(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1の車両用灯具は、投影レンズの出射面が非球面をなすものである。すなわち、投影レンズの出射面の横断面の形状と投影レンズの出射面の縦断面の形状とが、同じ非球面形状である。このために、投影レンズの出射面から出射される光が横断面と縦断面とにおいて平行光とされる。この結果、特許文献1の車両用灯具は、光を横方向(左右方向、水平方向)に拡散させる車両用灯具特有の配光パターン(いわゆる、幅広の配光パターン)を形成するのには課題がある。すなわち、特許文献1の車両用灯具では、光を横方向に拡散させる配光パターンを形成するのには、投影レンズを大型化する必要がある。
【0005】
ここで、左右方向に長尺な配光パターンを形成する車両用灯具(たとえば、特許文献2)について説明する。特許文献2の車両用灯具は、プロジェクタタイプの車両用灯具ではなく、ダイレクトプロジェクション型の車両用灯具であって、LEDと、投影レンズと、を備えるものである。そして、投影レンズは、中央部の第一配光制御部と、左右両側の第二配光制御部と、からなっていて、出射面の横断面の形状と出射面の縦断面の形状とが異なっている。このために、特許文献2の車両用灯具は、LEDから放射状に出射された光が、縦断面では平行光とされ、横断面では左右方向に拡散されて、左右方向に長尺な配光パターンが形成される。
【0006】
しかしながら、特許文献2の車両用灯具は、ダイレクトプロジェクション型の車両用灯具である。このために、LEDからの直射光は、投影レンズの中央部の第一配光制御部の入射面と投影レンズの左右両側の第二配光制御部の入射面とにそれぞれ入射する。第二配光制御部の入射面に入射した入射光は、横断面において、第二配光制御部の出射面から光軸に近づくように出射する。これにより、特許文献2の車両用灯具は、左右方向にさらに長尺な配光パターンを形成するには課題がある。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、従来の車両用灯具では、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンを形成するのには課題がある、という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発
明は、楕円を基調とする反射面を有するリフレクタと、反射面の第1焦点もしくはその近傍に配置されている光源と、反射面からの反射光を出射面から外部に出射させる投影レンズと、を備え、投影レンズの出射面の横断面の形状が、光の出射方向側に突出した凸曲線形状をなし、投影レンズの出射面の縦断面の形状が、非球面もしくはほぼ非球面の断面線形状をなす、ことを特徴とする。
【0009】
この発
明は、楕円を基調とする反射面を有するリフレクタと、反射面の第1焦点もしくはその近傍に配置されている光源と、反射面からの反射光を出射面から外部に出射させる投影レンズと、を備え、投影レンズの出射面の横断面の形状が、非球面もしくはほぼ非球面の断面線形状をなし、投影レンズの出射面の縦断面の形状が、非球面もしくはほぼ非球面の断面線形状をなし、投影レンズの横断面の後側焦点距離が、投影レンズの縦断面の後側焦点距離よりも長い、ことを特徴とする。
【0010】
この発
明は、楕円を基調とする反射面を有するリフレクタと、反射面の第1焦点もしくはその近傍に配置されている光源と、反射面からの反射光を出射面から外部に出射させる投影レンズと、を備え、投影レンズの出射面の横断面の形状が、光の出射方向側に突出した凸曲線形状と非球面もしくはほぼ非球面の断面線形状とを組み合わせた形状をなし、中央部が非球面もしくはほぼ非球面の断面線形状をなし、両側部が光の出射方向側に突出した凸曲線形状をなし、投影レンズの出射面の縦断面の形状が、非球面もしくはほぼ非球面の断面線形状をなす、ことを特徴とする。
【0011】
この発
明は、投影レンズの出射面から出射される光が、横断面において、相互に交差しないで横方向に拡散される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発
明の車両用灯具は、投影レンズの出射面の横断面の形状が光の出射方向側に突出した凸曲線形状をなす。この結果、この発
明の車両用灯具は、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンを確実に形成することができる。
【0013】
この発
