特許第6455404号(P6455404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6455404
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】容器搬送設備
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20190110BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20190110BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   H01L21/68 T
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-225078(P2015-225078)
(22)【出願日】2015年11月17日
(65)【公開番号】特開2017-92429(P2017-92429A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2017年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】小川 大介
(72)【発明者】
【氏名】岩永 明大
(72)【発明者】
【氏名】高田 文人
【審査官】 山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−228808(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/137556(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/035473(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/673
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容する容器が搬出される搬出部を備えた第1装置と、前記容器が搬入される搬入部を備えた第2装置と、前記第1装置から前記第2装置まで搬送経路に沿って前記容器を搬送する搬送装置と、前記容器の内部に充填する充填用気体を前記容器の内部に供給する供給装置と、を備えた容器搬送設備であって、
前記容器は、当該容器の外部と内部との間で気体が通流可能な通流孔が形成された通流孔形成部を備え、
前記供給装置は、気体が通流自在な通流路を有した接続部と、前記充填用気体を前記通流路に通流させる充填用気体供給源と、を備え、
前記接続部が、前記搬送経路を移動する容器の移動領域の外部に退避する非接続状態と、前記移動領域の内部に侵入して前記容器の通流孔形成部に接続される接続状態とに切換
え自在に構成され
前記搬送経路における、複数の経路が合流する合流部分に対して上流側に、前記接続部が配置されている容器搬送設備。
【請求項2】
物品を収容する容器が搬出される搬出部を備えた第1装置と、前記容器が搬入される搬入部を備えた第2装置と、前記第1装置から前記第2装置まで搬送経路に沿って前記容器を搬送する搬送装置と、前記容器の内部に充填する充填用気体を前記容器の内部に供給する供給装置と、を備えた容器搬送設備であって、
前記容器は、当該容器の外部と内部との間で気体が通流可能な通流孔が形成された通流孔形成部を備え、
前記供給装置は、気体が通流自在な通流路を有した接続部と、前記充填用気体を前記通流路に通流させる充填用気体供給源と、を備え、
前記接続部が、前記搬送経路を移動する容器の移動領域の外部に退避する非接続状態と、前記移動領域の内部に侵入して前記容器の通流孔形成部に接続される接続状態とに切換
え自在に構成され
前記搬送装置によって搬送されている前記容器の前記搬送経路に沿う方向での移動に同期させて、前記搬送経路に沿って前記接続部を移動させる接続部移動機構を備えている容器搬送設備。
【請求項3】
前記充填用気体供給源が、前記充填用気体を前記通流路に通流させる供給状態と、前記充填用気体を前記通流路に通流させない供給停止状態と、に切換え自在に構成され、
前記接続部の前記接続状態と前記非接続状態との切換え、及び、前記充填用気体供給源の前記供給状態と前記供給停止状態との切換えを制御する供給制御部と、前記容器内の前記充填用気体の状態を検出する検出部と、が設けられ、
前記供給制御部は、前記検出部によって検出された前記容器内の前記充填用気体の状態が、前記容器への前記充填用気体の供給が必要な供給必要状態であるか、前記容器への前記充填用気体の供給が不要な供給不要状態であるかを判別し、かつ、前記供給必要状態であると判別した場合には、前記接続部を前記接続状態に切換え又は維持して、前記充填用気体供給源を前記供給状態に切換え又は維持し、前記供給不要状態であると判別した場合には、前記充填用気体供給源を前記供給停止状態に切換え又は維持するように構成されている請求項1又は2に記載の容器搬送設備。
【請求項4】
前記搬送装置は、前記搬送経路に沿う方向での位置が固定された基部と、前記基部に対する前記搬送経路に沿う方向の位置が固定された状態で前記基部に支持された駆動部と、前記容器に接触した状態で前記駆動部にて駆動されて前記容器に対して前記搬送経路に沿う方向の推進力を伝達する接触部と、前記駆動部を制御する搬送制御部とを備え、
