(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つのさらなるチャネル状態値は、目標スペクトル効率、目標誤り率、および電力余裕に基づいて、前記第1のセットの基準チャネル状態値に関して定義される、請求項5に記載のユーザ機器。
チャネル状態値の前記第1のセットを示す第1セットのインジケータおよびチャネル状態値の前記第2のセットを示す第2セットのインジケータの少なくとも1つを、前記基地局から前記受信部により受信する、請求項1に記載のユーザ機器。
前記第2のセットの前記チャネル状態値は、変調・符号化方式のインデックス、および、決定された変調・符号化方式が範囲外であることを示すインデックス、を含む、請求項1に記載のユーザ機器。
前記少なくとも1つのさらなるチャネル状態値は、目標スペクトル効率、目標誤り率、および電力余裕に基づいて、前記第1のセットの基準チャネル状態値に関して定義される、請求項15に記載の方法。
チャネル状態値の前記第1のセットを示す第1セットのインジケータおよびチャネル状態値の前記第2のセットを示す第2セットのインジケータの少なくとも1つを、前記基地局から受信するステップを含む、請求項11に記載の方法。
前記第2のセットの前記チャネル状態値は、変調・符号化方式のインデックス、および、決定された変調・符号化方式が範囲外であることを示すインデックス、を含む、請求項11に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
例えば3GPP(third generation partnership project)で標準化されたUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)などの第3世代(3G)の移動システムは、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)(登録商標)無線アクセス技術に基づいている。今日、3Gシステムは世界中に広範な規模で配備されつつある。HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)、および、HSUPA(High-Speed Uplink Packet Access)とも呼ばれる強化されたアップリンクを導入することによってこの技術を拡張した後、UMTS標準の発展における次の主要な段階では、ダウンリンクでのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)と、アップリンクでのSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiplexing Access)との組合せが取り入れられた。このシステムは、将来の技術発展に対応していくことを意図しているため、LTE(Long Term Evolution)と名付けられている。
【0003】
LTEシステムは、低待ち時間かつ低コストでIPに完全に基づく諸機能を提供する、パケットを利用した効率的な無線アクセスおよび無線アクセスネットワークに相当する。ダウンリンクは、QPSK、16QAM、および64QAMのデータ変調方式に対応し、アップリンクは、BPSK、QPSK、8PSK、および16QAMに対応する。
【0004】
LTEのネットワークアクセスは、5MHzにチャネルが固定されたUTRA(UMTS Terrestrial Radio Access)と対照的に、1.25〜20MHzの間のいくつかの規定チャネル帯域幅を使用し、柔軟性が非常に高い。スペクトル効率はUTRAと比べて最高で4倍まで向上され、アーキテクチャおよびシグナリングの改善により往復の待ち時間が短縮される。MIMO(Multiple Input/Multiple Output)のアンテナ技術により、3GPPの当初のWCDMA無線アクセス技術に比べて1セル当たり10倍のユーザに対応できるようになる。可能な限り多くの周波数帯割当の配置に適合するために、ペアになった帯域動作(FDD:Frequency Division Duplex)およびペアをなさない帯域動作(TDD:Time Division Duplex)の両方に対応する。LTEは、隣接するチャネル内でも以前の3GPP無線技術と共存することができ、すべての3GPPの以前の無線アクセス技術との間で呼を受け渡しすることができる。
【0005】
図1は、LTEの全体的なアーキテクチャを示し、
図2は、E−UTRANのアーキテクチャをより詳細に示している。E−UTRANは、eNodeBから構成され、eNodeBは、UE向けの、E−UTRAのユーザプレーン(PDCP/RLC/MAC/PHY)および制御プレーン(RRC)のプロトコルを終端処理する。eNodeB(eNB)は、物理(PHY)レイヤ、メディアアクセス制御(MAC)レイヤ、無線リンク制御(RLC)レイヤ、およびパケットデータ制御プロトコル(PDCP)レイヤ(これらのレイヤはユーザプレーンのヘッダ圧縮および暗号化の機能を含む)をホストする。eNBは、制御プレーンに対応する無線リソース制御(RRC)機能も提供する。eNBは、無線リソース管理、アドミッション制御、スケジューリング、交渉によるアップリンクQoS(サービス品質)の実施、セル情報のブロードキャスト、ユーザプレーンデータおよび制御プレーンデータの暗号化/復号化、ダウンリンク/アップリンクのユーザプレーンパケットヘッダの圧縮/復元など、多くの機能を実行する。複数のeNodeBは、X2インタフェースによって互いに接続されている。
【0006】
また、複数のeNodeBは、S1インタフェースによってEPC(Evolved Packet Core:進化したパケットコア)、より具体的には、S1−MMEによってMME(Mobility Management Entity:移動管理エンティティ)、S1−Uによってサービングゲートウェイ(SGW:Serving Gateway)に接続されている。S1インタフェースは、MME/サービングゲートウェイとeNodeBとの間の多対多関係をサポートする。
【0007】
【0008】
【0009】
IMT−advancedの周波数スペクトルは、2008年11月に開催された世界無線通信会議(WRC−07)で決定された。しかし、利用可能な実際の周波数帯幅は、地域または国ごとに異なる場合がある。3GPPにより標準化されたLTEの拡張版は、LTE−advanced(LTE−A)と呼ばれ、リリース10の主題として承認されている。LTE−Aリリース10はキャリアアグリゲーション(carrier aggregation)を用いる。キャリアアグリゲーションでは、より広い伝送帯域幅、例えば最高で100MHzの伝送帯域幅に対応するために、LTEリリース8で定義された2つ以上のコンポーネントキャリアが集約される。キャリアアグリゲーションについてのさらなる詳細は、非特許文献2(http://www.3gpp.org/で自由に入手可能)で得ることができ、その内容は本明細書に援用される。通例は、1つのコンポーネントキャリアは20MHzの帯域幅を超えないと想定される。端末は、その能力によっては、1つまたは複数のコンポーネントキャリアを同時に受信および/または送信する場合がある。UEは、アップリンクとダウンリンクとで異なる数のコンポーネントキャリア(CC)を集約するように構成することができる。設定可能なダウンリンクCCの数は、UEのダウンリンクの集約能力に応じて決まる。設定可能なアップリンクCCの数は、UEのアップリンクの集約能力に応じて決まる。ただし、ダウンリンクCCよりもアップリンクCCが多くなるようにUEを構成することはできない。
【0010】
「コンポーネントキャリア」という用語は、数個のリソースブロックの組合せに言及する。LTEの将来のリリースにおいて、「コンポーネントキャリア」という用語はもはや使用されない。代わりに、この用語は「セル」に変更される。「セル」は、ダウンリンクリソースおよび任意でアップリンクリソースの組合せに言及する。ダウンリンクリソースのキャリア周波数とアップリンクリソースのキャリア周波数との連結(linking)は、ダウンリンクリソースで送信されるシステム情報に示される。1個のPCell(Primary Cell)と0個または数個(例えば、最大4個まで)のSCell(Secondary Cell)とがある。異なるセルを同じ論理ネットワーク(例えば、eNodeBなど)または物理送信ポイント(例えば、アンテナサイト)に関連付ける必要はない。また、端末によって見られる異なるセルは異なるネットワーク要素および/または送信ポイントから送信されると予想されうる。第1の例は、PCellとSCellはともに同じeNodeBに関連付けられているが、2つの異なる送信ポイントから送信される、例えば、PCellはeNodeBの位置から送信され、SCellはeNodeBに接続されたリモート無線ヘッドから送信される、というものである。別の例は、PCellは第1のeNodeBに関連付けられかつ当該第1のeNodeBから送信され、SCellは第2のeNodeBに関連付けられかつ当該第2のeNodeBから送信される、というものである。また、注目すべきは、コンポーネントキャリアだけでなくPCellもSCellも、それらの時間および周波数の送信リソースに対して完全に重なっているか部分的に重なっているかまたは全く重なっていない可能性があることである。セル(Cell)およびコンポーネントキャリアという用語は、以下では区別しないで使用される。なぜなら、PCellとSCellは両方ともコンポーネントキャリアとして見られ得るからである。しかし、このことは、本発明の範囲をLTE標準の特定のリリースに限定するように解釈してはならない。
【0011】
キャリアアグリゲーション(carrier aggregation)が設定されている場合、UEのみがネットワークと1個のRRC接続を持つ。RRC接続の確立/再確立/ハンドオーバ時には、1つのサービングセル(serving cell)がNASモビリティ情報(例えば、TAI)を提供し、RRC接続の再確立/ハンドオーバ時には、1つのサービングセルがセキュリティ入力を提供する。このセルは、プライマリセル(Primary Cell:PCell)と呼ばれる。ダウンリンクにおいて、PCellに対応するキャリアは、ダウンリンクプライマリコンポーネントキャリア(Downlink Primary Component Carrier:DLPCC)であり、アップリンクにおいて、それはアップリンクプライマリコンポーネントキャリア(Uplink Primary Component Carrier:ULPCC)である。
【0012】