明の車両用灯具は、投影レンズの出射面の横断面の形状と投影レンズの出射面の縦断面の形状とが非球面の断面線形状をなし、投影レンズの横断面の後側焦点距離が投影レンズの縦断面の後側焦点距離よりも長い。この結果、この発
明の車両用灯具は、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンを確実に形成することができる。
【0014】
この発
明の車両用灯具は、投影レンズの出射面の横断面の形状が、光の出射方向側に突出した凸曲線形状と非球面の断面線形状とを組み合わせた形状をなし、中央部が非球面の断面線形状をなし、両側部が光の出射方向側に突出した凸曲線形状をなす。この結果、この発
明の車両用灯具は、配光パターンの中央部の光度(集光度)を確保しつつ、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンを確実に形成することができる。
【0015】
しかも、この発
明の車両用灯具は、プロジェクタタイプの車両用灯具である。このために、光源からの光であってリフレクタの反射面で反射された反射光は、投影レンズの入射面に入射する。その入射光は、投影レンズの出射面から、横断面において、横方向に拡散された出射光として出射する。これにより、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンを確実に形成することができる。
【0016】
この発
明の車両用灯具は、投影レンズの出射面から出射される光が、横断面において、相互に交差しないで横方向に拡散される。これにより、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンを確実に形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、この発明にかかる車両用灯具の実施形態(実施例)の2例および変形例の1例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態および変形例によりこの発明が限定されるものではない。
図1〜
図3、
図5において、投影レンズのハッチングを省略してある。
図4において、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示す。符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。この明細書において、前、後、上、下、左、右とは、この発明にかかる車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。
【0019】
(実施形態1の構成の説明)
図1〜
図4は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態1を示す。以下、この実施形態1における車両用灯具の構成について説明する。この例は、たとえば、自動車用前照灯のヘッドランプについて説明する。
【0020】
(車両用灯具1の説明)
図2、
図3において、符号1は、この実施形態1における車両用灯具である。前記車両用灯具1は、車両の前部の左右両側にそれぞれ搭載されている。前記車両用灯具1は、
図2、
図3に示すように、ランプハウジング(図示せず)と、ランプレンズ(図示せず)と、光源2と、投影レンズ3と、リフレクタ4と、を備える。前記光源2および前記投影レンズ3および前記リフレクタ4は、ヒートシンク部材と兼用の取付部材(図示せず)にそれぞれ取り付けられている。
【0021】
前記ランプハウジングおよび前記ランプレンズ(たとえば、素通しのアウターレンズなど)は、灯室(図示せず)を画成する。前記光源2および前記投影レンズ3および前記リフレクタ4は、プロジェクタタイプのランプユニットを構成する。前記ランプユニット2、3、4は、
図4に示すように、ロービーム配光パターンのうち、拡散配光パターンWPを照射するランプユニットである。
【0022】
前記ランプユニット2、3、4は、前記灯室内に配置されていて、かつ、上下方向用光軸調整機構(図示せず)および左右方向用光軸調整機構(図示せず)を介して前記ランプハウジングに取り付けられている。なお、前記灯室内には、図示されていないが、ロービーム配光パターンのうち、集光配光パターンSPを照射するランプユニット、ハイビーム照射ランプユニット、ADB照射ランプユニット、フォグランプ、コーナリングランプ、クリアランスランプ、ターンシグナルランプ、オーバーヘッドサインランプ、デイタイムランニングランプなどの他のランプユニットが配置されている場合がある。
【0023】
前記拡散配光パターンWPは、
