(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(B)の前記熱吸収および/または熱的絶縁組成物が、前記少なくとも1つの基板の前記内表面の少なくとも一部に配置され、前記基板の相補的な外表面が、使用時にエンドユーザと接触する、請求項1に記載の製品。
(B)の前記熱吸収および/または熱的絶縁組成物中の熱吸収および/または熱的絶縁要素が、中空球状容器内の気体および/または前記中実球状粒子の孔もしくは隙間内の気体を含む、請求項1に記載の製品。
【背景技術】
【0002】
超小型電子回路のサイズが縮小し続け、また回路の容量が機能性の点で増大し続けるにつれて、使用時に回路が発生する熱が、製造業者およびエンドユーザにとってますます問題となっている。別の言い方をすれば、発生した熱のレベルは半導体パッケージの性能に関係しており、より高い性能のデバイスはより高いレベルの熱を発生する。たとえば、例として中央処理装置、グラフィック処理装置、チップセット、電池、および電圧調整器で見られるような、民生用電子デバイス内の回路基板上で組み立てられた半導体パッケージはすべて、動作の通常の副産物として熱を発生する。パッケージの寿命を増大し、設計制限を最小限にし、パッケージの性能を増大し、結果として民生用電子デバイスの寿命および性能を増大するためには、半導体パッケージが発生する熱を管理する必要がある。
【0003】
温度管理材料は、回路により発生した熱を放散させることでよく知られており、電子デバイス内の対策に従った位置に配置されたファンも、熱を回路またはサーマルモジュールから奪う。半導体パッケージとヒートシンクまたはサーマルモジュールとの間にしばしば配置される熱伝導材料(TIM)を用いて、余分な熱が、半導体パッケージからヒートシンクまたはサーマルモジュールにそらされる。
【0004】
しかしながら、発生した熱を管理するこれらの対策は、熱風が半導体パッケージのすぐ周囲の環境からデバイスのハウジングの内部へ向けられるため、新たな問題を生じさせている。
【0005】
より具体的には、従来のラップトップまたはノートブックコンピュータ(
図2)において、キーボード下方に部品があるハウジングが存在する(
図3)。それらの部品には、ヒートシンク、ヒートパイプ(CPUチップの上に配置される)、ファン、PCMIAカード用スロット、ハードドライブ、電池、およびDVDドライブ用ベイが含まれる。ハードドライブは左パームレストの下に、電池は右パームレストの下に配置される。しばしば、ハードドライブが高い温度で動作する結果、この熱を放散させるための冷却部品が使用されているにもかかわらず、心地良くないパームレストの接触温度がもたらされる。これにより、エンドユーザの消費者は、デバイスを使用しているときに、デバイスの外側の特定の部分で達する高温のせいで不快になることがある。
【0006】
パームレストの位置でエンドユーザが感じる高い使用温度を低下させる1つの解決策は、たとえば、対策に従った位置に配置される天然グラファイトヒートスプレッダを使用することである。このようなヒートスプレッダは、熱を均一に分散して、材料の厚さを通じて熱的絶縁をもたらすことが報告されている。そのような1つのグラファイト材料は、eGraf(登録商標)SpreaderShield(商標)として、オハイオ州クリーブランドのGrafTech Inc.から市販されている(M.Smalcら「Thermal Performance Of Natural Graphite Heat Spreaders」、Proc. IPACK2005、Interpack 2005−73073(2005年7月)を参照。米国特許第6,482,520号も参照)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上述のように、本明細書では、熱吸収および/または熱的絶縁組成物が提供される。この組成物は、基板上にまたは2つの基板間に分散され得る。基板は、支持体またはヒートスプレッダの役割を果たすことができ、その場合、支持体は、金属もしくは金属被覆ポリマー基板またはグラファイトである導体材料で構成することができる。
【0016】
組成物は、民生用電子製品のアセンブリにおいて使用することができる。この製品(または「デバイス」)は、ノートブックパーソナルコンピュータ、タブレットパーソナルコンピュータ、または携帯デバイス、たとえば、音楽プレーヤ、ビデオプレーヤ、静止画像プレーヤ、ゲームプレーヤ、他のメディアプレーヤ、音楽レコーダ、ビデオレコーダ、カメラ、他のメディアレコーダ、ラジオ、医療機器、屋内電気器具、輸送車両用計器、楽器、計算器、携帯電話、他のワイヤレス通信デバイス、携帯情報端末、遠隔制御装置、ポケットベル、モニタ、テレビ、ステレオ機器、セットアップボックス、セットトップボックス、携帯用ステレオ、モデム、ルータ、キーボード、マウス、スピーカー、プリンタ、およびそれらの組合せから選択することができる。
【0017】
デバイスは、
内表面および外表面を有する少なくとも1つの基板を備えるハウジングと、
基板上に配置されたマトリックス内に分散された熱吸収および/または熱的絶縁要素を含む組成物であって、基板が、上述のように、支持体の役割を果たし、または発生した熱が拡散するのに役立つ熱伝導性を提供することができ、組成物の層が、少なくとも1つの基板の内表面の少なくとも一部に配置された、組成物と、
半導体パッケージであって、
I.
