤの先端が弁軸の下端に当接し、弁軸を直接押し上げることで遠隔操作用弁部材を押し上げ、排水口を開口しているが、特許文献2に記載の遠隔操作式の排水装置では、インナーワイヤの先端及び弁軸の下端に反発しあう極性向きに調整した磁石を配置固定し、弁軸の下方位置に、水平方向からインナーワイヤ端部に配置した磁石がスライドするように構成したことで、弁軸の直下にインナーワイヤ先端の磁石が位置した時は、磁力による反発で遠隔操作用弁部材が上昇して排水口が開口し、弁軸の直下以外にインナーワイヤ先端の磁石が位置した時は、磁力による反発が解消されて遠隔操作用弁部材が降下して排水口が閉口する、という構成としている。このように構成することで、作動部の構造を単純化し、故障が起こりにくい構造としている。
【0004】
また、特許文献1に記載の遠隔操作式の排水装置では、インナーワイヤを前進させて遠隔操作用弁部材を押し上げる動作の動力は、操作部を押し込む排水装置の使用者の人力によるもので、人力によってインナーワイヤを介し遠隔操作用弁部材を押し上げ、排水口を開口しているが、特許文献3に記載の遠隔操作式の排水装置では、インナーワイヤを前進動作させる動力として、電気によって動作するステッピングモーターを採用してなる。排水口を開口させる際は、ステッピングモーターの動力によってインナーワイヤを前進させてその先端が弁軸の下端を直接押し上げることで遠隔操作用弁部材を押し上げて排水口を開口させると共に、排水口を閉口させる際は、ステッピングモーターの動力によってインナーワイヤを後退させてその先端が弁軸の下端から離間して弁軸の支持を解除することで遠隔操作用弁部材を降下させて排水口を閉口させるように構成している。尚、排水口の開口状態、閉口状態は、モーターに通電を行って作動部を作動させない限り変化することは無く、排水口の開口又は閉口の状態を維持するために通電を行う必要は無い。このように構成することで、排水口の開閉操作に使用者の人力が不要となり、老人や身体障害者等、力の弱い人などでも容易に排水口の開閉作業が可能な構造としている。
【特許文献1】実開平3−122174号
【特許文献2】特開平7−317118号
【特許文献3】特開2001−311196号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように構成した、従来例の遠隔操作式の排水装置には、作動部等に故障が生じて、作動部が遠隔操作用弁部材を押し上げた状態のまま動作しなくなった場合、遠隔操作によらない方法によっても、排水口を閉口できなくなる、という問題があった。
詳述すると、例えば、特許文献1乃至特許文献3に記載の遠隔操作式の排水装置において、インナーワイヤが曲がり限度を超えた曲げられ方をしたことで破壊されて正常な動作が行えなくなる、座屈と呼ばれる破損をした場合や、排水中の毛髪など塵芥が絡んでインナーワイヤがアウターチューブ内に入れなくなる場合、またインナーワイヤが排水によって錆びて動作がスムーズに行えなくなる場合、等がある。
また、特許文献3に記載した、電動式の遠隔操作式の排水装置の場合、モーター部分に断線などが生じたり、または停電等によっても作動部が動作を行わなくなり、排水口を開閉することができなくなる。
このようにして遠隔操作式の排水装置に故障が生じた場合において、作動部が排水口を閉口する位置、特許文献1乃至特許文献3の場合レリースワイヤのインナーワイヤが、操作部側に後退した位置であれば、使用者は遠隔操作用弁部材を直接手でつかみ、必要に応じて排水口から遠隔操作用弁部材を取り出すことで排水口からの排水を行い、また排水口に遠隔操作用弁部材を嵌めることで排水口を閉口し、排水を槽体内部に溜めることができる。
しかしながら、遠隔操作式の排水装置に故障が生じた場合において、作動部が排水口を開口する位置で停止していれば、使用者が遠隔操作用弁部材を直接手でつかみ、必要に応じて排水口から遠隔操作用弁部材を取り出すことで排水口からの排水を行うことはできるものの、排水口に遠隔操作用弁部材を嵌めても、遠隔操作用弁部材は作動部に干渉されて弁体部が排水口上端位置まで降下できないため、排水口を閉口することはできず、水を槽体内部に溜めることができなくなる。
遠隔操作式の排水装置が、故障を生じた場合に開口位置または閉口位置のいずれで停止するかは全くの偶然によるため、開口状態にて故障が生じると、遠隔操作式の排水装置に修理を行うまで、使用者が遠隔操作用弁部材に直接手作業を加えても、槽内に吐水を溜めることができない、という状態となる。このように、槽体内に吐水を溜めることができない、という状態は、特に浴槽のように、槽体を使用する際は必ず排水口を閉口するような槽体においては致命的な問題となる。
本発明は上記問題点に鑑み発明されたものであって、遠隔操作式の排水装置において、排水装置に故障が生じ、排水口が開口状態のまま動作しなくなったとしても、弁部材に直接的な作業を行う方法では、確実に排水口の開閉を行うことができる排水装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明は、槽体に開口した排水口1aと、上下動により排水口1aを開閉する遠隔操作用弁部材21と、該遠隔操作用弁部材21を上下動させる作動部3と、作動部3の動作を制御して、遠隔操作用弁部材21による排水口1aの開閉を操作する操作部4と、からなる、槽体に設けられた排水口1aを遠隔操作的に開閉するための排水装置において、遠隔操作用弁部材21が排水口1aを閉口できなくなった際に、閉口時作動部3に干渉しない構造であって、操作部4の操作を介さずに排水口1aを閉口する手動用弁部材22を備え、遠隔操作用弁部材21の端部から一部の部材を取り外すことで、手動用弁部材22とすることを特徴とする排水装置である。
尚、ここでいう弁部材とは排水口を閉口することができる部材である。
また、遠隔操作用弁部材とは、遠隔操作を行う為に用意した操作部へ、開口又は閉口を指示する操作を行うことによって、弁部材が操作部への操作に対応した動作を行い、排水口の開閉を行うことができる弁部材である。
