(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記筋付手段は、前記搬送路の、1対の折りローラのニップへの入口に面した部分よりも、搬送方向上流側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の用紙折り装置。
超音波を発信する発信素子と、その超音波を受信する受信素子とを用紙搬送ラインを挟んで対向して配置し、少なくとも用紙が通過するときに発信素子で発信した超音波を受信素子で受信し、その振幅が所定値を超えているか否かによって、通過した用紙が1枚であるか、2枚以上重なっているかを検知する超音波重送検知センサが、前記筋付手段の下流側かつ、前記筋付手段とは幅方向に異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の用紙折り装置。
前記上筋付ローラ及び下筋付ローラのいずれか一方の幅方向の位置を、前記端面間が互いに近接した第1位置と、第1位置よりも離隔した第2位置との間で、切り替え可能に構成されていることを特徴とする請求項4記載の用紙折り装置。
前記重送検知センサから幅方向で最も近い位置で対を成す上筋付ローラと下筋付ローラのうち、重送検知センサに近い方の筋付ローラを支持する支持軸側に対し、用紙面を挟んで上下方向の反対側から、用紙面をガイドするガイド部材が設けられたことを特徴とする請求項4または5記載の用紙折り装置。
前記筋付手段は、前記搬送路を搬送される用紙の一方の面側に設けられ、外周面を一周する周方向 突起が設けられた凸ローラと、用紙の他方の面側に設けられ、前記凸ローラの突起を収容するように外周面に設けられた周方向溝を有する凹ローラとを有することを特徴とする請求項1または2記載の用紙折り装置。
積載した用紙束から用紙を1枚ずつ送り出す給紙機構を上下方向に積層して複数設けるとともに、各々の給紙機構から送り出した用紙を下方へ搬送しながら互いに重ねるとともに、
前記複数の給紙機構のさらに下方に、積載した用紙束から折り用紙を1枚ずつ送り出す折り給紙機構と、この折り給紙機構から送り出された折り用紙を2つ折りするために、請求項1乃至9いずれか1項に記載の用紙折り装置を設け、折り用紙が前記1対の折りローラのニップに挟まれて2つ折りされるとき、その2つ折りの内側に、各々の給紙機構から送り出して重ねられた用紙が挿入され、1セットの束が形成されるように構成したことを特徴とする丁合装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図16はこの従来の丁合装置の2つ折り機構を示す図である。折り給紙台から送り込まれた広告S1は、搬送路101を矢印D方向に搬送されてきて、折りローラ対102の上方を通過し、その先端がストッパ103に当接して停止する(
図16(a))。上方に配置された各給紙台から送り出され、互いに重ね合わされた広告束S2が上方から下降してくるとともに、折りナイフ104が回動してその先端が広告S1に当接する(
図16(b))。広告S1は折りローラ対102に巻き込まれて折り目が付与されるとともに、その内側に広告束S2を挟んだ状態で折りローラ対102に挟持され、下方へ送られる(
図16(c))。ストッパ103の位置は、広告S1の搬送方向の中央で折り目が付与されるように、予め搬送方向の位置が調整され、折りナイフ104は、広告束S2の下端が広告S1の上面に到達する直前のタイミングで広告S1に当接するように制御される。
【0005】
しかし、広告S1が撓みやすい薄い広告であった場合は、
図17に示すように、ストッパ103に当たった時に先端が座屈することがある。その結果、座屈した先端が折れ曲がった状態となったり、広告S1が搬送方向中央よりも先端から離れる方向にずれた位置で折られてしまったりするため、出来上がりの束の見栄えが低下する。また、折ローラ対102の上方で広告S1が下方にたわむと、折りナイフ104が当接する前に折りローラ対102に巻き込まれてしまうことがあり、その結果、
図18に示すように、広告S1の折り目S1aに広告束S2の先端S2aが合わず、大幅に後退した状態で束が出来上がってしまう。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、用紙の座屈が発生せず、中央できれいに2つ折りできる用紙折り装置、及びこの用紙折り装置を備えた丁合装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための、本発明の用紙折り装置は、用紙を挟み込んで折り目を付ける1対の折りローラと、1対の折りローラのニップへの入口に面して用紙を搬送する搬送路と、
搬送路を搬送される用紙に対し、折りローラで付与される折目とは直交する方向に折筋を付与する筋付手段と、なお搬送路を搬送される
折筋が付与された用紙
の搬送方向先端を当接させて停止させる停止手段と、停止手段により停止した用紙に当接し、該用紙を1対の折りローラのニップへ導く折りナイフと
、を有することを特徴とする用紙折り装置。