半導体チップ、
ヒートスプレッダ、および
それらの間の熱伝導材料、または
II.
ヒートスプレッダ、
ヒートシンク、および
それらの間の熱伝導材料
のうちの少なくとも一方を備えるアセンブリを備える少なくとも1つの半導体パッケージと、
を含む。
【0018】
熱の伝達を妨げる組成物が提供される。これらの組成物は、
a)たとえば10容量%から80容量%の量のマトリックス、
b) たとえば20容量%から90容量%の量の、熱吸収および/または熱的絶縁要素、
を含む。マトリックスは、熱可塑性エマルションまたはアクリルエマルションを含むことができる。
【0019】
また、デバイスは、半導体アセンブリから発生した熱をデバイスから消散させるための通気要素を含むことができる。
【0020】
もちろん、民生用電子デバイスには、半導体パッケージに電圧を印加する電源が設けられる。
【0021】
半導体パッケージは、半導体チップを基板に確実に取り付けるために半導体チップと回路基板との間に配置されるダイ接着材料を用いて形成することができる。ワイヤボンディングは、チップと基板との間の電気相互接続を形成する。このダイ接着材料は、多くの場合、熱硬化性樹脂マトリックスを有する高充填材料である。マトリックスは、エポキシ、マレイミド、イタコンイミド、ナジイミド、および/または(メタ)アクリレートで構成され得る。充填剤は、導電性でも非導電性でもよい。いくつかの例では、ダイ接着材料は熱伝導性であり、その場合、熱を半導体パッケージから放散させる助けもする。そのようなダイ接着材料の代表的な市販の例には、Henkel CorporationのQMI519HTが含まれる。
【0022】
あるいは、半導体パッケージは、半導体チップで形成されてもよく、半導体チップは、回路基板との間のスペース内のはんだ相互接続部により回路基板と電気的に接続される。そのスペース内に、アンダーフィルシーラントが配置されてよい。アンダーフィルシーラントも熱硬化性マトリックス樹脂を有し、その樹脂は、ダイ接着材料と同様に、エポキシ、マレイミド、イタコンイミド、ナジイミド、および/または(メタ)アクリレートから構成され得る。アンダーフィルシーラントも通常は充填される。しかしながら、充填剤は、一般に非導電性であり、半導体ダイと回路基板との熱膨張係数の差を吸収する目的で使用される。そのようなアンダーフィルシーラントの代表的な市販の例には、Henkel CorporationのHYSOL FP4549HTが含まれる。
【0023】
半導体パッケージが回路基板上に配置され、多くの場合、表面実装接着剤、チップボンダ、またはチップスケールパッケージアンダーフィルシーラントによって、回路基板上に取り付けられると、パッケージは、特に環境汚染物からパッケージを保護するために、モールドコンパウンドでオーバーモールドされてもよい。モールドコンパウンドは、多くの場合、エポキシまたはベンゾオキサジン系である。GR750は、半導体デバイスにおける熱管理を改善するように設計された、Henkel Corporationから市販されているエポキシモールドコンパウンドの例である。
【0024】
はんだペーストは、回路基板上の様々な部分で、電気的に相互接続させる方法で半導体パッケージとアセンブリを付着させるために使用される。1つのそのようなはんだペーストは、Henkel CorporationからMULTICORE Bi58LM100という商標名で市販されている。この無鉛はんだペーストは、熱管理が望ましい用途のために設計されている。
【0025】
半導体チップおよび半導体パッケージにより発生した熱を効果的に管理するために、熱伝導材料を、放熱が要求される任意の発熱部品、特に半導体デバイス内の発熱部品に使用することができる。そのようなデバイスでは、熱伝導材料は、発熱部品とヒートシンクとの間に層を形成し、ヒートシンクに放散すべき熱を伝える。熱伝導材料は、ヒートスプレッダを含むデバイス内で使用されてもよい。そのようなデバイスでは、熱伝導材料の1つの層が発熱部品とヒートスプレッダとの間に配置され、熱伝導材料の第2の層がヒートスプレッダとヒートシンクとの間に配置される。
【0026】
