特許第6456906号(P6456906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6456906
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】ポリマー材料
(51)【国際特許分類】
   C08L 67/00 20060101AFI20190110BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20190110BHJP
   B29C 49/06 20060101ALI20190110BHJP
   B29C 49/68 20060101ALI20190110BHJP
【FI】
   C08L67/00
   C08K3/22
   B29C49/06
   B29C49/68
【請求項の数】13
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-244369(P2016-244369)
(22)【出願日】2016年12月16日
(62)【分割の表示】特願2014-520735(P2014-520735)の分割
【原出願日】2012年7月23日
(65)【公開番号】特開2017-101241(P2017-101241A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2016年12月21日
(31)【優先権主張番号】61/572,292
(32)【優先日】2011年7月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509166685
【氏名又は名称】カラーマトリックス ホールディングス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】COLORMATRIX HOLDINGS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ブランノン、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】カーマイケル、エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】アドチオ、ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ゴーデット、グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ラードン、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】スティル、マーク
【審査官】 安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/085472(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 67/00
C08K 3/22
B29C 49/06
B29C 49/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器のためのプリフォームである物品において、
前記物品は一般式WOxの酸化タングステン粒子を含むポリマー組成物を含んでなり、式中、2.65≦x≦2.95であり、
前記ポリマー組成物は12ppm〜100ppmの酸化タングステン粒子を含有し、前記物品の少なくとも99重量%は前記ポリマー組成物からなり、前記ポリマー組成物は少なくとも99重量%のポリエステルポリマーからなり、前記プリフォームは少なくとも63のL、2.0未満の、及び−1〜0のaを有し、前記酸化タングステン粒子の少なくとも99重量%は20μm未満のサイズを有し、前記酸化タングステン粒子は0〜5のスパン(S)を有し、ここで前記スパン(S)は
S=(d90−d10)/d50
[式中、d90は、体積の90%が記載されているd90よりも小さい直径を有する粒子で構成される粒径を表し;d10は、体積の10%が記載されているd10よりも小さい直径を有する粒子で構成される粒径を表し;d50は、体積の50%が記載されているd50値よりも大きい直径を有する粒子で構成され、かつ体積の50%が記載されているd50値よりも小さい直径を有する粒子で構成される粒径を表す]
の方程式によって算出される、物品。
【請求項2】
前記物品は前記ポリマー組成物からなる、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記酸化タングステン粒子が、式WO2.72又はWO2.9のものである、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項4】
前記酸化タングステン粒子が、式WO2.72のものである、請求項1乃至のいずれかに記載の物品。
【請求項5】
前記ポリマー組成物が、20ppmから50ppmの酸化タングステン粒子を含む、請求項1乃至のいずれかに記載の物品。
【請求項6】
前記ポリマー組成物が、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる、請求項1乃至のいずれかに記載の物品。
【請求項7】
前記酸化タングステン粒子が、50μm未満のd50を有する、請求項1乃至のいずれかに記載の物品。
【請求項8】
前記酸化タングステン粒子が、0.05μm未満のd50を有する、請求項1乃至のいずれかに記載の物品。
【請求項9】
プリフォームであり、少なくとも70のLを有する、請求項1乃至に記載の物品。
【請求項10】
プリフォームであり、1.0未満のb有する、請求項1乃至に記載の物品。
【請求項11】
包装容器を作製するための方法において、
(i)請求項1乃至10のいずれかに記載の物品を選択する工程と、
