特許第6455770号(P6455770)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 松井 嗣光の特許一覧

<>
  • 特許6455770-植物成長促進装置 図000002
  • 特許6455770-植物成長促進装置 図000003
  • 特許6455770-植物成長促進装置 図000004
  • 特許6455770-植物成長促進装置 図000005
  • 特許6455770-植物成長促進装置 図000006
  • 特許6455770-植物成長促進装置 図000007
  • 特許6455770-植物成長促進装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6455770
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】植物成長促進装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/04 20060101AFI20190110BHJP
【FI】
   A01G7/04 B
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-230306(P2012-230306)
(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公開番号】特開2014-68647(P2014-68647A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年9月10日
【審判番号】不服2017-3335(P2017-3335/J1)
【審判請求日】2017年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】594103862
【氏名又は名称】松井 嗣光
(72)【発明者】
【氏名】松井 嗣光
【合議体】
【審判長】 小野 忠悦
【審判官】 前川 慎喜
【審判官】 井上 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−161307(JP,A)
【文献】 特開2010−73(JP,A)
【文献】 特許第3491238(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/04
A01M 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物成長促進装置であって、
(A)平盤状回転体と、
(B)回転可能な回転軸を介して平盤状回転体の中心に連結されたモータと、
(C)前記平盤状回転体内に任意の間隔で固定された複数の永久磁石と、
(D)平盤状回転体の近傍に上端が配置され、下端が農作物の圃場における土壌に埋設された一対の金属棒状の電磁誘導並びにその一部が圃場における土壌に埋設された細長い板状をした複数の金属帯体とから構成され、
ここで、
(1)平盤状回転体が回転軸を中心にして高速回転可能であり、圃場内で北(N)/南(S)交番磁界を生成し、
(2)前記電磁誘導体又は前記金属帯体が、平盤状回転体の回転中に永久磁石からの磁束を受け取り、前記複数の金属帯体は、その細長い方向が圃場の地面に対して略垂直に延びるように配置されていて、
そして、
(3)さらに、前記金属帯体は、圃場の略中央に配置された前記平盤状回転体によって生成された交流磁界を中心にして圃場の四隅にも配置されており、前記永久磁石は、S極とN極が上下に積層されて前記平盤状回転体に配置されていることを特徴とする植物成長促進装置。
【請求項2】
前記永久磁石は、S極とN極が交互に又は極同士が隣接するように前記平盤状回転体内に複数個配置されていることを特徴とする請求項1記載の植物成長促進装置。
【請求項3】
前記モータは、太陽光発電、水力発電または風力発電を利用して、商用電源または電源からのエネルギーによって駆動されることを特徴とする請求項2記載の植物成長装置。
【請求項4】
前記金属帯体の一部は、前記永久磁石の回転による交番磁束の発生により生じた土中への振動を受けるように地中に埋設されていることを特徴とする請求項1記載の植物成長促進装置。
【請求項5】
