特許第6454994号(P6454994)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6454994
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】電池製造装置および電池製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20190110BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALN20190110BHJP
【FI】
   H01M10/04 Z
   !H01M10/0585
【請求項の数】7
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2014-135193(P2014-135193)
(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2016-15200(P2016-15200A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2017年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】507317502
【氏名又は名称】エリーパワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 道人
【審査官】 山内 達人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/111220(WO,A1)
【文献】 特開2007−335150(JP,A)
【文献】 特開2013−089592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/058
H01M 6/42
H01M 2/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極と負極とをセパレータを挟んで積層させた発電要素を複数有する電池を製造する電池製造装置であって、
前記複数の発電要素のうち第1の発電要素に設けられた複数の正極を束ねて構成される第1の正極のタブ部と、当該複数の発電要素のうち当該第1の発電要素に隣接する第2の発電要素に設けられた複数の正極を束ねて構成される第2の正極のタブ部との間に、前記第1の正極のタブ部および前記第2の正極のタブ部に接続される正極集電体を誘導する正極集電体誘導手段と、
前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に前記正極集電体が配置されるように当該正極集電体の位置ずれを矯正し、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体が配置される際には、集電体を矯正した状態を保持している正極集電体矯正手段と、
前記第1の発電要素に設けられた複数の負極を束ねて構成される第1の負極のタブ部と、前記第2の発電要素に設けられた複数の負極を束ねて構成される第2の負極のタブ部との間に、前記第1の負極のタブ部および前記第2の負極のタブ部に接続される負極集電体を誘導する負極集電体誘導手段と、
前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に前記負極集電体が配置されるように、当該負極集電体の位置ずれを矯正する負極集電体矯正手段と、
を備えることを特徴とする電池製造装置。
【請求項2】
前記正極集電体矯正手段は、前記正極集電体に嵌合されて当該正極集電体の位置ずれを矯正し、
前記正極集電体誘導手段は、
前記正極集電体の端部に装着される正極側誘導手段と、
前記正極集電体矯正手段により前記正極集電体が矯正されているとともに、当該正極集電体の端部に前記正極側誘導手段が装着されている状態で、当該正極側誘導手段の装着されている端部側から当該正極集電体を前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に挿入する正極側挿入手段と、
前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に前記正極集電体が挿入されている状態で、当該正極集電体に嵌合されている前記正極集電体矯正手段を、当該正極集電体から取り外す正極側取り外し手段と、
前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に前記正極集電体が挿入されている状態で、当該正極集電体の端部に装着されている前記正極側誘導手段を、当該正極集電体の端部より取り除く正極側除去手段と、
を備え、
前記負極集電体矯正手段は、前記負極集電体に嵌合されて当該負極集電体の位置ずれを矯正し、
前記負極集電体誘導手段は、
前記負極集電体の端部に装着される負極側誘導手段と、
前記負極集電体矯正手段により前記負極集電体が矯正されているとともに、当該負極集電体の端部に前記負極側誘導手段が装着されている状態で、当該負極側誘導手段の装着されている端部側から当該負極集電体を前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に挿入する負極側挿入手段と、
前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に前記負極集電体が挿入されている状態で、当該負極集電体に嵌合されている前記負極集電体矯正手段を、当該負極集電体から取り外す負極側取り外し手段と、
前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に前記負極集電体が挿入されている状態で、当該負極集電体の端部に装着されている前記負極側誘導手段を、当該負極集電体の端部より取り除く負極側除去手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電池製造装置。
【請求項3】
前記正極集電体矯正手段および前記正極集電体誘導手段は、一体に設けられ、
前記負極集電体矯正手段および前記負極集電体誘導手段は、一体に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電池製造装置。
【請求項4】
前記正極集電体矯正手段は、前記正極集電体に嵌合されて当該正極集電体の位置ずれを矯正し、
前記正極集電体誘導手段は、
前記正極集電体の端部に装着される正極側誘導手段と、
前記正極集電体矯正手段により前記正極集電体が矯正されているとともに、当該正極集電体の端部に前記正極側誘導手段が装着されている状態で、当該正極側誘導手段の装着されている端部側から当該正極集電体を前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に挿入する正極側挿入手段と、
前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に前記正極集電体が挿入されている状態で、当該正極集電体に嵌合されている前記正極集電体矯正手段を、当該正極集電体から取り外す正極側取り外し手段と、
を備え、
前記負極集電体矯正手段は、前記負極集電体に嵌合されて当該負極集電体の位置ずれを矯正し、
前記負極集電体誘導手段は、
前記負極集電体の端部に装着される負極側誘導手段と、
前記負極集電体矯正手段により前記負極集電体が矯正されているとともに、当該負極集電体の端部に前記負極側誘導手段が装着されている状態で、当該負極側誘導手段の装着されている端部側から当該負極集電体を前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に挿入する負極側挿入手段と、
前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に前記負極集電体が挿入されている状態で、当該負極集電体に嵌合されている前記負極集電体矯正手段を、当該負極集電体から取り外す負極側取り外し手段と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の電池製造装置。
【請求項5】
前記正極集電体の長手方向と直交する方向に沿った面における当該正極集電体の断面には、凹状の凹部が当該長手方向に延在して設けられ、
前記正極集電体矯正手段は、前記正極集電体の凹部に嵌合され、
前記負極集電体の長手方向と直交する方向に沿った面における当該負極集電体の断面には、凹状の凹部が当該長手方向に延在して設けられ、
前記負極集電体矯正手段は、前記負極集電体の凹部に嵌合されることを特徴とする請求項2または4に記載の電池製造装置。
【請求項6】
前記正極集電体誘導手段は、
前記正極集電体矯正手段の一端に設けられた正極側誘導手段と、
前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に前記正極集電体矯正手段を挿入する正極側挿入手段と、
前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に前記正極集電体矯正手段が挿入されている状態で、前記正極集電体の端部に前記正極側誘導手段を当接させ、当該正極側誘導手段と当該正極集電体とを当接させたまま、当該正極集電体矯正手段を当該正極集電体矯正手段の他端側に引っ張って、当該第1の正極のタブ部と当該第2の正極のタブ部との間から当該正極集電体矯正手段を抜去するとともに、当該第1の正極のタブ部と当該第2の正極のタブ部との間に当該正極集電体を挿入する正極側抜去手段と、を備え、
前記負極集電体誘導手段は、
前記負極集電体矯正手段の一端に設けられた負極側誘導手段と、
前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に前記負極集電体矯正手段を挿入する負極側挿入手段と、
前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に前記負極集電体矯正手段が挿入されている状態で、前記負極集電体の端部に前記負極側誘導手段を当接させ、当該負極側誘導手段と当該負極集電体とを当接させたまま、当該負極集電体矯正手段を当該負極集電体矯正手段の他端側に引っ張って、当該第1の負極のタブ部と当該第2の負極のタブ部との間から当該負極集電体矯正手段を抜去するとともに、当該第1の負極のタブ部と当該第2の負極のタブ部との間に当該負極集電体を挿入する負極側抜去手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の電池製造装置。
【請求項7】
正極と負極とをセパレータを挟んで積層させた発電要素を複数有する電池を製造する電池製造方法であって、
前記複数の発電要素のうち第1の発電要素に設けられた複数の正極を束ねて構成される第1の正極のタブ部と、当該複数の発電要素のうち当該第1の発電要素に隣接する第2の発電要素に設けられた複数の正極を束ねて構成される第2の正極のタブ部との間に、前記第1の正極のタブ部および前記第2の正極のタブ部に接続される正極集電体を誘導する第1のステップと、
前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に前記正極集電体が配置されるように当該正極集電体の位置ずれを矯正し、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体が配置される際には、集電体を矯正した状態を保持している第2のステップと、
前記第1の発電要素に設けられた複数の負極を束ねて構成される第1の負極のタブ部と、前記第2の発電要素に設けられた複数の負極を束ねて構成される第2の負極のタブ部との間に、前記第1の負極のタブ部および前記第2の負極のタブ部に接続される負極集電体を誘導する第3のステップと、
前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に前記負極集電体が配置されるように、当該負極集電体の位置ずれを矯正する第4のステップと、
を備えることを特徴とする電池製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池製造装置および電池製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電池は、電極や電解液といった構成要素をケース内に封入することによって製造される。
【0003】
例えばリチウムイオン二次電池であれば、正極と負極との間にセパレータを挟んで発電要素を構成し、この発電要素を複数積層させて電池ケース内に配置した後に、電解液を電池ケース内に注液する。