(ii)前記物品を加熱し、それを形成工程に供し、それにより、前記包装容器を作製する工程とを備える方法。
【請求項12】
赤外線ヒータを使用して加熱する工程を含んでなる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記物品を前記ポリエステルポリマーのガラス転移温度を上回る温度で加熱する工程を含んでなる、請求項11又は12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリマー材料に関する。より詳細には、シート又は包装の製造において使用するためのポリエステルに関するが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)からできており、飲料容器に使用されるもの等の多くのプラスチックパッケージは、再加熱ブロー成形、又はポリマーの加熱軟化を必要とする他の動作によって形成される。
【0003】
再加熱ブロー成形において、試験管形状射出成形であるボトルプリフォームは、ポリマーのガラス転移温度を上回って加熱され、次いでボトル鋳型内に位置付けられて、その開口端を通過する加圧空気を受ける。この技術は、例えば、本願明細書に援用する特許文献1に示されている通り、当技術分野において周知である。典型的なブロー成形作業において、クォーツ赤外線ヒータからの放射エネルギーは、概してプリフォームを再加熱するために使用される。
【0004】
ポリマーの加熱軟化を必要とする作業を使用する包装容器の調製において、再加熱時間、つまり延伸ブロー成形のための適正温度に達するためにプリフォームが必要とする時間(ヒートアップ時間とも呼ばれる)は、生産性及び必要なエネルギーの両方に影響を及ぼす。処理装置が改良されるにつれて、単位時間当たりより多くのユニットを生成することが可能になってきた。故に、高速で再加熱することによって(再加熱速度増大)、もしくはより少ない再加熱エネルギーで(再加熱効率の増大)、又はその両方によって、従来のポリエステル組成物と比較して改良された再加熱特性を提供するポリエステル組成物を提供することが望ましい。
【0005】
上述の再加熱特性は、ポリマー自体の吸収特性によって変動する。クォーツ赤外線ランプ等、ポリマープリフォームを再加熱するために使用される加熱ランプは、約500nmから1,500nm超の範囲の波長を持つ広帯域な発光スペクトルを有する。しかしながら、ポリエステル、とりわけPETは、500nm〜1,500nmの領域内での電磁放射吸収が不十分である。故に、ランプからのエネルギー吸収を最大化してプリフォームの再加熱速度を増大させるために、赤外線エネルギー吸収を増大させる材料が時折PETに添加される。残念ながら、これらの材料は、PET容器の視覚的外観に対して悪影響を有する傾向があり、例えば、ヘイズレベルを増大させ、かつ/又は物品が暗色の外観を有する原因となる。さらに、可視光波長範囲(400nmから780nm)において吸光度を持つ化合物はヒトの目には着色されているように見えるため、可視光を吸収し、かつ/又は散乱させる材料は、ポリマーに色を付与することになる。
【0006】
様々な黒色及び灰色体吸収化合物が、再加熱ランプ下でポリエステルプリフォームの再加熱特徴を改良するための再加熱剤として使用されてきた。これらの従来の再加熱添加剤は、カーボンブラック、グラファイト、アンチモン金属、黒色酸化鉄、赤色酸化鉄、不活性鉄化合物、スピネル顔料及び赤外線吸収染料を含む。ポリマーに添加することができる吸収化合物の量は、L値として表現され得る輝度、測定され、a及びb値によって表現される色等、ポリマーの視覚的特性に対するその影響によって制限されている。
【0007】
プリフォーム及び得られた褐色物品における許容レベルの輝度及び色を保持するために、再加熱添加剤の分量を減少させることがあり、これが今度は再加熱速度を減少させる。故に、ポリエステル樹脂に添加される再加熱添加剤の種類及び量は、再加熱速度を増大さ
せることならびに許容される輝度と色レベルを保持することの間で望ましいバランスをとるように調整することができる。
【0008】
特許文献2(アドチオ(Adochio))は、ナノ粒子を含む透明、無色の赤外線吸収組成物に関する一般的開示を含む。該特許は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg,Zr,Cr,Mn,Fe,Ru,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,Al,Ga,In,Tl,Si,Ge,Sn,Pb,Sb,B,F,P,S,Se,Br,Te,Ti,Nb,V,Mo,Ta,Re,Be,Hf,Os,Bi,Iから選択される元素を組み込んでいてよい酸化タングステン粒子を開示している。さらに、該特許は、記述されている材料についての粒径の範囲及びローディングレベルの範囲を開示している。該文書は、記述されている粒子が、熱可塑性組成物、熱硬化性組成物、放射線硬化性組成物、及び金属アルコキシドを含む組成物から選択され得る結合剤中に分散され得ることを示唆している。好適な熱可塑性樹脂は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ビニルポリマー、アクリルポリマー及びコポリマーならびにそれらの混和物を含むがこれらに限定されないといわれている。好適な熱硬化性樹脂は、例えば、アクリル、飽和又は不飽和のポリエステル、ポリウレタン又はポリエーテル、ポリビニル、セルロース誘導体、アクリレート、シリコンベースポリマー、それらのコポリマー及びそれらの混合物から選択され得、数ある中でも、エポキシ、カルボン酸、ヒドロキシル、イソシアネート、アミド、カルバメート及びカルボキシレート基(それらの混合物を含む)等の反応性基を含有し得る。