図4に示すように、上水平カットオフラインを有する。前記集光配光パターンSPは、
図4に示すように、下水平カットオフラインCL1と、斜めカットオフラインCL2と、上水平カットオフラインCL3と、エルボー点Eと、を有する。前記拡散配光パターンWPの前記上水平カットオフラインは、前記集光配光パターンSPの前記下水平カットオフラインCL1とほぼ同等の位置もしくは若干下方の位置に位置する。
【0024】
(リフレクタ4の説明)
前記リフレクタ4は、たとえば、樹脂部材や金属製ダイカスト(アルミダイカスト)などの耐熱性が高くかつ光不透過性の材料からなる。前記リフレクタ4は、前側部分および下側部分が開口し、かつ、後側部分および上側部分および左右両側部分が閉塞した中空形状をなす。前記リフレクタ4の閉塞部分の凹内面には、回転楕円面(楕円)を基本(基調)とした自由曲面からなる反射面40が設けられている。
【0025】
前記反射面40は、自由曲面から構成されている。このために、前記反射面40の第1焦点F1および第2焦点(もしくは第2焦線)F2においては、厳密な意味での単一の焦点を有していないが、複数の反射面相互の焦点距離の差異が僅少であり、ほぼ同一の焦点を共有している。そこで、この明細書および図面においては、ただ単に第1焦点および第2焦点と称する。前記反射面40においては、前記第1焦点F1と前記第2焦点F2とを結ぶ光軸Zを有する。前記反射面40は、前記光源2からの光を反射光L1、L2として前記投影レンズ3側に反射させるものである。なお、前記反射面40は、自由曲面から構成されているので、
図2に示すように、前記反射面40からの前記反射光L1、L2のうちの一部L1は、前記第2焦点F2もしくはその近傍を通過しない場合がある。
【0026】
(光源2の説明)
前記光源2は、この例では、半導体型光源であって、LED、OELまたはOLED(有機EL)などの自発光半導体型光源を使用する。前記光源2は、光を放射する発光面を有する発光部と、基板部と、から構成されている。前記光源2の前記発光部の前記発光面は、前記リフレクタ4の前記反射面40の前記第1焦点F1もしくはその近傍に位置する。前記光源2の前記発光部の前記発光面は、前記リフレクタ4の前記反射面40に対向する。
【0027】
(投影レンズ3の説明)
前記投影レンズ3は、たとえば、PC材、PMMA材、PCO材などの樹脂製のレンズからなるものである。すなわち、前記光源2から放射される光は、高い熱を持たないので、前記投影レンズ3として樹脂製のレンズを使用することができる。
【0028】
前記投影レンズ3は、前記光源2からの光であって、所定の配光パターンこの例では前記拡散配光パターンWPを、外部すなわち車両の前方に照射(投影)する。前記投影レンズ3は、後面の入射面30と、前面の出射面31、31H、31Vと、フランジ部32と、側面33と、から構成されている。
【0029】
前記出射面31、31Hの横断面の形状は、
図1(B)、
図2、
図3に示すように、光(出射光L3、L4)の出射方向側(前側)に突出した凸曲線形状、すなわち、RもしくはほぼRをなす。前記出射面31、31Vの縦断面の形状は、
図1(C)、
図3中の二点鎖線に示すように、非球面もしくはほぼ非球面の断面線形状をなす。
【0030】
前記出射面31、31H、31Vは、横断面の形状が凸曲線形状(RもしくはほぼR)となるように、また、縦断面の形状が非球面もしくはほぼ非球面の断面線形状となるように、スイープされた表面形状をなすものである。
【0031】
前記入射面30は、前記リフレクタ4の前記反射面40と対向する。前記入射面30は、平面もしくはほぼ平面をなす。前記フランジ部32は、前記入射面30の全周縁に鍔状に一体に設けられている。前記側面33は、横断面における前記出射面31Hと前記フランジ部32との間に設けられている。
【0032】
前記投影レンズ3の後側焦点(物空間側の焦点面であるメリジオナル像面)FVは、前記反射面40の前記第2焦点F2に一致もしくはほぼ一致する。前記投影レンズ3は、後側焦点距離Aを有する。前記投影レンズ3の光軸(レンズ軸)Zは、前記反射面40の前記光軸Zと一致もしくはほぼ一致する。
【0033】
なお、図面では、省略したが、前記反射面40の前記第2焦点F2および前記投影レンズ3の前記後側焦点FVもしくはその近傍には、シェードが配置されている。前記シェードは、前記反射面40からの前記反射光L1、L2の一部をカットオフして前記拡散配光パターンWPを形成するものである。前記シェードには、前記拡散配光パターンWPの前記上水平カットオフラインを形成するエッジが、設けられている。
