【文献】
塩谷 幸治,Case4 ifconfigコマンドでは異常は見つからないのに… エイリアスアドレスを設定したWebサーバにアクセスできない!,NETWORK WORLD,(株)IDGジャパン,2004年 5月 1日,Vol.9 No.5,pp.57〜62
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、さらに、前記監視対象装置と疎通しない場合、前記監視対象装置に接続された前記第2ネットワーク機器の前記ポート接続状態情報の接続状態が接続となっているか否かを確認する処理を含み、
前記アドレスポート変換テーブルの前記装置固有アドレスが変更されているか否かを確認する処理は、前記ポート接続状態情報の接続状態が接続となっている場合に行う、
請求項1記載の監視装置。
前記第1ネットワーク機器において前記アドレス変換テーブルの前記装置固有アドレスを、前記監視対象装置の前記装置固有アドレスに書き換えるように制御する処理では、前記監視対象装置データベースのネットワークアドレスに対応する、前記第1ネットワーク機器の前記アドレス変換テーブルの前記装置固有アドレスを消去することにより、前記第1ネットワーク機器に前記アドレス変換テーブルの前記装置固有アドレスを、前記監視対象装置の前記装置固有アドレスに書き換えるように制御する、
請求項1乃至5のいずれか一に記載の監視装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。なお、下記の実施形態は、あくまで例示であり、本発明を限定するものではない。
【0018】
[実施形態1]
実施形態1に係る通信障害自動復旧システムについて図面を用いて説明する。
図1は、実施形態1に係る通信障害自動復旧システムの構成を模式的に示したブロック図である。
図2は、実施形態1に係る通信障害自動復旧システムにおける監視装置で用いられる監視対象装置データベースの構成を示した模式図である。
図3は、実施形態1に係る通信障害自動復旧システムにおけるGWNW機器で用いられるARPテーブル、NW機器で用いられるFDBテーブル及びリンクステータス情報の構成を示した模式図である。
【0019】
通信障害自動復旧システム1は、GWNW機器200及びNW機器300、400を含むネットワーク(例えば、LAN)上で監視対象装置500に対する通信障害が発生した時に自動的に復旧する機能を有するシステムである(
図1参照)。通信障害自動復旧システム1は、監視装置100と、GWNW機器200と、NW機器300、400と、監視対象装置500と、を有する。
【0020】
監視装置100は、ネットワークに接続された監視対象装置500の通信状態を監視する装置である(
図1参照)。監視装置100は、通信部101と、入力部102と、出力部103と、制御部104と、記憶部105と、を有する。
【0021】
通信部101は、ネットワークを経由して、GWNW機器200、NW機器300、400及び監視対象装置500と通信可能に接続する機能部である(
図1参照)。通信部101として、例えば、LANケーブルと接続可能なLANインタフェースを用いることができる。通信部101は、制御部104と通信可能に接続され、制御部104によって制御される。
【0022】
入力部102は、ユーザの操作により情報を入力することが可能な機能部である(
図1参照)。入力部102として、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、マイク、その他の入力手段を用いることができる。入力部102は、制御部104と通信可能に接続されるとともに、入力された情報を制御部104に送信する。
【0023】
出力部103は、情報を監視装置100の外部に出力するための機能部である(
図1参照)。出力部103には、例えば、表示を行うディスプレイ、印刷を行うプリンタ、所定の端末等へ送信を行う通信器等の出力手段を用いることができる。出力部103は、制御部104と通信可能に接続されるとともに、制御部104から出力された情報を受信する。
【0024】
制御部104は、通信部101、入力部102、出力部103及び記憶部105を制御する機能部である(
図1参照)。制御部104は、記憶部105に記憶されたプログラム(ツールを含む)、ソフトウェアを実行することで、各機能部や外部機器・装置を制御したり、情報処理を行う。制御部104は、通信部101での情報の送受信を制御する。制御部104は、入力部102で入力された情報を取り込むように制御する。制御部104は、出力する情報を、出力部103から出力するように制御する。制御部104は、記憶部105でのデータやファイル等の読み取り、書き込み等を制御する。なお、制御部104が通信障害自動復旧プログラム107を実行した時の詳細な動作については、通信障害自動復旧システムの動作の説明で述べる。
