(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る液晶表示装置を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0019】
しかしながら、本発明は、ここで説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、他の形態に具体化可能である。むしろ、ここで紹介する実施形態は、開示した内容を徹底した且つ完全たるものにし、且つ、当業者に本発明の思想を十分に伝えるために提供するものである。
【0020】
図中、層及び領域の厚さは、明確性を図るために誇張されている。なお、層が他の層または基板の「上」にあるとしたとき、それは、他の層または基板の上に直接的に形成されてもよく、あるいは、これらの間に第3の層が挟持されてもよい。明細書全般に亘って同じ参照番号で表示した部分は、同じ構成要素を意味する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による液晶表示装置のブロック図であり、
図2は、本発明の一実施形態による液晶表示装置のある画素に対する等価回路図である。
【0022】
図1に示すように、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、液晶表示板組立体(liquid crystal panel assembly)300と、ここに接続されたゲート駆動部400及びデータ駆動部500と、データ駆動部500に接続された階調電圧生成部800と、これらを制御する信号制御部600と、を備える。
【0023】
液晶表示板組立体300は、等価回路から明らかなように、複数の表示信号線G
1-G
2n、D
1-D
m、C
1-C
n、Cv、L1、L2と、ここに接続され、略行列状に配列された複数の画素PXと、を備える。
【0024】
表示信号線G
1-G
2n、D
1-D
m、C
1-C
n、Cv、L1、L2は、ゲート信号(以下、「走査信号」とも称する。)を送信する複数のゲート線G
1-G
2nと、データ信号を送信するデータ線D
1-D
mと、共通電圧線C
1-C
nと、共通電圧線接続部Cv及びダミー線L1、L2を備える。ゲート線G
1-G
2nは略行方向に延び、互いに略平行であり、データ線D
1-D
mとダミー線L1、L2は略列方向に延び、互いに略平行である。共通電圧線C
1-C
nは複数のゲート線G
1-G
2nに沿って延び、共通電圧線接続部Cvは複数の共通電圧線C
1-C
nを互いに接続し、データ線D
1-D
mに沿って延びている。
【0025】
ダミー線L1は液晶表示板組立体300の最左側周縁の近くに、且つ、ダミー線L2は液晶表示板組立体300の最右側周縁の近くに略列方向に延び、データ線D
1-D
mと略平行である。なお、本実施形態において、左右方向とはゲート線G
1-G
2nが延びる方向であり、左側とはゲート線G
1-G
2nの始点側の方向であり、右側とはゲート線G
1-G
2nの終端側の方向である。例えば、
図2において、ダミー線L1が配置されている側が左側であり、ダミー線L2が配置されている側が右側である。また、本実施形態において、上下方向とはデータ線D
1-D
mが延びる方向であり、上側とはデータ線D
1-D
mの始点側の方向であり、下側とはデータ線D
1-D
mの終端側の方向である。例えば、
図2において、一行目の画素が配置されている側が上側であり、最終行の画素が配置されている側が下側である。
【0026】
図2に示すように、一対のゲート線G
1及びG
2、一対のG
3及びG
4等の一対のゲート線は、ある行の画素電極191の上下に配置されている。また、データ線D
1-D
mは、二つの列の画素電極191の間に一つずつ配置されている。すなわち、一対の画素列の間に一本のデータ線D
1-D
mが配置されている。これらのゲート線G
1-G
2n及びデータ線D
1-D
mと画素電極191との間の接続についてより詳細に説明する。
【0027】
画素電極191の上側及び下側に接続された複数対のゲート線G
1-G
2nは、各画素電極191の上側または下側に配置されたスイッチング素子を介して当該画素電極191に接続される。
【0028】
すなわち、奇数番目の画素行において、データ線D
1-D
mを中心として左側に配設されたスイッチング素子Qは上側に配設されたゲート線G
1、G
5、G
9・・・G
4n-3(nは1以上の整数)に接続され、データ線D
1-D
mを中心として右側に配設されたスイッチング素子は下側に配設されたゲート線G
2、G
6、G
