特許第6455003号(P6455003)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6455003
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】植物栽培室
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20190110BHJP
   A01G 9/02 20180101ALI20190110BHJP
【FI】
   A01G7/00 601Z
   A01G9/02 B
   A01G7/00 601A
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-148169(P2014-148169)
(22)【出願日】2014年7月18日
(65)【公開番号】特開2016-21918(P2016-21918A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2017年6月9日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】上田 博嗣
(72)【発明者】
【氏名】下山 真人
(72)【発明者】
【氏名】末田 香恵
(72)【発明者】
【氏名】溝田 陽子
(72)【発明者】
【氏名】山本 彰
(72)【発明者】
【氏名】高橋 真一
【審査官】 田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−180158(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0000162(US,A1)
【文献】 米国特許第06477805(US,B1)
【文献】 特開2011−045282(JP,A)
【文献】 特開2005−295955(JP,A)
【文献】 特開平06−153719(JP,A)
【文献】 実開平06−072344(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/00,9/00−9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に延びる複数の栽培床を、空間をおいて2次元的に配置する植物栽培室であって、
前記栽培床の鉛直面には、植物が植えられる複数の培地が配置され、
前記栽培床の上方に、前記栽培床の延在方向と対向させて送風ファンを設け
前記栽培床の間に、前記栽培床と並行して鉛直方向に延在させ、前記植物に対して人工光を照射する照明部を、前記植物栽培室の床に立設させ、
前記送風ファンは、複数の前記栽培床及び複数の前記照明部の上方を覆う大きさであることを特徴とする植物栽培室。
【請求項2】
天井を正方形状としたことを特徴とする請求項1に記載の植物栽培室。
【請求項3】
前記送風ファンは、天井の中心に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の植物栽培室。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛直面において植物を栽培するための植物栽培室に関する。
【背景技術】
【0002】
室内において人工光を用いて、野菜等の植物の育成が行なわれている。この場合、植物を植え付けた栽培床を地面と水平に配置し、複数階層の棚状に重ねて設置することが多い。
【0003】
ここで、生育のばらつきを抑制するために、棚を移動可能な多段のラック式とし、各セルトレイ間の空間に任意の環境に制御可能な空気を流す技術が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この文献に記載の技術では、棚のフレームに固定されかつセルトレイ間の空間に向けられたダクトと、ダクトに空気を送る送風ファンとを用いて、気流方向が変更可能な空気流を作っている。
【0004】
更に、生育のばらつきを抑制するために、栽培床毎に、上部に照明を取り付けることがある。この場合、階層毎の照明の配置空間が必要となり、空間の利用効率が悪い。従って、この栽培方式では、土地面積に対する収穫効率の低下を招く。
【0005】
そこで、収穫効率を向上させるために、鉛直に配置された栽培パネルを用いる技術が検討されている(例えば、特許文献2参照。)。この文献に記載の技術においては、パネル面に対して約20〜50度の角度を有したポット受孔を設けた育成パネルを垂直に多段に構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−113419号
【特許文献2】国際公開第WO00/44220号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
植物の適正な生育を促すためには、植物栽培室内の温度を適切に管理することも必要である。そこで、植物栽培室において冷暖房等の空気調整が行なわれている。この場合、冷気、暖気の流れにより、植物栽培室内で温度勾配が生じる。これにより、植物の生育にばらつきが生じることがある。特に、特許文献2に示すように、植物を植える培地を鉛直方向に並べた栽培床においては、同じ栽培床における植物の生育状態のばらつきが問題となる。
【0008】