【0025】
記憶部105は、各種データ、ファイル、プログラム等を記憶する機能部である(
図1参照)。記憶部105は、監視対象装置データベース(DB;DataBase)106と、通信障害自動復旧プログラム107と、を記憶する。
【0026】
監視対象装置DB106は、互いに対応する装置名、IPアドレス、MACアドレス、物理ポート及びリンクステータスを関連付けたデータベースである(
図1、
図2参照)。監視対象装置DB106は、通信障害自動復旧プログラム107のデータ取得ツール109を制御部104で実行することによって、時系列に並んで作成され、所定時間毎に追加(更新)される。
【0027】
ここで、「装置名」は、監視対象装置500の名称、型番、識別子等である。「IPアドレス」は、IPにおいてパケットを送受信する監視対象装置500に対して設定されたネットワークアドレスであり、ユーザによって事後的に設定される。「MACアドレス」は、アクセス制御される監視対象装置500に対し設定された装置固有アドレスであり、主にメーカで事前に設定され、ユーザによって事後的に設定されることもある。「物理ポート」は、装置名に係る装置がLANケーブルを介して接続されるNW機器の物理インタフェースである。
【0028】
「リンクステータス」は、装置名に係る装置がLANケーブルを介して接続されるNW機器の物理ポートの接続状態である。リンクステータスが「UP」の状態は、正常にリンクアップしている状態、例えば
図1では、NW機器400の物理ポートkにLANケーブルを介して監視対象装置500が接続されていて、当該監視対象装置500を認識でき、当該監視対象装置500と通信できる状態を示す。リンクステータスが「DOWN」の状態は、正常にリンクアップしていない状態、例えば
図1では、NW機器400の物理ポートにLANケーブルを介して監視対象装置500が接続されていない、又は、監視対象装置500の電源がオフになっていて、当該監視対象装置500を認識できず、当該監視対象装置500と通信ができない状態を示す。
【0029】
通信障害自動復旧プログラム107は、ネットワーク上で監視対象装置500に対する通信障害が発生した時に自動的に復旧させるためのプログラムである(
図1参照)。通信障害自動復旧プログラム107は、障害監視ツール108と、データ取得ツール109と、ARPテーブルクリアツール110と、GWNW機器特定ツール111と、を有する。
【0030】
障害監視ツール108は、監視対象装置500の通信障害を監視するプログラムである(
図1参照)。障害監視ツール108は、Ping(Packet INternet Groper)コマンドを含む。
【0031】
ここで、Pingコマンドとは、ICMP(Internet Control Message Protocol)のechoコマンドを利用したプログラムであって、指定した相手先(IPアドレス又はホスト名)に文字列を送り、その戻りの有無により、ネットワークの接続を確認するコマンド(命令)をいう。
【0032】
データ取得ツール109は、SNMP(Simple Network Management Protocol)ポーリング機能を使用して、ネットワーク上の機器に記憶された情報(例えば、MIB(Management Information Base)−2情報)を取得するためのプログラムである(
図1参照)。
【0033】
ここで、SNMPポーリング機能は、監視装置100がネットワークを管理するプロトコルを用いて機器(ここでは、GWNW機器200、NW機器400)から定期的に管理情報(ここでは、ARPテーブル201、FDBテーブル401、リンクステータス情報402)を読み出す機能をいう。
【0034】
また、MIB−2情報は、インターネット関連技術の標準化団体であるIETF(Internet Engineering Task Force)によって発行される提案書のRFC(Request for Comments)1213で定義されている情報である。
【0035】
ARPテーブルクリアツール110は、GWNW機器特定ツール111で特定されたGWNW機器のARPテーブルのキャッシュをクリア(消去)するためのプログラムである(
図1参照)。
【0036】
ここで、ARPテーブルは、IPアドレスとMACアドレスを関連付けたテーブル(アドレス変換テーブル)であり、IPアドレスからネットワーク上のMACアドレスを求めるために使用される(
図3参照)。ARPテーブルは、MIB−2情報の1つである。
【0037】
