特許第6456656号(P6456656)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6456656ウェアラブルデバイスに基づく車両システムの適合
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6456656
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】ウェアラブルデバイスに基づく車両システムの適合
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/037 20060101AFI20190110BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20190110BHJP
【FI】
   B60R16/037
   B60R16/02 660H
【請求項の数】19
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2014-218211(P2014-218211)
(22)【出願日】2014年10月27日
(65)【公開番号】特開2015-89808(P2015-89808A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2017年9月28日
(31)【優先権主張番号】14/073,691
(32)【優先日】2013年11月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592051453
【氏名又は名称】ハーマン インターナショナル インダストリーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ディブイェンドゥ チャッタージー
【審査官】 宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−214591(JP,A)
【文献】 特開2008−296903(JP,A)
【文献】 特開平06−006156(JP,A)
【文献】 特開平10−161654(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0313751(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0064899(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/00−17/02
B60R 9/00−11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内コンピューティングシステムのための方法であって、
ウェアラブルデバイスから第1の入力を受信することであって、前記ウェアラブルデバイスは、携帯デバイスに通信可能に結合されている、ことと、
周囲のノイズレベルおよび周囲の音楽ジャンルのサンプルを取る制御命令を前記携帯デバイスに伝送することと、
前記サンプルを取られた周囲のノイズレベルおよび周囲の音楽ジャンルに関して前記携帯デバイスから第2の入力を受信することと、
前記受信された第1および第2の入力に基づいて1つ以上の車両設定を自動的に調整することと
を含む、方法。
【請求項2】
1つ以上の車両設定を自動的に調整することは、ユーザから入力を受信する前に前記車両設定を調整することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ウェアラブルデバイスは、ネットワークを介して前記車内コンピューティングシステムに通信可能に結合されており、前記ウェアラブルデバイスから入力を受信することは、前記ネットワークを通して前記ウェアラブルデバイスから入力を直接的に受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
記携帯デバイスは、ネットワークを介して前記車内コンピューティングシステムに通信可能に結合されており、前記ウェアラブルデバイスから入力を受信することは、前記携帯デバイスを介して前記ウェアラブルデバイスから入力を間接的に受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ウェアラブルデバイスからの前記入力は、前記ユーザの物理的状況、前記ユーザの物理活動レベル、前記ユーザの認知的負荷、および前記ユーザの環境のうちの1つ以上を示す入力を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
1つ以上の車両設定を自動的に調整することは、前記ウェアラブルデバイスからの前記入力に基づいて車室環境制御システム設定およびオーディオシステム設定のうちの1つ以上を自動的に調整することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
携帯デバイスから前記ユーザの環境を示す追加の入力を受信することと、前記受信された追加の入力に基づいて前記1つ以上の車両設定を更に調整することとを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記追加の入力は、前記ユーザの環境を示し、前記環境は、周囲の温度、周囲の湿度、周囲のノイズレベル、および周囲のオーディオ設定のうちの1つ以上を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記車内コンピューティングシステムのユーザインターフェースを介して前記ユーザからユーザ入力を選択的に受信することと、前記受信されたユーザ入力に基づいて前記1つ以上の車両設定を更に調整することとを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記受信されたユーザ入力に基づいて前記1つ以上の車両設定を更に調整することは、前記ウェアラブルデバイスまたは前記携帯デバイスからの前記入力に基づいて選択された車両設定を前記受信されたユーザ入力に基づいて選択された車両設定オーバーライドすることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ユーザ状態の関数として前記自動的に調整された車両設定を学習することを更に含み、前記ユーザ状態は、前記ユーザの前記物理的状況、前記ユーザの物理活動レベル、前記ユーザの認知的負荷、および/または前記ユーザの環境のうちの1つ以上に基づく、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
車内インフォテインメントシステムであって、
プロセッサと、
携帯デバイスに通信可能に結合された外部のデバイスインターフェースと、
命令を格納する格納デバイスと
を備え、
前記命令は、
周囲のノイズレベルおよび周囲の音楽ジャンルのサンプルを取る制御命令を前記携帯デバイスに伝送することと、
前記携帯デバイスからユーザの物理的状況および環境に関して集約された入力を受信することであって前記ユーザの前記物理的状況に関する入力は、前記携帯デバイスに通信可能に結合されたウェアラブルデバイスによって収集され、前記受信された集約された入力は、前記サンプルを取られた周囲のノイズレベルおよび周囲の音楽ジャンルに関する前記携帯デバイスからの入力を含む、ことと、
前記集約された入力に基づいて前記車内インフォテインメントシステムの1つ以上の構成要素についての設定を自動的に選択することと、
前記自動的に選択された設定に基づいて前記車内インフォテインメントシステムの前記1つ以上の構成要素に制御命令を伝送することと
を実行するように前記プロセッサによって実行可能である、車内インフォテインメントシステム。
【請求項13】
前記ユーザの前記環境に関する入力は前記携帯デバイスによって収集され、前記ユーザの前記物理的状況に関する入力は前記ウェアラブルデバイスから前記携帯デバイスに伝送され、前記ユーザの前記環境に関する前記入力と前記ユーザの前記物理的状況に関する前記入力は、前記車内インフォテインメントシステムへの伝送の前に前記携帯デバイスで集約される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記集約された入力に基づいて前記1つ以上の構成要素について設定を自動的に選択することは、前記車内インフォテインメントシステム、前記携帯デバイス、または前記ウェアラブルデバイスで前記ユーザから入力を受信すること無く、設定を自動的に選択することを含み、前記車内インフォテインメントシステムの前記1つ以上の構成要素はオーディオシステムおよび環境制御システムを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
設定を自動的に選択することは、
前記ユーザの高められた物理活動レベルを示す前記受信され集約された入力に応答して、車室冷却を増大するように前記環境制御システムの設定を調整することを更に含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
設定を自動的に選択することは、
閾値よりも高い前記周囲のノイズレベルに応答して、周囲のノイズを遮蔽するためにスピーカ音量を調整することと、
最後に再生されたプレイリストから前記周囲の音楽ジャンルに適合するプレイリストに前記オーディオシステムのプレイリストを変更することと
を更に含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
車内システムであって、
オーディオシステムと、
環境制御システムと、
前記オーディオシステムおよび前記環境制御システムのそれぞれに通信可能に結合された車内コンピューティングシステム
を備え、
前記車内コンピューティングシステムは、
車両運転者が身に付けているウェアラブルデバイスから第1の入力を受信することと、
周囲のノイズレベルおよび周囲の音楽ジャンルのサンプルを取る制御命令を携帯デバイスに伝送することと、
前記車両運転者の前記携帯デバイスから第2の入力を受信することであって、前記受信された第2の入力は、前記サンプルを取られた周囲のノイズレベルおよび周囲の音楽ジャンルに関する前記携帯デバイスからの入力を含む、ことと、
前記第1および第2の入力に基づいて前記環境制御システムおよび前記オーディオシステムのそれぞれの設定を自動的に調整することと
を実行するように構成されている、車内システム。
【請求項18】
前記ウェアラブルデバイスはウェアラブルセンサを含み、前記第1の入力は前記車両運転者の物理パラメータを示し、前記物理パラメータは、心拍数、脈拍数、基礎体温、血圧、発汗レベル、および活動レベルのうちの1つ以上を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記第2の入力は前記車両運転者の環境上のパラメータを示し、前記環境上のパラメータは前記運転者の地理的位置、周囲の温度、周囲の湿度、および電気通信データのうちの1つ以上を含む、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車内コンピューティングシステムと、様々な携帯およびウェアラブルデバイスからの入力に基づく、それに関連する車両制御とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両は、車内コンピューティングシステム、例えばインフォテインメントシステムのためのヘッドユニットなどを含み得、それは、マルチメディアおよび制御機能を提供し得る。例えば、車内コンピューティングシステムは、ナビゲーションの、マルチメディア再生の、電気通信の、車内環境制御の、および/または他の機能を提供し得る。車内コンピューティングシステムはまた、ユーザの携帯デバイスに通信可能に結合され得る。車内コンピューティングシステムは、車両および車内コンピューティングシステムの要素を制御するためのユーザの好みを示すユーザ入力を受信し得、それによって、ユーザの車内経験を改善する。
【0003】
ウェアラブルデバイスは、ますます広く用いられるようになってきている。そのようなデバイスは、ユーザの環境、ユーザの活動レベル、物理状態(例えば、心拍数)、位置、認知的負荷等に関する信号を生成する1つ以上のウェアラブルセンサを有する。ユーザの車内環境への所望の変更を反映するユーザの好みは、彼らのウェアラブルデバイスおよび/または携帯デバイスとの彼らのやりとりに基づいて探り出され得ることが多い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態は、車内コンピューティングシステム、およびウェアラブルデバイスからの入力に基づいて車両システムを制御する方法について開示される。実施形態例では、入力は、ユーザのウェアラブルデバイスから車内コンピューティングシステムで受信され、1つ以上の車両設定は、受信された入力に基づいて自動的に調整される。ウェアラブルデバイスは、入力がウェアラブルデバイスから直接的に受信されるように、車内コンピューティングシステムに通信可能に結合され得る。あるいは、ウェアラブルデバイスは、携帯デバイスに通信可能に結合され得、携帯デバイスは、ウェアラブルデバイスからの入力が携帯デバイスを介して間接的に受信されるように、車内コンピューティングシステムに通信可能に結合される。