10・・・G
4n-2(nは1以上の整数)に接続されている。これに対し、偶数番目の画素行における上側ゲート線G
3、G
7、G
11・・・G
4n-1(nは1以上の整数)及び下側ゲート線G
4、G
8、G
12・・・G
4n(nは1以上の整数)とスイッチング素子Qとの間の接続は、奇数番目の画素行とは反対である。すなわち、データ線D
1-D
mを中心として右側に配設されたスイッチング素子Qは上側に配設されたゲート線G
3、G
7、G
11・・・G
4n-1(nは1以上の整数)に接続され、データ線D
1-D
mを中心として左側に配設されたスイッチング素子Qは下側に配設されたゲート線G
4、G
8、G
12に接続されている。
【0029】
奇数番目の行の画素電極191のうちデータ線D
1-D
mを中心として左側に配設された画素電極191は、スイッチング素子Qを介して直ぐ隣りのデータ線D
1-D
mに接続される。一方、奇数番目の行の画素電極191のうちデータ線D
1-D
mを中心として右側に配設された画素電極191、はスイッチング素子Qを介して次の隣りのデータ線に接続されている。例えば、一行目の画素電極191のうちデータ線D
1を中心として左側に配設された画素電極191は、スイッチング素子Qを介して直ぐ隣りのデータ線D
1に接続される。一方、一行目の画素電極191のうちデータ線D
1を中心として右側に配設された画素電極191は、スイッチング素子Qを介してデータ線D
1に対して次の隣りのデータ線D
2に接続される。
【0030】
偶数番目の行の画素電極191のうちデータ線D
1-D
mを中心として左側に配設された画素電極191は、スイッチング素子Qを介して直前のデータ線に接続される。一方、偶数番目の行の画素電極191のうちデータ線D
1-D
mを中心として右側に配設された画素電極191は、スイッチング素子Qを介して直ぐ隣りのデータ線に接続されている。例えば、二行目の画素電極191のうちデータ線D
2を中心として左側に配設された画素電極191は、スイッチング素子Qを介して、データ線D
2に対して直前のデータ線D
1に接続される。一方、二行目の行の画素電極191のうちデータ線D
2を中心として右側に配設された画素電極191は、スイッチング素子を介して直ぐ隣りのデータ線D
2に接続されている。
【0031】
なお、最初の列の偶数番目の行の画素電極191は、最初のデータ線D
1に接続されたダミー線L1に接続される。一方、最後の列の奇数番目の行の画素電極191は最後のデータ線D
mに接続されたダミー線L2に接続されている。例えば、一列目の二行目の画素電極191のうちデータ線D
1を中心として左側に配設された画素電極191は、スイッチング素子Qを介してダミー線L1に接続される。一方、最後の列の一行目の画素電極191のうちデータD
mを中心として右側に配設された画素電極191は、スイッチング素子Qを介してダミー線L2に接続される。
【0032】
上述したように、各画素に形成されたスイッチング素子は、接続されたデータ線D
1-D
mやダミー線L1、L2にさらに簡単に接続可能なように、すなわち、接続長さをできる限り短くする個所に形成される。このため、
図2に示す配置において、スイッチング素子Qの位置は各画素行毎に変わる。
【0033】
すなわち、奇数番目の行に配設された画素対のうちデータ線D
1-D
mの左側に配設された画素には右上段部にスイッチング素子Qが形成され、データ線D
1-D
mの右側に配設された画素には右下段部にスイッチング素子が形成されている。例えば、一行目の画素対のうちデータ線D
1を中心として左側に配設された画素には、データ線D
1に隣接する右上段部にスイッチング素子Qが形成され、データ線D
1を中心として右側に配設された画素には、右下段部にスイッチング素子Qが形成されている。
【0034】
これに対し、偶数番目の行に配設された画素のスイッチング素子Qの形成位置は、隣り合う画素行の形成位置とは全く反対である。すなわち、偶数番目の行に配設された画素対のうちデータ線D
1-D
mの左側に配設された画素には左下段部にスイッチング素子Qが形成され、データ線D
1-D
mの右側に配設された画素には左上段部にスイッチング素子Qが形成されている。例えば、二行目の画素対のうちデータ線D
1の左側に配設された画素には左下段部にスイッチング素子Qが形成され、データ線D
1の右側に配設された画素には左上段部にスイッチング素子Qが形成されている。
【0035】
図2に示す画素電極191とデータ線D
1-D
