(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリアミドが、以下のモノマー:4.6、4.T、5.6、5.9、5.10、5.12、5.13、5.14、5.16、5.18、5.36、6、6.6、6.9、6.10、6.12、6.13、6.14、6.16、6.18、6.36、6.T、9、10.6、10.9、10.10、10.12、10.13、10.14、10.16、10.18、10.36、10.T、11、12、12.6、12.9、12.10、12.12、12.13、12.14、12.16、12.18、12.36、12.T、およびこれらの混合物の少なくとも1つを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の粉末の使用。
ポリアミドが、以下のモノマー:PA11、PA12、PA10.10、PA6、PA6.10、PA6.12、PA10.12、PA6.14および/またはPA6.6/6、PA11/10.10、およびこれらの混合物から選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載の粉末の使用。
少なくとも1つのコポリアミドが、PA6/6.6/12、PA6/6.6/11/12、PA6/12、PA6.9/12、PAPip.9/Pip.12/11、PA6/IPD.6/12、PA IPD.9/12、PA6/MPMD.12/12、PA6/6.12/12、PA6/Pip.12/12、PA6/6.6/6.10/6.I、PA6.10/Pip.10/Pip.12、PA6/11/12、PA Pip.12/12、PA IPD.10/12、PA Pip.10/12、PA6/11、PA Pip.10/11/Pip.9、PA6/6.6/6.10、およびこれらの混合物から選択される、請求項13に記載の粉末の使用。
中性または酸性pHを有する前記水性媒体が、水を含み、このうち最大10%が増粘剤と置き換えられてもよい、請求項17から20のいずれか一項に記載の組成物の使用。
請求項17から22のいずれか一項に記載の組成物の使用で用いられる組成物であって、前記組成物が、以下の製品から選択される着色、非着色および/または透明製品である、組成物:
ヒトの顔および体のためのメークアップ製品;
ヒトの顔および体のためのケア製品;
ヘア製品;および
香料製品。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書において、範囲を言及する場合に、「・・・から・・・までの範囲において」または「・・・から・・・までを含有する/を含む」という表現タイプは、範囲の限度を含むことに留意すべきである。対照的に、「・・・から・・・の間で(between・・・and・・・)」という表現タイプは、範囲の限度を排除する。
【0016】
故に、本発明は、ポリアミド粒子に基づく粉末に関し:
このポリアミドは、ポリアミドのアミンおよび酸末端基の総数のうち50mol%を超えるアミン末端基を含む;
この粒子は、リン系ブロンステッド酸(「酸P」)、好ましくはリン酸によって少なくとも部分的に中和される一級アミン基を、この表面に保持する;
粒子のD50は、100nmから50μm、好ましくは100nmから20μmの範囲である。
【0017】
「リン系ブロンステッド酸」は、リンを含むいずれかの酸を意味し、水性媒体中にプロトン、即ちH+イオンを与えることができることを意味する。リン系ブロンステッド酸は、特に、以下の酸:次亜リン酸H
3PO
2、亜リン酸H
3PO
3、リン酸H
3PO
4、過リン酸H
3PO
5およびこれらの誘導体、例えば次亜リン酸ナトリウムNaH
2PO
2、次亜リン酸カリウムKH
2PO
2、およびこれらの混合物の少なくとも1つを含む。好ましくはリン系ブロンステッド酸は、リン酸を含み、より好ましくはリン酸H
3PO
4からなる。
【0018】
有利には、本発明によるこのポリアミド粉末は、少なくとも1つのホモポリアミドおよび/または少なくとも1つのコポリアミド(COPA)を含む。
【0019】
有利には、このポリアミド粉末は、4から18個の炭素原子を含むアミノカルボン酸、好ましくはα,ω−アミノカルボン酸、4から36個の炭素原子を含むジアミン−二酸対、3から18個の炭素原子を含むラクタム、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマーを含む。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によれば、ポリアミドに基づくこの粒子は、少なくとも1つのポリアミドおよび/または少なくとも1つのコポリアミドおよび/またはこれらの混合物を含む。
【0021】
本発明の意味においてポリアミド(ホモポリアミドまたはコポリアミド)は、ラクタム、アミノ酸および/または二酸とジアミンの縮合生成物、概してアミド基によって共に結合されたユニットまたはモノマーによって形成されたいずれかのポリマーを意味する。
【0022】