例えば、レリースワイヤを利用した遠隔操作式の排水装置では、弁部材を排水口に配置し、ガイド等を利用し定まった位置で上下動させているため、操作部に対する開口又は開口の操作を行うだけで、弁部材は上下動し、排水口を開閉することができる。このように使用される弁部材は遠隔操作用弁部材である。
これに対して、手動用弁部材とは、弁部材によって排水口の開閉を行う場合に、弁部材に対して位置決めなどの作業を行う必要があり、単に開口又は閉口の指示を行うだけでは排水口を開口、又は閉口できない弁部材である。
例えば、単に排水口に嵌合するゴム材からなる弁部材の場合、排水口を閉口するには単に弁部材を降下させるだけでは駄目で、使用者が排水口に対して弁部材を排水口に位置合わせして嵌合させる必要がある。このように、排水口を開口又は閉口させる際に、使用者の手動(手作業)にて弁部材を排水口に位置合わせするような必要がある弁部材は手動用弁部材である。また、上記のような単に排水口に嵌合するゴム材からなる弁部材に、チェーン体を取り付けて、チェーン体を介して弁部材を移動させることができるようにしたものも周知であるが、この場合でも、チェーン体を介して弁部材を排水口に位置合わせする必要があり、このような弁部材も、チェーン体を介して弁部材に操作を加えており、直接弁部材には触れてはいないものの、やはり手動用弁部材である。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、上記排水装置において、遠隔操作用弁部材21及び作動部3に反発しあう極性に配置した磁石部を備え、該磁石部の磁石の反発を利用して遠隔操作用弁部材21を上下動させると共に、遠隔操作用弁部材21から磁石部を取り外すことで、手動用弁部材22とすることを特徴とする、段落0006に記載の排水装置である。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、槽体に開口した排水口1aと、上下動により排水口1aを開閉する遠隔操作用弁部材21と、該弁部材を上下動させる作動部3と、作動部3の動作を制御して、遠隔操作用弁部材21による排水口1aの開閉を操作する操作部4と、からなる、槽体に設けられた排水口1aを遠隔操作的に開閉するための排水装置において、作動部3の端部から少なくとも一部の部材を変形又は排水装置より取り外すことで、遠隔操作用弁部材21が排水口1aを閉口できなくなった際に、遠隔操作用弁部材21が、閉口時作動部3に干渉することなく排水口1aを閉口することが可能な手動用弁部材22となるように構成したことを特徴とする排水装置である。
【0009】
請求項4に記載の本発明は、上記排水装置において、遠隔操作用弁部材21及び作動部3に反発しあう極性に配置した磁石部を備え、該磁石部の磁石の反発を利用して遠隔操作用弁部材21を上下動させると共に、作動部3から磁石部を取り外すことで、遠隔操作用弁部材21が、閉口時作動部3に干渉することなく排水口1aを閉口することが可能な手動用弁部材22となるように構成したことを特徴とする段落0008に記載の排水装置である。
【0010】
請求項5に記載の本発明は、上記排水装置において、作動部3を、電気駆動により作動するように構成したことを特徴とする、段落0006乃至段落0009のいずれか一つに記載の排水装置である。
【0011】
請求項6に記載の本発明は、上記排水装置において、手動用弁部材22に、排水口1aからの着脱を容易にする取手体7を備えたことを特徴とする、段落0006乃至段落0010のいずれか一つに記載の排水装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の本発明では、遠隔操作式の排水装置において、遠隔操作の為の機構が破損した場合に、遠隔操作用弁部材の端部から一部の部材を取り外すことで、手動用弁部材とすることで、作動部の状態に関係なく、排水口を手動用弁部材への手動操作により開閉することができる。
請求項2に記載の本発明では、磁石の反発によって排水口を開閉する遠隔操作式の排水装置において、遠隔操作用弁部材の磁石部を取り外すことで、遠隔操作用弁部材を手動用弁部材とすることができる。
請求項3に記載の本発明では、遠隔操作式の排水装置において、遠隔操作の為の機構が破損した場合に、作動部の端部から少なくとも一部を変形または排水装置から取り外すことで、遠隔操作用弁部材を、手動にて排水口に取り付け、取り外しの作業ができる手動用弁部材とすることができ、作動部の状態に関係なく、排水口を手動用弁部材への手動操作により開閉することができる。
請求項4に記載の本発明では、磁石の反発によって排水口を開閉する遠隔操作式の排水装置において、作動部の磁石部を取り外すことで、遠隔操作用弁部材を手動用弁部材とすることができる。
また、上記請求項2乃至請求項4に記載の発明においては、遠隔操作用弁部材と手動用弁部材を共通の部材とすることで、別々に部材を用意する場合に比べ、製品を安価とすることができる。
また、上記請求項2乃至請求項4に記載の発明においては、手動用弁部材を、遠隔操作用弁部材とは全く別の部材とした場合、遠隔操作式の排水装置が故障するまでは手動用弁部材は不要な部材であり、長期間使用しない間に紛失してしまう場合があるが、本発明では、遠隔操作用弁部材をそのまま手動用弁部材に変更できるため、長期間使用しないことによる紛失を防ぐことができる。
請求項5に記載の本発明では、本発明を電気駆動による遠隔操作式の排水装置に採用してなる。電気駆動による遠隔操作式の排水装置の場合、停電や断線などで通電が止まると、どの様にしても作動部を作動させることができなくなる場合が多く、この場合には本発明のように弁部材自体を操作部に干渉しない構造とすると好適である。
請求項6に記載の本発明では、手動用弁部材に取手体を備えることで、手動用弁部材の排水口からの取り出しを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第一実施例の遠隔操作式の排水装置の施工状態を示す断面図である。
