(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記演算部は、前記進行速度データと前記検知角速度データとを用いた補正では、前記差異速度と、前記進行速度データ及び前記検知角速度データに基づく前記移動体の遠心加速度とを用いる請求項1に記載の姿勢検出装置。
前記演算部は、前記進行速度データと前記検知角速度データとを用いた補正では、前記検知直線加速度データから前記遠心加速度に関する要素を除去した加速度を時間積分して得られる速度に対して、前記差異速度に関する要素を除去する請求項2に記載の姿勢検出装置。
前記演算部は、前記差異速度を用いた補正では、前記角速度センサからの検知角速度データから、前記差異速度の角速度成分に関する要素を除去する請求項1〜3のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
前記進行速度データと前記角速度データとを用いた補正では、前記差異速度と、前記進行速度データ及び前記角速度データに基づく前記移動体の遠心加速度とを用いる請求項5に記載の方法。
前記進行速度データと前記角速度データとを用いた補正では、前記直線加速度から前記遠心加速度に関する要素を除去した加速度を時間積分して得られる速度に対して、前記差異速度に関する要素を除去する請求項6に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、車両走行中では、車両姿勢角度が変化することは稀であるため、合計角度の変化を路面角度の変化であると推定している。しかしながら、走行中の車両には、加減速すること及び旋回することによって、ピッチングモーメントによる車両の前後間での姿勢変化、ローリングモーメントによる車両の左右間での姿勢変化、ヨーモーメントによる車両の旋回方向の姿勢変化が生じる。このため、特許文献1に記載のような推定方法を用いると、車両の姿勢の検出精度が低くなるという問題がある。
【0005】
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、車両つまり移動体の姿勢の検出精度の向上を図る姿勢検出装置及び姿勢検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、この発明に係る姿勢検出装置は、移動体に設けられ、移動体の姿勢を検出する姿勢検出装置において、直交する3軸に沿った直線加速度を検知する加速度センサと、直交する3軸まわりの角速度を検知する角速度センサと、移動体の進行速度データを受け取るように構成されると共に加速度センサ及び角速度センサから検知データを受け取るように構成され、移動体の姿勢を演算する演算部とを備え、演算部は、進行速度データと角速度センサからの検知角速度データとを用いた補正を伴って、加速度センサからの検知直線加速度データを用いて直線速度を算出し、直線速度と進行速度データとの差異である差異速度を用いて、角速度センサからの検知角速度データを補正して、移動体の姿勢角を算出する。
【0007】
演算部は、進行速度データと検知角速度データとを用いた補正では、差異速度と、進行速度データ及び検知角速度データに基づく移動体の遠心加速度とを用いてよい。
演算部は、進行速度データと検知角速度データとを用いた補正では、検知直線加速度データから遠心加速度に関する要素を除去した加速度を時間積分して得られる速度に対して、差異速度に関する要素を除去してよい。
演算部は、差異速度を用いた補正では、角速度センサからの検知角速度データから、差異速度の角速度成分に関する要素を除去してよい。
【0008】
また、この発明に係る姿勢検出方法は、移動体の姿勢を検出する方法において、移動体の進行速度データと、直交する3軸に沿った移動体の直線加速度データと、直交する3軸まわりの移動体の角速度データとを取得し、進行速度データと角速度データとを用いた補正を伴って、直線加速度データを用いて直線速度を算出し、直線速度と進行速度データとの差異である差異速度を用いて角速度データを補正して、移動体の姿勢角を算出する。