ポリアミド粉末の本明細書における用語「モノマー」は、「繰り返しユニット」の意味において理解されなければならない。特定の場合は、ポリアミドの繰り返しユニットが、二酸とジアミンとの関連からなる場合である。これは、モノマーに対応するジアミンおよび二酸の関連、即ちジアミン−二酸対(等モル量にて)であることが考慮される。これは、二酸またはジアミンが個々に、自然に重合するのに不十分である1つの構造ユニットに過ぎないという事実によって説明される。本発明による粉末粒子が、「コモノマー」と呼ばれる少なくとも2つの異なるモノマー、即ち少なくとも1つのモノマーおよび少なくとも1つのコモノマー(第1のモノマーとは異なるモノマー)を含む場合に、これらは、COPAと略記されるコポリアミドのようなコポリマーを含む。
【0023】
コポリアミド(COPAと略記される。)は、以下から選択される少なくとも2つの異なるモノマーの重合生成物を意味する:
アミノ酸またはアミノカルボン酸タイプのモノマー、および好ましくはα,ω−アミノカルボン酸;
3から18個の炭素原子を主要環上に有し、可能性として置換されたラクタムタイプのモノマー;
4から36個の炭素原子、好ましくは4から18個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンと、4から36個の炭素原子、好ましくは4から18個の炭素原子を有するジカルボン酸との反応から得られる「ジアミン−二酸」タイプのモノマー;および
アミノ酸タイプのモノマーとラクタムタイプのモノマーとの混合物の場合に、異なる数の炭素を有するモノマーとのこれらの混合物。
【0024】
アミノ酸タイプのモノマー:
α,ω−アミノ酸の例としては、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、N−ヘプチル−11−アミノウンデカン酸および12−アミノドデカン酸のような4から18個の炭素原子を有するものを挙げることができる。
【0025】
ラクタムタイプのモノマー:
ラクタムの例としては、主要環に3から18個の炭素原子を有するものを挙げることができ、可能性として置換される。例えばβ,β−ジメチルプロピオラクタム、α,α−ジメチルプロピオラクタム、アミロラクタム、カプロラクタム(ラクタム6とも呼ばれる。)、カプリルラクタム(ラクタム8とも呼ばれる。)、(オエナントラクタム)およびラウリルラクタム(ラクタム12とも呼ばれる。)を挙げることができる。
【0026】
「ジアミン−二酸」タイプのモノマー:
ジカルボン酸の例として、4から36個の炭素原子を有する酸を挙げることができる。例えばアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、スベリン酸、イソフタル酸、ブタン二酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、テレフタル酸、スルホイソフタル酸のナトリウム塩またはリチウム塩、二量化脂肪酸(これらの二量化脂肪酸は、少なくとも98%のダイマー含有量を有し、好ましくは水素化される。)およびドデカン二酸HOOC−(CH
2)
10−COOH、およびテトラデカン二酸を挙げることができる。
【0027】
より詳細には、脂肪酸ダイマーまたは二量化脂肪酸は、脂肪酸(一般に18個の炭素原子を含有する、多くの場合オレイン酸および/またはリノール酸の混合物)の二量化反応の生成物を意味する。好ましくは0から15%のC18モノ酸、60から99%のC36二酸、0.2から35%のトリ酸またはC54以上のポリ酸を含む混合物である。
【0028】
ジアミンの例としては、4から36個の原子、好ましくは4から18個の原子を有する脂肪族ジアミンを挙げることができ、これらはアリール性および/または飽和環状であってもよい。例としては、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン(「Pip」と略記される。)、アミノエチレンピペラジン、テトラメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、1,5−ジアミノヘキサン、2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、ジアミンポリオール、イソホロンジアミン(IPD)、メチルペンタメチレンジアミン(MPMD)、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン(BACM)、ビス(3−メチル−4アミノシクロヘキシル)メタン(BMACM)、メタ−キシリレンジアミン、およびビス−pアミノシクロヘキシルメタンを挙げることができる。
【0029】
「ジアミン−二酸」タイプのモノマーの例としては、ヘキサメチレンジアミンとC6からC36二酸、特にモノマー:6.6、6.10、6.11、6.12、6.14、6.18の縮合から得られるものを挙げることができる。デカンジアミンと、C6からC36二酸、特にモノマー:10.10、10.12、10.14、10.18との縮合から得られるモノマーを挙げることができる。