【0005】
他の実施形態例では、車内インフォテインメントシステムは、プロセッサ、携帯デバイスに通信可能に結合された外部のデバイスインターフェース、および格納デバイスを備え得る。格納デバイスは、携帯デバイスからのユーザの物理的状況や環境に関する集約された入力、携帯デバイスに通信可能に結合されたウェアラブルデバイスによって収集されたユーザの物理的状況に関する入力を受信するためにプロセッサによって実行可能な命令を格納し得る。格納デバイスは、集約された入力に基づいて車内インフォテインメントシステムの1つ以上の構成要素についての設定を自動的に選択し、自動的に選択された設定に基づいて制御命令を車内インフォテインメントシステムの1つ以上の構成要素に伝送するようにプロセッサによって実行可能な更なる命令を格納し得る。
【0006】
更に他の実施形態例では、車内システムは、オーディオシステム、環境制御システム、ならびにオーディオシステムおよび環境制御システムのそれぞれに通信可能に結合された車内コンピューティングシステムを含み得る。車内コンピューティングシステムは、車両運転者によって装着されたウェアラブルデバイスからの第1の入力を受信し、車両運転者の携帯デバイスからの第2の入力を受信するための命令で構成され得る。ウェアラブルデバイスから受信された第1の入力は、例えば、車両運転者の物理パラメータを示し得る。携帯デバイスから受信された第2の入力は、例えば、車両運転者の環境上のパラメータを示し得る。コンピューティングシステムは、第1および第2の入力に基づいて環境制御システムおよびオーディオシステムのそれぞれの設定を自動的に調整するように更に構成され得る。例えば、車室温度設定は、ユーザの脈拍数に基づいて自動的に調整され得る一方、オーディオシステムの音響レベルは、周囲のノイズレベルに基づいて自動的に調整される。
【0007】
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
車内コンピューティングシステムのための方法であって、
ウェアラブルデバイスから入力を受信することと、
上記受信された入力に基づいて1つ以上の車両設定を自動的に調整することと、を含む、方法。
(項目2)
1つ以上の車両設定を自動的に調整することは、ユーザから入力を受信する前に上記車両設定を調整することを含む、上記項目に記載の方法。
(項目3)
上記ウェアラブルデバイスは、ネットワークを介して上記車内コンピューティングシステムに通信可能に結合され、上記ウェアラブルデバイスから入力を受信することは、上記ネットワークを通して上記ウェアラブルデバイスから入力を直接的に受信することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目4)
上記ウェアラブルデバイスは、携帯デバイスに通信可能に結合され、上記携帯デバイスは、ネットワークを介して上記車内コンピューティングシステムに通信可能に結合され、上記ウェアラブルデバイスから入力を受信することは、上記携帯デバイスを介して上記ウェアラブルデバイスから入力を間接的に受信することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
上記ウェアラブルデバイスからの上記入力は、上記ユーザの物理的状況、上記ユーザの物理活動レベル、上記ユーザの認知的負荷、および上記ユーザの環境のうちの1つ以上を示す入力を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
1つ以上の車両設定を自動的に調整することは、上記ウェアラブルデバイスからの上記入力に基づいて車室環境制御システム設定およびオーディオシステム設定のうちの1つ以上を自動的に調整することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
携帯デバイスから上記ユーザの環境を示す追加の入力を受信することと、上記受信された追加の入力に基づいて上記1つ以上の車両設定を更に調整することと、を更に含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
上記追加の入力は、上記ユーザの環境を示し、上記環境は、周囲の温度、周囲の湿度、周囲のノイズレベル、および周囲のオーディオ設定のうちの1つ以上を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
上記車内コンピューティングシステムのユーザインターフェースを介して上記ユーザからユーザ入力を選択的に受信することと、上記受信されたユーザ入力に基づいて上記1つ以上の車両設定を更に調整することと、を更に含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
上記受信されたユーザ入力に基づいて上記1つ以上の車両設定を更に調整することは、上記ウェアラブルデバイスまたは上記携帯デバイスからの上記入力に基づいて選択された車両設定を上記受信されたユーザ入力に基づいて選択された車両設定をオーバーライドすることを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
ユーザ状態の関数として上記自動的に調整された車両設定を学習することを更に含み、上記ユーザ状態は、上記ユーザの上記物理的状況、上記ユーザの物理活動レベル、上記ユーザの認知的負荷、および/または上記ユーザの環境のうちの1つ以上に基づく、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
車内インフォテインメントシステムであって、
プロセッサと、
携帯デバイスに通信可能に結合された外部のデバイスインターフェースと、
上記プロセッサによって実行可能な命令であって、
上記携帯デバイスからユーザの物理的状況および環境に関して集約された入力であって、上記携帯デバイスに通信可能に結合されたウェアラブルデバイスによって収集された上記ユーザの上記物理的状況に関する入力を受信するための、
上記集約された入力に基づいて上記車内インフォテインメントシステムの1つ以上の構成要素についての設定を自動的に選択するための、ならびに
上記自動的に選択された設定に基づいて上記車内インフォテインメントシステムの上記1つ以上の構成要素に制御命令を伝送するための、命令を格納する、格納デバイスと、を備える、車内インフォテインメントシステム。
(項目13)
上記ユーザの上記環境に関する入力は上記携帯デバイスによって収集され、上記ユーザの上記物理的状況に関する入力は上記ウェアラブルデバイスから上記携帯デバイスに伝送され、上記ユーザの上記環境に関する上記入力と上記ユーザの上記物理的状況に関する上記入力は、上記車内インフォテインメントシステムへの伝送の前に上記携帯デバイスで集約される、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目14)
上記集約された入力に基づいて上記1つ以上の構成要素について設定を自動的に選択することは、上記車内インフォテインメントシステム、上記携帯デバイス、または上記ウェアラブルデバイスで上記ユーザから入力を受信すること無く、設定を自動的に選択をすることを含み、上記車内インフォテインメントシステムの上記1つ以上の構成要素はオーディオシステムおよび環境制御システムを含む、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目15)
設定を自動的に選択することは、
上記ユーザの高められた物理活動レベルを示す上記受信され集約された入力に応答して、車室冷却を増大するように上記環境制御システムの設定を調整することを更に含む、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目16)
上記格納デバイスは、上記プロセッサによって実行可能な命令であって、
周囲のノイズレベルおよび周囲の音楽ジャンルのサンプルを取る制御命令を上記携帯デバイスに伝送するための、ならびに
上記サンプルを取られた周囲のノイズレベルおよび周囲の音楽ジャンルに関して上記携帯デバイスから入力を受信するための、命令を更に含む、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目17)
設定を自動的に選択することは、
閾値よりも高い上記周囲のノイズレベルに応答して、周囲のノイズを遮蔽するためにスピーカ音量を調整することと、
最後に再生されたプレイリストから上記周囲の音楽ジャンルに適合するプレイリストに上記オーディオシステムのプレイリストを変更することと、を更に含む、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目18)
車内システムであって、
オーディオシステムと、
環境制御システムと、
上記オーディオシステムおよび上記環境制御システムのそれぞれに通信可能に結合された車内コンピューティングシステムであって、
車両運転者が身に付けているウェアラブルデバイスから第1の入力を受信するように、
上記車両運転者の携帯デバイスから第2の入力を受信するように、ならびに
上記第1の入力と上記第2の入力に基づいて上記環境制御システムおよび上記オーディオシステムのそれぞれの設定を自動的に調整するように、構成された、車内コンピューティングシステムと、を備える、車内システム。
(項目19)
上記ウェアラブルデバイスはウェアラブルセンサを含み、上記第1の入力は上記車両運転者の物理パラメータを示し、上記物理パラメータは、心拍数、脈拍数、基礎体温、血圧、発汗レベル、および活動レベルの1つ以上を含む、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目20)
上記第2の入力は上記車両運転者の環境上のパラメータを示し、上記環境上のパラメータは、周囲のノイズレベル、周囲の音楽ジャンル、上記運転者の地理的位置、周囲の温度、周囲の湿度、および電気通信データのうちの1つ以上を含む、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
【0008】
(摘要)
実施形態は、車内コンピューティングシステム、およびウェアラブルデバイスから受信された入力に基づいて車内コンピューティングシステムを使用して車両設定を制御する方法について記載される。入力はまた、携帯デバイスから受信され得る。車内コンピューティングシステムは、受信された入力に基づいて1つ以上の車両設定を自動的に調整し得る。
【0009】
本開示は、添付の図面を参照して、非限定的な実施形態の以下の記載を読むことからより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の1つ以上の実施形態に従って、携帯デバイスおよびウェアラブルデバイスに通信可能に結合された車内コンピューティングシステムを含む車両の車室の部分図である。
図2】本開示の1つ以上の実施形態に従って、ユーザの1つ以上のウェアラブルデバイスおよび携帯デバイスからの入力を受信する車内コンピューティングシステムの図である。
図3】本開示の1つ以上の実施形態に従って、車内コンピューティングシステムのブロック図を示す。
図4】本開示の1つ以上の実施形態に従って、ウェアラブルデバイスから受信された入力に基づいて1つ以上の車両システムを自動的に制御する方法のフローチャートである。
図5】本開示の1つ以上の実施形態に従って、ユーザの物理的状況に関するウェアラブルデバイスからの入力に基づいて環境制御システムおよびオーディオシステムの設定を自動的に制御する方法のフローチャートである。
図6】本開示の1つ以上の実施形態に従って、ユーザの環境に関する携帯デバイスからの入力に基づいてオーディオシステムの設定を自動的に制御する方法のフローチャートである。
図7】本開示の1つ以上の実施形態に従って、ウェアラブルデバイスおよび携帯デバイスによって収集されたユーザ情報を集約し、集約された情報を様々な車両システム設定を制御するために車内コンピューティングシステムに伝送する方法のフローチャートである。
図8】本開示の1つ以上の実施形態に従って、ユーザ入力を受信し、携帯デバイスの追跡された通信ログに基づいて車内制御動作を行う方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