【0008】
この態様によれば、用紙に付与した折筋により用紙にコシが付与されるため、用紙の座屈が発生せず、中央できれいに2つ折りできる用紙折り装置が得られる。
【0009】
筋付手段は、前記搬送路の、1対の折りローラのニップへの入口に面した部分よりも、搬送方向上流側に設けられていてもよい。この態様によれば、折ローラ対の上方で広告が下方にたわむことがなくなるため、折りナイフが当接する前に折りローラ対に巻き込まれてしまうのを防ぐことができるので、広告の束が、その束を挟む折り広告の折り目から後退した状態の束が出来上がるのを防ぐことができる。
【0010】
筋付手段は、搬送路を搬送される用紙の上面に当接する上筋付ローラと、上筋付ローラと搬送方向で略同位置に、幅方向で異なる位置に設けられ、前記搬送路を搬送される用紙の下面に当接する下筋付ローラとを有し、上筋付ローラの外周面の最下位置は、下筋付ローラの外周面の最上位置よりも下方に位置しているとともに、幅方向で互いに対向する端面間で搬送される用紙を挟持して筋を付けるように、該端面同士が近接して設けられていてもよい。この態様によれば、筋付手段をきわめて安価且つ簡単に構成できる。
【0011】
上筋付ローラ及び下筋付ローラのいずれか一方の幅方向の位置を、端面間が互いに近接した第1位置と、第1位置よりも離隔した第2位置との間で、切り替え可能に構成されていてもよい。この態様によれば、筋付ローラを第1位置として用紙に折筋を付与する場合と、筋付ローラを第2位置として、用紙に折筋を付与しない場合とで、使い分けることができる。もともと腰の強い厚手の用紙は折り筋をつけなくとも座屈は発生しない。従って厚手の用紙の場合に不要な折筋がついてしまうのを回避することができる。
【0012】
超音波を発信する発信素子と、その超音波を受信する受信素子とを用紙搬送ラインを挟んで対向して配置し、少なくとも用紙が通過するときに発信素子で発信した超音波を受信素子で受信し、その振幅が所定値を超えているか否かによって、通過した用紙が1枚であるか、2枚以上重なっているかを検知する超音波重送検知センサが、前記筋付手段の下流側かつ、前記筋付手段とは幅方向に異なる位置に設けられていてもよい。この態様によれば、筋付によって用紙に付与された折筋が、超音波重送検知センサの送波部分に重なることがないので、折筋そのものによる超音波重送検知の結果への影響を無くすことができるので、安定した重送検知が可能になる。
【0013】
重送検知センサから幅方向で最も近い位置で対を成す上筋付ローラと下筋付ローラのうち、重送検知センサに近い方の筋付ローラを支持する支持軸側に対し、用紙面を挟んで上下方向の反対側から、用紙面をガイドするガイド部材が設けられてもよい。
【0014】
この態様によれば、上筋付ローラと下筋付ローラとの端面間に用紙を挟んで筋付を行うときに、筋付部分で用紙に生じる屈曲の影響で発生する用紙の傾斜やばたつきを、ガイド板で抑制することができるので、安定した重送検知が可能となる。
【0015】
上筋付ローラと下筋付ローラとの対が2対以上設けられ、重送検知センサは、その幅方向の中間位置に設けられていてもよい。2対の重送検知センサの中間であれば、筋付によって生じる用紙の傾斜やばたつきが抑制されるので、安定した重送検知が可能となる。
【0016】
筋付手段は、搬送路を搬送される用紙の一方の面側に設けられ、外周面を一周する周方向突起が設けられた凸ローラと、用紙の他方の面側に設けられ、前記凸ローラの突起を収容するように外周面に設けられた周方向溝を有する凹ローラとを有してもよい。
【0017】
また、筋付手段は、用紙を上下から挟持回転して搬送する搬送ローラ対と同軸に、搬送ローラ対に対して両サイドに対称配置されていてもよい。この態様によれば、用紙の斜行を回避することができる。
【0018】
積載した用紙束から用紙を1枚ずつ送り出す給紙機構を上下方向に積層して複数設けるとともに、各々の給紙機構から送り出した用紙を下方へ搬送しながら互いに重ねるとともに、複数の給紙機構のさらに下方に、積載した用紙束から折り用紙を1枚ずつ送り出す折り給紙機構と、この折り給紙機構から送り出された折り用紙を2つ折りするために、請求項1乃至6いずれか1項に記載の用紙折り装置を設け、折り用紙が前記1対の折りローラのニップに挟まれて2つ折りされるとき、その2つ折りの内側に、各々の給紙機構から送り出して重ねられた用紙が挿入され、1セットの束が形成されるように構成した丁合装置もまた、本発明である。
【0019】
この態様によれば、束となった用紙を挟む折り用紙が、折られる際に座屈することが無く、きれいに2つ折りすることができるとともに、折り用紙と、この折り用紙で挟むべき用紙の束とを確実に同時に折りローラに進入させることができるので、折り用紙の折り目と、挟まれた用紙の束の先端が大きく離隔する等の見栄えの低下を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、用紙の座屈が発生せず、中央できれいに2つ折りできる用紙折り装置、及び丁合装置が得られる、という効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る丁合装置1を示す模式正面図であり、