前記回転軸は、前記圃場の表面に対して略垂直であることを特徴とする請求項1記載の植物成長促進装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置を農作物の圃場に配置し、圃場内にN/S交番磁界を生成するように平盤状回転体を高速回転させることを含む、植物の成長促進方法。
【請求項7】
請求項2に記載の装置を農作物の圃場に配置し、圃場内にN/S交番磁界を生成するように平盤状回転体を高速回転させることを含む、植物の成長促進方法。
【請求項8】
請求項3に記載の装置を農作物の圃場に配置し、圃場内にN/S交番磁界を生成するように平盤状回転体を高速回転させることを含む、植物の成長促進方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、永久磁石を用いて圃場内の磁場を変化させ、植物、とくに果実等の農作物の成長促進や食味向上に寄与する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球は一つの巨大な磁石であることを科学的に立証したのが16世紀末イギリスのW・ギルバートである。つまり、地球上の全ての生物は地磁気を浴びながら生きて来たことになる。鉄は空気に比べて100〜数千倍も磁気を吸収しやすい。ちなみに日本周辺の自然環境における地磁気のエネルギーは約0.5ガウス。ところが文明がもたらした環境(ビル・マンション・自動車・農芸ハウス等)では、動植物は鉄等に囲まれた生活圏にあり「磁気欠乏症候群」とも言うべき病的状態が存在することが指摘されている。
【0003】
人為的に地磁気を遮断した場合、人間は中枢神経系や日周リズムなどにあからさまに異変が見られという。したがって、人間以外の生物界において磁気による何らかの作用がみられても不思議ではない。そのうち一つに、磁場による植物の生長促進効果があることが古くから知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、20〜85ガウスの磁気が植物の成長促進効果に効果があるということが開示されている。また、2〜20、好ましくは5〜12ガウスの磁気雰囲気中に植物の幹、根を曝すことにより、植物の根や幹を大きく成長させ、その結果、水分、養分の吸収が良くなり、花の開花期間を長くし、葉及び果実の成長を促進する方法が提案されている(特許文献2参照。)。また、「磁気プロトニクス原理」に基づき、生物の身体及び体内外有用細菌を活性化・成長促進する構成とした農作物栽培促装置といったものも提案されている(特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−68434号公報
【特許文献2】特開平10−313685号公報
【特許文献3】特開2008−61614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明もまた、磁気を利用して良好な作物の育成状態を得て、食味が良く品質の高い農作物の成長を促進させ、且つ収量を増加させるべく鋭意研究を行なった。
【0007】
先ず、本発明者は、地球上に生息する生物は、多かれ少なかれ地磁気に反応する羅針盤的機能を持ち合わせていることに着目した。例えば、1960年に磁気感知細菌が発見されているように、磁気細菌はマグネタイト微粒子を体内に保持している。そして、北半球に生息する磁気細菌はS極を指標として、南半球に生息する磁気細菌はN極を指標として行動することが判明している。また、回遊魚、生誕魚、昆虫、渡り鳥等の帰巣本能も内在する磁気物質が関与しているものと考察できる。
【0008】
磁気の作用で植物の成長促進に効果があるのは、オーキシン(植物ホルモンの一種;微量で植物細胞の伸長を促進。他、細胞分裂の増加、発根の促進、離層の形成防止及び癒傷組織の形成などに影響)などの成長ホルモンを活性化させる説が出され、さらに、受粉・受精したメシベの子房にはオーキシンが増加することから、オーキシンは結実に大きな役割を果たしている。また、植物の屈光性や屈地性に関与することも判っている。そして、磁気に対して感受性があることも確認されている。
【0009】
オーキシンなどのホルモンや各種の酵素は、代謝に関る重要な物質であり、物質を構成する原子の状態が、外部の何らかのエネルギーによって励起されると、代謝などの反応が起こりやすくなる。これを「活性化」といい、光エネルギーによってホルモンや酵素が活性化するように「磁気エネルギー」によっても同じ作用をしていると考察される。