【0004】
特許文献1に示されているリチウムイオン二次電池では、1つの電池ケース内に2つの発電要素が同じ向きに配置されている。2つの発電要素のそれぞれでは、発電要素の一方の端部において複数の正極が束ねられているとともに、発電要素の他方の端部において複数の負極が束ねられている。以降では、複数の正極のうち束ねられている部分のことを正極のタブ部と呼び、複数の負極のうち束ねられている部分のことを負極のタブ部と呼ぶこととする。
【0005】
2つの発電要素のうち一方の発電要素における正極のタブ部と、2つの発電要素のうち他方の発電要素における正極のタブ部と、の間には、長尺状の正極集電体が挿入され、一方の発電要素に設けられた全ての正極と、他方の発電要素に設けられた全ての正極とは、正極集電体を介して正の外部接続端子に電気的に接続されている。また、2つの発電要素のうち一方の発電要素における負極のタブ部と、2つの発電要素のうち他方の発電要素における負極のタブ部と、の間には、長尺状の負極集電体が挿入され、一方の発電要素に設けられた全ての負極と、他方の発電要素に設けられた全ての負極とは、負極集電体を介して負の外部接続端子に電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−246933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電池ケースは、発電要素を収容するための容器と、発電要素を容器内に収容するために容器に形成された開口部を塞ぐ蓋板と、で構成されており、蓋板には、上述の長尺状の正極集電体および負極集電体が固定されている。
【0008】
蓋板の平面が延在する向きと直交する向きに、正極集電体が延在していれば、正極のタブ部同士の間に正極集電体を容易に挿入することができる。しかし、蓋板の平面が延在する向きと直交する方向からずれた向きに、正極集電体が延在している場合がある。この場合、正極のタブ部同士の間に正極集電体を挿入する際に、正極のタブ部や正極に正極集電体がぶつかってしまい、正極のタブ部同士の間に正極集電体を容易には挿入できない場合があった。負極集電体についても、正極集電体と同様に、負極のタブ部や負極に負極集電体がぶつかってしまい、負極のタブ部同士の間に負極集電体を容易には挿入できない場合があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、正極集電体および負極集電体を所定の位置へ容易に挿入できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0011】
(1) 本発明は、正極(例えば、図2の正極110に相当)と負極(例えば、図2の負極120に相当)とをセパレータ(例えば、図2のセパレータ130に相当)を挟んで積層させた発電要素(例えば、図3の発電要素100に相当)を複数有する電池(例えば、後述のリチウムイオン二次電池に相当)を製造する電池製造装置(例えば、図1の電池製造装置1に相当)であって、前記複数の発電要素のうち第1の発電要素(例えば、図8の発電要素100aに相当)に設けられた複数の正極を束ねて構成される第1の正極のタブ部(例えば、図8の正極のタブ部113aに相当)と、当該複数の発電要素のうち当該第1の発電要素に隣接する第2の発電要素(例えば、図8の発電要素100bに相当)に設けられた複数の正極を束ねて構成される第2の正極のタブ部(例えば、図8の正極のタブ部113bに相当)との間に、前記第1の正極のタブ部および前記第2の正極のタブ部に接続される正極集電体(例えば、図8の正極集電体200に相当)を誘導する正極集電体誘導手段(例えば、図1の正極集電体誘導部10に相当)と、前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に前記正極集電体が配置されるように、当該正極集電体の位置ずれを矯正する正極集電体矯正手段(例えば、図1の正極集電体矯正部20に相当)と、前記第1の発電要素に設けられた複数の負極を束ねて構成される第1の負極のタブ部(例えば、図8の負極のタブ部123aに相当)と、前記第2の発電要素に設けられた複数の負極を束ねて構成される第2の負極のタブ部(例えば、図8の負極のタブ部123bに相当)との間に、前記第1の負極のタブ部および前記第2の負極のタブ部に接続される負極集電体(例えば、図8の負極集電体300に相当)を誘導する負極集電体誘導手段(例えば、図1の負極集電体誘導部30に相当)と、前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に前記負極集電体が配置されるように、当該負極集電体の位置ずれを矯正する負極集電体矯正手段(例えば、図1の負極集電体矯正部40に相当)と、を備えることを特徴とする電池製造装置を提案している。
【0012】
この発明によれば、正極集電体誘導手段により、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体を誘導し、正極集電体矯正手段により、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体が挿入されるように、正極集電体の位置ずれを矯正することとした。このため、発電要素を動かすことなく正極集電体を正しい位置に配置して、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体を導くことができる。したがって、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体を容易に挿入することができる。
【0013】
この発明によれば、負極集電体誘導手段により、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体を誘導し、負極集電体矯正手段により、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体が挿入されるように、負極集電体の位置ずれを矯正することとした。このため、発電要素を動かすことなく負極集電体を正しい位置に配置して、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体を導くことができる。したがって、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体を容易に挿入することができる。
【0014】
(2) 本発明は、(1)の電池製造装置について、前記正極集電体矯正手段は、前記正極集電体に嵌合されて当該正極集電体の位置ずれを矯正し、前記正極集電体誘導手段は、前記正極集電体の端部(例えば、図10の正極集電体200のYマイナス方向側の端部に相当)に装着される正極側誘導手段(例えば、図1の正極側誘導部11に相当)と、前記正極集電体矯正手段により前記正極集電体が矯正されているとともに、当該正極集電体の端部に前記正極側誘導手段が装着されている状態で、当該正極側誘導手段の装着されている端部側から当該正極集電体を前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に挿入する正極側挿入手段(例えば、図1の正極側挿入部12に相当)と、前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に前記正極集電体が挿入されている状態で、当該正極集電体に嵌合されている前記正極集電体矯正手段を、当該正極集電体から取り外す正極側取り外し手段(例えば、図1の正極側取り外し部13に相当)と、前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に前記正極集電体が挿入されている状態で、当該正極集電体の端部に装着されている前記正極側誘導手段を、当該正極集電体の端部より取り除く正極側除去手段(例えば、図1の正極側除去部14に相当)と、を備え、前記負極集電体矯正手段は、前記負極集電体に嵌合されて当該負極集電体の位置ずれを矯正し、前記負極集電体誘導手段は、前記負極集電体の端部(例えば、図10の負極集電体300のYマイナス方向側の端部に相当)に装着される負極側誘導手段(例えば、図1の負極側誘導部31に相当)と、前記負極集電体矯正手段により前記負極集電体が矯正されているとともに、当該負極集電体の端部に前記負極側誘導手段が装着されている状態で、当該負極側誘導手段の装着されている端部側から当該負極集電体を前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に挿入する負極側挿入手段(例えば、図1の負極側挿入部32に相当)と、前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に前記負極集電体が挿入されている状態で、当該負極集電体に嵌合されている前記負極集電体矯正手段を、当該負極集電体から取り外す負極側取り外し手段(例えば、図1の負極側取り外し部33に相当)と、前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に前記負極集電体が挿入されている状態で、当該負極集電体の端部に装着されている前記負極側誘導手段を、当該負極集電体の端部より取り除く負極側除去手段(例えば、図1の負極側除去部34に相当)と、を備えることを特徴とする電池製造装置を提案している。
【0015】
この発明によれば、(1)の電池製造装置において、正極集電体矯正手段を正極集電体に嵌合させて、正極集電体矯正手段により正極集電体の位置ずれを矯正することとした。また、正極集電体誘導手段に、正極側誘導手段および正極側挿入手段を設けることとした。また、正極側誘導手段を正極集電体の端部に装着することとした。また、正極側挿入手段により、正極集電体矯正手段により正極集電体が矯正されているとともに、正極集電体の端部に正極側誘導手段が装着されている状態で、正極側誘導手段の装着されている端部側から正極集電体を第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に挿入することとした。このため、正極側挿入手段により第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体を挿入する際に、この正極集電体を第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に容易に導くことができる。したがって、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体を容易に挿入することができる。
【0016】
また、この発明によれば、(1)の電池製造装置において、負極集電体矯正手段を負極集電体に嵌合させて、負極集電体矯正手段により負極集電体の位置ずれを矯正することとした。また、負極集電体誘導手段に、負極側誘導手段および負極側挿入手段を設けることとした。また、負極側誘導手段を負極集電体の端部に装着することとした。また、負極側挿入手段により、負極集電体矯正手段により負極集電体が矯正されているとともに、負極集電体の端部に負極側誘導手段が装着されている状態で、負極側誘導手段の装着されている端部側から負極集電体を第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に挿入することとした。このため、負極側挿入手段により第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体を挿入する際に、この負極集電体を第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に容易に導くことができる。したがって、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体を容易に挿入することができる。
【0017】
また、この発明によれば、(1)の電池製造装置において、正極集電体誘導手段に、正極側取り外し手段および正極側除去手段を設けることとした。また、正極側取り外し手段により、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体が挿入されている状態で、正極集電体に嵌合されている正極集電体矯正手段を、正極集電体から取り外すこととした。また、正極側除去手段により、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体が挿入されている状態で、正極集電体の端部に装着されている正極側誘導手段を、正極集電体の端部より取り除くこととした。このため、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体を挿入した後に、この正極集電体から正極集電体矯正手段および正極側誘導手段を取り外すことができる。