【0009】
進行速度データと角速度データとを用いた補正では、差異速度と、進行速度データ及び角速度データに基づく移動体の遠心加速度とを用いてよい。
進行速度データと角速度データとを用いた補正では、直線加速度から遠心加速度に関する要素を除去した加速度を時間積分して得られる速度に対して、差異速度に関する要素を除去してよい。
差異速度を用いた補正では、差異速度の角速度成分に関する要素を、角速度データからを除去してよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る姿勢検出装置及び姿勢検出方法によれば、移動体の姿勢の検出精度の向上が可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る姿勢検出装置について添付図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、姿勢検出装置は、移動体としての自動車等の車両に搭載されるものとして、説明する。
図1及び
図2をあわせて参照すると、図示しない車両に搭載される姿勢検出装置100は、基板2と、基板2上に実装されたCPU回路等によって構成される演算部3と、基板2上に実装された3軸ジャイロセンサ10と、基板2上に実装された3軸加速度センサ20とを1つの検出ユニット1として含む。本実施の形態では、検出ユニット1は、基板2を図示しない車両のフロアに平行な状態として、つまり車両が位置する地面に平行な状態として、車両に固定される。ここで、3軸ジャイロセンサ10は、角速度センサを構成している。
さらに、姿勢検出装置100は、検出ユニット1の外部に設けられた車速センサ4を含む。車速センサ4は、姿勢検出装置100のために個別に設けられたものであってもよく、図示しない車両に標準に備えられている車速センサを兼用したものであってもよい。演算部3は、車速センサ4が検知する車両の速度情報を受け取るように構成されている。
【0013】
3軸ジャイロセンサ10は、X軸周り角速度検知部11と、Y軸周り角速度検知部12と、Z軸周り角速度検知部13とを備えている。X軸は、図示しない車両の前後方向に沿い且つ基板2の表面に沿う方向である。Y軸は、図示しない車両の左右方向に沿い且つ基板2の表面に沿う方向である。Z軸は、図示しない車両の上下方向に沿い且つ基板2の表面に垂直な方向である。X軸、Y軸及びZ軸は互いに直交する。よって、X軸周り角速度検知部11は、X軸周りの車両のロール角の変化速度であるロール角速度を検知する。Y軸周り角速度検知部12は、Y軸周りの車両のピッチング角の変化速度であるピッチング角速度を検知する。Z軸周り角速度検知部13は、Z軸周りの車両のヨー角の変化速度であるヨー角速度を検知する。演算部3は、3軸ジャイロセンサ10が検知する車両のロール角速度、ピッチング角速度及びヨー角速度の情報を受け取るように構成されている。
【0014】
3軸加速度センサ20は、X軸方向加速度検知部21と、Y軸方向加速度検知部22と、Z軸方向加速度検知部23とを備えている。X軸方向加速度検知部21は、X軸に沿った図示しない車両の前後方向の直線加速度を検知する。Y軸方向加速度検知部22は、Y軸に沿った車両の左右方向の直線加速度を検知する。Z軸方向加速度検知部23は、Z軸に沿った車両の上下方向の直線加速度を検知する。演算部3は、3軸加速度センサ20が検知する車両の前後方向直線加速度、左右方向直線加速度及び上下方向直線加速度の情報を受け取るように構成されている。
【0015】
次に、姿勢検出装置100による車両の姿勢検出動作を説明する。
図2及び
図3をあわせて参照すると、演算部3は、3軸加速度センサ20から連続的に受け取る直線加速度αと、3軸ジャイロセンサ10から連続的に受け取る角速度ωと、車速センサ4から連続的に受け取る車速νとを用いて、車両の姿勢角を連続的に算出する。
