特許第6456370号(P6456370)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6456370ユーザーの反応能力、反射神経、迅速さ、ならびに他のスポーツに関連する身体能力と認識能力を刺激するためのトレーニング装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6456370
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】ユーザーの反応能力、反射神経、迅速さ、ならびに他のスポーツに関連する身体能力と認識能力を刺激するためのトレーニング装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/24 20060101AFI20190110BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20190110BHJP
【FI】
   A63B69/24
   A63B69/00 513D
【請求項の数】22
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-522272(P2016-522272)
(86)(22)【出願日】2014年6月27日
(65)【公表番号】特表2016-526418(P2016-526418A)
(43)【公表日】2016年9月5日
(86)【国際出願番号】DE2014100217
(87)【国際公開番号】WO2014206400
(87)【国際公開日】20141231
【審査請求日】2017年6月26日
(31)【優先権主張番号】102013010849.7
(32)【優先日】2013年6月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516001432
【氏名又は名称】オズカヤ,ベシル
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】オズカヤ,ベシル
【審査官】 宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/003214(WO,A1)
【文献】 米国特許第04345755(US,A)
【文献】 実開昭51−082568(JP,U)
【文献】 特開2011−024967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/20 − 69/32
A63B 69/00
A63B 67/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの反応能力、反射神経、迅速さ、ならびに他のスポーツに関連する身体能力と認識能力を開発するためのトレーニング装置であって、
性ホルダーコード(6)に配された少なくとも1つの反応標的(7)を含み、弾性ホルダーコード(6)はユーザーのトレーニング領域の上にある少なくとも1つの取り付け点と床の取り付け具との間で緊張され
応標的(7)が配された、互いから距離をおいて位置する少なくとも2つの弾性ホルダーコード(6)は、接続されて運動が結合するという事実を特徴とする、トレーニング装置。
【請求項2】
応標的(7)が配された、互いから距離をおいて位置する2つの弾性ホルダーコード(6)は、継手運搬体要素(3)を介して接続されて運動が結合し
少なくとも2つの弾性ホルダーコード(6)は、継手運搬体要素(3)と床の個々の取り付け具との間、または継手運搬体要素(3)と少なくとも1つの追加の継手運搬体要素との間に張られる、
という事実を特徴とする、請求項1に記載のトレーニング装置。
【請求項3】
継手運搬体要素(3)は、少なくとも1つの上方取り付け点に継手運搬体要素(3)を取り付けるための少なくとも1つの堅い、弾性の、または柔軟な吊り下げ要素(4)を備え、
れによって、継手運搬体要素(3)の移動性は吊り下げ要素(4)を交換することによって可変的に調整可能であり、
れによって、継手運搬体要素(3)に取り付けられた弾性ホルダーコード(6)は継手運搬体要素(3)上で互いから距離をおいて位置する取り付け点に係合する
という事実を特徴とする、請求項2に記載のトレーニング装置。
【請求項4】
継手運搬体要素(3)と弾性ホルダーコード(6)の間に可動性の、または硬い中間要素(2)が配され、
可動性の、または硬い中間要素(2)は、少なくとも1つの継手運搬体要素(3)と少なくとも2つの前記弾性ホルダーコード(6)のそれぞれとの間に位置づけられ、各中間要素(2)は少なくとも1つの弾性ホルダーコード(6)と連結している、
という事実を特徴とする、請求項に記載のトレーニング装置。
【請求項5】
弾性ホルダーコード(6)が取り付けられる自由に動かすことができる床のおもり(9)は、弾性ホルダーコード(6)の床の取り付け具として配される、
という事実を特徴とする、請求項乃至4のいずれか1つに記載のトレーニング装置。
【請求項6】
反応標的(7)に加えて、重量体は、反応標的(7)に対する釣り合いおもり(8)を形成し、反応標的の移動性と運動結合の調節を釣り合いおもり(8)を交換することによって可能にするように、弾性ホルダーコード(6)に配される、
という事実を特徴とする、請求項乃至5のいずれか1つに記載のトレーニング装置。
【請求項7】
反応標的(7)と釣り合いおもり(8)は大きさと重さの観点から可変であり、弾性ホルダーコード(6)に、反応標的(7)と釣り合いおもり(8)がそれらの大きさと重さが調節できるように交換可能に配される、
という事実を特徴とする、請求項に記載のトレーニング装置。
【請求項8】
反応標的(7)は、少なくとも反応標的(7)よりも下に配される調節可能なコードストッパー(10)によって着脱可能かつ調節可能なように弾性ホルダーコード(6)に取り付けられる、
という事実を特徴とする、請求項乃至7のいずれか1つに記載のトレーニング装置。
【請求項9】
トレーニング装置の構造要素は着脱可能なように接続され、着脱自在のフックのような接続体は、弾性ホルダーコード(6)、中間要素(2)、継手運搬体要素(3)、および吊り下げ要素(4)の接続のために用いられる、
という事実を特徴とする、請求項に記載のトレーニング装置。
【請求項10】
継手運搬体要素(3)は少なくとも1つのアームからなり、それによって弾性ホルダーコード(6)は少なくともその上方先端で弾性ホルダーコード(6)に係合する、
という事実を特徴とする、請求項乃至9のいずれか1つに記載のトレーニング装置。
【請求項11】
継手運搬体要素(3)上の中間要素(2)はU字状である、
という事実を特徴とする、請求項に記載のトレーニング装置。
【請求項12】
弾性ホルダーコード(6)は、U字状の中間要素(2)の両方の先端に配される、
という事実を特徴とする、請求項に記載のトレーニング装置。
【請求項13】
弾性ホルダーコード(6)は、中間要素(2)の間に配された他の取り付けバンドに係合して配される、
という事実を特徴とする、請求項4に記載のトレーニング装置。
【請求項14】
追加の弾性ホルダーコード(6)が、直接的に、かつ継手運搬体要素(3)を関与させることなく、継手運搬体要素(3)の上方取り付け点と床の取り付け具とのあいだに伸ばされる、
いう事実を特徴とする、請求項乃至13のいずれか1つに記載のトレーニング装置。
【請求項15】
継手運搬体要素(3)は、互いに接続されている少なくとも2つの弾性ホルダーコード(6)の上方先端によって形成される、
という事実を特徴とする、請求項2乃至9のいずれか1つに記載のトレーニング装置。
【請求項16】