本発明は、鉛直方向に延びる栽培床においても、温度むらを低減して、植物の生育のばらつきを抑制するための植物栽培室を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する植物栽培室は、鉛直方向に延びる複数の栽培床を、空間をおいて2次元的に配置する植物栽培室であって、前記栽培床の鉛直面には、植物が植えられる複数の培地が配置され、前記栽培床の上方に、前記栽培床の延在方向と対向させて送風ファンを設ける。この構成によれば、送風ファンによって、冷気及び暖気が攪拌されて、植物栽培室における温度むらを低減し、植物の生育状態のばらつきを抑制することができる。
【0010】
上記植物栽培室において、天井を正方形状とすることが好ましい。この構成によれば、1つの送風ファンを用いて、植物栽培室内の温度むらを低減することができる。
上記植物栽培室において、前記送風ファンは、天井の中心に設けることが好ましい。この構成によれば、シーリングファンを用いて、植物栽培室内の温度むらを低減することができる。
【0011】
上記植物栽培室において、前記送風ファンは、複数の前記栽培床の上方を覆う大きさであることが好ましい。植物栽培室の温度むらを、更に低減することができる。
上記植物栽培室において、前記栽培床の間に、前記植物に対して人工光を照射する照明部を配置し、前記照明部は、前記栽培床と並行して鉛直方向に延在させることが好ましい。この構成によれば、効率的な日照とともに、植物栽培室内の温度むらを低減することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、鉛直方向に延びる栽培床を配置した場合においても、温度分布のむらを軽減して、植物の生育状態のばらつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態における植物栽培室の構成を説明する斜視図。
図2】本実施形態における植物栽培室の構成を説明する上面図。
図3】植物栽培室の送風ファンを動作させたときのシミュレーション結果の等温線図であり、(a)は図2のa−a線方向に沿った断面図、(b)は図2のb−b線方向に沿った断面図。
図4】植物栽培室の送風ファンを動作させたときのシミュレーション結果であり、地面からの所定高さにおける水平面における温度変化を示す。
図5】送風ファンを動作させなかったときの植物栽培室のシミュレーション結果であり、(a)は図2のa−a線方向に沿った断面図、(b)は図2のb−b線方向に沿った断面図。
図6】送風ファンを動作させなかったときの植物栽培室のシミュレーション結果であり、地面からの所定高さにおける水平面における温度変化を示す。
図7】植物栽培室の送風ファンを動作させたときのシミュレーション結果の等温線図であり、(a)は植物栽培室の構成を説明する上面図、(b)は、(a)におけるb−b線方向に沿った断面図、(c)は(a)におけるc−c線方向に沿った断面図。
図8】植物栽培室の送風ファンを動作させたときのシミュレーション結果であり、地面からの所定高さにおける水平面における温度変化を示す。
図9】植物栽培室の送風ファンを動作させたときのシミュレーション結果の等温線図であり、(a)は植物栽培室の構成を説明する上面図、(b)は、(a)におけるb−b線方向に沿った断面図、(c)は(a)におけるc−c線方向に沿った断面図。
図10】植物栽培室の送風ファンを動作させたときのシミュレーション結果であり、地面からの所定高さにおける水平面における温度変化を示す。
図11図1の植物栽培面積を2倍にした植物栽培室の構成を説明する上面図。
図12】植物栽培室の送風ファンを動作させたときのシミュレーション結果の等温線図であり、(a)は図11におけるa−a線方向に沿った断面図、(b)は図11におけるb−b線方向に沿った断面図。
図13】植物栽培室の送風ファンを動作させたときのシミュレーション結果の等温線図であり、(a)は図11におけるa−a線方向に沿った断面図、(b)は図11におけるb−b線方向に沿った断面図。
図14】植物栽培室の送風ファンを動作させたときのシミュレーション結果の等温線図であり、(a)は図11におけるa−a線方向に沿った断面図、(b)は図11におけるb−b線方向に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1図14を用いて、植物栽培室の一実施形態を説明する。
本実施形態では、図1に示す植物栽培室20を用いる。図1は、植物栽培室20の斜視図である。図1に示すように、本実施形態の植物栽培室20は、水平面が正方形をした直方体形状をしている。例えば、縦横4m、高さ3m程度の大きさの植物栽培室20を用いることができる。
【0015】
図2は、植物栽培室20の上面図である。植物栽培室20の天井には、吹出口21及び吸込口22が形成されている。更に、植物栽培室20には、この植物栽培室20の温度を測定する温度計(図示せず)と、温度調整を行なう空気調整機(図示せず)とが設けられている。吹出口21は、空気調整機からの冷気及び暖気を植物栽培室20に供給する吸気部である。吸込口22は、植物栽培室20の空気を排出する排気部である。本実施形態では、吹出口21及び吸込口22は、それぞれ所定の間隔をおいて2つずつ植物栽培室20に設けられている。具体的には、吹出口21と吸込口22は、植物栽培室20を左右に分ける中心線に対して線対称となる位置に配置されている。
【0016】