【0018】
また、この発明によれば、(1)の電池製造装置において、負極集電体誘導手段に、負極側取り外し手段および負極側除去手段を設けることとした。また、負極側取り外し手段により、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体が挿入されている状態で、負極集電体に嵌合されている負極集電体矯正手段を、負極集電体から取り外すこととした。また、負極側除去手段により、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体が挿入されている状態で、負極集電体の端部に装着されている負極側誘導手段を、負極集電体の端部より取り除くこととした。このため、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体を挿入した後に、この負極集電体から負極集電体矯正手段および負極側誘導手段を取り外すことができる。
【0019】
(3) 本発明は、(1)の電池製造装置について、前記正極集電体矯正手段および前記正極集電体誘導手段は、一体に設けられ、前記負極集電体矯正手段および前記負極集電体誘導手段は、一体に設けられることを特徴とする電池製造装置を提案している。
【0020】
この発明によれば、(1)の電池製造装置において、正極集電体矯正手段および正極集電体誘導手段を一体に設けることとした。このため、正極側挿入手段により第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体を挿入する際に、正極集電体誘導手段とともに正極集電体矯正手段を移動させることができる。したがって、正極側挿入手段により第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体を挿入する際に、正極集電体矯正手段による正極集電体の位置ずれの矯正を、容易に継続することができる。
【0021】
また、この発明によれば、(1)の電池製造装置において、負極集電体矯正手段および負極集電体誘導手段を一体に設けることとした。このため、負極側挿入手段により第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体を挿入する際に、負極集電体誘導手段とともに負極集電体矯正手段を移動させることができる。したがって、負極側挿入手段により第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体を挿入する際に、負極集電体矯正手段による負極集電体の位置ずれの矯正を、容易に継続することができる。
【0022】
(4) 本発明は、(3)の電池製造装置について、前記正極集電体矯正手段は、前記正極集電体に嵌合されて当該正極集電体の位置ずれを矯正し、前記正極集電体誘導手段は、前記正極集電体の端部に装着(例えば、図10の正極集電体200のYマイナス方向側の端部に相当)される正極側誘導手段(例えば、図1の正極側誘導部11に相当)と、前記正極集電体矯正手段により前記正極集電体が矯正されているとともに、当該正極集電体の端部に前記正極側誘導手段が装着されている状態で、当該正極側誘導手段の装着されている端部側から当該正極集電体を前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に挿入する正極側挿入手段(例えば、図1の正極側挿入部12に相当)と、前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に前記正極集電体が挿入されている状態で、当該正極集電体に嵌合されている前記正極集電体矯正手段を、当該正極集電体から取り外す正極側取り外し手段(例えば、図1の正極側取り外し部13に相当)と、を備え、前記負極集電体矯正手段は、前記負極集電体に嵌合されて当該負極集電体の位置ずれを矯正し、前記負極集電体誘導手段は、前記負極集電体の端部(例えば、図10の負極集電体300のYマイナス方向側の端部に相当)に装着される負極側誘導手段(例えば、図1の負極側誘導部31に相当)と、前記負極集電体矯正手段により前記負極集電体が矯正されているとともに、当該負極集電体の端部に前記負極側誘導手段が装着されている状態で、当該負極側誘導手段の装着されている端部側から当該負極集電体を前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に挿入する負極側挿入手段(例えば、図1の負極側挿入部32に相当)と、前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に前記負極集電体が挿入されている状態で、当該負極集電体に嵌合されている前記負極集電体矯正手段を、当該負極集電体から取り外す負極側取り外し手段(例えば、図1の負極側取り外し部33に相当)と、を備えることを特徴とする電池製造装置を提案している。
【0023】
この発明によれば、(3)の電池製造装置において、正極集電体矯正手段を正極集電体に嵌合させて、正極集電体矯正手段により正極集電体の位置ずれを矯正することとした。また、正極集電体誘導手段に、正極側誘導手段および正極側挿入手段を設けることとした。また、正極側誘導手段を正極集電体の端部に装着することとした。また、正極側挿入手段により、正極集電体矯正手段により正極集電体が矯正されているとともに、正極集電体の端部に正極側誘導手段が装着されている状態で、正極側誘導手段の装着されている端部側から正極集電体を第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に挿入することとした。このため、正極側挿入手段により第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体を挿入する際に、この正極集電体を第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に容易に導くことができる。したがって、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体を容易に挿入することができる。
【0024】
また、この発明によれば、(3)の電池製造装置において、負極集電体矯正手段を負極集電体に嵌合させて、負極集電体矯正手段により負極集電体の位置ずれを矯正することとした。また、負極集電体誘導手段に、負極側誘導手段および負極側挿入手段を設けることとした。また、負極側誘導手段を負極集電体の端部に装着することとした。また、負極側挿入手段により、負極集電体矯正手段により負極集電体が矯正されているとともに、負極集電体の端部に負極側誘導手段が装着されている状態で、負極側誘導手段の装着されている端部側から負極集電体を第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に挿入することとした。このため、負極側挿入手段により第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体を挿入する際に、この負極集電体を第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に容易に導くことができる。したがって、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体を容易に挿入することができる。
【0025】
また、この発明によれば、(3)の電池製造装置において、正極集電体誘導手段に、正極側取り外し手段を設けることとした。また、正極側取り外し手段により、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体が挿入されている状態で、正極集電体に嵌合されている正極集電体矯正手段を、正極集電体から取り外すこととした。また、正極集電体矯正手段は、上述のように正極集電体誘導手段と一体に設けられている。このため、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体を挿入した後に、この正極集電体から正極集電体矯正手段を正極側誘導手段とともに取り外すことができる。
【0026】
また、この発明によれば、(3)の電池製造装置において、負極集電体誘導手段に、負極側取り外し手段を設けることとした。また、負極側取り外し手段により、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体が挿入されている状態で、負極集電体に嵌合されている負極集電体矯正手段を、負極集電体から取り外すこととした。また、負極集電体矯正手段は、上述のように負極集電体誘導手段と一体に設けられている。このため、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体を挿入した後に、この負極集電体から負極集電体矯正手段を負極側誘導手段とともに取り外すことができる。
【0027】
(5) 本発明は、(2)または(3)の電池製造装置について、前記正極集電体の長手方向と直交する方向に沿った面(例えば、図6、8のXZ平面に相当)における当該正極集電体の断面には、凹状の凹部が当該長手方向に延在して設けられ、前記正極集電体矯正手段は、前記正極集電体の凹部に嵌合され、前記負極集電体の長手方向と直交する方向に沿った面(例えば、図6、8のXZ平面に相当)における当該負極集電体の断面には、凹状の凹部が当該長手方向に延在して設けられ、前記負極集電体矯正手段は、前記負極集電体の凹部に嵌合されることを特徴とする電池製造装置を提案している。
【0028】
この発明によれば、(2)または(3)の電池製造装置において、正極集電体の長手方向と直交する方向に沿った面における正極集電体の断面に、凹状の凹部を正極集電体の長手方向に延在させて設け、正極集電体矯正手段を、正極集電体の凹部に嵌合させることとした。このため、正極集電体矯正手段を正極集電体に容易に嵌合させることができる。
【0029】
また、この発明によれば、(2)または(3)の電池製造装置において、負極集電体の長手方向と直交する方向に沿った面における負極集電体の断面に、凹状の凹部を負極集電体の長手方向に延在させて設け、負極集電体矯正手段を、負極集電体の凹部に嵌合させることとした。このため、負極集電体矯正手段を負極集電体に容易に嵌合させることができる。
【0030】
(6) 本発明は、(1)の電池製造装置について、前記正極集電体誘導手段は、前記正極集電体矯正手段の一端(例えば、図17の正極集電体矯正部20AのYプラス方向側の端部に相当)に設けられた正極側誘導手段(例えば、図17の正極側誘導部11Aに相当)と、前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に前記正極集電体矯正手段を挿入する正極側挿入手段(例えば、図16の正極側挿入部12Aに相当)と、前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に前記正極集電体矯正手段が挿入されている状態で、前記正極集電体の端部(例えば、図20の正極集電体200のYマイナス方向側の端部に相当)に前記正極側誘導手段を当接させた状態で、当該正極集電体が当該第1の正極のタブ部と当該第2の正極のタブ部との間に挿入された後、当該正極集電体矯正手段を当該正極集電体矯正手段の他端側(例えば、図21のYマイナス方向に相当)に引っ張って、当該第1の正極のタブ部と当該第2の正極のタブ部との間から当該正極集電体矯正手段を抜去するとともに、当該第1の正極のタブ部と当該第2の正極のタブ部との間に当該正極集電体を挿入する正極側抜去手段(例えば、図16の正極側抜去部15に相当)と、を備え、前記負極集電体誘導手段は、前記負極集電体矯正手段の一端(例えば、図17の負極集電体矯正部40AのYプラス方向側の端部に相当)に設けられた負極側誘導手段(例えば、図17の負極側誘導部31Aに相当)と、前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に前記負極集電体矯正手段を挿入する負極側挿入手段(例えば、図16の負極側挿入部32Aに相当)と、前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に前記負極集電体矯正手段が挿入されている状態で、前記負極集電体の端部(例えば、図20の負極集電体300のYマイナス方向側の端部に相当)に前記負極側誘導手段を当接させた状態で、当該負極集電体が当該第1の負極のタブ部と当該第2の負極のタブ部との間に挿入された後、当該負極集電体矯正手段を当該負極集電体矯正手段の他端側(例えば、図21のYマイナス方向に相当)に引っ張って、当該第1の負極のタブ部と当該第2の負極のタブ部との間から当該負極集電体矯正手段を抜去するとともに、当該第1の負極のタブ部と当該第2の負極のタブ部との間に当該負極集電体を挿入する負極側抜去手段(例えば、図16の負極側抜去部35に相当)と、を備えることを特徴とする電池製造装置を提案している。