【0016】
車両の姿勢角を連続的に算出する過程において、演算部3は、既に算出した車両の姿勢角θを用いて、3軸加速度センサ20から受け取る直線加速度αを、水平面に平行な直交する2つの軸と水平面に垂直な1つの軸とによる三次元座標系に、座標変換する。
【0017】
具体的には、直線加速度αは、X軸、Y軸及びZ軸成分として、α
X、α
Y及びα
Zを含んでいる。α
X及びα
Yは、基板2に平行な軸成分であり、α
Zは、基板2に垂直な軸成分である。
そして、成分α
X、α
Y及びα
Zと、姿勢角θの成分θ
X、θ
Y及びθ
Zと用いて座標変換することによって、直線加速度αは、成分α
X’、α
Y’及びα
Z’を有する直線加速度α’となる。
なお、成分θ
X、θ
Y及びθ
Zはそれぞれ、X軸、Y軸及びZ軸に対する姿勢角の成分である。さらに、成分α
X’は、X軸を水平面に投影したものであるX’軸の成分であり、成分α
Y’は、X’軸と同一の水平面上でX’軸に垂直なY’軸の成分であり、成分α
Z’は、X’軸及びY’軸に垂直である鉛直方向のZ’軸の成分である。
【0018】
次いで、演算部3は、車両の直線速度Vを求める。
このとき、直線加速度α’(α
X’,α
Y’,α
Z’)に対して、車両の走行の加減速に起因する加減速加速度の影響と、車両の旋回走行及び登坂・降坂走行に起因する遠心加速度の影響とを排除し、各影響を排除した直線加速度を時間積分して直線速度が算出される。さらに、算出された直線速度と車速とを比較し、これらの間の誤差に基づき、算出された直線速度を補正し、この補正後の直線速度を求めるべき直線速度Vとする。
【0019】
具体的には、演算部3は、車両の走行の加減速に起因する加減速加速度の影響と、車両の旋回走行及び登坂・降坂走行に起因する遠心加速度の影響とを合わせた影響を、3軸ジャイロセンサ10から受け取る角速度ωと車速νとを用いて算出される遠心加速度Gにより求める。
【0020】
なお、角速度ωは、X軸周り、Y軸周り及びZ軸周りそれぞれの角度方向の成分として、ω
X、ω
Y及びω
Zを含む。車速νは、X軸、Y軸及びZ軸成分として、ν
X、ν
Y及びν
Zを含むが、ν
Y及びν
Zは、0である。遠心加速度Gは、X軸及びY軸を含むXY平面、Y軸及びZ軸を含むYZ平面、並びに、Z軸及びX軸を含むZX平面それぞれに沿った加速度成分として、G
XY、G
YZ及びG
ZXを含む。
【0021】
よって、加速度成分G
XY、G
YZ及びG
ZXは、以下のとおりとなる。
G
XY=(ν
X2+ν
Y2)
1/2ω
Z=ν
Xω
Z
G
YZ=(ν
Y2+ν
Z2)
1/2ω
X=0
G
ZX=(ν
Z2+ν
X2)
1/2ω
Y=ν
Xω
Y
【0022】
さらに、演算部3は、遠心加速度G(G
XY,G
YZ,G
ZX)を、X’軸、Y’軸及びZ’軸からなる座標系に座標変換して、遠心加速度G’(G
X’Y’,G
Y’Z’,G
Z’X’)を求める。G
X’Y’、G
Y’Z’及びG
Z’X’はそれぞれ、X’Y’平面、Y’Z’平面及びZ’X’平面に沿った加速度成分である。
よって、演算部3は、直線速度Vを求める際、直線加速度α’(α
X’,α
Y’,α
Z’)から、遠心加速度G’(G
X’Y’,G
Y’Z’,G
Z’X’)を減じる、つまり遠心加速度補正を行う。
【0023】
遠心加速度補正後の補正直線加速度α’
A(α
AX’,α
AY’,α
AZ’)は、以下のように求まる。
α
AX’=α
X’−(G
X’Y’2+G
Z’X’2)
1/2
α
AY’=α
Y’−(G
X’Y’2+G
Y’Z’2)
1/2
α
AZ’=α
Z’−(G
Y’Z’2+G
Z’X’2)
1/2−g
なお、gは、重力加速度である。
【0024】
さらに、演算部3は、補正直線加速度α’
A(α
AX’,α
AY’,α
AZ’)の各成分を時間積分して、対象とする直線速度Vの補正前直線速度である速度V1(V1
X’,V1
