(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上下方向に延びる第1流路と、前記第1流路の上方において前記第1流路に交差する方向に延びる第2流路と、前記第1流路の上方に形成される開口部と、を有する本体と、
前記本体の前記開口部に配置されると共に、前記第1流路と前記第2流路とを連通し且つ前記開口部を閉鎖する第1位置と、前記第1流路が前記開口部を介して大気に開放される第2位置と、の間を移動可能な流路切換部材と、
前記流路切換部材を前記第1位置と前記第2位置との間を移動可能に保持する保持部材と、
前記流路切換部材と前記開口部との間の隙間を通して溢れる溢れ水を外部に導出する導出口を有し、前記本体に対して回転可能に前記本体または前記保持部材に取り付けられる溢れ水導出部材と、を備え、
前記保持部材には、前記溢れ水導出部材の上端と隙間を開けて対向するように、蓋体が取り付けられており、
前記溢れ水導出部材は、該溢れ水導出部材が上方へ移動した際、前記蓋体と当接して上方への移動が規制されるバキュームブレーカ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の汚物流しユニット1の好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る汚物流しユニット1を示す斜視図である。なお、以下の説明において、左右の向きは、ライニング10の前面10aに対面した場合における横方向の左右の向きであり、上下の向きは、鉛直方向に沿った上下の向きである。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の汚物流しユニット1は、箱状のライニング10と、ボウル部20と、洗浄水タンク30と、バキュームブレーカ40と、電気温水器50と、吐水管60と、操作ハンドル65と、を備える。
ライニング10は、ボウル部20の後方に配置される。ライニング10は、少なくとも前面10a、側面10b及び上面10cを有する箱状に構成される。
【0019】
ライニング10は、骨格を構成するフレーム部(図示せず)と、フレーム部に取り付けられる複数の板状部材11と、巾木12と、を含んで構成される。
複数の板状部材11は、ライニング10の前面10aを構成する前板101と、ライニング10の側面10bを構成する側板102と、ライニング10の上面10cを構成する甲板103と、により構成される。
巾木12は、帯状の板部材により構成され、フレーム部の下部に、床面に沿うように取り付けられる。
【0020】
ボウル部20は、ライニング10の前板101の前側かつ下方に配置される。ボウル部20は、上方に開口する上部開口201を有する。ボウル部20は、後述する吐水管60の吐水口611から吐出された水を受ける。
【0021】
洗浄水タンク30は、
図1に示すように、ライニング10の内部であって、前板101の後方かつボウル部20よりも上方に配置される。
洗浄水タンク30は、タンク本体31と、蓋部32と、を備える。
タンク本体31は、上面が開口した箱状に形成され、ボウル部20を洗浄する洗浄水を貯留する。
蓋部32は、タンク本体31の上面に配置され、タンク本体31の上面を覆う。この蓋部32は、上方に開口した受入口としての排水導入開口301(
図6A、
図6B、
図7A及び
図7B参照)を有する。排水導入開口301は、洗浄水タンク30の内部に水を受け入れる開口である。
【0022】
電気温水器50は、ライニング10の内部の右側であって、前板101の後方かつ下方に配置される。電気温水器50は、汚物流しユニット1に供給される水を加温する。なお、本実施形態においては、電気温水器50により加温された水について、電気温水器50の説明においては、湯という場合もあり、操作ハンドル65やバキュームブレーカ40や吐水管60の説明においては、水という場合もある。
【0023】
電気温水器50は、ケーシング51と、給水導入口52と、給湯導出口53と、給水導出口54と、膨張水排出口55と、貯湯部(図示せず)と、を備える。ケーシング51の内部には、供給された水を加熱して湯として貯留する貯湯部(図示せず)などが配置される。
【0024】
給水導入口52は、電気温水器50の内部に水を導入する。給水導入口52には、止水栓(図示せず)を介して水道管に接続された給水導入ホース521が接続される。
給湯導出口53は、電気温水器50により加熱して貯留された湯を導出する。給湯導出口53には、操作ハンドル65(後述)の開閉機構651に接続された出湯ホース531が接続される。
【0025】
給水導出口54は、給水導入口52から導入された水を、加熱せずに、水のままで導出する。給水導出口54には、操作ハンドル65(後述)の開閉機構651に接続された出水ホース541が接続される。
膨張水排出口55は、加熱の際に生じる膨張水を、膨張水排出ホース551を介して、洗浄水タンク30に排出する。膨張水排出口55には、洗浄水タンク30に接続された膨張水排出ホース551が接続される。洗浄水タンク30に排出された膨張水は、蓋部32の排水導入部を介して、洗浄水タンク30の内部に導入されて貯留される。
【0026】
吐水管60は、吐水管固定用穴(図示せず)を介して、ボウル部20の上方において、ライニング10の前板101に取り付けられる。吐水管60は、ライニング10の前板101の前側において、前方側に配置される吐水管本体61と、後方側に配置されライニング10の前板101に接続されるガイド管62と、を有する。
【0027】
吐水管本体61は、ボウル部20に向けて水が吐出される部分であり、ガイド管62から取り外し可能である。