【0031】
この発明によれば、(1)の電池製造装置において、正極集電体誘導手段に、正極側誘導手段、正極側挿入手段、および正極側抜去手段を設けることとした。また、正極側挿入手段により、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体矯正手段を挿入することとした。また、正極側誘導手段を正極集電体矯正手段の一端に設け、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体矯正手段が挿入されている状態で正極集電体が正極集電体矯正手段にそって正極集電体が第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に挿入された後正極集電体矯正手段を正極集電体矯正手段の他端側に引っ張って、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間から正極集電体矯正手段を抜去するとともに、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体を挿入することとした。このため、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体を容易に挿入することができる。
【0032】
また、この発明によれば、(1)の電池製造装置において、負極集電体誘導手段に、負極側誘導手段、負極側挿入手段、および負極側抜去手段を設けることとした。また、負極側挿入手段により、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体矯正手段を挿入することとした。また、負極側誘導手段を負極集電体矯正手段の一端に設け、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体矯正手段が挿入されている状態で負極集電体が負極集電体矯正手段にそって負極集電体が第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に挿入された後負極集電体矯正手段を負極集電体矯正手段の他端側に引っ張って、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間から負極集電体矯正手段を抜去するとともに、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体を挿入することとした。このため、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体を容易に挿入することができる。
【0033】
(7) 本発明は、正極(例えば、図2の正極110に相当)と負極(例えば、図2の負極120に相当)とをセパレータ(例えば、図2のセパレータ130に相当)を挟んで積層させた発電要素(例えば、図3の発電要素100に相当)を複数有する電池(例えば、後述のリチウムイオン二次電池に相当)を製造する電池製造方法であって、前記複数の発電要素のうち第1の発電要素(例えば、図8の発電要素100aに相当)に設けられた複数の正極を束ねて構成される第1の正極のタブ部(例えば、図8の正極のタブ部113aに相当)と、当該複数の発電要素のうち当該第1の発電要素に隣接する第2の発電要素(例えば、図8の発電要素100bに相当)に設けられた複数の正極を束ねて構成される第2の正極のタブ部(例えば、図8の正極のタブ部113bに相当)との間に、前記第1の正極のタブ部および前記第2の正極のタブ部に接続される正極集電体(例えば、図8の正極集電体200に相当)を誘導する第1のステップと、前記第1の正極のタブ部と前記第2の正極のタブ部との間に前記正極集電体が配置されるように、当該正極集電体の位置ずれを矯正する第2のステップと、前記第1の発電要素に設けられた複数の負極を束ねて構成される第1の負極のタブ部(例えば、図8の負極のタブ部123aに相当)と、前記第2の発電要素に設けられた複数の負極を束ねて構成される第2の負極のタブ部(例えば、図8の負極のタブ部123bに相当)との間に、前記第1の負極のタブ部および前記第2の負極のタブ部に接続される負極集電体(例えば、図8の負極集電体300に相当)を誘導する第3のステップと、前記第1の負極のタブ部と前記第2の負極のタブ部との間に前記負極集電体が配置されるように、当該負極集電体の位置ずれを矯正する第4のステップと、を備えることを特徴とする電池製造方法を提案している。
【0034】
この発明によれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、第1の正極のタブ部と第2の正極のタブ部との間に正極集電体を容易に挿入することができるとともに、第1の負極のタブ部と第2の負極のタブ部との間に負極集電体を容易に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の第1実施形態に係る電池製造装置のブロック図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る発電要素の構成を説明するための模式図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る発電要素の側面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る発電要素の上面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る発電要素を積層させた状態を示す上面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る正極集電体および負極集電体の側面図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る正極のタブ部同士の間に正極集電体を配置するとともに、負極のタブ部同士の間に負極集電体を配置した状態を示す側面図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る正極のタブ部同士の間に正極集電体を配置するとともに、負極のタブ部同士の間に負極集電体を配置した状態を示す断面図である。
図9】本発明の第1実施形態に係る正極集電体矯正部を正極集電体に嵌合させるとともに、負極集電体矯正部を負極集電体に嵌合させた状態を示す図である。
図10】本発明の第1実施形態に係る正極集電体および負極集電体の位置ずれを矯正している状態を示す側面図である。
図11】本発明の第1実施形態に係る正極のタブ部同士の間に正極集電体を挿入するとともに、負極のタブ部同士の間に負極集電体を挿入した状態を示す側面図である。
図12】本発明の第1実施形態に係る正極のタブ部同士の間に正極集電体を挿入するとともに、負極のタブ部同士の間に負極集電体を挿入した状態を示す断面図である。
図13】本発明の第1実施形態に係る正極集電体から正極集電体矯正部および正極側誘導部を除去するとともに、負極集電体から負極集電体矯正部および負極側誘導部を除去した状態を示す側面図である。
図14】本発明の第2実施形態に係る電池製造装置のブロック図である。
図15】本発明の第2実施形態に係る正極集電体から正極集電体矯正部および正極側誘導部を除去するとともに、負極集電体から負極集電体矯正部および負極側誘導部を除去した状態を示す側面図である。
図16】本発明の第3実施形態に係る電池製造装置のブロック図である。
図17】本発明の第3実施形態に係る正極側誘導部と正極集電体矯正部との関係と、負極側誘導部と負極集電体矯正部との関係と、を示す図である。
図18】本発明の第3実施形態に係る正極のタブ部同士の間に正極集電体矯正部を挿入するとともに、負極のタブ部同士の間に負極集電体矯正部を挿入した状態を示す側面図である。
図19】本発明の第3実施形態に係る正極のタブ部同士の間に正極集電体矯正部を挿入するとともに、負極のタブ部同士の間に負極集電体矯正部を挿入した状態を示す断面図である。
図20】本発明の第3実施形態に係る正極集電体を、正極側誘導部に当接させて正極のタブ部間に挿入するとともに、負極集電体を、負極側誘導部に当接させて負極のタブ部間に挿入定した状態を示す側面図である。
図21】本発明の第3実施形態に係る正極のタブ部同士の間から正極集電体矯正部を抜去するとともに、負極のタブ部同士の間から負極集電体矯正部を抜去した状態を示す側面図である。
図22】本発明の第3実施形態に係る正極側誘導部を正極集電体の端部から取り外すとともに、負極側誘導部を負極集電体の端部から取り外した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。なお、以下の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素などとの置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0038】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電池製造装置1のブロック図である。電池製造装置1は、発電要素100を複数有するリチウムイオン二次電池を製造する。発電要素100は、複数の正極110(図2参照)と、複数の負極120(図2参照)と、正極110と負極120との間に配置されるセパレータ130(図2参照)と、を備える。発電要素100について、図2から図8を用いて以下に説明する。
【0039】
図2は、発電要素100の構成を説明するための模式図である。図2において、右方に向かう向きをXプラス方向とし、上方に向かう向きをYプラス方向とし、紙面手前向きをZプラス方向とする。正極110は、セパレータ130と略同一の形状および大きさを有する基部111と、基部111の一端からXプラス方向に突出する突出部112と、を備える。負極120も、正極110と同様に、セパレータ130と略同一の形状および大きさを有する基部121と、基部121の一端からXマイナス方向に突出する突出部122と、を備える。
【0040】
図3は、発電要素100の側面図である。図3において、図2で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、上方に向かう向きをYプラス方向とし、紙面手前向きをZプラス方向とする。発電要素100に設けられた複数の正極110のそれぞれの突出部112は、発電要素100の一方の端部(Xプラス方向側の端部)において導電性を有するクリップ141で1つにまとめられている。また、発電要素100に設けられた複数の負極120のそれぞれの突出部122は、発電要素100の他方の端部(Xマイナス方向側の端部)において導電性を有するクリップ142で1つにまとめられている。以降では、複数の正極110のうちクリップ141で束ねられている部分のことを、正極のタブ部113と呼ぶこととし、複数の負極120のうちクリップ142で束ねられている部分のことを、負極のタブ部123と呼ぶこととする。
【0041】
図4は、発電要素100の上面図である。図4において、図2、3で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、紙面手前向きをYプラス方向とし、下方に向かう向きをZプラス方向とする。発電要素100において正極110および負極120はそれぞれ多数枚あるが、説明の簡略化のため、本実施形態では、図4に示すように、1つの発電要素100に、正極110および負極120がそれぞれ4つずつ設けられているものとする。
【0042】
図5は、電池ケース内に配置する発電要素100を積層させた状態を示す上面図である。図5において、図2から4で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、紙面手前向きをYプラス方向とし、下方に向かう向きをZプラス方向とする。
【0043】