互いに距離を置く少なくとも2つの前記弾性ホルダーコード(6)は、配置された反応標的(7)と共に垂直に伸び、少なくとも1つの他の水平に伸びるホルダーバンド(38)に接続されて運動が結合し、ホルダーバンド(38)は反応標的(7)を伴うまたは伴わない少なくとも2つの弾性ホルダーコード(6)に接続される、
という事実を特徴とする、請求項乃至15のいずれか1つに記載のトレーニング装置。
【請求項17】
継手運搬体要素(3)の下方に設けられた追加の継手運搬体要素は、少なくとも1つの支持面または1つの支持点によって床に位置付けられて弾性ホルダーコード(6)に接続され、これにより、前記追加の継手運搬体要素の移動性と、弾性ホルダーコード(6)の運動量の伝達をもたらす、
という事実を特徴とする、請求項乃至16のいずれか1つに記載のトレーニング装置。
【請求項18】
継手運搬体要素(3)の下方に設けられた追加の継手運搬体要素の支持面または支持点は球形または半球形の形状である、
という事実を特徴とする、請求項17に記載のトレーニング装置。
【請求項19】
継手運搬体要素(3)の下方に設けられた追加の継手運搬体要素は、ボールとソケットで構成された球形の継手(24)を備え、
運動量の伝達を引き起こす、
という事実を特徴とする、請求項乃至18のいずれか1つに記載のトレーニング装置。
【請求項20】
継手運搬体要素(3)のアームと、継手運搬体要素(3)の下方に設けられた追加の継手運搬体要素を床から支持する土台(18)は、拡張可能な構成である、
という事実を特徴とする、請求項2乃至19のいずれか1つに記載のトレーニング装置。
【請求項21】
継手運搬体要素(3)のアームと、継手運搬体要素(3)の下方に設けられた追加の継手運搬体要素を床から支持する土台(18)は、弾性的なおよび/または伸縮自在な構成である、
という事実を特徴とする、請求項2乃至20のいずれか1つに記載のトレーニング装置。
【請求項22】
継手運搬体要素(3)は天井に直接配され、又は、継手運搬体要素(3)の下方に設けられた追加の継手運搬体要素は床に直接配される、という事実を特徴とする、請求項17に記載のトレーニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願への相互参照>
本発明は、運動を行うための、ならびに反応能力、反射神経、迅速さ、パンチの組み合わせ、目の手の協調運動および目と足の協調運動の正確さ、周辺視野(周辺視野の使用)、視覚感度の拡張、バランス感覚、協同能力、細かな運動技能、複雑な連続した運動の精度、状態、強さ、運転、集中能力、覚醒(vigilance)、自発行動といった技術や能力を磨くための、無秩序型のトレーニング装置を指し、該装置は力を加えると一定の時間持続する、常に変化する、不規則で、迅速で、予測不能で、無秩序な動きを作り出し、これに対してユーザーは様々なやり方で反応できる。
【背景技術】
【0002】
反応能力、反射神経、協同、迅速さ、周辺視野のトレーニングは、例えば、道路交通などの日常生活にだけでなく、多くのスポーツでも非常に重要である。この目的のために、トレーニング装置は、ユーザーの反応が予測不能な手法で、打撃を加えられる要素の迅速な動きを作り出す必要がある。したがって、ユーザーが反応しなければならない動きは、無秩序で、不規則で、かつそれ自体が常に変化しているものでなければならない。本発明とは別に、こうした要件を満たす、つまり、反応標的の連続的な不規則かつ無秩序な動きを作り出すことができる他のトレーニング装置はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
外部の力を加えた後、本発明は、ユーザーが予測できない反応標的(例えばボール)の動きを生成し、ユーザーはそれによって上記および下記の能力を開発するために、トレーニングパートナーなしで、複雑なトレーニングを完了することができる。
【0004】
本発明においてトレーニング要素(または、言い換えれば反応標的)の予測不可能で、素早く、そして無秩序な動きを実現するために、打撃の高さまたは反応の高さにある反応標的は、薄くて弾性のあるショックコードに取り付けられ、反対の力または対抗運動を作り出すための少なくとも1つの他の物体(釣り合いおもり)、例えば、別のボールは、反応標的の下または上(あるいは、下および上の両方)にある同じショックコードに取り付けられる。床では、この個々の要素の弾性コードが、例えば、おもりに付けられる。床のおもりの位置はトレーニング要件に従って個別に調節可能である。同様に、コードの長さ、つまり、引張りは、例えば、おもりの上にあるフットブリッジ(footbridge)のまわりのコイルによって調節可能である。上方端では、個々のコードが例えば、三角形の形態の運搬体要素(carrier element)に取り付けられ、これに複数の上記の個々の要素が取り付けられ、要素は釣り合いおもりに加えて反応標的の動きをそらす反対方向の動きを引き起こす。運搬体要素は、例えば、吊り下げ要素によって天井から吊り下げ可能であり、すべての方向に自由に動くことができる。運搬体要素と同様に個々の要素もすべて互いに接続され、張力を受ける。反応標的に力を加えた後、運搬体要素は、ある程度までその軸の周りをしばしば回転して、不意にすばやく元に戻ると、システム内でさらなる動きとエネルギーを生成する。個々の要素は完全なユニットから取り外し可能であり、別のトレーニングに役立つことがあり、あるいは、トレーニング要件に従って多くの要素を加えることができる。
【0005】
反応標的に力を加えるたびに、運搬体要素と同様に他のすべての反応標的に、つまり、システム全体にもすぐに効果があり、これが動かされる。小さな力を加えるだけでもこの目的には十分である。ユーザーは別の方法で反応標的を打ち、または叩き、それによって同じコード上の釣り合いおもり(または複数の釣り合いおもり)も動かされる。反応標的の下または上にあるボールまたはおもりのこの反対方向の動きは反応標的の動きに影響を与え、反応標的を永久的に偏向させる。個々のコード上の1つ以上の釣り合いおもりによって、あるいは各々1つの反対方向の動きを生成する、運搬体要素上にある他の個々の要素によって引き起こされる反対方向の動き(あるいは複数の反対方向の動き)がなければ、弾性コードに取り付けられた個々の反応標的は単に前後に揺れるだけであり、つまり、予測可能で計算可能な動きを行うことになる。反応標的、釣り合いおもり、個々の要素は、その動きが不規則かつ予測不能であり、様々な方向に無秩序に向かうように、互いに対して相互に影響を与え合う。動きは線形ではなく、空間のあらゆる方向への揺れ、回転、環状運動、はね跳び、ジグザグ移動を絶えず自然発生的に交互に行う。ボールをさらに打ったり叩いたりするたびにまったく異なる一連の動きが引き起こされる。したがって、無秩序な動きは、反応標的に対する少なくとも1つの反対方向の動きの存在によって、および関連する相互効果によって達成される。他方で、反対方向の動きを引き起こす偏向要素は、個々のコード上の釣り合いおもりやそれ自体が不規則な動きをする他の個々の要素であり、これによって、システムの各反応の不規則な動きは相互に強化されるか、あるいはさらなる態様を獲得する。本発明の関連する個々の物体は、運動量に関連した手法で互いに対して接続される。
【0006】