【0030】
好ましくは、本発明のポリアミド粉末は、以下のモノマー:4.6、4.T、5.6、5.9、5.10、5.12、5.13、5.14、5.16、5.18、5.36、6、6.6、6.9、6.10、6.12、6.13、6.14、6.16、6.18、6.36、6.T、9、10.6、10.9、10.10、10.12、10.13、10.14、10.16、10.18、10.36、10.T、11、12、12.6、12.9、12.10、12.12、12.13、12.14、12.16、12.18、12.36、12.T、およびこれらの混合物の少なくとも1つを含む;特にPA11、PA12、PA10.10、PA6、PA6.10、PA10.12、PA6.14および/またはPA6.6/6、PA6/12、PA11/10.10、およびこれらの混合物から選択されるポリアミドおよびコポリアミドから選択される少なくとも1つのポリアミドを含む。
【0031】
上記で記載される種々のタイプのモノマーから形成されるコポリアミドの例として、少なくとも2つのα,ω−アミノカルボン酸、または2つのラクタム、または1つのラクタムおよび1つのα,ω−アミノカルボン酸の縮合から得られるコポリアミドを挙げることができる。さらに、少なくとも1つのα,ω−アミノカルボン酸(または1つのラクタム)、少なくとも1つのジアミンおよび少なくとも1つのジカルボン酸の縮合から得られるコポリアミドを挙げることができる。さらに、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸と、前述のジアミンとは異なる脂肪族ジアミンおよび前述の二酸とは異なる脂肪族二酸から選択される少なくとも1つの他のモノマーとの縮合から得られるコポリアミドを挙げることができる。
【0032】
コポリアミドの例としては、カプロラクタムおよびラウリルラクタムのコポリマー(PA6/12)、カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン、およびアジピン酸のコポリマー(PA6/6.6)、カプロラクタム、ラウリルラクタム、ヘキサメチレンジアミン、およびアジピン酸のコポリマー(PA6/12/6.6)、カプロラクタム、またはヘキサメチレンジアミンおよびアゼライン酸、11−アミノウンデカン酸、およびラウリルラクタムのコポリマー(PA6/6.9/11/12)、カプロラクタム、アジピン酸、およびヘキサメチレンジアミン、11−アミノウンデカン酸、ラウリルラクタムのコポリマー(PA6/6.6/11/12)、ヘキサメチレンジアミン、アゼライン酸、およびラウリルラクタムのコポリマー(PA6.9/12)、カプロラクタムおよび11−アミノウンデカン酸のコポリマー(PA6/11)、ラウリルラクタムおよびカプリルラクタムのコポリマー(PA12/8)、カプリルラクタムおよびカプロラクタムのコポリマー(PA8/6)、ラウリルラクタムおよびカプリルラクタムのコポリマー(PA12/8)、ラウリルラクタムおよび11−アミノウンデカン酸のコポリマー(PA12/11)が挙げられる。
【0033】
有利には、本発明による組成物に使用されるCOPAは、バイオ資源の原料から少なくとも部分的に得られる。
【0034】
再生可能な起源の原料またはバイオ資源の原料という用語は、バイオ資源の炭素または再生可能な起源の炭素を含む材料を意味する。実際、化石材料から誘導される材料とは対照的に、再生可能な原料からなる材料は
14Cを含有する。「再生可能な起源の炭素含有量」または「バイオ資源の炭素含有量」は、標準ASTM D 6866(ASTM D 6866−06)およびASTM D 7026(ASTM D 7026−04)を適用して決定される。例として、ポリアミド11に基づくCOPAは、バイオ資源の原料から少なくとも部分的に誘導され、少なくとも1%のバイオ資源の炭素含有量を有し、これは少なくとも1.2×10
−14の
12C/
14C同位体比に対応する。好ましくは本発明によるCOPAは、炭素の総重量に対して少なくとも50重量%のバイオ資源の炭素を含み、これは少なくとも0.6×10
−12の
12C/
14C同位体比に対応する。この含有量は、有利には、より高く、特に100%までであり、これは再生可能な起源の原料から全体が誘導されるCOPAの場合に、1.2×10
−12の
12C/
14C同位体比に対応する。
【0035】
再生可能な起源のアミノ酸の例として、本発明者は、ヒマシ油から製造される11−アミノウンデカン酸、例えばヒマシ油から製造される12−アミノドデカン酸、例えばオレイン酸のメタセシスによって得られるデシレン酸から製造される10−アミノデカン酸、例えばオレイン酸から製造される9−アミノノナン酸を挙げることができる。
【0036】
再生可能な起源の二酸の例として、分子の炭素数xに応じて(Cx)、以下を挙げることができる:
C4:例えばグルコースからのコハク酸;
C6:例えばグルコースからのアジピン酸;
C7:ヒマシ油からヘプタン二酸;
C9:例えばオレイン酸からのアゼライン酸(オゾン分解);