【0034】
(実施形態1の作用の説明)
この実施形態1における車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0035】
光源2を点灯発光させる。すると、光源2から放射された光は、リフレクタ4の反射面40で投影レンズ3側に反射する。その反射光L1、L2は、投影レンズ3の入射面30から投影レンズ3中に入射する。その入射光は、投影レンズ3の出射面31、31H、31Vから出射光L3、L4として、外部すなわち車両の前方に照射される。
【0036】
ここで、横断面における出射面31、31Hからの出射光L3、L4は、光軸Zに対して横方向(左右方向、水平方向)に拡散されている。たとえば、出射光L3は、光軸Zに対して横方向(右方向)に角度θB°分拡散されている。このために、投影レンズ3の出射面31から出射される光(出射光L3、L4)は、横断面において、相互に交差しないで横方向に拡散される。なお、縦断面における出射面31、31Vからの出射光(図示せず)は、光軸Zに対して、平行もしくはほぼ平行に、あるいは、縦方向(上下方向、垂直方向)に若干拡散されている。
【0037】
この出射光L3、L4は、横方向に拡散された拡散配光パターンWP(いわゆる、幅広の配光パターン)を形成する。この拡散配光パターンWPは、集光配光パターンSPと共に、ロービーム配光パターンを構成する。
【0038】
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態1における車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0039】
この実施形態1における車両用灯具1は、投影レンズ3の出射面31、31Hの横断面の形状が光の出射方向側に突出した凸曲線形状をなすので、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンすなわち拡散配光パターンWPを確実に形成することができる。
【0040】
ここで、投影レンズ3の出射面31、31Hの横断面の形状が、
図3中の二点鎖線にて示すように、出射面31、31Vの縦断面の形状と同様に、非球面もしくはほぼ非球面の断面線形状の場合について説明する。この場合における投影レンズ3の出射面31、31Vからの出射光L5、L6は、この実施形態1における車両用灯具1の投影レンズ3の出射面31、31Hからの出射光L3、L4と比較して、光軸Z側に寄っている。たとえば、出射光L5は、光軸Zに対して横方向(右方向)に角度θA°分拡散されている。この角度θA°は、前記の角度θB°よりも小さい。このために、この場合における投影レンズ3の出射面31からの出射光L5、L6は、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンすなわち拡散配光パターンWPを確実に形成することが難しい。
【0041】
これに対して、この実施形態1における車両用灯具1は、投影レンズ3の出射面31、31Hの横断面の形状が光の出射方向側に突出した凸曲線形状をなす。この凸曲線形状の出射面31、31Hは、
図3中の実線および二点鎖線に示すように、非球面もしくはほぼ非球面の出射面31、31Vよりも、光の照射方向側(前側)に突出している。このために、凸曲線形状の出射面31、31Hからの出射光L3、L4は、非球面もしくはほぼ非球面の出射面31、31Vからの出射光L5、L6と比較して、光軸Zに対して横方向に拡散されて出射する。これにより、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンすなわち拡散配光パターンWPを確実に形成することができる。
【0042】
しかも、この実施形態1における車両用灯具1は、プロジェクタタイプの車両用灯具である。このために、光源2からの光であってリフレクタ4の反射面40で反射された反射光L1、L2は、投影レンズ3に入射する。その入射光は、投影レンズ3の出射面31、31H、31Vから、横断面において、横方向に拡散された出射光L3、L4として出射する。これにより、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンすなわち拡散配光パターンWPを確実に形成することができる。
【0043】
この実施形態1における車両用灯具1は、投影レンズ3の出射面31、31H、31Vからの出射光L3、L4が、光軸Zに対して横方向に拡散されている。このために、投影レンズ3の出射面31、31H、31Vから出射される出射光L3、L4は、横断面において、相互に交差しないで横方向に拡散される。これにより、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンすなわち拡散配光パターンWPを確実に形成することができる。