反応標的の1つに対して、あるいはシステムのそれぞれの動きによって、それぞれ1回打つことで、他の個々の要素の釣り合いおもりと反応の標的はすべて不規則に動き、すべての個々の要素は互いに対して構造的に接続されるとともに互いに高感度になり、力を加えるたびにシステム全体に影響を与える。したがって、すべての不規則な運動はシステム全体だけでなく互いに対して影響を与え合う。システム全体はそのため無秩序で不規則に動く。これは、全く不慣れで繰り返すことのできない状況の動的かつ一定のプロセスを引き起こす。巧みな反応や様々な打撃と回避行動によって、ユーザーは、360度のトレーニングを終了するために、構築物の前に立って、あるいは構築物の内部で床のおもりを変えることによって、様々な反応標的を打つか、回避しようとしなければならない。ユーザーは構築物のまわりでトレーニングをすることもできる。適用範囲は前述の技術の開発が重要な複数のスポーツまで及ぶが、他の装置とは異なり、トレーニング中に抵抗がほとんどかからないことから怪我のリスクがないため、日常生活またはレジャーのトレーニング装置としても使用することができる。本発明は、例えば、目の機能障害を調節するか、あるいは目の働きを改善するために、医療目的のための視覚的なトレーニングにも使用可能である。
【0007】
様々な分野のスポーツ選手だけでなく日常生活を送る人々も、よりよい競技成績を収めたり、危険な状況に対処したりするために、前述の技術を必要とする。こうした技術のトレーニングについては、ユーザーが動きを予測することができないほど複雑な手法で複数の反応を要求する要素の動きを作り出すトレーニング装置が必要とされている。したがって、要素は、例えば、打撃、キック、または回避行動の形態でほんの一瞬の反応が必要とされる、区別された、不意の、予測不可能な、そして、無秩序な動きを空間内のあらゆる方向に与えるものでなければならない。こうした要素の動きは、はね跳び、環状の運動、円を描く運動、ジグザグ運動などのような代替的な動きを含まなければならない。ユーザーが例えば、打撃の形態で力を加えてこうした要素を動かした後に、トレーニング要素のこの無秩序で不規則な挙動は外部から常に力を加えずともある一定の期間は維持されなければならない。トレーニング要素の無秩序な挙動の生成は、外部から力を加えた後、システムに、つまりトレーニング装置自体に存在していなければならず、ユーザーにより決定され得るものであってはならない。このように、ユーザーは、反応するように要求される動きと、物体が次の瞬間に位置するであろう場所を事前に特定することができない。ユーザーは、トレーニング装置によって生成される動きの複雑さを概観できず、その動きも予測できない。したがって、ユーザーは準備ができておらず、高い集中力をもって、自発的にそして可能な限り迅速に、異なる状況に毎回反応しなければならない。本発明は前述の要件をすべて満たし、したがって、従来のトレーニング装置を上回る決定的な利点を与える。
【0008】
本発明とは異なり、これまでのトレーニング装置は、反応が要求される動きを不規則かつ無秩序に生成することができない。比較すると、これまでのトレーニング装置の動きは計算可能で、線形で、かつ予測可能である。したがって、以前のトレーニング装置は、外部から力を加えた後にトレーニング要素(つまり反応標的)を独立してかつ永続的に生成することができる有能な内在的なシステムを表していない。したがって、これまでのトレーニング装置のいずれも前述の技術を効果的に開発するための役には立たない。このため、こうしたトレーニング装置は、現実の状況の複雑さを反映することができるやり方ではなく、むしろ静止したやりかたで速度と力の開発に役に立つ。例えば、ボクサーがスピードボールあるいはダブルエンドボールを打つ場合、ボールは打たれた場合と同じように反応する。つまり、ボールは前方と後方に、あるいは、一方の側から他方の側に同一の動きを行う。したがって、従来のトレーニング装置では、ユーザーがトレーニング要素の動きを決め、力を加えることでそれを永久的に維持しなければならない。さらに、従来のトレーニング装置では様々なタイプの打撃または打撃の組み合わせの練習が不可能であり、特定の打撃に制限される。一方で、本発明ではトレーニング中のいかなる時でも様々な打撃、すなわち、従来のトレーニング装置では不可能であるような、例えば、ボクシングでの現実の状況で要求される上記のような打撃や動きを、継続的に行うことが可能である。同様に、従来の装置では、本発明とは異なり、細かな運動技能や連続した動きの複雑さのトレーニングは不可能である。例えば、スピードボールを用いて腕の力の速度を訓練することができるが、連続した運動は、次の瞬間の行為が分からない物体に対する実際の反応ではなく、むしろ自動的なものである。ユーザーは、打撃の組み合わせに関して自身の創造性を訓練することは必要とされず、打たれる物体の動きとかさばりが原因でユーザーは特定の動きしか行うことができない。さらに、これまでのトレーニング装置では、ユーザーは、短時間で動作を止める1つの打撃用標的または反応標的に絶えず制限されており、そのため、流動的で動的なトレーニングは不可能であり、ユーザーは周辺視野を用いるか、あるいは、ユーザーは反応をトレーニングしたり、いくつかの予測不能な物体または状況での反応や反射的な技術を訓練したりすることはできない。こうした不利益はすべて最終的には、本発明ではなく従来のトレーニング装置を用い、トレーニングを強化したり変えたりする機会のないユーザーのやる気に影響を与える。
【0009】
これに応じて、こうしたトレーニング要素の動きを考慮して、従来のトレーニング装置はすべて決定論的で線形の開放型のシステムであり、これらは絶えず外部から動かされ、原因、つまり力の活用は効果、例えばトレーニング要素の動きに決定論的に対応するため、不規則な動きはない。本発明は、上記の記載された技術的な欠陥を取り除き、ゆえに、日常や医療での使用だけでなく、前述の技術の改良を含む様々なスポーツのためのトレーニング装置の最先端技術における深刻なギャップを埋めるために設計されている。
【0010】
前述の不利益とは別に、最先端技術に関連する問題とは、これまでのトレーニング装置は、ユーザーが上記の技術の開発のために複雑な応答をしなければならない複雑で予測不能で無秩序な動きを生成することができないということである。さらに、従来のトレーニング装置は、すべての打撃を実行したり、ユーザーが反応し得る複雑な現実指向の状況を作ったりする可能性を与えるものではない。
【0011】
本発明は、こうした技術のトレーニングのために、トレーニング要素、つまり、反応標的の予測不能で、不規則で、無秩序な、迅速な、永続する動きを可能にするために、言い換えれば、上記や下記の技術を最適に開発することができるように、構成要素の動きの観点から、およびユーザーからの関連する要件から複雑な状況を作るためにこうした問題に基づいている。先に言及したように、および以下に詳細に議論されるように、この問題は本発明の特徴によって解決される。
【0012】
本発明によって、(例えば、ボクサーや武道家の)相手の現実に即した上記の特性の効果的で信頼できる「三次元の」トレーニングは、一方では複雑さと、標的または反応物体の予測不可能性や、無秩序かつ永久的な挙動のおかげで、他方では相手に似た方法でスペースを占める複数の個別の要素の存在によって、トレーニングパートナーなしで初めて可能となる。本発明では、ユーザーは、反応標的(例えばボール)を打ったり蹴ったり(または別の方法で力を加えたりする)すると、ユーザーが打撃または回避行動などの形態で反応しなければならない複数のトレーニング要素の複雑で、無秩序で、全く予測不能な動きを誘発する。個別の要素は、少なくとも1つの運搬体要素または例えば接続ケーブルで互いに接続される。これは、他のものとは異なり、同時に、個々の要素の反応の全体的な、かつ、それにもかかわらずあらゆる反応標的(すべての釣り合いおもりと同様に)を形成する。例えば3つの個々の要素を備えた本発明の構造の場合、このことは、1つのボールにぶつかると、構造の他のすべてのボールが瞬時に不規則に動くことを意味する。