C10:例えばヒマシ油からセバシン酸;
C11:ヒマシ油からウンデカン二酸;
C12:例えばドデカン酸=ラウリン酸(リッチオイル:キャベツヤシ油およびココナッツ油)のバイオ発酵からドデカン二酸;
C13:例えばコルザに生じるエルカ酸からのブラシル酸(オゾン分解);
C14:例えばミリスチン酸(リッチオイル:キャベツヤシ油およびココナッツ油)のバイオ発酵によるテトラデカン二酸;
C16:パルミチン酸(主にパーム油)のバイオ発酵によるヘキサデカン二酸;
C18:例えばステアリン酸(主に動物性脂肪中に存在するが、すべての植物油にも僅かに存在する。)のバイオ発酵によって得られるオクタデカン二酸;
C20:例えばアラキジン酸(主に菜種油)のバイオ発酵によって得られるエイコサン二酸;
C22:例えばウンデシレン酸(ヒマシ油)のメタセシスによって得られるドコサン二酸;
C36:Kraft方法によって転換される樹脂状物質の副生成物から得られる脂肪酸ダイマー。
【0037】
再生可能な起源のジアミンの例としては、分子の炭素数xに応じて(Cx)、以下を挙げることができる:
C4:コハク酸のアミノ化によって得られるブタンジアミン;
C5:ペンタメチレンジアミン(リシンから);
上述の再生可能な起源の二酸のアミノ化によって得られるジアミンなど。
【0038】
完全に再生可能な起源のコポリアミドは、種々のモノマーの重合から得られるコポリアミド(再生、非再生可能なまたは混合)、例えば上述のものを意味する。これは、例えばCOPA6.6/10.10の場合にあてはまり、ここで「6.6」モノマーは非再生可能な起源である一方で、「10.10」モノマーは再生可能な起源である。
【0039】
本発明による組成物に含まれる完全に再生可能な起源のコポリアミドは、種々のモノマー、例えば上述されるものの重合から得られるコポリアミド、例えば以下のコポリアミド:PA11/10.10、PA11/10.36、PA10.10/10.36、11−アミノウンデカン酸/N−ヘプチル−11−アミノウンデカン酸コポリアミドなどを意味する。
【0040】
有利には、1つ以上の以下のコポリアミドが、組成物または本発明の方法に使用される:
PA6/6.6/12(これについては、対応するモノマーの重量比が、40/20/40、35/20/45、45/35/20、30/30/40、22/18/60、40/25/35(%単位)であってもよい。);
PA6/6.6/11/12(これについては、対応するモノマーの重量比が、例えば30/15/10/45、30/20/20/30、または15/25/25/35(%単位)であってもよい。);
重量比70/30のPA6/12;
重量比30/70のPA6.9/12;
重量比15/70/15のPA Pip.9/Pip.12/11;
重量比20/15/65のPA6/IPD.6/12;
重量比20/80のPA IPD.9/12;
重量比27/33/33のPA6/MPMD.12/12;
重量比30/30/40のPA6/6.12/12;
重量比30/20/50のPA6/Pip.12/12;
重量比25/21/25/30のPA6/6.12/11/PEG.12;
重量比14/14/42/30のPA6.10/11/PEG.10;
重量比40/10/40/10のPA6/6.6/6.10/6.I;
重量比20/40/40のPA6.10/Pip.10/Pip.12;
重量比10/36/54のPA6/11/12;
重量比35/65のPA Pip.12/12;
重量比80/20のPA IPD.10/12;
重量比72/28のPA Pip.10/12;
重量比50/50のPA6/11;
重量比65/30/5のPA Pip.10/11/Pip.9;
重量比35/30/35のPA6/6.6/6.10。
【0041】
コポリアミドの例として、特に、商品名Platamid(登録商標)およびPlatamid(登録商標)Rnew(ARKEMA製)、Vestamelt(登録商標)(Evonik製)、およびGriltex(登録商標)(EMS製)の下で市販されているものが挙げられる。
【0042】
好ましくは本発明に使用されるポリアミドは、PA6/6.6/12、PA6/6.6/11/12、PA6/12、PA6.9/12、PA Pip.9/Pip.12/11、PA6/IPD.6/12、PA IPD.9/12、PA6/MPMD.12/12、PA6/6.12/12、PA6/Pip.12/12、PA6/6.6/6.10/6.I、PA6.10/Pip.10/Pip.12、PA6/11/12、PA Pip.12/12、PA IPD.10/12、PA Pip.10/12、PA6/11、PA Pip.10/11/Pip.9、PA6/6.6/6.10、特に上記で定義された重量比を有するもの、およびこれらのコポリアミドの混合物から選択される少なくとも1つのコポリアミドを含む。
【0043】
本発明によるこれらのポリアミドの末端基または鎖末端基は、主に、アミン末端基である。これらの合成の間、多官能性化合物および鎖制限剤(chain limiter)、一般に一官能性化合物を用いることによって、ポリアミドの末端基を適合可能である。