本実施形態では、図5に示すように、1つの電池ケース内に、発電要素100が4つ積層して配置され、発電要素100は、2つで1つの組を構成するものとする。また、同一の組に属する2つの発電要素100のうち、一方を発電要素100aと呼び、他方を発電要素100bと呼ぶこととする。また、発電要素100aに設けられた正極の突出部112のことを正極の突出部112aと呼び、発電要素100bに設けられた正極の突出部112のことを正極の突出部112bと呼ぶこととする。また、発電要素100aにおける正極のタブ部113のことを正極のタブ部113aと呼び、発電要素100bにおける正極のタブ部113のことを正極のタブ部113bと呼ぶこととする。また、発電要素100aに設けられた負極の突出部122のことを負極の突出部122aと呼び、発電要素100bに設けられた負極の突出部122のことを負極の突出部122bと呼ぶこととする。また、発電要素100aにおける負極のタブ部123のことを負極のタブ部123aと呼び、発電要素100bにおける負極のタブ部123のことを、負極のタブ部123bと呼ぶこととする。
【0044】
図6は、正極集電体200および負極集電体300の側面図である。図6において、図2から5で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、上方に向かう向きをYプラス方向とし、紙面手前向きをZプラス方向とする。正極集電体200および負極集電体300は、蓋部材400に固定されており、1つの蓋部材400からは、Yマイナス方向に、図8を用いて後述するように2つの正極集電体200および2つの負極集電体300が延在する。蓋部材400は、積層された4つの発電要素100を収容する容器(図示省略)とともに電池ケース(図示省略)を構成し、積層された4つの発電要素100を容器の内部に収容するために容器に形成された開口部を塞ぐ。
【0045】
図7は、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200を配置するとともに、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300を配置した状態を示す側面図である。図7において、図2から6で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、上方に向かう向きをYプラス方向とし、紙面手前向きをZプラス方向とする。正極集電体200は、発電要素100の上部(Yプラス方向側)から下部(Yマイナス方向側)に向かって、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に挿入される。負極集電体300は、発電要素100の上部(Yプラス方向側)から下部(Yマイナス方向側)に向かって、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に挿入される。
【0046】
図8は、図7のA−A断面における断面図である。図8において、図2から7で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、紙面手前向きをYプラス方向とし、下方に向かう向きをZプラス方向とする。正極集電体200の長手方向(Y方向)と直交する方向に沿った面(XZ平面)における正極集電体200の断面には、凹状の凹部が正極集電体200の長手方向に延在して設けられており、正極集電体200は、コの字形の断面を有している。また、負極集電体300の長手方向(Y方向)と直交する方向に沿った面(XZ平面)における負極集電体300の断面には、凹状の凹部が負極集電体300の長手方向に延在して設けられており、負極集電体300は、コの字形の断面を有している。
【0047】
これら正極集電体200および負極集電体300は、1組の発電要素100a、100bに対して1つの正極集電体200が対に設けられるとともに、1組の発電要素100a、100bに対して1つの負極集電体300が対に設けられる。具体的には、発電要素100aにおける正極のタブ部113aと、この発電要素100aと対に設けられた発電要素100bにおける正極のタブ部113bと、の間に、1つの正極集電体200が挿入され、これら対に設けられた正極のタブ部113a、113bが正極集電体200と超音波溶接により接合される。また、発電要素100aにおける負極のタブ部123aと、この発電要素100aと対に設けられた発電要素100bにおける負極のタブ部123bと、の間に、1つの負極集電体300が挿入され、これら対に設けられた負極のタブ部123a、123bが負極集電体300と超音波溶接により接合される。
【0048】
図1に戻って、電池製造装置1は、正極集電体200を上述のように挿入するための正極側冶具AAと、負極集電体300を上述のように挿入するための負極側冶具BBと、を備える。正極側冶具AAは、正極集電体誘導部10および正極集電体矯正部20を備え、負極側冶具BBは、負極集電体誘導部30および負極集電体矯正部40を備える。
【0049】
正極集電体矯正部20は、正極集電体200に嵌合可能に設けられる。この正極集電体矯正部20は、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200が配置されるように、正極集電体200に嵌合された状態で正極集電体200の位置ずれを矯正する。これによれば、蓋部材400から正極集電体200の延在する向きが、図6を用いて上述したYマイナス方向、すなわち蓋部材400の平面が延在する向き(図6のXZ平面上の向き)と直交する向きになる。このため、蓋部材400から正極集電体200の延在する向きが、図6を用いて上述したYマイナス方向からずれている場合、すなわち蓋部材400の平面が延在する向き(図6のXZ平面上の向き)と直交する向きからずれていても、このずれを直すことができる。
【0050】
負極集電体矯正部40は、負極集電体300に嵌合可能に設けられる。この負極集電体矯正部40は、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300が配置されるように、負極集電体300に嵌合された状態で負極集電体300の位置ずれを矯正する。これによれば、蓋部材400から負極集電体300の延在する方向が、図6を用いて上述したYマイナス方向、すなわち蓋部材400の平面が延在する向き(図6のXZ平面上の向き)と直交する向きになる。このため、蓋部材400から負極集電体300の延在する方向が、図6を用いて上述したYマイナス方向からずれている場合、すなわち蓋部材400の平面が延在する向き(図6のXZ平面上の向き)と直交する向きからずれていても、このずれを直すことができる。
【0051】
正極集電体誘導部10は、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200を誘導する。この正極集電体誘導部10は、正極側誘導部11、正極側挿入部12、正極側取り外し部13、および正極側除去部14を備える。
【0052】
正極側誘導部11は、正極集電体200の端部に装着される。
【0053】
正極側挿入部12は、正極集電体矯正部20により正極集電体200が矯正されているとともに、この正極集電体200の端部に正極側誘導部11が装着されている状態で、正極側誘導部11の装着されている端部側から正極集電体200を、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に挿入する。
【0054】
正極側取り外し部13は、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200が挿入されている状態で、正極集電体200に嵌合されている正極集電体矯正部20を、正極集電体200から取り外す。
【0055】
正極側除去部14は、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200が挿入されている状態で、正極集電体200の端部に装着されている正極側誘導部11を、正極集電体200の端部より取り除く。
【0056】
負極集電体誘導部30は、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300を誘導する。この負極集電体誘導部30は、負極側誘導部31、負極側挿入部32、負極側取り外し部33、および負極側除去部34を備える。
【0057】
負極側誘導部31は、負極集電体300の端部に装着される。
【0058】
負極側挿入部32は、負極集電体矯正部40により負極集電体300が矯正されているとともに、この負極集電体300の端部に負極側誘導部31が装着されている状態で、負極側誘導部31の装着されている端部側から負極集電体300を、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に挿入する。
【0059】
負極側取り外し部33は、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300が挿入されている状態で、負極集電体300に嵌合されている負極集電体矯正部40を、負極集電体300から取り外す。
【0060】
負極側除去部34は、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300が挿入されている状態で、負極集電体300の端部に装着されている負極側誘導部31を、負極集電体300の端部より取り除く。
【0061】
以上の構成を備える電池製造装置1の動作について、図9から図13を用いて以下に詳述する。
【0062】
図9は、正極集電体矯正部20を正極集電体200に嵌合させるとともに、負極集電体矯正部40を負極集電体300に嵌合させた状態を示す図である。図9において、図2から8で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、紙面手前向きをYプラス方向とし、下方に向かう向きをZプラス方向とする。正極集電体矯正部20は、Z方向に延在する基部21と、基部21からXマイナス方向に突出する突出部22と、を備え、負極集電体矯正部40は、Z方向に延在する基部41と、基部41からXプラス方向に突出する突出部42と、を備える。
【0063】
電池製造装置1は、まず、図9に示すように、正極集電体200のコの字形の凹部に突出部22をはめこむとともに、負極集電体300のコの字形の凹部に突出部42をはめこむ。これによれば、正極集電体矯正部20が正極集電体200に嵌合されるとともに、負極集電体矯正部40が負極集電体300に嵌合されることになる。
【0064】
図10は、正極集電体200および負極集電体300の位置ずれを矯正している状態を示す側面図である。図10において、図2から9で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、上方に向かう向きをYプラス方向とし、紙面手前向きをZプラス方向とする。正極集電体矯正部20の基部21および負極集電体矯正部40の基部41は、図9を用いて上述したようにZ方向に延在しているだけでなく、図10に示すようにY方向にも延在している。また、正極集電体矯正部20の突出部22および負極集電体矯正部40の突出部42は、図9を用いて上述したようにZ方向に延在しているだけでなく、後述の図13に示すようにY方向にも延在している。
【0065】
電池製造装置1は、次に、図10に示すように、正極集電体200に嵌合されている正極集電体矯正部20を、蓋部材400のうち正極集電体200が固定されている部分からYマイナス方向に延伸する線分に沿って、所定位置に配置するとともに、負極集電体300に嵌合されている負極集電体矯正部40を、蓋部材400のうち負極集電体300が固定されている部分からYマイナス方向に延伸する線分に沿って、所定位置に配置する。これによれば、正極集電体矯正部20および負極集電体矯正部40により、正極集電体200および負極集電体300の位置ずれが矯正され、正極集電体200および負極集電体300が、蓋部材400の平面が延在する向きと直交する向きに延在することになる。
【0066】
また、電池製造装置1は、正極集電体200の端部(Yマイナス方向側の端部)に正極側誘導部11を装着するとともに、負極集電体300の端部(Yマイナス方向側の端部)に負極側誘導部31を装着する。なお、正極側誘導部11のうち、正極集電体200に装着されている端部(Yプラス方向側の端部)を基端部とし、基端部と対向する端部(Yマイナス方向側の端部)を先端部とすると、正極側誘導部11の先端部は、正極側誘導部11の基端部と比べて細く形成されている。また、負極側誘導部31のうち、負極集電体300に装着されている端部(Yプラス方向側の端部)を基端部とし、基端部と対向する端部(Yマイナス方向側の端部)を先端部とすると、負極側誘導部31の先端部は、負極側誘導部31の基端部と比べて細く形成されている。