前記接触部は、前記基部に回転自在に支持されて前記駆動部によって回転駆動される回転体、又は、前記搬送経路に沿って移動自在に前記基部に支持されて前記駆動部によって移動される支持体であり、
前記供給制御部は、前記搬送制御部により前記駆動部が駆動されている場合は、前記接続部を接続状態として、前記充填用気体供給源を前記供給停止状態とする請求項に記載の容器搬送設備。
【請求項5】
複数の前記接続部が前記搬送経路に沿って分散して設けられている請求項1から4の何れか1項に記載の容器搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収容する容器が搬出される搬出部を備えた第1装置と、前記容器が搬入される搬入部を備えた第2装置と、前記第1装置から前記第2装置まで搬送経路に沿って前記容器を搬送する搬送装置と、前記容器の内部の環境を調整する調整用気体を前記容器の内部に供給する供給装置と、を備えた容器搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記第1装置又は第2装置の例として、特開2015−012042号公報(特許文献1)には、半導体基板を収容する容器を保管する保管棚が記載されている。特許文献1の保管棚は、容器を収納する収納部を複数備えるとともに、保管している容器に対して、半導体基板の酸化や汚損を防止するための窒素ガスを充填用気体として供給する供給装置を備えている。
【0003】
特許文献1のような保管棚は半導体製造設備に設置されている。ところで、半導体製造設備においては、第1装置と第2装置とが常に近接して設けられるとは限らず、離れた位置に設置された第1装置と第2装置との間で容器を搬送する必要が生じる場合がある。なお、第1装置と第2装置とが離れた位置に設置される場合として、例えば、特開2013−245032号公報(特許文献2)に示すように、半導体製造設備の作業ゾーンが複数存在し、第1装置が設置されている作業ゾーンと第2装置が設置されている作業ゾーンとが異なる作業ゾーンである場合が考えられる。特許文献2では、上記のように異なる作業ゾーンに亘って容器を搬送する搬送装置として、天井搬送車や、搬送対象物を被載置部に載置して当該被載置部を搬送経路に沿って移動させるコンベヤが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−012042号公報
【特許文献2】特開2013−245032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に示すような搬送装置においては、複数の装置に亘って容器を搬送している間、容器に対して窒素ガスの充填が行えない。そのため、搬送装置での搬送に要する時間が長いと、容器内の不活性気体の濃度が低下する虞があり、容器の内部を半導体基板の品質維持に適した環境に維持し難いという問題があった。
【0006】
そこで、第1装置と第2装置との間での搬送時間が長くても、容器の内部を収容する物品の品質維持に適した環境に維持し易い容器搬送設備が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る容器搬送設備は、物品を収容する容器が搬出される搬出部を備えた第1装置と、前記容器が搬入される搬入部を備えた第2装置と、前記第1装置から前記第2装置まで搬送経路に沿って前記容器を搬送する搬送装置と、前記容器の内部に充填する充填用気体を前記容器の内部に供給する供給装置と、を備えたものであって、
前記容器は、当該容器の外部と内部との間で気体が通流可能な通流孔が形成された通流孔形成部を備え、前記供給装置は、気体が通流自在な通流路を有した接続部と、前記充填用気体を前記通流路に通流させる充填用気体供給源と、を備え、前記接続部が、前記搬送経路を移動する容器の移動領域の外部に退避する非接続状態と、前記移動領域の内部に侵入して前記容器の通流孔形成部に接続される接続状態とに切換え自在に構成され、前記搬送経路における、複数の経路が合流する合流部分に対して上流側に、前記接続部が配置されている点を特徴とする。
【0008】
すなわち、接続部を非接続状態から接続状態に切換えることで、搬送装置にて搬送される容器の移動領域の外部に退避している接続部を移動領域の内部に進入させて、接続部が容器の通流行形成部に接続された状態とすることができる。これにより、第1装置から第2装置に向けて容器を搬送する途中において充填用気体を容器の内部に供給することができる。
したがって、第1装置と第2装置との間での搬送時間が長くても、容器の内部を収容する物品の品質維持に適した環境に維持することができる。
【0009】
本発明に係る容器搬送設備は、物品を収容する容器が搬出される搬出部を備えた第1装置と、前記容器が搬入される搬入部を備えた第2装置と、前記第1装置から前記第2装置まで搬送経路に沿って前記容器を搬送する搬送装置と、前記容器の内部に充填する充填用気体を前記容器の内部に供給する供給装置と、を備えたものであって、
前記容器は、当該容器の外部と内部との間で気体が通流可能な通流孔が形成された通流孔形成部を備え、前記供給装置は、気体が通流自在な通流路を有した接続部と、前記充填用気体を前記通流路に通流させる充填用気体供給源と、を備え、前記接続部が、前記搬送経路を移動する容器の移動領域の外部に退避する非接続状態と、前記移動領域の内部に侵入して前記容器の通流孔形成部に接続される接続状態とに切換え自在に構成され、前記搬送装置によって搬送されている前記容器の前記搬送経路に沿う方向での移動に同期させて、前記搬送経路に沿って前記接続部を移動させる接続部移動機構を備えている点を特徴とする。