熱伝導材料は、たとえば、POWERSTRATE EXTREME、PowerstrateXtreme、またはPSXという商標名でHenkel Corporationから市販されているような、相変化材料であってよい。2つの剥離ライナーの間の自立フィルムとしてパッケージされ、様々な用途に合うように機能するダイカットとして供給されるこの熱伝導材料は、たとえばヒートシンクと様々な放熱部品との間で使用するのに適した、再加工可能な相変化材料である。この材料は、相変化温度で流れ出して部品の表面形状に適合する。熱伝導材料は、相変化材料の形態のとき、約51℃から約60℃の融点を有する。
【0027】
流れ出すと、界面から空気が放出され、熱インピーダンスが減少し、高効率の熱伝達材料として機能する。
【0028】
熱伝導材料は、(a)60重量%から90重量%のパラフィン、(b)0重量%から5重量%の樹脂、および(c)10重量%から40重量%の導電性充填剤などの金属粒子から構成され得る。導電性充填剤は通常、グラファイト、ダイヤモンド、銀、および銅から選択されたものである。あるいは、導電性充填剤は、球状アルミナなどのアルミニウムでもよい。
【0029】
熱伝導材料に使用するのに適した金属粒子は、可融性の金属粒子であってもよく、典型的には、はんだとして使用される低融点の金属または金属合金であってもよい。そのような金属の例には、ビスマス、スズ、およびインジウムが含まれ、また、銀、亜鉛、銅、アンチモン、および銀被覆窒化ホウ素も含まれ得る。一実施形態では、金属粒子は、スズ、ビスマス、または両方から選択される。別の実施形態では、インジウムも存在する。上記金属の合金も使用され得る。
【0030】
スズ対ビスマスの重量比Sn48Bi52のスズ粉とビスマス粉との共晶合金(融点138℃)が、特にインジウム粉との組合せ(融点158℃)で使用されてもよく、その場合、インジウムは、Sn:Biの合金において重量比1:1で存在する。
【0031】
金属粒子および/または合金は、熱伝導材料の50から95重量パーセントの範囲の組成で存在することができる。
【0032】
熱伝導材料は、たとえば、TG100、COT20232−36I1、またはCOT20232−36E1という商品名でHenkel Corporationから市販されているような、熱グリースであってもよい。TG100は、高温熱伝達用に設計された熱グリースである。使用時、TG100は、発熱デバイスと、発熱デバイスが装着される表面または他の放熱面との間に配置される。この製品は、優れた熱抵抗を示し、高い熱伝導性を提供するとともに、広い動作温度範囲にわたって実質的に蒸発しない。さらに、COT20232−36E1およびCOT20232−36I1は、この場合、高出力のフリップチップ用途に設計された、TIM1タイプの材料である。これらの製品は、軟質ゲルポリマーまたは硬化性のマトリックスを含み、軟質ゲルポリマーまたは硬化性のマトリックスは、硬化後に、低融点合金との相互浸透網をそれらの内部に形成する。低融点合金は、可融金属はんだ粒子であってもよく、特に、実質的に鉛の添加がなく、エレメンタルはんだ粉末と任意選択ではんだ合金とを含むものであってもよい。
【0033】
使用時の熱伝導材料は、熱インピーダンスが0.2(℃cm
2/ワット)未満であってよい。
【0034】
ハウジングは、少なくとも2つの基板を備え、複数の基板を備えてもよい。基板は、互いに係合するように寸法付けられ配置される。
【0035】
熱吸収および/または熱的絶縁組成物は、空気などの気体を中に有する中空球状容器を伴うシェルによってカプセル化されている相変化材料(「PCM」)から選択され得るマトリックスを有する。
【0036】
PCMは、有機または無機材料で構成され得る。たとえば、PCMで有用な有機材料には、パラフィン、脂肪酸類、エステル類、アルコール類、グリコール類、または有機共晶が含まれる。また、ペトロラタム、蜜蝋、バーム蝋、鉱蝋、グリセリン、および/またはいくつかの特定の植物油も使用され得る。PCMで有用な無機材料には、塩水和物類および低融点金属共晶が含まれる。特定の用途のためのPCMを選択するために、加熱または冷却デバイスの動作温度はPCMの転移温度に適合されるべきである。
【0037】