好適な放射線硬化性組成物は、(メタ)アクリレート化ウレタン(すなわち、ウレタン(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリレート化エポキシ(すなわち、エポキシ(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリレート化ポリエステル(すなわち、ポリエステル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリレート化メラミン(すなわち、メラミン(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリレート化(メタ)アクリル、(メタ)アクリレート化シリコーン、(メタ)アクリレート化ポリエーテル(すなわち、ポリエーテル(メタ)アクリレート)、ビニル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリレート化油を含む放射線硬化性オリゴマー及びポリマーを含むといわれている。
【0009】
特許文献2は、コーティング組成物を生成する際、ならびにシート、フィルム、ボトル、トレイ、他の包装、ロッド、チューブ、蓋、繊維及び射出成形物品等の物品を生成する際に記述されている材料の使用も主張している。
【0010】
特許文献2は、具体例をまったく含んでいない。
ポリエステルプリフォームに組み込まれて十分な再加熱を生成することができる多くの材料があることは明白であるが、プリフォーム(及びそれを吹いて形成したボトル)の光学特性を好適に維持しながら十分な再加熱を実現することが目下の課題である。特に、ポリエステルの過剰な(かつ許容されない)暗色化又は着色なしに十分な再加熱を提供することが課題である。これは、プリフォームが飲料ボトル等の液体容器を製造するために使用される場合、とりわけミネラルウォータを含有する際の使用について、高透明度及び色の非存在(又はわずかに青みを帯びた色の存在)が望ましくかつ/又は必須であるとみなされる場合に、特に関係がある。
【0011】
透明度は通常、CIELABシステムにおいてLとして提示され、100が最も明るく、0が最も暗い。したがって、高いLが望ましい。加えて、bがゼロに近い又はわずかに負であるであること及びaがゼロに近いことが望ましい。
【0012】
市販の活性炭再加熱添加剤は、ポリトレード(Polytrade)によって参照番号U1で販売されている。実現される再加熱のレベルは許容されるが、ポリマーの望ましくない暗色化及び/又は着色なしに再加熱のレベルを増大させることは困難である。
【0013】
市販の窒化チタン再加熱添加剤は、特許文献3(カラーマトリックス(ColorMatrix))及び特許文献4(イーストマン(Eastman))において記述されている。提案されているレベルでの再加熱は適度であるが、再加熱を上昇させるための試みにおいてより多くの窒化チタンが使用されれば、Lが低減され、bが負に傾きすぎ(すなわち、ポリマーの青みが大きくなりすぎ)、その結果として、その効果に対抗するためにトナーを添加する必要がある。しかしながら、トナーの添加は、Lをさらに不都合なほど低下させる。
【0014】
加えて、再加熱剤は、熱成形中のシートの再加熱を改良するために、シートにおいて使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第3,733,309号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0184901号明細書
【特許文献3】国際公開第2005/095516号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2007/064312号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の好適な実施形態の目的は、プリフォーム、容器及び/又はシート用の有利な再加熱添加剤を提供することにある。
本発明の好適な実施形態の目的は、再加熱が改良され、透明度及び/又はLに対する影響が低減された、ポリエステルプリフォーム用の添加剤を提供することにある。
【0017】
本発明の好適な実施形態の目的は、再加熱が改良され、透明度及び/又はLに対する影響が低減され、ゼロに近い、かつ/又は望ましくない黄色を付与するような正に傾きすぎない、かつ/又は大きすぎる青み効果を付与するような負に傾きすぎないbを伴う、ポリエステルプリフォーム用の添加剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の第1の態様によれば、酸化タングステン粒子を含むポリマー組成物、とりわけポリエステル組成物を含んでなる、容器又はシート用のプリフォームの形態をなす、物品が提供される。
【0019】
上記の物品は好適には、容器用のプリフォームである。
酸化タングステン粒子は、一般式WOx[式中、2.65≦x≦2.95等、2.2≦x≦2.999である]のものであってよい。酸化タングステン粒子は、一般式MxWyOz[式中、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi及びIから選択される1つ又は複数の元素であり;Wはタングステンであり;Oは酸素であり;0.001≦x/y≦0.1等の0.001≦x/y≦1及び2.65≦z/y≦2.95等の2.2≦z/y≦2.999である]のものであってよい。いくつかの実施形態において、酸化タングステン粒子が一般式MxWyOzのものである場合、z/yは2.72又は2.9である。2.9への言及は、2.90及び2.92の両方を網羅する。
【0020】
前記酸化タングステン粒子は好適には、式WO2.72又はWO2.9のものである。
そのような酸化タングステン粒子は、再加熱性能、L及び/又はbの観点から、市販の窒化チタン及び炭素ベースの再加熱剤よりも驚くほど有利であることが分かっている。1実施形態において、前記酸化タングステン粒子は式WO2.90のものであってよく、別の実施形態において、前記酸化タングステン粒子は式WO2.92のものであってよい。