【0067】
電池製造装置1は、次に、正極集電体矯正部20および負極集電体矯正部40により正極集電体200および負極集電体300が矯正されている状態において、正極側挿入部12により、正極側誘導部11の装着されている端部側から正極集電体200を、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に挿入するとともに、負極側挿入部32により、負極側誘導部31の装着されている端部側から負極集電体300を、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に挿入する。これによれば、図11図12に示すように、正極集電体200が、正極集電体矯正部20により矯正されている状態で、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に挿入されるとともに、負極集電体300が、負極集電体矯正部40により矯正されている状態で、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に挿入されることになる。
【0068】
図11は、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200を挿入するとともに、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300を挿入した状態を示す側面図である。図11において、図2から10で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、上方に向かう向きをYプラス方向とし、紙面手前向きをZプラス方向とする。
【0069】
図12は、図11のB−B断面における断面図である。図12において、図2から11で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、紙面手前向きをYプラス方向とし、下方に向かう向きをZプラス方向とする。
【0070】
なお、上述のように、正極側誘導部11の先端部が、正極側誘導部11の基端部と比べて細く形成されているため、正極側誘導部11が正極集電体200の端部に装着されていない場合と比べて、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間への正極集電体200の挿入が容易になる。また、正極集電体200が、正極集電体矯正部20により矯正されている状態で、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に挿入される。以上によれば、正極集電体200が正極110やクリップ141や正極のタブ部113a、113bに接触してしまうのを防止することができる。
【0071】
また、上述のように、負極側誘導部31の先端部が、負極側誘導部31の基端部と比べて細く形成されているため、負極側誘導部31が負極集電体300の端部に装着されていない場合と比べて、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間への負極集電体300の挿入が容易になる。また、負極集電体300が、負極集電体矯正部40により矯正されている状態で、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に挿入される。以上によれば、負極集電体300が負極120やクリップ142や負極のタブ部123a、123bに接触してしまうのを防止することができる。
【0072】
また、正極集電体200および負極集電体300の双方は、上述のように蓋部材400に固定されている。このため、正極集電体200と負極集電体300とが蓋部材400を介して一体に動くことになるので、正極側挿入部12および負極側挿入部32は、同一の構成となる。ただし、正極集電体200と負極集電体300とが、蓋部材400のような同一の部材に固定されていない場合には、正極集電体200と負極集電体300とがそれぞれ独立して動くことになるので、正極側挿入部12および負極側挿入部32は、互いに異なる構成となる。
【0073】
電池製造装置1は、次に、図13に示すように、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に挿入されている正極集電体200から、正極側取り外し部13により正極集電体矯正部20を取り外すとともに、正極側除去部14により正極側誘導部11を取り除く。また、電池製造装置1は、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に挿入されている負極集電体300から、負極側取り外し部33により負極集電体矯正部40を取り外すとともに、負極側除去部34により負極側誘導部31を取り除く。
【0074】
図13は、正極集電体200から正極集電体矯正部20および正極側誘導部11を除去するとともに、負極集電体300から負極集電体矯正部40および負極側誘導部31を除去した状態を示す側面図である。図11において、図2から12で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、上方に向かう向きをYプラス方向とし、紙面手前向きをZプラス方向とする。
【0075】
以上の電池製造装置1によれば、以下の効果を奏することができる。
【0076】
電池製造装置1は、正極集電体誘導部10により、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200を誘導し、正極集電体矯正部20により、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200が挿入されるように、正極集電体200の位置ずれを矯正する。このため、発電要素100を動かすことなく正極集電体200を正しい位置に配置して、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200を導くことができる。したがって、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200を容易に挿入することができる。
【0077】
また、電池製造装置1は、負極集電体誘導部30により、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300を誘導し、負極集電体矯正部40により、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300が挿入されるように、負極集電体300の位置ずれを矯正する。このため、発電要素100を動かすことなく負極集電体300を正しい位置に配置して、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300を導くことができる。したがって、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300を容易に挿入することができる。
【0078】
また、電池製造装置1は、正極集電体矯正部20を正極集電体200に嵌合させて、正極集電体矯正部20により正極集電体200の位置ずれを矯正する。また、正極集電体誘導部10に、正極側誘導部11および正極側挿入部12を設け、正極側誘導部11を正極集電体200の端部に装着することとした。また、正極側挿入部12により、正極集電体矯正部20により正極集電体200が矯正されているとともに、正極集電体200の端部に正極側誘導部11が装着されている状態で、正極側誘導部11の装着されている端部側から正極集電体200を、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に挿入する。このため、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極側挿入部12により正極集電体200を挿入する際に、この正極集電体200を、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に容易に導くことができる。したがって、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200を容易に挿入することができる。
【0079】
また、電池製造装置1は、負極集電体矯正部40を負極集電体300に嵌合させて、負極集電体矯正部40により負極集電体300の位置ずれを矯正する。また、負極集電体誘導部30に、負極側誘導部31および負極側挿入部32を設け、負極側誘導部31を負極集電体300の端部に装着することとした。また、負極側挿入部32により、負極集電体矯正部40により負極集電体300が矯正されているとともに、負極集電体300の端部に正極側誘導部11が装着されている状態で、負極側誘導部31の装着されている端部側から負極集電体300を、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に挿入する。このため、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極側挿入部32により負極集電体300を挿入する際に、この負極集電体300を、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に容易に導くことができる。したがって、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300を容易に挿入することができる。
【0080】
また、電池製造装置1は、先端部が基端部より細く形成されている正極側誘導部11について、この正極側誘導部11の基端部を正極集電体200の端部に装着する。このため、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200をさらに容易に挿入することができる。
【0081】
また、電池製造装置1は、先端部が基端部より細く形成されている負極側誘導部31について、この負極側誘導部31の基端部を負極集電体300の端部に装着する。このため、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300をさらに容易に挿入することができる。
【0082】
また、電池製造装置1は、正極集電体誘導部10に、正極側取り外し部13および正極側除去部14を設け、正極側取り外し部13により、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200が挿入されている状態で、正極集電体200に嵌合されている正極集電体矯正部20を、正極集電体200から取り外す。また、正極側除去部14により、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200が挿入されている状態で、正極集電体200の端部に装着されている正極側誘導部11を、正極集電体200の端部より取り除く。このため、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200を挿入した後に、この正極集電体200から正極集電体矯正部20および正極側誘導部11を取り外すことができる。
【0083】
また、電池製造装置1は、負極集電体誘導部30に、負極側取り外し部33および負極側除去部34を設け、負極側取り外し部33により、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300が挿入されている状態で、負極集電体300に嵌合されている負極集電体矯正部40を、負極集電体300から取り外す。また、負極側除去部34により、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300が挿入されている状態で、負極集電体300の端部に装着されている負極側誘導部31を、負極集電体300の端部より取り除く。このため、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300を挿入した後に、この負極集電体300から負極集電体矯正部40および負極側誘導部31を取り外すことができる。
【0084】