車内コンピューティングシステムは、車両が、ユーザによって操作されるスマートデバイスのネットワークの拡張となることを可能にしている。スマートデバイスは、情報を収集し、次いで、他の相互に接続されたデバイスとその情報を連携させるように構成される。様々なスマートデバイスは、ユーザの様々な様相に関する情報を提供するセンサおよび構成要素を含み得る。例えば、ユーザが身に付けるウェアラブルデバイスは、(ユーザの脈拍数のような)ユーザの物理様相に関するデータを提供するための様々なセンサを含み得、一方、ユーザの携帯デバイスは、(ユーザの環境における周囲の状況などの)ユーザの環境上の様相に関するデータを提供し得る。加えて、ウェアラブルデバイスおよび携帯デバイスとのユーザのやりとりは、ユーザの認知的様相(ユーザの認知的負荷またはストレスレベルなど)に関する情報を提供し得る。そのようなデバイスによって収集されたデータを使用して、車内コンピューティングシステムは、車両環境を改善するであろう車両設定(例えば、環境制御設定、オーディオシステム設定等)を選択し得る。換言すれば、様々なデバイスのセンサは、ユーザの車内経験を改善するために、ユーザが車両に入る前に(またはユーザが車両内にいる間に)車両設定を適合させるように活用され得る。
【0012】
図1は、車両102の車室100の内部の部分図例を示し、その中に運転者および/または1人以上の乗員が着席し得る。図1の車両102は、駆動輪(図示しない)および内燃機関104を含む自動車であり得る。内燃機関104は、吸気流路を介して吸気を受け取り、排気流路を介して燃焼ガスを排出し得る1つ以上の燃焼室を含み得る。車両102は、数ある種類の車両の中でも、道路用の自動車であり得る。いくつかの例では、車両102は、車両運動および/またはエンジンからエネルギーを吸収し、吸収されたエネルギーをエネルギー貯蔵デバイスによる貯蔵に適したエネルギー形態に変換することができるエネルギー変換デバイスを含むハイブリッド推進システムを含み得る。車両102は、全電動車両、組み入れる燃料電池、太陽エネルギー捕捉要素、および/または車両に電力を供給するための他のエネルギー貯蔵システムを含んでもよい。
【0013】
図示されるように、計器盤106は、車両102の運転者(ユーザとも呼ばれる)がアクセス可能な様々なディスプレイと、制御装置とを含み得る。例えば、計器盤106は、車内コンピューティングシステム109(例えば、インフォテインメントシステム)のタッチスクリーン108と、オーディオシステム制御パネルと、計器群110とを含み得る。図1に示されるシステム例は、別個のオーディオシステム制御パネルの無いタッチスクリーン108などの、車内コンピューティングシステム109のユーザインターフェースを介して実施され得るオーディオシステム制御装置を含むが、他の実施形態では、車両は、ラジオ、コンパクトディスクプレーヤ、MP3プレーヤ等のような従来の車両オーディオシステムのための制御装置を含み得るオーディオシステム制御パネルを含んでもよい。オーディオシステム制御装置は、車両スピーカシステムのスピーカ112を介してオーディオ出力の1つ以上の様相を制御するための機構を含み得る。例えば、車内コンピューティングシステムまたはオーディオシステム制御装置は、オーディオ出力の音量、車両スピーカシステムの個々のスピーカ間の音響の分配、オーディオ信号の等化、および/またはオーディオ出力の任意の他の様相を制御し得る。更なる例では、車内コンピューティングシステム109は、タッチスクリーン108を介して直接的に受信されたユーザ入力に基づいて、あるいは、携帯デバイス128およびウェアラブルデバイス150などの外部のデバイスを介して受信された(ユーザの物理状態および/または環境などの)ユーザに関するデータに基づいて、ラジオ局選択、プレイリスト選択、(例えば、ラジオまたはCDまたはMP3からの)オーディオ入力源等を調整し得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、車内コンピューティングシステム109の1つ以上のハードウェア要素、例えばタッチスクリーン108、表示画面、様々な制御目盛盤、つまみおよびボタン、メモリ、(複数であり得る)プロセッサ、ならびに任意のインターフェース要素(例えば、コネクタもしくはポート)などは、車両の計器盤106に取り付けられた一体型ヘッドユニットを形成し得る。ヘッドユニットは、計器盤106に固定して、または取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0015】
計器群110は、燃料計、タコメータ、速度計、および走行距離計などの様々な計器、ならびにインジケータおよび警告灯を含み得る。ハンドル114は、計器群110の下の計器盤から突出し得る。任意に、ハンドル114は、車内コンピューティングシステムの機構をナビゲートし、かつ車内コンピューティングシステムを制御するためにタッチスクリーン108とともに使用され得る制御装置116を含み得る。図1に描写される構成要素に加えて、計器盤106は、ドアおよびウィンドウ制御装置、低電圧電源出力としても使用され得るたばこのライター、グローブボックス、ならびに/あるいは任意の他の適切な要素などの追加の構成要素を含み得ることが理解される。1つ以上の実施形態では、環境制御システム通気口118を介する車内環境(車室温度など)の制御は、タッチスクリーン108を使用して行われてもよく、それ故、別個の環境制御インターフェースが計器盤106に含まれなくてもよい。しかしながら、代替の実施形態では、別個の環境制御インターフェースが提供されてもよい。
【0016】
車室100は、車両、ユーザ、および/または環境を監視するための1つ以上のセンサを含み得る。例えば、車室100は、ユーザの存在を決定するために座席に加えられた圧力を測定するように構成された1つ以上の座席搭載型圧力センサ120を含み得る。車室100は、ドアの開放および/または閉鎖、ドアのロック、ドアのウィンドウの操作、ならびに/あるいは任意の他の適切なドア活動事象などの、ドア活動を監視するように構成された1つ以上のドアセンサ122を含み得る。湿度センサ124が、車室の湿気含有量を測定するために含まれてもよい。マイクロホン126が、音声コマンドの形態でユーザ入力を受信し、ユーザが電話呼び出しを行うことを可能にし、および/または車室100内の周囲のノイズを測定するために含まれてもよい。図1に例示されたセンサの配置は例示的なものであり、1つ以上の追加のまたは代替のセンサが、車両の任意の適切な位置に位置付けられ得ることが理解される。例えば、追加のセンサは、車両の操作、車両の周囲の状況、車両のユーザ等に関する情報を提供するために、機関室内、車両の外部表面上、および/または他の適切な位置に位置付けられてもよい。また図2図3を参照にして詳述されるように、車両の周囲の状況あるいは車両運転者に関する情報がまた、車両の外部の(すなわち、車両システムの一部ではない)センサから、例えばウェアラブルデバイス150または携帯デバイス128に結合されたセンサなどから受信されてもよい。
【0017】
車室100はまた、移動の前、移動の間、および/または移動の後に、車両内に格納される携帯デバイス128などの1つ以上のユーザの物体を含み得る。携帯デバイスとしては、スマートホン、タブレット、ラップトップコンピュータ、携帯用メディアプレーヤ、および/または任意の適切な携帯コンピューティングデバイスが挙げられ得る。携帯デバイス128は、通信リンク130を介して車内コンピューティングシステムに接続され得る。通信リンク130は、(例えば、ユニバーサル・シリアル・バス[USB]、モバイル・ハイデフニション・リンク[MHL]、ハイデフニション・マルチメディア・インターフェース[HDMI(登録商標)]等を介する)有線あるいは(例えば、ブルートゥース、Wi−Fi、近距離無線通信[NFC:Near−Field Communication]等を介する)無線であり得、携帯デバイスと車内コンピューティングシステムとの間に二方向通信を提供するように構成され得る。例えば、通信リンク130は、携帯デバイス128に様々な車両システム(例えば車両オーディオシステム、環境制御システム等)やタッチスクリーン108からのセンサおよび/または制御信号を提供し得、また、携帯デバイス128から車内システムやタッチスクリーン108に制御および/または表示信号を提供し得る。通信リンク130はまた、携帯デバイスの内蔵バッテリを充電するために、車内電源から携帯デバイス128に電力を供給し得る。
【0018】
携帯デバイス128は、車内コンピューティングシステムから空間的に分離され、実質的に外部の通信リンク(例えば、ケーブルもしくは無線周波数信号)を介して接続されるように例示されるが、スロット132または他の格納構造が、特定の位置に携帯デバイスを保持するために計器盤106または車両内の他の位置に形成され得ることが理解される。格納構造は、一体型コネクタ134を含み得、そのコネクタに携帯デバイス128が、携帯デバイスとコンピューティングシステムとの間に実質的に内部の通信リンクを提供するために取り付けられ得るか「ドッキングされ」得る。
【0019】
車内コンピューティングシステム109はまた、ユーザによって操作されるものの車両102の外部に位置する追加のデバイス、例えば1つ以上のウェアラブルデバイス150などに通信可能に結合され得る。描写された実施形態では、ウェアラブルデバイス150は車両102の外側に位置するが、代替の実施形態では、ウェアラブルデバイスは車室100の内側に位置しても良いことが理解される。図2に詳述されるように、ウェアラブルデバイスは、携帯用電子デバイス、電子リストバンド、電子ヘッドバンド、携帯用音楽プレーヤ、電子活動追跡デバイス、歩数計、スマートウォッチ、GPSシステム等を含み得る。ウェアラブルデバイス150は、通信リンク130を参照にして記述したように、有線または無線であり得る通信リンク136を介して車内コンピューティングシステムに接続され得、ウェアラブルデバイスと車内コンピューティングシステムとの間に二方向通信を提供するように構成され得る。例えば、ウェアラブルデバイス150は1つ以上のセンサを含み得、通信リンク136は、ウェアラブルデバイス150から車内コンピューティングシステム109およびタッチスクリーン108にセンサ出力を伝送し得る。ウェアラブルデバイス150から受信された入力は、ユーザの物理的状況、取り囲むもの等の様々な様相を示し得る。車内コンピューティングシステム109は、例えばユーザが車両の外側にいる間などにウェアラブルデバイス150から受信された入力を解析し得、ユーザの状態(例えば、状況、潜在的な好み等)を評価し得、評価に基づいて様々な車内システム(例えば環境制御システムまたはオーディオシステムなど)についての設定を選択し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス150は、携帯デバイス128を介して、間接的に車内コンピューティングシステム109に通信可能に結合され得る。例えば、通信リンク136は、ウェアラブルデバイス150からのセンサ出力が携帯デバイス128に中継ぎされるように、ウェアラブルデバイス150を携帯デバイス128に通信可能に結合し得る。ウェアラブルデバイス150から受信されたデータは、次いで、携帯デバイス128によって収集されたデータで携帯デバイス128に集約され得、集約されたデータは、次いで、通信リンク130を介して車内コンピューティングシステム109およびタッチスクリーン108に伝送される。
【0021】
図2は、ユーザの1つ以上の携帯デバイスおよびウェアラブルデバイスによって捕捉される(「ユーザデータ」とも呼ばれる)ユーザの様々な様相に関するデータならびに車内コンピューティングシステムへの捕捉されたデータの中継ぎの実施形態例200を示す。描写された例では、ユーザデータは、ユーザ202が車両102の外側にいる間と車両102から離れている間に捕捉され、次いで、車内コンピューティングシステム109に中継ぎされる。しかしながら、代替の例では、ユーザデータは、ユーザが車両102内にいる間に収集され伝送され得ることが理解される。
【0022】
ユーザデータは、携帯デバイス204やウェアラブルデバイス206、208、および210とのユーザ202のやりとりに基づいて捕捉される。次いで、ユーザデータは、通信リンクまたはネットワーク、例えば図1の通信リンク130および/または136などを介して車内コンピューティングシステム109に中継ぎされる。携帯デバイス204から受信された入力は、次いで、ユーザ状況を評価し推測するように車内コンピューティングシステム109で処理され得る。携帯デバイス204は、スマートホン、タブレット、ラップトップコンピュータ、携帯用メディアプレーヤ、および/または任意の適切な携帯コンピューティングデバイス、例えば図1の携帯デバイス128などを含み得る。携帯デバイス204によって捕捉されたユーザデータは、非限定的な例として、ユーザの認知的負荷を示す情報を含み得る。例えば、認知的負荷は、携帯デバイス上でユーザによって操作されるアプリケーション、例えばゲームアプリケーションもしくは音楽アプリケーション、携帯デバイス上でユーザによって聞かれたプレイリスト、プレイリストにおいて選択された音楽のジャンル、ラジオ局選択等に関する入力に基づいて車内コンピューティングシステムによって推測され得る。なお更に、ユーザの認知的負荷は、携帯デバイス上で受信され返答された呼び出しの頻度、呼び出しの期間等に基づいて推測され得る。例えば、携帯デバイスからの入力が、ユーザが電話の呼び出しに頻繁に返答したことを示し、それらのほとんどが著しく長い期間のものであったとき、ユーザのストレスレベルが高められる見込みがあることが推測され得る。
【0023】
