【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明の一形態のガス浮上ワーク支持装置は、レーザ光が照射されるワークを搬送するためのガス浮上ワーク支持装置であって、取り付けベースと、前記取り付けベース上に配置された、第1のガス上方噴出部および第2のガス上方噴出部と、前記取り付けベース上に配置され、前記第1のガス上方噴出部および前記第2のガス上方噴出部の間に位置する第3のガス上方噴出部と、前記第3のガス上方噴出部の鉛直上方に配置された、第1のガス下方噴出部および第2のガス下方噴出部を含み、
前記第1および第2のガス下方噴出部は対向するように配置され、前記第1および第2のガス下方噴出部の間を通して前記レーザ光が前記ワークに照射可能であり、
前記レーザ光の照射領域と前記第3のガス上方噴出部は平面視において重なり、前記ワークは、前記第1〜第3のガス上方噴出部上において、前記第1〜第3のガス上方噴出部から噴出される上方ガスによって浮上し、前記ワークは、前記第3のガス上方噴出部上において、前記第1および第2のガス下方噴出部から噴出される下方ガスによって下方に圧力を受け、前記ワークは、前記第3のガス上方噴出部上において、前記上方ガスおよび前記下方ガスによって支持されることを特徴とする。
【0009】
本発明の他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記本発明において、前記第1および第2のガス上方噴出部の鉛直上方には、他のガス下方噴出部が存在しないことを特徴とする。
【0010】
本発明の他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記本発明のいずれかにおいて、前記第1および第2のガス下方噴出部と前記第3のガス上方噴出部は平面視において重なる位置に配置されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記本発明のいずれかにおいて、前記ワークは、前記第3のガス上方噴出部上において、前記第1および第2のガス上方噴出部上においてよりも高精度に浮上量を制御可能であることを特徴とする。
【0012】
本発明の他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記本発明のいずれかにおいて、前記第1〜第3のガス上方噴出部は前記上方ガスが噴出される多孔質体を有し、前記第1および第2のガス下方噴出部は前記下方ガスが噴出される多孔質体を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記本発明のいずれかにおいて、前記ワークはガラス基板であることを特徴とする。
【0014】
本発明の他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記本発明のいずれかにおいて、前記第1および第2のガス下方噴出部と前記ワークの距離を調整可能な位置調整部を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記本発明のいずれかにおいて、前記上方ガスおよび前記下方ガスの流量を調整可能なガス流調整部を有することを特徴とする。
【0016】
本発明の他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記本発明のいずれかにおいて、前記ワークの高さ位置を検知する検知部を有し、前記検知部の検知結果に基づいて前記上方ガスまたは前記下方ガスの流量を制御することを特徴とする。
【0017】
本発明の他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記本発明のいずれかにおいて、前記取り付けベース上に配置された、第1の台座および第2の台座と、前記取り付けベース上に配置され、前記第1の台座および前記第2の台座の間に位置する第3の台座を有し、前記第1〜第3のガス上方噴出部は、それぞれ前記第1〜第3の台座上に配置されていることを特徴とする。
【0018】
また、他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、ガスを上方に噴出するガス上方噴出部と、前記ガス上方噴出部の上方側に位置してガスを下方に噴出するガス下方噴出部とを有し、
前記ガス下方噴出部は、前記ガス上方噴出部から噴出される前記ガスで浮上支持される板状ワークに対し、前記板状ワークの上方から前記ガスを下方に噴射して圧力を加える位置に設置されていることを特徴とする。
【0019】
上記形態によれば、上方からのガス噴出と、下方からのガス噴出とによって板状ワークが挟み込まれ、板状ワークを安定して非接触で支持することができ、板状ワークの平面度を高めることができる。
【0020】
他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記形態において、前記ガス下方噴出部の一部または全部が、前記ガス上方噴出部が設置された領域の全部または一部に合わせて設置されていることを特徴とする。
【0021】
上記形態によれば、ガス上方噴出部に合わせてガス下方噴出部を配置でき、またはガス下方噴出部に合わせてガス上方噴出部を配置でき、所望のエリアでガスによる板状ワークの挟む込みを良好に行って、板状ワークの平面度を上げることができる。
【0022】