図2はこの丁合装置1で作成される丁合セットSを示す外観図である。
図2に示すように、この丁合セットSは、複数枚の用紙の束S2を1枚の折られた用紙S1の内側に挟んだ形態であり、配達用の新聞に挟まれる新聞広告に好適な形態である。
【0023】
丁合装置1には、
図1に示す左側に10個の給紙機構2a〜2jが、右側に10個の給紙機構2k〜2tが各々上下方向に積み重ねるように並べて配置されている。給紙機構2a〜2jと、給紙機構2k〜2tは同一構造のものが逆向きに取り付けられているため、
図1では向きが逆になっている。以下、この給紙機構2a〜2tをまとめて給紙機構2ともいう。左側の給紙機構2a〜2jの下方には、給紙機構2と同一構造の折り給紙機構3が配置されている。
【0024】
給紙機構2、折り給紙機構3は丁合装置1本体から1段ごとに着脱可能となっている。
図1では、給紙機構2tを丁合装置1本体から取り外した状態を示している。本体側には給紙機構収容部2taが形成されており、適宜のガイドと固定手段により、給紙機構2tを挿入、固定できるようになっている。
【0025】
給紙機構2の一部または全部に各々積載された用紙束の最上位の1枚が、分離給送機構4によって用紙束から分離して、横搬送路6へ送り出される。丁合装置1の中央には上下方向に縦搬送路7が設けられ、各々の給紙機構2から延びてきた横搬送路6はすべて縦搬送路7に合流するようになっている。各々の給紙機構2は、送り出した用紙が縦搬送路7で合流したときに、互いの先端が揃うようなタイミングで用紙を送り出す。各々の給紙機構2から1枚ずつ送り出されてきた用紙は、縦搬送路7を上方から下方に向かって移動しながら互いに重ねられていき、用紙束S2を形成する。
【0026】
折り給紙機構3に積載された用紙束の最上位の1枚は、分離給送機構5によって用紙束から分離する。分離した1枚の用紙S1は、搬送ローラユニット15、16によって、折り搬送路17を
図1の右方へ向かって搬送される。用紙S1は折りローラ対11の上方を通過して、折込板8に入り、先端がストッパ9に当接して停止する。折込板8は上板8aと下板8bを重ねて構成されている。
図1における左寄りにおいて上板8aと下板8bの間が広がっており、用紙S1がその間に入る。ストッパ9は上板8a、下板8bを貫通して設けられており、従って、上板8aと下板8bとの間を図示右方に搬送される用紙S1が、ストッパ9により前進を停止させられる。
【0027】
停止した用紙S1の後端は折り搬送路17にあるので、用紙S1が縦搬送路7の下端をふさいだ状態になっている。その後、折りナイフ10が駆動してその先端が用紙S1に当接し、用紙S1を折りローラ11に巻き込んで二つ折りするとともに、その二つ折りの内側に、縦搬送路7を下降してきた用紙束S2が入って丁合セットSが作成される。丁合セットSはさらに、排紙搬送路12を経由して排紙口13から装置外へ排出され、スタッカ14に蓄積される。ストッパ9は図示しない駆動機構により、あるいは手動で用紙S1の搬送方向に沿って位置調整可能になっており、用紙S1がちょうど中央で二つ折りされるように、用紙S1のサイズに合わせて位置調整が行われる。
【0028】
搬送ローラユニット16は、駆動が付与された下方のローラと、その上に載置された軽量のコロにより構成されている。したがって、用紙S1の後端が搬送ローラユニット15を抜けた後も用紙S1がストッパ9に当接するまで折込板8へ送り込むことができるとともに、用紙S1がストッパ9に当接した後は、停止している用紙S1に対して下方の駆動ローラが空回りするように構成されている。
【0029】
この搬送ローラユニット15、16、折り搬送路17、折りローラ11、折込板8、ストッパ9、折りナイフ10により用紙折り装置201が構成されている。
【0030】
図3は折り給紙機構3及び搬送ローラユニット15を示す上面図、
図4は
図3におけるA−A断面図である。
【0031】
折り給紙機構3は給紙板21と分離給送機構5とを有する。給紙板21は板状の部材であり、その上には用紙束S0が、上位の用紙ほど前方になるように斜めに捌いた状態で積載される。給紙板21上面から、給紙方向に連続するように搬送板30が設けられ、用紙束S0の給紙方向下流側(
図4における右方・以下単に下流側という)寄りの部分は搬送板30上に載置される。
【0032】
分離給送機構5は、最上位の用紙S1を送り出す給紙ローラ22、給紙ローラ22に下方から圧接するサバキ板23、給紙ローラ22の給紙方向上流側に設けられた補助給紙ローラ24、給紙ローラ22を支持する給紙軸31、補助給紙ローラ24の軸を支持するブラケット25、給紙軸31から補助給紙ローラ24への駆動伝達機構を含む。
【0033】
給紙軸31はその両端付近がサブフレーム32,32により支持され、その軸方向の中央よりやや