携帯デバイス204によって収集されたユーザデータは、ユーザの環境に関する情報を更に含み得る。例えば、ユーザが車両の外側にいる場合、携帯デバイス204は、ユーザの地理的位置に関するデータ、その地理的位置で過ごした期間、周囲の状況、例えば周囲の湿度、周囲の温度、高度、(現在のおよび予測される)天候状況等を収集し得る。ユーザの環境についての情報は、携帯デバイスに結合された1つ以上のセンサによって収集され得、あるいは、ネットワークを介して(例えば、ローカルセルラー電話塔との無線通信を介して)ローカルGPSシステムと通信することによって携帯デバイスによって収集され得る。そのように、同じおよび/または類似の種類の情報がまた、ユーザ202が車両102の内側にいる間に携帯デバイス204によって集められ得る。
【0024】
携帯デバイス204によって集められたユーザデータは、有線または無線通信であり得る通信リンク220を介して車内コンピューティングシステム109に通信され得る。例えば、車内コンピューティングシステム109は、通信リンク上で携帯デバイス204からユーザの環境を示す入力を直接的に受信し得る。携帯デバイスからの入力は、連続的に、あるいは断続的に、例えば所定の期間など(例えば、30分毎、1時間毎等)に車内コンピューティングシステムで受信され得る。所定の期間は、ユーザによって選択され得るか、デフォルト設定であり得る。あるいは、携帯デバイスからの入力は、所定のユーザ事象に応答して、例えば、ユーザが携帯デバイス上でプレイリストを変更するたびに、ユーザが車両102の閾値距離を越えて移動するたびに、ユーザが携帯デバイス上で特定のアプリケーション(例えば、ゲームアプリケーション)を開始するたび等に、車内コンピューティングシステムで受信され得る。
【0025】
なお更に、いくつかの実施形態では、車内コンピューティングシステム109は、通信リンク220を介して携帯デバイス204から特定のユーザ入力(例えば、ユーザの特定の環境上の様相を示す入力など)を選択的に要求し得る。要求に応答して、携帯デバイス204の1つ以上のセンサ、構成要素、またはアプリケーションが、要求されたユーザデータを収集するように操作され得るか作動され得、収集されたデータは、次いで、通信リンク220を介して車内コンピューティングシステム109に中継ぎされて戻される。一例では、車内コンピューティングシステム109は、(「音響サンプリング」とも呼ばれる)ユーザの環境において周囲のノイズレベルおよび/または周囲のノイズジャンルのサンプルを取るための制御命令を携帯デバイス204に伝送し得る。音響サンプリングのための要求に応答して、携帯デバイスのマイクロホンおよび/またはレコーダが、周囲のノイズを記録するために定義された期間に操作され得る。車内コンピューティングシステム109は、携帯デバイス204から記録されたデータを受信し得、周囲のノイズレベル(例えば、ユーザが騒がしい位置もしくは静かな位置にいるか)、ノイズ源(例えば、ノイズが車両、建設工事、コンサート等に起因するか)、周囲の音楽ジャンル(例えば、クラシック音楽が再生されているかレゲエ音楽が再生されている環境であって、そのバンドの音楽が再生されている環境にユーザがいるか)等を識別するための信号を処理し得る。
【0026】
ウェアラブルデバイス206〜210は、ユーザ202が身に付けるデバイスを含み得る。ウェアラブルデバイスの例は、(206におけるような)リストバンドとして構成された、(210におけるような)ヘッドバンドまたは任意の他の適切な形式として構成された電子活動追跡デバイスを含み得る。ウェアラブルデバイスの他の例は、携帯用電子デバイス、携帯用音楽プレーヤ、歩数計208(例えば、図示されるように、ユーザの靴に結合された歩数計など)、スマートウォッチ、GPSシステム等を含む。描写された例では、ユーザ202は、ユーザ202の物理的状況および/または物理活動レベルに関するユーザデータがウェアラブルデバイス206〜210によって集められ得るように、フィットネスまたは運動競技活動を行っている間にウェアラブルデバイス206〜210を身に付けていることが示される。1つ以上のウェアラブルセンサ212は、例えば、心拍数センサ、脈拍数センサ、血圧センサ、血糖センサ、体温センサ、発汗センサ、加速度計、ジャイロスコープ等を含み得る。これらのセンサは、ユーザの様々な物理パラメータまたは様相に関するデータを収集し得る。更なる実施形態では、ウェアラブルデバイス206〜210はまた、ユーザの環境に関するデータを収集するように構成され得る。センサ信号は、次いで、それぞれのウェアラブルデバイスによって車内コンピューティングシステム109に伝送され得る。そのように、ユーザデータは、ユーザが車両102の内側または外側にいるかどうかに関わらず、デバイスがユーザによって装着される限り、ウェアラブルデバイス206〜210によって集められ得る。
【0027】
ウェアラブルデバイス206〜210によって集められたユーザデータはまた、通信リンク220を介して車内コンピューティングシステム109に通信され得る。例えば、車内コンピューティングシステム109は、通信リンク上でウェアラブルデバイス206〜210からユーザの物理活動レベル、物理的状況、および/または環境を示す入力を直接的に受信し得る。あるいは、入力は、携帯デバイスを介して間接的に受信され得る。例えば、ウェアラブルデバイス206〜210によって集められたユーザデータは、まず、携帯デバイス204に(例えば、通信リンク220を介して)伝送され得、そこで、データは集約され、次いで、(同じ通信リンク220を介して)車内コンピューティングシステム109の上に中継ぎされる。そのような実施形態では、携帯デバイスは、全てのセンサのための「ベースユニット」として働き得る。
【0028】
ウェアラブルデバイスからの入力は、連続的に、あるいは断続的に、例えば、ユーザによって選択された所定の期間などに、またはデフォルトの期間設定で、車内コンピューティングシステムで受信され得る。あるいは、ウェアラブルデバイスからの入力は、所定のユーザ事象に応答して、例えば、ユーザがウェアラブルデバイスを操作するたびに、ウェアラブルデバイスの設定を変更するたびに、ウェアラブルデバイス上で特定のアプリケーションを開始するたび等に、車内コンピューティングシステムで受信され得る。
【0029】
なお更に、いくつかの実施形態では、車内コンピューティングシステム109は、通信リンク220を介してウェアラブルデバイス206〜210のいずれか1つから物理的状況または活動レベルを示す入力を特に要求し得る。要求に応答して、ウェアラブルデバイス206〜210の1つ以上のセンサまたは構成要素は、要求されたユーザデータを収集するように操作され得るか作動され得、次いで、収集されたデータは、通信リンク220を介して車内コンピューティングシステム109に中継ぎされて戻される。一例では、車内コンピューティングシステム109は、ユーザの脈拍数および基礎体温のサンプルを取るために制御命令をウェアラブルデバイスに伝送し得る。要求に応答して、ウェアラブルデバイスの脈拍数センサおよび温度センサは、定義された期間に操作され得る。車内コンピューティングシステム109は、記録されたデータを受信し得、ユーザの活動レベル(例えば、ユーザが走っているか歩いているか、ユーザが暑いか寒いと感じているか等)を決定するために信号を処理し得る。
【0030】
図4図6を参照にして詳述されるように、車内制御システムは、携帯デバイスおよび/またはウェアラブルデバイスから受信された入力に基づいて1つ以上の車両設定を調整するように構成され得る。これらは、1つ以上の車両システムについての設定、例えば、車両環境制御システム(例えば、空調またはヒーター設定)、車内オーディオシステム(例えば、音量レベルおよびオーディオ源設定)、運転者の座席(例えば、運転者座席のリクライニング角度)等を含み得る。設定は、例えば、ユーザが車両の内側に戻る前に設定を選択することなどによって、車両運転者から特定の入力を要求すること無く自動的に調整され得る。すなわち、車内コンピューティングシステム109は、ユーザが、ユーザのウェアラブルデバイスおよび/または携帯デバイスから受信された入力の評価に基づいて、選ぶ見込みがあるか好むであろう設定を推測し得、対象の車両システムは、次いで、それらの設定を提供するように制御される。任意に、プロンプトがまた、ユーザが、ウェアラブルデバイスおよび/または携帯デバイスから受信された入力の評価に基づいて好む見込みがある設定を提案するか確認するために、車内コンピューティングシステムのユーザインターフェースを介してユーザに提供されてもよい。換言すれば、運転者の好みは、携帯およびウェアラブルデバイスとのユーザのやりとり、ならびにそれに応じて調整された車両設定から探り出され得る。
【0031】
例えば、ユーザが高められた物理活動レベルに関与していることを示すデバイスからの入力に応答して(例えば、ユーザの脈拍数が高められ、ユーザが汗をかいていることを示すセンサ信号に基づいて)、車内制御システムは、車両に入った後に冷却された車室の空気がユーザに提供されるように車室冷却を増大するよう環境制御システムを調整し得る。追加的に、プレイリスト、例えばユーザが物理活動の間に既に聞いていたプレイリストなどが、自動的に選択され得、車両のオーディオシステム上で再生され得る。
【0032】
図3は、車両301の内側に構成されおよび/または一体化された車内コンピューティングシステム300のブロック図を示す。車内コンピューティングシステム300は、いくつかの実施形態では図1および図2の車内コンピューティングシステム109の例であり得る。一例では、車内コンピューティングシステムは、運転者の車内経験を向上させるために情報に基づくメディアコンテンツ(娯楽コンテンツを含むオーディオおよび/または視覚メディアコンテンツ)を車両ユーザに提供するように構成された車両インフォテインメントシステムである。車両インフォテインメントシステムは、運転者および/または乗員の車内経験を向上させるために、車両301内に一体化されるか車両301の中に一体化可能である様々な車両システム、サブシステム、ハードウェア構成要素、ならびにソフトウェアアプリケーションおよびシステムを含み得るかそれらに結合され得る。
【0033】
車内コンピューティングシステム300は、オペレーティングシステムプロセッサ314およびインターフェースプロセッサ320を含む1つ以上のプロセッサを含み得る。オペレーティングシステムプロセッサ314は、車内コンピューティングシステム上でオペレーティングシステムを実行し得、車内コンピューティングシステムの入出力、表示、再生、および他の操作を制御し得る。インターフェースプロセッサ320は、車両間システム通信モジュール322を介して車両制御システム330とインターフェースを取り得る。
【0034】
車両間システム通信モジュール322は、他の車両システム331および車両制御要素361にデータを出力し得、また一方で、例えば車両制御システム330によって、他の車両構成要素およびシステム331、361からデータ入力を受信する。データを出力すると、車両間システム通信モジュール322は、車両の任意の状態、車両の周囲、あるいは車両に接続された任意の他の情報源の出力に対応するバスを介した信号を提供し得る。車両データ出力は、例えば、アナログ信号(例えば現在の速度など)、個々の情報源によって提供されたデジタル信号(例えば、クロック、温度計、例えば全地球測位システム[GPS]センサなどの位置センサ等)、車両データネットワーク(例えば、機関コントローラエリアネットワーク[CAN]バスであって、そのバスを通して機関関連情報が通信され得るバス、環境制御CANバスであって、そのバスを通して環境制御関連情報が通信され得るバス、およびマルチメディアデータネットワークであって、そのネットワークを通してマルチメディアデータが車両内のマルチメディア構成要素との間に通信されるネットワークなど)を通して伝搬されるデジタル信号を含み得る。例えば、車内コンピューティングシステムは、機関CANバスから車輪センサによって見積もられた車両の現在の速度、バッテリを介した車両の電力状態および/または車両の電力分配システム、車両の点火状態等を取り出し得る。加えて、他のインターフェース手段、例えばイーサネット(登録商標)などもまた、この開示の範囲から逸脱すること無く使用されても良い。
【0035】
不揮発性格納デバイス308が、例えば不揮発性形態にあるプロセッサ314および320によって実行可能な命令などのデータを格納するために車内コンピューティングシステム300内に含まれ得る。格納デバイス308は、車内コンピューティングシステム300が、携帯デバイスおよび/またはウェアラブルデバイスに接続するためのならびに/あるいは携帯デバイスおよび/またはウェアラブルデバイスと対にするためのアプリケーションを起動させることを可能にするアプリケーションデータを格納し得る。アプリケーションは、次いで、携帯デバイスおよびウェアラブルデバイスによって集められたユーザ情報を取り出し得る。車内コンピューティングシステム300は、揮発性メモリ316を更に含み得る。揮発性メモリ316は、ランダムアクセスメモリ(RAM)であり得る。非一時的な格納デバイス、例えば不揮発性格納デバイス308および/または揮発性メモリ316などは、プロセッサ(例えば、オペレーティングシステムプロセッサ314および/またはインターフェースプロセッサ320)によって実行されると、本開示に記載された動作の1つ以上を行うように車内コンピューティングシステム300を制御する命令ならびに/あるいはコードを格納し得る。