【0044】
多官能性化合物は、2を超える酸および/またはアミン機能を有する化合物を意味する。例として、ジエチレントリアミン(DETA);ポリエーテルトリアミン、例えばJeffamineT403;ビス(ヘキサメチレン)トリアミン;EDTA;メリト酸を挙げることができる。
【0045】
鎖制限化合物は、1酸またはアミン反応性機能を有する一官能性化合物、例えば酢酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ウンデシレン酸、ラウリルアミンを意味する。
【0046】
モノアミンおよび/またはジアミン化合物は、好ましくは使用され、本発明による(コ)ポリアミドを得て、主にアミン鎖末端基を保持する。特に、本発明に使用されるこれらの(コ)ポリアミドの合成の間、縮合反応は、過剰のアミン機能を用いて行われる。
【0047】
有利には、本発明のポリアミド粉末は、同時に:
球体形状を有し、
穿孔または多孔性である表面または粒子壁を有し、
好ましくは中空である、即ち粒子のコア(または中心部分)は空である、粒子、例えばPhilips XL30FEG SEM装置において走査電子顕微鏡を用いて観察された
図1および
図2の写真に示されるような粒子を含む。
【0048】
好ましくは、本発明による粉末は、粒子の総重量に対して、少なくとも5%、好ましくは少なくとも15%、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、またはさらに少なくとも70%、またはさらに良好なことには少なくとも90重量%の中空粒子を含有する。
【0049】
有利には、本発明の粒子のコアは、少なくとも1つの化粧品、医薬または香料製品を含有する。本発明による粉末のこうした特別な中空モルホロジーにより、表面上だけでなく、深さにも、さらには粒子のコアにもこうした製品を含浸させることができ、表面での多孔性のみの先行技術の粉末よりも多量の製品を含有できる。
【0050】
本明細書において、粉末の粒度分布は、標準ISO 9276に従ってCoulter(登録商標)LS230装置において、レーザー回折によって測定される。
【0051】
粉末の化学的特徴に関し、アミン末端基のパーセンテージは、電位差滴定アッセイ(酸−塩基)によって、好ましくは過塩素酸を用いて測定される。
【0052】
ポリアミド粉末が室温で水中に分散し、単純な撹拌によって乳状の液体を形成する場合、ポリアミド粉末の粒子の表面における一級アミン基が、特にリン系ブロンステッド酸、例えばリン酸によって少なくとも部分的に中和されることが確認される。そうではなく、特に撹拌時に粉末は水と共に乳状の外観の液体を形成せず、撹拌にもかかわらず容器の底部に沈降する場合には、粉末の表面における一級アミン基は少なくとも部分的に中和されていない。
【0053】
本発明による粉末の物理化学的特性は、中性または酸性pHを有する水性媒体、例えば水中で分散可能であることを意味し、この媒体は、1から7、好ましくは4から6.5の範囲のpHを有し、均質な組成物または安定な分散液を形成する。
【0054】
中性または酸性pHを有する水性媒体は、少なくとも50%の水、好ましくは少なくとも70%の水、好ましくは少なくとも80%の水、好ましくは少なくとも90%の水、好ましくは100%の水を含み、1から7、好ましくは4から6.5の範囲のpHを有するいずれかの液体媒体を、本発明では意味する。水は、純度の程度、熱水などに依存して、軟化水、脱イオン水、蒸留水、脱塩水および/または滅菌水であってもよい。
【0055】
水性媒体はさらに、水混和性アルコールを含んでいてもよく、好ましくは炭素鎖の炭素の数が6を超えず、例えばエタノールまたはイソプロパノールである。水とこうしたアルコールの単純な混合によって得られるアルコール溶液はまた、水性媒体中;ならびにグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール;ポリオール、例えばグリセロールまたはグリセリン、ソルビトール、ソルビトールシロップに使用可能である。
【0056】
ポリオキシエチレングリコール(PEG)も、この水性媒体における溶媒として使用されてもよい。カルボキシビニルポリマー(カルボマーまたはCarbopol)、シアノアクリル酸ポリマー;炭水化物化合物、例えば藻類(アルギネート、カラギーナン)から、木材(セルロースおよびこれらの誘導体)から、木の樹液(アラビアガム、トラガカント)から、種子または小さい種子(ペクチン、グアーガム、カルボガム、デンプン)から、葉類(アロエゲル)から抽出される多糖類;糖タンパク質またはプロテオグリカン;炭水化物エステルおよびエーテルも、特に水性媒体の増粘剤またはゲル化剤として、水性媒体の組成物に含まれていてもよい。
【0057】
有利には、防腐剤、親水性乳化剤、着色剤、保湿剤、ゲル化剤、親水性活性成分およびいずれかの他の親水性化粧剤は、この水性媒体の組成物に含まれていてもよい。
【0058】
本発明は、特に以下を含む均質な流体組成物に関する:
0.5から90重量%の上記で定義されるような粉末;
10から99.5重量%の中和または酸性pHを有する水性媒体。
【0059】
有利には、この組成物は以下を含む:
0.5から60重量%の本発明による粉末、および
40から99.5重量%の、中性または酸性pH、好ましくは1から7、好ましくは4から6.5のpHを有する水性媒体。好ましくは水性媒体は水であり、この組成物は、界面活性剤を含まない安定な水性分散液を形成する。
【0060】
本発明による水性分散液は、分散液中のポリアミドの濃度に依存して種々の濃さを有する乳状の外観を有するが、常に均質である巨視的に均質な分散液の形態を有する。表現「均質な流体組成物」は、粉末および水性媒体は、撹拌後に肉眼で区別不可能であることを示す。組成物が均質である場合、液体だけが観察できる。
【0061】
本発明による粉末の水性分散液のこうした特性が、界面活性剤の不存在下であっても、高濃度のポリアミド、例えば分散液の総重量に対して60から70重量%のポリアミドにて確認される。
【0062】
本発明の粉末および水性分散液は、特定の用途、特に繊維製品および複合体に好適であり、これに関して、酸性pHでの作用が好ましく、繊維製品上のポリアミドの良好な接着を保証する。
【0063】
本発明の水性分散液はまた、中性または酸性pHを必要とする化粧品の配合物に好適であり、皮膚に好適であり、好ましくは5.5から6.5のpH範囲において好適である。
【0064】
本発明によるポリアミド粉末のおかげで、配合者は、粉末または顆粒の形態で市販されているポリアミドの形態を水に組み込むことができるように事前に適合する必要はもはやない。
【0065】
好ましくは、中性または酸性pHを有するこの水性媒体は、水を含み、この最大10%、好ましくは最大5%、好ましくは最大2%、好ましくは0%が、増粘剤と置き換えられてもよい。配合者によって一般に使用される増粘剤のあらゆるタイプが使用されてもよい。増粘剤は、重力の効果の下で分散したポリアミド粒子の下方移動を遅延させる。このため、粒子の沈降を防止する。例えば、特に化粧品領域において水性連続相の増粘剤は、一般に植物性起源の物質:藻類(アルギネート)からまたは種子(ガラクトマンナン、ペクチン)からの抽出物だけでなく、合成物(カルボマー=Carbopol)である。
【0066】
本発明はまた、以下の工程を含む、本発明によるポリアミド粉末を製造する方法に関する:
A−以下の条件において、エマルションを形成するために、ポリアミド、水、リン系ブロンステッド酸(酸P)の混合物、好ましくはリン酸(H
3PO
4)を含む混合物を撹拌する工程:
この出発ポリアミドは、ポリアミドのアミンおよび酸末端基の総数のうち50mol%を超えるアミン末端基を含む、
モル比[酸P]/[アミン末端基]は、0.1から5未満の範囲、好ましくは0.25から5の間、好ましくは0.5から3の範囲、好ましくは2から3である、
混合物の総重量に対するポリアミドの重量は、0.5から60%、好ましくは10から50%、好ましくは20から50%、またはさらに良好なことには30から40%を表す、
混合物の温度は、ポリアミドの融点を超える;
撹拌速度および撹拌時間は、安定な均質な混合物、即ち水に分散した100nmから50μmの範囲のD50を有する溶融ポリアミド液滴のエマルションを形成するのに十分である、次いで
B−工程Aにおいて得られるエマルションを、撹拌しながら室温(即ち、5から50℃の範囲であってもよい温度)まで冷却し、結果として本発明によるポリアミド粒子の水性分散液が得られる。
【0067】
工程Aのすべての条件が順守される場合、撹拌は、溶融ポリアミドのエマルションを導き、次いで安定な分散液を導く。そうでなければ、撹拌にもかかわらず、これらの条件外でエマルションは得らない。
【0068】
工程Aにおいて、モル比[酸P]/[アミン末端基]は、一般に0.1から5未満の範囲である。しかし、以下の好ましい事項に留意すべきである:
モル比[酸P]/[アミン末端基]は、特にこのポリアミドが100μEq/g未満のアミン末端基を含有する場合に、本発明の実施例1のテスト2から5の場合のように、好ましくは0.25から5の間であり;および
モル比[酸P]/[アミン末端基]は、このポリアミドがポリアミドのグラムあたりのアミン末端基の少なくとも100μEqを含有する場合に、本発明の実施例2におけるテストである場合のように、好ましくはこれらの値未満であり、0.1(0.1を含む。)から5未満(5を含まない。)のより広い範囲であってもよい。
【0069】
出発ポリアミドの形態は、混合中に溶融するので、工程Aにおいては重要ではない。結果として、あらゆる形態が出発ポリアミドに関して想定されてもよい。溶融および混合の時間を短縮するために、出発ポリアミドは、好ましくはこの粒径にかかわらず、微細分割された形態であるのが好ましく、一般に60μmから数ミリメートルの間であり、特に顆粒、粉末、繊維または他の形態の形態である。
【0070】