図3における右寄りに給紙ローラ22が支持されている。サブフレーム32,32の外側はカバー33,33で覆われ、一方のカバー33内には、給紙軸31と直結されたモータM1が収容されている。カバー33,33はその外側面が、図示しない支持機構により、丁合装置1本体のフレーム34,34の内側面に着脱可能に支持されている。サブフレーム32,32は給紙板21.搬送板30をも支持しており、したがって給紙板21、搬送板30、分離給送機構5がサブフレーム32,32とともに、丁合装置1本体に対して着脱可能である。
【0034】
給紙ローラ22の幅方向に隣接して、ブラケット25が給紙軸31に支持されている。ブラケット25は下方が開放されている箱型形状であり、給紙軸31と、補助給紙ローラ24の支持軸がブラケット25を貫通している。ブラケット25の内側において、給紙軸31に固定された歯付プーリ26と、補助給紙ローラ24の軸に固定された歯付プーリ27が設けられ、その間に歯付ベルト28が掛けられている。給紙ローラ22、補助給紙ローラ24と、各々の支持軸との間にワンウェイクラッチが介装されており、給紙軸31の回転駆動力を、補助給紙ローラ24に伝達できる一方で、
図4に示す反時計方向に空回りできるようになっている。
【0035】
この構成により、補助給紙ローラ24によって最上位の用紙S1が給紙ローラ22とサバキ板23との間に送り込まれるとともに、給紙ローラ22によってさらに下流側(
図4に示す右側)に向かって送り出される。給紙ローラ22はシリコンゴム、サバキ板23はウレタンゴムで形成され、「給紙ローラ22と用紙S1との摩擦力>サバキ板23と用紙S1との摩擦力>用紙S1同士の摩擦力」という関係が成立するような材質で構成される。その結果、給紙ローラ22と用紙S1の摩擦力によって用紙S1が繰出されるとともに、サバキ板23と次位以降の用紙との摩擦力によって、次位以降の用紙の送り出しが阻止されるので、1枚の用紙S1だけが給紙ローラ22とサバキ板23の間を抜けて送り出され、搬送板30上を下流側へ搬送される。
【0036】
なおコロ35は給紙ローラ22の両サイドに設けられ、給紙軸31に支持されており、最上位の用紙S1に当接して用紙S1が搬送される力を補うものである。
【0037】
折り給紙機構3は以上のように構成される。給紙機構2も、折り給紙機構3と同一の構成を有する。
【0038】
折り給紙機構3の下流側に、搬送ローラユニット15が設けられている。さらに搬送ローラユニット15の下流側には、重送検知センサ40が設けられている。重送検知センサ40は超音波を発する発信素子40aと、発信素子40aから発信された超音波を受ける受信素子40bとで構成されている。発振素子40aと受信素子40bとの間を用紙が通過した時、用紙を通して受信素子40bに達する超音波の振幅が、用紙が1枚の場合と2枚の場合とで異なることを利用して、用紙が正常に1枚のみ送られているのか、2枚重なって送られているのかを検知するものである。
【0039】
図5は、この搬送ローラユニット15を、
図4におけるB-B面から見た図である。搬送ローラユニット15は、用紙搬送面を挟んで上側に上搬送軸151、下側に下搬送軸152が、搬送方向と直交する方向を軸方向として、互いに平行に設けられている。上搬送軸151と下搬送軸152には各々、上搬送ローラ153、下搬送ローラ154が固定支持されており、折り給紙機構3から送り出された用紙を挟持してさらに下流側に搬送するように、ニップを形成している。上搬送ローラ153、下搬送ローラ154は、給紙ローラ22よりも広幅であり、幅方向の中心線が給紙ローラ22と略一致する位置に設けられている。上搬送ローラ153、下搬送ローラ154は、少なくともその外輪部分がゴムで形成されたゴムローラである。
【0040】
上搬送軸151及び下搬送軸152は双方とも、図示しない駆動伝達機構により丁合装置稼働中常時回転しているメインモータから駆動力が付与され、同一回転数で互いに反対方向に回転している。上搬送ローラ153と下搬送ローラ154とは、外周同士がスリップしないように同径に形成されている。
【0041】
上搬送ローラ153の幅方向の両サイドに、上筋付ローラ155、156が上搬送軸151に固定支持され、下搬送ローラ154の幅方向の両サイドに、下筋付ローラ157、158が下搬送軸152に支持されて、各々設けられている。下筋付ローラ157、158は上筋付ローラ155,156の外側に、各々所定距離だけ離間して設けられている。上筋付ローラ155,156と上搬送軸151との間にキー161が挿入されており、上筋付ローラ155、156が上搬送軸151に対して相対回転しないようになっている。上筋付ローラ155,156の内周面と、上搬送軸151の外周面には、キー161を収容するためのキー溝が形成されている。
【0042】
上筋付ローラ155と下筋付ローラ157とは互いに同径であり、上搬送ローラ153、下搬送ローラ154よりもわずかに外径が大きい。従って、上筋付ローラ155の外周面の下端の高さ位置は、下筋付ローラ157の外周面の上端の高さ位置よりも低くなっている。
図6は
図4における上筋付ローラ155と下筋付ローラ157を拡大した図である。