UEの能力に応じて、セカンダリセル(Secondary Cell:SCell)は、PCellと一緒に、1組のサービングセルを形成するように設定され得る。ダウンリンクにおいて、SCellに対応するキャリアは、ダウンリンクセカンダリコンポーネントキャリア(Downlink Secondary Component Carrier:DLSCC)であり、アップリンクにおいて、それはアップリンクセカンダリコンポーネントキャリア(Uplink Secondary Component Carrier:ULSCC)である。
【0013】
したがって、UE用に設定された1組のサービングセルは、いつも、1個のPCellと0個以上のSCellから構成されている。
− 各SCellに対して、ダウンリンクリソースに加えてUEによるアップリンクリソースの利用が設定可能(したがって、設定されたDLSCCの個数はいつもUL SCCの個数以上であり、また、SCellはアップリンクリソースの利用のみには設定できない)
− UE側から見て、各アップリンクリソースは、1個のサービングセルに属するのみである。
− 設定可能なサービングセルの個数は、UEのアグリゲーション能力に依存する。
− PCellは、ハンドオーバ手順(つまり、セキュリティキーの変更およびRACH手順)によって変更され得るのみである。
− PCellは、PUCCHの送信に使用される。
− SCellとは異なり、PCellは非アクティブ化できない。
− NAS情報は、PCellから取られる。
【0014】
SCellの再構成、追加および除去は、RRCによって行われ得る。LTE内ハンドオーバ時、RRCは、ターゲットのPCellと使用するために、SCellを追加、除去、または再構成することもできる。新しいSCellを追加するとき、そのSCellのすべての必要なシステム情報を送るために、専用のRRCシグナリングが使用される。すなわち、接続モードにあるとき、UEは、ブロードキャストされたシステム情報をSCellから取得する必要はない。
【0015】
リンクアダプテーション(link adaptation)の原理は、パケット交換データトラフィックに対する効率的な無線インタフェースの設計にとって重要である。ほぼ一定のデータレートを持つ回線交換サービスをサポートするために高速閉ループ電力制御を利用したUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)の初期バージョンと異なり、LTEのリンクアダプテーションは、各ユーザに対する現行の無線チャネル容量に適合させるために、送信したデータレート(変調方式およびチャネル符号化率)を動的に調整する。
【0016】
LTEのダウンリンクデータ送信に関して、eNodeBは、通常、ダウンリンクチャネル状態の予測に応じて変調方式および符号化率(MCS)を選択する。この選択処理に対する重要な入力は、eNodeBへのアップリンクにおいてユーザ機器(UE:User Equipment)によって送信されるチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)フィードバックである。
【0017】
チャネル状態情報は、例えば3GPP LTEのようなマルチユーザ通信システムにおいて、一人以上のユーザに対するチャネルリソースの品質を決定するのに使用される。一般に、eNodeBは、CSIフィードバックに応えて、QPSK、16QAM、および64QAMの変調方式、ならびに幅広い符号化率から選択することができる。このCSI情報は、チャネルリソースを異なるユーザに割り当てるマルチユーザスケジューリングアルゴリズムに役立たせたり、あるいは、割り当てられたチャネルリソースを最大限に生かすよう、変調方式や符号化率、送信電力などのリンクパラメータを適合させたりするのに利用される。
【0018】
CSIは、コンポーネントキャリアごとに、また、報告モードおよび帯域幅に応じて、コンポーネントキャリアの異なるサブバンド群ごとに、報告される。チャネルリソースは、
図3に例示された「リソースブロック」として定義することができる。
図3は、例えば、3GPPのLTE作業項目で議論されたOFDMを採用したマルチキャリア通信システムを想定している。より一般的に、リソースブロックは、スケジューラによって割り当て可能な移動通信の無線インタフェース上の最小リソースを示すものと考えることができる。リソースブロックの次元(dimensions)は、移動通信システムで用いられるアクセス方式に応じて、時間(例えば、時分割多重(TDM)のためのタイムスロットやサブフレーム、フレームなど)や周波数(例えば、周波数分割多重(FDM)のためのサブバンドやキャリア周波数など)、コード(例えば、符号分割多重(CDM)のための拡散コード)、アンテナ(例えば、多入力多出力(MIMO: Multiple Input Multiple Output))の任意の組合せが可能である。
【0019】
最小の割り当て可能なリソース単位がリソースブロックであるとして、理想的な場合において、それぞれのリソースブロックすべておよびそれぞれのユーザすべてに対するチャネル品質情報は常に利用可能でなければならない。しかし、フィードバックチャネルは容量が制約されているため、それは、ほとんど実現可能ではなく、不可能でさえある。したがって、チャネル品質フィードバックシグナリングのオーバーヘッドを削減するために、例えば、あるユーザに対する一部のリソースブロックのみに対するチャネル品質情報を送信するなど、削減または圧縮の技術が必要である。
【0020】
3GPP LTEでは、チャネル品質が報告される最小単位はサブバンドと呼ばれている。サブバンドは、周波数方向に隣接する(frequency-adjacent)複数のリソースブロックで構成されている。
【0021】
上記のように、ユーザ機器は、通常、設定されているが非アクティブ化されたダウンリンクコンポーネントキャリアのCSI測定を実行・報告することはなく、RSRP(Reference Signal Received Power)およびRSRQ(Reference Signal Received Quality)のような無線リソースの管理に関連する測定を行うのみである。ダウンリンクコンポーネントキャリアをアクティブ化する場合、効率的なダウンリンクスケジューリングのための適切なMCSを選択できるようにするために、eNodeBが、新たにアクティブ化されたコンポーネントキャリアに対するCSI情報を迅速に獲得することが重要である。CSI情報がなければ、eNodeBは、ユーザ機器のダウンリンクチャネル状態についての知識がなく、ダウンリンクデータ送信に対して積極的すぎるMCSか消極的すぎるMCSを選択してしまう可能性が高い。いずれの場合も、再送が要求されまたは利用されていないチャネル容量のため、かえってリソースの利用が非効率になってしまう。
【0022】
一般に、移動通信システムは、チャネル品質フィードバックを伝えるのに用いる特別の制御シグナリングを定義する。3GPPLTEには、チャネル品質のフィードバックとして与えることができるあるいはできない3つの基本要素が存在する。これらのチャネル品質要素は、
− 変調・符号化方式インジケータ(MCSI:Modulation and Coding Scheme Indicator)(LTE仕様書および当該明細書ではチャネル品質インジケータ(CQI:Channel Quality Indicator)とも呼ばれる)
− プリコーディング行列インジケータ(PMI:Precoding Matrix Indicator)
− ランクインジケータ(RI:Rank Indicator)
である。
【0023】
MCSIは、送信に使用すべき変調・符号化方式を提案するのに対し、PMIは、RIによって与えられる送信行列の階数(rank)を使用する、特別の多重化およびマルチアンテナ送信(MIMO)に用いられるプリコーディング行列/ベクトルを示す。関連する報告・送信メカニズムの詳細は、非特許文献3、非特許文献4、および非特許文献5(すべての文献はhttp://www.3gpp.orgで入手可能であり、参照することにより本明細書に組み込まれている)に記載されている。
【0024】
3GPP LTEでは、上記3つのチャネル品質要素のすべてがいつでも報告されるわけではない。注目すべきは、3GPP LTEは、2つのコードワードの送信もサポートしている(例えば、ユーザデータ(トランスポートブロック)の2つのコードワードを1つのサブフレームに多重化して1つのサブフレームで送信することができる)ため、1つのコードワードまたは2つのコードワードのいずれかについてフィードバックすればよいことである。詳細は、20MHzのシステム帯域幅を使用したシナリオの一例について、次節および下記の表1に与えられている。この情報は非特許文献5のSection 7.2.1に基づいている。コードワードおよびこれのレイヤへのマッピングは非特許文献3のSection 6.3.3.2に詳細に記載されている。
【0025】
非周期的なチャネル品質フィードバックに対する個々の報告モードは、3GPP LTEで、次の通りに定義されている。
【0026】
報告モード1−2
送信モード1−8に対する本報告の内容:
− コードワードごとの、1つの集合SのMCSI値
− 各サブバンドの1つの好ましいPMI
− 送信モード4または8の場合:1つのRI値
送信モード9に対する本報告の内容:
− コードワードごとの、1つの集合SのMCSI値
− 集合Sに対する1つの好ましいPMI
− 各サブバンドの1つの好ましいPMI
− 1つのRI値
【0027】
報告モード2−0
本報告の内容:
− 1つの集合SのMCSI値
− M個の選択されたサブバンドの位置
− M個の選択されたサブバンドに対する1つのMCSI値(集合SのMCSI値に
対する2ビットの差分、非負)
− 送信モード3の場合:1つのRI値
【0028】
報告モード2−2
送信モード1−8に対する本報告の内容:
− コードワードごとの、1つの集合SのMCSI値
− 集合Sに対する1つの好ましいPMI
− M個の選択されたサブバンドの位置
− コードワードごとの、M個の選択されたサブバンドに対する1つのMCSI値(
集合SのMCSI値に対する2ビットの差分、非負)
− M個の選択されたサブバンドに対する1つの好ましいPMI
− 送信モード4または8の場合:1つのRI値
送信モード9に対する本報告の内容:
− コードワードごとの、1つの集合SのMCSI値
− 集合Sに対する1つの好ましいPMI
− M個の選択されたサブバンドの位置
− コードワードごとの、M個の選択されたサブバンドに対する1つのMCSI値(
広帯域MCSI値に対する2ビットの差分、非負)