図2】第一実施例の遠隔操作式の排水装置の部材構成を示す参考図である。
図3】遠隔操作用弁部材と支持部材を示す斜視図である。
図4】施工時の遠隔操作式の排水装置と支持部材を示す斜視図である。
図5図4の一部を切り欠きした参考図である。
図6】第一実施例の、通常時の排水口の閉口状態を示す参考図である。
図7】第一実施例の、通常時の排水口の開口状態を示す参考図である。
図8】第一実施例の、故障時の排水口の閉口状態を示す参考図である。
図9】第一実施例の、故障時の排水口の開口状態を示す参考図である。
図10図8の状態における、手動用弁部材と支持部材を示す斜視図である。
図11】第一実施例の手動用弁部材に、取手体を採用した状態を示す断面図である。
図12】第一実施例の、別途の手動用弁部材を示す断面図である。
図13】第二実施例の遠隔操作式の排水装置の施工状態を示す断面図である。
図14】第二実施例の遠隔操作式の排水装置の部材構成を示す参考図である。
図15】第二実施例の、通常時の排水口の閉口状態を示す参考図である。
図16】第二実施例の、通常時の排水口の開口状態を示す参考図である。
図17】第二実施例の、故障時の排水口の閉口状態を示す参考図である。
図18】第二実施例の、故障時の排水口の開口状態を示す参考図である。
【実施例】
【0014】
以下に、本発明の第一実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図1乃至図11に示した、本発明の第一実施例の遠隔操作式排水栓装置は、以下に記載する、槽体としての浴槽Bに施工される排水装置であって、排水口本体1、手動用弁部材22に構成を変更可能な遠隔操作用弁部材21、継手部材5、支持部材6、作動部3、操作部4、チューブ管8、その他の部材から構成されてなる。
浴槽Bは、上方が開口した箱体であって、その底面に、排水口本体1を取り付けるための取付孔B1と、上縁に操作部4を取り付けるための操作部取付孔B2を備えてなる。尚、取付孔B1、操作部取付孔B2の周縁は段押しを有してなる。
排水口本体1は略円筒形状を成す部材であって、その上端部分外周側には、側面方向に突出するフランジ部1bを設けると共に、フランジ部1bの下方外側面には、雄ネジを螺刻してなり、その内部には排水口1aを形成する。排水口1a内部には、周縁に沿って、後述する支持部材6を載架し係合固定するための突起部1cを複数備えてなる。
支持部材6は、遠隔操作用弁部材21が排水口1a内を昇降する際に傾かないようにするガイドとなる部材であって、排水口1aの内周の突起部1cに載架されると共に突起部1cに係合する脚部6dを備えたリング状の外枠部6aと、円筒形状にして弁軸2bが摺動自在に挿入される円筒部6b、及び外枠部6aと円筒部6bとを繋ぐ平面視90度毎に設けられたリブ片6c、から構成される。
遠隔操作用弁部材21は、上記排水口1aに配置されて排水口1aの上端を閉口する部材であって、以下に記載する弁体部2a、弁軸2b、ストッパー部2d、第一磁石部2cより構成されてなる。
弁体部2aは、略円盤状にして、排水口1aを覆い、排水口1aを閉口する部材であって、リング状にパッキングを備えてなり、該パッキングが排水口1a周縁に当接することで排水口1a周縁と水密的に当接する。
弁軸2bは、弁体部2aの中央から垂下される円筒形状の金属材から構成されてなり、その下端に係合部9aを備えてなる。
第一磁石部2cは、その内部に永久磁石を備えた棒状の部材であって、棒状の部分が弁軸2b内部に収納されると共に、その一端に弁軸2bの係合部9aに着脱自在に係合する被係合部9bを備えてなる。上記のように、弁軸2bの内部に第一磁石部2cを収納する際、係合部9aと被係合部9bとを係合させるためには、弁軸2bに第一磁石部2cを挿入する際に特定の定まった方向(以下「適正な方向」)に挿入させる必要があるように構成されており、適正な方向以外の方向では弁軸2bに第一磁石部2cを挿入したり、係合部9aと被係合部9bとが係合することができないよう構成されている。このため、第一磁石部2cの永久磁石と第二磁石部3cの永久磁石とは常に反発する方向に配置される。
ストッパー部2dは、弁体部2aの下面二か所から、下方に延出された、略C字形状を成すリブ片6cであって、支持部材6のリブ片6cに遠隔操作用弁部材21を昇降自在となるように係合する。
継手部材5は、排水口本体1の下端に接続されるケーシング体からなる部材であって、上方に排水口本体1の雄ネジと螺合する雌ネジを設けた開口を、側面には排水を排出する排出口と配線を挿通するための挿通口5aを、底面には操作部4から作動部3への配線を行う為の接続端末を挿通する端末用開口部5bを、それぞれ備えてなる。尚、この実施例では、端末用開口部5bは、図1図2等に図示した継手部材5において、排水口1aの直下位置より図面上奥側にずれた位置に設けられている。
また、継手部材5は、その下方に、以下に記載する作動部3を取り付け固定してなる。
作動部3は、電力によって作動し、遠隔操作用弁部材21を上下動させる部材であって、以下に記載した、作動部本体3a、スライド部3b、第二磁石部3c、から構成される。
作動部本体3aは、側面に進退自在にスライド部3bを収納可能な開口を備えたケーシング体であって、その内部にステッピングモーターを内蔵してなり、このステッピングモーターを利用して、後述するスライド部3bを任意の定めた位置まで進退移動させることができる。
ステッピングモーターとは、通常のただ回転するだけのモーターとは異なり、通電の手順を制御することで、モーターの回転の回数を制御できるモーターである。これを利用し、モーターの軸に歯車又はねじ構造を設け、後述するスライド部3bにこれに対応する歯車又はねじ構造を設けることで、作動部3を任意の定めた位置まで進退移動させることができる。