【0010】
すなわち、搬送装置によって搬送されている容器の搬送経路に沿う方向での移動に同期させて接続部が搬送経路に沿って移動するから、容器を移動させている間にも接続部を接続状態として充填用気体を容器に供給することができる。
したがって、第1装置から第2装置への搬送経路の途中において、容器に充填用気体を供給可能な期間をより多く確保することができ、容器の内部を収容する物品の品質維持に適した環境に維持し易い容器搬送設備が実現できる。
【0011】
本発明に係る容器搬送設備においては、前記充填用気体供給源が、前記充填用気体を前記通流路に通流させる供給状態と、前記充填用気体を前記通流路に通流させない供給停止状態と、に切換え自在に構成され、前記接続部の前記接続状態と前記非接続状態との切換え、及び、前記充填用気体供給源の前記供給状態と前記供給停止状態との切換えを制御する供給制御部と、前記容器内の前記充填用気体の状態を検出する検出部と、が設けられ、前記供給制御部は、前記検出部によって検出された前記容器内の前記充填用気体の状態が、前記容器への前記充填用気体の供給が必要な供給必要状態であるか、前記容器への前記充填用気体の供給が不要な供給不要状態であるかを判別し、かつ、前記供給必要状態であると判別した場合には、前記接続部を前記接続状態に切換え又は維持して、前記充填用気体供給源を前記供給状態に切換え又は維持し、前記供給不要状態であると判別した場合には、前記充填用気体供給源を前記供給停止状態に切換え又は維持するように構成されていることが好ましい。
【0012】
すなわち、検出部によって検出された充填用気体の状態が容器への充填用気体の供給が不要な供給不要状態であると判別された場合には、充填用気体供給源が供給停止状態に切換え又は維持される。したがって、容器内の充填用気体の状態が供給の不要な供給不要状態であるときには、充填用気体を容器に供給しないようにでき、充填用気体を節約することができる。
【0013】
本発明に係る容器搬送設備においては、前記搬送装置は、前記搬送経路に沿う方向での位置が固定された基部と、前記基部に対する前記搬送経路に沿う方向の位置が固定された状態で前記基部に支持された駆動部と、前記容器に接触した状態で前記駆動部にて駆動されて前記容器に対して前記搬送経路に沿う方向の推進力を伝達する接触部と、前記駆動部を制御する搬送制御部とを備え、前記接触部は、前記基部に回転自在に支持されて前記駆動部によって回転駆動される回転体、又は、前記搬送経路に沿って移動自在に前記基部に支持されて前記駆動部によって移動される支持体であり、前記供給制御部は、前記搬送制御部により前記駆動部が駆動されている場合は、前記接続部を非接続状態として、前記充填用気体供給源を前記供給停止状態とすることが好ましい。
【0014】
すなわち、接触部と接触する容器に当該接触部によって推進力を付与する形態で容器を搬送する搬送装置において、駆動部にて接触部を駆動させて容器を移動させている間は接続部を非接続状態として充填用気体供給源を供給停止状態とすることができる。
上記のような搬送装置として、具体的には、回転体として搬送ローラーや、ベルトやチェーン等の巻回体を備えたものや、支持体として、容器を載置支持した状態で搬送方向に移動する搬送台を備えたものが考えられる。
このような搬送装置において、容器が移動している状態では接続部を非接続状態とし、容器が停止している状態では接続部を接続状態とすることができるので、第1装置から第2装置への搬送経路の途中において充填用気体を供給することができながらも、搬送経路における容器の移動を阻害しないようにすることが可能な容器搬送設備が実現できる。
【0015】
本発明に係る容器搬送設備においては、複数の前記接続部が前記搬送経路に沿って分散して設けられていることが好ましい。
【0016】
すなわち、複数の接続部が搬送経路に沿って分散して設けられているので、搬送経路における複数の箇所で、容器に対して充填用気体を供給することができる。したがって、搬送経路に沿う方向での単一の箇所のみに接続部を設ける場合に比べて、搬送経路上に存在する複数の容器に対して適切に充填用気体を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】容器搬送設備を備える半導体製造設備の概略平面図
図2】容器搬送設備の構成を示す立面図
図3】半導体搬送容器の一部破断正面図
図4】第1実施形態のコンベヤユニットを示す正面図
図5】棟間搬送コンベヤへの合流部分を示す平面図
図6】棟間搬送コンベヤからの分岐部分を示す平面図
図7】制御ブロック図
図8】フローチャート
図9】第2実施形態のコンベヤユニットを示す正面図
図10】第2実施形態のコンベヤユニットを備えた合流部分の平面図
図11】第3実施形態のコンベヤユニットを備えた合流部分の平面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の容器搬送設備を半導体製造設備に適用した第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の半導体製造設備は、物品としての半導体基板Uを収容する容器B(図2、3を参照)の上端に設けられたフランジBfを把持して容器Bを搬送する天井搬送車Vが走行する走行レールRと、上記天井搬送車Vとの間で容器Bを授受可能な搬出入ポートEpを備えた保管庫S1及び処理装置P1と、を備えている。これら走行レールRや保管庫S1及び処理装置P1は、所定の空気清浄度が確保された空間を有する第1建屋F1の内部に設置されている。又、同様に、所定の空気清浄度が確保された空間を有する第2建屋F2の内部に、走行レールRと保管庫S2及び処理装置P2とが設置されている。