吐水管本体61の先端には、下方に向くように開口する吐水口611が形成される。吐水口611は、ボウル部20に向けて水を吐出する。
吐水管本体61は、後端側において、ライニング10の内部から引き出し可能な吐水ホース63に接続される。ガイド管62は、ライニング10の内部から引き出される吐水ホース63をガイドする。
【0028】
吐水ホース63の吐水管本体61とは反対側の端部には、ライニング10の内部において、後述する操作ハンドル65の開閉機構651が接続される。吐水ホース63における吐水管60と操作ハンドル65の開閉機構651との間には、後述するバキュームブレーカ40が設けられる。
【0029】
吐水ホース63の内部には、操作ハンドル65が閉状態から開状態に操作されることで、電気温水器50から導出された湯又は水が、操作ハンドル65の開閉機構651から吐水口611に向けて流通する。吐水ホース63は、吐水流路を構成する。吐水ホース63は、例えば、フレキシブルな金属製のホースである。
【0030】
操作ハンドル65は、操作ハンドル固定用穴(図示せず)を介して、ボウル部20の上方において、ライニング10の前板101に取り付けられる。操作ハンドル65の開閉機構651は、ライニング10の前板101の裏側に配置され、操作ハンドル65により操作される。
【0031】
操作ハンドル65の開閉機構651は、吐水ホース63で構成される吐水流路を開閉する。つまり、操作ハンドル65を操作することにより、開閉機構651が開閉され、吐出流路が開かれた状態と、吐出流路が閉じられた状態と、に切り換えることができる。また、操作ハンドル65の開閉機構651の開閉において、吐出流路が開かれた状態には、完全に開かれた状態と、途中まで開かれた状態と、がある。
操作ハンドル65の開閉機構651により吐水流路が開かれた場合又は途中まで開かれた場合には、開閉機構651の開状態の程度に応じて、吐水管60の吐水口611から水量が調整された水が吐出される。開閉機構651により吐水流路が閉じられた場合には、吐水管60の吐水口611から水が吐出されない。
【0032】
バキュームブレーカ40は、ライニング10の内部であって、洗浄水タンク30の右側に配置される。バキュームブレーカ40は、吐水ホース63で構成される吐水流路における操作ハンドル65の開閉機構651と吐水口611との間に配置される。バキュームブレーカ40は、給水時に水圧で吐水口611側に水を供給し、給水の上流側流路が負圧となったときに負圧を解消するために大気に開放するように構成されている。
【0033】
次に、バキュームブレーカ40の詳細について、図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明の第1実施形態のバキュームブレーカ40を示す斜視図である。
図3は、本発明の第1実施形態のバキュームブレーカ40を示す分解斜視図である。
図4は、本発明の第1実施形態のバキュームブレーカ40を示す断面図であって、流路切換部材44が第2位置に位置する場合を示す図である。
図5は、本発明の第1実施形態のバキュームブレーカ40を示す断面図であって、流路切換部材44が第1位置に位置する場合を示す図である。
図6Aは、本発明の第1実施形態の汚物流しユニット1において、洗浄水タンク30の右側にバキュームブレーカ40が配置される場合を示す側面図である。
図6Bは、本発明の第1実施形態の汚物流しユニット1において、洗浄水タンク30の右側にバキュームブレーカ40が配置される場合を示す平面図である。
【0034】
バキュームブレーカ40は、
図2〜
図5に示すように、本体41と、流路切換部材44と、保持部材としての溢れ水収容部材45と、溢れ水導出部材46と、蓋体47と、を備える。
本体41は、導入管42と、分岐部材43と、を有する。
【0035】
導入管42は、バキュームブレーカ40の下部に配置される。導入管42は、上下方向に延びて形成され、上下方向に貫通する管状に形成される。導入管42は、導入口421と、導出口422と、を有する。
【0036】
導入口421は、
図3及び
図4に示すように、導入管42の下端部の内面に囲まれる部分であり、下方に開口する。導入口421には、開閉機構651(
図1参照)が開かれるように操作ハンドル65(
図1参照)が操作されることで、電気温水器50からの水が、導入される。導出口422は、導入管42の上端部の内面に囲まれる部分であり、上方に開口する。導出口422からは、導入管42の内部を流通する水が導出される。
【0037】
導入管42を貫通して上下方向に延びる内部空間は、
図4に示すように、第1流路R1を構成する。第1流路R1は、上下方向に延びる。第1流路R1には、導入管42の下方から上方に向けて水が流通する。つまり、第1流路R1には、導入口421から導入された水が導出口422へ向けて流通する。
【0038】
導入管42の上端面42aには、
図3及び
図4に示すように、切欠部423が形成される。切欠部423は、導入管42の上端面42aから一部が窪む凹状に形成される。
【0039】
導入管42の外面には、
図3及び
図4に示すように、導入管フランジ部424と、導入管溝部425と、が形成されている。導入管フランジ部424は、導入管42の上下方向の略中央において、導入管42の外面から径方向に突出する略円板状に形成される。導入管溝部425は、導入管フランジ部424よりも上方において、導入管42の外面において周方向の全域に亘って溝状に形成される。導入管溝部425には、第1Oリング71が取り付けられている。
【0040】
分岐部材43は、
図3及び