図6において、上筋付ローラ155の外周を示す円と、下筋付ローラ157の外周を示す円とが重なっており、その高さ方向の最大重なり幅がd1となっている。本実施形態ではd1=1mmとされている。
【0043】
図7は
図5における上筋付ローラ155と下筋付ローラ157を拡大した図である。
図7に示すように、上筋付ローラ155は、下筋付ローラ157に近接した第1位置155xと、この第1位置155xよりも下筋付ローラ157から離れた第2位置155yとの間を、上搬送軸151の軸方向に沿って移動可能になっている。本実施形態では、上筋付ローラ155の
図7における右側端面から、下筋付ローラ157の
図7における左側端面までの距離d2は、第1位置155xにおいては0.5mm、第2位置155yにおいては4mmとなっている。また、上筋付ローラ155が第1位置155xよりも
図7における右方へ移動しないように、上搬送軸151にはストッパ159aが設けられている。同様に、第2位置155yにある上筋付ローラ155が
図7における左方に移動しないように、ストッパ159bが設けられている。
【0044】
図8(a)、(b)は上筋付ローラ155が上搬送軸151に支持されている部分の断面を示す図であり、
図8(a)は上筋付ローラ155が第1位置155xにある状態を示し、
図8(b)は上筋付ローラ155が第2位置155yにある状態を示す。
図8(c)は上搬送軸151の、上筋付ローラ155を支持する部分の、上筋付ローラ155、下筋付ローラ157と、ストッパ159a、159bを取り外した状態の外観を示す図である。
【0045】
図8(a)、
図8(b)に示すように、上筋付ローラ155は内輪155aの外側に外輪155bを設けて構成されており、互いにネジ155cにより固定されている。内輪155aには、外周面から内周面にかけて2つの孔155d、155eが貫通して形成されている。この孔155dの内部に、外側から押しバネ155f、球体155hの順に挿入されている。同様に孔155eの内部に、外側から押しバネ155g、球体155iの順に挿入されている。押しバネ155f、155gの外側端は外輪155bの内周面に、内側端は球体155h、155iに圧接しているので、球体155h、155iが上搬送軸151の外周面に圧接するように付勢されている。
【0046】
図8(a)においては、上搬送軸155の外周面のうち、球体155hが圧接している部分には凹部151aが形成されている。一方
図8(b)においては。球体155iが圧接している部分に凹部151bが形成されている。凹部151a、151bはともに、上搬送軸151の外周に形成された球面状のくぼみであり、この凹部151a、151bに各々球体155h、155iを収容することによって、上筋付ローラ155を上搬送軸151に対して軸方向の位置決めを行うようになっている。
【0047】
図8(c)に示すように、上搬送軸155には、凹部151aが第1位置155xに、凹部151bが第2位置155yに対応するように、軸方向と周方向の位置をずらして配置されている。球体155hと凹部151aとの周方向の位置が合うように、上搬送軸151と上筋付ローラ155との相対位置が、キー161によって決められている。球体155iと凹部151bについても同様である。これらの外側に設けられている溝151e、151fは、各々ストッパ159a、159bを固定するための溝である。
【0048】
この構成により、第1位置155xにある上筋付ローラ155は、手で
図8(c)における左方に動かそうとした場合、バネ155fの付勢に抗して球体155hが孔155dを径方向外側へ移動して、凹部151aから外れることにより、上搬送軸151に沿って左方へ移動する。そして第2位置155yに達すると、球体155iと凹部151bに嵌入し、第2位置155yに位置決めされる。この構成により、第1位置155xと第2位置155yの間を手動で移動させ、位置決めすることが可能であるとともに、第1位置155xと第2位置155yの双方でクリック感を得ることができ、使いやすい装置とすることができる。また、キー161により、移動中に上筋付ローラ155が上搬送軸151に対して回転しないようになっている。
【0049】
なお、本実施形態の場合は凹部151a、151bの周方向位置が互いに異なっているが、互いに周方向位置が同一であってもよく、その場合は、内輪155aに形成する孔を、その周方向位置に対応した1か所としてもよい。本実施形態の場合は、第1位置155xと第2位置155yとが接近しているため、同一の周方向位置に形成すると互いの凹部が接近しすぎるため、互いに異なる周方向位置に形成している。
【0050】
図3及び
図5に示す上筋付ローラ156も、
図8に示す上筋付ローラ155と同様に構成され、下筋付ローラ158に近接した第1位置と、下筋付ローラ158から離れた第2位置との間を切り替え可能に構成されている。
【0051】
図9は用紙S1が上筋付ローラ155,156と下筋付ローラ157,158との間を通っている状態を示す図であり、
図9(a)は上筋付ローラ155,156が第1位置155x、156xにある場合、