【0010】
そこで、磁石の特性であるN極とS極の磁場を交互に反復して発生させ、植物の圃場内に、N、Sの交互磁場を造り出すために永久磁石(静磁場)を回転させることにより、動磁場を派生させ、交番磁場とパルス磁場を獲得する。そしてこれらの磁束線を輻射(放射)させることにより、磁界中に置かれた水、作物、果実がエネルギーの低い状態(基定状態)からエネルギーの高い状態(励起状態)を醸し、食味の向上や鮮度伸長を顕出しているものと推測できる。
【0011】
植物の育成には、地球の磁場(地磁気)が影響しており、根の生育する方向が南向きの時、植物はより快適な環境を感じるという報告があり、例えば、トウモロコシの胚部から伸びる幼根を地磁気の北極に向けた場合と南極に向けた環境にし、その後の成長を調べたところ南極に向けたものは、真っ直ぐに元気良く伸長したのに対し北極に向けたものは、当初ちょうど反転する形で伸び最終的にはUターンする形で南極を向いた。すなわち、植物の根は南極(S極)方向に向けて成長することが実証されたという報告もされている。
【0012】
また、酸素が常磁性(磁気を帯びる性質)の強い元素であり、酸素の供給不足で起こる植物の根腐れを防止するため、恣意的に圃場雰囲気に磁場を設けることで酸素が活性化し植物が元気になるという報告もある。
【0013】
本発明は上記のような従来技術の課題に鑑み、簡単な構成で、食味が良く品質の高い農作物の成長を促進させることができる植物成長促進装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的を達成するため、本発明は、植物成長促進装置であって、
(A)平盤状回転体と、
(B)回転可能な回転軸を介して平盤状回転体の中心に連結されたモータと、
(C)前記平盤状回転体内に任意の間隔で固定された複数の永久磁石と、
(D)平盤状回転体の近傍に上端が配置され、下端が農作物の圃場における土壌に埋設された一対の金属棒状の電磁誘導並びにその一部が圃場における土壌に埋設された細長い板状をした複数の金属帯体とから構成され、
ここで、
(1)平盤状回転体が回転軸を中心にして高速回転可能であり、圃場内で北(N)/南(S)交番磁界を生成し、
(2)前記電磁誘導体又は前記金属帯体が、平盤状回転体の回転中に永久磁石からの磁束を受け取り、前記複数の金属帯体は、その細長い方向が圃場の地面に対して略垂直に延びるように配置されていて、
そして、
(3)さらに、前記金属帯体は、圃場の略中央に配置された前記平盤状回転体によって生成された交流磁界を中心にして圃場の四隅にも配置されており、前記永久磁石は、S極とN極が上下に積層されて前記平盤状回転体に配置されていることを第1の特徴とする。
また、前記永久磁石は、S極とN極が交互に又は極同士が隣接するように前記平盤状回転体内に複数個配置されていることを第2の特徴とする。
また、
前記モータは、太陽光発電、水力発電または風力発電を利用して、商用電源または電源からのエネルギーによって駆動されることを第3の特徴とする。また、
前記金属帯体の一部は、前記永久磁石の回転による交番磁束の発生により生じた土中への振動を受けるように地中に埋設されていることを第4の特徴とする。また、
前記回転軸は、前記圃場の表面に対して略垂直であることを第5の特徴とする。また、
前記第1の特徴を有する植物成長促進装置を農作物の圃場に配置し、圃場内にN/S交番磁界を生成するように平盤状回転体を高速回転させることを含む、植物の成長促進方法を第6の特徴とする。また、
前記第2の特徴を有する植物成長促進装置を農作物の圃場に配置し、圃場内にN/S交番磁界を生成するように平盤状回転体を高速回転させることを含む、植物の成長促進方法を第7の特徴とする。また、
前記第3の特徴を有する植物成長促進装置を農作物の圃場に配置し、圃場内にN/S交番磁界を生成するように平盤状回転体を高速回転させることを含む、植物の成長促進方法を第8に特徴とする。
【0015】
また、その装置は、永久磁石のS極、N極を上下に積層して平盤状回転体に複数個配置してなることを特徴とする。
【0016】
そして、本発明に係る植物成長促進装置の駆動エネルギーは、商用電源又は太陽光発電、水力発電、風力発電等の自然エネルギー利用電源を用いることができる。
【0017】