図4に示すように、上下方向に延びて形成され、上下方向に貫通する筒状に形成されると共に、左側の側方に開口する。分岐部材43は、導入管42の上方側を外方から覆うように、導入管42の上方において導入管42に外挿される。分岐部材43は、分岐部材43と導入管42との間に第1Oリング71を配置した状態で、かつ、分岐部材43の下端部が導入管42の導入管フランジ部424の上面に当接した状態で、導入管42に接続される。分岐部材43は、導入管42に対して回転しない状態で、導入管42に接続される。
【0041】
分岐部材43は、
図4に示すように、その上端面43aが導入管42の上端面42aの位置よりも上方に位置するように形成されている。これにより、分岐部材43の上端部には、導入管42の上端面42aと分岐部材43の上端面43aとの間において、後述する分岐部材上部開口部(開口部)432が形成される。
【0042】
分岐部材43は、
図3及び
図4に示すように、分岐部材下部開口部431と、分岐部材上部開口部432と、分岐部材側部開口部433と、を有する。
【0043】
分岐部材下部開口部431は、分岐部材43の下端部の内面で囲まれる部分であり、下方に開口する。分岐部材下部開口部431には、導入管42の上方側が挿入される。
【0044】
分岐部材上部開口部432は、第1流路R1の上方に形成される。分岐部材上部開口部432は、上述した通り、導入管42の上端面42aと分岐部材43の上端面43aとの間において、分岐部材43の上端部の内面で囲まれる部分であり、上方に開口する。分岐部材上部開口部432は、段差形状に形成される。すなわち、分岐部材上部開口部432は、上端部に形成される大径開口部432aと、大径開口部432aの下方に連続して形成される大径開口部432aよりも径が小さい小径開口部432bと、を有する。大径開口部432aと小径開口部432bとの境界には、大径開口部432aの外縁において、水平方向に環状に広がる段差面435が形成される。分岐部材上部開口部432には、後述する流路切換部材44及び溢れ水収容部材45の下部が配置される。
【0045】
分岐部材側部開口部433は、分岐部材43の上下方向の略中央において、分岐部材下部開口部431及び分岐部材上部開口部432に連通し、左側の側方に開口する。
分岐部材43が導入管42に取り付けられた状態において、導入管42の上部の外面と分岐部材43と導入管42との間には、連通空間434が形成されている。分岐部材上部開口部432と連通空間434と分岐部材側部開口部433とは連通している。
【0046】
分岐部材側部開口部433は、第2流路R2を構成する。第2流路R2は、第1流路R1の上方において第1流路R1に交差する略水平方向の左側に延びる。第2流路R2には、第1流路R1を流通して導入管42の導出口422から導出された水が、連通空間434を通って、流通する。
【0047】
流路切換部材44は、
図3及び
図4に示すように、分岐部材43の分岐部材上部開口部432に配置される。流路切換部材44は、導入管42の上端面43aよりも上方に配置される。流路切換部材44は、円板状の円板状底部441と、円板状底部441から上方に立ち上げられた平面視で十字状の立上十字状部442と、を有する。流路切換部材44は、円板状底部441及び立上十字状部442が、この順に、下方から上方に、連続して形成される。円板状底部441の外径の大きさは、導入管42の上端部の外径よりも大きい。流路切換部材44は、例えば、樹脂材料により形成される。
【0048】
流路切換部材44は、第1位置(
図5参照)と第2位置(
図4参照)との間を移動可能に、分岐部材43の分岐部材上部開口部432に配置された状態で、溢れ水収容部材45(後述)により保持される。
【0049】
流路切換部材44の第1位置は、操作ハンドル65の開閉機構651により吐出流路が完全に開かれた場合において、流路切換部材44が配置される位置である。
流路切換部材44の第1位置は、
図5に示すように、流路切換部材44が第1流路R1を流通される水の水圧により押圧されて、流路切換部材44の円板状底部441の上面の外縁部が、溢れ水収容部材45(後述)の溢れ水導入開口部453(後述)の周縁部に当接する位置である。流路切換部材44における第1位置は、第1流路R1と第2流路R2とを連通し、且つ、分岐部材上部開口部432を閉鎖する。流路切換部材44における第1位置においては、第1流路R1と第2流路R2とが連通し、且つ、分岐部材上部開口部432を閉鎖することで、第1流路R1から第2流路R2へ水が流通する。
【0050】
流路切換部材44の第2位置は、操作ハンドル65の開閉機構651により吐出流路が閉じられた場合において、流路切換部材44が配置される位置である。
流路切換部材44の第2位置は、
図4に示すように、流路切換部材44の第1位置よりも下方の位置である。流路切換部材44の第2位置は、流路切換部材44の円板状底部441の上面の外縁部が、溢れ水収容部材45(後述)の溢れ水導入開口部453(後述)の周縁部から離間し、且つ、流路切換部材44の下端部が導入管42の上端面42aに当接している位置である。流路切換部材44における第2位置においては、第1流路R1と第2流路R2との水の流通を遮断し、且つ、第1流路R1が分岐部材43の分岐部材上部開口部432及び切欠部423を介して大気に開放される。これにより、第1流路R1が負圧であっても、第1流路R1には外部から空気が導入され、第1流路R1の負圧が解消される。
なお、流路切換部材44が第2位置に位置する場合において、第1流路R1が大気に開放される構成の詳細については、後述する。
【0051】
流路切換部材44における第1位置と第2位置との間の位置は、操作ハンドル65の開閉機構651により吐出流路が途中まで開かれた場合において、流路切換部材44が配置される位置である。