mとの間の接続をまとめると、各画素行において、隣り合う二本のデータ線の間に配設された二つの画素のスイッチング素子Qは同じデータ線に接続されている。すなわち、奇数番目の画素行において二本のデータ線の間に形成された二つの画素のスイッチング素子Qは右側に配設されたデータ線に接続され、偶数番目の画素行において二本のデータ線の間に形成された二つの画素のスイッチング素子Qは左側に配設されたデータ線に接続されている。例えば、一行目の画素行において二本のデータ線D
1とD
2との間に形成された二つの画素のスイッチング素子Qは、右側に配設されたデータ線D
2に接続される。一方、一行目の画素行において二本のデータ線D
1とD
2との間に形成された二つの画素のスイッチング素子Qは左側に配設されたデータ線D
1に接続されている。
【0036】
図2に示す配置は単なる一例に過ぎず、奇数番目の行及び偶数番目の行の画素電極191と、データ線D
1-D
m及びゲート線G
1-G
2n間の接続は互いに逆の関係にあってもよく、また、他の接続関係を有していてもよい。例えば一例であるが、奇数番目の画素行において二本のデータ線の間に形成された二つの画素のスイッチング素子Qは左側に配設されたデータ線に接続され、偶数番目の画素行において二本のデータ線の間に形成された二つの画素のスイッチング素子Qは右側に配設されたデータ線に接続されていてもよい。
【0037】
このような画素電極191と、データ線D
1-D
m及びゲート線G
1-G
2n間の接続関係によれば、データ線D
1-D
mに印加されるデータ信号はカラム反転(column inversion)をなすが、隣り合う画素行はドット反転(dot inversion)をなす。
【0038】
共通電圧線C
1-C
nは各画素行毎に形成され、共通電圧線接続部Cvにより互いに接続されて、外部から共通電圧が印加される。
【0039】
以下、
図1及び
図2に示す液晶表示装置の構造について
図3から
図5に基づいて詳細に説明する。
【0040】
図3は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、
図4は、
図3の液晶表示装置をIV-IV線に沿った断面図であり、
図5は、
図3の液晶表示装置をV-V線に沿った断面図である。
【0041】
図3から
図5を参照すると、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、下部表示板100及び上部表示板200と、二枚の表示板100、200の間に挟持されている液晶層3と、を備える。
【0042】
まず、下部表示板100について詳細に説明する。
【0043】
透明ガラス製などの第1基板110の上に複数のゲート線(gate line)121a、121b及び複数の共通電圧線(common voltage line)131が形成されている。
【0044】
ゲート線121a、121bは、
図3中の主として横方向に延び、ゲート線121a、121bの一部は平面上に沿って下または上に突き出てゲート電極124a、124bをなす。二本のゲート線121a、121bは互いに隣り合って対をなす。全画素領域の最上の(一番目の)ゲート線121b及び最下の(最終の)ゲート線121aは対をなしていなくてもよい。
【0045】
ゲート線121a、121bは、それぞれ拡張部125a、125bを備える。拡張部125aは、
図3に示すようにゲート線121aから平面上に沿って下に突出している。拡張部125bは、
図3に示すようにゲート線121bから平面上に沿って上に突出している。
【0046】
各共通電圧線131は対をなすゲート線121a、121bの間において、ゲート線121a、121bに沿って延び、画素領域の概ね中央部分に配設される。
【0047】
共通電圧線131は、第1拡張部132a及び第2拡張部132bを備える。第1拡張部132a及び第2拡張部132bは、隣り合う二本のデータ線171の間に配設されて、データ線171に沿って延びる。第1拡張部132aは、
図3に示すように共通電圧線131から平面上に沿って上に延びている。第2拡張部132bは、
図3に示すように共通電圧線131から平面上に沿って下に延びている。
【0048】