【0021】
とりわけ好ましいのは、式WO2.72の酸化タングステン粒子である。この材料は、次の具体例においてさらに記述する通り、プリフォームに組み込まれた際に、例外的な再加熱及び光学特性を有することが分かっている。
【0022】
前記酸化タングステン粒子は、好ましくは、少なくとも70wt%、少なくとも80wt%、少なくとも90wt%、少なくとも95wt%、少なくとも99wt%、又は、とりわけ約100wt%のWO2.72を含む。
【0023】
本明細書における「ppm」への言及は、「重量で100万分の1」を指す。
前記ポリマー組成物(とりわけ前記ポリエステル組成物)は、5ppmから150ppm、好適には12から150ppm、好ましくは12から100ppm、より好ましくは12から50ppm、とりわけ20から50ppmの酸化タングステン粒子、とりわけWO2.72を含み得る。
【0024】
前記酸化タングステンは、好ましくは、ポリマー組成物(とりわけ前記ポリエステル組成物)の全体に、及び/又は後述する通りのポリエステルポリマーの全体に、実質上均質的に分散している。
【0025】
前記物品(とりわけ前記プリフォーム)の少なくとも80wt%、少なくとも90wt%、少なくとも95wt%又は少なくとも99wt%は、好適には、前記ポリマー組成物(とりわけ前記ポリエステル組成物)でできている。前記物品(とりわけ前記プリフォーム)は、好ましくは、本質的に前記ポリエステル組成物からなる。
【0026】
前記物品(とりわけ前記プリフォーム)は、5から150ppm、好適には12から150ppm、好適には12から150ppm、好ましくは12から100ppm、より好ましくは12から50ppm、とりわけ20から50ppmの酸化タングステン粒子、とりわけWO2.72を含み得る。
【0027】
前記プリフォームは、好適には、12gから1200gの範囲内、好ましくは15から40gの範囲内、より好ましくは18から40gの範囲内の重量を有する。前記プリフォームは、0.00009gから0.006gの酸化タングステン粒子、とりわけWO2.72を含み得る。
【0028】
前記ポリマー組成物は、好ましくは、前記ポリエステル組成物である。前記ポリエステル組成物は、好ましくは、少なくとも70wt%、少なくとも80wt%、少なくとも90wt%、少なくとも95wt%、少なくとも98wt%又は少なくとも99wt%のポリエステルポリマーを含む。前記ポリエステル組成物は、99.99wt%未満又は99.95wt%未満のポリエステルポリマーを含み得る。
【0029】
好適なポリエステルポリマーの例は、PET、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ(1,4−シクロ−ヘキシレンジメチレン)テレフタレート(PCT)、ポリ(エチレン−co−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PETG)、コポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレン/エチレンテレフタレート)(PCTG)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート−co−イソフタレート)(P
CTA)、ポリ(エチレンテレフタレート−co−イソフタレート)(PETA)及びそれらの混和物又はそれらのコポリマーの1つ又は複数を含む。好適なポリエステルの例は、米国特許第4,359,570号明細書において記述されているものを含み、本願明細書にその全体を援用する。
【0030】
用語ポリエステルは、ポリエーテルエステル、ポリエステルアミド及びポリエーテルエステルアミドを含むがこれらに限定されないポリエステル誘導体を含むことも意図している。したがって、簡単にするために、本明細書及び請求項の全体を通して、用語ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリエステルアミド及びポリエーテルエステルアミドは交換可能に使用され得、典型的には、ポリエステルと称される。
【0031】
好ましくは、前記ポリエステルポリマーは、PET、PEN及びコポリマー又はそれらの混合物を含み、好ましくは本質的にそれらからになる。前記ポリエステルポリマーは、好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)を含み、より好ましくは本質的にそれからになる。
【0032】
好適には、ポリアルキレンテレフタレートポリマー又はポリアルキレンナフタレートポリマーは、ポリマー中のユニットの総モルに基づき、少なくとも60モル%の量のポリアルキレンテレフタレートユニット又はポリアルキレンナフタレートユニットを有するポリマーをそれぞれ意味する。故に、ポリマーは、完成したポリマー中の原料のモル%によって測定した際に、少なくとも85モル%、又は少なくとも90モル%、又は少なくとも92モル%、又は少なくとも96モル%の量のエチレンテレフタレート又はナフタレートユニットを含有し得る。故に、ポリエチレンテレフタレートポリマーは、エチレンテレフタレートユニット及びアルキレングリコール又はアリールグリコールに由来する他のユニットと、脂肪族又はアリールジカルボン酸とのコポリエステルからなってよい。
【0033】
ポリエチレンテレフタレートは、少なくとも60モル%、又は少なくとも70モル%、又は少なくとも85モル%、又は少なくとも90モル%、及び多くの用途で少なくとも95モル%のテレフタル酸又はC1〜C4ジアルキルテレフタレートを含む2酸又はジエステル成分を、少なくとも60モル%、又は少なくとも70モル%、又は少なくとも85モル%、又は少なくとも90モル%、及び多くの用途で少なくとも95モル%のエチレングリコールを含むジオール成分と反応させることによって製造され得る。2酸成分はテレフタル酸であり、かつジオール成分はエチレングリコールであることが好ましい。すべての2酸成分(複数可)についてのモル百分率は合計で100モル%となり、すべてのジオール成分(複数可)についてのモル百分率は合計で100モル%となる。