流路切換部材44が第1位置(
図5参照)と第2位置(
図4参照)との間の位置に位置する場合には、流路切換部材44は、導入管42と溢れ水収容部材45(後述)との間に位置し、導入管42の上端面42a及び溢れ水収容部材45(後述)の下端部から離間している。この場合には、第1流路R1と第2流路R2と溢れ水導入開口部453(後述)とは、連通している。そのため、流路切換部材44が第1位置と第2位置との間の位置に位置する場合には、第1流路R1から第2流路R2に向けて流通される水のうち、流路切換部材44と溢れ水収容部材45の溢れ水導入開口部453との間の隙間を通して溢れる溢れ水が、溢れ水収容空間451(後述)に向けて流通される。
【0052】
溢れ水収容部材45は、
図3及び
図4に示すように、上下方向に貫通する筒状に形成される。溢れ水収容部材45の下部は、分岐部材43の分岐部材上部開口部432に流路切換部材44を配置した状態で、流路切換部材44を第1位置と第2位置との間に移動可能な状態で保持するように、分岐部材43の分岐部材上部開口部432に挿入される。
【0053】
溢れ水収容部材45は、溢れ水収容部材45と分岐部材43との間に第2Oリング72(後述)を配置した状態で、かつ、溢れ水収容部材45の収容部材フランジ部454(後述)の下端面が分岐部材43の段差面435に当接した状態で、分岐部材43に接続される。溢れ水収容部材45は、分岐部材43に対して回転しない状態で、分岐部材43に接続される。
【0054】
溢れ水収容部材45は、流路切換部材44を第1位置と第2位置との間を移動可能に、流路切換部材44を保持する。溢れ水収容部材45の下部には、第1流路R1の上方において、溢れ水収容空間451に連通する溢れ水導入開口部453が形成される。
【0055】
溢れ水導入開口部453は、溢れ水収容部材45の下部に形成され、下方に開口する。溢れ水収容部材45の下部は、分岐部材43の分岐部材上部開口部432に配置されている。溢れ水導入開口部453には、流路切換部材44が、第1位置と第2位置との間を上下方向に移動可能な状態で配置される。
【0056】
溢れ水導入開口部453は、上方側に形成されると共に溢れ水収容空間451の径よりも径が小さい円筒状の上部筒状開口部453aと、下方に向かうに従って径が大きくなる円錐状の円錐開口部453bと、下方側に形成されると共に上部筒状開口部453aの径よりも径が大きい円筒状の下部筒状開口部453cと、が、上方から下方に向けて、この順で、連続して形成される。溢れ水導入開口部453の上部筒状開口部453aの径の大きさは、流路切換部材44が上下方向に移動可能となるように、流路切換部材44の立上十字状部442の外径と同等であるか又は立上十字状部442の外径よりも僅かに大きい。
【0057】
溢れ水収容部材45の上方には、溢れ水収容空間451が形成される。溢れ水収容空間451は、溢れ水導入開口部453と連通する。溢れ水収容空間451は、溢れ水収容部材45の上端部の内面に囲まれる部分であり、上方に開放した筒状の空間である。溢れ水収容空間451は、第1流路R1から第2流路R2に向けて流通される水のうち、流路切換部材44と溢れ水導入開口部453との間の隙間を通して溢れる溢れ水を、収容可能である。
【0058】
溢れ水収容部材45には、所定高さにおいて、互いに対向して略水平方向に貫通する一対の溢れ水連通孔452が形成されている。一対の溢れ水連通孔452は、溢れ水収容空間451と溢れ水導出部材46(後述)との内部とを連通させる。一対の溢れ水連通孔452は、溢れ水収容空間451に収容された溢れ水が一対の溢れ水連通孔452の高さまで上昇した場合に、溢れ水収容空間451に収容された溢れ水を、溢れ水導出部材46(後述)側に通過させる。
【0059】
溢れ水収容部材45の外面には、収容部材フランジ部454と、第1収容部材溝部455と、第2収容部材溝部456と、が形成されている。
収容部材フランジ部454は、溢れ水収容部材45の下方において、溢れ水収容部材45の外面から径方向に突出する略円板状に形成される。
第1収容部材溝部455は、収容部材フランジ部454よりも下方において、溢れ水収容部材45の外面において周方向の全域に亘って溝状に形成される。第1収容部材溝部455には、第2Oリング72が取り付けられている。
【0060】
第2収容部材溝部456は、収容部材フランジ部454よりも上方において、溢れ水収容部材45の外面において周方向の全域に亘って溝状に形成される。第2収容部材溝部456は、第1収容部材溝部455よりも幅が広く且つ窪みの深さが深い溝状に形成される。第2収容部材溝部456には、第2Oリング72よりも太い第3Oリング73(シール部材)が取り付けられている。
【0061】
溢れ水収容部材45の上端部には、後述する蓋体47が取り付けられる。溢れ水収容部材45の上端部の内周面には、収容部材ネジ部457が形成される。溢れ水収容部材45の収容部材ネジ部457は、後述する蓋体47の下端部の外周面に形成される蓋体ネジ部473に螺合している。これにより、溢れ水収容部材45の上端部には、後述する溢れ水導出部材46が溢れ水収容部材45に取り付けられた状態で、後述する蓋体47が接続される。
【0062】
溢れ水導出部材46は、
図3及び
図4に示すように、上下方向に延びて形成され、上下方向に貫通する筒状に形成されると共に、左側の側方に開口する。溢れ水導出部材46は、溢れ水収容部材45の上部を外方から覆うように、溢れ水収容部材45の上部において溢れ水収容部材45に外挿される。溢れ水導出部材46は、溢れ水導出部材46と溢れ水収容部材45との間に第3Oリング73(シール部材)を配置した状態で、かつ、溢れ水導出部材46の下端部が溢れ水収容部材45の収容部材フランジ部454に当接した状態で、回転可能に、溢れ水収容部材45に接続される。