ちょうど人間の相手が均一な動きをせず、むしろ、腕、脚、および頭が、反応を要求される様々な動きを同時に行うように、システム全体が動いている本発明では、他のトレーニング装置とは異なり、こうした部位の各々は別の方法で動く。3つの個々の要素を備えた構造の要素が動いており、ユーザーが後ろの反応標的を打ちたい場合、ユーザーは一方では打ち、他方では他の要素の反応標的に当たらないようにするために、複数の物体に同時に集中しなければならない。さらに、直線的には移動せず、その位置の視点からスペースに入る複数の物体に同時に集中することで、複数の能力が同時に必要とされ使用されるこうした技術の最大のトレーニングを提供する。本発明の特徴のおかげで、個々の反応標的と、例えば、足で打たれることで反応標的としても使用可能な釣り合いおもりは、完全に異なる方法で反応し、その動きはユーザーが絶えず力を加えなくても長時間続く。したがって、常に新しく、予測不能で、かつ区別されるボールの動きがユーザーの側に自発的な反応または動きと最大限の集中を永久的に必要とする、流体的で動的なトレーニングが可能となる。例えば、さらなる個々の要素を加える可能性と同様に、床のおもりの位置を変えることによって、トレーニングを任意に変更したり、一段と難しくすることができ、その結果、従来のトレーニング装置とは異なり、本装置上でのトレーニングによってパフォーマンスを絶えず向上させることができる。
【0013】
ほんの一瞬のうちに、ユーザーは素早く動いている反応標的を見つけ、どの標的を打ちたいのか、どのようにして打つべきなのかを決めなければならず、あるいは、動いているトレーニング要素を回避しようとしなければならない。ユーザーはとりわけ反射神経を根拠に、つまり、自発的かつ本能的に反応し、そうすることでこの領域でのパフォーマンスは強化されるが、同時に、ユーザーは、戦略的に処理を進め、他の動いている反応標的に当たることなく、どのボールを打ちたいのか、そして打つためにはどの行動が適切なのかを決めることによって、目的をもって行動する。まったく未知の状況下に直面したなかでこのように反射神経能力、熟考した決定(戦略)、および他の能力を同時に活性化することは、そのような方法でしか反射神経や反応の能力とそれ以外の能力を鍛えることができないため、本発明に係るトレーニングにおける重要な要素である。
【0014】
前述の特徴とは別に、本発明は、例えば、ボクシングや他のスポーツにおけるあらゆるタイプの強打とその組み合わせが継続的に可能なトレーニング装置を提供する。しかしながら、先に言及したように、日常生活では、反射神経、動きの精度、反応速度などを訓練することも非常に重要であり、こうした能力が必要不可欠な状況は日常生活に多い。本装置上でトレーニングすることによって、反応時間が例えば劇的に短くなり、その結果、交通時の反応が著しく速くなる。
【0015】
すべての打撃(または他の力の適用)の後、すべての個々の要素のすべてのボール(反応標的と釣り合いおもり)は絶えず独立して変動する予測不能な動きに設定される。言い換えれば、最初の強打の後、反応標的(結果としてシステム全体)の打撃は単純に前後に揺れるのではなく、むしろ、交互の自律したやり方でそれはループ運動を行い、次の瞬間には横または上下に跳び、その後、全方向に回転するか、ジグザグ運動を行うなどする。したがって、ユーザーを純然たる応答者として呼ぶことができる。これは従来の装置ではないことで、受来の装置ではユーザーは動きを自ら決定して維持しなければならず、トレーニングは多かれ少なかれこの動きに制限されるからである。本発明では、ユーザーは最適なやり方でこうした技術を身につけることができる。
【0016】
本発明は、外部の力を加えた後に、ユーザーが反応する、不規則で、無秩序で、したがって予見できない、または予測不能なトレーニング要素の動きを、比較的長いあいだ作り出すことができる部分的に閉じられたシステムの形態のトレーニング装置にある。従って、本発明はまったく不規則で無秩序な動きの要件を満たす唯一のトレーニング装置である。可変位置を有するとともに「三次元」手法でスペースを占領する、不規則な動きに設定された複数のトレーニング要素(反応標的と釣り合いおもりを備えた個々の要素)の存在によって、ユーザーがスパーリング状況下などで異なる能力に同時に頼らなければならない状況が作り出される。本発明は初期条件の変化に高い感受性を示すように構築され、それによってトレーニング要素の無秩序な挙動がさらに改良される。このことは、各々の打撃の後、または力を加えた後に(初期状況)、システム全体が異なるように反応し、どれだけ小さくてもすべての変化(例えば、吊り下げコードの引張と角度)はそれ以外の変化(動きのタイプや順序、持続時間、速度など)をもたらす。したがって、従来の装置とは異なり、ユーザーは特定の状況に慣れることができず、毎回、自発的にかつ迅速に反応しなければならず、それによって、ユーザーの様々な能力に同時に焦点を当てられる。これにより前述の技術を永久的に開発することが可能となる。
【0017】
前述の技術を開発するべく複雑なトレーニングを達成するために、本発明は、以下に記載された構造の大部分で、少なくとも3つの個々の要素を有する。後者には小さなボールの形態をした反応標的と、サイズ、重量、および性質が反応標的に対応する、同様に小さなボールからなる釣り合いおもりとを装備している。多くの構造では、反応標的と釣り合いおもりは、サイズ、材料、および重量の視点から見て互いに異なる。例えば、個々の要素は、天井から吊るされて自由に移動可能な運搬体要素によって取り付けられる。個々の要素は運搬体要素から容易に取り除くことができ、「不規則な」トレーニングのために別々に使用可能である。なぜなら、これらが1つ以上の釣り合いおもりを有している場合、不規則で無秩序な動きを作り出すことができる。しかしながら、この動きは複雑さの観点から、複数の個々の要素からなるシステム全体には見合わない。いくつかの個々の要素からなるシステム全体では、無秩序で予測不能の効果はさらなる寸法と外観を有する。例えば、反応標的の動きの半径は運搬体要素の回転のため大きく、異なる連続した動きはますます頻繁かつ不意に起こる。運搬体要素がすべての方向に、つまり、上下にも動くことから、反応標的の対応する動きが生じる。同時に、ユーザーは多くの動き回る反応標的に直面し、自分の肉体またはトレーニング物体(例えば、フェンシングや剣道などの場合)であろうとも、攻撃と守備を同時に訓練することができるため、完全なユニットは周辺視野の使用、脚や上半身の協同、および三次元手法、すなわち、実際の試合やスパーリング(例えば、ボクシングでの)によく似たやり方での行動といったトレーニングのさらなる目的を可能にする。
【0018】
個々の要素における反応標的(および釣り合いおもり)の不規則かつ無秩序で、ゆえに予測不能な動きは、原則的に、反応標的または反応標的とは別に、さらなるおもりが下に(あるいは上に、あるいは上下の両方に)取り付けられ、これは外部から反応標的に力が加えられると、弾性コードに接続されているためそれ自体が動き始め、その原動力が上のボールに作用して、その動きに影響を及ぼすかその動きを偏向させ、永久かつ相互の対抗運動を表すという事実によって作られる。原型を用いた試みでは、床と釣り合いおもりの間の30−40cmの距離での釣り合いおもりの位置、つまり、反応標的と釣り合いおもりの間の、および反応標的と運搬体要素との間の遠距離が、好結果を導き出したということが示された。しかしながら、これは義務的なものではない。というのも、例えば、釣り合いおもりが反応標的の上に取り付けられる際、あるいは床への距離がより大きいまたはより小さい場合、不規則な結果は他の構造にも由来するからである。それでも、距離は短すぎてはならない。なぜなら、これはまったく効果がないか、あるいは不適切な効果を引き起こすことになるからである。所望の効果に従って、ユーザーは、反応標的と釣り合いおもりの位置を変更することができる。