Y’,V1
Z’)を算出する。
【0025】
次いで、演算部3は、車速ν(ν
X,ν
Y,ν
Z)を、X’軸、Y’軸及びZ’軸からなる座標系に座標変換して、車速ν’(ν
X’,ν
Y’,ν
Z’)を求める。
そして、演算部3は、算出対象とする直線速度Vよりも前の時点での直線速度に対応する補正前直線速度V1aと、当該時点での車速ν’との差異である差異速度Vda’(Vda
X’,Vda
Y’,Vda
Z’)を求める。
【0026】
演算部3は、算出対象とする直線速度Vに対応する補正前直線速度V1に対して、差異速度Vdaを減じて直線速度Vを求める補正を行う、つまり補正速度計算を行う。このとき、直線速度V(V
X’,V
Y’,V
Z’)は、以下のとおりとなる。
V
X’=V1
X’−Vda
X’×K1
V
Y’=V1
Y’−Vda
Y’×K1
V
Z’=V1
Z’−Vda
Z’×K1
なお、K1は、定数であり、3軸ジャイロセンサ10の性能、3軸加速度センサ20の性能、車速センサ4の性能、検出ユニット1の取り付け位置などの様々な要素の状況に応じて、適宜設定される。
よって、車両の直線速度Vが、車両の走行の加減速に起因する加減速加速度の影響と、車両の旋回走行及び登坂・降坂走行に起因する遠心加速度の影響と、算出された直線速度と車速との間の誤差の影響とが排除されて、求められることになる。つまり、直線速度Vは、高い精度を有する。
【0027】
また、演算部3は、算出した直線速度Vと、この直線速度Vの時点に対応する時点での車速ν’との差異である差異速度Vd’(Vd
X’,Vd
Y’,Vd
Z’)を求める。差異速度Vd’(Vd
X’,Vd
Y’,Vd
Z’)は、以下のとおりとなる。
Vd
X’=V
X’−ν
X’
Vd
Y’=V
Y’−ν
Y’
Vd
Z’=V
Z’−ν
Z’
【0028】
次いで、演算部3は、差異速度Vd’をX軸、Y軸及びZ軸からなる座標系に座標変換して、差異速度Vd(Vd
X,Vd
Y,Vd
Z)を求め、さらに、差異速度VdからX軸周り、Y軸周り及びZ軸周りの角速度成分ωd
X,ωd
Y,ωd
Zからなる差異角速度ωdを算出する。差異角速度ωd(ωd
X,ωd
Y,ωd
Z)は、以下のとおりとなる。なお、rは、定数であり、3軸ジャイロセンサ10の構成に応じて定められる。
ωd
X=(Vd
Y2+Vd
Z2)
1/2/r
ωd
Y=(Vd
X2+Vd
Z2)
1/2/r
ωd
Z=(Vd
X2+Vd
Y2)
1/2/r
【0029】
次いで、演算部3は、3軸ジャイロセンサ10から受け取る角速度ω(ω
X,ω
Y,ω
Z)の各成分から差異角速度ωd(ωd
X,ωd
Y,ωd
Z)を減じる補正角速度計算を行って、補正角速度ωa(ωa
X,ωa
Y,ωa
Z)を算出する。補正角速度ωaの各角速度成分は、以下のとおりとなる。
ωa
X=ω
X−K2×ωd
X
ωa
Y=ω
Y−K2×ωd
Y
ωa
Z=ω
Z−K2×ωd
Z
なお、K2は、定数であり、3軸ジャイロセンサ10の性能、3軸加速度センサ20の性能、車速センサ4の性能、検出ユニット1の取り付け位置などの様々な要素の状況に応じて、適宜設定される。
よって、補正角速度ωa(ωa
X,ωa
Y,ωa
Z)は、3軸ジャイロセンサ10と3軸加速度センサ20とのみを用いて速度を算出する際に生まれる誤差、つまり、3軸ジャイロセンサ10と3軸加速度センサ20とのみを用いて算出される結果に生まれる誤差の影響を、角速度ω(ω
X,ω
Y,ω
Z)に対して排除したものである。
【0030】
さらに、演算部3は、補正角速度ωa(ωa
X,ωa
Y,ωa
Z)に対して時間積分を含むクォータニオン積算を実施し、図示しない車両つまり検出ユニット1の姿勢角θのX軸、Y軸及びZ軸に対する方向余弦cosθ
X、cosθ
Y及びcosθ
Zを算出する。演算部3は、算出した方向余弦cosθ
X、cosθ
Y及びcosθ
Zに基づき、X軸、Y軸及びZ軸に対する姿勢角θの各角度成分θ
X、θ