ゲート線121a、121b及び共通電圧線131は、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系の金属、銀(Ag)や銀合金など銀系の金属、銅(Cu)や銅合金など銅系の金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などモリブデン系の金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)及びチタン(Ti)などから作製される。しかしながら、ゲート線121a、121b及び共通電圧線131は物理的な性質が異なる二つの膜、すなわち、下部膜(図示せず)及びその上の上部膜(図示せず)を備えていてもよい。上部膜は、ゲート線121a、121b及び共通電圧線131の信号遅延や電圧降下が低減できるように低い比抵抗(resistivity)の金属、例えば、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などアルミニウム系の金属、銀(Ag)や銀合金など銀系の金属、銅(Cu)や銅合金など銅系の金属から作製されてもよい。これとは異なり、下部膜は、他の物質、特に、ITO(indium tin oxide)及びIZO(indium zinc oxide)との接触特性に優れた物質、例えば、クロム、モリブデン(Mo)、モリブデン合金、タンタル(Ta)またはチタン(Ti)などから作製されてもよい。下部膜と上部膜との組み合わせの好適な例としては、クロム/アルミニウム-ネオジム(Nd)合金が挙げられる。
【0049】
ゲート線121a、121b及び共通電圧線131の上には窒化ケイ素(SiN
x)などからなるゲート絶縁膜(gate insulating layer)140が形成されている。
【0050】
ゲート絶縁膜140の上には、水素化非晶質ケイ素(hydrogenated amorphous silicon)(非晶質ケイ素は、a-Siとも略称する。)または多結晶ケイ素などからなる複数の半導体154a、154bが形成されている。
【0051】
半導体154a、154bの上にはシリサイド(silicide)またはn型不純物が高濃度でドーピングされているn+水素化非晶質ケイ素などの物質から作製される複数の島状オーミックコンタクト部材(ohmic contact)163a、163b、165a、165bが形成されている。オーミックコンタクト部材163a/163bとオーミックコンタクト部材165a/165bは対をなして半導体154a/154bの上に配設される。
【0052】
オーミックコンタクト部材163a、163b、165a、165b及びゲート絶縁膜140の上にはそれぞれ複数のデータ線(data line)171及び複数のドレイン電極(drain electrode)175a、175bを備えるデータ導電体が形成されている。
【0053】
データ線171は、他の層または外部駆動回路との接続のための広い端部(図示せず)を備える。データ線171はデータ信号を送信し、
図3において主として縦方向に延びてゲート線121a、121bと交差する。
【0054】
このとき、データ線171は液晶表示装置の最大の透過率を得るために折曲状の第1折曲部を有していてもよく、折曲部は画素領域の中間領域において互いに接続されて、平面視においてV字状を呈していてもよい。画素領域の中間領域には、第1折曲部と所定の角度をなすように折り曲がる第2折曲部174がさらに配設されていてもよい。
【0055】
データ線171は異なる方向に延びる第1部分171a及び第2部分171bを備え、第1部分171a及び第2部分171bは画素領域の中間領域において互いに接続されてV字状を呈する。第1部分171a及び第2部分171bは、共通電圧線131を中心として概ね線対称に配置されている。
【0056】
上述した共通電圧線131は、データ線171の第1部分171a及び第2部分171bが互いに接続される部分と重なり合う個所に形成されている。
【0057】
データ線171の第1部分171a及び第2部分171bが互いに接続される部分は、画素領域のうち液晶表示装置の輝度が最も小さな部分である。したがって、共通電圧線131の形成による液晶表示装置の開口率の低下が抑制できる。
【0058】
データ線171は、ソース電極173a、173bを備える。ドレイン電極175a、175bは、後述する画素電極191との接続のための拡張部を備え、ドレイン電極175a、175bの一方の先端はソース電極173a、173bと対向し、ドレイン電極175a、175bの他方の先端はゲート線121a、121bの拡張部125a、125bと重なり合う。
【0059】