植物栽培室20の天井には、送風ファンとしてシーリングファン41が設けられている。このシーリングファン41は、植物栽培室20の天井の中心に配置される。本実施形態では、直径1200mmのシーリングファン41を、高さ2.75mの位置に設ける場合を想定する。このシーリングファン41は、冷房時の送風方向と暖房時の送風方向を切り替えることができる。
【0017】
図1に示すように、植物栽培室20内には、複数の栽培床30が、縦横に所定の間隔で配置されている。本実施形態において、栽培床30は、円筒形状であり、鉛直方向に延びており、その高さは、2.5mである。栽培床30の内部には、流路(図示せず)が形成されている。この流路は、培養液タンク(図示せず)に接続されている。この培養液タンクから、栽培床30の内部の流路に培養液が供給される。また、栽培床30の外周面(鉛直面)には、培地31を取り付けるための複数の孔が形成されている。この複数の孔は、栽培床30の内部の流路に連通している。培地31は、植物32が植えられている。このため、栽培床30の孔に培地31が取り付けられた場合には、培地31の植物32に培養液が供給される。
【0018】
更に、植物栽培室20には、鉛直方向に延びる柱状を有する複数の照明装置35が配置されている。この照明装置35は、隣接する4つの栽培床30に囲まれた空間の中心に配置されている。この照明装置35は、栽培床30と並行となるように立設されている。この照明装置35は、例えばLEDから構成されており、植物32に対して人工光を照射する照明部として機能する。なお、本実施形態では、照明装置35の高さは、栽培床30と同様に、2.5mの場合を想定する。
【0019】
次に、以上のような構成の植物栽培室20における作用について説明する。
本実施形態の植物栽培室20を利用する場合には、植物栽培室20の室温が一定となるように、空気調整機を稼働させる。更に、シーリングファン41を回転させる。
【0020】
ここで、図3及び図4に、植物栽培室20の温度分布についてシミュレーションした結果を示す。ここでは、室温が摂氏20度で、各吹出口21から摂氏16度の冷気を0.07m/sで流入させ、シーリングファン41の攪拌風量を0.5回/h相当とした場合を示す。
【0021】
図3(a)は、図2に示した植物栽培室20のa−a線方向の断面図における等温線図であり、図3(b)は、b−b線方向の断面図における等温線図である。図3においては、温度が低い部分は濃く、温度が高い部分は薄く表示されており、濃淡が明確な部分は、温度差が大きいことを示している。
【0022】
更に、図4は、上記条件での各高さ(地上から0.5m、1.0m、1.5m、2.0m、2.5m)における水平面内における温度を示している。この図においては、摂氏20.2度以下では、濃淡により温度を示している。なお、照明装置35に対応する部分は、濃い色をしているが、この部分のみ摂氏21度以上になっている。
【0023】
図5は、シーリングファン41を動作させなかった植物栽培室における比較例である。図5(a)は、図2と同様に、植物栽培室20のa−a線方向の断面における等温線図であり、図3(a)に対応する。図5(b)は、図2と同様に、植物栽培室20のb−b線方向の断面における等温線図であり、図3(b)に対応する。
また、図6は、シーリングファン41を動作させなかった植物栽培室の温度分布の高さ依存性を示す。この図6は、図4に対応する。
【0024】
ここでは、植物栽培室の中央付近の温度分布を比較する。図5に示す温度分布に対して、図3に示す温度分布は濃淡が少ない。また、図4においては各高さの温度分布が類似したパターンになっているが、図6においては高低によって温度分布のパターンが異なる。従って、シーリングファン41を動作させた場合の温度分布(図3図4)は、動作させなかった場合の温度分布(図5図6)に比べて、高さ方向の温度勾配が少ない。このことから、シーリングファン41を動作させた場合には、植物栽培室20の温度むらを低減することができる。
【0025】
また、シーリングファン41の攪拌風量を変更した場合の植物栽培室20の温度分布についてシミュレーションも行なった。具体的には、攪拌風量を、0.5回/h相当、1回/h相当、3回/h相当、7.5回/h相当、37.5回/h相当と変更した。その結果、攪拌風量を変更した場合にも、温度分布には違いはないという知見が得られた。
【0026】
次に、図7図10を用いて、シーリングファンのサイズを変更したシミュレーションを説明する。
まず、図7(a)には、植物栽培室20の天井の中央に、直径2000mmのシーリングファン42を設けた構成を示している。
【0027】
図7(b)、図7(c)及び図8は、シーリングファン42を、シーリングファン41と同じ条件で解析した場合の温度分布についてシミュレーション結果である。図7(b)及び図7(c)は、それぞれ、図7(a)におけるb−b線方向、c−c線方向の断面における等温線図である。
【0028】
更に、図8は、この場合の所定高さ(地上から0.5m、1.0m、1.5m、2.0m、2.5m)における水平面内における温度を示しており、図4と同様に、摂氏20.2度以下では、濃淡により温度を示している。
更に、図9(a)には、植物栽培室20の天井の中央に、直径3000mmのシーリングファン43を設けた構成を示している。
【0029】