【0036】
マイクロホン302が、ユーザから音声コマンドを受信するためにおよび/または車両内の周囲のノイズを測定するために、車内コンピューティングシステム300内に含まれ得、音声処理ユニット304が、受信された音声コマンドを処理し得る。いくつかの実施形態では、車内コンピューティングシステム300はまた、音声コマンドを受信し、車両のオーディオシステム332内に含まれるマイクロホンを使用して周囲の車両ノイズのサンプルを取ることができ得る。
【0037】
1つ以上の追加のセンサが、車内コンピューティングシステム300のセンササブシステム310内に含まれ得る。例えば、センササブシステム310は、カメラ、例えば、ユーザが車両を駐車する際に支援するための後方視野カメラなどを含み得る。車内コンピューティングシステム300のセンササブシステム310は、様々な車両センサからの入力と通信して受信し得、また、ユーザ入力を更に受信し得る。例えば、センササブシステム310によって受信された入力は、トランスミッションギア位置、トランスミッションクラッチ位置、アクセルペダル入力、ブレーキ入力、トランスミッションセレクタ位置、車両速度、機関速度、機関を通る大量の気流、周囲の温度、吸気温度等、ならびに環境制御システムセンサからの入力(例えば熱伝達流体温度、不凍液温度、送風機速度、乗員室温度、所望の乗員室温度、周囲の湿度等)、ユーザによって発行された音声コマンドを検出するオーディオセンサ、車両のフォブ(fob)の地理的位置/接近からコマンドを受信し、任意にそれを追跡するフォブセンサ等を含み得る。一定の車両システムセンサは、センササブシステム310と単独で通信し得るが、他のセンサは、センササブシステム310と車両制御システム330の両方と通信し得、あるいは、車両制御システム330を介してセンササブシステム310と間接的に通信し得る。
【0038】
車内コンピューティングシステム300の外部のデバイスインターフェース312は、車両301の外部に位置する1つ以上の外部のデバイス340と通信し得る。外部のデバイスは、車両301の外部に位置するように例示されるが、それらは、例えば、ユーザが車両301を操作している間に外部のデバイスを操作しているときなどに、車両301内に一時的に収容され得ることが理解される。換言すれば、外部のデバイス340は、車両301に内蔵されない。外部のデバイス340は、(例えば、ブルートゥース接続を介して接続される)携帯デバイス342または代替のブルートゥース使用可能デバイス352を含み得る。携帯デバイス342は、携帯電話、スマートホン、または他の携帯用電子デバイスであり得る。他の外部のデバイスは、1つ以上のウェアラブルセンサ350を有するウェアラブルデバイス346、例えば図2のウェアラブルデバイス206〜210などを含む。更に他の外部のデバイスは、外部の格納デバイス354、例えば、ソリッドステートドライブ、ペンドライブ、USBドライブ等を含む。外部のデバイス340は、この開示の範囲から逸脱すること無く、無線でまたはコネクタを介して車内コンピューティングシステム300と通信し得る。例えば、外部のデバイス340は、ネットワーク360上の外部のデバイスインターフェース312、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続、直接有線接続、直接無線接続、および/または他の通信リンクを通して、車内コンピューティングシステム300と通信し得る。
【0039】
1つ以上のアプリケーション344が、携帯デバイス342上で操作可能であり得る。ある例として、携帯デバイスアプリケーション344は、携帯デバイスとのユーザのやりとりに関するユーザデータを集約するように操作され得る。例えば、携帯デバイスアプリケーション344は、携帯デバイス上でユーザによって聞かれた音楽プレイリストに関するデータ、(ユーザによって受領された電話呼び出しの頻度や期間を含む)電話呼び出しログ、ユーザによって度々訪れられた位置を含む位置情報および各位置で過ごした時間等を集約し得る。収集されたデータは、ネットワーク360上でアプリケーション344によって外部のデバイスインターフェース312に転送され得る。加えて、特定のユーザデータ要求は、外部のデバイスインターフェース312を介して車内コンピューティングシステム300から携帯デバイス342で受信され得る。特定のデータ要求は、ユーザが地理的に位置するところ、ユーザの位置における周囲のノイズレベルおよび/または音楽ジャンル、ユーザの位置における周囲の天候状況(温度、湿度等)などを決定するための要求を含み得る。携帯デバイスアプリケーション344は、要求されたデータが携帯デバイス上で収集されることを可能にするように携帯デバイス342の構成要素(例えば、マイクロホン等)または他のアプリケーション(例えば、ナビゲーションアプリケーション)に制御命令を送信し得る。携帯デバイスアプリケーション344は、次いで、収集された情報を中継ぎして車内コンピューティングシステム300に戻し得る。
【0040】
同様に、1つ以上のアプリケーション348は、ウェアラブルデバイス346上で操作可能であり得る。ある例として、ウェアラブルデバイスアプリケーション348は、ウェアラブルデバイスとのユーザのやりとりに関するユーザデータを集約するように操作され得る。例えば、ウェアラブルデバイスアプリケーション348は、ユーザが歩いた、または走った距離、ユーザの心拍数、脈拍数、発汗レベル、基礎体温等に関するデータを集約し得る。収集されたデータは、ウェアラブルデバイスアプリケーション348によってネットワーク360上で外部のデバイスインターフェース312に転送され得る。あるいは、収集されたデータは、ウェアラブルデバイスアプリケーション348によって携帯デバイス342に転送され得、携帯デバイスアプリケーション348は、携帯デバイスおよびウェアラブルデバイスのそれぞれによって収集されたデータを集約し得、集約されたデータをネットワーク360上で車内コンピューティングシステム300に伝送し得る。携帯デバイスのアプリケーションによるデータ集約および車内コンピューティングシステムへの集約されたデータの伝送の方法例は、図7を参照にして記述される。
【0041】
車両制御システム330は、異なる車内機能に関与する様々な車両システム331の様相を制御するための制御装置を含み得る。これらは、例えば、オーディオ娯楽を車両乗員に提供するための車両オーディオシステム332の様相、車両乗員の車室冷却または暖房のニーズをかなえるための環境制御システム334の様相、ならびに車両乗員が他との電気通信リンクを確立することを可能にするための電気通信システム336の様相の制御を含み得る。
【0042】
オーディオシステム332は、例えばスピーカなどの電磁変換器を含む1つ以上の音再現デバイスを含み得る。車両オーディオシステム332は、受動的、または例えば電力増幅器を含むことなどによって能動的であり得る。いくつかの例では、車内コンピューティングシステム300は、音再現デバイスのための唯一のオーディオ源であり得るか、オーディオ再現システム(例えば、携帯電話などの外部のデバイス)に接続される他のオーディオ源があり得る。オーディオ再現デバイスへの任意のそのような外部のデバイスの接続は、アナログ、デジタル、またはアナログとデジタル技術の任意の組み合わせであり得る。
【0043】
環境制御システム334は、車両301の車室または乗員室内に快適な環境を提供するように構成され得る。環境制御システム334は、制御された通気を可能にする構成要素、例えば、通気口、ヒーター、空調、一体型ヒーターおよび空調システム等を含む。暖房および空調機構に結合された他の構成要素は、フロントガラスを澄んだものにすることができるフロントガラス除霜および曇り取りシステムと、新鮮な空気の吸口を通して乗員室に入る外気をきれいにするための通気フィルタとを含み得る。
【0044】
車両制御システム330はまた、機関および/または車両の車室内の補助要素に関連した、様々な車両制御装置362(もしくは車両システム制御要素)の設定を調整するための制御装置、例えばハンドル制御装置362など(例えば、ハンドル搭載型オーディオシステム制御装置、クルーズ制御装置、フロントガラスワイパー制御装置、ヘッドライト制御装置、ウィンカー制御装置等)、計器盤制御装置、(複数であり得る)マイクロホン、アクセル/ブレーキ/クラッチベダル、変速レバー、運転者もしくは乗員のドアに位置付けられたドア/ウィンドウ制御装置、座席制御装置、車室灯制御装置、オーディオシステム制御装置、車室温度制御装置等を含み得る。制御信号はまた、車両のオーディオシステム332の1つ以上のスピーカでオーディオ出力を制御し得る。例えば、制御信号は、例えば音量などのオーディオ出力特性、等化、音像(例えば、1つ以上の定義された位置から生じるようにユーザに現れるオーディオ出力を生成するためのオーディオ信号の構成)、複数のスピーカ間のオーディオ分配等を調整し得る。同様に、制御信号は、環境制御システム334の通気口、空調、および/またはヒーターを制御し得る。例えば、制御信号は、車室の特定の区分への冷却された空気の送り出しを増やし得る。
【0045】
車両の外側上に位置付けられた制御要素(例えば、安全システムのための制御装置)はまた、例えば通信モジュール322などを介して、コンピューティングシステム300に接続され得る。車両制御システムの制御要素は、ユーザ入力を受信するために車両上におよび/または車両内に物理的にかつ永続的に位置付けられ得る。
【0046】
車内コンピューティングシステム300から制御命令を受信することに加えて、車両制御システム330はまた、例えばウェアラブルデバイス346および携帯デバイス342などから、ユーザによって操作される1つ以上の外部のデバイス340からの入力を受信し得る。これは、車両システム331および車両制御装置361の様相が、外部のデバイス340から受信されたユーザ入力に基づいて制御されることを可能にする。
【0047】
車内コンピューティングシステム300は、アンテナ306を更に含み得る。アンテナ306は、単一のアンテナとして示されるが、いくつかの実施形態では1つ以上のアンテナを備えてもよい。車内コンピューティングシステムは、アンテナ306を介して広帯域無線インターネットアクセスを取得し得、および例えばラジオ、テレビ、天候、交通および同様のものなどのブロードキャスト信号を更に受信し得る。車内コンピューティングシステムは、1つ以上のアンテナ306を介して例えばGPS信号などの測位信号を受信し得る。車内コンピューティングシステムはまた、RFを介して、例えば、(複数の)アンテナ306などを介してあるいは適切な受信デバイスを通した赤外線または他の手段を介して、無線コマンドを受信し得る。いくつかの実施形態では、アンテナ306は、オーディオシステム332または電気通信システム336の一部として含まれ得る。追加的に、アンテナ306は、外部のデバイスインターフェース312を介してAM/FMラジオ信号を外部のデバイス340に(例えば携帯デバイス342などに)提供し得る。
【0048】
車内コンピューティングシステム300の1つ以上の要素は、ユーザインターフェース318経由でユーザによって制御され得る。ユーザインターフェース318は、例えば図1のタッチスクリーン108などのタッチスクリーン上に提示されるグラフィカルユーザインターフェース、および/またはユーザに作動されるボタン、スイッチ、つまみ、目盛盤、スライダ等を含み得る。例えば、ユーザに作動される要素は、ハンドル制御装置、ドアおよび/またはウィンドウ制御装置、計器盤制御装置、オーディオシステム設定、環境制御システム設定、等を含み得る。ユーザはまた、ユーザインターフェース318経由で車内コンピューティングシステム300および携帯デバイス342の1つ以上のアプリケーションとやりとりし得る。ユーザインターフェース318上でユーザの車両設定の好みを受信することに加えて、車内制御システムによって選択された車両設定は、ユーザインターフェース318上でユーザに表示され得る。図4に詳述されるように、1つ以上の外部のデバイスから、例えば携帯デバイス342およびウェアラブルデバイス346などからの入力に基づいて、車内コンピューティングシステム300は、ユーザ状態(例えば、物理状態、認知的状態等)を推測し得、ユーザ状態に基づく車両設定、ユーザのために車内環境および運転感覚を改善するように選択された設定を自動的に決定し得る。決定された設定は、ユーザインターフェースのディスプレイ上でユーザに表示され得る。追加的に、選択された設定に関する確認は、ユーザインターフェースを介してユーザから求められ得る。
【0049】