GWNW機器特定ツール111は、経路追跡コマンド(Tracerouteコマンド)を実行して、最後に認識した装置を、監視対象装置500から最も近くにあるGWNW機器として特定するためのプログラムである(
図1参照)。
【0038】
GWNW機器200は、ネットワーク上のNW機器300とNW機器400との間に配された中継機器(第1ネットワーク機器)である(
図1参照)。GWNW機器200には、ネットワーク層(第3層)同士のデータの転送処理を行う機器、例えば、レイヤ3スイッチ、ルータ等を用いることができる。GWNW機器200は、ネットワーク層とデータリンク層との間のプロトコル変換機能を有する。GWNW機器200は、APRテーブル201を記憶しており、APRテーブル201に基づいて通信したい相手のアドレスを変換する機能を有する(
図3参照)。GWNW機器200は、ARPテーブル201のMACアドレスがクリアされ、監視対象装置500に対する通信が発生した時に、監視対象装置500に記憶されたIPアドレス及びMACアドレスを読み出し、読み出されたIPアドレス及びMACアドレスに基づいてARPテーブル201を書き換える機能を有する。
【0039】
NW機器300は、ネットワーク上のGWNW機器200と監視装置100との間に配された中継機器である(
図1参照)。NW機器300には、データリンク層(第2層)のデータの転送処理を行う機器、例えば、レイヤ2スイッチ、スイッチングハブ等を用いることができる。NW機器300は、FDBテーブル(図示せず)及びリンクステータス情報(図示せず)を記憶しており、FDBテーブル及びリンクステータス情報に基づいて通信したい相手にパケットを転送する。NW機器300は、GWNW機器200とLANケーブルを介して直接又は間接的に接続されている。NW機器300は、LANケーブルを介して監視装置100と接続されている。
【0040】
NW機器400は、ネットワーク上のGWNW機器200と監視対象装置500との間に配された中継機器(第2ネットワーク機器)である(
図1参照)。NW機器400には、データリンク層(第2層)で通信を行う機器、例えば、レイヤ2スイッチ、スイッチングハブ等を用いることができる。NW機器400は、FDBテーブル401及びリンクステータス情報402を記憶しており、FDBテーブル401及びリンクステータス情報402に基づいて通信したい相手にパケットを転送する(
図3参照)。NW機器400は、GWNW機器200とLANケーブルを介して接続されている。NW機器400は、n個の物理ポート403を有する。k番目の物理ポート403は、LANケーブルを介して監視対象装置500と接続されている。NW機器400は、物理ポート403のいずれかに接続される監視対象装置500が交換された場合、又は、物理ポート403のいずれかに新規に監視対象装置500が接続された場合に、自発的に、監視対象装置500からMACアドレスを読み出し、物理ポート403に対応するFDBテーブルのMACアドレスを、読み出されたMACアドレスに書き換える機能を有する。
【0041】
ここで、FDBテーブルは、MACアドレスと物理ポートを関連付けたテーブル(アドレスポート変換テーブル)である(
図3参照)。
【0042】
また、リンクステータス情報は、監視対象装置500が接続されたNW機器400の物理ポートの接続状態(リンクステータス)を示す情報(ポート接続状態情報)である(
図3参照)。
【0043】
監視対象装置500は、監視装置100によって監視される装置である(
図1参照)。監視対象装置500は、IPアドレス501及びMACアドレス502を記憶する。監視対象装置500には、ネットワークに対してIPアドレス501及びMACアドレス502を自発的に発信しない装置、例えば、単機能のプリンタ、スキャナ等の周辺機器を用いることができる。監視対象装置500は、NW機器400と同一セグメントに接続されており、NW機器400のk番目の物理ポート403にLANケーブルを介して接続されている。ここで、セグメントは、具体的には、ネットワークを構成する範囲の単位であり、この場合、GWNW機器200で区切られる範囲である。
【0044】
次に、実施形態1に係る通信障害自動復旧システムの動作について図面を用いて説明する。
図4、
図5は、実施形態1に係る通信障害自動復旧システムにおける監視装置の動作を模式的に示したフローチャートである。なお、通信障害自動復旧システムの構成については、
図1〜
図3を参照されたい。また、以下の監視装置100の動作は、通信障害自動復旧プログラム107を実行したときの制御部104の動作である。
【0045】