ドレイン電極175a、175bの一方の先端はゲート線121a、121bの拡張部125a、125bと重なり合うが、特に、データ線171から遠い側の周縁部分と重なり合う。こうすれば、データ線用感光膜を露光するためのマスクが正確な位置に整列されずにデータ線パターンが左側または右側に移動することにより、ドレイン電極175a、175bが左側または右側に移動してもドレイン電極175a、175bがゲート電極124a、124b及びゲート線121a、121bの拡張部125a、125bと重なり合う面積は一定に保たれる。したがって、ゲート導電体とデータ導電体との重合による寄生キャパシタの容量は一定に保たれる。つまり、例えば、マスクの位置ずれによりデータ線パターンが左側に移動した場合には、ドレイン電極175bと、ゲート線121bの拡張部125bとの重なり合う面積は小さくなるが、一方でドレイン電極175bと、ゲート電極124bとの重なり合う面積は大きくなる。よって、重なり合う面積が相殺され、マスクの移動による重なり合う面積が概ね一定に保たれる。同様に、マスクの位置ずれによりデータ線パターンが左側に移動した場合には、ドレイン電極175aと、ゲート線121aの拡張部125aとの重なり合う面積は大きくなるが、一方でドレイン電極175aと、ゲート電極124aとの重なり合う面積は小さくなる。よって、重なり合う面積が相殺され、マスクの移動による重なり合う面積が概ね一定に保たれる。
【0060】
ゲート電極124a/124bと、ソース電極173a/173b及びドレイン電極175a/175bは半導体154a/154bと共に薄膜トランジスタ(thin-film-transistor、TFT)をなし、薄膜トランジスタのチャンネル(channel)はソース電極173a/173bとドレイン電極175a/175bとの間の半導体154a/154bに形成される。
【0061】
各ドレイン電極175a、175bの真上には画素電極191が形成されている。画素電極191は面状(planar shape)、すなわち、板状を呈し、一つの画素領域に配置される。
【0062】
データ導電体171、173a、173b、175a、175b、ゲート絶縁膜140、半導体154a、154bの露出された部分及び画素電極191の上には保護膜180が形成されている。しかしながら、本発明の他の実施形態による液晶表示装置においては、画素電極191とデータ線171との間に保護膜180が配置され、画素電極191は保護膜180に形成されたコンタクト孔(図示せず)を介してドレイン電極175a、175bと接続されてもよい。
【0063】
保護膜180には共通電圧線131を露出させるコンタクト孔183が形成されている。
【0064】
保護膜180の上には共通電極270が形成されている。
【0065】
共通電極270は複数の切欠部71を有し、複数の切欠部71により限定される複数の枝電極271を備える。
【0066】
共通電極270は、横接続部272と、第1縦接続部273a及び第2縦接続部273bを備え、横接続部272及び縦接続部273a、273bを介して隣り合う画素に配設される共通電極270が互いに接続されている。
【0067】
共通電極270の横接続部272はゲート線121a、121bの上に配設され、共通電極270の第1縦接続部273aはデータ線171の上に配設され、第2縦接続部273bは隣り合う二つの画素電極191の間に配設される。
【0068】
共通電極270の第2縦接続部273bは保護膜180に形成されているコンタクト孔183を介して共通電圧線131と接続される。
【0069】
共通電極270は、スイッチング素子をなす薄膜トランジスタと重なり合う個所に形成されている開口部274を有する。
【0070】
共通電極270の切欠部71及び枝電極271はデータ線171と並設されている。
【0071】
図示はしないが、共通電極270及び保護膜180の上には配向膜が塗布され、配向膜は水平配向膜であってもよく、所定の方向にラビングされている。しかしながら、本発明の他の一実施形態による液晶表示装置によれば、配向膜は光反応物質を含み、光配向されてもよい。
【0072】
以下、上部表示板200について説明する。
【0073】
第2基板210の上に遮光部材220が形成されている。また、第2基板210の上には複数のカラーフィルタ230が形成されている。カラーフィルタ230は下部表示板100の上に配置されてもよく、この場合、遮光部材220もまた下部表示板100に配置されてもよい。
【0074】
カラーフィルタ230及び遮光部材220の上にはオーバーコート250が形成されている。オーバーコート250は省略してもよい。
【0075】
オーバーコート250の上には配向膜が配置されていてもよい。
【0076】
液晶層3は、正の誘電率異方性または負の誘電率異方性を有する液晶物質を含む。液晶層3の液晶分子はその長軸方向が表示板100、200に平行に配列され、配向膜のラビング方向にプレチルトを有するように配置されていてもよい。
【0077】