他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記形態において、前記板状ワークに対する加工エリアを除外して前記ガス下方噴出部が設置されていることを特徴とする。
【0023】
上記形態によれば、加工エリア以外にガス下方噴出部を配置することで、所定の加工を円滑に行うことができる。
また、板状ワークの加工方法(プロセス)によってワークの浮上量、浮上剛性を調節することができる。
【0024】
他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記形態において、前記板状ワークに対する加工エリアを挟んで、前記ガス上方噴出部が設置された領域の一部に合わせて前記ガス下方噴出部が設置されていることを特徴とする。
【0025】
上記形態によれば、加工エリアにある板状ワークを両側からガスで挟み込むことで加工エリアでの板状ワークの平面度を高め、精密な加工を可能にする。
板状ワークの一部分に対して加工を行うプロセスにおいては、全面だけでなく、加工点付近を本発明の構造とすることで、板状ワークの一部分に対して、均一な浮上量を得られる構造とすることができる。このときの浮上量と浮上剛性は、ガス下方噴出部からの加圧気体の流量や圧力及びガス上方噴出部からの加圧気体の流量や圧力を調節することで任意に設定できる。また、板状ワークに対して上下方向から圧力が加わるので、加工エリア付近で特に板状ワークを平坦に矯正する力が発生する。
【0026】
他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記形態において、前記ガス上方噴出部に設けられた複数のガス上方噴出穴と、前記ガス下方噴出部に設けられた複数のガス下方噴出穴の一方または両方に対し、一部または全部で吹き出し位置の調整する位置調整部を有することを特徴とする。
【0027】
上記形態によれば、位置調整部による吹き出し位置の調整によって板状ワークに加わる圧力の調整や浮上位置を変更することができる。
【0028】
他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記形態において、前記位置調整部は、位置調整可能な噴出穴を個別に、または所定の個数毎に位置調整可能であることを特徴とする。
【0029】
上記形態によれば、一部の噴出穴に対する調整により板状ワークの反りや曲がりを精密に修正することができる。
【0030】
他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記形態において、前記ガス上方噴出部に設けられた複数のガス上方噴出穴と、前記ガス下方噴出部に設けられた複数のガス下方噴出穴の一部または全部に対し、ガスの吹き出し流量および/または圧力を調整するガス流調整部を有することを特徴とする。
【0031】
上記形態によれば、ガス流調整部による吹き出し流量およびまたは圧力の調整によって板状ワークに加わる圧力の調整や浮上位置を変更することができる。
【0032】
他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記形態において、前記ガス流調整部は、ガス流調整可能な噴出穴を個別に、または所定の個数毎にガスの吹き出し流量および/または圧力を調整可能であることを特徴とする。
【0033】
上記形態によれば、一部の噴出穴に対する調整により板状ワークの反りや曲がりを精密に修正することができる。
【0034】
他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記形態において、前記板状ワークの浮上支持に際し前記位置調整部の調整量を制御する制御部を有することを特徴とする。
【0035】
上記形態によれば、制御部の動作によって位置調整部の調整を動的に行うことができる。
【0036】
他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記形態において、前記板状ワークの浮上支持に際し前記ガス流調整部の調整量を制御する制御部を有することを特徴とする。
【0037】
上記形態によれば、制御部の動作によってガス流調整部の調整を動的に行うことができる。
【0038】
他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記形態において、前記板状ワークの高さ位置を検知する検知部を有し、前記制御部は、前記検知部の検知結果に基づいて前記調整量を制御することを特徴とする。
【0039】
上記形態によれば、板状ワークの状態に従って、位置調整部やガス流調整部を制御して、安定支持と高い平面度を得ることができる。
【0040】
他の形態のガス浮上ワーク支持装置は、前記形態において、前記ガス下方噴出部に設けられた複数の下方噴出穴は、前記ガス上方噴出部に設けられた複数の上方噴出穴に対し、互いの吹き出し方向で一部または全部が重なっていることを特徴とする。
【0041】
上記形態によれば、下方噴出穴の位置を情報噴出穴の位置に吹き出し方向で重なるようにしたことで、上下の圧力で板状ワークの挟む込みが良好に行われる。
【0042】
他の形態の非接触ワーク支持方法は、板状ワークの上方と下方からそれぞれ前記板状ワークに向けてガスを噴出し、前記板状ワークを前記ガスで挟み込みつつ非接触で浮上支持することを特徴とする。
【0043】
他の形態の非接触ワーク支持方法は、前記形態において、前記板状ワークに対するガスの噴出位置のギャップ量と、前記ガスの流量の一方または両方を調整することで、前記板状ワークの反りおよび曲がりを矯正して平坦化することを特徴とする。