【0019】
保管庫S1は、容器Bを収納可能な収納部を複数備え、当該複数の収納部の少なくとも一部に、容器Bの内部に充填用気体としての窒素ガスを供給するパージ部(図示省略)が設けられている。また、複数の収納部の夫々と搬出入ポートEp(保管庫搬出入ポートSp)との間で容器Bを搬送するスタッカークレーンが、保管庫S1内部に設けられている。保管庫S2についても同様の構成である。
【0020】
処理装置P1は、例えば半導体基板に対してフォトリソグラフィ処理や洗浄処理等を行う装置であり、例えば搬出入ポートEp(ロードポートPp)に位置する容器Bから半導体基板を取り出して処理を行うようになっている。なお、半導体基板を取り出す場合には、容器Bの前面に設けられた着脱自在な蓋部を取り外し、吸着式のロボットハンド等で容器B内部に収容されている半導体基板を取り出すことになるが、その方法や機構は周知の技術であるので説明は省略する。処理装置P2についても同様の構成である。
なお、本実施形態では、第1建屋F1に設けられる保管庫S1又は処理装置P1が第1装置E1に相当し、第2建屋F2に設けられる保管庫S2又は処理装置P2が第2装置E2に相当する。また、以降の説明において、第1装置E1及び第2装置E2をまとめて説明する場合には装置Eと称する。
【0021】
第1建屋F1と第2建屋F2との間で容器Bを搬送するために、棟間コンベヤCw(第1棟間コンベヤCw1及び第2棟間コンベヤCw2)が設けられている。棟間コンベヤCwは、第1建屋F1と第2建屋F2とを接続する棟間接続筒体Tの内部を通過して第1建屋F1の内部に搬送方向一端部が、第2建屋F2の内部に搬送方向他端部が位置するように設けられている。
【0022】
図1及び図5に示すように、第1棟間コンベヤCw1における第1建屋F1側の端部には合流コンベヤC1gが接続され、当該合流コンベヤC1gに3つのバッファコンベヤC11が合流する状態で設けられている。また、図1及び図6に示すように、第1棟間コンベヤCw1における第2建屋F2側の端部には分岐コンベヤC1bが接続され、当該分岐コンベヤC1bに3つのバッファコンベヤC12が合流する状態で設けられている。
【0023】
同様に、第2棟間コンベヤCw2における第2建屋F2側の端部には合流コンベヤC2gが接続され、当該合流コンベヤC2gに3つのバッファコンベヤC22が合流する状態で設けられている。また、第2棟間コンベヤCw2における第1建屋F1側の端部には分岐コンベヤC2bが接続され、当該分岐コンベヤC2bから3つのバッファコンベヤC21が分岐する状態で設けられている。
【0024】
合流コンベヤC1g、C2g、及び、分岐コンベヤC1b、C2bにおけるバッファコンベヤC11、C12、C21、C22の夫々との合流部分又は分岐部分には、搬送している容器Bの平面視での方向を転換するターンテーブルCtが設けられている。
【0025】
天井搬送車Vとして、第1建屋F1の天井から吊り下げ状態で支持された環状の走行レールR(R11、R12)に沿って第1建屋F1内を走行するものと、第2建屋F2の天井から吊り下げ状態で支持された環状の走行レールR(R21、R22)に沿って第2建屋F2内を走行するものと、が設けられている。天井搬送車Vは、図2に示すように、走行レールR上を転動する走行車輪Vwと、走行車輪Vwを駆動させる走行駆動部(図示省略)と、を備えた走行部V1と、走行部V1の下方に当該走行部V1との上下方向の距離を固定する状態で支持され、走行部V1と一体に走行レールRに沿って移動する本体部V2とを備えている。本体部V2には、装置Eにおける容器Bの搬出入ポートEp等の授受箇所の存在高さと走行レールRの長手方向視で本体部V2と重複する搬送用高さとの間で昇降可能な昇降体Vsが支持されている。天井搬送車Vは、容器Bを搬送する場合には昇降体Vsを搬送用高さに維持し、平面視で昇降体Vsと授受箇所Yとが重複する位置にて昇降体Vsを下降させて容器Bを授受箇所Yとの間で授受するようになっている。また、昇降体Vsには、容器BのフランジBfを把持する把持部Vhが装備されている。
【0026】
3つのバッファコンベヤC11のうちの2つ、及び、3つのバッファコンベヤC21のうちの2つは、搬送端部が走行レールR11走行する天井搬送車Vの授受箇所となっている。また、3つのバッファコンベヤC11のうちの1つ、及び、3つのバッファコンベヤC21のうちの1つは、搬送端部が走行レールR12を走行する天井搬送車Vの授受箇所となっている。
同様に、3つのバッファコンベヤC12のうちの2つ、及び、3つのバッファコンベヤC22のうちの2つは、搬送端部が走行レールR21を走行する天井搬送車Vの授受箇所となっている。また、3つのバッファコンベヤC11のうちの1つ、及び、3つのバッファコンベヤC21のうちの1つは、搬送端部が走行レールR22を走行する天井搬送車Vの授受箇所となっている。
【0027】
ここで、本実施形態における搬送対象物である容器Bについて図3に基づいて説明する。