スライド部3bは作動部本体3aの内部に収納され、作動部本体3aの開口部から水平移動に進退自在に移動する部材であって、その先端部に、上記した遠隔操作用弁部材21の第一磁石部2cに反発するように方向を調整された永久磁石を収納した第二磁石部3cを備えてなる。
また、上記のように構成された作動部3は、施工完了時、操作部4より排水口1aを開口するように操作を受けるとスライド部3bの先端にある第二磁石部3cが排水口1aの直下位置にて停止し、排水口1aを閉口するように操作を受けると排水口1aの直下位置を離間して作動部本体3a側に移動する。
第一磁石部2cと第二磁石部3cの磁力の反発で生じる応力は、遠隔操作用弁部材21を上昇させるには充分な強さを有しているが、ステッピングモーターに通電が無い状態でも、作動部3の歯車又はねじ構造等構成部材の摩擦等による静止状態を崩す程の強さは有していない。このため、静止状態のスライド部3bが、第一磁石部2cと第二磁石部3cの磁力の反発で生じる応力によっていずれかの方向に移動させられる、ということは無く、また停止状態を維持するために作動部3に通電を行う必要も無い。
操作部4は、排水口1aの開閉を操作する部材であって、操作部取付孔B2に配置され、排水口1aの開閉を操作する部材であって、以下に記載する操作部ケーシング4a、及び操作部本体4bから構成される。
操作部ケーシング4aは略円筒形状の部材であって、操作部取付孔B2の下面にビス等によって取り付けられる。
操作部本体4bは、作動部3の開閉動作を指示するための入力を行う円盤状のタッチパネル4cを上面全面に備えてなる。
また、本実施例では、特に詳細に図示はしないが、操作部本体4bと作動部3はそれぞれに制御基板を備えてユニット化されてなる。
また、操作部本体4bと作動部3は、通電及びデジタル化した内容での情報伝達(排水口1aへの開閉の指示等)の両方を同時に行うことができる、USB規格の接続端末を両端に備えた配線部材Lにて接続される。当然、操作部本体4bと作動部3の接続用の端末も、USB規格の接続端末である。また、図示しないが、作動部3及び操作部4を作動させる為の電力は、屋内電源(コンセント)から操作部4に供給され、更にこのUSB規格の配線部材Lによって操作部4から作動部3に供給される。
チューブ管8は、側面方向に可撓性を有する円筒形状の部材であって、その一端は操作部ケーシング4a下端に、他端は継手部材5の挿通口5aに、それぞれ接続される。
また、その他の部材として、継手部材5の排出口と、下水側の配管に繋がる床下配管とを接続する配管部材P(図示せず)を備えてなる。
また、詳述しないが、本実施例において、水密的な接続が必要な箇所には、接着剤またはパッキング等を利用し、水密的な接続が行われる。
【0015】
上記のように構成した遠隔操作式の排水装置は、以下のようにして、槽体である浴槽Bに施工される。
施工前の構成として、継手部材5の下方に、作動部3を取り付け固定しておく。この状態において、端末用開口部5bと作動部3の配線用の接続端末部分は連通してなるが、当該部分には水密的な接続が行われ、この端末用開口部5bから排水装置内の排水が外部に漏水することは無い。また、作動部3のUSB規格の接続端末部分に配線の接続が行われた場合も、当該接続箇所は防水の為の構造を備えてなり、接続箇所に排水が掛かることは無いものとする。
まず、排水口本体1を、浴槽B底面に設けられた取付孔B1に挿通し、フランジ部1bの下面を、取付孔B1の周縁上面に当接した状態とする。更に継手部材5の雌ネジを、排水口本体1の雄ネジに螺合させ、フランジ部1b下面と継手部材5上面とで取付孔B1の周縁を挟持するようにして排水口本体1と継手部材5を浴槽Bに固定する。
次に、操作部ケーシング4aを、操作部取付孔B2に下方からビスによって取り付け固定し、更にチューブ管8の一端は操作部ケーシング4a下端に、他端は継手部材5の挿通口5aに、それぞれ接続する。
次に、操作部取付孔B2の開口から、操作部本体4bと作動部3とを接続するための配線部材Lを、チューブ管8内を介して一端が継手部材5内部に達するまで挿通する。尚、配線部材Lはチューブ管8に対して充分に長いものとする。浴槽B内部から、排水口1aを介して作業を行い、配線部材Lの端部を、端末用開口部5bを介して作動部3の接続端末に接続した後、操作部本体4bの基板部分に設けた接続端末に配線部材Lの端部を接続し、作動部3と操作部4との配線を完了させる。また、配線部材Lは、排水継手内でたるみ等により弁部材の動作の妨げになることが無いよう、バンド等で継手部材5内部に固定する。
次に、操作部本体4bを操作部ケーシング4a内に収納し、操作部本体4bのタッチパネル4c部分を操作部取付孔B2の周縁の段押部に載架し係合固定させて、操作部4の取り付けが完了する。
前述のように、配線部材Lはチューブ管8に対して充分に長いが、配線部材Lは従来例のレリースワイヤ等と比べてより柔軟な為、複数個所で折り曲げ、または螺旋状に巻き取ることで、チューブ管8内及び操作部ケーシング4a内に支障なく全て収納することができる(図面ではこの配線部材Lの巻き取り等状態の図示は省略している)。またタッチパネル4c部分は、操作部取付孔B2の周囲に段押部を設けたことで、操作部取付孔B2の周囲と面一状態となっており、不要な段差を生じていない。合わせて、操作部本体4bの上面は、全面がタッチパネル4cとしたことから、この操作部4は周囲に不要な段差/隙間を有さない、いわゆる「フランジレス」な操作部4となっている。
次に、排水配管を介して、排出口と床下配管を接続する。
次に、支持部材6を排水口1a内に配置し係合固定する。具体的には、支持部材6の外枠部6aを、排水口1aの内周の突起部1cに載架すると共に、突起部1cに脚部6dを係合させて固定する。
次に、排水口1aに遠隔操作用弁部材21を配置する。この時には、遠隔操作用弁部材21の弁軸2bを支持部材6の円筒部6bに挿通した上で、遠隔操作用弁部材21のストッパー部2dの略C字形状を成す側方の開口部分が、リブ片6cの高さ位置になるように移動させ、更に弁軸2bを中心に回転させることで、リブ片6cがストッパー部2d内に入ることで、ストッパー部2dが支持部材6のリブ片6cに昇降自在に係合する。