【0044】
(変形例の構成、作用、効果の説明)
図3中の二点鎖線は、この発明にかかる車両用灯具の変形例を示す。以下、この変形例にかかる車両用灯具について説明する。
【0045】
前記の実施形態1の車両用灯具1は、
図1(B)、
図2、
図3に示すように、投影レンズ3の出射面31、31Hの横断面の形状が、光(出射光L3、L4)の出射方向側(前側)に突出した凸曲線形状をなすものである。これに対して、この変形例にかかる車両用灯具は、
図3中の二点鎖線に示すように、投影レンズ3の出射面31、31Vの横断面形状が、
図1(C)に示す出射面31、31Vの縦断面の形状と同様に、非球面もしくはほぼ非球面の断面線形状をなすものである。なお、この変形例にかかる車両用灯具の投影レンズ3の出射面の縦断面の形状は、前記の実施形態1の車両用灯具1の投影レンズ3の出射面31、31Vの縦断面の形状と同様に、非球面もしくはほぼ非球面の断面線形状をなす。
【0046】
また、この変形例にかかる車両用灯具は、
図3中の二点鎖線に示す投影レンズ3の横断面の出射面31、31Vの後側焦点FHが、
図1(C)に示す投影レンズ3の縦断面の出射面31、31Vの後側焦点FVよりも後側に位置する。このために、この変形例にかかる車両用灯具は、
図3中の二点鎖線に示す投影レンズ3の横断面の出射面31、31Vの後側焦点距離B(
図1(B)を参照)が、
図1(C)に示す投影レンズ3の縦断面の出射面31、31Vの後側焦点距離Aよりも長い。
【0047】
この変形例にかかる車両用灯具は、上記のごとき構成からなるので、前記の実施形態1の車両用灯具1とほぼ同様の作用、効果を達成することができる。すなわち、この変形例にかかる車両用灯具において、
図3中の二点鎖線に示す投影レンズ3の横断面の出射面31、31Vから出射される出射光は、前記の実施形態1の車両用灯具1の投影レンズ3の横断面の出射面31、31Hから出射される出射光L3、L4とほぼ同様に、光軸Zに対して横方向に拡散されて出射する。これにより、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンすなわち拡散配光パターンWPを確実に形成することができる。
【0048】
しかも、この変形例にかかる車両用灯具は、プロジェクタタイプの車両用灯具である。このために、光源2からの光であってリフレクタ4の反射面40で反射された反射光L1、L2は、投影レンズ3に入射する。その入射光は、
図3中の二点鎖線に示す投影レンズ3の横断面の出射面31、31Vから、横断面において、横方向に拡散された出射光(すなわち、前記の実施形態1の車両用灯具1における投影レンズ3の横断面の出射面31、31Hから出射される出射光L3、L4とほぼ同様の出射光)として出射する。これにより、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンすなわち拡散配光パターンWPを確実に形成することができる。
【0049】
この変形例にかかる車両用灯具は、
図3中の二点鎖線に示す投影レンズ3の横断面の出射面31、31Vからの出射光(すなわち、前記の実施形態1の車両用灯具1における投影レンズ3の横断面の出射面31、31Hから出射される出射光L3、L4とほぼ同様の出射光)が、光軸Zに対して横方向に拡散されている。このために、
図3中の二点鎖線に示す投影レンズ3の横断面の出射面31、31Vからの出射光は、横断面において、相互に交差しないで横方向に拡散される。これにより、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンすなわち拡散配光パターンWPを確実に形成することができる。
【0050】
(実施形態2の構成、作用、効果の説明)
図5は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態2を示す。以下、この実施形態2にかかる車両用灯具について説明する。
【0051】
前記の実施形態1の車両用灯具1は、
図1(B)、
図2、
図3に示すように、投影レンズ3の出射面31、31Hの横断面の形状が、光(出射光L3、L4)の出射方向側(前側)に突出した凸曲線形状、すなわち、RもしくはほぼRをなすものである。前記の変形例にかかる車両用灯具は、
図3中の二点鎖線に示すように、投影レンズ3の出射面31、31Vの横断面形状が、