まず、監視装置100は、ユーザが入力部102から監視対象装置500に記憶されたIPアドレス501と同じIPアドレスを入力することにより、入力されたIPアドレスを記憶部105に登録する(ステップA1、
図4参照)。
【0046】
ステップA1の後、又は、ステップA5の後、若しくは、MACアドレス同士が一致する場合(ステップA20のYES)、監視装置100は、障害監視ツール108のPingコマンドを用いて、ステップA1で登録されたIPアドレスに対応する監視対象装置500と疎通するか否か(監視対象装置500への通信障害を検知したか否か;死活監視)を確認(疎通確認)する(ステップA2、
図4参照)。監視対象装置500と疎通しない場合(ステップA2のNO)、ステップA6に進む。
【0047】
監視対象装置500と疎通する場合(ステップA2のYES;監視対象装置500への通信障害を検知しない場合、Pingコマンドの応答がある場合)、監視装置100は、データ取得ツール109のSNMPポーリング機能を用いて、ステップA1で登録されたIPアドレス(過去の監視対象装置DB106のIPアドレスでも可)に基づいて、監視対象装置500に最も近いGWNW機器200に記憶されたMIB−2情報の中にあるARPテーブル201と、当該監視対象装置500が接続されているNW機器400に記憶されたFDBテーブル401及びリンクステータス情報402と、を取得する(ステップA3、
図4参照)。
【0048】
ここで、ステップA3におけるARPテーブル201、FDBテーブル401及びリンクステータス情報402の取得では、監視装置100は、ステップA1で登録されたIPアドレス(過去の監視対象装置DB106のIPアドレスでも可)に基づいて、監視対象装置500に最も近いGWNW機器200に記憶されたARPテーブル201を取得し、取得したARPテーブル201に基づいて、ステップA1で登録されたIPアドレスに対応するMACアドレスを特定し、特定されたMACアドレスに基づいて、監視対象装置500が接続されたNW機器400に記憶されたFDBテーブル401を取得し、取得したFDBテーブル401に基づいて物理ポートを特定し、特定された物理ポートに基づいて、監視対象装置500が接続されたNW機器400に記憶されたリンクステータス情報402を取得し、取得したリンクステータス情報402に基づいて、特定された物理ポートに対応するリンクステータスを特定することができる。
【0049】
ステップA3の後、監視装置100は、取得したARPテーブル201、FDPテーブル401及びリンクステータス情報402に基づいて、監視対象装置500が接続されているNW機器400の物理ポートを特定するための監視対象装置DB106を作成し、作成された監視対象装置DB106を記憶部105に登録(又は追加)する(ステップA4、
図4参照)。
【0050】
ここで、監視対象装置DB106の作成では、監視装置100は、ステップA1で登録されたIPアドレスと、ステップA3で取得したARPテーブル201、FDPテーブル401及びリンクステータス情報402に含まれたMACアドレス、物理ポート及びリンクステータスと、を関連付けて作成することができる(
図2参照)。
【0051】
ステップA4の後、又は、疎通確認回数が所定回数未満である場合(ステップA7のYES)、監視装置100は、所定時間待機し(ステップA5、
図4参照)、その後、ステップA2に戻る。
【0052】
監視対象装置500と疎通しない場合(ステップA2のNO、監視対象装置500への通信障害を検知した場合、Pingコマンドの応答がない場合)、監視装置100は、ステップA1で登録されたIPアドレス(過去の監視対象装置DB106のIPアドレスでも可)に基づいて、監視装置100が過去に作成された監視対象装置DB106が存在するか否かを確認する(ステップA6、
図4参照)。過去に作成された監視対象装置DB106が存在しない場合(ステップA6のNO)、監視装置100は監視対象装置500が接続されているNW機器400の物理ポート403を特定することができないので、ステップA7に進む。
【0053】
ここで、過去とは、監視対象装置500に対するPing応答がなくなる時よりも前のことをいう。
【0054】
過去に作成された監視対象装置DB106が存在しない場合(ステップA6のNO)、監視装置100は、ステップA2の疎通確認を開始してから疎通確認回数が予め設定された所定回数未満であるか否かを確認する(ステップA7、
図4参照)。疎通確認回数が所定回数未満である場合(ステップA7のYES)、ステップA5に進む。疎通確認回数が所定回数未満でない場合(ステップA7のNO)、ステップA10に進む。
【0055】