【0019】
原則として、物体の、即ち、反応標的及び釣り合いおもりの動きの恒久的な相互の効果は、それらの不規則で無秩序な移動を生成する。65%のゴム糸と35%のポリエステルで作られる薄い弾性コードは、1.5mmの厚みを備え、本発明の原型において好結果をもたらした。しかし、初期状態に関するシステムの感度が損なわれない限り、他の材料及び寸法も使用することができる。
【0020】
反応標的及び釣り合いおもりは、恒久的に、且つ外部の力を加えることなく、互いに影響を及ぼし、それによりこれらの移動が永続する。下方のボールの高さ又は重量が上方のボールに対して変えられる場合、これは上方のボールの動き(例えば、動作半径)に影響を及ぼす。同様に、床のおもりの位置を変えることにより達成される、ハンダ(solder)対する弾性コードの角度の変更が、移動に影響を及ぼす。最も高い可能な不規則状態を獲得するために、装置は、初期状態、即ち、ユーザーにより力が加えられる状態に関して高感度が存在するように調整されねばならない。これは、構造の様式によってだけでなく、適切なサイズと重量を備え且つ適切な材料で作られる薄い弾性コードの使用によって達成され得、前記コードは、例えば強打(blow)の外部から加えられる力に対し敏感に強く反応する。更に、初期状態は、他の要因のように調整可能であるコードの引っ張りにも依存する。打球はそれ自体の軸の周りを時々回転し、これは生成された他の原動力に加えて、システム内に更なる無秩序及び予測不可能性を生じさせる。
【0021】
反応標的に力を加えた後、及び、従って生成されたそれ自体の動きの後、弾性コードを備えた吊り下げ具により全ての方向(即ち、上下にも)で自由に動作可能となる運搬体要素は、個々の要素に力を及ぼし、またそれらの動きにも影響を及ぼす。個々の要素が動かされるとすぐに、それらは既に不規則な動きを行い、それは、運搬体要素の、及び、全ての他の個々の要素の動きに絶えず次々に影響を及ぼすものであり、不規則でもある。故に、一方では、運搬体要素と同様に全ての個々の要素も、互いに影響を及ぼし、且つ、いかなる様式でシステムに力が加えられてもすぐに増加する、不規則な動きを行う。例えば上から下のボールの付加的な移動が、それ故可能とされる。
【0022】
以下に記載される様々な構成において、本発明は、個々の要素上に釣り合いおもりがない。そのような場合、他の個々の要素は、単独の釣り合いおもりとして作用し、不規則な動きに必要な反動作を生成する。
【0023】
1つのボールから別のボールまで、及びボールから運搬体要素までの距離と共に、ゴムコードの引っ張りは、動きのタイプに影響を及ぼし、且つ、個別にそれぞれの要素に対し、床のおもりに対し、及びボールの高さに対して容易に調整可能である。例えば、個々の要素のボールの間の距離が小さくなる場合、不規則な動きの半径は更に小さくなる。同様に、ハンダに対するゴムコード間の角度は、ボールの動きにも影響する床のおもりの位置決めによって調整することができる。原型のテストは、個々の要素の弾性コードが(張り詰め過ぎよりむしろ)軽く張り詰められ、且つ、角度を付けられている(即ち、ハンダに対し垂直ではない)場合に好結果が得られることを示した。張り詰め過ぎたコードには負の効果がある。反応標的の動きに対する個々の要素の傾斜の正の効果とは別に、個々の要素の結節(knotting)も、例えば反応標的においてより遅い速度を達成するために、コードが十分に張り詰められていない場合に存在する。故に、ユーザーは、トレーニング要求にトレーニング装置を非常に容易且つ完全に伸縮自在に調整することができ、この事実は、従来のトレーニング装置と比較して更なる利点を表わす。
【0024】
運搬体要素は、軽量物(例えばアルミニウム)で作られるものとする。それは三角形状を有し得る。適切な場合には、他の形態や材料も可能である。好ましい構成において、例えば個々の要素のコードと同じ材料で出来た弾性コードは、角(それぞれ、三角形の角と側)から、三角形の中心まで通じており、そこで弾性コードは、天井フックに付けられるバネフックなどのものに面して、それに付けられ、その結果、運搬体要素を含む吊り下げられた構造は全ての方向に自由に動くことができる。天井が高すぎる場合、所望の長さを備える追加のゴムコードなどが天井に付けられ得、運搬体要素は、バネフックのようなものによりこのコードの下端に付けられる。
【0025】
幾つかの構成において、角(それぞれ三角形の角及び側)には、例えば小型のバネフックにより個々の要素に付けられる、吊り下げ点が存在する。同様に、幾つかの構成に存在し、且つ運搬体要素から吊り下げられる中間要素上には、吊り下げの様々な点が存在し、その結果、そのような場合にも、様々な個々の要素が例えば小型のバネフックにより吊り下げられ得る。個々の要素のコードが破損した場合、何の問題も無くこの方法で交換することができる。これにより、個々の要素が固定方式で接続され且つ取り外し自在又は交換可能でない構成と比較して、他の利点に加えて、更なる利点が表わされる。
【0026】
システムの感度が損なわれないままである限り、運搬体要素の形状とサイズと同様に、その材料も、多くの変形において可能である。軽量物(例えばアルミニウム又は薄いワイヤー)は、個々の要素の力と全ての動きが十分に広まり得るという利点を有する。それは固定されねばならないが、ある程度伸縮自在であってもよく、それにより、力を加えることにより僅かに揺れることができる。個々の要素の位置がヒト相手の位置をシミュレートするので、三角型は利点となる。更に、反応標的及び釣り合いおもりのサイズ、形状、及び材料も、ある程度まで変更可能であり、且つ、とりわけ、トレーニングの困難の程度、及びユーザーの進捗の程度に依存する。反応標的及び釣り合いおもりは、例えば以下の材料から作ることができる:ゴム(例えば4cm直径のボール)、フォーム(例えば7cm直径のボール)、レザー等。他の材料とサイズはトレーニングの目的及び困難の程度に応じて使用することができ、それにより、システムの感度のよい状態は常に維持されねばならない。例えば、1.5mmの厚みを持つ弾性コード上に吊り下げられる30cm直径のレザーボールは、その目的を果たさない。同じことが、コードの厚みについても言える。ここでまた、限度が設定される。特定の寸法と重量を越えると、不規則な効果はこれ以上生成されない。好ましくは、以下に記載される薄い弾性コード、及び対応する小型の反応標的は、最良の結果をもたらすことを理由に使用されるものとする。反応標的と釣り合いおもりの材料、形状、及び重量は、同じである必要はない。しかし、他の場合には相互の力の適用が損なわれ、又はこれ以上観察可能な範囲内に存在しないので、重量差は大きすぎてはならない。反応標的と釣り合いおもりの重量は、システムの感度を考慮するものとする。大半の原型において、同じサイズであり、同じ材料から作られる、内部に中空を備えた小さなゴムボール(直径4cm、重量約25g;スカッシュボールと比較可能)が、反応標的として使用され、非常に優れた結果をもたらした。不規則状態に関する正の効果とは別に、前述のスキルのトレーニングは、そのような小型の物体を打つのが更に困難であるので、該物体を用いた方がより良い。例えば、1つの反応標的と1つの釣り合いおもりそれぞれが反応標的の下及び上に存在する、以下に記載される構成において、反応標的は、おもりの分布の観点から、下方の釣り合いおもりの方へと移動することができ、反応標的の代わりに上方の釣り合いおもりを置くことができる。そのような場合、反応標的の下に2つの釣り合いおもりがある。同様に、他の構成は、例えば速度、行動領域における動きの半径に影響を及ぼすように達成され得る。弾性コードの厚みと材料は、感度と不規則な効果が損なわれないように、反応標的と釣り合いおもりのサイズ又は重量に応じなければならない。