また、正極集電体200の長手方向と直交する方向に沿った面における正極集電体200の断面に凹部が設けられており、電池製造装置1は、この凹部に突出部22をはめ込む。このため、突出部22を有する正極集電体矯正部20を、正極集電体200に容易に嵌合させることができる。
【0085】
また、負極集電体300の長手方向と直交する方向に沿った面における負極集電体300の断面に凹部が設けられており、電池製造装置1は、この凹部に突出部42をはめ込む。このため、突出部42を有する負極集電体矯正部40を、負極集電体300に容易に嵌合させることができる。
【0086】
<第2実施形態>
図14は、本発明の第2実施形態に係る電池製造装置1Aのブロック図である。電池製造装置1Aは、図1に示した本発明の第1実施形態に係る電池製造装置1とは、正極側誘導部11と正極集電体矯正部20とが一体に設けられている点と、正極側除去部14としての機能が正極側取り外し部13に組み込まれている点と、負極側誘導部31と負極集電体矯正部40とが一体に設けられている点と、負極側除去部34としての機能が負極側取り外し部33に組み込まれている点と、で異なる。なお、電池製造装置1Aにおいて、電池製造装置1と同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0087】
図15は、正極集電体200から正極集電体矯正部20および正極側誘導部11を除去するとともに、負極集電体300から負極集電体矯正部40および負極側誘導部31を除去した状態を示す側面図である。図15において、図2から13で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、上方に向かう向きをYプラス方向とし、紙面手前向きをZプラス方向とする。
【0088】
図15に示すように、正極側誘導部11の基端部は、正極集電体矯正部20の突出部22のうちYマイナス方向側の端部に取り付けられており、負極側誘導部31の基端部は、負極集電体矯正部40の突出部42のうちYマイナス方向側の端部に取り付けられている。
【0089】
このため、正極集電体矯正部20を正極集電体200に嵌合させれば、正極側誘導部11を正極集電体200の端部側に配置させることができる。また、負極集電体矯正部40を負極集電体300に嵌合させれば、負極側誘導部31を負極集電体300の端部側に配置させることができる。
【0090】
また、正極側取り外し部13により、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に挿入されている正極集電体200から正極集電体矯正部20を取り外せば、この正極集電体200から正極側誘導部11を取り除くことができる。また、負極側取り外し部33により、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に挿入されている負極集電体300から負極集電体矯正部40を取り外せば、この負極集電体300から負極側誘導部31を取り除くことができる。
【0091】
以上の電池製造装置1Aによれば、図1に示した本発明の第1実施形態に係る電池製造装置1が奏することのできる上述の効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
【0092】
電池製造装置1Aでは、正極集電体矯正部20および正極側誘導部11が一体に設けられる。このため、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極側挿入部12により正極集電体200を挿入する際に、正極集電体200の端部に装着されている正極側誘導部11とともに、正極集電体矯正部20を移動させることができる。したがって、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極側挿入部12により正極集電体200を挿入する際に、正極集電体矯正部20による正極集電体200の位置ずれの矯正を、容易に継続することができる。
【0093】
また、電池製造装置1Aでは、負極集電体矯正部40および負極側誘導部31が一体に設けられる。このため、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極側挿入部32により負極集電体300を挿入する際に、負極集電体300の端部に装着されている負極側誘導部31とともに、負極集電体矯正部40を移動させることができる。したがって、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極側挿入部32により負極集電体300を挿入する際に、負極集電体矯正部40による負極集電体300の位置ずれの矯正を、容易に継続することができる。
【0094】
また、電池製造装置1Aでは、正極集電体矯正部20および正極側誘導部11が一体に設けられる。このため、正極集電体矯正部20を正極集電体200に嵌合させれば、正極側誘導部11を正極集電体200の端部側に配置させることができる。また、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に挿入されている正極集電体200から正極集電体矯正部20を取り外せば、この正極集電体200から正極側誘導部11を取り除くことができる。したがって、電池製造装置1Aによる製造工程を簡略化することができる。
【0095】
また、電池製造装置1Aでは、負極集電体矯正部40および負極側誘導部31が一体に設けられる。このため、負極集電体矯正部40を負極集電体300に嵌合させれば、負極側誘導部31を負極集電体300の端部側に配置させることができる。また、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に挿入されている負極集電体300から負極集電体矯正部40を取り外せば、この負極集電体300から負極側誘導部31を取り除くことができる。したがって、電池製造装置1Aによる製造工程を簡略化することができる。
【0096】
<第3実施形態>
図16は、本発明の第3実施形態に係る電池製造装置1Bのブロック図である。電池製造装置1Bは、図1に示した本発明の第1実施形態に係る電池製造装置1とは、正極側冶具AAの代わりに正極側冶具CCを備える点と、負極側冶具BBの代わりに負極側冶具DDを備える点と、で異なる。なお、電池製造装置1Bにおいて、電池製造装置1と同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0097】
正極側冶具CCは、正極集電体誘導部10Aおよび正極集電体矯正部20Aを備え、負極側冶具DDは、負極集電体誘導部30Aおよび負極集電体矯正部40Aを備える。
【0098】
正極集電体矯正部20Aは、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200が配置されるように、正極集電体200の位置ずれを矯正する。
【0099】
負極集電体矯正部40Aは、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300が配置されるように、負極集電体300の位置ずれを矯正する。
【0100】
正極集電体誘導部10Aは、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200を誘導する。この正極集電体誘導部10Aは、正極側誘導部11A、正極側挿入部12A、および正極側抜去部15を備える。
【0101】
正極側挿入部12Aは、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体矯正部20Aを挿入する。
【0102】
正極側誘導部11Aは、正極集電体矯正部20Aの一端に設けられ、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体矯正部20Aが挿入されている状態で、正極集電体200の端部に当接される。
【0103】
正極側抜去部15は、正極側誘導部11Aが正極集電体200の端部に当接されている状態で、正極集電体矯正部20Aを正極集電体矯正部20Aの他端側に引っ張って、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間から正極集電体矯正部20Aを抜去するとともに、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200を挿入する。
【0104】
負極集電体誘導部30Aは、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300を誘導する。この負極集電体誘導部30Aは、負極側誘導部31A、負極側挿入部32A、および負極側抜去部35を備える。
【0105】
負極側挿入部32Aは、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体矯正部40Aを挿入する。
【0106】
負極側誘導部31Aは、負極集電体矯正部40Aの一端に設けられ、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体矯正部40Aが挿入されている状態で、負極集電体300の端部に当接される。
【0107】
負極側抜去部35は、負極側誘導部31Aが負極集電体300の端部に当接されている状態で、負極集電体矯正部40Aを負極集電体矯正部40Aの他端側に引っ張って、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間から負極集電体矯正部40Aを抜去するとともに、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300を挿入する。
【0108】
以上の構成を備える電池製造装置1Bの動作について、図17から図22を用いて以下に詳述する。
【0109】
図17は、正極側誘導部11Aと正極集電体矯正部20Aとの関係と、負極側誘導部31Aと負極集電体矯正部40Aとの関係と、を示す図である。図17において、図2から13、15で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、上方に向かう向きをYプラス方向とし、紙面手前向きをZプラス方向とする。
【0110】
正極集電体矯正部20Aおよび負極集電体矯正部40Aのそれぞれは、Y方向に延在して長尺状に形成されており、それぞれの一端(Yプラス方向側の端部)には正極側誘導部11Aおよび負極側誘導部31Aのそれぞれが設けられている。
【0111】
電池製造装置1Bは、まず、図18、19に示すように、正極側挿入部12Aにより、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体矯正部20Aを挿入して、正極集電体矯正部20Aの一端に設けられた正極側誘導部11Aを、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間から突出させる。また、電池製造装置1Bは、負極側挿入部32Aにより、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体矯正部40Aを挿入して、負極集電体矯正部40Aの一端に設けられた負極側誘導部31Aを、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間から突出させる。
【0112】
図18は、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体矯正部20Aを挿入するとともに、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体矯正部40Aを挿入した状態を示す側面図である。図18において、図2から13、15、17で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、上方に向かう向きをYプラス方向とし、紙面手前向きをZプラス方向とする。
【0113】
なお、正極集電体200および負極集電体300の双方は、上述のように蓋部材400に固定されている。このため、正極集電体200と負極集電体300とが蓋部材400を介して一体に動くことになるので、正極側挿入部12Aおよび負極側挿入部32Aは、同一の構成となる。ただし、正極集電体200と負極集電体300とが、蓋部材400のような同一の部材に固定されていない場合には、正極集電体200と負極集電体300とがそれぞれ独立して動くことになるので、正極側挿入部12Aおよび負極側挿入部32Aは、互いに異なる構成となる。