− M個の選択されたサブバンドに対する1つの好ましい第1PMI
− M個の選択されたサブバンドに対する1つの好ましい第2PMI
− 送信モード4以外の送信モードの場合:1つのRI値
【0029】
報告モード3−0
本報告の内容:
− 1つの集合SのMCSI値
− サブバンドごとの1つのMCSI値(集合SのMCSI値に対する2ビットの差
分)
− 送信モード3の場合:1つのRI値
【0030】
報告モード3−1
送信モード1−8に対する本報告の内容:
− コードワードごとの、1つの集合SのMCSI値
− 集合Sに対する1つの好ましいPMI
− コードワードごとの、サブバンドごとの、1つのMCSI値(集合SのMCSI
値に対する2ビットの差分)
− 送信モード4または8の場合:1つのRI値
送信モード9に対する本報告の内容:
− コードワードごとの、1つの集合SのMCSI値
− 集合Sに対する1つの好ましい第1PMI
− 集合Sに対する1つの好ましい第2PMI
− コードワードごとの、サブバンドごとの、1つのMCSI値(集合SのMCSI
値に対する2ビットの差分)
− 1つのRI値
【0031】
以下の表1は、送信モードと報告モードのさまざまな組合せに対するCSI報告に用いられるビット量を示す。RI値も送信されるか否かは、次の表1では考慮していない。すなわち、ビットは、単に、MCSI(CQI)およびPMIのようなCSI報告をカバーするのみである。注目すべきは、いくつかのモードについて、詳細な数はまだ規格上同意されていないため、さらなる規格化作業において変更されうることである。
【0032】
上記のように、本表では、コンポーネントキャリアが20MHzの帯域幅を持つと仮定されている。
【0033】
【表1】
【0034】
例えば、送信モード1かつ報告モード3−0において、CQI報告は、30ビットの情報を含む。仮定した20MHzのコンポーネントキャリアのシナリオにおいて、モード3−0の場合、全部で13個のサブバンド(全部で100個のリソースブロック、サブバンドごとに8個のリソースブロック)がある。各サブバンドに対して2ビットの差分(differencial)MCSIが折り返し報告される。さらに、4ビットの広帯域MCSIがある(CSIの非周期的報告を仮定すれば)。したがって、CSIフィードバックは、30ビットで構成されている。
【0035】
注目すべきは、「サブバンド」という用語は、ここでは、前に概説したように、多くのリソースブロックを表すために用いられていることである。一方、集合(set)Sという用語は、一般に、システム帯域幅内のリソースブロック全部(whole set of resource blocks)の一部(subset)を表している。3GPP LTEおよびLTE−Aとの関連では、今まで集合Sは、セル全体、つまり、コンポーネントキャリアの帯域幅である最大20Hzまでの周波数範囲を常に表すものと定義されている。以下では、簡単のため、集合Sを「広帯域」("wideband")と呼ぶ。しかし、将来、集合Sは、セルのリソースブロックのいくつかを表すだけかもしれない。その場合、当業者は、本発明の実施の形態に関連して使用された広帯域(または集合S)という用語を、単にそのようなものとしての「広帯域」(または「集合S」)よりも広く解釈するよう、注意しなければならない。
【0036】
UEがCSIについて報告するのに使用する周期性および周波数分解能はいずれも、eNodeBによってコントロールされる。物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)は、周期的CSI報告のみに使用される。CSIの非周期的報告については、PUSCHが使用される。これにより、eNodeBは、具体的に、UEに、アップリンクデータ送信の予定になっているリソースに埋め込まれた個々のCSI報告を送信するよう指示する。
【0037】
さらに、eNodeBにおける複数の送信アンテナの場合、CSI値を第2のコードワードとして報告してもよい。いくつかのダウンリンク送信モードについては、プリコーディング行列インジケータ(PMI:Precoding Matrix Indicator)およびランクインジケータ(RI:Rank Indicator)からなる追加フィードバックシグナリングも、UEによって送信される。
【0038】
CSI情報を素早く獲得するために、eNodeBは、物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel)で送信されるアップリンクリソースグラントにCSI要求ビットをセットすることにより、非周期的CSIをスケジューリングすることができる。
【0039】
3GPP LTEにおいては、ユーザ機器からのいわゆる非周期的チャネル品質フィードバックを引き起こす単純なメカニズムが予想される。無線アクセスネットワークのeNodeBは、L1/L2制御信号をユーザ機器に送信していわゆる非周期的CSI報告の送信を要求する(詳細は、3GPP TS 36.212, Section 5.3.3.1.1および3GPP TS 36.213, Section 7.2.1を参照)。ユーザ機器による非周期的チャネル品質フィードバックの提供を引き起こす別の可能性は、ランダムアクセス手続きに関連している(3GPP TS 36.213, Section 6.2参照)。
【0040】
ユーザ機器は、チャネル品質フィードバックの提供トリガを受信するとすぐに、続いて、チャネル品質フィードバックをeNodeBに送信する。通常、チャネル品質フィードバック(つまり、CSI報告)は、スケジューラ(eNodeB)によるL1/L2シグナリングによってユーザ機器に割り当てられた物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared CHannel)リソース上でアップリンク(ユーザ)データと多重化される。キャリアアグリゲーションの場合、CSI報告は、チャネル品質フィードバックを引き起こしたL1/L2信号(つまり、PDCCH)によってグラントされた上記PUSCHリソース上で多重化される。
【0041】
チャネル状態情報のフィールドの内容は、上記のように、特定のコンポーネントキャリアに対するチャネル品質を示す異なるフィードバック要素を有する。現在の標準化によれば、チャネル状態情報のフィールドの内容は、次の1つ以上、つまり、コンポーネントキャリア全体(例えば、全サブバンド、集合S)に対する変調・符号化方式インデックス(MCSI:modulation and coding scheme index)の値、コンポーネントキャリアの各サブバンドに対するMCSIオフセット値(MCSIオフセット値は、サブバンドの集合SのMCSI値に対する差分として符号化される)、コンポーネントキャリアのサブバンドの集合Mに対するMCSIオフセット値(集合Mは集合Sよりも少ないサブバンドを含み、MCSIオフセット値は、再度、コンポーネントキャリア全体のMCSI値に対する差分として符号化される)、および、プリコーディング行列インジケータ、の1つ以上を有する。ランクインジケータ(RI:rank indicator)も、チャネル状態情報報告のために送信される。しかし、ランクインジケータは、チャネル状態情報メッセージそれ自体の中ではなく、別々に送信される。なぜなら、チャネル状態情報報告(MCSI&PMI)のサイズは、報告されるランクインジケータに依存するからである。
【0042】
これらのフィードバック要素のどれが実際にチャネル状態報告に含まれるかは、とりわけ、基地局によって設定される送信モードおよび報告モードに依存する。いずれの場合にも、含まれるフィードバック要素とは無関係に、特定のコンポーネントキャリアに対するチャネル状態情報フィールドの要素の値は、基地局が、当該フィールドの内容が本当にチャネル品質を示すものか否か、または、チャネル状態情報が算出されなかった関連するコンポーネントキャリアの状態を示すものか否か、を決定できるように定義されなければならない。
【0043】
変調および符号化方式のインデックス(MCSI)
適応変調・符号化(AMC:adaptive modulation and coding)を用いて各ユーザの情報データレートを受信信号の品質変動に適合させることができる。AMCの自由度は変調・符号化方式で構成され、変調方式と符号化率の特定の組合せが、変調・符号化方式インデックス(MCSI:Modulation and Coding Scheme Index)を用いて示される。MCSIによって信号伝達可能な、変調方式および符号化率のリストの一例を、以下の表2に示す。注目すべきは、特定の入力は通常ターゲットの通信システムに依存することである。表2は、3GPPLTEリリース8のシステムの定義を示している。他のシステムでは、例えば、16個よりも多いレベルを提供し、または、追加もしくは異なる変調方式を用いることができる。
【0044】
【表2】
【0045】
チャネル状態情報報告の内容、特に、コンポーネントキャリアのチャネル品質について報告するために含まれるパラメータに影響を与える、報告モードおよび送信モードがいくつかある。
【0046】
報告モード3−0、3−1では、1つのMCSI値が、コードワード毎に各サブバンドに対して符号化される。これは、サブバンド差動報告(subbanddifferential report)と呼ばれる。各コードワードに対する各サブバンドのMCSI値は、それぞれの広帯域MCSIに対して2ビットを用いて、以下、つまり、
サブバンド差動MCSIオフセットレベル
=サブバンドMCSIインデックス−広帯域MCSIインデックス
に従って、差動的に符号化される。
【0047】
したがって、各サブバンドのMCSIインデックスは、広帯域MCSIインデックスと、差動MCSI値によって符号化されたオフセット値とを加算することによって、算出することができる。
【0048】
差動MCSI値と、広帯域MCSIインデックスに適用される実際のオフセットレベルとのマッピングは、報告モード3−0、3−1に対して、次の表3によって決定される。
【0049】
【表3】
【0050】
このモードのサブバンドサイズは、4、6、または8RBSである。例えば、広帯域MCSIがMCSIインデックス8(16QAMおよび符号化率490/1024)を符号化し、サブバンド#1に対する2ビット差動MCSI値が1である場合、当該サブバンド#1に対する実効MCSIインデックスは9(64QAMおよび符号化率466/1024)である。サブバンド#1に対する差動MCSI値が2である場合、当該サブバンド#1に対するMCSIインデックスは、広帯域MCSIよりも少なくとも2インデックス分大きくなる(つまり、10以上)。
【0051】