【0063】
具体的には、溢れ水導出部材46は、第3Oリング73により溢れ水収容部材45との密閉状態を保持した状態で、本体41(導入管42及び分岐部材43)に対して回転可能に、溢れ水収容部材45に接続される(取り付けられる)。
【0064】
詳細には、第3Oリング73は、溢れ水導出部材46が溢れ水収容部材45に対して回転可能な太さで、かつ、溢れ水収容部材45との密閉状態を保持する太さで形成された状態で、溢れ水導出部材46と溢れ水収容部材45との間において、第2収容部材溝部456に配置される。このように、溢れ水導出部材46は、第3Oリング73を介して、溢れ水収容部材45に対して回転可能に取り付けられている。ここで、溢れ水収容部材45は、本体41(導入管42及び分岐部材43)に対して回転しない。そのため、溢れ水導出部材46は、第3Oリング73を介して、本体41(導入管42及び分岐部材43)に対して回転可能である。
【0065】
溢れ水導出部材46は、
図3及び
図4に示すように、導出上部筒状部461と、導出中間筒状部462と、導出下部筒状部463と、を備える。導出上部筒状部461、導出中間筒状部462及び導出下部筒状部463は、この順に、上方から下方に、連続して形成される。
【0066】
導出上部筒状部461は、溢れ水導出部材46の上端部に配置され、円筒形状に形成される。
導出中間筒状部462は、導出上部筒状部461の下端部に連続して形成され、導出上部筒状部461の径よりも大きい径の円筒形状から右側の部分を直線状に切断した形状に形成される。
導出下部筒状部463は、導出中間筒状部462の下端部に連続して形成され、溢れ水導出部材46の下端部に配置される。導出下部筒状部463は、導出上部筒状部461と同じ径の円筒形状に形成される。
【0067】
溢れ水導出部材46は、
図4に示すように、溢れ水導出部材46が溢れ水収容部材45に取り付けられた状態において、溢れ水導出部材46の上端面46aが溢れ水収容部材45の上端面45aの位置よりも上方に位置するように形成されている。また、溢れ水導出部材46が溢れ水収容部材45に取り付けられた状態において、溢れ水収容部材45の上端部において、溢れ水収容部材45の外面と溢れ水導出部材46の内面との間には、隙間が形成されている。
【0068】
溢れ水導出部材46は、導出部材上部開口部464と、導出部材下部開口部465と、導出口としての導出開口部466と、を有する。導出部材上部開口部464、導出部材下部開口部465及び導出開口部466は、連通する。
【0069】
導出部材上部開口部464は、導出上部筒状部461の内面で囲まれる部分であり、上方に開口する。導出部材上部開口部464には、蓋体47が挿入される。
導出部材下部開口部465は、導出下部筒状部463の内面で囲まれる部分であり、下方に開口する。導出部材下部開口部465には、溢れ水収容部材45が挿入される。
【0070】
導出開口部466は、導出中間筒状部462の側部に形成され、左側の側方に開口する。導出開口部466は、溢れ水導出部材46が溢れ水収容部材45に取り付けられた状態において、溢れ水収容部材45の一対の溢れ水連通孔452を介して、溢れ水収容部材45の溢れ水収容空間451に連通し、溢れ水収容空間451に収容された溢れ水を外部に導出する。
【0071】
蓋体47は、溢れ水導出部材46の上端部の外径よりも水平方向に広い略円板状の天板471と、天板471から下方に延びる筒状部材472と、を有する。筒状部材472の下端部の外周面には、蓋体ネジ部473が形成される。
【0072】
蓋体47は、溢れ水導出部材46が溢れ水収容部材45に対して回転可能に取り付けられた状態で、溢れ水収容部材45に取り付けられる。蓋体47は、蓋体47の蓋体ネジ部473を溢れ水収容部材45の上端部の内周面に形成される収容部材ネジ部457に螺合することで、溢れ水収容部材45に取り付けられる。
【0073】
蓋体47が溢れ水収容部材45に取り付けられた状態において、上下方向における蓋体47の天板471の外縁部と溢れ水収容部材45の収容部材フランジ部454との間には、溢れ水導出部材46が回転可能に配置される。ここで、天板471が溢れ水導出部材46の上端部の外径よりも水平方向に広い略円板状に形成されるため、蓋体47の天板471の外縁部は、溢れ水導出部材46の上方への移動を規制する。よって、蓋体47を溢れ水収容部材45に取り付けることにより、溢れ水導出部材46は、溢れ水収容部材45から外れることが抑制される。
【0074】
また、蓋体47が溢れ水収容部材45に取り付けられた状態において、溢れ水導出部材46の上端部の内面と蓋体47の筒状部材472の外面との間には、隙間が形成されている。また、溢れ水導出部材46の上端面46aと蓋体47の天板471の下面との間には、外部に連通する隙間が形成されている。このため、溢れ水導出部材46と蓋体47との間の隙間は、外部と連通する。
【0075】
このように構成されるバキュームブレーカ40において、流路切換部材44が第2位置に位置する場合において、第1流路R1が大気に開放される構成の詳細について説明する。
流路切換部材44の第2位置は、
図4に示すように、流路切換部材44の円板状底部441の上面の外縁部が、溢れ水収容部材45の溢れ水導入開口部453の周縁部から離間し、且つ、流路切換部材44の下端部が導入管42の上端部に当接している位置である。
【0076】
この場合において、