パラフィンは、標準的商用グレードであってよく、融点が約40℃未満のパラフィンを含むべきである。パラフィン蝋の使用は、約37℃未満の温度でマトリックスをその固体状態から液体状態に転移することを可能にする。パラフィンの他に、上述のように、ペトロラタム、蜜蝋、バーム蝋、鉱蝋、グリセリン、および/またはいくつかの特定の植物油が、PCMを形成するために使用され得る。たとえば、パラフィン成分とペトロラタム成分は、それら成分の比(すなわち、パラフィン対ペトロラタム)が、およそ1.0:0重量%から3.0:1重量%の間になるように混合される。これに関連して、たとえばパラフィン成分に対してペトロラタム成分が増大するに従って、PCMは柔らかさが増大する。
【0038】
任意選択で、PCMに樹脂が使用されてもよい。そのような場合、約5重量%までの樹脂が使用されてよく、望ましくは、約2から4重量%の樹脂が使用される。樹脂は、たとえば、デラウェア州ウィルミントンのE.I. DUPONT DE NEMORES & COMPANYから市販されているELVAXブランドの合成樹脂性プラスチック材料、またはJSR Corp.から市販されているエチレン−ブチレン共重合体のような、熱可塑性物質とすることができる。選択された樹脂は、適切な融点を有しており、さらにパラフィンと混合されてよく、それにより、所与の用途に有利になり得るように、望ましい硬さまたは柔らかさを有するマトリックスを形成することができる。
【0039】
樹脂の有無にかかわらず、PCMは、固体または非流動性から液体または流動性への相変化が所与の温度範囲内で発生するようにされるべきである。
【0040】
PCMで使用される構成成分の融点は、ほとんどの民生用電子デバイスが動作する温度より下に選択されることが有効である。この関連で、パラフィン成分が使用されるPCMは、民生用電子デバイスの動作中、デバイスがそのような上昇した温度で動作するような時間中のみ、液体状態を想定する。結果として、吸熱および放熱はそれぞれ、本発明が配置される民生用電子デバイスの動作温度範囲にわたって、液体状態と固体状態との間で調節される。
【0041】
PCMマトリックスが固体から液体状態へのその相転移を経るとき、マトリックスは、マトリックスが液体状態に変換されるまで熱を吸収し、この場合、民生用電子デバイスの動作温度において通常はゲル状状態である。
【0042】
PCMマトリックスが液体から固体状態へ変化するとき、液体状態は、マトリックスが固体状態に変換されるまで、吸収された熱を放出する。
【0043】
PCMマトリックスの融点は、民生用電子デバイスの望ましい動作温度範囲内にあるべきである。
【0044】
また、PCMマトリックスは、高い拡散潜熱を有するべきである。
【0045】
PCMマトリックスは、複数の凝固−溶融サイクル後に劣化すべきでない。
【0046】
熱吸収および/または熱的絶縁組成物は、ハウジングを構成する少なくとも1つの基板の内表面の少なくとも一部に配置され、基板の相補的外表面は、使用時にエンドユーザと接触する。したがって、
図2を参照すると、パームレストが、ラップトップまたはノートブックパーソナルコンピュータ上のこの位置の良い例であろう。
【0047】
そのような中空球状容器の代表的な市販品の例には、Henkel CorporationによるDUALITEという商標名またはAkzo NobelによるEXPANCELという商標名で販売されているもの、たとえば、DUALITE Eなどが含まれる。DUALITE Eは、最終製品の熱伝導性を低下させると宣伝されており、それはコスト削減または軽量化部品として使用される。DUALITE Eの使用は、安定した中空のクローズドセルの空隙を、最終製品に導入すると報告されている。
【0048】
さらに、中に気体が配置される孔または隙間を有する固体材料が、中空球状容器の代替としてまたはそれと組み合わせて使用されてよい。この関連で、熱的絶縁要素は、実質的に中実の球状の粒子の隙間内に配置される気体を含むことができる。そのような熱的絶縁要素の代表的な市販品の例には、Degussa CorporationによるAEROGEL NANOGELという商標名で販売されているものが含まれる。それらは、製造業者によれば、最大5%の固体および95%の空気から構成された、非常に小さい細孔を有するガラスストランドの格子網で構成された、軽量の絶縁シリカ材料として説明される。この構造は、優れた絶縁性、光透過性、および撥水特性をもたらすと報告されている。このシリカ材料は、平均細孔径が20ナノメートルのナノ多孔性シリカである。小さな細孔径および構造により、空気流を捕捉して、熱損失および太陽熱取得を妨げる。