容器Bは、例えばFOUPやFOSBと呼ばれる、高さ方向に離間した状態で半導体基板Uを複数収容可能な容器である。この容器Bは、前面に着脱自在な蓋を備えており、半導体基板Uの出し入れを行わない場合には当該蓋を装着するようになっている。蓋は気密性を確保可能に構成されている。また、容器Bの底部Bbには、容器Bの外部と内部との間で気体が通流可能な通流孔Bhが形成された通流孔形成部Bgが2つ設けられている。通流孔形成部Bgには、後述する不活性気体供給部のノズルN(図4参照)が接続可能に構成されている。すなわち、容器Bは、当該容器Bの外部と内部との間で気体が通流可能な通流孔Bhが形成された通流孔形成部Bgを備えている。
【0028】
通流孔形成部Bgには、ノズルNが接続されたときに開状態となり、ノズルNの接続が解除されたときに閉状態となる開閉弁機構が備えられている。そして、容器Bの通流孔形成部BgにノズルNを接続した状態で、ノズルNから充填用気体としての不活性気体(例えば窒素ガス等)を注入することで、容器Bの内部に不活性気体が充填されるように構成されている。
【0029】
本実施形態においては、バッファコンベヤC11、C12、C21、C22、分岐コンベヤC1b、C2b、及び、合流コンベヤC1g、C2gは、図5及び図6に示すように、平面視で搬送方向において容器B二つ分未満の長さに形成されたコンベヤユニットCuを搬送方向に複数並べて構成されている。すなわち、本実施形態では、複数のノズルNが、搬送経路に沿って分散して設けられている。
【0030】
以下の説明において、上記バッファコンベヤC11、C12、C21、C22、分岐コンベヤC1b、C2b、及び、合流コンベヤC1g、C2gと棟間コンベヤCwとをまとめて説明する場合には、コンベヤCと称する場合がある。本実施形態では、コンベヤCと上述の天井搬送車Vとによって搬送装置が構成されている。すなわち、半導体基板Uを収容する容器Bが搬出される搬出部Ep1を備えた第1装置E1と、容器Bが搬入される搬入部Ep2を備えた第2装置E2と、第1装置E1から第2装置E2まで搬送経路に沿って前記容器を搬送する搬送装置(コンベヤC及び天井搬送車V)とが設けられている。
【0031】
なお、この実施形態では、第1装置E1に搬出部Ep1を備え、第2装置E2に搬入部Ep2を備えて、搬送装置によって第1装置E1から第2装置E2まで容器Bを搬送する構成を例示したが、第2装置E2に搬出部を備え、第1装置E1に搬入部を備えて、搬送装置によって第2装置E2から第1装置E1まで容器Bを搬送する構成としてもよい。
【0032】
第1実施形態におけるコンベヤユニットCu(以下、本実施形態のコンベヤユニットCuのみについて説明する場合はコンベヤユニットCu1として説明する)は、図4に示すように、床部に取り付けられることで搬送経路に沿う方向での位置が固定された基部11と、基部11に回転自在に固定されるローラ12と、基部11に固定されるシリンダ支持部13と、シリンダ支持部13に固定されるシリンダMと、不活性気体供給部のノズルNを支持するノズル支持体16と、を備えている。シリンダMは、シリンダ支持部13に取付けられるシリンダ本体14と、上下方向に伸縮又は出退移動可能にシリンダ本体14に支持されるシリンダロッド15とから構成され、電磁気的又は気体圧力等の駆動力によりシリンダロッド15が上下に移動操作される。また、ノズル支持体16とはシリンダロッド15の上端に取付けられており、シリンダロッド15の移動操作に伴って上下に移動操作される。ノズルNはノズル支持体16に相対位置を固定した状態で支持されており、シリンダロッド15の移動操作に伴ってノズルNが上下方向に移動操作されることになる。
【0033】
ノズルNは、上記のようなシリンダMにおけるシリンダロッド15の伸縮作動によって、搬送経路を移動する容器Bの移動領域の外部に退避する非接続状態と、移動領域の内部に侵入して容器Bの通流孔形成部Bgに接続される接続状態とに切換え自在に構成されている。
【0034】
ローラ12は、基部11に固定されることで基部11に対する搬送経路に沿う方向の位置が固定されたローラ駆動モータLによって駆動されるようになっている。そして、ローラ12が容器Bの底部Bbに接触した状態でローラ駆動モータLを駆動することによって、容器Bが搬送経路に沿う推進力を付与されるようになっている。ローラ22は、当該コンベヤユニットCuの搬送方向の全長に亘って並べて設けられている。
【0035】
本実施形態においては、搬送装置がコンベヤCにおけるコンベヤユニットCuを備えて構成され、基部11が基部に相当し、ローラ駆動モータLが駆動部に相当し、接触部がローラ12に相当する。すなわち、コンベヤユニットCu1は、搬送経路に沿う方向での位置が固定された基部11と、基部11に対する搬送経路に沿う方向の位置が固定された状態で基部11に支持されたローラ駆動モータLと、容器Bに接触した状態でローラ駆動モータLにて駆動されて容器Bに対して搬送経路に沿う方向の推進力を伝達するローラ12と、を備え、ローラ12は、基部11に回転自在に支持されてローラ駆動モータLによって回転駆動される回転体となっている。
【0036】
図4に示すように、ノズルNには、不活性気体供給部からの不活性気体を上記ノズルNに供給する通流管Gtが接続されている。通流管Gtは可撓性を有する素材(ゴムやシリコーン樹脂等)で形成されている。なお、ノズルNは1つのコンベヤユニットCuに2つ設けられ、一方に通流管Gtとして第1通流管Gt1が接続され、他方に通流管Gtとして第2通流管Gt2が接続されている。