報告モード2−0、2−2では、M個の選択されたサブバンドに対する1つのMCSI値が、ユーザ機器によってコードワードごとに報告される。このモードのサブバンドサイズは、2、3、または4RBSである。各コードワードに対するM個の選択されたサブバンドのMCSI値は、それぞれの広帯域MCSI値に対して2ビットを用いて、以下、つまり、
差動MCSIオフセットレベル
=M個の選択されたサブバンドのMCSIインデックス−広帯域MCSIインデックス
に従って、差動的に符号化される。
【0052】
したがって、基地局は、広帯域MCSIインデックスと、報告モード2−0、2−2に対する次の表4に従ってサブバンド差動MCSI値によって符号化された差動MCSIオフセットレベルとを加算することによって、選択されたM個のサブバンドに対するMCSIインデックスを算出することができる。
【0053】
【表4】
【0054】
さらに、広帯域多重コードワードの周期的報告の場合には空間差動報告が用いられる。差動値の範囲は、
コードワード1MCSIオフセットレベル
=コードワード0の広帯域MCSIインデックス
−コードワード1の広帯域MCSIインデックス
に従って、−4から+3であり、次の表4aに示される。
【0055】
【表4a】
【0056】
プリコーディング行列インジケータ(PMI:Precoding Matrix Indicator)
いくつかの送信モードに対して、プリコーディングフィードバックが、チャネル依存性コードブックに基づくプリコーディングに用いられ、プリコーディング行列インジケータを報告するUEを頼りにしている。各PMI値は、3GPPの文書であるTS 36.211 v10.0.0のChapter 6.3.4.2.3 "Codebook for precoding"の対応表に記載されたコードブックインデックスに対応する。そのインデックスがPMIを構成するプリコーダは、全レイヤにわたって受信され得るデータビットの総数を最大化するプリコーダである。
【0057】
上記の表から明らかなように、PMIは、送信に使用されるアンテナポートおよび関連するランクインジケータに応じて2ビットまたは3ビットの長さである。
【0058】
ランクインジケータ(RI:Rank Indicator)
UEは、ランクインジケータによってチャネルランクを報告するように構成することもできる。ランクインジケータは、帯域幅全体の容量を最大化するために算出される。
【0059】
特に、空間多重に関して、UEは、有用な送信レイヤの数に対応するRIを決定する。送信ダイバーシティに関して、RIは1に等しい。
【0060】
実際には、ランクインジケータは、チャネル状態情報が1つまたは2つのコードワードに対して報告されるかに影響を与える。例えば、RIが1の場合、1つのコードワードのみのチャネル状態情報が報告され、RIが1よりも大きい場合、2つのコードワードのチャネル状態情報が報告される。
【0061】
LTEシステムにおいて、実際の送信レートは、例えば移動端末と基地局間の距離などのいくつかの展開ファクタに依存する。したがって、非常に高いデータレートをサポートするためには、より高密度のインフラが必要である。しかし、既存のマクロセルネットワークの密度を高くすることは、かなり高価になりがちである。もっと魅力的なアプローチは、マクロセルを補完することである。これは、基本カバレッジ(basic coverage)に、必要に応じて低出力ピコセルを追加する。2つ以上の少なくとも部分的に重なり合うセルレイヤを展開することは、異種展開(heterogeneous deployment)と呼ばれる。すでにLTEのリリース8では、セルレイヤの間でリソースの使用を動的に調整して異なるレイヤでリソースの重複を避けるために、セル間干渉調整(ICIC:inter-cell interference coordination)が導入されている。セルレイヤは、近い将来送信を予定する周波数についての情報を交換することができる。これにより、さらなる干渉を低減しまたは完全に回避することさえ可能になる。異なるセルレイヤに対する制御シグナリングを分離するために、周波数領域方式は、キャリアアグリゲーションを用いる。各セルレイヤの少なくとも1つのコンポーネントキャリアは、他のセルレイヤから、それぞれのコンポーネントキャリアで制御シグナリングを送信しないことによって、干渉から保護されている。時間領域方式は、時間領域において異なるセルレイヤで制御シグナリングを分離する。特に、低出力セルレイヤのいくつかのサブフレームは、干渉から保護される。特に、保護されていないサブフレームにおいて、マクロセルおよびピコセルのeNodeB(eNB)は、公称送信電力で送信する。結果として、マクロeNBからの信号は、ピコセルにおいて主要な干渉源として見られる。対照的に、保護されたサブフレームにおいて、マクロeNBは、ほとんど電力を送信していない。結果として、ピコセルの干渉は、大幅に低減される。その結果、ピコセル中心のSINRは、保護されていないサブフレームに比べてずっと高い。これは、結果的にカバレッジエリアの増大をもたらす。注目すべきは、保護されたサブフレームは、上述のピコセル/マクロセル状況で特に有用であるが、隣接セルとの干渉を低減するために他のいかなるマルチセル展開でも使用可能であるということである。
【0062】
保護されたサブフレームにおいて、ピコセルの移動局に対する広帯域およびサブバンドのチャネル品質の指標値(indication value)は、かなり高いと推定されうる。ピコeNodeB(ピコUEチャネル)の周波数選択性により、いくつかのサブバンドは、広帯域平均よりもずっと良い可能性がある。このような場合には、特にサブバンドのチャネル品質指標値に対して、チャネル品質情報レベル15(上記表2参照)の絶対最大値により損失がありうる。これは、レベル15よりも相当良いサブバンドはちょうどレベル15に達したサブバンドと同様に扱われるという事実が原因で起こる。したがって、スケジューラは、ある移動局に対する異なる品質のレベル15を区別することができず、よって、スペクトル効率が低下する。スケジューラは、レベル15の到達にまだどの程度の電力低下が可能であるかを知ることができない。また、スケジューラは、レベル15を報告する多数の移動局間のチャネル容量差を知ることができず、よって、マルチユーザダイバーシチを最適に利用することができない。
【0063】
図4は、保護されていないサブフレームが適用された場合と、保護されたサブフレームが適用された場合との階層システムの一例を示している。特に、マクロeNB420もピコeNB410も両方ともそれぞれの公称送信電力で送信し、ピコセルの干渉が増加する。マクロeNB440は非常に低い電力レベルで送信し、ピコeNB430はその公称送信電力で送信する。結果として、ピコセルの干渉は低減される。
【発明の概要】
【0065】
上記の点を考慮して、本発明の目的は、マルチセル環境におけるチャネル品質情報のシグナリングのための効率的なアプローチであって、特に、マルチセルレイヤの異種展開に適した(限定はされないが)ものを提供することである。
【0066】
これは、独立請求項の特徴によって達成される。
【0067】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0068】
本発明のアプローチは、絶対的にシグナルされるチャネル品質報告と相対的にシグナルされるチャネル品質報告を決定するために、可能なチャネル状態情報の値の異なる集合を提供することである。
【0069】
これにより、相対的にシグナルされるチャネル品質報告の精度の向上が可能になり、他方で、より効率的なリソースの利用、したがって、より高いスペクトル効率が可能になる。
【0070】
本発明の一態様によれば、通信システムにおいてチャネル状態情報をユーザ機器から基地局に報告する方法であって、チャネル状態値の第1の集合から第1のチャネル状態情報の値を決定するステップと、チャネル状態値の、前記第1の集合とは異なる第2の集合から、第2のチャネル状態情報の値を決定するステップと、前記決定した第1および第2のチャネル状態情報の少なくとも1つを含むチャネル状態情報メッセージを作成するステップと、前記チャネル状態情報メッセージを前記基地局に送信するステップと、を備え、データの送信が、時間領域のサブフレーム内で行われ、前記サブフレームは、第1の設定により、前記基地局が送信しまたは送信するように宣伝した第1のサブフレームと、第2の設定により、前記基地局が送信しまたは送信するように宣伝した第2のサブフレームと、を含み、チャネル状態情報の報告が前記第1のサブフレームに対して行われるときに、前記第1のチャネル状態情報は、前記チャネル状態情報メッセージに含まれ、チャネル状態情報の報告が前記第2のサブフレームに対して行われるときに、前記第2のチャネル状態情報は、前記チャネル状態情報メッセージに含まれる、方法が提供される。また、本発明の一態様によれば、通信システムにおいてチャネル状態情報を基地局に報告するユーザ機器によって実行される方法であって、前記基地局から時間領域においてサブフレームに含まれるデータを受信するステップと、チャネル状態値の第1のセットから第1のチャネル状態情報を決定し、前記第1のセットとは異なるチャネル状態値の第2のセットから、第2のチャネル状態情報を決定し、前記決定した第1および第2のチャネル状態情報の少なくとも1つを含むチャネル状態情報報告を作成するステップと、前記サブフレームは、第1のサブフレームおよび第2のサブフレームの少なくとも1つを含み、前記第1のサブフレームに対して行われる前記チャネル状態情報報告は、前記第1のチャネル状態情報を含み、前記第2のサブフレームに対して行われる前記チャネル状態情報報告は、前記第2のチャネル状態情報を含み、第1の設定により前記第1のサブフレームに対する前記チャネル状態情報報告を送信し、第2の設定により前記第2のサブフレームに対する前記チャネル状態情報報告を送信するステップと、を含む方法が提供される。
【0071】