図4に示すように、溢れ水導出部材46と蓋体47との間には、外部と連通する隙間が形成されている。溢れ水導出部材46と蓋体47との間の隙間は、溢れ水収容部材45と溢れ水導出部材46との間の隙間に連通する。溢れ水収容部材45と溢れ水導出部材46との間の隙間は、一対の溢れ水連通孔452に連通する。一対の溢れ水連通孔452は、溢れ水収容部材45の溢れ水収容空間451に連通する。溢れ水収容部材45の溢れ水収容空間451は、流路切換部材44と溢れ水収容部材45の溢れ水導入開口部453との間の隙間に連通する。流路切換部材44と溢れ水収容部材45の溢れ水導入開口部453との間の隙間は、導入管42の上端面42aに形成される切欠部423に連通して、第1流路R1に連通する。
【0077】
そのため、流路切換部材44が第2位置に位置する場合には、第1流路R1には、外部からの空気が、溢れ水導出部材46と蓋体47との隙間、溢れ水収容部材45と溢れ水導出部材46との間の隙間、溢れ水収容部材45の一対の溢れ水連通孔452、溢れ水収容部材45の溢れ水収容空間451、流路切換部材44と溢れ水収容部材45の溢れ水導入開口部453との間の隙間、及び、切欠部423を通って、吸引可能となる。これにより、流路切換部材44が第2位置に位置する場合には、第1流路R1は、大気に開放される。
【0078】
以上のように構成される第1実施形態のバキュームブレーカ40において、溢れ水を外部に導出する導出開口部466には、
図4に示すように、溢れ水導出流路としての溢れ水導出流路管80が接続されている。溢れ水導出流路管80は、接続管81と、導出流路管本体82と、からなる。溢れ水導出流路管80は、直線状に延びる管状に形成される。導出開口部466と溢れ水導出流路管80との間には、第4Oリング74が配置されている。
【0079】
第1実施形態のバキュームブレーカ40は、
図6A及び
図6Bに示すように、洗浄水タンク30の右側に配置されている。導出開口部466に接続された溢れ水導出流路管80は、洗浄水タンク30の排水導入開口301に向けて直線状に延びる。
ここで、溢れ水導出部材46が回転可能に構成されるため、バキュームブレーカ40の溢れ水導出部材46を回転させることで、溢れ水を外部に導出する導出開口部466の向きを洗浄水タンク30に向くように配置できる。そのため、バキュームブレーカ40の配置の自由度を向上できる。
【0080】
また、溢れ水導出流路管80は、洗浄水タンク30の上方に溢れ水排出開口部801が位置し、導出開口部466から溢れ水排出開口部801に向けて下り傾斜になるように直線状に延びている。そのため、導出開口部466から排出される溢れ水を、洗浄水タンク30に、確実に排出することができる。
【0081】
なお、
図7A及び
図7Bに示すように、汚物流しユニット1の製品仕様等により、バキュームブレーカ40が、洗浄水タンク30の左側に配置される場合もある。
図7Aは、本発明の第1実施形態の変形形態であって、洗浄水タンク30の左側にバキュームブレーカ40が配置される場合を示す側面図である。
図7Bは、本発明の第1実施形態の変形形態であって、洗浄水タンク30の左側にバキュームブレーカ40が配置される場合を示す平面図である。
【0082】
図7A及び
図7Bに示すように、バキュームブレーカ40が洗浄水タンク30の左側に配置される場合において、溢れ水導出部材46が回転可能に構成される。そのため、溢れ水導出部材46を回転させることで、溢れ水を外部に導出する導出開口部466の向きを洗浄水タンク30に向くように配置できる。従って、バキュームブレーカ40の配置の自由度を向上できる。
【0083】
次に、上記のように構成されるバキュームブレーカ40の動作について説明する。
操作ハンドル65の開閉機構651が閉じているときには、流路切換部材44は、第2位置に位置している。
図4に示すように、流路切換部材44における第2位置は、流路切換部材44の円板状底部441の上面の外縁部が、溢れ水収容部材45の溢れ水導入開口部453の周縁部から離間し、且つ、流路切換部材44の下端部が導入管42の上端面42aに当接している位置である。この状態では、第1流路R1は、分岐部材43の分岐部材上部開口部432及び切欠部423を介して大気に開放される。
【0084】
具体的には、流路切換部材44が第2位置に位置する場合において、第1流路R1は、切欠部423、流路切換部材44と溢れ水収容部材45の溢れ水導入開口部453との間の隙間、溢れ水収容部材45の溢れ水収容空間451、溢れ水収容部材45の一対の溢れ水連通孔452、溢れ水収容部材45と溢れ水導出部材46との間の隙間、及び、溢れ水導出部材46と蓋体47との隙間を介して、大気に開放される。
【0085】
また、操作ハンドル65の開閉機構651が全部開かれたときには、流路切換部材44は、第1位置に位置している。
図5に示すように、流路切換部材44における第1位置は、流路切換部材44が第1流路R1を流通される水の水圧により押圧されて、流路切換部材44の円板状底部441の上面の外縁部が、溢れ水収容部材45の溢れ水導入開口部453の周縁部に当接する位置である。この状態では、第1流路R1と第2流路R2とが連通し、且つ、分岐部材上部開口部432を閉鎖することで、導入管42に導入された水は、第1流路R1から連通空間434を介して第2流路R2へ流通する。
【0086】
また、操作ハンドル65の開閉機構651が途中まで開かれたときには、流路切換部材44は、第1位置と第2位置との間の位置に位置している。流路切換部材44における第1位置と第2位置との間の位置は、導入管42と溢れ水収容部材45との間に流路切換部材44が位置し、導入管42の上端部及び溢れ水収容部材45の下端部から流路切換部材44が離間する位置である。
【0087】