【0037】
第1通流管Gt1には気体供給源Gが接続されて、不活性気体がノズルNに向けて送出される。一方、第2通流管Gt2におけるノズルNと逆側の端部には排気ポンプが接続され、容器B内部の気体を吸引して排気する。これにより、容器Bの内部の気体を不活性気体に迅速に置換することができる。
【0038】
また、第2通流管Gt2と排気ポンプとの間に、不活性気体の濃度を検出する検出センサJ(図7参照)が設けられている。検出センサJは、容器Bから第2通流管Gt2を通して流出した容器B内の気体における不活性気体の濃度を検出するようになっている。本実施形態において、検出センサJが検出部に相当する。すなわち、容器B内の不活性気体の状態を検出する検出センサJが設けられている。
【0039】
さらに第1通流管Gt1と気体供給源Gとの間に、開閉操作可能な供給切換弁Kが設けられている。気体供給源Gは不活性気体を常に正圧に維持しており、供給切換弁Kを開状態とすることによって第1通流管Gt1に不活性気体が送出され、供給切換弁Kを閉状態とすることによって第1通流管Gt1への不活性気体の送出が停止される。
【0040】
本実施形態においては、ノズルNが接続部に相当し、気体供給源G及び供給切換弁Kが充填用気体供給源に相当する。また、通流路が主に第1通流管Gt1に形成されている。そして、供給装置が上記ノズルNと気体供給源Gとを備えて構成されている。すなわち、供給装置は、気体が通流自在な通流路を有したノズルNと、不活性気体を通流路に通流させる気体供給源Gと、を備え、充填用気体供給源が、不活性気体を第1通流管Gt1に通流させる供給状態と、不活性気体を第1通流管Gt1に通流させない供給停止状態と、に切換え自在に構成されている。
なお、本実施形態においては、1つのコンベヤユニットCu1について、上記ノズル支持体16に支持される一対のノズルNの組(以下、単位供給部と称する)が1つのみ設けられている。
【0041】
図7は、本実施形態の半導体製造設備における制御構成を説明するブロック図である。制御部Hは、例えば演算装置と記憶装置とを備えたクライアントコンピュータやサーバコンピュータ等の単一のコンピュータにて構成されている。
【0042】
制御部Hは、コンベヤCの作動を制御するコンベヤ制御部H1、不活性気体供給部の作動を制御する供給制御部H2、及び、天井搬送車Vの走行を制御する天井搬送車制御部H3をプログラム形式で備えている。なお、本実施形態では、制御部Hを単一のコンピュータで構成し、コンベヤ制御部H1、供給制御部H2、及び、天井搬送車制御部H3の夫々を構成するプログラムを単一のコンピュータで実行するようになっているが、コンベヤ制御部H1、供給制御部H2、及び、天井搬送車制御部H3の夫々を各別のコンピュータで実行するようにしてもよい。この場合、それらのコンピュータの夫々は、有線LANや無線LAN等で互いに通信可能に接続する。
【0043】
コンベヤ制御部H1は、コンベヤユニットCuにおけるローラ駆動モータLの作動を制御するように構成されている。コンベヤユニットCuの夫々には、容器Bの在荷を検出する在荷検出部(図示省略)が設けられており、各コンベヤユニットCuの在荷検出部の夫々は、コンベヤ制御部H1に当該コンベヤユニットCuにおける容器Bの在荷の有無を送信するようになっている。
【0044】
本実施形態においては、コンベヤ制御部H1が搬送制御部に相当し、上記コンベヤユニットCuとコンベヤ制御部H1とを備えて搬送装置が構成される。すなわち、搬送装置は、ローラ駆動モータLを制御するコンベヤ制御部H1を備えている。
また、供給制御部H2には、検出センサJの検出結果が入力されるように構成されるとともに、シリンダMにおけるシリンダロッド15の伸縮作動、及び、供給切換弁Kの開閉を制御するようになっている。供給制御部H2は、ノズルNの接続状態と非接続状態との切換え、及び、充填用気体供給源の供給状態と供給停止状態との切換えを制御するようになっている。
【0045】
そして、供給制御部H2は、検出センサJによって検出された容器B内の不活性気体の状態が、容器Bへの不活性気体の供給が必要な供給必要状態であるか、容器Bへの不活性気体の供給が不要な供給不要状態であるかを判別し、かつ、供給必要状態であると判別した場合には、ノズルNを接続状態に切換え又は維持して、充填用気体供給源を供給状態に切換え又は維持し、供給不要状態であると判別した場合には、充填用気体供給源を供給停止状態に切換え又は維持するように構成されている。
【0046】
天井搬送車制御部H3は、天井搬送車Vにおける走行部V1の走行、本体部V2における昇降体Vsの昇降作動、及び、昇降体Vsに装備される把持部Vhの把持作動を制御するようになっている。
具体的には、天井搬送車制御部H3は、上位管理装置(図示省略)からの指令に基づいて、搬送元である第1装置E1の搬出部Ep1に対応する走行位置まで天井搬送車Vを走行させ、その位置で搬出入ポートEpに対応する高さまで昇降体Vsを下降させて把持部Vhに容器BのフランジBfを把持させる。その後、把持部Vhが容器BのフランジBfを把持した状態で昇降体Vsを搬送用高さに上昇させ、搬送先であるバッファコンベヤC11に対応する位置まで天井搬送車Vを走行させる。そして、その位置で昇降体Vsを下降させて容器BをバッファコンベヤC11に載置する。
【0047】