図9(b)は上筋付ローラ155,156が第2位置155y、156yにある場合を示す。
図9(a)に示すように、上筋付ローラ155,156が第1位置155x、156xにある場合、すなわち各々下筋付ローラ157,158と近接している場合、その間を通った用紙S1は、各々の筋付ローラの間で屈曲し、その屈曲点で折筋が形成される。すなわち、屈曲によって上筋付ローラ155の
図9における右方端面の下端と、下筋付ローラ157の
図9における左方端面の上端に当接し、その当接点において用紙S1が折り曲げられ、それぞれ2本の折筋F1、F2を形成するとともに、上筋付ローラ156の
図9における左方端面の下端と、下筋付ローラ158の
図9における右方端面の上端に当接し、その当接点において用紙S1が折り曲げられ、それぞれ2本の折筋F3、F4を形成する。
【0052】
一方、上筋付ローラ155,156が第2位置155y、156yにある場合は、各々下筋付ローラ157,158との距離が離れているため、用紙S1は上筋付ローラ155,156、下筋付ローラ157,158に接触はするが、折り目は形成されない。
【0053】
このように、上筋付ローラ155,156を第1位置155x、156xとするか第2位置155y、146yとするかを切替えることにより、その間を通る用紙S1に折り筋を形成するかしないかを切替えることが可能である。
【0054】
すなわち上筋付ローラ155、156双方とも第1位置としておけば、通過する用紙S1に対して、折筋が2本ずつ、計4本の折筋が形成される。上筋付ローラ156と下筋付ローラ158の幅方向の位置関係は、上筋付ローラ155と下筋付ローラ157とは逆向きになっている。したがって、上筋付ローラ156を第1位置156xとする場合は
図9に示す右方に、第2位置156yとする場合は左方に動かすことになる。
【0055】
上筋付ローラ155と下筋付ローラ157の対と、上筋付ローラ156と下筋付ローラ158の対は、上搬送ローラ153と下搬送ローラ154の幅方向の中心に対して左右に対称配置されている。この構成により左右両サイドで筋がつけられるので、筋付による負荷が偏って用紙S1が斜行するのを防ぐことができる。また、コロ160は用紙S1の上面に軽く当接して、搬送力を補助するためのものである。
【0056】
また、重送検知センサ40は、上筋付ローラ155と下筋付ローラ157の対と、上筋付ローラ156と下筋付ローラ158の対との間に配置されている。上筋付ローラと下筋付ローラとの間を通る用紙の屈曲により、上筋付ローラ155と下筋付ローラ157の図示右側、及び、上筋付ローラ156と下筋付ローラ158の図示左側においては、用紙は筋付ローラから離れるほど上昇するように傾斜する方向の力が働く。その結果、両筋付ローラの外側で用紙の高さ方向の位置が安定せず、ばたついた状態で搬送される。重送検知センサは測定対象の用紙がばたついていると、振幅が安定せず、重送か否かの判定が困難となる。上筋付ローラ155と下筋付ローラ157の対と、上筋付ローラ156と下筋付ローラ158の対との間では、両側を筋付ローラで保持されていることに加え、上搬送ローラ153と下搬送ローラ154にも挟持されているため、ばたつきが抑制される。したがって、安定した重送検知が可能となる。
【0057】
次にこのように構成された本発明の第1の実施形態に係る用紙折り装置201及び、この用紙折り装置を備えた丁合装置1の動作を説明する。
図10は本発明の第1の実施形態に係る丁合装置1の動作を示すフローチャートである。
【0058】
丁合装置1を運転する前に、操作者は予め、複数の給紙機構2の一部または全部と、折り給紙機構3に用紙(広告)を積載する(S01)。そして、折り給紙機構3に積載した用紙に対し、折筋を付けるか否かを決定する(S02)。折り筋を付ける場合(S02のY)は、手動で上筋付ローラ155,156を第1位置とする(S03)。折り筋を付けない場合(S02のN)は、手動で上筋付ローラ155,156を第2位置とする(S04)。
【0059】
次に、丁合装置1の全体操作を受付ける操作パネル(図示せず)等に設けられたスタートスイッチを押下する(S05)。すると、用紙が積載されている各給紙機構2から用紙が1枚ずつ送り込まれ、互いに合流して重なり、用紙束S2を形成しながら縦搬送路7を下降する。縦搬送路7で合流したときに互いに先端が揃うように、上方の給紙機構2から下方の給紙機構2に向かって、所定の時間差をつけて用紙が送り込まれるように、各々送り込みたいミングが設定されている。また、折り給紙機構3からも用紙S1が1枚送り込まれ、搬送ローラユニット15、16により折り搬送路17を送られて折込板8の上板8aと下板8bの間に入り、先端がストッパ9に当接して停止する(S06)。用紙束S2の先端が、折り搬送路17から折込板8へのラインに到達する前に、用紙S1の先端がストッパ9に当接するように、折り給紙機構3の送り込みタイミングが設定されている。
【0060】