本発明の実施形態による液晶表示装置は画素電極191が各画素領域の全般にわたって形成されている面状を呈し、共通電極270が複数の枝電極271を有するが、本発明の他の一実施形態による液晶表示装置によれば、共通電極270が各画素領域の全般にわたって形成されている面状を呈し、画素電極が切欠部により限定される複数の枝電極を有していてもよい。
【0078】
図3及び
図5を参照すると、共通電圧線131と共通電極270との間の接続のためのコンタクト孔183は隣り合う二本のデータ線171の間に配設され、隣り合う二つの画素電極191の間に配設される。
【0079】
これにより、共通電圧線131と共通電極270との間の接続のためのコンタクト孔183による開口率の低下が抑制できる。
【0080】
本発明の実施形態による液晶表示装置によれば、共通電圧線131の第1拡張部132a及び第2拡張部132bは隣り合う二本のデータ線171の間に配設され、隣り合う二つの画素電極191に配設される。このため、隣り合う二つの画素電極191において発生し得る光漏れを防ぐことができ、これにより、隣り合う二つの画素電極191の間に形成されている遮光部材220の幅を狭めることができる。一般に、上部表示板200に形成される遮光部材220と下部表示板100に形成される画素電極191との誤整列による光漏れを防ぐために、遮光部材220の幅を誤整列誤差に見合う分だけ広く形成する。しかしながら、本発明の実施形態による液晶表示装置によれば、下部表示板100の上に共通電圧線131の拡張部132a、132bを形成するが、隣り合う二本のデータ線171の間に形成されている二つの画素電極191の間に配設されるように形成して、隣り合う画素電極191の間において発生し得る光漏れを防ぐことにより、上部表示板200に形成される遮光部材220の幅を狭めても、隣り合う二つの画素電極191の間の光漏れを防ぐことができる。これにより、液晶表示装置の開口率が高くなる。
【0081】
したがって、液晶表示装置の共通電極270に印加される共通電圧の信号遅延を防ぎながらも、液晶表示装置の開口率の低下を防ぐことができる。
【0082】
共通電圧線131及び共通電極270には同じ大きさの共通電圧が印加される。
【0083】
このため、隣り合う二本のデータ線171の間に配設される隣り合う二つの画素電極191の周縁と画素電極191の下に配設される共通電圧線131との間に形成される第1フリンジフィールドと、隣り合う二本のデータ線171の間に配設される隣り合う二つの画素電極191の周縁と画素電極191の上に配設される共通電極270との間に形成される第2フリンジフィールドは、互いに大きさが同じであり、且つ、方向は反対である。したがって、第1フリンジフィールド及び第2フリンジフィールドは互いに打ち消される。
【0084】
隣り合う二つの画素電極191の間に配設される液晶分子にフリンジフィールドが加えられると、隣り合う二つの画素が表示する色の間に混色が発生することがある。このため、通常の液晶表示装置の場合、混色を防ぐために隣り合う二つの画素電極191の間の間隔を広く形成する。
【0085】
しかしながら、本発明の実施形態による液晶表示装置によれば、隣り合う二つの画素電極191の周縁の間に共通電圧線131の拡張部132a、132bを形成して、画素電極191と共通電圧線131との間のフリンジフィールドと、画素電極191と共通電極270との間のフリンジフィールドを互いに打ち消すことにより、隣り合う二つの画素電極191の間の間隔を狭めても隣り合う二つの画素が表示する色間の混色を防ぐことができる。このように、隣り合う二つの画素電極191の間の間隔を狭めることができて、液晶表示装置の開口率が高くなる。
【0086】
以下、
図6及び
図7に基づき、本発明の他の一実施形態による液晶表示装置について説明する。
図6は、本発明の他の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、
図7は、
図6の液晶表示装置をVII-VII線に沿った断面図である。
【0087】
図6及び
図7を参照すると、本発明の実施形態による液晶表示装置は、
図3から
図5に基づいて説明した実施形態による液晶表示装置とほとんど同様である。なお、同じ構成要素についての具体的な説明は省略する。
【0088】
しかしながら、本発明の実施形態による液晶表示装置は、
図3から
図5に基づいて説明した実施形態による液晶表示装置とは異なり、共通電圧線131は、コンタクト孔183が形成される個所に形成されている第1コンタクト部133を備える。
【0089】
第1コンタクト部133は液晶表示装置の隣り合う二つの画素電極191の間に形成されているため、液晶表示装置の開口率の低下なしに共通電圧線131と共通電極270を互いに接続することができる。