搬送先の装置Eが異なる建屋(上記の場合は第2建屋F2)に存在する場合には、容器Bは、バッファコンベヤC11,合流コンベヤC1g、第1棟間コンベヤCw1、分岐コンベヤC1b、及びバッファコンベヤC12の順に搬送される。逆に、搬送元の装置Eが第2建屋F2に存在し、搬送先の装置Eが第1建屋F1に存在する場合には、容器Bは、バッファコンベヤC22,合流コンベヤC2g、第2棟間コンベヤCw2、分岐コンベヤC2b、及びバッファコンベヤC21の順に搬送される。
なお、ここでは搬送元の装置Eと搬送先の装置Eとが異なる建屋に存在する場合を説明したが、搬送元の装置Eと搬送先の装置Eとが同じ建屋に存在していてもよい。
【0048】
次に、図8のフローチャートに基づいて本実施形態の容器搬送設備の制御形態を説明する。コンベヤ制御部H1は、在荷検出部の検出情報に基づいて、コンベヤユニットCuにおいて容器Bが滞留しているか否かを判別する(#1)。ここで、「容器Bが滞留する」とは、同一の容器Bが同一のコンベヤユニットCuに所定時間(例えば30秒)以上支持されている状態をいう。
【0049】
コンベヤ制御部H1は、容器Bの滞留が発生していると判別する(#1:Y)とその旨を供給制御部H2に通知する。供給制御部H2は、シリンダMの作動によってノズルNを上昇移動させてノズルNを接続状態に切換える(#2)とともに、容器Bから第2通流管Gt2を通して流出した容器B内の気体における不活性気体の濃度を検出センサJにて検出し(#3)、検出センサJによって検出された容器内の不活性気体の状態が、容器Bへの不活性気体の供給が必要な供給必要状態であるか、容器Bへの不活性気体の供給が不要な供給不要状態であるかを判別する(#4)。#4で供給必要状態と判別すると、供給制御部H2は、供給切換弁Kを開状態とし(#5)、第2通流管Gt2に接続された排気ポンプを作動させて不活性気体を容器Bに供給する。
【0050】
なお、#1にて容器Bが滞留していないと判別された場合、又は、#4にて供給不要状態であると判別された場合は、当該フローに係る制御を終了する。制御部Hは、このような制御を各コンベヤユニットCu毎に行うとともに、フローチャートに係る制御を終了した場合、所定の時間間隔(例えば1秒)で再実行する。
【0051】
本実施形態では、上記のような構成と制御によって、コンベヤCでの搬送経路の途中に滞留が発生し、第1装置E1から第2装置E2までの搬送に時間がかかった場合であっても、容器Bの内部の不活性気体の濃度が低下して容器Bに収容している半導体基板Uの汚損や劣化を抑制することができる。
【0052】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の容器搬送設備を半導体製造設備に適用した第2実施形態を、図9及び図10に基づいて説明するが、第2実施形態では、コンベヤユニットCuの形態が異なる点以外は第1実施形態と同じ構成であるので、以下、第1実施形態と構成の異なるコンベヤユニットCuのみを説明する。
【0053】
第2実施形態におけるコンベヤユニットCu(コンベヤユニットCu2)は、図9に示すように、床部に取り付けられることで搬送経路に沿う方向での位置が固定された基部21と、基部21に回転自在に固定されるローラ22と、基部21に固定されるシリンダ支持部23と、シリンダ支持部23に固定されるシリンダMと、不活性気体供給部のノズルNを支持するノズル支持体26と、を備えている。シリンダMは、シリンダ支持部23に取付けられるシリンダ本体24と、上下方向に伸縮又は出退移動可能にシリンダ本体24に支持されるシリンダロッド25とから構成され、電磁気的又は気体圧力等の駆動力によりシリンダロッド25が上下に移動操作される。また、ノズル支持体26とはシリンダロッド25の上端に取付けられており、シリンダロッド25の移動操作に伴って上下に移動操作される。ノズルNはノズル支持体26に相対位置を固定した状態で支持されており、シリンダロッド25の移動操作に伴ってノズルNが上下方向に移動操作されることになる。
【0054】
ノズルNは、上記のようなシリンダMにおけるシリンダロッド25の伸縮作動によって、搬送経路を移動する容器Bの移動領域の外部に退避する非接続状態と、移動領域の内部に侵入して容器Bの通流孔形成部Bgに接続される接続状態とに切換え自在に構成されている。
【0055】
ローラ22は、基部21に固定されることで基部21に対する搬送経路に沿う方向の位置が固定されたローラ駆動モータLによって駆動されるようになっている。そして、ローラ22が容器Bの底部Bbに接触した状態でローラ駆動モータLを駆動することによって、容器Bが搬送経路に沿う推進力を付与されるようになっている。
【0056】
また、本実施形態のコンベヤユニットCu2は、図10に示すように、1つのユニットの搬送方向の長さが、容器Bの搬送方向における長さの2倍以上(例えば5倍程度)に設定されている。ローラ22は、当該コンベヤユニットCu2の搬送方向の全長に亘って並べて設けられている。
【0057】
シリンダ支持部23の下部には、走行車輪28を回転駆動する車輪駆動モータ29が設けられている。基部21には、搬送経路に沿って、走行車輪28を転動可能に支持する走行レール27が取り付けられている。
車輪駆動モータ29は、ローラ22による容器Bの移動に同期させてシリンダ支持部23を移動させるようにコンベヤ制御部H1によって制御される。したがって、図9に示すように、容器Bを移動させながら不活性気体を当該容器Bに供給可能となる。
【0058】