本発明の他の態様によれば、通信システムにおいてチャネル状態情報を基地局に報告するユーザ機器であって、チャネル状態値の第1の集合から第1のチャネル状態情報の値、およびチャネル状態値の、前記第1の集合とは異なる第2の集合から、第2のチャネル状態情報の値を決定し、前記決定した第1および第2のチャネル状態情報の少なくとも1つを含むチャネル状態情報メッセージを作成する、制御部と、動作時に、前記チャネル状態情報メッセージを前記基地局に送信する送信部と、を備え、データの送信が、時間領域のサブフレーム内で行われ、前記サブフレームは、第1の設定により、前記基地局が送信しまたは送信するように宣伝した第1のサブフレームと、第2の設定により、前記基地局が送信しまたは送信するように宣伝した第2のサブフレームと、を含み、チャネル状態情報の報告が前記第1のサブフレームに対して行われるときに、前記第1のチャネル状態情報は、前記チャネル状態情報メッセージに含まれ、チャネル状態情報の報告が前記第2のサブフレームに対して行われるときに、前記第2のチャネル状態情報は、前記チャネル状態情報メッセージに含まれる、ユーザ機器が提供される。また、本発明の一態様によれば、通信システムにおいてチャネル状態情報を基地局に報告するユーザ機器であって、前記基地局から時間領域においてサブフレームに含まれるデータを受信する受信部と、チャネル状態値の第1のセットから第1のチャネル状態情報を決定し、前記第1のセットとは異なるチャネル状態値の第2のセットから、第2のチャネル状態情報を決定し、前記決定した第1および第2のチャネル状態情報の少なくとも1つを含むチャネル状態情報報告を作成する、制御部と、前記サブフレームは、第1のサブフレームおよび第2のサブフレームの少なくとも1つを含み、前記第1のサブフレームに対して行われる前記チャネル状態情報報告は、前記第1のチャネル状態情報を含み、前記第2のサブフレームに対して行われる前記チャネル状態情報報告は、前記第2のチャネル状態情報を含み、第1の設定により前記第1のサブフレームに対する前記チャネル状態情報報告を送信し、第2の設定により前記第2のサブフレームに対する前記チャネル状態情報報告を送信する送信部と、を備える、ユーザ機器が提供される。
【0072】
好ましくは、通信システムは、少なくとも時間領域および周波数領域で定義された物理リソースに基づくセルラー無線システムである。しかし、システムリソースは、コードまたはビーム形成/異なるアンテナによっても定義されうる。例えば、通信システムは、3GPPLTEシステムのリリース8、9、もしくは10以上と同様の、または同リリースに基づくシステムである。
【0073】
本発明の一実施形態によれば、第1のチャネル状態情報(CSI)は、所定の周波数帯域に対して決定され、第2のチャネル状態情報は、前記所定の周波数帯域の少なくとも1つのサブバンドに対して決定され、前記相対チャネル状態情報は、前記第2のチャネル状態情報の値と前記第1のチャネル状態情報の値との差として算出され、前記第2の集合は、前記第1の集合、および、当該第2の集合に含まれるチャネル状態の中で最適チャネル状態を示す少なくとも1つのさらなる所定のチャネル状態値を含む。本発明にとって、前記差が、前記第2の値から前記第1の値を引くこと(またはその逆)によって得られるかどうかは、重要でない。両アプローチとも適用可能である。例えば、第1のチャネル状態情報は、広帯域のCSIであり、第2のチャネル状態情報は、サブバンドのCSIである。第1の集合は、第2の集合よりも小さい範囲のチャネル状態(品質)値をカバーする。第1のチャネル状態情報の値は、第2のチャネル状態情報は、絶対値(値が直接にかつ他のそのようなチャネル状態値とは無関係にシグナルされるという意味で絶対)としてシグナルされる値であり、第2のチャネル状態情報の値は、第1のチャネル状態情報の値に対して相対的にシグナルされる(報告される)値である。具体的には、第1のチャネル状態情報の値に相対値を加えることによって、第2のチャネル状態情報の値を取得しうる。第2のチャネル状態値は、特に相対値が第1のCSIの上限値に加えられた場合には、第1のチャネル状態値に対する可能な範囲の外になる。これにより、第2の(相対)チャネル状態情報の値のシグナリングに対してより高い精度が可能になる。これは、とりわけチャネルが非常に良好な(信号対雑音および干渉比が高く、それに応じてブロック誤り率などの誤り率が低いという意味で)シナリオにおいて有益であり、それに応じてスペクトル効率が高くなる。
【0074】
本発明の他の実施形態によれば、前記第1のチャネル状態情報は、第1のコードワードに対して決定され、前記第2のチャネル状態情報は、第2のコードワードに対して決定され、前記相対チャネル状態情報は、前記第1のチャネル状態情報の値と前記第2のチャネル状態情報の値との差として算出される。第1のコードワードと第2のコードワードは、異なるアンテナ/ビームによって送信される。しかし、本発明はこれに限定されず、コードワードは、ビーム形成やプリコーディングなどのさらなる信号処理の有無にかかわらず、同じアンテナで送信してもよい。
【0075】
有利には、前記少なくとも1つのさらなる所定のチャネル状態情報の値は、目標スペクトル効率、目標誤り率、または電力余裕によって、前記第1の集合の中から所定のチャネル状態値に関して定義される。これらのパラメータは、測定されたチャネル品質を反映する。
【0076】
有利には、前記第2の集合は、前記第1の集合を別にすれば、さらに所定のチャネル状態値を含み、当該所定のチャネル状態値は、インデックスが付与され、インデックス付与の順序は、それぞれのインデックスによって表されるチャネル品質の順序と一致しない。一般に、第1の集合も第2の集合も必ずしもチャネル品質に従って順序付けられていない。本発明の一実施形態によれば、第1の集合は第2の集合の一部であり、第2の集合はインデックスが付与され、第2の集合は第1の集合から始まり、第1の集合はチャネル品質に従って順序付けられ、第1の集合以外の第2の集合の残りの値はチャネル品質に従って順序付けられていない(インデックスに応じてマッピングされていない)。
【0077】
本発明の他の態様によれば、通信システムにおいてユーザ機器からチャネル状態情報の報告を受信する方法であって、前記基地局によって実行される以下のステップ、つまり、前記ユーザ機器からチャネル状態情報メッセージを受信するステップと、前記受信したチャネル状態情報メッセージから少なくとも1つの相対チャネル状態情報を抽出するステップと、所定のチャネル状態値の第1の集合から第1のチャネル状態情報の値を決定するステップと、所定のチャネル状態値の第2の集合から、前記第1のチャネル状態情報および前記相対チャネル状態情報に基づいて、第2のチャネル状態情報の値を決定するステップ(前記第2の集合は、前記第1の集合と異なる)と、を有する方法が提供される。
【0078】
本発明の他の態様によれば、通信システムにおいてユーザ機器からチャネル状態情報の報告を受信する基地局であって、前記ユーザ機器からチャネル状態情報メッセージを受信する受信部と、前記受信されたチャネル状態情報メッセージから少なくとも1つの相対チャネル状態情報を抽出する解析部と、所定のチャネル状態値の第1の集合から第1のチャネル状態情報の値を決定し、また、所定のチャネル状態値の第2の集合から、前記第1のチャネル状態情報および前記相対チャネル状態情報に基づいて、第2のチャネル状態情報の値を決定する算出部(前記第2の集合は、前記第1の集合と異なる)と、を有する基地局が提供される。
【0079】
基地局は、スケジューリングとリソース管理のために、受信したチャネル状態情報の値を使用しうる。
【0080】
基地局では、本発明の一実施形態によれば、前記第2の集合の前記所定のチャネル状態情報の値のどれが前記第1の集合の所定のチャネル状態値を形成するかを示す第1集合のインジケータが決定され、この決定された第1集合のインジケータが前記ユーザ端末に送信される。
【0081】
ユーザ機器(ユーザ端末)では、その後、好ましくは、次のステップ、つまり、前記第2の集合の前記所定のチャネル状態情報の値のどれが前記第1の集合の所定のチャネル状態値を形成するかを示す第1集合のインジケータを、前記基地局から受信するステップと、前記第1集合のインジケータに従って前記第1の集合の前記チャネル状態情報の値を決定するステップと、が実行される。
【0082】
前記第2の集合の前記所定のチャネル状態情報の値は、変調・符号化方式のインデックス、および、決定された変調・符号化方式が範囲外であることを示すインデックス、を含みうる。
【0083】
有利には、前記第1集合のインジケータは、前記第2の集合の前記インデックス内のオフセットを示し、前記第1の集合の前記チャネル状態情報の値は、前記オフセットインデックスの次、または以降の所定数のインデックスとして決定される。オフセットを信号で伝えることは、第1の集合の開始を決定する簡単な手段を提供するものであり、第1の集合の可能なチャネル状態値の数があらかじめ定義されていれば、オフセットは、第1の集合の決定にとって十分である。好ましくは、チャネル状態値の所定数は、信号伝達能力が使用できるように、2のべき乗の数である。
【0084】
本発明の一実施形態によれば、決定された変調・符号化方式が範囲外であることを示す前記インデックスは、前記第2の集合内の前記第1オフセットインデックスの位置および前記第1の集合内の前記第1の位置にある。これにより、範囲外の値を常に第1の集合の中に含めることが可能になる。
【0085】
特に、前記変調・符号化方式のインデックスは、例えば、決定または推奨された符号化方式、変調方式、および/またはチャネル品質のしきい値を含むテーブル内のインデックスであり、前記チャネル品質のしきい値は、例えば、信号対干渉および雑音比、誤り率、またはスペクトル効率によって与えられる。
【0086】
有利にかつ選択的に、前記第1集合のインジケータは、測定された信号対干渉および雑音比と前記テーブル内の前記チャネル品質のしきい値との間のオフセット、または、要求される目標誤り率に対するオフセットを示す。
【0087】
本発明の一実施形態によれば、通信システムにおいてチャネル状態情報をユーザ機器から基地局に報告する方法であって、前記通信システムでは、データの送信が、時間領域のサブフレーム内で行われ、前記ユーザ端末と通信する基地局が、第1のセルと関係し、前記ユーザ端末への干渉をもたらす基地局が、第2のセルと関係し、前記第2のセルのサブフレームが、前記第2のセルの基地局が基本的に電力なしで送信しまたは送信するように宣伝された、保護されたサブフレームを含み、以下のステップ、つまり、前記チャネル状態情報の報告が、前記保護されたサブフレームに対して前記第1のセルの前記基地局に行われる場合には、上記実施形態に係る方法と、前記チャネル状態情報の報告が、前記保護されたサブフレーム以外に対して前記第1のセルの前記基地局に行われる場合には、前記第1のセルの第1および第2のチャネル状態情報の値を決定するステップと、を有し、前記第1の集合は、前記チャネル状態情報の値の前記第2の集合に等しく、かつ、保護されたサブフレームで報告が行われる場合に使用されるチャネル状態値の前記第2の集合よりもサイズが小さい。具体的には、例えば、第1のセルはピコセルであり、第2のセルはマクロセルである。しかし、この実施形態は、セル間の干渉によって互いに影響を与えるどんなセルにも有益でありうる。