【0034】
本明細書において使用される場合、「d50粒径」はメジアン径であり、ここで、体積の50%は記載されているd50値よりも大きい粒子で構成され、体積の50%は記載されているd50値よりも小さい粒子で構成される。本明細書において使用される場合、メジアン粒径はd50粒径と同じである。
【0035】
前記酸化タングステン粒子は、好適には、50μm未満、好ましくは25μm未満、より好ましくは10μm未満、とりわけ5μm以下のd50を有する。いくつかの実施形態において、前記粒子は、2μm未満、1μm未満、0.1μm未満、又は0.05μm未満のd50を有し得る。前記粒子のd50は、0.001μm超又は0.010μm超であってよい。d50は、本明細書において記述されている通りに測定され得る。
【0036】
5wt%未満、3wt%未満又は1wt%未満の前記酸化タングステン粒子は、本明細書において記述されている通りに測定された100μmを超える粒径を有する。好ましくは、少なくとも99wt%、より好ましくは約100wt%の前記酸化タングステン粒子
は、20μm未満、好ましくは10μm未満、より好ましくは5μm未満のサイズを有する。
【0037】
粒径分布は、「スパン(S)」によって表現することができ、ここで、Sは、下記の方程式:
S=(d90−d10)/d50
[式中、d90は、体積の90%が記載されているd90よりも小さい直径を有する粒子で構成される粒径を表し;d10は、体積の10%が記載されているd10よりも小さい直径を有する粒子で構成される粒径を表し;d50は、体積の50%が記載されているd50値よりも大きい直径を有する粒子で構成され、かつ体積の50%が記載されているd50値よりも小さい直径を有する粒子で構成される粒径を表す]
によって算出される。
【0038】
スパン(S)が例えば0〜10、又は0〜5、又は0.01〜2である酸化タングステン粒子の粒径分布が好適であることがある。
ポリマー、例えばポリエステル組成物の色に対する酸化タングステン粒子の影響は、CIE Lスケール[ここで、Lは0から100の範囲であり、暗から明へ測定する]を使用して評価することができる。色は、本明細書において記述されている通りに評価され得る。前記物品(とりわけ前記プリフォーム)は、好適には、少なくとも55、好ましくは少なくとも63、より好ましくは少なくとも70のLを有する。該物品は、好適には、2.0未満、好ましくは1.0未満、より好ましくは0.5未満のbを有する。bは、−0.28超であってよい。aは、−1から0の範囲内であってよい。
【0039】
前記物品(とりわけ前記プリフォーム)は、少なくとも10ppm、少なくとも15ppm又は少なくとも20ppm(好適には100ppm未満又は50ppm未満)の酸化タングステンを含んでよく、Lは、少なくとも70又は少なくとも75又は少なくとも77であってよく、85又は82未満であってよい。
【0040】
前記ポリマー、例えばポリエステル組成物(及びその結果として物品(とりわけ前記プリフォーム))は、好適には、再加熱特性が改良されており、高速でかつ/又はより少ない再加熱エネルギーの印加で再加熱することができるため、再加熱効率が増大されている場合がある。有利には、再加熱特性における改良は、適切な光学特性、例えばLを維持しながら実現することができる。
【0041】
最適な実施形態において、前記物品(とりわけ前記プリフォーム)はポリエステル組成物を含んでなり(好適には、概ねポリエステル組成物からなり)、ポリエステル組成物は、98wt%を超える(とりわけ99wt%を超える)ポリエステルポリマー及び5〜150ppm(とりわけ20〜50ppm)の酸化タングステン粒子を含み、ここで、ポリエステルポリマーは好適には概ねPETからなり、酸化タングステン粒子は好適には概ねWO2.72からなる。ポリエステル組成物中の材料のバランスは、他の添加剤、例えばトナー、アセトアルデヒドスカベンジャー、加工助剤、結晶化助剤、衝撃改質剤、表面平滑剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び触媒不活性化剤でできていてよい。加えて、ポリエステル相溶性ビヒクル及び酸化タングステン粒子を含む分散液をポリエステルポリマーに添加して、プリフォームのポリエステル組成物を調製する場合、前記ポリエステル組成物は残留ビヒクルも含み得る。
【0042】
前記物品がシートである場合、ポリマー組成物は、酸化タングステン粒子及びポリカーボネート、ポリオレフィン又はポリエステルからなるものであってよい。酸化タングステン粒子は、上述した通りであってよい。
【0043】
本発明の第2の態様によれば、酸化タングステン粒子を含むポリマー組成物(とりわけポリエステル組成物)を含む包装容器又は熱成形物品が提供される。
ポリマー(例えばポリエステル)組成物及び酸化タングステン粒子は、第1の態様により記述されている通りであってよい。包装容器又は熱成形物品は、第1の態様の物品から、かつ/又は第3の態様によって記述されている通りに作製され得る。
【0044】
本発明が包装容器に関するものである場合、好適には、前記包装容器は、好適にはボトル、例えば炭酸飲料及びアルコール飲料の少なくとも一方を入れるために好適なもの等の飲料ボトルである。ボトルは、水を含有するのに好適に実質上透き通ったボトルであってよい。
【0045】
本発明の第3の態様によれば、
(i)第1の態様に記載の物品を選択する工程と、
(ii)該物品を加熱し、それをブロー成形に供し、それによって包装容器を作製する工程、又はそれを熱成形に供して熱成形物品を形成する工程と