Y及びθ
Zを算出して、姿勢変化量及び姿勢角を求める。
【0031】
上述で説明したように、本発明の実施の形態に係る姿勢検出装置100は、車両に設けられて車両の姿勢を検出するものであり、直交する3軸に沿った直線加速度を検知する3軸加速度センサ20と、直交する3軸まわりの角速度を検知する3軸ジャイロセンサ10と、車両の進行速度データである車速データを受け取るように構成されると共に3軸加速度センサ20及び3軸ジャイロセンサ10から検知データを受け取るように構成され且つ車両の姿勢を演算する演算部3とを備える。演算部3は、車速データと3軸ジャイロセンサ10からの検知角速度データとを用いた補正を伴って、3軸加速度センサ20からの検知直線加速度データを用いて直線速度を算出し、直線速度と車速データとの差異である差異速度を用いて、3軸ジャイロセンサ10からの検知角速度データを補正して、車両の姿勢角を算出する。さらに、演算部3は、車速データと検知角速度データとを用いた補正では、差異速度と、車速データ及び検知角速度データに基づく車両の遠心加速度とを用いる。
【0032】
上述の構成において、演算部3は、3軸加速度センサ20からの検知直線加速度データから直線速度を算出する際に、車速データと3軸ジャイロセンサ10からの検知角速度データとを用いた補正を行う、つまり、車両の実際の進行速度に関連する要素及び車両の遠心加速度に関連する要素とを用いた補正を行う。これによって、算出した直線速度において、車両の実際の進行速度に対する差異を補正し、車両の遠心加速度に関連する影響を排除することができる。さらに、差異速度を用いて補正することによって、補正した検知角速度データでは、車両の実際の進行速度に対する差異に関連する実際の角速度に対する誤差を排除することができる。よって、車両の姿勢角の高精度な検出が可能になる。
【0033】
また、姿勢検出装置100において、演算部3は、車速データと検知角速度データとを用いた補正では、検知角速度データから遠心加速度に関する要素を除去した加速度を時間積分して得られる速度に対して、差異速度に関する要素を除去する。これによって、高精度な結果をもたらす補正計算を簡易に実施することができる。
また、姿勢検出装置100において、演算部3は、差異速度を用いた補正では、検知角速度データから、差異速度の角速度成分に関する要素を除去する。これによって、高精度な結果をもたらす差異速度を用いた補正を、簡易に実施することができる。
【0034】
また、実施の形態に係る姿勢検出装置100では、演算部3は、補正速度計算実施後の直線速度と車速との差異速度を用いて、補正角速度計算を行っていたが、これに限定されるものでない。演算部3は、補正前直線速度と車速との差異速度を補正角速度計算に用いてもよい。
また、実施の形態に係る姿勢検出装置100では、演算部3は、補正角速度計算に関して、3軸ジャイロセンサ10から受け取る角速度ωの各成分から差異角速度ωdを減じたものに対して時間積分を含むクォータニオン積算を実施していたが、これに限定されるものでない。演算部3は、角速度ωと差異角速度ωdとに対して個別に時間積分を含むクォータニオン積算を実施した後に、それぞれの姿勢角の方向余弦から車両の姿勢角を算出してもよい。
【0035】
また、実施の形態に係る姿勢検出装置100では、演算部3は、XYZ軸による座標系とX’Y’Z’軸による座標系との間で、座標変換を実施していたが、座標変換を実施せずにXYZ軸による座標系のみを用いて演算してもよい。
また、実施の形態に係る姿勢検出装置100では、3軸ジャイロセンサ10と3軸加速度センサ20とは、同じのX軸、Y軸及びZ軸を共有していたが、互いのX軸、Y軸及びZ軸が異なっていてもよい。この場合、演算部3は、演算時、3軸ジャイロセンサ10及び3軸加速度センサ20のうちの一方に対して、検知データの座標変換をすればよい。
また、実施の形態に係る姿勢検出装置100は、車両に搭載されていたが、いかなる移動体に搭載されてもよい。