【0088】
特に、3GPP LTEと同様の、またはこれに基づくシステムの場合、CSI報告は、好ましくは、基地局が情報データレートを測定されたチャネル品質に合わせることができるように、ユーザ機器によって認識された品質についてのフィードバック情報を含む。また、CSI報告の内容は、eNodeBによって設定された報告モードおよび送信モードにも依存する。報告モードおよび送信モードの概要は、個々のケースのCSI報告の具体的内容についての情報とともに、背景技術の節で説明されている。リンクアダプテーションの重要な要素として、主に、3つのフィードバック要素(つまり、MCSI、PMI、およびRI)がある。以下では、これらのパラメータについてより詳細に説明する。
【0089】
例えば、前記チャネル状態情報の値は、全サブバンドに対して共通の変調・符号化方式インデックス(MCSI)値と、各サブバンドに対する1つの相対値とを有し、前記MCSI値と各相対値は組み合わさって各サブバンドに対する実効MCSI値を示す。または、前記チャネル状態情報の値は、全サブバンドに対して共通のMCSI値と、複数のサブバンドの部分集合Mに対する1つの相対値とを有し、前記MCSI値と前記相対値は組み合わさって前記部分集合Mのサブバンドに対する実効MCSI値を示す。または、前記チャネル状態情報の値は、全サブバンドに対して共通のMCSI値と、少なくとも1つのプリコーディング行列インジケータとを有し、前記所定のチャネル状態情報の値の前記少なくとも1つのプリコーディング行列インジケータは、所定の値に設定され、前記所定のチャネル状態情報の値の前記MCSI値は、0に設定されている。
【0090】
本発明の他の実施形態によれば、コンピュータ可読プログラムコードが具体化されるコンピュータ可読媒体を有するコンピュータプログラム製品が提供される。前記プログラムコードは、本発明を実行するように構成されている。
【0091】
本発明の上記および他の目的ならびに特徴は、以下の添付図面と共に与えられた以下の説明および好適な実施形態からより明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0093】
以下の段落では、本発明のさまざまな実施形態について説明する。実施形態のほとんどは、上記背景技術の欄で議論したLTEおよびその現在の拡張版に係る(進化した)通信システムとの関連で説明してあるが、これは単に例示を目的とするにすぎない。LTEとの関連で、チャネル状態情報(CSI)という用語は、上記のように、一般に、MCSI(ときどきCQIとも呼ばれる)、PMI、およびRIの少なくとも1つ以上を含んでいる。以下の説明では、1つのCSI報告は他のCSI報告よりも良いまたは悪いチャネル状態を示すことができるという事実を重視する。これは、表2に例示されているようにMCSI(またはCQI)を含むCSIの場合に、最も容易に見て取れる。なぜなら、異なる可能な入力が、スペクトル効率(ここでは、大きい値は小さい値よりも良い)を表しているからである。それにもかかわらず、以下では、一般に、「良い/もっと良い」(good/better)および「悪い/もっと悪い」(bad/worse)CSI値について述べる。当然のことながら、これは、CSI報告の一部である任意のインジケータを含むことができる。結果として、本発明は、MCSI/CQI値に容易に適用可能であるが、これに限定されない。
【0094】
3GPP TS 25.214は、Table 7A-7K(これは、表5として以下にも提供されている)で、チャネル品質情報の報告においてさらなる「基準電力調整」(reference power adjustment)を信号で送ることを可能にしている。
【0096】
これは、表5の第23−30行に対応する。しかし、本表に示すように、上記の追加電力調整は、さらなるチャネル品質情報の値を必要とし、これは信号伝達の効率を低下させる。
【0097】
一般に、例えば、表2に示すように、チャネル品質レベルの数は、チャネル品質報告に対して一定数のビットによって与えられる最大数の状態を正確に表すように最適化されている。しかし、これは、通常、保護されたサブフレームの場合のような低干渉の場合に主として有益なさらなるレベルを設ける余地がない。さらなるレベルの追加を回避して、チャネル状態(品質)情報の信号伝達に必要なビット数を増加させるために、本発明は、信号伝達に使用されるチャネル状態情報の値の範囲を変化させることを可能にする。
【0098】
本発明の一実施形態によれば、第1のチャネル状態情報の値は、所定のチャネル状態値の第1の集合から決定され、第2のチャネル状態情報の値は、所定のチャネル状態値の第2の集合から決定される。第2の集合は、第1の集合と異なる。例えば、第1の集合の値は、表2のCQIインデックスに対応する。第2の集合は、第1の集合の値を含み、さらに、以下の表6に示す「仮想」(virtual)値16〜19を含む。ここで、「仮想」という用語は、これらのレベルが元の第1の集合に表されておらず、この後の表で「仮想」としてさらに強調されることもないということを示す説明目的で選択されている。よって、基地局に送信されるチャネル状態情報メッセージは、第1および第2のチャネル状態情報に基づいて算出された相対チャネル状態情報を含みうる。
【0100】
表6は、表2のレベルと同様のレベル(チャネル状態情報の値)0〜15を示している。特に、レベル0は、「範囲外」(out of range)状態の信号を送る。加えて、仮想レベル16〜17が、本発明に従って追加されている。仮想レベルによる表の拡張は、例えば、保護されたフレームでのみ行われる。これは理にかなっている。なぜなら、保護されたフレームのみが、レベル15よりも高いチャネル品質に対して仮想レベルが定義された例示的な場合において、仮想レベルの利用に対して十分な品質を提供すべきであるように思われるからである。本例では、仮想レベルは、UEにおいて、以下の表7に示すようにレベル15よりも良い品質を決定するために使用される。レベル0〜15は、表2および表6の同じレベルに対応する。仮想レベル16〜19は、レベル15(第1の集合の最良レベル)よりも高いチャネル品質を持つレベルを定義する。
【0102】
表7は、レベル15と関係があるチャネル品質よりも良いチャネル品質を示す仮想レベル16〜19を示している。しかし、仮想レベルは、必ずしも、それが示すチャネル品質に応じて上昇するように順序付けられていない。一般に、本発明は、対応するチャネル品質に応じてレベルが順序付けられた集合(第1および/または第2の)に限定されない。表7では、最も高いチャネル品質は、仮想レベル17によって信号伝達される。このアプローチは、
図5を参照して後述される利点を提供する。
【0103】
しかし、本発明は、仮想レベルにおいてもっと良い品質のみを信号伝送することに限定されず、仮想レベルは、チャネル状態情報の値の第1の集合における最良の品質を持つレベルよりも低い品質レベルを示すためにも定義されうる。これは、異種ネットワークの展開に関係なく、別のシナリオで使用されうる。
【0104】
本実施形態において仮想レベルを提供する利点は、仮想レベルは直接に報告される必要がないことである。CSI値の第1の集合は、単に、信号伝達に必要な4ビットに対応する16個の値を含むのみである。表6(または表7に示す一実施形態)に係る第2の集合は、今や、20個の値を含んでいる。しかし、これらの値を信号伝達するために追加のビットは必要ない。なぜなら、第2のCSI値は、第1の集合のCSI値の値に対して差動的に信号伝達されるからである。このようにして、報告されうる品質状態情報の値の範囲が、必要な信号伝達オーバーヘッドを増加させることなく、増大する。また、差分を信号伝達するのに必要なビット数を増加させる必要もない。上記背景技術の節に記載されたLTE関連の例、特に、表3および表4、ならびに、サブバンド差動MCSIオフセットレベル、差動MSCIオフセットレベル、および空間差動報告の記載について述べる。
【0105】
図5は、CSI値の範囲を増大させるために、サブバンド差動MCSIオフセットレベル、差動MSCIオフセットレベル、および空間差動報告のすでに存在する値をどのように使用できるかを示している。第2の集合のチャネル状態情報の値(レベル)500は、表6または表7に対応する。値「OoR」は、「範囲外」(Out of Range)の値を示し、値1〜15は、表2にも対応する第1の集合の値であり、値16〜19は、仮想値である。本例では、第1の集合510は、広帯域CQIの決定および信号伝達に用いられるチャネル品質情報(CQI)の値に対応する。第2の集合500は、第1の集合510と仮想レベル520とで構成されている。レベル530は、広帯域CQIが値15(第1の集合の最高値であり、かつ、第1の集合内で得られる値の中で最も高いチャネル品質を示す)を示すシナリオを説明する。このシナリオは、特に、支配的干渉セルが、保護されたフレームを用いて、これらのサブフレームで生成するセル間の干渉を低減する場合に、起こる可能性が高い。
【0106】
表3に示すようにサブバンド差動MCSIオフセット報告を送信する場合、例えば、サブバンド差動MCSIオフセットレベルは、広帯域報告に関して−1〜2である。この場合、広帯域の値が15であるため、
図5の矢印560で示すように、仮想値16と17、および、第1の集合のレベル14と15が報告される。
【0107】
表4に示すように差動MSCIオフセット値を送信する場合、例えば、最大4つのレベルのオフセットが、広帯域CSI値に付加される。これは、
図5の矢印550で示すように、仮想値16〜19の報告を可能にする。
【0108】
空間差動報告を送信する場合、差分範囲は、−4から+3である。これは、
図5の矢印540で示すように、3つの仮想値16〜18の報告を可能にする。
【0109】
サブバンド差動MCSIオフセットレベル、差動MSCIオフセットレベル、および空間差動報告を信号伝達するために用いられる指示可能な仮想値を比較することによって分かるように、これらの方法はすべて、