を備える、包装容器及び熱成形シートから選択される物品を作製する方法が提供される。
【0046】
方法は、好適には、500nmから1500nmの範囲内の波長を好適には有する赤外線ヒータを使用して加熱する工程を含む。方法は、好ましくは、物品(とりわけプリフォーム)を、組成物中に含まれるポリマー(例えばポリエステル)のガラス転移温度を上回って加熱する工程を含む。プリフォームの事例において、方法は、プリフォームを鋳型内に位置付ける工程と、加圧ガス(例えば空気)が該鋳型の開口端を通過するのを可能にする工程とを含み得る。
【0047】
前記包装容器は、100mlから1500mlの範囲内の体積を画定し得る。
第4の態様によれば、物品を画定するために、酸化タングステン粒子を含むポリマー組成物(とりわけポリエステル組成物)を熱処理する工程を含む、容器又はシート用のプリフォームから選択される物品を作製するための方法が提供される。
【0048】
ポリエステル組成物及び/又は酸化タングステン粒子は、第1の態様によって記述されている通りであってよい。
方法は、好ましくは、プリフォームを画定するために、酸化タングステン粒子を含むポリエステル組成物を射出成形する工程を含む、包装容器用のプリフォームを作製するためのものである。
【0049】
方法は、溶融又は固体バルクポリエステル、及び液体、溶融又は固体ポリエステル濃縮組成物を、酸化タングステン粒子を含む濃縮組成物であるプリフォームを製造するための機械に送給して、ポリエステルプリフォームの重量に基づき、約5ppmから約150ppmの酸化タングステン粒子を有するプリフォームを取得する工程からなってよい。
【0050】
代替として、プリフォームは、ポリエステルポリマー中に分散されている酸化タングステン粒子を含む、例えばペレット又は顆粒形態のポリエステル組成物を選択し、該ポリエステル組成物を射出成形することによって作製することができる。
【0051】
第5の態様によれば、ポリマー組成物(とりわけポリエステルポリマー)及び/又はポリマー組成物(とりわけポリエステル組成物)を含むプリフォームもしくはシートの再加熱特徴を改良するための酸化タングステン粒子の使用が提供される。
【0052】
再加熱の改良は、前記酸化タングステン粒子の包含が、前記酸化タングステンの非存在下における同じポリマー及び/又はポリマー組成物と比較して、再加熱速度の増大、もし
くはより少ない再加熱エネルギーで(再加熱効率の増大)又はその両方につながることを意味する場合がある。
【0053】
第6の態様によれば、酸化タングステン粒子を含むポリマー組成物(とりわけポリエステル組成物)が提供される。
ポリマー及び/又はポリエステル組成物は、第1の態様によって記述されている通りであってよい。
【0054】
第7の態様によれば、
ジカルボン酸ジエステルをジオールでエステル交換するか、又はジカルボン酸をジオールで直接エステル化して、ポリエステルモノマー又はポリエステルオリゴマーの1つ又は複数を取得することを含む、エステル化工程と、
該ポリエステルモノマー又はポリエステルオリゴマーの1つ又は複数を、重縮合反応において重縮合触媒の存在下で反応させて、好適には約0.50dL/gから約1.1dL/gのIt.V.を有するポリエステルポリマーを生成することを含む、重縮合工程と、
溶融ポリエステルポリマーが凝固して粒子となる粒子化工程と、
固体ポリマーが、好適には約0.55〜約1.2dL/gのIt.V.に重合される任意選択の固相化工程と、
酸化タングステン粒子を添加及び分散させて、該ポリエステルポリマー中の酸化タングステンの分散物を提供することを含み、前述の工程のいずれかの前、最中又は後に発生する粒子添加工程と
を含む、第6の態様によるポリエステル組成物を作製する方法が提供される。
【0055】
It.Vは、(特許文献4)、23頁8行目から24頁15行目において記述されている通りに測定することができ、上述の内容を本願明細書に援用する。
工程は、固相化工程に続いて、得られた固体ポリマーを融解させ押し出して、その中に酸化タングステン粒子が分散されているプリフォームを取得することを含む形成工程をさらに含み得る。粒子添加工程は、固相化工程の最中又は後、かつ形成工程の前に発生し得る。粒子添加工程は、形成工程の前又は最中に、熱可塑性濃縮物の重量に対して約100ppmから約5,000ppmの量の酸化タングステン粒子を含む熱可塑性濃縮物として、酸化タングステン粒子を添加する工程からなってよい。酸化タングステン粒子の粒径は、前記プリフォームについて上述した通りであってよい。
【0056】
粒子添加工程は、重縮合工程の前もしくは最中;又は粒子化工程の前もしくは最中;又は固相化工程の前もしくは最中;又は形成工程の前もしくは最中に行われてよい。
前記ジカルボン酸は、テレフタル酸からなってよい。前記ジカルボン酸ジエステルは、ジメチルテレフタレートからなってよい。前記ジオールは、エチレングリコールからなってよい。代替として、前記ジカルボン酸は、ナフタレンジカルボン酸からなってよい。
【0057】
熱可塑性濃縮物は、熱可塑性濃縮物の重量に基づき、約0.01wt.%から約35wt.%の範囲の量の酸化タングステン粒子;及び熱可塑性濃縮物の重量に基づき、少なくとも65wt.%の量の熱可塑性ポリマー(好適にはポリエステル)からなってよい。
【0058】
1つの好適な実施形態において、酸化タングステン粒子は、方法において使用されるモノマーの1つ中に分散していてよい。この事例において好適には、酸化タングステン粒子は、エステル化反応において反応するテレフタル酸中に分散している。
【0059】
第8の態様によれば、ポリマー(例えばポリエステル)と相溶性である担体と該担体中に分散している酸化タングステン粒子とを含む液体配合物が提供される。
酸化タングステン粒子は、前述の態様により記述されている通りであってよい。
【0060】