【0049】
熱吸収および/または熱的絶縁要素は、所望の表面に塗布する前に、熱吸収および/または熱的絶縁組成物を形成するように、マトリックスにおいて25容量%から99容量%の濃度でマトリックスに配置される。
【0050】
熱吸収および/または熱的絶縁組成物は、基板の表面の少なくとも一部に層または被膜として配置される。そのように形成された被膜は、使用時に半導体パッケージから発生した熱の基板を介した伝熱に対する障壁の形成するのを助けるのに十分な厚さであるが、民生用電子デバイスのアセンブリおよび/または動作を妨害するほど厚くはない。
【0051】
さらに、本明細書では、熱吸収および/または熱的絶縁要素がその中に分散された(熱可塑性エマルションまたはアクリルエマルションなどの)マトリックスを含む組成物が提供される。一実施形態では、金属基板またはグラファイト基板が、組成物の配置のための支持体として使用され得る。
【0052】
図1を参照すると、回路基板の破断図が示されている。回路基板上には、パッケージ自体のアセンブリおよびパッケージの基板上へのアセンブリに通常使用される電子材料と共に、複数の半導体パッケージおよび回路が配置され、また、回路基板が使用される電子デバイスのハウジングの一部が配置される。
図1において、1は、表面実装接着剤(LOCTITE 3609および3619など)を示し、2は、本明細書により詳細に説明される熱伝導材料を示し、3は、低圧モールディング材料(MM6208など)を示し、4は、フリップチップオンボードアンダーフィル(HYSOL FP4531など)を示し、5は、液体封止剤グロブトップ(HYSOL E01016およびE01072など)を示し、6は、シリコーン封止剤(LOCTITE 5210など)を示し、7は、ガスケットコンパウンド(LOCTITE 5089など)を示し、8は、チップスケールパッケージ/ボールグリッドアレイアンダーフィル(HYSOL UF3808およびE1216など)を示し、9は、フリップチップエアーパッケージアンダーフィル(HYSOL FP4549 HTなど)を示し、10は、コーティングパウダ(HYSOL DK7−0953Mなど)を示し、11は、機械的モールディングコンパウンド(HYSOL LL−1000−3NPおよびGR2310など)を示し、12は、ポッティングコンパウンド(E&C 2850FTなど)を示し、13は、オプトエレクトロニック(Ablestik AA50Tなど)を示し、14は、ダイ接着剤(Ablestick 0084−1LM1SR4、8290およびHYSOL OMI529HTなど)を示し、15は、コンフォーマルコーティング(LOCTITE 5293およびPC40−UMFなど)を示し、16は、フォトニック部品およびアセンブリ材料(STYLAST 2017M4およびHYSOL OTO149−3など)を示し、17は、半導体モールドコンパウンドを示し、18は、はんだ(Multicore BI58LM100AAS90Vおよび97SCLF318AGS88.5など)を示す。これらの製品のそれぞれは、カリフォリニア州アーバインのHenkel Corporationから市販されている。
【0053】
図1の回路基板Aは、電子デバイスのハウジング(図示せず)の内部に配置される。電子デバイスのハウジングを構成する基板の、内側を向く表面の少なくとも一部は、熱的絶縁要素の層(図示せず)で被覆される。
【0054】
図4に示すように、電子デバイス100は、ハウジング101、プロセッサ102、メモリ104、電源106、通信回路108−1、バス109、入力部品110、出力部品112、および冷却部品118を含むことができる。バス109は、たとえば、プロセッサ102、メモリ104、電源106、通信回路108−1、入力部品110、出力部品112、および冷却部品118を含む、電子デバイス100の様々な部品へ、それらの部品から、またはそれらの部品間で、データおよび/または電力を伝送する経路を提供する1つまたは複数の有線または無線接続を含むことができる。