過去に作成された監視対象装置DB106が存在する場合(ステップA6のYES)、監視装置100は、データ取得ツール109のSNMPポーリング機能を用いて、監視対象装置500が接続されているNW機器400から、過去に作成された監視対象装置DB106の物理ポート(ここでは
図1の監視対象装置500が接続されているNW機器400のk番目の物理ポート403)に対応するリンクステータス情報402を取得する(ステップA8、
図4参照)。
【0056】
ステップA8の後、監視装置100は、ステップA8で取得したリンクステータス情報402のリンクステータスがUPであるか否かを確認する(ステップA9、
図4参照)。
【0057】
疎通確認回数が所定回数未満でない場合(ステップA7のNO)、又は、リンクステータスがUPでない場合(ステップA9のNO)、監視装置100は、監視対象装置500と通信ができない状態(NW機器400の物理ポートにLANケーブルを介して監視対象装置500が接続されていない状態、又は、監視対象装置500の電源がオフになっている状態)と判断し、監視対象装置500と通信ができない状態である旨のメッセージを出力部103から出力し(ステップA10、
図4参照)、その後、終了する。
【0058】
リンクステータスがUPである場合(ステップA9のYES)、監視装置100は、データ取得ツール109のSNMPポーリング機能を用いて、監視対象装置500が接続されているNW機器400から、過去に作成された監視対象装置DB106の物理ポート(ここでは
図1のk番目の物理ポート403に対応するもの)に対応するFDBテーブル401を取得する(ステップA11、
図4参照)。
【0059】
なお、NW機器400は、監視対象装置500が交換され、正常にリンクアップした状態になったときに、監視対象装置500に記憶されているMACアドレス501を読み出し、自身(NW機器400)のFDBテーブル401において、監視対象装置500が接続されているNW機器400の物理ポート403(ここでは
図1のk番目の物理ポート403)に対応するMACアドレスを、読み出したMACアドレス501に書き換える。
【0060】
ステップA11の後、監視装置100は、過去に作成された監視対象装置DB106の物理ポート(ここでは
図1のk番目の物理ポート403に対応するもの)に関して、ステップA11で取得したFDBテーブル401のMACアドレスと、過去に作成された監視対象装置DB106のMACアドレスと、を比較し、FDBテーブルのMACアドレスが変更されているか否かを判断する(ステップA12、
図5参照)。MACアドレスが変更されていない場合(ステップA12のNO)、ステップA16に進む。
【0061】
MACアドレスが変更されている場合(ステップA12のYES)、監視装置100は、監視対象装置500が交換されたと判断し、監視対象装置500に対して、GWNW機器特定ツール111の経路追跡コマンドを用いて、ステップA1で登録されたIPアドレス(過去の監視対象装置DB106のIPアドレスでも可)に基づいて、監視対象装置500から最も近いGWNW機器200を特定する(ステップA13、
図5参照)。
【0062】
ここで、経路追跡コマンドを実行すると、監視装置100と監視対象装置500との間の経路に存在する全てのGWNW機器を認識するが、監視装置100に最も近い所のGWNW機器から順に認識し、最後に監視対象装置500から最も近いGWNW機器200を認識し、最後に認識した装置を、監視対象装置500から最も近くにあるGWNW機器として特定する。
【0063】
ステップA13の後、監視装置100は、監視対象装置500から最も近くにあるGWNW機器200に対して、データ取得ツール109のSNMPポーリング機能を用いて、ステップA1で登録されたIPアドレス(過去の監視対象装置DB106のIPアドレスでも可)に基づいて、当該GWNW機器200に記憶されているARPテーブル201を取得する(ステップA14、
図5参照)。
【0064】
ステップA14の後、監視装置100は、ステップA1で登録されたIPアドレスに関して、ステップA14で取得したARPテーブルのMACアドレスと、過去に作成された監視対象装置DB106のMACアドレスと、を比較し、MACアドレス同士が同じであるか否かを判断する(ステップA15、
図5参照)。MACアドレス同士が同じである場合(ステップA15のYES)、ステップA17に進む。MACアドレス同士が同じでない場合(ステップA15のNO)、ステップA16に進む。
【0065】
MACアドレスが変更されていない場合(ステップA12のNO)、MACアドレス同士が同じでない場合(ステップA15のNO)、監視対象装置500と疎通しない場合(ステップA18のNO)、又は、MACアドレス同士が一致しない場合(ステップA20のNO)、監視装置100は、監視対象装置500に別の障害があると判断し、その旨のメッセージを出力部103から出力し(ステップA16、