図5の矢印570で示すように仮想レベル16と17を含んでいる。したがって、これらの共通レベルの1つを、第2の集合内の最大チャネル品質を信号伝達するためにとっておくことは有利である。したがって、表7は、レベル15よりも高いスペクトル効率(もっと良いチャネル品質に対応する)を持つ仮想レベル16、レベル16よりも高い効率を持つ仮想レベル17、レベル15よりも高い効率を持つが他の仮想レベルよりは低い仮想レベル18、および、仮想レベル16よりも高い効率を持つが仮想レベル17よりは低い仮想レベル19を示している。よって、この場合、第2の集合のチャネル状態情報の値0〜17は、チャネル品質に応じて上昇するように順序付けられ、一方で、仮想レベル18と19は、精度(granularity)をさらに細かくするために副標本のチャネル品質ポイントを提供する。このようなアレンジメントは、すべての差動信号伝達方式による仮想レベル16と17の共通使用を可能にし、したがって、同じ最大チャネル品質の信号伝達を可能にするため、有益である。残りの仮想レベルは、さらなる信号伝達オーバーヘッドを必要としないため、品質の間隔を細かくするために用いることができる。注目すべきは、本発明のためには、仮想レベル18が仮想レベル19よりも高い効率を表すか低い効率を表すかは関係ないということである。実際に、仮想レベル18を用いてレベル14と15の間の副サンプリングポイントを生成することさえ可能である。なぜなら、広帯域レベルが14の場合、レベル18が、最大の表現可能な値だからである。
【0110】
したがって、ユーザ機器は、レベル15よりも高いCQIレベルを示す差動値(differential value)を報告することができる。チャネルの周波数選択性(チャネルは、異なる周波数で非常に異なる品質を持つ)のために、本発明のアプローチは、サブバンドのチャネル状態情報の信号伝達に、特に適している。空間チャネルおよび干渉があまり変動していない場合でさえ、本発明は、空間差動値の信号伝達に利益をもたらしうる。一般に、本発明は、これら特定の例に限定されない。当業者に明らかなように、本実施形態は、第1の範囲から絶対値を送信し、かかる絶対値に付加されたとき、別の範囲のレベルを示す差動値を送信する、任意の差動チャネル品質信号伝達方式に用いられうる。
【0111】
上記の例は、第1の集合と比較して第2の集合に4つの追加的仮想レベルが存在するLTEシステムに関連して説明された。これは、矢印550ならびに表3、表4、および表4aに示すように、任意の差動報告で表しうる最大差が+4レベルだからである。しかし、仮想レベルの数は、表しうる異なる可能な差動値の結果として異なりうる。本発明の本実施形態では、仮想レベルの数は、第1の集合の最大レベルに付加しうる差動レベルの最大数によって決定される。本発明の他の実施形態では、仮想レベルの数は、すべての差動報告によって達成可能なレベルの数によって決定される。現在の例において、
図5を参照して、これは、矢印570で示すレベル16〜17のみに相当する。
【0112】
仮想レベルは、高い絶対的チャネル品質情報レベルに関する差動報告の効果として黙示的にのみ報告される。よって、仮想レベルは、主に、干渉マクロセルの保護されたフレームの間にピコセルにつながったUEに対して非常に高いチャネル品質を持つ環境に適している。
【0113】
先の例において、仮想レベルは、スペクトル効率によって定義された(表7参照)。しかし、本発明はこれに限定されず、仮想レベルは、例えば、次の表8に示すように、第1の集合の1つ以上のレベルに対するよりも小さい目標BLER(block error rate)によって定義することができる。表7では、仮想レベルの符号化率が変化した。表8では、符号化率は固定されており、目標BLERが、もっと良いチャネル品質の仮定に応じて低減されている。好ましくは、仮想レベルの目標BLERは、第1の集合の最も高いレベルに対する目標BLERよりも小さく設定される。すなわち、表8との関連では、目標BLERは、レベル15の目標BLER(10%と定義されている)よりも小さい。
図8に示すように絶対数として目標BLERを与える代わりに、それを、第1の集合の最大レベルに対する目標BLERと比較した差または比として特定することもできる。
【0115】
仮想レベルを定義する別の可能性は、第1の集合の最高のCSIレベル(ここではレベル15)に対する電力余裕(power margin)によって定義することである。このアプローチの例が、表9に示されている。仮想レベルは、第1の集合の最高のCSIレベル(レベル15、0dB)に付加される電力余裕に関連付けられている。あるいは、電力余裕は、dB値としてではなく、線形領域における差または比として与えることもできる。
【0117】
まとめると、最先端のアプローチでは、第1の集合と第2の集合は等しい。それに対して、本発明は、異なる集合のチャネル状態情報の値を用いることによって信号伝達チャネルの可能性を開発する。
【0118】
本発明の他の実施形態によれば、チャネル状態情報/チャネル品質情報の値の集合は構成可能である。具体的には、例えば、追加のオフセットパラメータ(例えば、「nomCQI-Offset」)が特定され、ユーザ機器に信号伝達される。オフセットパラメータは、例えば、基地局によって設定され信号伝達される。UEは、オフセットパラメータを受信し、報告すべきチャネル状態情報を決定する際にそのオフセットを適用する。これは、
図6に示される。
図6Aは、第1の集合のCSI値610と、仮想値620を示している。第1の集合610の値は、範囲外の値を信号伝達するレベル2=「OoR」から開始し、レベル1〜15と続く。これは、
図5および表7に示す例に対応する。
図6Bは、オフセット適用後の第1の集合650を示す。したがって、第1の集合のCSI値は、2=OoR値およびレベル3〜17によって形成されている。本例では、第1の集合は、所定数の値を持つ「スライドウィンドウ」(sliding window)によって定義される。
図6の値の所定数は、常に16個である。そのため、オフセットパラメータnomCQI-Offsetは、スライドウィンドウの位置を示す。
図6から分かるように、オフセットの適用後、シフトした第1の集合の最も低いチャネル状態情報インデックスは、「範囲外」(OoR)を示す。
【0119】
オフセットパラメータnomCQI-Offsetは、CSIレベルのルックアップテーブル内のCSIレベルの数の観点からオフセットを表す(測定された信号対干渉および雑音比(SINR)および報告されたCQIレベルの関数として)。これは、可能なCSI値の20レベルの大きなテーブル(集合)内で16レベルの広いウィンドウを定義することを可能にする。
【0120】
さらなる仮想CQIレベルをOoRとCQIレベル1との間に定義することもできる。しかし、そのようなCSI仮想値は、非常に小さいデータレート能力を信号伝達する。あるいは、オフセットパラメータnomCQI-Offsetは、測定されたSINRとCQIルックアップテーブルのしきい値との間にdBでオフセット、または、要求される目標BLERに対するオフセットを表すこともできる。例えば、nomCQI-OffsetなしにCSIレベルの目標BLERが10%であれば、そのCSIレベルに対する目標BLERは、例えば、10%+nomCQI-Offset、あるいは、10%*nomCQI-Offsetに修正される。
【0121】
好ましくは、オフセットは、保護されたサブフレームに対するCSI報告にのみ適用される。しかし、本発明はこれに限定されず、一般に、他の構成にも適用可能である。
【0122】
本発明のチャネル状態情報の値の信号伝達は、異なるコードワードを送信するためにも使用されうる。したがって、第1のチャネル状態情報は、第1のコードワードに対して決定され、第2のチャネル状態情報は、第2のコードワードに対して決定され、相対チャネル状態情報は、第1のチャネル状態情報の値と第2のチャネル状態情報の値との差として算出される。そして、コードワードは、例えば、異なるアンテナ/ビームにマッピングされる(レイヤへのマッピングによって)。
【0123】
図6Bは、チャネル状態情報を決定するために使用されうる第1の集合の値650を示している。これらは、レベル2=OoR、3、4、…、15、16、17に対応する。特に、信号伝達されたビットは、信号伝達の4ビットに対応して、0〜15の範囲を維持しなければならない。しかし、今や、シフトした範囲650の16個のレベルOoR、3、4、…、15、16、17は、これらの値にマッピングされる。当業者に明らかなように、
図6は、単にアプローチの例を示すだけである。一般に、第1の集合の長さも追加の仮想レベルの数も、そして、結果としてサポートされるオフセットも、変化しうる。このアプローチは、差動CSI信号伝達が用いられるか否かに関係なく、また、第2の集合のサイズ/内容に関係なく、用いることができる。
【0124】
しかし、このアプローチを、相対(差動)信号伝達を使用する可能性と組み合わせることは有益でありうる。したがって、第1のCSI値は、オフセットパラメータによって与えられる第1の集合から決定される。第2のCSI値は、第1の集合よりも大きい第2の集合から決定される。そして、第2のCSI値は、第1の値と第2の値との差として符号化される。絶対値(差動値でない)として信号伝達された第1の値が第1の集合における最低または最高のインデックスであれば、第2の値は、すでに
図5を参照して説明した拡張された第2の範囲(仮想値によって拡張された)から決定されうる。範囲の拡張は、
図6Bのレベル18や19などのもっと良い品質に対応する比較的高いインデックスに限定されない。範囲の拡張は、
図6Bのレベル1や2などの比較的低いインデックスの方向であってもよい。集合は、必ずしもチャネル品質に応じて順序付けられる必要はない。
【0125】
まとめると、本発明の本実施形態では、チャネル状態情報の信号伝達のための第1および第2の集合の値が定義され、ここでは、第2の集合は第1の集合よりも多くの値を含んでいる。それぞれの集合の値にはインデックスが付与されている。第1の集合は、第2の集合のインデックス付与された値の中で第1の集合の開始を示すオフセットを提供することによって、第2の集合から得られる。第1の集合の値の数は与えられている。
【0126】