【0055】
メモリ104は、1つまたは複数の記憶媒体を含むことができ、記憶媒体は、限定されるものではないが、ハードドライブ、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)などの永久メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの半永久メモリ、他の任意の適切な種類の記憶部品、およびそれらの任意の組合せを含む。メモリ104は、電子デバイス用途に一時的にデータを記憶するのに使用される1つまたは複数の異なる種類のメモリであってよいキャッシュメモリを含むことができる。
【0056】
電源106は、1つまたは複数の電池によって、または太陽電池を使用する太陽光発電などの自然源から、電子デバイス100の電子部品に電力を供給することができる。
【0057】
1つまたは複数の入力部品110は、電子デバイスパッド、ダイヤル、クリックホイール、スクロールホイール、タッチスクリーン、1つまたは複数のボタン(たとえばキーボード)、マウス、ジョイスティック、トラックボール、マイクロフォン、カメラ、ビデオレコーダ、およびそれらの任意の組合せなどによって、ユーザがデバイス100と相互作用またはインターフェースできるように設けられてよい。
【0058】
1つまたは複数の出力部品112は、音響スピーカ、ヘッドフォン、信号ラインアウト、視覚表示装置、アンテナ、赤外線ポート、ランブラ、バイブレータ、およびそれらの任意の組合せなどによって、情報(たとえば、テキスト、グラフィック、可聴、および/または触覚情報)をデバイス100のユーザに提示するように設けられてよい。
【0059】
1つまたは複数の冷却部品118は、電子デバイス100の様々な電子部品によって発生した熱を放散するのを助けるように設けることができる。このような冷却部品118は、電子デバイス100のハウジング101内のファン、ヒートシンク、ヒートスプレッダ、ヒートパイプ、通気孔または開口、およびそれらの任意の組合せなど、様々な形態をとることができる。
【0060】
デバイス100のプロセッサ102は、デバイス100によって提供される多くの機能および他の回路の動作を制御することができる。たとえば、プロセッサ102は、入力部品110から入力信号を受け取り、かつ/または出力部品112を介して出力信号を駆動することができる。
【0061】
ハウジング101は、電子デバイス100を動作させる様々な電子部品の1つまたは複数に対する少なくとも部分的な筐体を提供する。ハウジング100は、デバイス100の外部の異物および他の劣化源から電子部品を保護する。ハウジング101は、デバイス100の様々な電子部品を配置できるキャビティ103を画定する1つまたは複数の壁120を含んでもよい。また、ハウジング開口151は、デバイス100の内部温度を管理するのを助けるために、ある流体(たとえば空気)を電子デバイス100のキャビティ103に引き込むこと、およびキャビティ103から排出することを可能にすることもできる。ハウジング101は、金属(たとえば、鋼、銅、チタン、アルミニウム、および様々な金属合金)、セラミック、プラスチック、およびそれらの任意の組合せなど、様々な材料から構成することができる。
【0062】
ハウジング101は、単一の筐体として提供されるのではなく、2つ以上のハウジング部品として提供されてもよい。プロセッサ102、メモリ104、電源106、通信回路108−1、入力部品110、および冷却部品118は、たとえば、第1のハウジング部品101a内に少なくとも部分的に含められてよく、一方、出力部品112は、第2のハウジング部品101b内に少なくとも部分的に含められてよい。
【実施例】
【0063】
以下の表1に挙げる構成成分が、容器内に配置され拡販されて混合物を形成した。
【0064】
【表1】
【0065】
各混合物を60分間撹拌して、AEROGEL(商標)またはDUALITE(商標)の粒子を分散させ、サンプル1〜6を形成した。
【0066】
各サンプルの0.03mm厚の被膜をテストダイ上に配置し、50℃の温度にさらし、6〜8℃の温度降下を得た。また、DUALITE(商標)の粒子無しであること以外は同様の方法で組成物を調製し、同様にテストダイ上に配置し、2〜3℃の温度降下を得た。