【0114】
図19は、図18のC−C断面における断面図である。図19において、図2から13、15、17、18で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、紙面手前向きをYプラス方向とし、下方に向かう向きをZプラス方向とする。
【0115】
電池製造装置1Bは、次に、図20に示すように、正極集電体200のYマイナス方向の端部に正極側誘導部11Aを当接して正極集電体矯正部20Aにより正極集電体200を正極のタブ部113a、113bの間に配置する。このため、正極集電体矯正部20Aにより、正極集電体200の位置ずれが矯正され、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に向かって正極集電体200が延在することになる。
【0116】
また、電池製造装置1Bは、負極集電体300のYマイナス方向の端部に負極側誘導部31Aを当接して負極集電体矯正部40Aにより負極集電体300を負極のタブ部123a、123bの間に配置する。このため、負極集電体矯正部40Aにより、負極集電体300の位置ずれが矯正され、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に向かって負極集電体300が延在することになる。
【0117】
図20は、正極集電体200の端部に正極側誘導部11Aを当接して、正極集電体200を正極のタブ部間に挿入するとともに、負極集電体300の端部に負極側誘導部31Aを当接して、負極集電体300を負極のタブ部間に挿入する状態を示す側面図である。図20において、図2から13、15、17から19で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、上方に向かう向きをYプラス方向とし、紙面手前向きをZプラス方向とする。
【0118】
電池製造装置1Bは、次に、図21に示すように、正極側抜去部15により、正極集電体矯正部20Aを正極集電体矯正部20Aの他端側(Yマイナス方向側)に引っ張って、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間から正極集電体矯正部20Aを抜去する。このとき、正極集電体矯正部20Aの抜去とともに正極側誘導部11Aも抜去される。これによれば、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200が挿入されることになる。また、電池製造装置1Bは、負極側抜去部35により、負極集電体矯正部40Aを負極集電体矯正部40Aの他端側(Yマイナス方向側)に引っ張って、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間から負極集電体矯正部40Aを抜去する。このとき、負極集電体矯正部40Aの抜去とともに負極側誘導部31Aも抜去される。これによれば、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300が挿入されることになる。
【0119】
図21は、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間から正極集電体矯正部20Aを抜去するとともに、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間から負極集電体矯正部40Aを抜去した状態を示す側面図である。図21において、図2から13、15、17から20で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、上方に向かう向きをYプラス方向とし、紙面手前向きをZプラス方向とする。
【0120】
なお、正極集電体200および負極集電体300の双方は、上述のように蓋部材400に固定されている。このため、正極集電体200と負極集電体300とが蓋部材400を介して一体に動くことになるので、正極側抜去部15および負極側抜去部35は、同一の構成となる。ただし、正極集電体200と負極集電体300とが、蓋部材400のような同一の部材に固定されていない場合には、正極集電体200と負極集電体300とがそれぞれ独立して動くことになるので、正極側抜去部15および負極側抜去部35は、互いに異なる構成となる。
【0121】
電池製造装置1Bは、次に、図22に示すように、正極側誘導部11Aを正極集電体200から取り外すとともに、負極側誘導部31Aを負極集電体300から取り外す。これによれば、正極集電体矯正部20Aの一端への正極集電体200の当接と、負極集電体矯正部40Aの一端への負極集電体300の当接と、が解除されることになる。
【0122】
図22は、正極側誘導部11Aを正極集電体200から取り外すとともに、負極側誘導部31Aを負極集電体300から取り外した状態を示す側面図である。図22において、図2から13、15、17から21で示した方向に合わせて、右方に向かう向きをXプラス方向とし、上方に向かう向きをYプラス方向とし、紙面手前向きをZプラス方向とする。
【0123】
以上の電池製造装置1Bによれば、以下の効果を奏することができる。
【0124】
電池製造装置1Bは、正極集電体誘導部10Aにより、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200を誘導し、正極集電体矯正部20Aにより、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200が挿入されるように、正極集電体200の位置ずれを矯正する。このため、発電要素100を動かすことなく正極集電体200を正しい位置に配置して、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200を導くことができる。したがって、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200を容易に挿入することができる。
【0125】
また、電池製造装置1Bは、負極集電体誘導部30Aにより、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300を誘導し、負極集電体矯正部40Aにより、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300が挿入されるように、負極集電体300の位置ずれを矯正する。このため、発電要素100を動かすことなく負極集電体300を正しい位置に配置して、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300を導くことができる。したがって、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300を容易に挿入することができる。
【0126】
また、電池製造装置1Bは、正極側挿入部12Aにより、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体矯正部20Aを挿入する。また、正極側誘導部11Aを正極集電体矯正部20Aの一端に設け、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体矯正部20Aが挿入されている状態で正極集電体矯正部20Aにそって正極集電体200が正極のタブ部113a、113bとの間に挿入された後正極側抜去部15により正極集電体矯正部20Aを正極集電体矯正部20Aの他端側に引っ張って、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間から正極集電体矯正部20Aを抜去するとともに、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200を挿入する。このため、対に設けられた正極のタブ部113a、113bの間に正極集電体200を容易に挿入することができる。
【0127】
また、電池製造装置1Bは、負極側挿入部32Aにより、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体矯正部40Aを挿入する。また、負極側誘導部31Aを負極集電体矯正部40Aの一端に設け、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体矯正部40Aが挿入されている状態で負極集電体矯正部40Aにそって負極集電体300が負極のタブ部123a、123bとの間に挿入された後負極側抜去部35により負極集電体矯正部40Aを負極集電体矯正部40Aの他端側に引っ張って、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間から負極集電体矯正部40Aを抜去するとともに、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300を挿入する。このため、対に設けられた負極のタブ部123a、123bの間に負極集電体300を容易に挿入することができる。
【0128】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計なども含まれる。
【0129】
例えば、上述の各実施形態では、1つの発電要素100に、正極110および負極120がそれぞれ4つずつ設けられているものとしたが、4つに限らず、例えば3つや6つあるいはそれ以上であってもよい。
【0130】
また、上述の各実施形態では、1つの電池ケース内に、発電要素100が4つ積層して配置されるものとしたが、4つに限らず、例えば3つや6つあるいはそれ以上を積層して配置されるものとしてもよい。
【0131】
また、上述の各実施形態では、いわゆる積層型のリチウムイオン二次電池を例に説明したが、これに限らず、例えば扁平巻きのリチウムイオン二次電池であってもよい。
【0132】
また、上述の第1実施形態では、正極集電体矯正部20は、正極集電体200に嵌合させるものとしたが、これに限らず、正極集電体200を把持といった方法で固定してもよい。
【0133】
また、上述の第3実施形態では、正極側誘導部11Aを正極集電体200に当接するものとしたが、当接するに際しては、例えば、正極集電体200のコの字形の凹部に正極側誘導部11Aを嵌合させたり、正極側誘導部11Aで正極集電体200を把持させたりしてもよい。正極集電体200のコの字形の凹部に正極側誘導部11Aを嵌合させることで、正極側誘導部11Aを正極集電体200に固定する場合には、正極側誘導部11Aのうち、正極集電体矯正部20Aに接している端部(Yマイナス方向側の端部)を基端部とし、基端部と対向する端部(Yプラス方向側の端部)を先端部とすると、正極側誘導部11Aの先端部は、正極側誘導部11Aの基端部と比べて細く形成されていることが好ましい。これによれば、正極集電体200のコの字形の凹部に正極側誘導部11Aを嵌合させる際に、正極集電体200のコの字形の凹部に正極側誘導部11Aを入り込みやすくすることができる。負極側誘導部31Aについても、上述の正極側誘導部11Aと同様にして負極集電体300に固定することとしてもよい。
【0134】
また、上述の第2実施形態では、正極集電体誘導部10に正極側除去部14を設けるものとした。しかし、これに限らず、正極側除去部14としての機能を正極側取り外し部13に組み込んで、正極集電体誘導部10に正極側除去部14を設けないこととしてもよい。また、負極側除去部34についても、正極側除去部14と同様に、負極側除去部34としての機能を負極側取り外し部33に組み込んで、負極集電体誘導部30に負極側除去部34を設けないこととしてもよい。
【符号の説明】
【0135】
1、1A、1B;電池製造装置
10、10A;正極集電体誘導部
11、11A;正極側誘導部
12、12A;正極側挿入部
13;正極側取り外し部
14;正極側除去部
15;正極側抜去部
20、20A;正極集電体矯正部
30、30A;負極集電体誘導部
31、31A;負極側誘導部
32、32A;負極側挿入部
33;負極側取り外し部
34;負極側除去部
35;負極側抜去部
40、40A;負極集電体矯正部
100、100a、100b;発電要素
110;正極
113、113a、113b;正極のタブ部
120;負極
123、123a、123b;負極のタブ部
200;正極集電体
300;負極集電体
400;蓋部材
AA、CC;正極側冶具
BB、DD;負極側冶具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22