【0027】
以下に記述される構成の大半において、弾性コード(又はゴムコード等)は、後日ユーザーにより高さが容易に調整可能となるように、小さな穴を通ってボールに挿入される。これは、ボールが自身の軸の周りで時々回転し、且つ不規則な効果に加えて回転エネルギーを増加させるという、追加効果を持つ。ボールは摩擦に耐性があるが、ボールの上下にある結節により、又はゴムクランプ、結節バンド(knotted bands)、コードストッパー等によって容易に付けられ得る。
【0028】
更に、様々な人が、本発明上で同時にトレーニングを行うことが可能である。装置が個々の要素へと容易に分解することに加え、更なる個々の要素を追加することにより、トレーニングは、変更されるか、より困難にされるか、及び完了され得る。3つの個々の要素を伴う完全な構成でトレーニングする代わりに、1つの個々の要素が、この要素単独でトレーニングを行うために、容易に取り外され、且つ天井から吊り下げられ得る。故に、トレーニングは、家を離れている場合、又は旅行中にも可能となる。同様に、更なる要素が完全な構成に加えられ、その結果、トレーニングはより困難にされる。
【0029】
本発明は、トレーニング装置としてだけでなく、物理学又は数学における無秩序なプロセスの実証のための器具として機能することができる。
【0030】
本発明は異なる構成で実施することができる。構成のこれらの例の中には、様々な図面により以下に説明されるものもある。構成の、列挙された、同様に列挙されていないが可能な組み合わせ及び変形は、本発明の前述の原理に基づく。初期状態、要するに力を加えた状態に対する高い感度は、要素が作られる材料の選択、同様にそれらのサイズと重量により保証される。これは、システムの移動性及び調整性と同様に、反応標的に対する反力又は反動作の、及び、適切な吊り下げ構成を持つ少なくとも1つの運搬体要素の存在に関連して、恒久的に引っ張りを受け、所望の結果に通じる。個々の要素の場合、反動作は同じコード上の釣り合いおもりによって達成され、一方で構成全体において、反動作は、個々の要素の1つの釣り合いおもりにより、同様に、他の個々の要素の移動により、即ち、反応標的及びその釣り合いおもりにより、或いは、個々のコード上に釣り合いおもりが無い幾つかの例においては、他の個々の要素の反応標的単独により、生成される。釣り合いおもりを備えた脱着式の構成の場合、たとえ動きが完全なユニットほど複雑でなくても、個々の要素が反応標的の無秩序な動きを作り出すことができるので、個々の要素は不規則なトレーニングのために別々に使用することができる。個々の要素の上に釣り合いおもりが無い完全なユニット構成の場合、個々の要素の上にある反応標的が単独で反力と反動作を作り出し、個々の要素は同じ様式で分離し、且つ別々のトレーニングに使用することができる。しかし、そのような場合、釣り合いおもり、及び故に反動作が存在しないので、不規則な効果は生成されない。
【0031】
床のおもりの位置、弾性コードの引っ張り、個々の要素の追加又は取り外しの可能性、反応標的の高さなどの変更による、構成の個々の調整性は、これらの変更が結果として不規則状態の程度及びタイプの変更をもたらすので、とりわけ、進捗の大きさや程度に関するユーザーの個々の要求に対するトレーニングの調整のために役立つ。このように、ユーザーは、トレーニングを変えて激しくするために、必要な時に本発明を使用し、且つ、それを絶えず変える可能性がある。
【0032】
本明細書に列挙及び記載される構成は一例であり;他の構成の可能性、組み合わせ、及び材料は、原理の要因を維持することにより可能となる。図1乃至23の図面に記載される構成は、以下に詳しく記載されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、中間要素(2)により運搬体要素(3)に付けられた、3つの個々の要素(1)を備えた本発明の構成を示す。
図2図2は、運搬体要素が別の形態を有している構成を示す。
図3図3は、別の構成の変形を示し、そこでは、個々の要素は、フォーク形の延長部を示す、運搬体要素上で反対に引き伸ばされた弾性コードに付けられている。
図4図4は、中心に第4の個々の要素を提示する構成を示す。
図5図5は、反応標的(7)と釣り合いおもり(8)が、運動量の伝達が影響を受ける特異なサイズと重量を持つ構成を示す。
図6図6は、2つの個々の要素(1)が中間要素(2)の各々に付けられる構成を示す。
図7図7は、第2反応標的としても使用され得る、反応標的(7)の上に付加的な釣り合いおもり(8)を備える構成を示す。
図8図8は、側面にコードストッパー(10)を備えた反応標的又は釣り合いおもり(7又は8)のクローズアップ図を示す。
図9図9は、弾性コード(6)がブリッジ(15)の周囲に巻き付けられ、フック(14)により適所に保持される、床のおもり(9)の図を示す。
図10図10は、個々の要素の上に釣り合いおもりが無い構成を示し、そこでは、個々の要素のみ、即ち反応標的が、それ自体を釣り合いおもりとして作用させ、必要な反動作を生成する。
図11図11は、下方の運搬体要素(17)が様々なホルダーコード(6)により床のおもりに付けられる変形を示す。
図12図12は、下方の運搬体要素(22)が伸縮自在なアームを装備している変形を示し、それは、反応標的、或いは反応標的と釣り合いおもりの不規則な挙動に対する特殊効果を有している。
図13図13は、台(18)が球状要素(24)により床のおもりに接続され、及び故に移動式である、変形を示す。
図14図14は、台が球状の下端部を有しており、且つ下方の運搬体要素に堅く接続される変形を示し、それにより、反応標的に力を加えた後、下方の運搬体要素と台は移動し、運動量の伝達を生じさせる。
図15図15は、上方及び下方の運搬体要素が伸縮式アームを装備している変形を示し、それにより、互いからのホルダーコードの角度と距離は、例えば様々な人がトレーニング装置を使用したがる場合に、修正することができる。
図16図16は、個々の要素のホルダーコード(6)が下方に集中し、床のおもり(9)に付けられる変形を示す。
図17図17は、下方の運搬体要素(17)を備えた変形を示し、そこでは、運動量の伝達が、上方の運搬体要素(3)及び下方の運搬体要素(17)に生じる。
図18図18は、不動の運搬体要素と、伸縮式アームを備えた不動の床要素(29)とを装備している。この変形において、反応標的に対する運動量の伝達は生じない。
図19図19において、床要素は要素(30)を装備しており、それにより、床要素のアームは、水平面でのそれらの角度の視点から調整することができる。
図20図20は、床要素が床に位置付けられる球体(24)を装備している変形を示し、それにより床要素は可動性であり、運動量の伝達が生じる。
図21図21は、運搬体本体(carried body)と共に接続されるホルダーコード(6)の上端に、運搬体要素(37)が存在する変形を示し、それにより運動量の伝達が生じる。
図22図22は、個々のホルダーコードが、ホルダーコード又は様々なホルダーコード(38)(伸縮自在であるか、又は伸縮自在ではない)により共に接続される変形を示す。
図23図23は、様々な人が一緒にトレーニングできるように1以上のトレーニング装置が運搬体要素(3)上で運動量の結合に接続される例を示し、それは、より強力な運動量の伝達、及び故に、より高い程度の反応標的の不規則状態を引き起こす。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、中間要素(2)により運搬体要素(3)に付けられた、3つの個々の要素(1)を備えた本発明の構成を示す。運搬体要素は、例えば天井で適切な吊り下げ装置に、フック(5)(例えばバネフック)により付けられる、吊り下げ要素(4)に付けられる。故に、本発明は、全ての方向に自由に動くことができ、外部の力の適用に対する最も低い感度で反応する。