次に、用紙束S2の先端が用紙S1に達する直前に、折りナイフ10が用紙S1を折りローラ11のニップ間に送り込む。直後に用紙束S2が下降してきて、用紙S1とともに折りローラ11のニップ間に入る。すると、二つ折りされた用紙S1の折りの内側に用紙束S2が挟まれた丁合セットSを形成する(S07)。丁合セットSはさらに、排紙搬送路12を経由して排紙口13から装置外へ排出される(S08)。
【0061】
ユーザにより操作パネル等でストップスイッチが押下されるか、予めセットしたカウント数分の丁合セットSの作成が完了したら(S09のY)、装置が停止する。そうでなければS06に戻って丁合作業を繰り返す。
【0062】
上筋付ローラ155、156が第1位置にあると、折り給紙機構3から送り込まれた用紙S1が搬送ローラユニット15を通過する時に、用紙S1の搬送方向と平行な方向に折筋がつけられる。折筋は、
図11に示すように、上筋付ローラ155によって折筋F1,F2、上筋付ローラ156によって折筋F3,F4の合計4本の折り筋が付与される。
【0063】
したがって、これらの折筋により用紙S1に腰が付与され、搬送方向に直交する方向のたわみの発生を防ぐことができるので、用紙S1の先端がストッパ9に当たった時、先端寄りがたわむことにより折り位置がずれたり、折りナイフ10が当接する前に折りローラ11に触れて巻き込まれてしまう、という不具合を防ぐことができる。
【0064】
また、もともと分厚い用紙や、予め二つ折りされている等、比較的腰の強い用紙を折り給紙機構3に積載された場合、折筋を付与しなくとも、ストッパ9に当接した時にたわむことがない。このような場合は、上筋付ローラ155、156を第2位置として、用紙S1に折筋がつくのを回避することができる。特に腰の強い用紙は折り筋が目立つので、折筋は回避することが望ましい。
【0065】
したがって、折り給紙機構3に薄くて腰が弱い用紙を積載した場合は、上筋付ローラ155、156を第1位置としておくことによって折筋を付与し、ストッパ9に当接した際のたわみを防ぎ、見栄えの良い丁合セットSを形成することができるとともに、折り給紙機構3に腰の強い用紙を積載した場合には、上筋付ローラ155、156を第2位置としておくことによって目立つ折り筋がつくのを回避することができる。
【0066】
なお、本実施形態では、下筋付ローラ157、158を下搬送軸152に対して固定とし、上筋付ローラ155、156を上搬送軸151に沿って、第1位置と第2位置との間を移動させるように構成したが、これに限られず、上筋付ローラ155、156を上搬送軸151に対して固定とし、下筋付ローラ157、158を下搬送軸152に沿って、上筋付ローラ155、156に対して接近した第1位置と、離れた第2位置との間を移動させるようにしてもよい。また、上筋付ローラ155と下筋付ローラ157、あるいは上筋付ローラ156と下筋付ローラ158とを共に移動可能として、近づけたり離したりするようにしてもよい。要するに、互いに幅方向の位置をずらし、軸方向から見て互いに重なる部分を有するローラ同士を、互いに接触しない範囲で近づけたり離したりすることができればよい。
【0067】
また、本実施形態では、上搬送ローラ153及び下搬送ローラ154の両サイドに筋付ローラを設けたが、このような構成に限られず、どちらか一方のサイドのみに設けられていてもよい。この場合、用紙S1の斜行を防ぐため、上搬送ローラ153及び下搬送ローラ154のグリップ力を十分強く構成するのが良い。
【0068】
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態に係る紙折り装置及び丁合装置においては、第1の実施形態における上筋付ローラ155、156、下筋付ローラ157、158を有しておらず、さらに、上搬送ローラ153、下搬送ローラ154に代えて、上筋付ローラ253、下筋付ローラ254を有している点が異なる。その他の構成は第1の実施形態と同じである。
図12はこの上筋付ローラ253、下筋付ローラ254を示す図である。第1の実施形態と同一の部材には同一の番号を付してある。
【0069】
上搬送ローラ253は、その幅方向中央部に細長い径大部である凸条253aを形成しており、その両サイドに円周面部253bを有する。下搬送ローラ254は、幅方向中央部に溝254aが形成され、その両サイドに円周面部254bが形成されている。そして凸条253aが溝254aに収容されるような寸法で形成され、したがって円周面部253b、254bが互いに圧接している。円周面部253b、254bは第1の実施形態における上搬送ローラ153、下搬送ローラ154と同様に、その外輪部がゴムで形成されている。
【0070】
したがって、この上筋付ローラ253、下筋付ローラ254に挟まれて用紙S1が送られるとき、凸条253aと溝254bにより1本の折り筋が形成される。したがって、本実施形態の構成でも第1の実施形態と同様に、用紙S1がストッパ9に当接した時のたわみを防ぐことができる。また、凸条と溝との組み合わせが上下逆であっても良いことはもちろんである。
【0071】
(第3の実施形態)
