【0012】
図1は、電気的エネルギー蓄積器の内部抵抗を特定するための本発明による方法の第1の実施形態を示す。この方法は、スタートSにおいて開始する。まず方法ステップaにおいて、電気的エネルギー蓄積器のアナログ電圧信号U
analog及びアナログ電流信号I
analogが、デジタル電圧値U及びデジタル電流値Iに変換される。このアナログ/デジタル変換は、方法ステップaにおいて、第1のサブステップa1及び第2のサブステップa2によって行われる。第1のサブステップa1では、アナログ電圧信号U
analog及びアナログ電流信号I
analogが、ローパスフィルタリングされ、これは例えばアナログローパスフィルタを用いて行われる。さらに第2のサブステップa2では、ローパスフィルタリングされたアナログ電圧信号U
analog及びローパスフィルタリングされたアナログ電流信号I
analogが、デジタル電圧値U及びデジタル電流値Iを得るためにサンプリングされる。ここではアナログ電圧信号U
analog及びアナログ電流信号I
analogのためのサンプリングは、サンプリング周波数f
Tastが、最大零相周波数f
zp,maxの少なくとも2倍の大きさである条件のもとで、同期して行われる。その際のローパスフィルタリングは、サンプリングすべき信号の帯域幅を、サンプリングレートに合わせるために使用される。さらにサンプリング周波数f
Tastのための前提条件によって、ナイキストシャノンサンプリング定理が守られる。デジタル電圧値U及びデジタル電流値Iは、それに続く方法ステップbにおいてフィルタリングされる。ここでのフィルタリングは、バンドパスフィルタを用いて行われ、このバンドパスフィルタは、零相周波数f
zp付近のフィルタリングを行う。この零相周波数f
zpの場合、インピーダンス角度はほぼゼロになる。零相周波数f
zpは、例えばエネルギー蓄積器のタイプ、温度及び充電状態に依存する。鉛蓄電池の場合の零相周波数f
zpは、典型的には300Hzから1kHzの間にある。このバンドパスフィルタリングによって、フィルタリングされた電圧値U
filtとフィルタリングされた電流値I
filtが得られる。さらなる方法ステップcでは、引き続き複数の計算条件が順次検査される。これらの計算条件のうちの1つだけが満たされていなくても直ちにこの方法は早期時点で終了される。この終了はここでは、エンドEとして示されている。この方法は、典型的には、この終了の後で、スタートSにおいて再び開始される。計算条件Iに基づいて、バンドパスフィルタが初期化されているかどうかが検査される。そのため、例えばn次のバンドパスフィルタでは、n個のサンプリングされた値の後でバンドパスフィルタが初期化される。nは、ここではゼロよりも大きい自然数を表している。計算条件IIによれば、電流ピーク値I
pが、フィルタリングされた電流値I
filtから求められ得るかどうかが検査される。この電流ピーク値I
pは、例えばFIFO原理を用いて、特に3要素によるFIFO原理を用いて求められる。ここでは最後にサンプリングされ引き続きフィルタリングされた電流値I
filtが相互に比較される。ここではフィルタリングされた電流値I
filtのうちの1つが電流ピーク値I
pとして認識され得るのであれば、電流ピーク値I
pの時間的発生は、時点t
pとして定められる。一方、電流ピーク値I
pが何も特定できないときには、次の方法の実行において、少なくとも1つの最も古い、フィルタリングされた電流値I
filtが、少なくとも1つの新しくフィルタリングされた電流値I
filtによって置き換えられ、既存の値と新しい値とから、電流ピーク値I
pを求めることが試みられる。第3の計算条件IIIとして、電流ピーク値I
pの絶対値が、閾値電流値I
thの絶対値よりも大きいかどうかが検査される。ここでは閾値電流値I
thの絶対値が最小閾値電流値I
th,minの絶対値よりも常に大きいことを前提条件とすれば、閾値電流値I
thは、方法を実行する毎に変更可能であり、この最小閾値電流値I
th,minを用いれば、さらに電気的エネルギー蓄積器の実際の内部抵抗R
iから所定の最大偏差を有している零相抵抗R
zpが算出可能になる。そのため例えば、バッテリセンサを用いて特定される内部抵抗R
iと、本来の内部抵抗実際値R
iとの間の最大偏差は10%を超えるべきではない。閾値電流値I
thの変更により、零相抵抗R
zpの計算の精度は、その計算の頻度の負担に基づいて適合化可能になる。ここでは、閾値電流I
thが高ければ高いほど、算出された零相抵抗R
zp、及びそれに伴い提供される内部抵抗R
iもより正確になり、一方、零相抵抗の計算自体は、よりまれになるということがいえる。続いて計算条件IVを用いて、時点t
pでのフィルタリングされた電圧値U
filtが、電圧ピーク値U
pであるかどうかが検査される。このことは、例えば再びFIFO原理を用いて置き換えられる。続いてその後の計算条件Vによって、電流ピーク値I
p及び電圧ピーク値U
pが同じ極性を有しているかどうかが検査される。これらの計算条件及びバンドパスフィルタリングにより、電流ピーク値I
pも、電圧ピーク値U
pも、実質的に実数部分からなること、及び、それに伴い虚数部分は存在しないか、又は、あっても非常に僅かであることが達成される。このことは、サンプリングされたアナログの電流信号及び電圧信号の位相角がほぼ0°になるか又はほぼ180°になることを意味する。これにより、それに続く方法ステップdにおいて、零相抵抗R
zpを、内部抵抗R
iに対する尺度として算出することが可能になる。その場合の零相抵抗R
zpの計算は、電圧ピーク値U
pを、電流ピーク値I
pによって除算することで行われる。続いて方法ステップeでは、算出された零相抵抗R
zpが、特定すべき内部抵抗R
iとして提供され、続いてこの方法が終了される。エンドEの後では、この方法は、既述のように典型的には再び新たに開始される。このことは、内部抵抗R
iをもはや特定しなくてもよいところまで続く。さらに通常のケースではこれらの複数の方法は、時間をずらして実行される。そのため例えば、アナログ電圧信号U
analog及びアナログ電流信号I
analogが所定の期間に亘ってサンプリングされ、そこからこの方法のさらなる経過において、それらの値を図示のように後続処理することで、エネルギー蓄積器の内部抵抗R
iを特定することが試みられる。しかしながら、この後続処理の間に既にこの方法は新たに開始され、それによってアナログ電圧信号U
analogもアナログ電流信号I
analogもさらにサンプリングされ、そこから再び内部抵抗R
iが特定される。