【0090】
第1コンタクト部133の面積はコンタクト孔183の面積よりも広いため、コンタクト孔183が形成されるときに誤整列が発生しても、コンタクト孔183は第1コンタクト部133の上に形成可能である。したがって、コンタクト孔183を形成するときに誤整列が発生しても、コンタクト孔183を介して共通電圧線131と共通電極270が安定して接続される。
【0091】
図3から
図5に基づいて上述した実施形態による液晶表示装置のあらゆる特徴は本発明の実施形態による液晶表示装置にいずれも適用可能である。
【0092】
以下、
図8及び
図9に基づき、本発明の他の一実施形態による液晶表示装置について説明する。
図8は、本発明の他の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、
図9は、
図8の液晶表示装置をIX-IX線に沿った断面図である。
【0093】
図8及び
図9を参照すると、本発明の実施形態による液晶表示装置は、
図3から
図5に基づいて説明した実施形態による液晶表示装置とほとんど同様である。なお、同じ構成要素についての具体的な説明は省略する。
【0094】
しかしながら、本発明の実施形態による液晶表示装置は、
図3から
図5に基づいて説明した実施形態による液晶表示装置とは異なり、共通電圧線131は、第1拡張部132a及び第2拡張部132bよりも広い第3拡張部134a及び第4拡張部134bを備える。
【0095】
このように、共通電圧線131は、広い第3拡張部134a及び第4拡張部134bを備えることにより、隣り合う二つの画素電極191において発生し得る光漏れを十分に防ぐことができる。
図9を参照すると、本発明の実施形態による液晶表示装置によれば、上部表示板200に遮光部材220を形成しなくて、隣り合う画素電極191の間において発生し得る光漏れを防ぐことができる。したがって、隣り合う画素電極191の間に遮光部材220を形成しないことにより、液晶表示装置の開口率が高くなる。
【0096】
本発明の実施形態による液晶表示装置によれば、隣り合う二つの画素電極の周縁の間に共通電圧線の拡張部を形成して、画素電極と共通電圧線との間のフリンジフィールドと、画素電極と共通電極との間のフリンジフィールドを互いに打ち消すことにより、隣り合う二つの画素電極の間の間隔を狭めても隣り合う二つの画素が表示する色間の混色を防ぐことができる。このように、隣り合う二つの画素電極の間の間隔を狭めることができて、液晶表示装置の開口率が高くなる。
【0097】
図3から
図5に基づいて上述した実施形態による液晶表示装置のあらゆる特徴は本発明の実施形態による液晶表示装置にいずれも適用可能である。
【0098】
以下、
図10及び
図11に基づき、本発明の他の一実施形態による液晶表示装置について説明する。
図10は、本発明の他の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、
図11は、
図10の液晶表示装置をXI-XI線に沿った断面図である。
【0099】
図10及び
図11を参照すると、本発明の実施形態による液晶表示装置は、
図3から
図5に基づいて説明した実施形態による液晶表示装置とほとんど同様である。なお、同じ構成要素についての具体的な説明は省略する。
【0100】
しかしながら、本発明の実施形態による液晶表示装置は、
図3から
図5に基づいて説明した実施形態による液晶表示装置とは異なり、共通電圧線131は、コンタクト孔183が形成される個所に形成されている第2コンタクト部135を備える。
【0101】
第2コンタクト部135は、液晶表示装置の隣り合う二つの画素電極191の間に形成されているため、液晶表示装置の開口率の低下なしに共通電圧線131と共通電極270を互いに接続することができる。
【0102】
第2コンタクト部135の面積はコンタクト孔183の面積よりも狭い。コンタクト孔183よりも第2コンタクト部135の面積を狭く形成することにより、コンタクト孔183による開口率の低下を防ぐことができる。
【0103】
図3から
図5に基づいて上述した実施形態による液晶表示装置のあらゆる特徴は本発明の実施形態による液晶表示装置にいずれも適用可能である。
【0104】
以上、本発明の好適な実施形態について詳述したが、本発明の権利範囲はこれに何ら限定されるものではなく、次の特許請求の範囲において定義している本発明の基本概念を用いた当業者の種々の変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属するものである。