図5参照)、その後、終了する。
【0066】
MACアドレス同士が同じである場合(ステップA15のYES)、監視装置100は、監視対象装置500に記憶されたIPアドレス501に対するGWNW機器200のARPテーブル201が更新されていないと判断し、ステップA1で登録されたIPアドレス(過去の監視対象装置DB106のIPアドレスでも可)に基づいて、監視対象装置500から最も近くにあるGWNW機器200に対して、リモート接続を行い、ARPキャッシュクリアコマンドを用いて、対応するGWNW機器200のARPテーブル201のMACアドレスをクリア(消去)する(ステップA17、
図5参照)。
【0067】
ここで、監視対象装置500から最も近くにあるGWNW機器200は、ARPテーブル201のMACアドレスがクリアされた後、監視対象装置500に対する通信が発生した時に、監視対象装置500に記憶されたIPアドレス及びMACアドレスを読み出し、読み出されたIPアドレス及びMACアドレスに基づいてARPテーブル201を書き換える。
【0068】
ステップA17の後、監視装置100は、監視対象装置500に対して、障害監視ツール108のPingコマンドを用いて、ステップA1で登録されたIPアドレスに対応する監視対象装置500と疎通するか否か確認する(ステップA18、
図5参照)。
【0069】
監視対象装置500と疎通しない場合(ステップA18のNO)、ステップA16に進む。
【0070】
監視対象装置500と疎通する場合(ステップA18のYES)、監視装置100は、データ取得ツール109のSNMPポーリング機能を用いて、監視対象装置500から最も近くにあるGWNW機器200から、ステップA1で登録されたIPアドレスに対応するARPテーブル201を取得する(ステップA19、
図5参照)。
【0071】
ステップA19の後、監視装置100は、ステップA19で取得したARPテーブル201のMACアドレスと、ステップA11で取得したFDBテーブルのMACアドレスと、を比較し、MACアドレス同士が一致するか否かを判断する(ステップA20、
図5参照)。MACアドレス同士が一致しない場合(ステップA20のNO)、ステップA16に進む。MACアドレス同士が一致する場合(ステップA20のYES)、ステップA2に戻る。なお、MACアドレス同士が一致する場合(ステップA20のYES)、監視装置100は、通信障害復旧完了と判断し、障害復旧の旨のメッセージを出力部103から出力するようにしてもよい。
【0072】
実施形態1によれば、監視対象装置500に設定されたIPアドレスを事前に登録しておくことで、アドレスを自発的に発信しない監視対象装置500を交換して通信障害が発生しても、通信障害を自動的に検出し、ネットワークに接続された他の装置の通信に影響を与えることなく自動的に通信障害を復旧し、交換後の監視対象装置500とネットワーク上で早期に通信できるようにすることができる。つまり、監視対象装置500を交換したときのネットワーク上のGWNW機器200のARPテーブル201が更新されないことによる通信障害を自動検出し、自動的にARPテーブル201を更新して、交換後の監視対象装置500とすぐに通信可能に復旧することができる。
【0073】
[実施形態2]
実施形態2に係る通信障害自動復旧システムについて図面を用いて説明する。
図6は、実施形態2に係る通信障害自動復旧システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【0074】
通信障害自動復旧システム1は、第1ネットワーク機器200及び第2ネットワーク機器400を含むネットワーク上で監視対象装置500に対する通信障害が発生した時に自動的に復旧する機能を有するシステムである(
図6参照)。通信障害自動復旧システム1は、監視装置と100、第1ネットワーク機器200と、第2ネットワーク機器400と、監視対象装置500と、を備える。
【0075】
監視装置100は、ネットワークに接続された監視対象装置500の通信状態を監視する装置である(
図6参照)。監視装置100は、通信部101と、制御部104と、記憶部105と、を備える。
【0076】
通信部101は、ネットワーク上の第1ネットワーク機器200及び第2ネットワーク機器400並びに監視対象装置500と通信可能な機能部である。制御部104は、前記通信部及び前記記憶部を制御する機能部である。記憶部105は、監視対象装置500に係る情報を含む監視対象装置DB106を記憶する機能部である。監視対象装置DB106は、互いに関連するネットワークアドレス、装置固有アドレス、物理ポート及び接続状態が関連付けられたデータベースである。なお、制御部104の動作の詳細は、後述する。