前記担体は液体であってよく、植物もしくは鉱油またはグリコールであってよい。特に好ましいグリコールは、とりわけ酸化タングステンの粒子がPET重合において使用される材料に添加されるならば、エチレングリコールである。酸化タングステンは、担体中で粉砕されて、好適には、任意の集塊を一次粒子に分解することができる。
【0061】
本明細書において記述されている任意の実施形態又は発明の任意の特色を、本明細書において記述されている任意の他の発明と、変更すべきところは変更して組み合わせてよい。
【0062】
ここで、本発明の具体的な実施形態を、例として添付の図を参照して記述する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】選択されたプリフォームについて、光透過率対ピークプリフォーム再加熱のプロットを示すグラフ。
図2】種々の酸化タングステン(WO)添加剤のピークプリフォーム再加熱温度対ローディング(ppm)のプロットを示すグラフ。
図3】異なる再加熱添加剤について、ピークプリフォーム再加熱対活性ローディング(active loading)のプロット、及びプリフォーム再加熱対プリフォームLのプロットを示すグラフ。
図4】異なる再加熱添加剤について、ピークプリフォーム再加熱対活性ローディングのプロット、及びプリフォーム再加熱対プリフォームLのプロットを示すグラフ。
図5】2つの異なる酸化タングステン試料について、ピークプリフォーム再加熱対活性ローディングのプロット、及びプリフォーム再加熱対プリフォームLのプロットを示すグラフ。
図6】再加熱添加剤について、b対ローディング(ppm)のプロットを示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0064】
下記の材料は以下のように称する:
C93は、エクイポリマーズ(Equipolymers)製の標準的な(非再加熱)PETボトルグレードポリマーであるLighter(商標)C93を指す。これは0.08のIVを有する。これを対照として使用した。
未粉砕WO2.72は、WO72を指す。
粉砕WO2.72は、粉砕WO72を指す。
未粉砕WO2.9は、WOを指す。
粉砕WO2.9は、粉砕WOを指す。
【0065】
上述の酸化タングステン(WO)試料の粒径を検査した。ジクロロメタンを充填したマイクロ体積モジュールが装着されたベックマンコールター(Beckman Coulter)LS230レーザー回折式粒度分布測定装置を使用した。試料を鉱油中で予め希釈した後、モジュールに添加した。試料を何度も流し、データの平均値を求めた。
【0066】
結果は次の通りであった:
【0067】
【表1】
【0068】
窒化チタン−市販の窒化チタン再加熱添加剤
U1−0.5μm未満のD50及び2μmの最大粒径を有する、ポリトレード(Polytrade)によって販売されている活性炭再加熱添加剤
プリフォームについての任意選択の、例えばLデータは、アイビーエム(IBM)互換性PCに連結されたミノルタ(Minolta)CM−3700d分光光度計(D65照度10°観察者、反射含む、UV含む)を使用して透過率で測定した。試験は、ミノルタ(Minolta)によって供給されている標準的なプリフォームホルダーを使用して為された。
(実施例1)
プリフォームの調製
担体媒質中の再加熱添加剤を含む液体分散系を配合し、射出成形機のスロートで乾燥C93ポリマーに添加した。次いで、1ショット当たり2つのプリフォームを作製する160トンのハスキー(HUSKY)射出成形機を使用して、ポリマーからプリフォームを作製した。射出成形は、270℃で行った。各プリフォームは、およそ35グラムの重量であり、長さおよそ130mm、ネジ式頭部口金(screw top base)付きの円筒状であった。プリフォームを吹き込んで、花弁状口金(petaloid base)付きの1リットルボトルとしてもよい。
(実施例2)
再加熱を評価するための方法
すべての試料/バッチについてプリフォームを同じ場所に貯蔵し、少なくとも24時間調節させて、試験されるすべてのプリフォームが同じ出発温度であることを確実にする。
【0069】
標準設定をシデル(Sidel)SB−01延伸ブロー成形機に入力する。該機械は、各バンクが9×1500W+1×2000ワットの赤外線加熱ランプを含有するオーブンの2つのバンクを収納している。オーブン1つ当たり10個のランプであり、合計20個のランプである。
【0070】
1000b/p/h(1時間当たりのボトル数)である設定スループット速度を入力する。この生産速度において、プリフォームはオーブンを通過するのにおよそ45秒を要する。プリフォームは、オーブンを通過する際に、一定速度で自動的に回転するため、プリフォームの外表面全体がオーブンランプに均等に暴露される。
【0071】
設定量のI.Rエネルギーが全部のプリフォームに供給されてバイアスがないことから、機械の加熱係数の電源を切る(これは、プリフォーム再加熱温度を所定の設定点に導くための試みにおいて、オーブンランプに供給されるエネルギーを自動的に能動制御する場合の機能である)。
【0072】
各ランプを60%出力に設定し、全部のランプへの出力を制御するマスターエネルギー設定も60%に設定する。これらの条件において、オーブンランプはいずれもそれらの最
大動作能力の60%の60%で動作する。
【0073】
プリフォームがオーブンを通過した後、プリフォーム表面温度を測定する赤外線カメラを通る前におよそ3秒間の調節期間(I.R.エネルギー暴露なし)がある。それらが通り過ぎる際にすべてのプリフォーム表面温度を記録するデータ捕捉ステーションにカメラを接続する。
【0074】