特に、本発明は、セル間干渉によって互いに影響を与える任意のセルを持つシステムに対して有利に展開されうる。このような通信システムにおいて、データの送信は、例えば、時間領域のサブフレーム内で行われる。ユーザ端末と通信する第1の基地局は、第1のセルと関係し、ユーザ端末への干渉をもたらす第2の基地局は、第2のセルと関係する。第2のセルのサブフレームは、第2の基地局が基本的に電力なしで送信しまたは送信するように宣伝された、保護されたサブフレームを含みうる。本発明の一実施形態によれば、上記の方法は、チャネル状態情報の報告が、保護されたサブフレームに対して端末から第1の基地局に行われる場合に適用される。チャネル状態情報の報告が、保護されたサブフレーム以外に対して第1の基地局に行われる場合には、第1のセルの第1および第2のチャネル状態情報の値が決定される。ここで、第1の集合は、チャネル状態情報の値の第2の集合に等しい。本発明は、保護されたキャリアその他種類の干渉に関して保護されたリソースにも適用可能であり、時間領域の保護されたサブフレームに限定されない。セルが基地局に関係する場合、それは、セルがその基地局によってサーブ(serve)されていることを意味する。本文脈における宣伝すること(advertizing)とは、その信号の受信者が、当該サブフレームの送信電力は低減されている、または、基本的に宣伝者によって信号が送信されていない、と仮定できる任意の手段によって信号伝達することを意味する。これは、例えば、第2の基地局が第1の基地局に対して保護されたサブフレームの発生を宣伝し、次に、第1の基地局が、少なくともCSI報告行動に関して2つの異なるサブフレームの集合を用いて端末を構成し、ここで、第1のサブフレームの集合に対して、CSI報告は第1の集合の値からのCSI値のみを用い、他方、第2のサブフレームの集合に対しては、CSI報告は上記説明のように第1および第2の集合の値からのCSI値を用いる、ことによって実現可能である。好ましくは、第2のサブフレームの集合は、保護されたサブフレームに対応し、または、少なくとも、保護されたサブフレームの一部、全部、またはそれだけを含む。あるいは、基地局は、一種のオンオフスイッチングによる報告ならびに対応する構成信号および命令のために第1および第2の集合の値の利用法を構成することもできる。
【0127】
上述の例は、シングルキャリアに対して説明してきた。しかし、本発明はこれに限定されず、異なるコンポーネントキャリアに対してキャリアアグリゲーションを用いたシステムにも適用可能である。
【0128】
上述の例は、直接信号伝達された値(絶対値)と、この絶対値との差によって信号伝達される値とがあるということを意味する「差動」(differential)信号伝達(報告、符号化)に言及する。しかし、本発明は差に限定されず、CSI値を送信する際に利用されるどんな種類の関係(依存性)にも適用可能である。例えば、信号伝達する相対値は、第2の値を絶対値で割ることによって形成されうる。他の関係も使用されうる。
【0129】
図7は、ユーザ機器および/または基地局で行われる本発明の一実施形態に係る方法の一例を示す。例えば、基地局(BS)において、第2の集合の所定のチャネル状態情報の値のどれが第1の集合の所定のチャネル状態値を形成するかを示す第1集合のインジケータが決定される705。その後、決定された第1集合のインジケータは、ユーザ端末(UE)に提供(送信)される706。その後、UEは、オフセットを受信し708、それに応じて第1の集合のチャネル状態情報の値を決定する709。
【0130】
本発明の他の実施形態によれば、また、上記の実施形態との組み合わせにおいて、ユーザ機器は、所定のチャネル状態値の第1の集合から第1のチャネル状態情報の値を決定し710、所定のチャネル状態値の第2の集合から第2のチャネル状態情報の値を決定し720(第2の集合は第1の集合と異なる)、第1および第2のチャネル状態情報に基づいて算出された相対チャネル状態情報を少なくとも含むチャネル状態情報メッセージを作成する730。その後、作成されたチャネル状態情報メッセージは、基地局に送られる(送信される)740。
【0131】
その後、基地局は、ユーザ機器からチャネル状態情報メッセージ(報告)を受信し750、この受信したチャネル状態情報メッセージから少なくとも相対チャネル状態情報を抽出する760。さらに、基地局は、所定のチャネル状態値の第1の集合から第1のチャネル状態情報の値を決定し770、所定のチャネル状態値の第2の集合から第2のチャネル状態情報の値を決定する780。ここで、ユーザ機器と同様に、第2の集合は第1の集合と異なる。第2のチャネル状態情報の値は、第1のチャネル状態情報および相対チャネル状態情報に基づいて決定される780。
【0132】
図8は、本発明に係る装置、つまり、チャネル状態情報を交換する基地局およびユーザ機器の一例を示す。
【0133】
ユーザ機器は、通信システムにおいてチャネル状態情報を基地局に報告することができる。ユーザ機器800Aは、所定のチャネル状態値の第1の集合から第1のチャネル状態情報の値を決定し、また、所定のチャネル状態値の第2の集合から第2のチャネル状態情報の値を決定する算出部830(第2の集合は第1の集合と異なる)と、第1および第2のチャネル状態情報に基づいて算出された少なくとも1つの相対チャネル状態情報を含むチャネル状態情報メッセージを作成するメッセージ作成部840と、チャネル状態情報メッセージを基地局に送信する送信部850と、を有する。また、ユーザ機器は、第1集合のインジケータを受信する受信部810と、それに応じて第1の集合を構成する構成部820とを含みうる。
【0134】
基地局は、通信システムにおいてユーザ機器からチャネル状態情報の報告を受信することができる。基地局は、ユーザ機器からチャネル状態情報メッセージを受信する受信部860と、受信されたチャネル状態情報メッセージから少なくとも1つの相対チャネル状態情報を抽出する解析部870と、所定のチャネル状態値の第1の集合から第1のチャネル状態情報の値を決定し、また、第1のチャネル状態情報および相対チャネル状態情報に基づいて、所定のチャネル状態値の第2の集合(この第2の集合は第1の集合と異なる)から第2のチャネル状態情報の値を決定する算出部880と、を有する。さらに、基地局は、第1集合のインジケータを決定するオフセット決定部890と、決定された第1集合のインジケータを送信する送信部895とを含みうる。
【0135】
LTEシステムに対する本発明の利点の1つは、UEが、CQIレベル15に対する最小の要求SINRを超えるチャネル品質を報告できることである。CSI(CQI)報告は、RS対PDSCH電力比についてのUEの仮定に影響を及ぼすことなく生成される。これは、QAM方式の場合にも、復調に対するCRS/DM−RSの使用と関係なく、適用可能である。CSI報告に必要なビット数は同じに維持されるため、CSI報告のペイロードは影響を受けない。本発明は、保護されていないサブフレームにおける報告の精度を低下させない。なぜなら、保護されたフレームおよび保護されていないフレームに対する報告値の集合は、別々に選択されうるからである。
【0136】
オフセットパラメータ(例えば、nomCQI-Offset)は、任意の構成された報告モードに対して拡張CQIテーブルの範囲を最適に利用するように構成可能である。広帯域CQI値でさえ、オフセットを用いた仮想レベル16〜19を用いて効率的に報告することができる。
【0137】
eNBは、次の1つ以上に対して改善されたCQI報告と解釈することができる。マルチユーザダイバーシチの改良された利用、最良のUE/サブバンドの組合せのスケジューリング、送信電力の低減("deboosting")および/または電力シェアリング、比較的高い値のために多数のCQI値の平均化が実際の状況をより良く反映するためなどにより非常に良いチャネル状態を持つサブバンドを含んだ割当ての場合のより正確なリンクアダプテーション。
【0138】
上記のシナリオでは、非周期的なCSI報告のみを説明した。しかし、上記した本発明の基本原理は、周期的なCSI報告にも適用可能である。周期的な報告では、CSI報告のパラメータは、同じサブフレームで送信されなくてもよく、さらに他の異なる報告モードが周期的なCSI報告に対して定義される。しかし、それでもなお、基本的に同じフィードバック要素が、チャネル品質情報として、UEからeNodeBに送信される。したがって、コンポーネントキャリア#2に対する周期的CSI報告もまたコンポーネントキャリアの状態を符号化し得る。
【0139】
本発明の他の実施形態は、ハードウェアおよびソフトウェアを用いて、上記したさまざまな実施形態を実施することに関する。本発明のさまざまな実施形態は、コンピューティングデバイス(プロセッサ)を使用して実施または実行され得るものと認識される。コンピューティングデバイス(プロセッサ)は、当該コンピューティングデバイスに上記した本発明のさまざまな実施形態に係る機能を実行させる実行可能命令によって適切に制御される。コンピューティングデバイスまたはプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または、その他プログラマブルロジックデバイスなどである。本発明のさまざまな実施形態は、これらのデバイスの組合せによっても実行または具体化され得る。
【0140】
さらに、本発明のさまざまな実施形態は、ソフトウェアモジュールによっても実施され得る。これらのソフトウェアモジュールは、プロセッサによって実行され、または、ハードウェアにおいて直接実行される。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装の組合せも可能である。ソフトウェアモジュールは、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体、例えば、RAMやEPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなどに格納され得る。
【0141】
ほとんどの実施形態は、3GPPに基づく通信システムのアーキテクチャに関して説明され、また、本書中で用いた用語は、主に3GPPの用語に関する。しかし、3GPPに基づくアーキテクチャに関するさまざまな実施形態の用語および説明は、本発明の原理および思想をそのようなシステムのみに限定するものではない。また、上記背景技術の節で述べた詳細な説明は、本書で述べた主に3GPP特有の例示的な実施形態をもっと良く理解するためのものであり、本発明を移動通信ネットワークにおける処理および機能の上記特定の実施形態に限定するものとして理解してはならない。それにもかかわらず、本書で提案した改良は、背景技術の節で説明したアーキテクチャにおいて容易に適用され得る。さらに、本発明のコンセプトは、現在のLTERANおよび3GPPで議論されているその発展型(LTE−A)においても容易に使用され得る。
【0142】
先の段落では、本発明のさまざまな実施形態およびその変更例を説明した。広く記載した本発明の概念または範囲から逸脱することなく、特定の実施形態に示すように、本発明に対して多くのバリエーションおよび/または変更を加え得ることは、当業者によって理解されるであろう。
【0143】
まとめると、本発明は、通信システムにおいてチャネル状態情報を報告することに関する。チャネル状態情報は、ユーザ端末から基地局に報告される。したがって、ユーザ端末は、第1の集合の値(レベル)から第1のチャネル状態情報の値を決定し、また、別の集合の値(好ましくは、より大きな集合の値)から第2のチャネル状態情報の値を決定する。その後、第1および第2のチャネル状態情報の値の間で差その他の相対的な量(relative measure)が算出され、基地局に送信される。