好ましくは、ポリアミドは、毎分100から5000回転、好ましくは1000回転/分から2000回転/分、好ましくは500から1500回転/分の範囲で撹拌しながら本発明の方法に従って組み込まれる。例えば、ブレード、プロペラまたはディスク撹拌器またはタービンが使用され、例えばRushton(登録商標)製のものまたは等価物である。好ましくは撹拌速度は、100から5000回転/分の範囲であり、撹拌時間は5分から1時間の範囲であり、好ましくは10から30分の範囲である。
【0071】
有利には、本発明の方法はさらに以下の工程を含む:
C−ポリアミド粒子を、工程Bで得られた水性分散液から特に分離、濾過および/または乾燥、蒸発、スプレー乾燥によって回収する工程。
【0072】
有利には、本発明の方法はさらに、以下の工程を含む:
D−中性または酸水性媒体中にPA粒子を再分散させ、結果として0.5から90重量%、好ましくは0.5から70重量%のPA粒子を含む分散液が得られる工程。
【0073】
本発明はまた、粉末の場合に狭い粒度分布の特性、微細な均質分散液の特性、フィルム形成特性、接着特性、マトリックス、特に極性マトリックスとの相溶性および親和性を同時に必要とするあらゆる用途における、本発明による粉末または組成物の使用に関する。本発明による粉末および分散液の用途のうち、例えば缶コーティング、剥離紙、糊付け、布地被覆、表面コーティング、ワイア、繊維、フィラメント、コイルのコーティング、フィルムの製造、ファイングルーイング(fine gluing)、インクおよび塗料、サイズ、繊維製品処理、布地被覆、紙の処理、潤滑剤、ホットメルト接着剤(HMA)を挙げることができる。
【0074】
本発明はまた、化粧品、医薬または香料製品を製造するために、本発明によるポリアミド粉末の使用に関し、このポリアミドは、本発明による粉末または組成物の形態で配合物中に直接組み込まれる。
【0075】
本発明は、特に上記で定義されるような本発明による組成物に関し、この組成物は、以下の製品から選択される着色、非着色および/または透明製品である:
例えばファンデーション、ティントクリーム、ルースまたはコンパクトパウダー、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、リップスティック、マニキュア液のようなヒトの顔および体のためのメークアップ製品;
例えばクリーム、ミルク、ローション、マスク、ピーリング製品、クレンジングおよび/またはメークアップ除去製品、デオドラント、制汗剤、シェービング製品、脱毛製品のようなヒトの顔および体のためのケア製品;
例えばシャンプー、毛髪成形製品、スタイリング製品、ふけ防止製品、抜け毛防止製品、毛髪の乾燥防止製品、ヘアカラーリング製品、ブリーチング製品のようなヘア製品;
例えば香料、ミルク、クリーム、ルースまたはコンパクト香料粉末のような香料製品。
【実施例】
【0076】
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく、本発明を例示する。特に断らない限り、すべてのパーセンテージは重量による。
【0077】
使用されるCOPA:
COPA1:コポリアミド6/6.6/12、カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、ラウリルラクタム、ジエチレントリアミン、ウンデシレン酸の化合物、m.p.125℃を有し、25μeq/gの酸鎖末端基、63μeq/gのアミン鎖末端基および120μeq/gのアルキル鎖末端基を含有する。
【0078】
COPA2:コポリアミド6/6.6/12、カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、ラウリルラクタムの化合物、m.p.=125℃、23μeq/gの酸鎖末端基および319μeq/gのアミン鎖末端基を含有する。
【0079】
[実施例1]
H
3PO
4/NH
2鎖末端基=0.25/0.5/1/2/3および5のモル比に関してCOPA1の水性分散液の6個のテスト(テスト1から6)を行った。
【0080】
COPA1の顆粒、脱イオン水(30%の乾燥抽出物を有するように)およびリン酸を、6個の傾斜ブレードと共にダブルプロペラタイプの撹拌器を装備し、1Lのガラス槽を備えたオートクレーブに入れる。槽は、100mmの内径を有し、二重ジャケット中に油を循環させることによって加熱する。撹拌器は50mmの直径を有する。媒体は、窒素で不活性化し、物質を150℃に加熱して、毎分1000回転(rpm)で撹拌する。この温度を30分間維持し、次いで媒体を50℃に冷却する。こうしてポリアミド粒子の水性分散液が、テスト2から5で得られ、粒子のサイズ分布はレーザー回折によって測定される。
【0081】
操作条件の要約:1000回転/分、プラトー30分、150℃、1000回転/分での加熱相、次いで冷却。
【0082】
【表1】
【0083】
表1は、本発明によるテスト2から5により、リン酸の割合が本発明に一致する場合に、ポリアミドの安定な水性分散液を得ることができることを示す。テスト1においては、H
3PO
4含有量が低過ぎ、粒子を安定化し、分散液を形成することができないが、テスト6においては含有量が高過ぎて、粒子または安定な分散液を得る可能性がなく、相当な発泡が観察される。