図4は、携帯デバイスおよび/またはウェアラブルデバイスから受信されたユーザ入力に基づいて1つ以上の車両システムを制御するために車内コンピューティングシステムを操作する方法400のフローチャートである。例えば、方法400は、図2のウェアラブルデバイス206〜210および携帯デバイス204からの入力に基づいて図3の車内コンピューティングシステム300によって行われ得る。
【0050】
方法400は、402で、ウェアラブルデバイスからの入力を受信することを含む。具体的には、入力は、1つ以上のウェアラブルデバイスから車内コンピューティングシステムで受信され得る。ウェアラブルデバイスは、ユーザが身に付け得、例えば心拍数センサ、温度センサ、発汗レベルセンサ、歩数計などの1つ以上のウェアラブルセンサを含み得る。ウェアラブルデバイスからの入力を受信することは、ウェアラブルデバイスとのユーザのやりとりに基づいてウェアラブルデバイスの様々なウェアラブルセンサからセンサ信号を受信することを含む。一例では、403で、ここで、ウェアラブルデバイスが通信リンクまたはネットワークを介して車内コンピューティングシステムに通信可能に結合されている場合、ウェアラブルデバイスから入力を受信することは、ウェアラブルデバイスから入力を直接的に受信することを含む。別の例では、404で、ここで、ウェアラブルデバイスは、(例えば、通信リンクまたはネットワークを介して)携帯デバイスに通信可能に結合され、次いで、携帯デバイスは、通信リンクまたはネットワークを介して車内コンピューティングシステムに通信可能である場合、ウェアラブルデバイスから入力を受信することは、携帯デバイスを介してウェアラブルデバイスから入力を間接的に受信することを含む。
【0051】
406で、方法は、ユーザ状態を推測するために車内コンピューティングシステムでセンサ信号を処理することを含む。ウェアラブルデバイスから受信された入力は、限定されるものではないが、ユーザの物理的状況407、ユーザの認知的負荷408、ユーザの物理活動レベル、ユーザのメディアの好み409、およびユーザの環境410を含むユーザの状態の様々な様相を示し得る。ユーザの物理的状況に関する入力は、例えば、(ウェアラブルデバイスの心拍数または脈拍数センサからの)ユーザの心拍数または脈拍数、(発汗レベルセンサからの)ユーザの発汗レベル、(温度センサからの)体温等に関する入力を含み得る。ユーザの物理活動レベルは、ユーザが走っているか、ジョギングしているか、歩いているか、または疾走しているかどうかについての(例えば歩数計などからの)入力を含み得る。ユーザの認知的負荷に関する入力は、(例えば、心拍数センサ、血圧センサ、血糖センサ等からの出力の組み合わせに基づく)ユーザのストレスレベルを示す入力を含み得る。ユーザ環境に関する入力は、ユーザの地理的位置、その位置における現在のおよび予測される天候、周囲の温度および湿度状況、周囲のノイズレベル等に関する入力を含み得る。
【0052】
412で、方法は、ユーザから入力を受信する前に推測されたユーザ状態に基づいて1つ以上の車両の様相または車両設定を自動的に決定することを含む。すなわち、車両設定は、例えば、車両の計器盤のボタンまたは目盛盤を押すことによって、あるいは、車両のタッチスクリーンとやりとりすることなどによって、ユーザが入力をもたらす前に自動的に選択される。同様に、車両設定は、例えば、ユーザがデバイス上で音声コマンドを与えることなどによって、ウェアラブルデバイスまたは携帯デバイスを介してユーザから入力を受信する前に自動的に選択される。具体的には、1つ以上の車両設定が、ユーザから設定に関する入力を受信すること無く、ウェアラブルデバイスから受信された入力に基づいて自動的に選択され得る。調整された車両設定は、例えば、(413で車室温度を調整するためなどの)環境制御システム設定、(415でオーディオ出力音量、ラジオチャネル選択、またはオーディオ出力の音楽ジャンルを調整するためなどの)オーディオシステム設定、(ユーザの携帯デバイスから車両のユーザインターフェースに経路設定された電話呼び出しの受信か発信のための設定を調整するためなどの)外部のデバイスインターフェース設定、座席設定(例えば、ユーザの座席についてのリクライニングの角度)等を含み得る。
【0053】
418で、方法は、選択された設定を対象の車両システムに適用するために車内コンピューティングシステムから1つ以上の車両システムに制御命令を自動的に伝送することを含む。例えば、ウェアラブルデバイスからの入力がユーザの高い物理活動レベルを示す場合、車内コンピューティングシステムは、ユーザが、空気調節を望む可能性が高いことを推測し得る。それ故、ユーザからの入力を要求すること無く、車内コンピューティングシステムは、車室冷却を増やすために、あるいは車室のユーザの区分への冷却された空気の流れを増やすために、車室環境制御設定を自動的に調整し得る。従って、通気口についての設定、および空気調節は、決定され得、環境制御システムに伝送され得る。
【0054】
このようにして、412〜418で、車内コンピューティングシステムは、ウェアラブルデバイスおよび/または携帯デバイスから検知された情報を受信することによって、また、ユーザからいくつかの任意の種類のユーザコマンドを受信する前に検知された情報を使用することによって、設定車両設定を自動的に調整する。これは、例えばユーザがボタン、またはタッチスクリーン等を押すことなどを介して、車内コンピューティングシステムでユーザからコマンドを受信する前に、ならびにウェアラブルデバイスまたは携帯デバイスを介して、例えばユーザが携帯デバイスのボタンを押すことなどを介して、車内コンピューティングシステムでユーザからコマンドを受信する前に、音声コマンドを携帯デバイスから車内コンピューティングシステムに提供すること等を含む。
【0055】
図4の方法は、ウェアラブルデバイスから受信されたユーザ入力に基づいて決定された設定を示すが、追加のユーザ入力がまた、携帯デバイスから受信され得ることが理解される。例えば、ユーザの様々な様相に関する追加の入力(例えばユーザの物理状態および/またはユーザの環境を示す入力など)が、通信リンクまたはネットワークを介して携帯デバイスから車内コンピューティングシステムで受信され得る。一例として、携帯デバイスから受信された入力は、ユーザの環境上のパラメータ、例えば周囲の温度、周囲の湿度レベル、周囲のノイズレベル、周囲のオーディオ設定等を示し得る。車内制御システムは、携帯デバイスから受信された入力に基づいて1つ以上の対象の車両システムの、追加の設定を決定し得るか、あるいは、決定された設定を更に調整し得る。調整された設定に関連する制御命令は、次いで、対象の車両システムまたは構成要素に送り出され得る。
【0056】
420で、方法は、入力がユーザから受信されたかを決定する。例えば、車内コンピューティングシステムは、車内コンピューティングシステムのユーザインターフェースを介してユーザから、例えばタッチスクリーンおよび/または車両の1つ以上の制御要素など(例えばハンドル制御装置、計器盤制御装置、マイクロホン等)から、ユーザ入力を選択的に受信し得る。ユーザ入力が明確に受信されない場合には、426で、方法は、ユーザ状態の関数として、ウェアラブルデバイスおよび/または携帯デバイスから受信された入力に基づいて調整された設定を学習することを含む。例えば、入力に基づいて、設定は、ユーザの物理的状況、ユーザの認知的負荷、ユーザの環境等の関数として学習され得る。一例として、車内制御システムは、ユーザが物理活動の後に車両に戻るときに適用する車室冷却の量および/または車室冷却の速度を学習し得る。
【0057】
ユーザ入力が受信される場合には、422で、方法は、受信されたユーザ入力をウェアラブルおよび/または携帯デバイスからの入力に基づいて選択された設定と比較することを含む。そのように、ユーザ入力は、特にユーザによって要求された設定を示す。それと比して、車内コンピューティングシステムによって選択された設定は、1つ以上のデバイスとユーザのやりとりに関する入力、ならびにユーザによって以前に入力された既知のユーザの好みに基づいて、推測されたか見積もられたユーザ状態に基づく。携帯および/またはウェアラブルデバイスからの入力は、ユーザが選択する見込みのある車両設定を最も良く推測するか見積もるように処理され得るが、実際のユーザ選択は更に変動する可能性がある。従って、422で、ユーザに要求された車両設定が、車内コンピューティングシステムによって自動的に選択された設定と異なるかが決定され得る。大きな違いが無い場合には、方法は、ユーザ状態の関数として設定を学習するために426に戻る。
【0058】
違いがある場合には、424で、方法は、受信されたユーザ入力に基づいて1つ以上の対象の車両システム設定を調整することを含む。具体的には、ウェアラブルおよび/または携帯デバイスからの入力に基づいて自動的に調整された1つ以上の車両設定は、ユーザ入力に基づいて選択された車両システム設定でオーバーライドされ得る。車内制御システムは、次いで、システム設定を調整するためにユーザから関連した対象のシステムに受信された入力に基づいて制御命令を伝送し得る。方法は、次いで、ユーザ状態の関数として設定を学習するために426に進み得る。特定の例が、図5図6の方法を参照にして提供される。
【0059】
このようにして、車内コンピューティングシステムは、車両設定が、ユーザの即時のニーズに従って適合されることを可能にし、即時のニーズは、ユーザの携帯デバイスおよび/またはウェアラブルデバイスからの入力に基づいて推測される。携帯デバイスおよびウェアラブルデバイスからの入力を評価してユーザ状態を推測することによって、およびユーザが車両に入る前でさえもユーザ状態に基づいて車両設定を調整することによって、車内環境全体およびユーザの経験が向上される。
【0060】
図5には、ユーザの物理的状況を示す入力に基づいて1つ以上の車両システムを制御するために車内コンピューティングシステムを操作するための方法例500が示され、入力は、ユーザの携帯デバイスおよび/またはウェアラブルデバイスから受信される。
【0061】
502で、方法は、車内コンピューティングシステムで、ウェアラブルデバイスからの入力(例えば、第1の入力)、車両運転者の物理パラメータを示す入力、例えばユーザの物理的状況などを受信することを含む。物理パラメータは、ウェアラブルデバイスの1つ以上のウェアラブルセンサによって見積もられ得る。第1の入力によって示される物理パラメータは、心拍数503、体温504、血圧505、脈拍数506、物理活動レベル507(例えば、取られた歩みの数、移動した距離等)、発汗レベル、血液酸素レベル、血糖レベル等を含み得る。例えば、車両運転者が歩いているまたはジョギングしているか、運転者が競争で走ったばかりか、運転者が地元の公園で彼の毎日の散歩を完了したばかりか等が決定され得る。
【0062】
510で、方法は、車内コンピューティングシステムで、運転者の携帯デバイス(および/または同じウェアラブルデバイスあるいは代替のウェアラブルデバイス)から、車両運転者の環境上のパラメータを示す入力(例えば、第2の入力)を受信することを含む。例えば、周囲のオーディオ設定または環境上の音設定に関する入力は、携帯デバイスのマイクロホンまたは音楽アプリケーションを介して受信され得る。環境上の(オーディオ)パラメータは、例えば、音量511、音楽ジャンル512、およびサウンドトラックまたはリスト513を含み得る。例えば、ユーザが大音量の音楽があった領域にいたか、ユーザが特定のプレイリストを聞いて(例えば、走っている間にお気に入りのプレイリストを聞いて)いたか等が決定され得る。
【0063】
514で、方法は、ウェアラブルデバイスから受信された第1の入力から推測されたユーザの物理的状況に基づいて車両の環境制御設定を自動的に決定することを含む。これは、515で、選択された冷却のレベルおよび/または冷却の速度を提供するように車室温度を調整するために、空調、ヒーター、および通気口設定を選択することを含む。例えば、第1の入力が、ユーザが走っているかジョギングしていることを示す場合、ユーザは、車両に戻った後に車室を冷却させたいことが予想され得る。車内コンピューティングシステムは、以前に使用されたユーザの環境制御設定(ユーザの設定履歴)および/または前の車両操作の間に学習されたユーザの環境制御の好みに基づいて、ユーザが要求する可能性の高い車室温度設定を決定し得る。更に、ウェアラブルデバイスからの入力が、ユーザが歩いていたことを示す場合より、その入力が、ユーザが走っていたことを示す場合に、より低い温度設定が決定され得る。従って、空調設定は、決定された温度設定を車室の決定された区分(例えば、車室全体または運転者の領域)に提供するように選択され得る。ある代替例では、車内制御システムは、ユーザの高められた物理活動レベルに応答してデフォルトの「冷却」設定を選択し得る一方、車両運転者によって最後に(例えば車両を出る前などに)選択された環境制御設定をオーバーライドする。
【0064】
環境制御設定に加えて、様々な他の車両設定が、ウェアラブルデバイスから受信された第1の入力に基づいて選択され得ることが理解される。例えば、第1の入力が、ユーザが高められた物理活動を行っていることを示す場合、車内コンピューティングシステムは、運転者の座席のリクライニングが、車両の中に入った後に運転者のくつろぎを増大させるのを可能にするように増大される座席設定を選択し得る。別の例として、第1の入力が、(例えば、ウェアラブルデバイスの加速度センサに基づいて)ユーザが倒れたことを示す場合、車内制御システムは、適切な支援のための電気通信アプリケーションや呼び出しを自動的に操作し得る。