以上のようにして、本実施例の遠隔操作式の排水装置の施工が完了する。
【0016】
以下に、上記実施例の遠隔操作式の排水装置の動作について説明する。
上記第一実施例の遠隔操作式の排水装置を使用する場合、図4に示したように、まず操作部4に操作を加えて排水口1aを閉口した状態とする。この状態において、スライド部3bは作動部本体3a内に収納され、スライド部3b先端の第二磁石部3cは、排水口1a下方から離間した位置に配置されている。
遠隔操作用弁部材21は、物理的には排水口1a内部や継手部材5の内部に干渉する形状では無いため、排水口1a内を降下し、弁体部2aが排水口1aを覆って排水口1aを閉口した状態となる。
この状態より操作部4のタッチパネル4cに操作を加え、排水口1aを開口するように操作を行うと、作動部3のステッピングモーターが作動し、図6に示したように、第二磁石部3cが排水口1aの直下となる位置までスライド部3bが突出する。すると、第一磁石部2cの磁石と第二磁石部3cの磁石とが反発し、この反発力によって遠隔操作用弁部材21の磁石部、弁軸2b、弁体部2aが上昇する。支持部材6は排水口1aに係合し固定されており、該支持部材6がガイド部として機能するため、遠隔操作用弁部材21は排水口1aに対して傾いたりせず、単純に上昇のみを行う。
結果、排水口1aから弁体部2aが離間して排水口1aが開口する。浴槽B内に浴湯等が溜まっていた場合、排水口1aから排水口1a内を通過し、継手部材5、排水配管の内部を通過して床下配管から下水側に排出される。尚、遠隔操作用弁部材21のストッパー部2dが、図7及び図8に示したように、排水口1aに係合固定されている支持部材6のリブ片6cと係合しており、第一磁石部2cと第二磁石部3cの磁力の反発で生じる応力の強さに関係なく、遠隔操作式弁部材が排水口1aから飛び出すことは無い。尚、ここで「遠隔操作式弁部材が排水口1aから飛び出す」とは、例えば遠隔操作式弁部材の弁軸2bが円筒部6bから完全に抜け出て、排水装置の適正な動作が不可能になるなど、「遠隔操作用弁部材21が、通常の使用箇所以外の処に移動し、操作部4の操作によっても排水口1aを開閉できなくなった状態」を意味するものであって、単純に「遠隔操作用弁部材21が排水口1a内以外の場所にある」という意味ではない。
この状態より操作部4のタッチパネル4cに操作を加え、排水口1aを閉口するように操作を行うと、作動部3のステッピングモーターが作動しスライド部3bが作動部本体3a側に後退する。これにより、第二磁石部3cが縦管部5cの直下となる位置から移動し、第一磁石部2cの磁石と第二磁石部3cの磁石とが離間して磁力の反発で生じる応力が弱まるため、遠隔操作用弁部材21の磁石部、弁軸2b、弁体部2aが降下する。この時は、開口時同様に支持部材6がガイド部として機能するため、遠隔操作用弁部材21は排水口1aに対して傾いたりせず、単純に降下する。
結果、排水口1aを弁体部2aが覆い、排水口1aが閉口した図5の状態に戻る。
以降、この操作を繰り返すことで、操作部4を操作することにより、遠隔操作にて排水口1aを開閉することができる。
尚、ストッパー部2dの、リブ片6cとの係合を解除するための開口箇所は、図3等から明らかなように、側面の中間部分であり、意図的に遠隔操作用弁部材21を昇降の中間位置で停止させ、更にリブ片6cがストッパー部2dの開口箇所を抜ける方向に回転させない限り、係合が解除されることは無い。このため、事実上、意図的に遠隔操作用弁部材21を支持部材6から取り外そうとしない限り、遠隔操作用弁部材21が排水口1aから外れることは無く、上記のような、遠隔操作用弁部材21の動作が上下方向への単純な昇降である通常の遠隔操作式の排水装置の使用において、遠隔操作用弁部材21が排水口1aから外れることは無い。
また、操作部4でのタッチパネル4cの操作については、単に「触れれば開口し、再度触れれば閉口する」といった単純なものではなく、例えば「タッチパネル4c上で複数回指先を右に回転させれば開口、左に回転させれば閉口」「タッチパネル4cを数秒間長押しすることで開口と閉口を繰り返す」といった、任意による特定の手順を加えた際のみ開閉を行うように設定してなり、単にパネルを手で触れただけで、または浴槽Bの開口に蓋を載せた際に蓋がタッチパネル4cに触れただけで、排水口1aの開閉操作を誤って行う、ということが無いように構成されてなる。また、排水口1aが開口状態か、閉口状態かも、タッチパネル4c上に表示される。
【0017】
更に、上記実施例の遠隔操作式の排水装置において、停電又は断線、ステッピングモーターや制御基板の異常等により故障し、且つ排水口1aが開口する状態、即ち、第二磁石部3cが排水口1aの直下となる位置までスライド部3bが突出した状態で停止した場合、そのままであれば、遠隔操作用弁部材21が磁力の反発により上昇して、弁体部2aが排水口1aより離間し排水口1aが開口したままの状態となるが、本実施例の遠隔操作式の排水装置では、以下のようにして、使用者の手動操作により、排水口1aを閉口するようにすることができる。
上記のように排水口1aが開口状態のまま、遠隔操作式の排水装置が故障して停止した場合、使用者は、まず遠隔操作用弁部材21のストッパー部2dと支持部材6のリブ片6cとの係合を解除した上で、排水口1aから遠隔操作用弁部材21を取り外す。遠隔操作用弁部材21のストッパー部2dと支持部材6のリブ片6cとの係合の解除は、ストッパー部2dとリブ片6cの係合の手順を逆に行うことで容易に行うことができる。
更に、弁軸2bの係合部9aと第一磁石部2cの被係合部9bとの係合を解除し、弁軸2bから第一磁石部2cを取り外す。
これにより、弁軸2bから磁力が失われ、作動部3が遠隔操作用弁部材21を押し上げる機能が失われる。