図1(C)に示す出射面31、31Vの縦断面の形状と同様に、非球面もしくはほぼ非球面の断面線形状をなすものである。
【0052】
これに対して、この実施形態2にかかる車両用灯具は、
図5に示すように、投影レンズ300の出射面31、31HC、31HSの横断面の形状が、光の出射方向側(前側)に突出した凸曲線形状と非球面もしくはほぼ非球面の断面線形状とを組み合わせた形状をなす。すなわち、中央部の出射面31、31HCの横断面の形状が、非球面もしくはほぼ非球面の断面線形状をなす。これにより、配光パターンの中央部の光度(集光度)を保つこと(維持すること)ができる。両側部の出射面31、31HSの横断面の形状が、光の出射方向側に突出した凸曲線形状、すなわち、RもしくはほぼRをなすものである。これにより、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンすなわち拡散配光パターンWPを形成することができる。
図5中の2本の二点鎖線は、中央部の出射面31、31HCと両側部の出射面31、31HSとの境界を示す。
【0053】
なお、この実施形態2にかかる車両用灯具における投影レンズ300の出射面の縦断面の形状は、前記の実施形態1の車両用灯具1および前記の変形例の車両用灯具における投影レンズ3の出射面31、31Vの縦断面の形状と同様に、非球面もしくはほぼ非球面の断面線形状をなす。
【0054】
この実施形態2にかかる車両用灯具は、上記のごとき構成からなるので、前記の実施形態1の車両用灯具1および前記の変形例の車両用灯具とほぼ同様の作用、効果を達成することができる。すなわち、この実施形態2にかかる車両用灯具においては、投影レンズ300の横断面の出射面31、31HC、31HSのうち中央部の出射面31、31HCから出射される出射光が、光軸Zに対してほぼ平行に出射される。一方、投影レンズ300の横断面の出射面31、31HC、31HSのうち両側部の出射面31、31HSから出射される出射光は、前記の実施形態1の車両用灯具1における投影レンズ3の横断面の出射面31、31Hから出射される出射光L3、L4とほぼ同様に、光軸Zに対して横方向に拡散されて出射する。これにより、配光パターンの中央部の光度(集光度)を保ちつつ、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンすなわち拡散配光パターンWPを確実に形成することができる。
【0055】
しかも、この変形例にかかる車両用灯具は、プロジェクタタイプの車両用灯具である。このために、光源2からの光であってリフレクタ4の反射面40で反射された反射光L1、L2は、投影レンズ300に入射する。その入射光は、投影レンズ300の横断面の出射面31、31HC、31HSのうち中央部の出射面31、31HCから光軸Zに対してほぼ平行に出射され、一方、投影レンズ300の横断面の出射面31、31HC、31HSのうち両側部の出射面31、31HSから横方向に拡散された出射光(すなわち、前記の実施形態1の車両用灯具1における投影レンズ3の横断面の出射面31、31Hから出射される出射光L3、L4とほぼ同様の出射光)として出射する。これにより、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンすなわち拡散配光パターンWPを確実に形成することができる。
【0056】
この実施形態2にかかる車両用灯具は、投影レンズ300の出射面31、31HC、31HSからの出射光(すなわち、前記の実施形態1の車両用灯具1における投影レンズ3の横断面の出射面31、31Hから出射される出射光L3、L4とほぼ同様の出射光)が、光軸Zに対して横方向に拡散されている。このために、投影レンズ300の横断面における出射面31、31HC、31HSからの出射光は、横断面において、相互に交差しないで横方向に拡散される。これにより、光が横方向に拡散された幅広の配光パターンすなわち拡散配光パターンWPを確実に形成することができる。
【0057】
(実施形態1、2、変形例以外の例の説明)
なお、この実施形態1、2、変形例においては、集光配光パターンSPと共にロービーム配光パターンを構成する拡散配光パターンWPを照射するものである。ところが、この発明においては、拡散配光パターンWP以外の配光パターンを照射するものであっても良い。
【0058】
また、この実施形態1、2、変形例においては、光源2として半導体型光源を使用するものである。ところが、この発明においては、光源2として半導体型光源以外の光源、たとえば、バルブ光源、放電灯光源などを使用しても良い。