図9(b)、図9(c)及び図10は、シーリングファン43を、シーリングファン41と同じ条件で解析した場合の温度分布についてシミュレーション結果である。図9(b)及び図9(c)は、それぞれ、図9(a)におけるb−b線方向、c−c線方向の断面における等温線図である。
【0030】
更に、図10は、この場合の所定高さ(地上から0.5m、1.0m、1.5m、2.0m、2.5m)における水平面内における温度を示しており、図4図8と同様に、摂氏20.2度以下では、濃淡により温度を示している。
【0031】
図7図10に示すように、シーリングファンの径を大きくするほど、濃淡は少なくなり、植物栽培室20の分布むらを軽減できることがわかる。
【0032】
また、図11は、上述した植物栽培室20に対して、一辺を2倍にした植物栽培室50の構成を示している。また、図12図14は、この植物栽培室50におけるシミュレーション結果を示している。
図11に示すように、この植物栽培室50は、縦4m、横8m、高さ3m程度の大きさをしている。
この植物栽培室50は、吹出口21及び吸込口22を4つ設けて、各吹出口21から摂氏16度の冷気を0.07m/sで流入させている。更に、植物栽培室50の天井の中央には、シーリングファン41が設けられている。
【0033】
図12は、直径1200mmのシーリングファン41を設けた場合の植物栽培室50の温度分布についてのシミュレーション結果を示している。
図13は、直径2000mmのシーリングファン42を植物栽培室50の天井の中央に設けた場合のシミュレーション結果を示している。
図14は、直径3000mmのシーリングファン43を植物栽培室50の天井の中央に設けた場合のシミュレーション結果を示している。
【0034】
ここで、図12(a)、図13(a)、図14(a)は、図11の植物栽培室50におけるa−a線方向の断面における等温線図である。図12(b)、図13(b)、図14(b)は、図11の植物栽培室50におけるb−b線方向の断面における等温線図である。
これら等温線図においても、シーリングファンの径を大きくするほど、植物栽培室50の温度むらを軽減できることがわかる。
【0035】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、鉛直方向に延びる栽培床30が縦横に空間をおいて配置された植物栽培室20の天井に、シーリングファン41,42,43を設ける。これにより、シーリングファン41,42,43によって、冷気及び暖気が攪拌されて、植物栽培室20における温度むらを軽減することができ、植物の生育状態のばらつきを抑制することができる。
【0036】
(2)本実施形態の植物栽培室20は、水平面が正方形の直方体形状をしている。更に、シーリングファン41,42,43は、植物栽培室20の天井の中心に設ける。これにより、1つのシーリングファン41,42,43で、植物栽培室20内の温度むらを効率的に軽減することができる。
【0037】
(3)本実施形態の植物栽培室20には、植物栽培室20に配置可能な大きさのシーリングファン41,42,43のうち、直径が大きいシーリングファン43を設けることが好ましい。これにより、植物栽培室20内の温度むらを、より軽減することができる。
【0038】
(4)本実施形態の植物栽培室20には、栽培床30の間に、栽培床30と並立させて鉛直方向に延びる柱状の照明装置35を設ける。これにより、照明装置35が栽培床30間に配置されている場合においても、効率的に植物栽培室20内の温度むらを低減することができる。
【0039】
また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態においては、植物栽培室20,50は、円柱形状をした栽培床30を配置した。植物栽培室20,50に配置される栽培床30は、鉛直方向に延在可能な形状であればよい。例えば、多角柱や平面パネル状のものを用いることができる。
【0040】
・上記実施形態においては、直方体形状の植物栽培室20,50を用いた。鉛直方向に延在している栽培床が空間をおいて複数配置されている植物栽培室20,50であれば、植物栽培室20,50の形状はこれに限定されない。例えば、上部が三角錐形状になった植物栽培室であってもよい。
【0041】
・上記実施形態では、植物栽培室20,50において、縦横に所定の間隔で、複数の栽培床30を配置した。栽培床30の配置は、同じ間隔に限定されるものではない。例えば、植物栽培室20,50の中央領域のみに配置するようにしてもよい。この場合、植物栽培室20,50の周囲領域には、栽培床30と同じ形状のダミー柱を配置する。これにより、温度分布のむらが少ない領域のみを利用することができる。
【0042】
・上記実施形態では、植物栽培室20,50の天井の中心に、シーリングファン41,42,43を配置した。シーリングファン41,42,43の数は一つに限定されるものではない。複数のシーリングファンを同じ間隔で配置するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
20,50…植物栽培室、21…吹出口、22…吸込口、30…栽培床、31…培地、32…植物、35…照明装置、41,42,43…シーリングファン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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