【0084】
テスト2から5において30%の乾燥抽出物を用いて得られた分散液は、次いで濾過され、ミキサを用いて水中に再分散されてもよい。30%を超える乾燥抽出物を得て、これらの分散液を用いて容易に配合できる。
【0085】
乾燥抽出物の増大:本発明によるテスト3.2:
これらのテストにおいて、得られた分散液の乾燥抽出物を増大させる。
【0086】
このため、まず濾過が、テスト3(モル比=1)からのNo.4フリットにて行われ、湿潤粉末を得る。次いでこの粉末を、ミキサを用いて水中に再分散させ;こうして乾燥抽出物を増大させ、粘稠な均質ペーストのテクスチャを得ることができる。次いで、こうした操作が粒子の粒度分布に影響を与えないことをレーザー粒度計を用いて観察する。
【0087】
実施例1のテストからの結論:
0.5;1;2および3のモル比を用いて調製された分散液は、これらが、興味深い特性を有するので、即ち1から15μmの範囲のD50を有するミクロンオーダーの粒子を有するので好ましい。さらに、それぞれモル比H
3PO
4/NH
2=2および3を有する分散液は、特に安定であり、均質状態を示し、これらは容易に再分散および/または濃縮され得る。
【0088】
レーザー粒度計を用いた観察:モル比H
3PO
4/NH
2=0.5/1/2および3を有する溶液を、レーザー粒度計を用いて分析した。2つのサンプルは、各比について分析した。粒度分布(体積による)について得られた結果を以下の表2に示す:
【0089】
【表2】
【0090】
[実施例2]:本発明によるテスト7および8
COPA2は、実施例1と同じ手順に従って分散される。
【0091】
比H
3PO
4/NH
2鎖末端基=0.1
撹拌速度:テスト7について1000回転/分;テスト8について1300回転/分。
得られた分散液は、両方のテストにおいて白色で不透明であり、pHは6から7である。
テスト7において、最終乾燥抽出物は31.54%であり、D50=5.39μmである。
テスト8において、最終乾燥抽出物は32.60%であり、D50=2.95μmである。
【0092】
実施例2のこれらのテストは、ポリアミドが少なくとも100μEq/gのアミン末端基を含有する場合に、H
3PO
4/アミンの末端基の比は0.25以下であってもよく、0.1から5のより広い範囲であってもよい場合を示す。
【0093】
ポリアミドのアミンおよび酸末端基の総数のうち、モルパーセンテージのアミン末端基の増大に伴い、ポリアミドの中和および分散のために必要とされるリン酸の量が低下することに留意できる。リン酸は、同時に、異なるポリアミド粒子の幾つかのNH
2末端基を中和する。立体効果により、リン酸は、NH
2末端基を有する粒子が、互いに凝固するのを防止し、粒子を水中に分散させ続ける。
【0094】
[実施例3]:比較テスト9から11
リン酸を、リン含有ブロンステッド酸とは異なる「比較酸」と置き換える以外、実施例1と同じ手順および同じ操作条件に従って3つのテストが行われる。比較酸は、テスト9ではヘプタン酸、テスト10ではメタスルホン酸、テスト11では硫酸である。
【0095】
これらのテスト9から11において、比[比較酸]/[NH
2鎖末端基]=1。
【0096】
この手順の終わりに、それぞれのテスト9から11においては、微細なポリアミド粒子の分散液ではなく、ポリアミドのブロックが得られる。
【0097】
[実施例4]:複合体を製造するための、特許に記載される方法によって得られた20μmに等しいD50を有するポリアミド10.10の粉末の使用。
【0098】
エポキシ系複合樹脂の製造:TGMDA/DDS/DDA:高Tgを有する系
エポキシ:TGMDA:N,N,N’,N−テトラグリシジル4,4’−ジアミノジフェニルメタン(Araldite MY 720,Huntsman)
架橋剤:DDS/DDA:4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(HT976,Huntsman)/ジシアンジアミド
触媒:3−3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(ジウロン)
樹脂の組成物:1エポキシ基に対してDDS/DDAの0.85のアミン水素;DDA/DDS比:0.25;ジウロン/DDS比:0.01。樹脂中の3つの異なる含有量の粉末PA10.10がテストされる:0phr、10phr、20phrであるが、ここでphrは「樹脂100重量部あたりの重量部」を示す。架橋サイクル:110℃にて1時間、120℃にて1時間、130℃で1時間、140℃にて1時間、150℃で1時間、180℃で1時間。
【0099】
臨界応力強度因子K1Cが測定される(標準ASTMD5045、MPa/√m単位;これは、材料について、破断が生じる応力の臨界値を規定する。):
粉末含有量(phr) K1C
0 0.65
10 0.7
20 0.8
本発明による粉末の使用は、エポキシ樹脂において破断強度を改善し、優れた破断強度を与える。