流路切換部材44が第1位置と第2位置との間の位置に位置する場合には、第1流路R1と第2流路R2と溢れ水導入開口部453とが連通している。そのため、流路切換部材44が第1位置と第2位置との間に位置する場合には、第1流路R1から第2流路R2に向けて流通される水のうち、流路切換部材44と溢れ水収容部材45の溢れ水導入開口部453との間の隙間を通して溢れる溢れ水は、溢れ水収容空間451に向けて流通されて、溢れ水収容空間451に収容される。
【0088】
そして、溢れ水収容空間451に収容された溢れ水は、一対の溢れ水連通孔452を通り、溢れ水収容部材45と溢れ水導出部材46との間の空間を通り、導出開口部466から排出される。
導出開口部466から排出された溢れ水は、
図6A及び
図6Bに示すように、溢れ水導出流路管80を通って、洗浄水タンク30に排出される。
【0089】
ここで、吐水口611がボウル部20の水中に水没した状態で、且つ、操作ハンドル65の開閉機構651が開かれた状態で、第1流路R1の上流で配管工事が行われたとする。第1流路R1の上流で配管工事が行われた場合に、第1流路R1が負圧になることがある。このような場合に、操作ハンドル65の開閉機構651が途中まで開かれていると、従来のようにバキュームブレーカを備えていない場合には、ボウル部20に貯留された水が、第1流路R1の負圧により吐水口611から第1流路R1に吸い込まれてしまう(逆流する)ことがあった。
【0090】
しかしながら、バキュームブレーカ40を備える本発明においては、吐水口611がボウル部20の水中に水没した状態で、且つ、操作ハンドル65の開閉機構651が途中まで開かれた状態で、第1流路R1が負圧になった場合において、流路切換部材44は、第1流路R1の負圧により、第1位置と第2位置との間の位置から、第2位置に移動する。
【0091】
ここで、流路切換部材44が第2位置(
図4参照)に位置する場合には、第1流路R1は、大気に開放される。具体的には、第1流路R1は、切欠部423、流路切換部材44と溢れ水収容部材45の溢れ水導入開口部453との間の隙間、溢れ水収容部材45の溢れ水収容空間451、溢れ水収容部材45の一対の溢れ水連通孔452、溢れ水収容部材45と溢れ水導出部材46との間の隙間、及び、溢れ水導出部材46と蓋体47との隙間を介して、大気に開放される。
【0092】
そのため、第1流路R1が負圧になった場合に、第1流路R1は外部の空気を吸引して、第1流路R1の負圧が解消される。その結果、ボウル部20に貯留された水が、吐水口611から第1流路R1に吸い込まれてしまうことはない(逆流しない)。
【0093】
以上説明した第1実施形態のバキュームブレーカ40及び汚物流しユニット1によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態のバキュームブレーカ40は、上下方向に延びる第1流路R1と、第1流路R1に交差する方向に延びる第2流路R2と、第1流路R1の上方に形成される分岐部材上部開口部432と、を有する本体41と、第1流路R1と第2流路R2とを連通し且つ分岐部材上部開口部432を閉鎖する第1位置と、第1流路R1が分岐部材上部開口部432を介して大気に開放される第2位置と、の間を移動可能な流路切換部材44と、流路切換部材44を第1位置と第2位置との間を移動可能に保持する溢れ水収容部材45と、流路切換部材44と分岐部材上部開口部432との間の隙間を通して溢れる溢れ水を外部に導出する導出開口部466を有し、本体41に対して回転可能に溢れ水収容部材45に取り付けられる溢れ水導出部材46と、を備える。
【0094】
そのため、溢れ水導出部材46を回転させることで、導出開口部466の向きを変更することができる。従って、バキュームブレーカ40の配置の自由度を向上できる。また、メンテナンス等で溢れ水導出流路管80が邪魔になったときにも、簡単によけることができる。
【0095】
また、本実施形態においては、溢れ水収容部材45と溢れ水導出部材46との間に配置される第3Oリング73を更に備え、溢れ水導出部材46は、第3Oリング73により溢れ水収容部材45との密閉状態を保持した状態で本体41に対して回転可能に溢れ水収容部材45に接続される。これにより、溢れ水収容部材45と溢れ水導出部材46との間に第3Oリング73を配置するだけで、溢れ水導出部材46を、例えば、ネジ部材などの機構を使用しなくても、第3Oリング73により溢れ水収容部材45との密閉状態を保持した状態で、本体41に対して回転可能に、簡単に、着脱することができる。従って、溢れ水導出部材46を簡単に着脱することができるため、バキュームブレーカ40のメンテナンス性を向上できる。
【0096】
また、本実施形態の汚物流しユニット1は、吐水ホース63で構成される吐水流路において、操作ハンドル65の開閉機構651と吐水口611との間に配置されるバキュームブレーカ40を備える。そのため、吐水口611からの水の逆流を抑制できる。
【0097】
また、本実施形態においては、水を受け入れる排水導入開口301を有する洗浄水タンク30と、導出開口部466に接続されると共に、排水導入開口301に向けて延びる管状の溢れ水導出流路管80と、を備える。そのため、導出開口部466に、排水導入開口301に向けて延びる管状の溢れ水導出流路管80を接続することで、導出開口部466から排出される溢れ水を、洗浄水タンク30に、確実に排出することができる。
【0098】
次に、第2実施形態に係る汚物流しユニット1Aについて説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る汚物流しユニット1Aの配管構成を説明する図である。