【0035】
この構成例における個々の要素は以下のように構築される:床には、自由に動作自在なおもり(例えば0.5kg、好ましくはゴム又はそのようなもので覆われている)があり、該おもりは、中心にブリッジが設けられ、周囲で個々の要素の弾性コード(6)が巻き付けられ、且つ最終的に小型フック(14)により適所に固定され、前記フックはコードの一端に堅く接続される。このように、ブリッジの周囲での更なる巻き付けにより、コードの引っ張りを調整することができることが、保証される。代替的に、コードはブリッジに堅く接続され、該ブリッジは、おもりの側部に位置付けられるクランク(16)により回転することができ、それにより、コードの長さ又は引っ張りを調整することができる。反応標的(7)に対する反動作を生成する釣り合いおもり(8)は、床のおもりから30−40cmの距離で、又は床面の高さの30−40cmの距離で、この構成例において位置を定められ、一方、反応標的は、釣り合いおもりより上に、及び、ユーザーが強打する高さ内に(例えば、目の高さに)位置を定められる。本発明の原型の試験において、長さ150乃至200cmのコードが、張り詰められた状態で200と250cmの間の長さに達する場合に、好結果が得られた。しかし、これらは単に例証に関する値である。引っ張りはトレーニング要求に従って調整することができる。この例において、運搬体要素上の反応標的と吊り下げ具との間の距離は、約80乃至100cmの間である。運搬体要素上の吊り下げ具からの反応標的の距離は変わる場合があるが、あまり短過ぎてはならない。運搬体要素の側方の長さは約55cmである。弾性コードは、原型において65%のゴム糸(elastodiene)部分、及び35%のポリエステル部分から成り、1.5mmの厚みを持つ。高い弾性、及び故に外部の力の適用に対する感度が保証される限りは、他の構成及び材料が可能である。この構成例において、直径約4cm、重さ約25g、ゴムで作られ、内部に中空を備えるボール(スカッシュボールと同様のもの)が、反応標的と釣り合いおもりとして使用され、好結果をもたらした。材料及び大きさの観点から代替物も、不規則な移動を妨げず、且つ、弾性コード、及びおもり等に関する他の要素に従う限り、可能である。この構成例において、ゴムボールは、コードが挿入される小さな穴を備える上方及び下方に設けられる。コードが製造時にボールのゴム材料を介して押されると、ボールは下方に摺動しないが、それでもユーザーにより容易に上下に動くことができる。代替的に、ボールの下、或いはボールの上下に、コード・ストッパー(10)を使用することができ、それは、ボールの可能な摺動を妨げる間、それでもなおコードストッパーを押すことによりその高さの調整を保証し、それによりコードは再び緩められる。代替的に、ゴムバンド又はそのようなものがボールの上下に結節され得、調整のために緩めることもできる。また、コードがボールを通過しないが、ボールが上方及び下方に小型フックを備え、該フックを介してコードが上方及び下方に付けられる構成も、想像できる。しかし、この構成は、反応標的と釣り合いおもりの高さがこれ以上容易に調整することができないという不都合を有する。コード(6)は、その上端に、好ましくは合成材料で作られる小さなバネフック、又はゴムコーティング或いはそのようなものを設ける。この構成の変形において、コードは、中間要素(2)の上にある専用点の上で、フックにより付けられる。中間要素は、とりわけ、トレーニングをより激しく又はより困難にするために、以下の構成例において詳述されるように、運搬体要素に様々な個々の要素を付けるのに役立つ。この目的のために、中間要素は、個々の要素が、例えば小型バネフックにより付けられ、且つ再び取り外すことができることが、様々な場所で予測される。個々の要素を備えた中間要素はまた、小型バネフックにより、運搬体要素(3)の上の吊り下げ点(11)から吊り下げられ、及び、例えば旅行時に運搬体要素無しに1又は幾つかの個々の要素でのトレーニングを達成するために、個々の要素と共にそこから取り外すことができる。この構成例において、運搬体要素は三角形状を有しており、個々の要素について6つの懸架点が設けられ、その内3つ、即ち角にあるものが割り当てられる。運搬体要素の他の形態も可能であり、その幾つかは以下に示すものとする。中間要素と同様に運搬体要素も、力の伝達、及び故にボールの動作の不規則状態に対する感度を保証するように、軽量物から作られねばならない。それは、ゴムなどの材料でコーティングすることができる。この構成例の原型において、運搬体要素は、50乃至55cmの側面長を持つ三角形状を有していた。しかし、他の寸法も可能である。
【0036】
この構成例において、運搬体要素は、吊り下げ要素(4)(固定式又は移動式の何れか)に接続され、それは、個々の要素のコードと同じタイプの弾性コードから成り、角において、僅かに張り詰めた状態で、運搬体要素の角から、及びその側部の角から集まり、そこでは、それらは吊り下げバネフックにより天井に付けられる。この種の吊り下げは、運搬体要素が移動式であること、特に、反応標的の運動量の伝達及び不規則な効果に重要である、個々の要素による力の伝達に対する感度にそれが反応することを保証する。他の吊り下げ構成は、反応標的の動作に負に影響しない限り、想像することができる。図1に示された吊り下げ要素の様々な代案が、次の図に示されるものとする。
【0037】
個々の要素の弾性コード(6)は特に長く、本発明が高い天井からも吊り下げることができるように、上述のように調整することができる。コードの引っ張りは、所望の効果に従って、床のおもり上で容易に調整することができる。これは、他の調整の形態とは別に、不規則な動きの範囲及びタイプ、同様に反応標的の速度が、反応標的及び釣り合いおもりの高さの調整性によりある程度影響を受ける場合があるという、大きな利点を有する。
【0038】
その構成の形態によって、本発明は恒久的な引っ張りを受けり、特に高い内容(content)の不規則で無秩序な動きを結果としてもたらす、最小の力の適用に非常に強く反応する。この例において、床のおもりの位置は、要素の位置が垂直でないがむしろ傾いているものであり、それは原型において、無秩序な不規則な動きに対し正の効果を有していた。
【0039】
代替構成は中間要素(2)無しで実施することができ、個々の要素は運搬体要素(3)から直接吊り下げられる。
【0040】
図2は、運搬体要素が別の形態を有している構成を示す。運搬体要素は、堅く又は伸縮自在に構築することができる様々なアームを装備している。これは、運動量の伝達、及びそれにより反応標的と釣り合いおもりの移動性に対する付加的効果を有している。
【0041】
図3は、別の構成の変形を示し、そこでは、個々の要素は、フォーク形の延長部を示す、運搬体要素上で反対に引き伸ばされた弾性コードに付けられている。
【0042】
図4は、中心に第4の個々の要素を提示する構成を示す。
【0043】
図5は、反応標的(7)と釣り合いおもり(8)が、運動量の伝達が影響を受ける特異なサイズと重量を持つ構成を示す。
【0044】
図6は、2つの個々の要素(1)が中間要素(2)の各々に付けられる構成を示す。
【0045】
図7は、第2反応標的としても使用され得る、反応標的(7)の上に付加的な釣り合いおもり(8)を備える構成を示す。この種の更なる組み合わせは、この構成及び他の構成で個々の要素を設置することができる。