【0077】
第1ネットワーク機器200は、ネットワーク上の監視装置100と第2ネットワーク機器400との間に配された中継機器である(
図6参照)。第1ネットワーク機器200は、アドレス変換テーブル201を記憶する。アドレス変換テーブル201は、監視対象装置500に係るネットワークアドレス及び装置固有アドレスが関連付けられている。
【0078】
第2ネットワーク機器400は、ネットワーク上の第1ネットワーク機器200と監視対象装置500との間に配された中継機器である(
図6参照)。第2ネットワーク機器400は、監視対象装置500に係るアドレスポート変換テーブル401及びポート接続状態情報402を記憶する。アドレスポート変換テーブル401は、監視対象装置500に係る装置固有アドレスと、監視対象装置500が接続される第2ネットワーク機器400の物理ポート403とが関連付けられている。ポート接続状態情報402は、第2ネットワーク機器400の物理ポート403と、物理ポート403に対する監視対象装置500の接続状態とが関連付けられている。
【0079】
監視対象装置500は、監視装置100によって監視される装置である(
図6参照)。監視対象装置500は、ネットワークアドレス501及び装置固有アドレス502を記憶する。監視対象装置500には、ネットワークに対してネットワークアドレス及び装置固有アドレス502を自発的に発信しない。
【0080】
次に、実施形態2に係る通信障害自動復旧システムの動作について図面を用いて説明する。
図7は、実施形態2に係る通信障害自動復旧システムにおける監視装置の動作を模式的に示したフローチャートである。なお、通信障害自動復旧システムの構成については、
図6を参照されたい。また、以下の監視装置100の動作は、制御部104の動作である。
【0081】
まず、監視装置100は、登録されたネットワークアドレスに対応する監視対象装置500との疎通確認を行う(ステップB1)。
【0082】
監視対象装置500と疎通する場合(ステップB1のYES)、監視装置100は、第1ネットワーク機器200のアドレス変換テーブル201、並びに、第2ネットワーク機器400のアドレスポート変換テーブル401及びポート接続状態情報402に基づいて、互いに関連するネットワークアドレス、装置固有アドレス、物理ポート及び接続状態が関連付けられた監視対象装置DB106を作成し(ステップB2)、その後、所定時間が経過してからステップB1に戻る。
【0083】
監視対象装置500と疎通しない場合(ステップB1のNO)、監視装置100は、監視対象装置500に接続された第2ネットワーク機器400のアドレスポート変換テーブル401の装置固有アドレスと、監視対象装置DB106の装置固有アドレスとを比較することにより、アドレスポート変換テーブル401の装置固有アドレスが変更されているか否かを確認する(ステップB3)。アドレスポート変換テーブル401の装置固有アドレスが変更されていない場合(ステップB3のNO)、監視対象装置500に別の障害があると判断し、終了する。
【0084】
アドレスポート変換テーブル401の装置固有アドレスが変更されている場合(ステップB3のYES)、監視装置100は、監視対象装置500に最も近い第1ネットワーク機器200のアドレス変換テーブル201の装置固有アドレスと、監視対象装置DB106の装置固有アドレスとを比較することにより、アドレス変換テーブル201の装置固有アドレスが変更されているか否かを確認する(ステップB4)。アドレス変換テーブル201の装置固有アドレスが変更されている場合(ステップB4のYES)、監視対象装置500に別の障害があると判断し、終了する。
【0085】
アドレス変換テーブル201の装置固有アドレスが変更されていない場合(ステップB4のNO)、監視装置100は、第1ネットワーク機器200においてアドレス変換テーブル201の装置固有アドレスを、監視対象装置500の装置固有アドレス502に書き換えるように制御し(ステップB5)、その後、ステップB1に戻る。
【0086】
実施形態2によれば、アドレスを自発的に発信しない監視対象装置500を交換しても当該監視対象装置500とネットワーク上で早期に通信できるようにすることができる。
【0087】
(付記)
本発明では、前記第1の視点に係る監視装置の形態が可能である。
【0088】