本実施例の遠隔操作用弁部材21は、物理的には排水口1a内部や継手部材5の内部に干渉する形状では無く、第一磁石部2cを取り外し、磁力の反発も無くなった為、遠隔操作用弁部材21が排水口1aの閉口時作動部3に干渉しない弁部材、即ち手動用弁部材22となり、図9に示したように、排水口1aを、手動用弁部材22にて閉口することができる(ここでいう「閉口時に干渉する構造」とは、「物的接触による干渉」だけを指し示すものではなく、例えば「閉口を不可能とする磁力による干渉」等、閉口の障害となる全ての干渉を示すものである)。尚、ストッパー部2dは排水口1a閉口時、図11に示したように、リブ片6cの間に入り込み、仮に偶然ストッパー部2dの下端がリブ片6cに当たってもそのまま左右いずれかの方向にずれるため、弁体部2aが排水口1aを覆うことの障害にはならない。また、前述のとおり、意図して係合させない限り、ストッパー部2dとリブ片6cは係合しないため、この手動用弁部材22を手に取って行う操作の際に、ストッパー部2dがリブ片6cに係合して排水口1aから手動用弁部材22が取り出せなくなる、と言うことも無い。
即ち、第一磁石部2cを取り外したことで、遠隔操作用弁部材21は、手動用弁部材22とすることができる。
また、排水口1aを開口する場合は、図10に示したように、排水口1aから手動にて手動用弁部材22を取り外すことで、排水口1aを開口することができる。
以降、排水口1aを閉口する場合は、図9に示したように、使用者が排水口1aに直接手動用弁部材22を手に取り、排水口1aに挿入することで弁体部2aが排水口1aを覆って排水口1aを閉口することができる。
また、排水口1aを開口する場合は、図10に示したように、使用者が直接手動用弁部材22を手に取り、排水口1aから取り出すことで弁体部2aが排水口1aから離間し、排水口1aを閉口することができる。
【0018】
また、手動用弁部材22による排水口1aの開閉を容易にするために、図12に示したような取手体7を手動用弁部材22に取り付けても良い。
本実施例の図12に示した取手体7は、弁体部2aの上面全体と、弁体部2a下面をパッキングに干渉しない位置まで覆うように嵌合するカバー部7aと、該カバー部7aの上面に設けられた、棒状にして側面に貫通する穴を設けたツマミ部7bと、浴槽Bの上方内側面に吸着される吸盤体7と、一端をツマミ部7bに、他端を吸盤体7に、それぞれ接続される金属材のボールチェーンからなるチェーン体7dと、から構成される。
上記のように構成した取手体7を、段落0016に記載した手動用弁部材22に使用する場合、まずカバー部7aを弁体部2aに覆うようにして嵌合させる。
更に浴槽Bの上方内側面に吸盤体7を吸着させて取り付けることで、取手体7の手動用弁部材22及び洗面器W1への取り付けが完了する。
上記した取手体7のツマミ部7b、またはチェーン体7dを使用者が保持することで、直接弁体部2aを掴む場合よりも、排水口1aから手動用弁部材22を取り出し、また挿入する作業を容易に行うことができる。
【0019】
また、上記実施例のように、遠隔操作用弁部材21の構成を変更して手動用弁部材22とする以外に、例えば別途ゴム素材からなる手動専用の弁部材を用意して手動用弁部材22としても良い。この別途に設けた手動用弁部材22が支持部材6に干渉する場合は、支持部材6と排水口1aとの係合固定を解除して支持部材6を排水口1aから取り出し、手動用弁部材22の使用に障害の無いように構成しても構わない。
また、この別途に設けた手動用弁部材22には、図13に示したように、段落0018に記載したものと同様の、棒状にして側面に貫通する穴を設けたツマミ部7bと、浴槽Bの上方内側面に吸着される吸盤体7と、一端をツマミ部7bに、他端を吸盤体7に、それぞれ接続される金属材のボールチェーンからなるチェーン体7dとからなる取手体7を備えても良い。この場合の手動用弁部材22の浴槽Bへの施工方法、使用方法、及び効果は段落0018の実施例の浴槽Bへの施工方法、使用方法、及び効果と同様である。
【0020】
次に、本発明の第二実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図13乃至図18に示した、本発明の第二実施例の遠隔操作式排水栓装置は、以下に記載する、槽体としての洗面器W1を備えた洗面台Wに施工される排水装置であって、排水口本体1、手動用弁部材22に構成を変更可能な遠隔操作用弁部材21、継手部材5、作動部3、操作部4、その他の部材から構成されてなる。
洗面台Wは、上方が開口した箱体であって、その底面に、排水口本体1を取り付けるための取付孔B1を備えた洗面器W1と、該洗面器W1を上方に載置する、開閉自在な扉を備えたキャビネット部W2と、から構成される。
排水口本体1は略円筒形状を成す部材であって、その上端部分外周側には、側面方向に突出するフランジ部1bを設けると共に、フランジ部1bの下方外側面には、雄ネジを螺刻してなり、その内部には排水口1aを形成する。また、上記雄ネジに螺合する雌ネジを螺刻したナット部材1dを備えてなる。また、排水口本体1の上端部分は洗面器W1の取付孔B1に、下端部分は継手部材5に、それぞれ水密的に接続される。
遠隔操作用弁部材21は、上記排水口1aに配置されて排水口1aを閉口する部材であって、以下に記載する弁体部2a、弁軸2b、支持部材6、第一磁石部2cより構成されてなる。
弁体部2aは、略円盤状にして、排水口1aを覆い、排水口1aを閉口する部材であって、リング状にパッキングを備えてなり、該パッキングが排水口1a周縁に当接することで排水口1a周縁と水密的に当接する。
弁軸2bは、弁体部2aの中央から垂下される棒状の金属材から構成されてなり、その下端には内部に永久磁石を収納した第一磁石部2cを備えてなる。