第2実施形態の汚物流しユニット1Aは、第1実施形態に係る汚物流しユニット1と比べて、主に、バキュームブレーカ40Aから導出される溢れ水を排出する構成が異なる。第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態の構成と同一の構成については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0099】
第2実施形態の汚物流しユニット1Aは、
図8に示すように、主に、バキュームブレーカ40Aと、電気温水器50Aと、排水トラップ90と、を備える。
バキュームブレーカ40Aの導出開口部466は、第2溢れ水導出流路としての第1ゴムホース901を介して、三方継手91の第1接続口911に接続されている。第1ゴムホース901は、導出開口部466と三方継手91の第1接続口911とを接続する。第1ゴムホース901には、導出開口部466から導出される溢れ水が流通する。
【0100】
電気温水器50Aの膨張水排出口55は、膨張水排出流路としての第2ゴムホース902を介して、三方継手91の第2接続口912に接続されている。第2ゴムホース902は、膨張水排出口55と三方継手91の第2接続口912とを接続する。第2ゴムホース902には、電気温水器50Aから排出された膨張水が流通する。
【0101】
三方継手91の第3接続口913は、合流排出流路としての第3ゴムホース903を介して、排水トラップ90に接続されている。第3ゴムホース903は、三方継手91の第3接続口913と排水トラップ90とを接続する。第3ゴムホース903には、三方継手91を介して、第2ゴムホース902を流通する膨張水と第1ゴムホース901を流通する溢れ水とが合流して流通する。
排水トラップ90の入口は、第3ゴムホース903の下流側の端部に接続されている。排水トラップ90の出口は、下水管93に接続されている。
【0102】
このように構成される第2実施形態の汚物流しユニット1Aにおいては、バキュームブレーカ40Aの導出開口部466から導出された溢れ水と電気温水器50Aから排出された膨張水とは、三方継手91を介して合流される。三方継手91で合流された溢れ水及び膨張水は、排水トラップ90に向けて排出され、排水トラップ90を通り、下水管93に排出される。排水トラップ90においては、排水トラップ90の封水部に溜められる封水により、排水トラップ90の下流側に接続された下水管93の内部の臭気が上昇して室内に入り込むことが防止される。
【0103】
第2実施形態の汚物流しユニット1Aにおいても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。つまり、バキュームブレーカ40Aの溢れ水と電気温水器50Aの膨張水とを合流させて排出する構成においても、バキュームブレーカ40Aの配置の自由度を向上できる。
【0104】
次に、第3実施形態に係る汚物流しユニット1Bについて説明する。
図9は、本発明の第3実施形態に係る汚物流しユニット1Bの配管構成を説明する図である。
第3実施形態の汚物流しユニット1Bは、第1実施形態及び第2実施形態に係る汚物流しユニット1,1Aと比べて、主に、バキュームブレーカ40Bから導出される溢れ水を排出する構成が異なる。第3実施形態の説明にあたって、第1実施形態の構成と同一の構成については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0105】
第3実施形態の汚物流しユニット1Bは、
図9に示すように、主に、バキュームブレーカ40Bと、溢れ水排出金具94と、を備える。
バキュームブレーカ40Bの溢れ水の導出開口部466は、第4ゴムホース904を介して、溢れ水排出金具94に接続されている。第4ゴムホース904は、導出開口部466と溢れ水排出金具94とを接続する。
溢れ水排出金具94は、例えば、
図1における汚物流しユニット1において、溢れ水排出金具固定用穴(図示せず)を介して、ボウル部20の上方において、
図9に示すように、ライニング10の前板101に取り付けられる。
このように構成される第3実施形態の汚物流しユニット1Bにおいては、バキュームブレーカ40の導出開口部466から導出された溢れ水をボウル部20に排出することができる。
【0106】
第3実施形態の汚物流しユニット1Bにおいても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。つまり、バキュームブレーカ40Bの溢れ水をボウル部20に排出する構成においても、バキュームブレーカ40Bの配置の自由度を向上できる。
【0107】
以上、本発明のバキュームブレーカの好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態においては、バキュームブレーカを汚物流しユニットに適用したものについて説明したが、これに限られず、バキュームブレーカを汚物流しユニットとは異なる種類の流しユニットに適用してもよい。
【0108】
また、前記第1実施形態においては、バキュームブレーカの溢れ水を洗浄水タンク30に排出するように構成したが、これに限られず、バキュームブレーカの溢れ水を洗浄水タンクではない他のタンクに排出するように構成してもよい。
【0109】
また、前記実施形態においては、バキュームブレーカ40を、洗浄水タンク30の右側又は左側に配置したが、これに限られず、洗浄水タンク30の前側や後ろ側に配置してもよい。
【0110】
また、前記実施形態においては、溢れ水導出部材46を、溢れ水収容部材45に取り付けたが、これに限られず、本体41(導入管42、分岐部材43)に取り付けてもよい。