【0067】
以下の表2では、サンプル1〜7が、
図2Bに示された16箇所の位置に配置され、最も左の列に列挙されている以下の測定された特性が記録された。表面温度として示される値は、16箇所で個別に取得された測定値の平均である。サンプル1〜7の値が示されている。
【0068】
1つの対照処方では、熱的絶縁要素無しに相変化マトリックス(エイコサン)を使用した(対照サンプル2)。別の対照は、熱的絶縁無しにノートブックパーソナルコンピュータそれ自体であった(対照サンプル1)。そして、第3の対照は、グラファイトの0.2mmの層であった(対照サンプル3)。
【0069】
【表2】
【0070】
3つの対照サンプルの値は以下のとおりである。
【0071】
【表3】
【0072】
表面温度の著しい低下がサンプル1〜7について観察された。熱吸収と熱拡散の両方の特徴を組み合わせることにより、さらにより著しい低下が観察された。これらの低下は、
図6および
図7により明確に見ることができる。
【0073】
図6〜
図7を参照すると、ノートブックパーソナルコンピュータの内側に面するハウジング要素の部分に適用された本発明の組成物の特性が、その組成物を有さず、熱的絶縁要素のみがない相変化マトリックス、およびグラファイトシートで構成された競合市販製品を有する同じアセンブリの特性と比較されている。ユーザによっては、本発明の組成物が、グラファイトシートと一緒に使用される。
【0074】
たとえば、
図6は、本発明の組成物が、16箇所で別個に算出されたそれぞれについて、2つの対照よりも低い数字に表面温度を低下させたことを示す。そして、
図7も同様の結果を示す。ただし、
図7は、本発明の組成物による改善された結果をより詳細に示しており、本発明の組成物が分散される基板としてグラファイトと結合されたときに結果はさらに改善される。
【0075】
[実施例1]
以下の成分を容器内に配置し撹拌した:アクリルエマルション(HYCAR 26138)30%、界面活性剤(PLURONIC P84)3%、消泡剤(BYK019)1%、DUALITE(E135−040D)10%、および水56%。
【0076】
混合物を60分間撹拌して、DUALITEポリマー粒子を分散させた。次いで、混合物を基板上に噴霧し、85℃の温度で30分間乾燥させて、非粘着性フィルムを得た。非粘着性フィルムは、約0.1w/mCの熱伝導性を示した。0.1mm厚の被膜で非粘着性フィルムをテストダイ上に配置し、50℃の温度にさらして8℃の温度降下を得た。
【0077】
[実施例2]
以下の成分を容器内に配置し撹拌した:アクリルエマルション(CARBOTAC1811))30%、界面活性剤(PLURONIC P84)3%、消泡剤(BYK019)1%、拡張されていないDUALITE(U020−125W))10%、および水56%。
【0078】
混合物を60分間撹拌して、DUALITEポリマー粒子を分散させた。次いで、混合物を基板上に噴霧し、100℃の温度で30分間乾燥させて、粘着性の感圧接着剤(「PSA」)フィルムを得た。
【0079】
0.03mm厚の被膜でPSAフィルムをテストダイ上に配置し、50℃の温度にさらして5.5℃の温度降下を得た。また、DUALITEポリマー粒子無しであること以外は同様の方法でフィルムを調製し、同様にテストダイ上に配置して、2℃の温度降下を得た。
【0080】
0.1mm厚の被膜でPSA−Aをテストダイ上に配置し、50℃の温度にさらして6.8℃の温度降下を得た。
【0081】
[実施例3]
以下の成分を容器内に配置し撹拌した:アクリルエマルション(HYCAR 26138)30%、界面活性剤(PLURONIC P84)3%、消泡剤(BYK019)1%、DUALITE(E135−040D)10%、および水56%。
【0082】
混合物を60分間撹拌して、DUALITEポリマー粒子を分散させた。次いで、混合物を基板上に噴霧し、85℃の温度で10分間乾燥させて、非粘着性フィルムを得た。非粘着性フィルムは、約0.1w/mCの熱伝導性を示した。0.1mm厚の被膜で非粘着性フィルムをテストダイ上に配置し、50℃の温度にさらして8℃の温度降下を得た。