さらに、平盤状回転体に近接して配されると共に、下端が地中に埋設された電磁誘導体並びに交磁場中心から南極方向に沿って延出する金属帯体を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の植物成長促進装置は、以下の優れた効果がある。
(1)食味が良く品質の高い農作物を安全且つ経済的に得られる。
(2)使用する電力は回転体の回動にのみ使用するものであり、電力消費量が少なくて済みランニングコストが小さくて済む。
(3)平盤状回転体に永久磁石を配置し、回転させるだけの簡単な構造なので、人体にも無害で、故障し難く、メンテナンスもし易い。
(4)上端が平盤状回転体に近接して配されると共に、下端が地中に埋設された電磁誘導体を設けることにより、良好な作物の育成状態が得られる。
(5)本装置を逆に使用すると、作物の成長を抑制する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る植物成長促進装置の一実施例を示す斜視図である。
図2】回転体内の永久磁石の配置例を示す(A)は平面図、(B)は側面図である。
図3】回転体内の永久磁石の他の配置例を示す(a)は平面図、(b)は側面図である。
図4】植物成長促進装置に金属帯体を取り付けた状態を示す模式図である。
図5】植物成長促進装置の稼動状態を示す模式図である。
図6】植物成長促進装置を圃場に設置した状態を模式的に示す側面図である。
図7】植物成長促進装置を圃場に設置した状態を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明では、強力な磁力を有する永久磁石を配置した平盤状回転体を高速回転させることによって、農作物の圃場内の雰囲気中にN、Sの交互磁場を造り出すことができる。
【0021】
永久磁石としては、例えば、ネオジウム系磁石、サマリウム系磁石などの表面3000ガウス以上の永久磁石を使用するのが好ましい。永久磁石は数100rpm以上で回転させる。
【実施例】
【0022】
図1は本発明に係る植物成長促進装置の一実施例を示す斜視図、図2は回転体内の永久磁石の配置例を示す(A)は平面図、(B)は側面図である。
【0023】
本発明の植物成長促進装置は、平盤状の回転体1と、この回転体1に回転軸2aを介して連結されたモータ2とから成り、回転体1の内部には、複数の永久磁石1aを任意の間隔をおいて固定されている。
【0024】
永久磁石1aは回転体1の円周に沿って等間隔に配置する。本実施例では、永久磁石1aのS極、N極を上下に積層したものを平盤状回転体1に複数個(4か所)配置している。尚、磁石1aは、それぞれN極とS極とが交互に位置するように配置しても良いし、図3に示すように、同極同士が隣接するように配置しても良い。配置する個数も任意である。回転体1は、モータ2に連結された回転軸2aにより高速回転する。尚、本実施例においてモータ2の電源は商用電源3としたが、太陽光、水力、風力等の自然界のエネルギーを用いて電源とすることが有益なことは言うまでもない。
【0025】
[実験例]
イチゴのビニールハウス圃場にて実験を行なった。実験条件と結果を下記に示す。
圃場所在地:宮崎市大字加江田地区
圃場面積: 20アール
生産物: イチゴ(品種名:さがほのか)
初回は、平成20年5月12日〜5月15日、二回目は平成20年5月20日以降、植物成長促進装置を稼動させた。
【0026】
[駆除対象害虫]
アザミウマ(スリップ類):発生状況は平年より遅く、個体数は平年の約2割程度であった。
コナジラミ:ほとんど発生しない。個体数は平年の約1割程度であった。
ダニ:発生が確認できなかった。
【0027】
[農薬散布状況]
同年5月7日:有機リン系殺虫剤であるマラソン(商品名:住友化学株式会社製)を2000倍に水で希釈したもの、シフルメトフェトン水和剤であるダニサラバ(商品名:大塚化学株式会社製)を1000倍に水で希釈したものを散布する必要があった。しかしながら、同年5月31日時点では、アブラムシやハモグリカビの駆除剤であるアセタミプリドを主成分とするモスピラン(商品名:日本農薬株式会社製)を水で4000倍に希釈したものを散布するだけで済んだ。これも通常は2000倍に希釈して散布している農薬である。
【0028】