本実施形態においては、走行車輪28と車輪駆動モータ29を備えて接続部移動機構Dが構成されている。すなわち、搬送装置によって搬送されている容器Bの搬送経路に沿う方向での移動に同期させて、搬送経路に沿ってノズルNを移動させる接続部移動機構Dを備えている。
【0059】
接続部移動機構Dは、コンベヤ制御部H1によって制御されているローラ駆動モータLの回転量又はローラ22の回転量に基づいて算出される容器Bの移動量に基づいて、同じ移動量だけ追従して移動するようにコンベヤ制御部H1に制御されるように構成されている。
このような構成により、容器Bを搬送経路に沿って移動させているときにおいても、不活性気体を容器Bの内部に供給することができる。
【0060】
〔別実施形態〕
(1)上記第1及び第2実施形態では、第1装置及び第2装置として、保管庫S1、S2及び処理装置P1、P2を備える構成としたが、第1装置及び第2装置として、保管庫のみ、又は、処理装置のみを備える構成としてもよい。また、上記第1及び第2実施形態では、処理装置P1、P2として、フォトリソグラフィ処理や洗浄処理を行う装置を例示したが、これら以外の処理、例えば、現像処理やスパッタリング処理等各種処理を行う装置に適用してもよい。
【0061】
(2)上記第1及び第2実施形態では、搬送装置として、基部に対する搬送経路に沿う方向の位置が固定された状態で基部に支持された駆動部を備えるコンベヤを例示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、基部として走行レールを備え、当該走行レールに沿って走行可能な天井搬送車を備え、接触部として、当該天井搬送車において容器を把持する把持部を備える構成としてもよい。
【0062】
(3)収容する物品として半導体基板を、容器としてFOUPやFOSBを例示したが、収容する物品は半導体基板以外の物品(例えばレチクルやガラス基板等)としてもよい。又、収容する物品を食品や農産物等としてもよい。この場合においては、充填用気体として、容器内の食品や農産物の品質低下を抑制するための窒素、炭酸ガス、酸素、低温ガス等の食品用ガスを用いる。
【0063】
(4)上記第1及び第2実施形態では、回転体を、基部11に回転自在に支持されてローラ駆動モータLによって回転駆動されるローラ12とする構成を説明したが、このような構成に代えて、容器Bの底部Bbをベルト又はチェーン等の巻回体を回転体として用いてもよい。この場合、駆動部は、巻回体において搬送経路に沿う部分を搬送経路に沿って移動させるモータ等とすることが考えられる。また、上記実施形態では、接触部を回転体とする構成を例示したが、例えば、搬送経路に沿って移動自在に基部11に支持されて駆動部によって移動される支持体としてもよい。このような支持体の例として、例えば、基部11に、搬送経路に沿って各別にON/OFF可能な複数の電磁石を固定し、基部11に対して搬送経路に沿う方向に移動可能な支持体(支持台車等)における上記電磁石の磁力の作用範囲に磁性体を取付け、搬送方向に向けて電磁石を順次ONにすることで支持体に取り付けた磁性体に対し搬送方向に吸着作用箇所を移動させて推進力を伝達する構成とすることなどが考えられる。
【0064】
(5)上記第1実施形態では、1つのコンベヤユニットCuについて、単位供給部が1つのみ設けられる構成を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、図11に示すように、1つのコンベヤユニットCu(コンベヤユニットCu3)について単位供給部を2つ設ける構成としたり、あるいは3つ以上設ける構成としてもよい。
【0065】
(6)上記第1及び第2実施形態では、検出部として、容器B内の気体における不活性気体の濃度を検出する検出センサJを備える構成を例示したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、不活性気体の濃度と不活性気体を供給してからの時間とに相関関係があることを前提として、前回容器B内に不活性気体を供給した時刻を備え、当該データベースに記録された時刻からの経過時間に基づいて容器B内の不活性気体の状態を推定する状態推定部を検出部として備える構成としてもよい。この場合、「検出」という語には、コンピュータ等での演算によって推定した不活性気体の状態を判別することを含む。この場合、供給制御部H2は、上記状態推定部によって推定した気体の状態に基づいて供給必要状態であると判別するまでの間、ノズルNを非接続状態に維持しておくことができる。そして、供給制御部H2が供給必要状態と判別したときにノズルNを接続状態に切り換える。
【0066】
(7)上記第1及び第2実施形態では、複数のノズルNが、搬送経路に沿って分散して設けられる構成を例示したが、搬送経路に沿って単一のノズルNを設ける構成としてもよい。
【符号の説明】
【0067】
11、21 基部
12、22 回転体
B 容器
Bg 通流孔形成部
Bh 通流孔
C コンベヤ(搬送装置)
Cu コンベヤユニット(搬送装置)
D 接続部移動機構
E1 第1装置
E2 第2装置
Ep1 搬出部
Ep2 搬入部
G 気体供給源(充填用気体供給源)
K 供給切換弁(充填用気体供給源)
H1 コンベヤ制御部(搬送制御部)
H2 供給制御部
J 検出センサ(検出部)
N ノズル(接続部)
U 半導体基板(物品)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11