支持部材6は、遠隔操作用弁部材21が排水口1a内を昇降する際に傾かないようにするガイドと、排水中の毛髪や塵芥を捕集するヘアキャッチャーを兼ねる部材であって、排水口1aの内周に当接するリング状の外枠部6a、円筒形状にして弁軸2bが摺動自在に挿入される円筒部6b、及び外枠部6aと円筒部6bとを繋ぐと共に排水中の毛髪等を捕集する複数のリブ片6c、から構成される。
継手部材5は、排水口本体1の下端に接続される円筒を略L字形状に屈曲させた部材であって、排水口1aの直下に配置される上流側の縦管部5cと、下流側にして端部に排出口を有する横管部5dとからなり、その下方に、以下に記載する作動部3を取り付け固定してなる。
作動部3は、電力によって作動し、遠隔操作用弁部材21を上下動させる部材であって、以下に記載した、作動部本体3a、スライド部3b、第二磁石部3c、から構成される。
作動部本体3aは、側面に進退自在にスライド部3bを収納可能な開口を備えたケーシング体であって、その内部にステッピングモーターを内蔵してなり、このステッピングモーターを利用して、後述するスライド部3bを任意の定めた位置まで進退移動させることができる。
ステッピングモーターとは、通常の単純に回転するだけのモーターとは異なり、通電の手順を制御することで、モーターの回転の回数を制御できるモーターである。これを利用し、モーターの軸に歯車又はねじ構造を設け、後述するスライド部3bにこれに対応する歯車又はねじ構造を設けることで、作動部3を任意の定めた位置まで進退移動させることができる。
スライド部3bは作動部本体3aの内部に収納され、作動部本体3aの開口部から水平移動に進退自在に移動する部材であって、その先端部に、後述する第二磁石部3cを着脱自在に取り付けるピン体を有する係合部9aを備えてなる。
第二磁石部3cは、スライド部3bの先端に着脱自在に取り付けられる被係合部9bを備えた部材であって、上記した遠隔操作用弁部材21の第一磁石部2cに反発するように方向を調整された永久磁石を収納してなる。
尚、上記のように、スライド部3bの係合部9aと、第二磁石部3cの被係合部9bとは着脱自在に係合するが、リブ片6cの凹凸等を利用して、係合する際の方向は常に第一磁石部2cと第二磁石部3cの磁石が反発する方向(以下「適正な方向」)とした時のみ係合するように構成されており、適正な方向以外の方向では係合しないように構成されている。このため、第一磁石部2cの永久磁石と第二磁石部3cの永久磁石とは常に反発する方向に配置される。
また、上記のように構成された作動部3は、施工完了時、操作部4より排水口1aを開口するように操作を受けるとスライド部3bの先端にある第二磁石部3cが継手部材5の縦管部5cの直下位置にて停止し、排水口1aを閉口するように操作を受けると縦管部5c直下を離間して作動部本体3a側に移動する。これらの動作において、ステッピングモーターへの通電はスライド部3bの進退動作の際にのみ行われる。
第一磁石部2cと第二磁石部3cの磁力の反発で生じる応力は、遠隔操作用弁部材21を上昇させるには充分な強さを有しているが、ステッピングモーターに通電が無い状態でも、作動部3の歯車又はねじ構造等構成部材の摩擦等による静止状態を崩す程の強さは有していない。このため、静止状態のスライド部3bが、第一磁石部2cと第二磁石部3cの磁力の反発で生じる応力によっていずれかの方向に移動させられる、ということは無く、また停止状態を維持するために作動部3に通電を行う必要も無い。
操作部4は、排水口1aの開閉を操作する部材であって、洗面器W1の天面部分に配置され、排水口1aの開閉を操作する部材である。
また、本実施例では、特に詳細に図示はしないが、操作部本体4bと作動部3はそれぞれに制御基板を備えてユニット化されてなる。
また、操作部本体4bと作動部3は、通電及びデジタル化した内容での情報伝達(排水口1aへの開閉の指示等)の両方を同時に行うことができる、USB規格の接続端末を両端に備えた配線部材Lにて接続される。当然、操作部本体4bと作動部3の接続用の端末も、USB規格の接続端末である。また、図示しないが、作動部3及び操作部4を作動させる為の電力は、屋内電源(コンセント)から作動部3に供給され、更にこのUSB規格の配線部材Lによって作動部3から操作部4に供給される。
また、その他の部材として、継手部材5の下流側端部と、下水側の配管に繋がる床下配管とを接続する、管体をS字形状に屈曲させたトラップ部を含む配管部材Pを備えてなる。
また、詳述しないが、本実施例において、水密的な接続が必要な箇所には、接着剤またはパッキング等を利用し、水密的な接続が行われる。
【0021】
上記のように構成した遠隔操作式の排水装置は、以下のようにして、槽体である洗面台Wの洗面器W1に施工される。
施工前の作業として、継手部材5の下方に、作動部3を取り付け固定しておく。
まず、排水口本体1を、洗面器W1底面に設けられた取付孔B1に挿通し、フランジ部1bの下面を、取付孔B1の周縁上面に当接した状態とする。更にナット部材1dの雌ネジを、排水口本体1の雄ネジに螺合させ、フランジ部1b下面とナット部材1d上面とで取付孔B1の周縁を挟持するようにして排水口本体1を洗面器W1に固定する。
次に、操作部4を洗面器W1の天面部分に取り付け固定する。
次に、作動部3が取り付けられた状態の継手部材5を、排水口本体1の下流側端部に接続する。
次に、操作部4と作動部3とを、前述のようにUSB規格の接続端末を利用した配線部材Lにて接続し、情報伝達と通電とを行うことが可能なようにする。
次に、トラップ部を備えた排水配管を介して、継手部材5の排出口と床下配管を接続する。
更に、排水口1aに遠隔操作用弁部材21を配置して、本実施例の遠隔操作式の排水装置の施工が完了する。
【0022】
以下に、上記実施例の遠隔操作式の排水装置の動作について説明する。
上記第二実施例の遠隔操作式排水栓装置を使用する場合、まず操作部4に操作を加えて、図15に示したように、排水口1aを閉口した状態とする。この状態において、スライド部3bは作動部本体3a内に収納され、スライド部3b先端の第二磁石部3cは、継手部材5の縦管部5c下方から離間した位置に配置されている。