前記第1の視点に係る監視装置において、前記制御部は、さらに、前記監視対象装置と疎通しない場合、前記監視対象装置に接続された前記第2ネットワーク機器の前記ポート接続状態情報の接続状態が接続となっているか否かを確認する処理を含み、前記アドレスポート変換テーブルの前記装置固有アドレスが変更されているか否かを確認する処理は、前記ポート接続状態情報の接続状態が接続となっている場合に行う。
【0089】
前記第1の視点に係る監視装置において、外部に情報を出力するとともに前記制御部に制御される出力部を備える。前記制御部は、さらに、前記ポート接続状態情報の接続状態が接続となっていない場合、前記監視対象装置と通信できない状態である旨のメッセージを前記出力部から出力するように制御する処理を行う。
【0090】
前記第1の視点に係る監視装置において、前記制御部は、さらに、前記監視対象装置と疎通しない場合、前記監視対象装置に対応する前記監視対象装置データベースが存在するか否かを確認する処理を行う。前記アドレスポート変換テーブルの前記装置固有アドレスが変更されているか否かを確認する処理は、前記監視対象装置に対応する前記監視対象装置データベースが存在する場合に行う。
【0091】
前記第1の視点に係る監視装置において、前記監視装置は、さらに、外部に情報を出力するとともに前記制御部に制御される出力部を備える。前記制御部は、さらに、前記監視対象装置に対応する前記監視対象装置データベースが存在しない場合、前記監視対象装置と通信できない状態である旨のメッセージを前記出力部から出力するように制御する処理を行う。
【0092】
前記第1の視点に係る監視装置において、前記第1ネットワーク機器において前記アドレス変換テーブルの前記装置固有アドレスを、前記監視対象装置の前記装置固有アドレスに書き換えるように制御する処理では、前記監視対象装置データベースのネットワークアドレスに対応する、前記第1ネットワーク機器の前記アドレス変換テーブルの前記装置固有アドレスを消去することにより、前記第1ネットワーク機器に前記アドレス変換テーブルの前記装置固有アドレスを、前記監視対象装置の前記装置固有アドレスに書き換えるように制御する。
【0093】
前記第1の視点に係る監視装置において、前記監視装置は、さらに、外部に情報を出力するとともに前記制御部に制御される出力部を備える。前記制御部は、さらに、前記アドレスポート変換テーブルの前記装置固有アドレスが変更されていない場合、又は、前記アドレス変換テーブルの前記装置固有アドレスが変更されている場合、前記監視対象装置に別の障害がある旨のメッセージを前記出力部から出力するように制御する処理を行う。
【0094】
前記第1の視点に係る監視装置において、前記制御部は、さらに、前記装置固有アドレスの書き換え後に、前記監視対象装置との疎通確認を行う処理と、前記装置固有アドレスの書き換え後に前記監視対象装置と疎通する場合、前記第1ネットワーク機器の前記アドレス変換テーブルの前記装置固有アドレスと、前記第2ネットワーク機器の前記アドレスポート変換テーブルの前記装置固有アドレスとを比較することにより、前記装置固有アドレス同士が一致するか否かを確認する処理と、を行う。
【0095】
前記第1の視点に係る監視装置において、前記監視装置は、さらに、外部に情報を出力するとともに前記制御部に制御される出力部を備える。前記制御部は、さらに、前記装置固有アドレスの書き換え後に前記監視対象装置と疎通しない場合、又は、前記アドレス変換テーブル及び前記アドレスポート変換テーブルの前記装置固有アドレス同士が一致しない場合、前記監視対象装置に別の障害がある旨のメッセージを前記出力部から出力するように制御する処理を行う。
【0096】
前記第1の視点に係る監視装置において、前記第2ネットワーク機器は、前記監視対象装置が交換された場合、又は、新規に前記監視対象装置が接続された場合に、自発的に、前記監視対象装置から前記装置固有アドレスを読み出し、読み出された前記装置固有アドレスに基づいて自身の前記アドレスポート変換テーブルの前記装置固有アドレスを、前記監視対象装置の前記装置固有アドレスに書き換える機能を有する。
【0097】
本発明では、前記第2の視点に係る通信障害自動復旧システムの形態が可能である。
【0098】
本発明では、前記第3の視点に係る通信障害自動復旧方法の形態が可能である。
【0099】
本発明では、前記第4の視点に係る通信障害自動復旧プログラムの形態が可能である。
【0100】
なお、上記の特許文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(必要により不選択)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、本願に記載の数値及び数値範囲については、明記がなくともその任意の中間値、下位数値、及び、小範囲が記載されているものとみなされる。