【0065】
設定を自動的に選択することに加えて、車内制御システムはまた、ユーザインターフェース上でユーザに潜在的な設定の選択肢を表示し得、ユーザが、従って、制御命令を伝送する前に最終選択を行うことを可能にし得る。
【0066】
516で、方法は、携帯デバイスおよび/またはウェアラブルデバイスから受信された第2の入力から推測されたユーザの環境上のパラメータに基づいて車両のオーディオシステム設定を自動的に決定することを含む。これは、517で、ユーザによって選択された(例えば、車両を出る前にユーザによって選択された)直近のもしくは最後のオーディオ設定およびオーディオ源を中断することまたは不能にすることを含む。更に、518で、例えばウェアラブルデバイスのオーディオ設定に適合するように、ユーザの環境上のオーディオ設定に基づいて改訂されたオーディオ源または設定が選択され得る。ある例として、閾値レベルよりも高いユーザの環境における周囲のノイズレベルに応答して、オーディオシステムのスピーカ音量は、周囲のノイズを遮蔽するために引き上げられ得る。これは、騒がしい領域を通って運転するときに、ユーザの車内経験が改善されることを可能にする。別の例として、携帯デバイス上で現在作動しているプレイリスト(例えば、ユーザが物理活動を行う間に聞いていたプレイリスト)が、車両の中にユーザが再び入った後に車両のオーディオシステムを再生するために選択され得る。これは、ユーザが、車両に入った後でさえも同じ音楽を聴き続けることを可能にする。更に別の例として、ユーザによって聞かれていたプレイリストの音楽ジャンルはサンプルを取られ得、車両のオーディオシステムのためのオーディオ設定は、同じジャンルの音楽を提供するように選択され得る。換言すれば、車両のオーディオシステムのプレイリストは、最後に再生されたプレイリストから、携帯デバイスまたはウェアラブルデバイス上でユーザによって経験される現在の音楽ジャンルに適合するプレイリストに変更され得る。
【0067】
522で、方法は、制御命令を車内制御システムから対象の車両システム、例えば環境制御システムおよびオーディオシステムなどに自動的に伝送し、選択された設定でそれらを操作することを含む。そのように、設定が選択され、関連した制御命令が、例えば車両のユーザインターフェースなどを介して、ユーザから任意の特定の入力を受信すること無く伝送される。524で、更新された設定の好みは、もしあれば、ユーザから車内制御システムで受信され得る。そのように、これらは、ユーザから受信された特定のおよび明確なユーザ設定の好みであり得る。任意の特定のユーザ設定が受信される場合、更新された制御命令が、受信されたユーザ入力に基づいて設定を更に調整するために対象の車両システムに伝送され得る。526で、522や524で決定された設定は、センサによって決定された物理および環境上のパラメータの関数として学習され(例えば、コンピューティングシステムのメモリ内に格納され)得る。例えば、環境制御設定は、ウェアラブルデバイスからの入力に基づいて決定されるように、ユーザの物理活動レベルの関数として学習され得る。
【0068】
図5の方法は、ユーザが車両の外側にいる間に車両システム設定がユーザのウェアラブルデバイスまたは携帯デバイスから受信された入力に基づいて選択され、車両システム設定が、ユーザが車両に入る直前にあるいは車両に入るとすぐに調整される例を記載するが、代替の実施形態では、調整は、ユーザが車両内にいる間に行われてもよいことが理解される。ユーザは、車両内にいる間に、ウェアラブルデバイスを着けていてもよいし、および/または携帯デバイス上のアプリケーションを操作していてもよい。車両内でデバイスから受信された入力に基づいて、車内コンピューティングシステムは、設定を決定し得、制御命令を車両内の対象のシステムに伝送し得る。例えば、ユーザの発汗レベルの上昇および/または体温の上昇を示すウェアラブルデバイスからの入力に応答して、車内コンピューティングシステムは、車室温度設定を自動的に低減し得、より冷却された空気をユーザの方へ導くように空調を操作し得る。図8で詳述される別の例として、ユーザが車両を運転している間に複数の電話呼び出しまたはテキストメッセージがユーザのスマートホン上で受信される場合、車内制御システムは、ユーザが運転中に任意の更なる呼び出しまたはテキストに返答することを望むかを決定することをユーザに促し得る。そうではない場合、携帯デバイスは、ユーザを邪魔しないように低電力モードにシフトされ得、および/または携帯デバイス上で受信された全ての呼び出しは、音声メールシステムに自動的にリダイレクトされ得る。あるいは、ユーザが呼び出しに返答し続けることを望む場合、車内制御システムは、ユーザが運転中に携帯デバイスを操作することを要求せずに呼び出しが返答され得るように、呼び出しや他のデータを携帯デバイスから車両のユーザインターフェースおよび/または外部のデバイスインターフェースに自動的にリダイレクトし得る。
【0069】
次に、図6を参照にすると、ユーザの携帯デバイスから受信された入力であって、ユーザの環境を示す入力に基づいて1つ以上の車両システムを制御するように車内コンピューティングシステムを操作するための方法例600が示される。
【0070】
602で、方法は、車内コンピューティングシステムで、ユーザの環境におけるオーディオ設定を示す携帯デバイスおよび/またはウェアラブルデバイスからの入力を受信することを含む。例えば、ユーザの近傍で再生された音楽ジャンル603を示す入力、ならびに周囲のノイズレベル604が、受信され得る。例えば、ユーザが大音量の音楽があった領域に(例えば、コンサートまたはナイトクラブに)いたか、ユーザが特定の音楽ジャンルを聞いていたか(例えば、コンサートでロック音楽を聞いていたかまたはナイトクラブでテクノ音楽を聞いていたか)、およびユーザが特定のプレイリストを聞いていたか(例えば、デバイス上のお気に入りのプレイリストを聞いて、特定のバンドのコンサートに参加していたか)が決定され得る。
【0071】
周囲のオーディオ設定に関する入力は、自動的にまたは促しの後に、携帯デバイスから受信され得る。例えば、車内制御システムは、携帯デバイスのマイクロホンおよび/またはレコーダを操作するための命令を含む音響サンプリングのための要求を携帯デバイスに送信し得る。周囲の音響は、マイクロホンおよび/またはレコーダによって記録され得、車内コンピューティングシステムに伝送されて戻され得、そのシステムで、それらは、ジャンル、特定の歌が何であるか、音量レベル等を識別するように処理され得る。
【0072】
606で、方法は、携帯デバイス(および/またはウェアラブルデバイス)から受信された入力から推測されたユーザの環境のオーディオ設定に基づいて車両のオーディオシステム設定を自動的に決定することを含む。これは、607で、ユーザの環境のオーディオ設定(例えば、音楽ジャンル)に適合するようにオーディオ源および車両オーディオシステム設定を調整することを含む。これは、608で、(例えば車両を出る前などに)ユーザによって選択された車両オーディオシステムの最後のオーディオ設定を中断することまたは不能にすることを更に含む。
【0073】
一例として、ユーザがロックコンサートにいたことを示す携帯デバイスから受信された周囲のオーディオ設定入力に応答して、車両におけるオーディオシステムのためのオーディオ設定は、(例えば、MP3プレーヤからロック中心のラジオ局にオーディオ源を変更することによって、ロックのプレイリストを選択することによって、または同じロックバンドに対応するプレイリストを選択することによって)同じ音楽ジャンルを提供するように選択され得る。換言すれば、車両のオーディオシステムのプレイリストは、最後に再生されたプレイリストから、周囲の音楽ジャンルに適合するプレイリストに変更され得る。
【0074】
606に並行して、610で、方法は、周囲のノイズレベルのサンプルを取り、それが閾値レベルよりも高いかを決定することを含む。これは、車内コンピューティングシステムが、ユーザが騒がしい位置にいるかを決定することを可能にする。周囲のノイズレベルが高められた(例えば、閾値レベルよりも高い)場合には、612で、方法は、より静かな運転経験を提供するためにオーディオ源およびオーディオシステム設定を調整する。例えば、入力が、車両が騒がしい位置にいることを示す場合、オーディオ設定は、周囲のノイズを遮蔽し、ユーザのストレスや不満を減らすように調整され得る。追加的に、プレイリストの提案がユーザインターフェース上でユーザに提供され得るか、あるいは自動的に選択され得る。例えば、車両が交通の中にいることに起因して周囲のノイズレベルが高められた場合、ユーザの運転経験は、心地よく穏やかな音楽、またはユーザのお気に入りとして印を付けられた音楽ジャンルもしくはプレイリストを自動的に再生することによって向上され得る。周囲のノイズレベルが高められない場合、613で、方法は、車両を出る前にユーザによって選択されたオーディオ源およびオーディオシステム設定を維持することを含み得る。ここで、車両に入った後にユーザによって経験される車両オーディオ設定は、車両を去る前にユーザによって経験されたものと同じであり得る。
【0075】
616で、方法は、決定された設定でシステムを操作するために、制御命令を車内制御システムから対象の車両システム、例えば車両オーディオシステムなどに自動的に伝送することを含む。そのように、設定が選択され、関連した制御命令は、例えば車両のユーザインターフェースなどを介して、ユーザから任意の特定の入力を受信すること無く伝送される。618で、更新された設定の好みは、もしあれば、ユーザから車内制御システムで受信され得る。そのように、これらは、ユーザから受信された特定のおよび明確なユーザ設定の好みであり得る。任意の特定のユーザ設定が受信される場合、更新された制御命令が、受信されたユーザ入力に基づいて設定を更に調整するために対象の車両システムに伝送され得る。620で、616や618で決定された設定は、ユーザの環境の関数として学習され(例えば、コンピューティングシステムのメモリ内に格納され)得る。例えば、オーディオシステム設定は、携帯デバイスからの入力に基づいて決定されるような、ユーザの周囲のノイズレベルおよびノイズジャンルの関数として学習され得る。
【0076】
方法500〜700のいずれにおいても、ウェアラブルデバイスと携帯デバイスの両方からの組み合わされるならびに相互参照される入力がまた、ある期間にわたって監視され得、車両システム設定およびユーザの好みや動機を学習するために使用され得ることが理解される。例えば、車内制御システムは、ユーザの物理活動レベルが増加したか、物理活動の期間が増加したか、物理活動の位置が変更したか、あるいは不変のままであったか等を決定するために、ある期間(例えば、1日、1週間、1ヶ月等)にわたって携帯デバイスおよび/またはウェアラブルデバイスからのセンサデータを解析し得る。入力が、ユーザの走っている期間が絶えず増えていることを示し、および、ユーザが走るのを好む場所を有する場合、その場所は、ナビゲーションの目的地としてコントローラのメモリ内に格納され得る。ユーザは、次いで、「ジョギングに行きましょう」と促すことによって、格納された場所まで車両を経路設定し得る。ユーザがまた、ユーザがジョギングの間に聞く頻繁に使用されるプレイリストを有する場合、プレイリストは、車両がジョギング場所まで運転される間にプレイリストが自動的に再生され得るように、ナビゲーションの目的地と共にメモリ内に格納され得る。
【0077】
ここで図7を参照すると、携帯デバイスおよびウェアラブルデバイスによって収集されたデータを集約するための方法例700が示される。データは、携帯デバイスで集合的に受信され得、携帯デバイス上で動くアプリケーション、例えば、図3の携帯デバイス342上で実行される携帯デバイスアプリケーション344などによって集約され得る。集約されたデータは、次いで、1つ以上の車両設定がユーザによって経験される車内環境を改善するように調整され得るように、携帯デバイスに通信可能に結合された車内制御システムに伝送され得る。
【0078】
702で、方法は、携帯デバイス上の音楽選択を含むオーディオ設定を追跡することを含む。追跡は、携帯デバイス上で実行されるアプリケーションによって行われ得、例えば、選択されたプレイリスト上の音楽、音楽の詳細(ジャンル、期間等)、音量設定等に関する情報を格納することを含み得る。704で、方法は、ユーザの環境における外部のノイズのサンプルを取ることを含む。例えば、アプリケーションは、ある期間について周囲の音響を記録するために携帯デバイスのマイクロホンおよび/またはレコーダを操作し得る。706で、アプリケーションは、ユーザの位置および周囲の状況を追跡し得る。例えば、アプリケーションは、ユーザの地理的位置に関連するデータ、また、その位置における状況(例えば、高度、温度、湿度レベル等)ならびにその位置でユーザによって過ごされた時間に関する詳細、その位置でユーザによって行われた活動等を記録するために、携帯デバイスのナビゲーションアプリケーションおよび/または携帯デバイスのGPSと通信し得る。