遠隔操作用弁部材21は、物理的には排水口1a内部や継手部材5の内部に干渉する形状では無いため、磁力の反発が無い状態では、排水口1a内を降下し、弁体部2aが排水口1aを覆って排水口1aを閉口した状態となる。
この状態より操作部4に操作を加え、排水口1aを開口するように操作を行うと、作動部3のステッピングモーターが作動し、第二磁石部3cが縦管部5cの直下、即ち排水口1aの直下となる位置までスライド部3bが突出する。すると、第一磁石部2cの磁石と第二磁石部3cの磁石とが反発し、この反発力によって遠隔操作用弁部材21が上昇するが、支持部材6がガイドとして排水口1a内面に当接しているため、遠隔操作用弁部材21は排水口1aに対して傾いたりせず、単純に上昇のみを行う。
結果、図16に示したように、排水口1aから弁体部2aが離間して排水口1aが開口する。洗面器W1内に吐水があった場合、排水口1aから排水口1a内を通過し、継手部材5、排水配管の内部を通過して床下配管から下水側に排出される。
この状態より操作部4に操作を加え、排水口1aを閉口するように操作を行うと、作動部3のステッピングモーターが作動し、スライド部3bが作動部本体3a側に後退する。これにより、第二磁石部3cが排水口1aの直下となる位置から移動し、第一磁石部2cの磁石と第二磁石部3cの磁石とが離間して反発力が弱まるため、遠隔操作用弁部材21が降下する。この時は、開口時同様に支持部材6がガイドとして機能するため、遠隔操作用弁部材21は排水口1aに対して傾いたりせず、単純に降下する。
結果、排水口1aを弁体部2aが覆い、排水口1aが閉口した図15の状態に戻る。
以降、この操作を繰り返すことで、操作部4を操作することにより、遠隔操作にて排水口1aを開閉することができる。
【0023】
更に、上記実施例の遠隔操作式の排水装置において、停電又は断線、ステッピングモーターや制御基板の異常等により故障し、且つ排水口1aが開口する状態、即ち、第二磁石部3cが排水口1aの直下となる位置までスライド部3bが突出した状態で停止した場合、そのままであれば、遠隔操作用弁部材21が磁力の反発により上昇して、弁体部2aが排水口1aより離間し排水口1aが開口したままの状態となるが、本実施例の遠隔操作式の排水装置では、以下のようにして、使用者の手動操作により、排水口1aを閉口するようにすることができる。
上記のように排水口1aが開口状態のまま、遠隔操作式の排水装置が故障して停止した場合、使用者はキャビネット部W2の扉を開き、キャビネット部W2内に施工された排水配管に対して、スライド部3bと第二磁石部3cとの係合を解除し、スライド部3bから第二磁石部3cを分離する。
これにより、作動部3が遠隔操作用弁部材21を押し上げる機能が失われる。
遠隔操作用弁部材21は、物理的には排水口1a内部や継手部材5の内部に干渉する形状では無く、第二磁石部3cを取り外したため磁力の反発も無くなった為、遠隔操作用弁部材21が排水口1aの閉口時作動部3に干渉しない構造となる(ここでいう「閉口時に干渉する構造」とは、「物的接触による干渉」だけを指し示すものではなく、例えば「閉口を不可能とする磁力による干渉」等、閉口の障害となる全ての干渉を示すものである)。即ち、遠隔操作用弁部材21は、第二磁石部3cが分離することで、遠隔操作用弁部材21自体は何ら構造的に変化は無いが、手動用弁部材22として機能することができる。
以降、排水口1aを閉口する場合は、図17に示したように、使用者が排水口1aに直接手動用弁部材22を手に取り、排水口1aに挿入することで弁体部2aが排水口1aを覆って排水口1aを閉口することができる。
また、排水口1aを開口する場合は、図18に示したように、使用者が直接手動用弁部材22を手に取り、排水口1aから取り出すことで弁体部2aが排水口1aから離間し、排水口1aを閉口することができる。
【0024】
また、手動用弁部材22による開閉を容易にするために、段落0018に記載したものと同様の取手体7や、段落0019に記載したものと同様の別途の手動用弁部材22を利用しても良い。
【0025】
本発明の実施例は以上のようであるが本発明は上記実施例に限定される物ではなく、主旨を変更しない範囲において自由に変更が可能である。
例えば、上記第一実施例、第二実施例は、いずれも磁力を用いた電動式の遠隔操作式の排水装置であるが、これに代えて、特許文献1に記載の遠隔操作式の排水装置のように、レリースワイヤを用いた手動式の遠隔操作式の排水装置に本発明を利用しても構わない。この場合、例えばインナーワイヤの先端部分、又は弁部材の下端部分に、インナーワイヤのストローク以上の長さを有するアダプターを取り付ける構成とすることで、インナーワイヤが排水口1aを開口させるだけ前進した状態で故障が生じた場合でも、アダプターを取り外すことで、遠隔操作用弁部材21は排水口1aを覆って排水口1aを閉口することができる。即ち、遠隔操作用弁部材21を手動用弁部材22とすることができる。
【符号の説明】
【0026】
1 排水口本体 1a 排水口
1b フランジ部 1c 突起部
1d ナット部材 21 遠隔操作用弁部材
22 手動用弁部材 2a 弁体部
2b 弁軸 2c 第一磁石部
2d ストッパー部 3 作動部
3a 作動部本体 3b スライド部
3c 第二磁石部 4 操作部
4a 操作部ケーシング 4b 操作部本体
4c タッチパネル 5 継手部材
5a 挿通口 5b 端末用開口部
5c 縦管部 5d 横管部
6 支持部材 6a 外枠部
6b 円筒部 6c リブ片
6d 脚部 7 取手体
7a カバー部 7b ツマミ部
7c 吸盤体 7d チェーン体
8 チューブ管 9a 係合部
9b 被係合部 B 浴槽
B1 取付孔 B2 操作部取付孔
L 配線部材 P 配管部材
W 洗面台 W1 洗面器
W2 キャビネット部
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