バッチからの最少の5つのプリフォームを試験し、平均再加熱の数値を獲得する。各バッチを代表するプリフォームは千鳥状形式で機械に入力されるため、いずれのバッチもバイアスを引き起こさない。例として、3つの異なる樹脂(A,B,C)の再加熱挙動を比較するなら、各樹脂から生成された最少の5つのプリフォームが再加熱試験のために選択され、プリフォームは順不同(例えば、A−C−B−B−C−C−A−C−B−A−C−A−A−B−B、すべてがAになることはなく、BもCも同様である)で機械に入力されるであろう。次いで、プリフォームの各セットについて、平均再加熱の数値が獲得されるであろう。
【0075】
再加熱改良(試験プリフォームが到達した温度マイナスC93対照(すなわち、いかなる再加熱添加剤も含有しない)が到達した温度として定義される)を算出した。
(実施例3)
プリフォームのLAB及び再加熱評価
選択されたレベルの添加剤を使用して、実施例1において記述されている通りにプリフォームを作製し、L,a,bならびに再加熱を実施例2において記述されている通りに測定することによってプリフォームを評価した。結果を表1において提供する。
【0076】
【表2】
【0077】
表1は、未粉砕WO2.72よりも粉砕WO2.72材料のほうがわずかに暗色(より低L)であるが、実質上の再加熱改良はないことを示す。対照的に、未粉砕及び粉砕WO2.9の再加熱改良の間にはほとんど差異がない。使用される典型的なローディング(6ppm)での比較用の市販材料U1及びTiNは、WO試料のそれぞれよりも暗色である(はるかに多くのWOが各事例において使用されているという事実にもかかわらず)が、同様の再加熱レベルを取得することができる。この効果を下記の例においてさらに検証する。
【0078】
酸化タングステン試料のそれぞれはU1試料と比較して黄みが少ないことも表1から分かるであろう。また、予想外にも、粉砕WO2.72試料はゼロに最も近いbを有し、これは、透き通ったボトルにおいて使用するために特に有利である。ΤiΝは、青の色合
いを暗示する負のbを有するが、再加熱のレベルを(例えばWO試料において見られるレベルに向けて)増大させるための試みにおけるΤiΝのレベルの任意の増大は、青の色合いのレベル(bにおける増大)を有害かつ/又は許容されないレベルに増大させるであろう。
(実施例4)
光透過率(%)対ピークプリフォーム再加熱の評価
実施例1において記述されている通りに、異なるレベルの再加熱剤(粉砕WO2.72、U1及びΤiΝ)を含む様々なプリフォームを作製し、光学及び再加熱データを取得した。結果は図1において報告されており、この図から、すべてのピークプリフォーム再加熱値(℃)について、粉砕WO2.72が市販のU1及びΤiΝ材料よりも高い光透過率(%)を有することが分かるであろう。
(実施例5)
種々のWO添加剤を使用する到達可能な再加熱の比較
実施例1から3に記載されているものに類似する工程により、ピークプリフォーム再加熱温度を添加剤の様々なローディングについて評価した。結果を図2においてグラフ形状で提示する。
【0079】
すべてのローディングについて、粉砕WO2.72材料が再加熱効率における有意な改良を提供することが図2から明白である。加えて、WO2.72材料について、粒径を低減させることによりWO2.72材料の性能が改良されたことが明白である。これは、粉砕及び未粉砕材料の間の差異が比較的小さいWO2.9材料と対照的である。有利には、レベルを低減させたWO2.72材料を使用して、他のWO添加剤と同じ再加熱レベルを実現することができる。
(実施例6)
WO2.72、U1及びTiNの一連のローディングについて、プリフォーム再加熱及びプリフォームLを評価し、結果を図3においてグラフで提示する。許容されるプリフォームの色(L)をL=79とすれば、垂直線A、B、C、Dは、それを実現するために使用されるローディング及び実現される再加熱のレベルを示す。粉砕WO2.72を表すLと交差する線Dは、約109℃の再加熱を生成するのに対し、すべての他の事例において(例えば、U1及びTiNについて)、実現可能な再加熱は劣っており、U1についてL=79で実現可能な再加熱は、約99℃の再加熱につながる線Bと関連しており、線Aによって例証されるTiNの例も同じであることが理解されるであろう。線C(未粉砕WO2.72)は粉砕WO2.72に劣っているが、約107℃の再加熱を提供するため、U1及びTiNよりは依然としてはるかに優れている。
(実施例7)
これは、WO2.9材料をU1及びΤiΝと比較していることを除いて、実施例6と同様である。81のLについて、線E及びFは、粉砕WO2.9及び未粉砕WO2.9について到達された再加熱をそれぞれ例証している(いずれも99℃超の再加熱を有する)のに対し、線G及びH(79のより低いLについて)は、より低い再加熱を生成する。(実施例8)
これは、粉砕及び未粉砕のWO2.72及びWO2.9試料を比較していることを除いて、実施例6,7と同様である。線Hによって例証されている76%強の選択されたL値について、115℃を上回るピーク再加熱温度がWO2.72試料については40ppm未満の添加で実現された(線Iを参照)のに対し、同じ効果を実現するためには130ppmのWO2.9が必要である(線Jを参照)。
【0080】
結果は、酸化タングステン材料の使用によって生じる利点、特に、WO2.72材料の使用に関連する予想外に優れたL及びbの値を例証するものである。
(実施例9)
WO2.72、WO2.9、U1及びTiN、プリフォームbの一連のローディング
を評価し、結果を図6においてグラフで提示する。図は、TiNについて、ppmでのレベルが増大するにつれてbがいかにして不都合なほど急速に負になるかを例証するものであり、より高い再加熱は、プリフォームの許容されないほど高い青みを伴う場合のみ実現され得るのに対し、粉砕WO2.72は、広範なppmレベルについて1ユニット以内のbであることを意味している。故に、再加熱は、bに対する有害な影響を低下させつつ増大され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6