続いて、本発明の第3の実施形態を説明する。第3の実施形態に係る紙折り装置及び丁合装置においては、第1の実施形態における上筋付ローラ155、156、下筋付ローラ157、158に代えて、上筋付ローラ355、356、下筋付ローラ357、358を有している点が異なる。
図13はこの上筋付ローラ355、356、下筋付ローラ357、358を示す図である。第1の実施形態と同一の部材には同一の番号を付してある。
【0072】
上筋付ローラ355、356はそれぞれ外周面の幅方向中央に凸条355a、356aを有し、この凸条と、下筋付ローラ357、358の外周面に形成された溝357b、358bの組み合わせにより、用紙S1に2本の折筋を付与する。したがって、本実施形態の構成でも第1の実施形態と同様に、用紙S1がストッパ9に当接した時のたわみを防ぐことができる。
【0073】
条と溝との組み合わせが上下逆であっても良く、軸方向に2対ではなくいずれか1対であってもよいことはもちろんである。また、凸条を有する筋付ローラを着脱可能とし、腰の強い用紙の場合は凸条を有する筋付ローラを取り外して筋付が解除できるようにしてもよい。
【0074】
(第4の実施形態)
続いて、本発明の第4の実施形態を説明する。第4の実施形態に係る紙折り装置及び丁合装置においては、第1の実施形態における上筋付ローラ155、156、下筋付ローラ157、158に代えて、上筋付ローラ455、456、下筋付ローラ457、458を有している。また、第1の実施形態における重送検知センサ40に代えて、重送検知センサ440を有している。
【0075】
図14は第4の実施形態に係る上筋付ローラ455、456、下筋付ローラ457、458と、その間を用紙S1が通っている状態を、重送検知センサ440とともに示す図である。第1の実施形態と同一の部材には同一の番号を付してある。第1の実施形態における上筋付ローラ155,156が、各々下筋付ローラ157,158の内側に配置されているのに対し、第4の実施形態における上筋付ローラ455,456は、各々下筋付ローラ457,458の外側に配置されている。
【0076】
図14(a)は上筋付ローラ455、456が各々下筋付ローラ457,458に近接した第1位置455x、456xにある状態を示し、
図14(b)は上筋付ローラ455、456が各々下筋付ローラ457,458から離間した第2位置455y、456yにある状態を示す。第1、第2位置における、各々の上下筋付ローラの対向面間の距離は、第1の実施形態と同様に、第1位置においては0.5mm、第2位置においては4mmとなっている。また、第1の実施形態と同様の機構により、上筋付ローラ457,458は第1位置と第2位置とを手動で選択移動させることができる。
【0077】
図14(a)に示すように、上筋付ローラ455,456が第1位置455x、456xにある場合は、その間を通った用紙S1は、各々の筋付ローラの間で屈曲し、その屈曲点で折筋F5〜F8が形成される。一方、上筋付ローラ455,456が第2位置455y、456yにある場合は、用紙S1は上筋付ローラ455,456、下筋付ローラ457,458に接触はするが、折り筋は形成されない。
【0078】
重送検知センサ440は、上筋付ローラ455と下筋付ローラ457の対の図示右側に設けられている。上筋付ローラと下筋付ローラとの間を通る用紙の屈曲により、上筋付ローラ455と下筋付ローラ457の図示右側は筋付ローラから離れるほど下降するように傾斜する方向の力が働くが、用紙S1の下面は搬送板30に支持されているため、用紙S1は搬送板30に倣って水平が維持されるので、安定した重送検知が可能となる。重送検知センサ440が上筋付ローラ456と下筋付ローラ458の図示左側に設けられていても良いことはもちろんである。
【0079】
このように、重送検知センサ440から幅方向で最も近い位置で対を成す上筋付ローラ455と下筋付ローラ456のうち、重送検知センサ440に近い上筋付ローラ455は用紙S1の搬送面に対して上方の上搬送軸151に支持されている。用紙面に対し、上搬送軸151側とは上下方向で反対側、すなわち下方から用紙面をガイドするガイド部材(搬送板30)が設けられていることによって、筋付ローラから離れるほど下方に傾斜しようとする用紙を、ガイド部材でガイドして傾斜を抑制するので、安定した重送検知が可能となる。上筋付ローラと下筋付ローラとが幅方向で逆向きである場合は、用紙の上方をガイドするガイド部材を設ければよい。
【0080】
図15は第4の実施形態の変形例を示すもので、第4の実施形態における上筋付ローラ456、下筋付ローラ458を省略したもので、上筋付ローラ455と下筋付ローラ457だけで筋付を行う。従って付与される折筋はF7,F8のみである。このように、上筋付ローラと下筋付ローラとの対が1対だけであっても、折筋による用紙の座屈防止、折りローラへの巻き込み防止といった効果を奏する。
【0081】
なお、筋付による用紙の変形も超音波重送検知の結果に影響し、重送検知が困難になる。したがって、上記したいずれの実施形態においても、超音波重送検知の幅方向の位置と筋付位置とは幅方向に異なる位置となっている。