【0079】
708で、アプリケーションは、ウェアラブルデバイスからユーザの物理パラメータに関する情報を受信し得る。例えば、アプリケーションは、ユーザの物理状態(行われた物理活動の性質、物理活動の期間、ユーザの心拍数、脈拍数、血圧、体温等)に関する情報を取り出し得る。ウェアラブルデバイスは、ユーザの様々な物理パラメータを検知するためのおよび見積もるための様々なセンサを含み得、ウェアラブルデバイスは、通信リンクを介して携帯デバイスに通信可能に結合される。アプリケーションは、通信リンクを介してウェアラブルデバイスから要求されたデータを取り出し得る。
【0080】
712で、アプリケーションは、携帯デバイスで追跡され収集されたデータと共に1つ以上のウェアラブルデバイスから受信されたデータを集約し得る。714で、アプリケーションは、例えば図3のネットワーク360などの通信リンク上で車両の車内コンピューティングシステムに集約された情報を伝送し得る。記述のように、集約された入力は、自動的におよび連続的に、または固定された間隔で、車内コンピューティングシステムに伝送され得る。あるいは、集約された入力は、車内コンピューティングシステムからのデータについての要求に応答して転送され得る。
【0081】
次に図8を参照すると、携帯デバイスからデータを追跡するためのおよび追跡されたデータに基づいて設定選択肢を用いてユーザを促すための方法例800が示される。ユーザ入力は、プロンプトに続いて受信され、選択された状況、例えば本例においては高い呼び出し状況などについてユーザの好みを学習するために使用される。車両設定および携帯デバイス設定は、次いで、受信されたユーザ入力に基づいて調整される。図8の方法は、ユーザの車内経験を改善するように車内コンピューティングシステムによって実行され得る。
【0082】
802で、方法は、携帯デバイス上で通信ログを追跡することを含む。追跡は、ユーザが車両の内側にいる間および携帯デバイスが車両の内側にある間、例えば携帯デバイスがドッキングされる間などに、車内コンピューティングシステムによって行われ得る。通信ログの追跡は、携帯デバイス上で受信された電話呼び出し、電子メール、および/またはテキストメッセージの数、ユーザによって受領された呼び出しの期間、(複数の)呼び出し人が誰であるかであって、その人の呼び出しがユーザによって受領された、呼び出し人が誰であるか、呼び出しの頻度(例えば、呼び出し全体の頻度、特定の呼び出し人からの呼び出しの頻度等)、各テキストメッセージまたは電子メールに転送されたデータ等の追跡を含み得る。
【0083】
804で、方法は、定義された期間において受信された呼び出しの数が閾値を超えたかを決定することを含む。例えば、呼び出しの閾値数が、車両操作の最後の30分内に携帯デバイスで受信されたかが決定され得る。例は呼び出しの数に言及して例示されるが、同じことが、テキストメッセージ、電子メール、または代替の通信方法の数に適用可能であり得ることが理解される。呼び出しの閾値数が定義された期間内に超えられなかった場合、方法は、802でユーザの携帯デバイスの通信ログを追跡し続ける。
【0084】
呼び出しの閾値数が定義された期間内に超えた場合、806で、方法は、ユーザの電気通信の好みを決定するために1つ以上のプロンプトをユーザに自動的に表示することを含む。例えば、車内コンピューティングシステムは、車両のタッチスクリーン上に1つ以上のプロンプトを表示し得る。1つ以上のプロンプトは、呼び出しの閾値数が定義された期間内に超えられた後、携帯デバイスで受信された呼び出しに応答して(例えば、受信された呼び出しの到来で)ユーザに表示され得る。あるいは、1つ以上のプロンプトは、携帯デバイスで受信された呼び出しに応答して(例えば、受信された呼び出しの完了で)ユーザに表示され得、呼び出しは、呼び出しの閾値数が定義された期間内に超えることをもたらす。
【0085】
いくつかの実施形態では、単一のプロンプトだけが表示されてもよい。例えば、呼び出しの閾値数が超えられた後の呼び出しの受領後、「この呼び出しに返答することを望みますか?」を尋ねる単一のプロンプトが表示され得る。代替の実施形態では、車内コンピューティングシステムがユーザの好みを適応的に学習するとき等では、多数のプロンプトが表示されてもよい。これらは、例えば、ユーザに、彼らが呼び出しを受信し続けることを望むか、彼らが呼び出しをリダイレクトすることを望むか、彼らが(他の人ではなく選択された呼び出し人だけから)呼び出しを選択的に受領することを望むか、彼らが携帯デバイスの呼び出し設定(例えば音量設定、振動設定、電力モード設定等)を変更することを望むか、彼らが代替の周囲の音楽で携帯デバイスの呼び出しベル音を遮蔽することを望むか等を尋ねるプロンプトを含み得る。ユーザの好みは方法の多数の繰り返しにわたって学習されるので、設定が集約されまたはグループ化され得ると、より少数のプロンプトが、要求されてもよいし、単一のプロンプトが多数の設定に対応してもよい。例えば、高い呼び出し状況に関するユーザの好みが一旦学習されると、「高い呼び出しモードにシフトすることを望みますか?」を尋ねる単一のプロンプトが表示され得る。
【0086】
808で、方法は、表示された1つ以上のプロンプトに応答してユーザ入力を受信することを含む。ユーザは、タッチスクリーンとやりとりすることによって入力を提供し得る。ユーザ入力は、彼らが任意の更なる呼び出しを受信しないこと、あるいは選択的にだけ呼び出しを受信することを望むかを示し得る。810で、方法は、受信されたユーザ入力に基づいて1つ以上の制御動作を行うことを含む。制御動作例は、811で携帯デバイスを低電力モードにシフトすることを含む。これは、携帯デバイスの呼び出しまたはテキストもしくはメールの受領を自動的に減らし得る。制御動作はまた、812で呼び出しを音声メールシステムに自動的にリダイレクトすることを含み得る。別の例として、813で、携帯デバイスの音量設定が、ユーザが、運転中に呼び出しやメッセージを受信することによって邪魔されないあるいは気を散らされないように、調整され得、例えば、減らされ得る。更に別の例として、814で、呼び出し受領設定は、選択された呼び出し人からの呼び出しだけが許可される一方、他の呼び出し人からの呼び出しは音声メールシステムに自動的にリダイレクトされるように、自動的に調整され得る。選択された呼び出し人は、ユーザによって予め定義されたリスト内に含まれ得、(806で)促されたときにユーザによって識別され得、および/または方法の繰り返しにわたって車内コンピューティングシステムによって学習され得る。別の例として、制御動作は、定義されたオーディオ源、例えば定義されたラジオ局または定義されたプレイリストなどからの音楽で、携帯デバイスの呼び出しベル音を遮蔽することを含み得る。
【0087】
更に別の例では、設定811〜814の1つ以上、ならびに上に列挙されなかった追加の設定が、共にグループ化され、「高い呼び出し」設定として定義されてもよい。ユーザが「高い呼び出し」モードを選択する入力をもたらすことに応答して、815で、方法は、学習されたまたは予め定義された「高い呼び出し」モード設定を適用することを含み得る。彼らが運転中に彼らの通信負荷を制限することを望むことを示すユーザ入力に応答して設定を適用することによって、車両運転者のストレスレベルが改善され得、彼らの車内経験が改善される。
【0088】
いくつかの実施形態では、806で促した後、受信されたユーザ入力は、ユーザが、携帯デバイス上で受信された呼び出しに返答し続けることを望むことを示し得る。そのようなユーザ入力に応答して、車内制御システムは、呼び出しが、ユーザが運転中に車両内で携帯デバイスを操作することを要求せずにユーザによって返答され得るように、呼び出しや他の受信されたデータ(テキストメッセージ、電子メール等)を携帯デバイスから車両のユーザインターフェースおよび/または外部のデバイスインターフェースに自動的にリダイレクトし得る。例えば、携帯デバイスがブルートゥース使用可能である場合、呼び出しが車両のオーディオシステムを介して聞こえるように、また、データが車両の表示画面上に表示されるなどのように、呼び出しは車両のブルートゥースインターフェースにリダイレクトされ得る。
【0089】
816で、適用された設定は、高い呼び出し状況の間にユーザの好みの関数として車内コンピューティングシステムによって学習され得る。例えば、設定は、ユーザの高い呼び出しの好みの関数としてコンピューティングシステムのメモリ内に格納され得る。設定はまた、「高い呼び出しモード」の間に使用されることになる設定のグループとしてグループ化され学習され得る。
【0090】
車内インフォテインメントシステムについての1つの方法例は、携帯デバイスからユーザの物理的状況および環境に関する集約された入力を受信することを含み得、入力は、ウェアラブルデバイスによって収集されたユーザの物理的状況に関する。方法は、インフォテインメントシステムで、集約された入力に基づいて車内インフォテインメントシステムの1つ以上の構成要素についての設定を自動的に選択することと、選択された設定に基づいて制御命令を車内インフォテインメントシステムの1つ以上の構成要素に伝送することと、を更に含み得る。その例において、ユーザの環境に関する入力は、携帯デバイスによって収集され得る一方、ユーザの物理的状況に関する入力は、ウェアラブルデバイスから携帯デバイスに伝送され得る。更に、ユーザの環境に関する入力およびユーザの物理的状況に関する入力は、車内インフォテインメントシステムへの伝送前に携帯デバイスで集約され得る。インフォテインメントシステムは、周囲のノイズレベルおよび周囲の音楽ジャンルのサンプルを取るために制御命令を携帯デバイスに伝送することと、その後、サンプルを取られた周囲のノイズレベルおよび周囲の音楽ジャンルに関する携帯デバイスからの入力を受信することと、によって携帯デバイスからユーザの環境に関する入力を受信し得る。
【0091】
インフォテインメントシステムは、ユーザからの入力を受信すること無く設定を選択することによって、車内インフォテインメントシステム、例えばオーディオシステム、環境制御システム、および外部のデバイスインターフェースなどの1つ以上の構成要素についての車両設定を自動的に選択し得る。一例として、ユーザの高められた物理活動レベルを示す集約された入力に応答して、インフォテインメントシステムは、車室冷却を増大するために環境制御システムの設定を調整し得る。別の例として、閾値よりも高い周囲のノイズレベルに応答して、インフォテインメントシステムは、周囲のノイズを遮蔽するようにスピーカ音量を調整し得る一方、また、オーディオシステムのプレイリストを最後に再生されたプレイリストから周囲の音楽ジャンルに適合するプレイリストに変更する。
【0092】
ユーザの推測されたニーズであって、ユーザのウェアラブルデバイスおよび携帯デバイスから推測されたニーズに基づいて車両設定を適合させることによって、車内環境が向上される。ウェアラブルデバイスおよび携帯デバイスにおいて既に利用可能な様々なセンサが、ユーザの体や心の状態をより正確に推測するために活用され、車両内にいるときにユーザの快適さを増大させることになる設定に車両システムを適合させる。これは、ユーザの全ての車両経験を大幅に改善することができる。
【0093】
実施形態の記載は、例示および説明の目的のために提示された。実施形態への適切な修正および変形が、上記を考慮して行われ得、または方法を実施することから取得され得る。例えば、他に断らない限り、上記方法の1つ以上は、適切なデバイスおよび/またはデバイスの組み合わせ、例えば図1図3を参照にして記載した車内コンピューティングシステムおよび/またはコンピューティングデバイスなどによって行われ得る。記載した方法やそれに伴う動作はまた、この出願において記載した順序に加えて様々な順序で、並行して、および/または同時に、行われてもよい。記載されたシステムは、例示の性質を帯びるものであり、追加の要素を含み得、および/または要素を省略してもよい。本開示の主題は、様々なシステムや構成の全ての新規かつ非自明の組み合わせおよび部分的な組み合わせ、ならびに開示された他の機構、機能、および/または特性を含む。
【0094】
この出願で使用されるとき、単数で列挙され、用語「a」または「an」で進めた要素またはステップは、このような除外が規定されない限り、複数のその要素またはステップを除外しないとして理解されるべきである。その上、本開示の「一実施形態」または「一例」への参照は、列挙した機構も組み込む追加の実施形態の存在を排除するとして解釈されることを意図されない。「第1の」、「第2の」、および「第3の」等の用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象について数的な要求または特定の位置的順序を強要することを意図されない。以下の特許請求の範囲は、特に、新規かつ非自明であるとみなされる上記開示からの主題を示す。
図1
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図8