【0046】
図8は、側面にコードストッパー(10)を備えた反応標的又は釣り合いおもり(7又は8)のクローズアップ図を示す。
【0047】
図9は、弾性コード(6)がブリッジ(15)の周囲に巻き付けられ、フック(14)により適所に保持される、床のおもり(9)の図を示す。これは、手動巻き戻しの代案として、コードの長さを調整することができる床のおもりの構成である。
【0048】
図10は、個々の要素の上に釣り合いおもりが無い構成を示し、そこでは、個々の要素のみ、即ち反応標的が、それ自体を釣り合いおもりとして作用させ、必要な反動作を生成する。
【0049】
図11は、下方の運搬体要素(17)が様々なホルダーコード(6)により床のおもりに付けられる変形を示す。これは、下方の運搬体要素の移動、及び上方の運搬体要素(3)による運動量の伝達において差を作り出す。
【0050】
図12は、下方の運搬体要素(22)が伸縮自在なアームを装備している変形を示し、それは、反応標的、或いは反応標的と釣り合いおもりの不規則な挙動に対する特殊効果を有している。代替的に、それは、固定式又は伸縮自在な台を装備しており、それは、下方の運搬体要素において代替的な種類の運動量の伝達を確実にする。この変形において、運動量の伝達は下方の運搬体要素と上方の運搬体要素とに生じ、それにより、不規則状態の程度とタイプの両方が、修正される。しかし、伸縮自在な要素が、下方の運搬体要素と上方の運搬体要素の両方の上に高い可変性をもって配置され得ることが、決定されねばならない。
【0051】
図13は、台(18)が球状要素(24)により床のおもりに接続され、及び故に移動式である、変形を示す。同様に、下方の運搬体要素(17)は、球状要素により台に接続され、移動式である。これにより、運動量の伝達に対する感度の増加を引き起こす、下方の運搬体要素の移動性が増加される。変形は、下方の運搬体要素の個々のアームそれぞれが、球状要素(24)により移動式であることが、予測される。運動量の伝達は下方の運搬体要素に生じるが、下方の運搬体要素の個々のアームの移動は、ホルダーコード及び反応標的の移動に影響する。
【0052】
図14は、台が球状の下端部を有しており、且つ下方の運搬体要素に堅く接続される変形を示し、それにより、反応標的に力を加えた後、下方の運搬体要素と台は移動し、運動量の伝達を生じさせる。
【0053】
図15は、上方及び下方の運搬体要素が伸縮式アームを装備している変形を示し、それにより、互いからのホルダーコードの角度と距離は、例えば様々な人がトレーニング装置を使用したがる場合に、修正することができる。加えて、ホルダーコードの引っ張りは、台(20)の伸縮式設計により修正することができる。この伸縮式設計は、多くの構築要素、下方だけでなく上方の運搬体、及び固定要素に付けることができる。
【0054】
図16は、個々の要素のホルダーコード(6)が下方に集中し、床のおもり(9)に付けられる変形を示す。ホルダーコード間の、及び結果的に反応標的間の距離は、上方の運搬体要素(26)の伸縮式設計のおかげでこの変形において調整可能である。これによりユーザーは、より小さい且つより大きな視野でトレーニングの間に選択することが可能となる。別の変形は、例えば、伸縮式設計を備えた運搬体アームの無い上方の運搬体要素の使用に存在する。
【0055】
図17は、下方の運搬体要素(17)を備えた変形を示し、そこでは、運動量の伝達が、上方の運搬体要素(3)及び下方の運搬体要素(17)に生じる。床のおもりへの下方の運搬体要素の固定は、弾性のホルダーコード(6)により最良に生じるが、この例及び他の例において、弾性がないホルダーコードによっては生じない場合があり、それにより下方の運搬体要素の移動性は制限される。弾性がないホルダーコードを使用すると、力を加えた後の運搬体要素の移動は、水平面においてより強力な様式で生じ、故に、むしろ自身の軸の周囲での移動になる。同じことが、ホルダーコード及びフックにより上方の運搬体要素が天井に付けられる変形についても言える。この場合にも、弾性の及び弾性がないホルダーコードは、運搬体要素の吊り下げに使用することができる。上方の運搬体要素(3)は、この場合、柔軟に又は伸縮自在に構築された垂直な吊り下げ具に付けられ、この構成のアームは球状継手に位置付けられる。
【0056】
図18は、不動の運搬体要素と、伸縮式アームを備えた不動の床要素(29)とを装備している。この変形において、反応標的に対する運動量の伝達は生じない。トレーニングは、この場合、視野や速度の拡張等といったスキルの開発に専念する。床にある床要素の位置は、この例及び他の例において修正することができる。一般に、運搬体要素の移動性のタイプに依存して、幾らか異なる運動量の伝達、及びそれ故、反応標的の、又は反応標的と釣り合いおもりとの異なる移動が、結果として生じる。
【0057】
図19において、床要素は要素(30)を装備しており、それにより、床要素のアームは、水平面でのそれらの角度の視点から調整することができる。故に、ユーザーは、自分自身からの、及び互いからの個々の反応標的の距離を調整することができる。
【0058】
図20は、床要素が床に位置付けられる球体(24)を装備している変形を示し、それにより床要素は可動性であり、運動量の伝達が生じる。
【0059】
図21は、運搬体本体(carried body)と共に接続されるホルダーコード(6)の上端に、運搬体要素(37)が存在する変形を示し、それにより運動量の伝達が生じる。この変形の別の構成も可能であり、そこでは、運搬体本体はホルダーコードの上端に存在しないが、むしろ、ホルダーコードが付けられる別個のユニットを形成する。この変形の利点は、様々な人がトレーニングできるように、そのような様々なトレーニングユニットが共に接続され得るという事実に存在する。個々のユニットは、フック(5)により上方の運搬体要素に付けることができる。
【0060】
図22は、個々のホルダーコードが、ホルダーコード又は様々なホルダーコード(38)(伸縮自在であるか、又は伸縮自在ではない)により共に接続される変形を示す。接続するホルダーコード(38)は反応標的を装備しているか、又は装備していない場合がある。この変形は、運動量の結合が、運搬体要素の運動量の結合の完了に際し、又は他の運動量の連結無しに生じるという利点を有する。更に、接続するホルダーコード(38)に付けられる反応標的の上で、トレーニング範囲は拡張され得る。
【0061】
最後に、図23は、様々な人が一緒にトレーニングできるように1以上のトレーニング装置が運搬体要素(3)上で運動量の結合に接続される例を示し、それは、より強力な運動量の伝達、及び故に、より高い程度の反応標的の不規則状態を引き起こす。様々なトレーニング装置のこの種の接続、又は同様の接続は、原則として、示された全ての構成において可能である。
【0062】
参照一覧表:
1.個々の要素
2.中間要素
3.運搬体要素
4.吊り下げ要素
5.フック
6.弾性コード又はゴムケーブル又はゴムバンド
7.反応標的
8.釣り合いおもり
9.床のおもり
10.コードストッパー
11.吊り下げ点
16.クランク
17.下方の運搬体要素
18.台
19.拡張可能な伸縮式アームを備えた下方の運搬体要素
20.拡張可能な台
21.伸縮自在な台
22.伸縮自在なアームを備えた下方の運搬体要素
24.移動式球状要素
25.球状(楕円形又は円形等)の下端部を備えた台
26.拡張可能な伸縮式アームを備えた運搬体要素
30.床要素のアームの調整のための要素
32.床要素
37.運搬体本体と共に接続されるホルダーコードの上端から成る、運搬体要素/運搬体本体
図1
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