以上、本発明装置の導入により、従来に比較して糖度が高い色彩を鮮やかなイチゴが収穫されたばかりでなく、害虫の発生も著しく抑制され、使用する農薬の量も極めて削減できる顕著な効果が見られた。このため、当該圃場においては、農薬のコストを約4分の一程度に抑えることができた。また、圃場主からは、新芽が葉水を掲げるのが顕著になった。圃場内の空気が爽やかになったという副次的良好な効果も報告されている。
【0029】
また、本発明装置に、上端を平盤状回転体1に近接して配されると共に、下端が地中に埋設された電磁誘導体(金属棒)4を設けることにより、良好な作物9の育成状態が得られることが判明した。これは、作物の根に対する交磁場の影響であると推察される。尚、回転体1では極反転が起こるため、電磁誘導体(金属棒)4は少なくとも一対設けるのが好ましい。また、図3乃至図5に示すように、回転体1が生成する交磁場中心から南極方向に沿って圃場8の四隅に金属帯体5を埋設し、空気振動の伝播を起こすことでさらに育成雰囲気が向上することが分かった。また、大気への振動の伝播、土中への振動の伝播(土中害虫の駆除)、振動を獲得した交番・パルス磁束が大気を介して受動鉄板に作用し、自己磁力線を交番磁界と、干渉磁力線をパルス磁界と、SとS、NとNの反発磁力線をパルスと解釈すれば、植物の育成に良好な影響を与える南極指向の地球の磁場を積極的に作出できる。
【0030】
ところで、植物は、含有炭素一般式Cn(HO)mと解され、栄養素を多く含み、それら蔬菜の水分含有率は、その殆どが数十%以上である。水は「水素」と「酸素」からなる化合物で、一個の酸素原子と2個の水素原子からなり、「HO」で表される。水分子は、Oを中心として、くの字型に折れ曲がり、そのため、くの字の曲がり角部分が幾分負(−)に帯電し、両端部分が幾分正(+)に帯電して、分子全体において電気的極性を持ち、この分極により水分子は電気的に結びつき特有のネットワーク構造を作り出すのである。通常の水はバラバラの分子の集まりではなく、「クラスター」と呼ばれる分子集団として存在している。ある条件下では、正12面体の「かご型」構造を作ることさえあるという。
【0031】
本装置は、上述のような水(HO)の分子体を活性化した磁化水によって植物の鮮度伸長を図る。また、一次的二次的、若しくは間接的に物資の反応性を高めることによる食味向上を図る。すなわち、農作物が含有する下記のような成分を活性化させて食味向上するものと推測される。
[フルクトース](C122211):二糖類の一つ
ブドウ糖(C12):デンプン、グリコーゲンの加水分解により得られる。
水に溶けて還元性を示す遊離の状態で甘い果実の中に多量に分布、動植物のエネルギー代謝の中心に位置する重要な物質。(D−グルコース)。
[麦芽糖](C122211):マルトースとも言われ、ブドウ糖が2分子α―1・4結合した還元性二糖類。植物の葉、麦芽、蜂蜜などに含まれる。デンプンをアミラーゼで加水分解すると得られ、また、マルターゼや酸でさらに加水分解すれば、2分子のブドウ糖になる。吸収の良いカロリー源でもある。
[デンプン](多糖類の一つ):ブドウ糖(D−グルコース)の重合体。約20%は直鎖状重合体のアミローズで、約80%は多くの分岐部を持つアミロペクチンで構成される。緑色植物の葉緑体中で光合成で造られる。
[アミラーゼ]:デンプン、グリコーゲンを主に麦芽糖とデキストリンに加水分解する酵素の総称。作用様式によりα−型、β−型、糖化型に分かれる。
アミノ酸:塩基性のアミノ基−NH2と酸性のカルボキシル基−COOHとを持つ有機化合物の総称。タンパク質の構成単位で、タンパク質を加水分解して得る。
[タンパク質]:生物体の構成成分として重要な含有窒素有機化合物、20種のL−α−アミノ酸がペプチド結合(−CO−NH−)により多数縮合したポリペプチドで、一次から四次までの構造をとる。各種のホルモンや抗体など、いずれも生命現象に本質的な役割を果す。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明装置は、とくに、農業分野での温室ハウス栽培における植物成長促進装置として、実用性が高く極めて有用である。
【符号の説明】
【0033】
1 回転体
1a永久磁石
2 モータ
2aモータの回転軸
3 商用電源又は自然エネルギー利用電源
4 電磁誘導棒(金属棒)
5 金属帯体
6 固定用鉄棒
7 金網
8 圃場
9 植物(農作物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7